JPH09253369A - ミシン - Google Patents

ミシン

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JPH09253369A
JPH09253369A JP9314696A JP9314696A JPH09253369A JP H09253369 A JPH09253369 A JP H09253369A JP 9314696 A JP9314696 A JP 9314696A JP 9314696 A JP9314696 A JP 9314696A JP H09253369 A JPH09253369 A JP H09253369A
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shuttle
hook
sewing machine
thread
catching
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JP9314696A
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English (en)
Inventor
Koichi Akaha
浩一 赤羽
Takashi Kondo
隆 近藤
Takehisa Nozaki
剛寿 野崎
Motonari Nakano
元就 中野
Koichi Harada
幸一 原田
Tomoyuki Fujita
知之 藤田
Minoru Yamaguchi
稔 山口
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Brother Industries Ltd
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 糸輪捕捉用釜16を釜駆動モータ21により
主軸とは独立に駆動する場合に、釜駆動系のトルク変動
を簡単に抑制でき、同期ズレの発生を極力防止し得るよ
うなミシンを提供する。 【解決手段】 糸輪捕捉用釜16は、駆動力伝達系を介
して釜駆動手段の駆動力により主軸とは独立に駆動され
る。ところで、その駆動力伝達系にはフライホイール1
11が設けらているので、駆動力伝達系の質量がそのフ
ライホイール111により増大して、糸輪捕捉用釜16
や駆動力伝達系を含む釜駆動手段の負荷に変動が生じる
場合でも、そのフライホイール111により釜駆動系の
トルク変動を抑制することができる。その結果、主軸に
対する糸輪捕捉用釜16の同期ズレの発生を極力防止す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糸輪捕捉用釜を主
軸に対して釜駆動手段により独立に駆動するように構成
し、糸輪捕捉用釜を駆動力伝達系を介して駆動する釜駆
動系のトルク変動を極力抑制するようにしたものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、通常のミシンのミシン本体は、ベ
ッド部と脚柱部とアーム部及びヘッド部とを主体として
構成され、アーム部内にミシンモータで駆動される主軸
が配設され、ヘッド部の針棒と縫針と天秤とが主軸の駆
動力で昇降駆動される。また、ベッド部内には下軸と縫
針と協働する糸輪捕捉用釜とが配設され、下軸も主軸か
らの駆動力で回転駆動される。縫針と糸輪捕捉用釜とを
同期作動させる必要から、従来のミシンでは下軸も主軸
で駆動するように構成してある。
【0003】ところで、糸輪捕捉用釜を専用の駆動モー
タでミシン主軸とは独立に駆動することにより、糸輪捕
捉用釜をミシン主軸に同期駆動させつつ、縫製条件に応
じて糸輪捕捉用釜の時々刻々の回転状態を精密に制御す
ることができる。そこで、例えば、特開昭60−217
50号公報には、縫針を駆動する針駆動モータと、糸輪
捕捉用釜を駆動する釜駆動モータとを設け、縫針と糸輪
捕捉用釜とが同期作動するように針駆動モータと釜駆動
モータとを同期制御し、一連の縫目をパーフェクト・ス
テッチとするミシンが提案されている。
【0004】実開昭61−158816号公報には、前
記公報のミシンと同様に、針駆動モータと釜駆動モータ
とを設けて同期制御することにより、目飛びを防止し、
縫目の糸締まりを改善するようにしたミシンが提案され
ている。特開平3−234291号公報には、縫針をミ
シンモータで主軸を介して駆動し、糸輪捕捉用釜をミシ
ンモータと異なる駆動モータで独立に駆動し、ミシン主
軸の回転量を検出するロータリエンコーダを設け、手動
操作でミシン主軸を回動操作した分だけ駆動モータを回
動させる連動制御手段を設けて、縫針と糸輪捕捉用釜と
の連動関係がずれないようにしたミシンが提案されてい
る。
【0005】特開平3−234293号公報には、縫針
をミシンモータで主軸を介して駆動し、糸輪捕捉用釜を
ミシンモータと異なる駆動モータで独立に駆動し、ミシ
ン主軸に針棒の位置を検出する針位置検出器を設け、駆
動モータの出力軸に駆動モータの位置を検出する釜位置
検出器を設け、ミシン停止中に手動操作でミシン主軸や
糸輪捕捉用釜を回動させ、主軸と糸輪捕捉用釜との同期
関係が崩れる可能性があることに鑑み、電源投入時に
は、縫針を最短経路で上死点へ移動させて停止させ、次
に糸輪捕捉用釜を縫針の上死点に対応する位置へ回転さ
せて停止させる初期設定制御を実行後、縫製を開始する
ようにしたミシンが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来、糸輪捕捉用釜を
駆動モータにより主軸とは独立に駆動するミシンにおい
て、糸輪捕捉用釜を主軸に同期させながら駆動制御する
場合に、駆動モータに作用する糸輪捕捉用釜や駆動力伝
達系の負荷を軽くして、糸輪捕捉用釜の同期ズレが発生
しないようにして、駆動モータを精度良く同期制御する
ようになっているが、特に糸輪捕捉用釜が半回転釜のと
きには、図18に実線で示すように、往復回動する中釜
の反転時や縫針から延びる上糸を捕捉するときに、機械
的な不連続点を通過するため、その際に、釜駆動モータ
やその駆動力伝達系を含む釜駆動系のトルクに大きな変
動が生じることになり、主軸の回転に対する同期ズレが
発生することになるが、このトルク変動を抑制する技術
は全く提案されていない。尚、図18において、主軸の
回転速度を2点鎖線で示す。
【0007】本発明の目的は、糸輪捕捉用釜を釜駆動モ
ータにより主軸とは独立に駆動する場合に、釜駆動系の
トルク変動を簡単に抑制でき、同期ズレの発生を極力防
止し得るようなミシンを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1のミシンは、ミ
シンモータで主軸を介して駆動される縫針を装備したヘ
ッド部と、縫針と協働して上糸の糸輪を捕捉する糸輪捕
捉用釜を装備したベッド部とを備えたミシンにおいて、
糸輪捕捉用釜を主軸とは独立に駆動する釜駆動手段と、
釜駆動手段の駆動力を糸輪捕捉用釜に伝達する駆動力伝
達系に設けられ、釜駆動系のトルク変動を抑制するフラ
イホイールとを備えたものである。
【0009】作用について説明すると、糸輪捕捉用釜
は、駆動力伝達系を介して釜駆動手段の駆動力により主
軸とは独立に駆動される。ところで、その駆動力伝達系
にはフライホイールが設けられているので、駆動力伝達
系の質量がそのフライホイールにより増大して、糸輪捕
捉用釜や駆動力伝達系を含む釜駆動手段の負荷に変動が
生じる場合でも、そのフライホイールにより釜駆動系の
トルク変動を抑制することができる。その結果、主軸に
対する糸輪捕捉用釜の同期ズレの発生を極力防止するこ
とができる。
【0010】請求項2のミシンは、請求項1の発明にお
いて、前記フライホイールは、外部から手動操作可能な
操作部材である。作用について説明すると、請求項1と
同様の作用を奏するが、フライホイールは、外部から手
動操作可能な操作部材であるので、操作部材を別途設け
ることなく、フライホイールを操作部材として兼用する
ことができる。
【0011】請求項3のミシンは、請求項1又は請求項
2の発明において、前記糸輪捕捉用釜は半回転釜であ
る。作用について説明すると、請求項1又は請求項2と
同様の作用を奏するが、糸輪捕捉用釜が半回転釜の場
合、剣先を有する中釜が往復回動するときに釜駆動手段
に作用する負荷が変動することになるが、請求項1と同
様に、フライホイールにより釜駆動系のトルク変動を抑
制でき、主軸に対する糸輪捕捉用釜の同期ズレの発生を
極力防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る
2本針ミシンを概念的に図示したもので、この2本針ミ
シン1は、ズボンのベルトループの両端部に同時に閂止
め縫いを施す為のミシンである。図1に示すように、ミ
シン本体は、ベッド部2とその後端側の基端部から立ち
上がる脚柱部3と脚柱部3の上端から前方へ水平に延び
るアーム部4及びヘッド部5とを有する。アーム部4内
の主軸6はインダクションモータからなるミシンモータ
7で駆動され、針棒8は針棒クランク機構9を介して昇
降駆動され、針棒8の下端の針支持体10には1対の縫
針11a,11bが取付けられ、縫針11bは、取付け
位置を前後方向に調節可能に取付けられている。
【0013】ベッド部2は、ベッド部本体部12と、こ
の前端側に所定の間隔を開けて配設された釜モジュール
13とを有し、ベッド部本体部12の前端部には糸輪捕
捉用の半回転釜15が設けられ、釜モジュール13の後
端部には糸輪捕捉用の半回転釜16が設けられ、両半回
転釜15,16内には夫々下糸ボビンが装着されてい
る。前記半回転釜15を主軸6の駆動力で駆動する為
に、ベッド部本体部12の内部には下軸17が配設さ
れ、主軸6のクランク部6aに連結したクランクロッド
18とセクターギヤ19とを介して下軸17の右端のギ
ヤ20が往復回転駆動され、通常のミシンと同様に、半
回転釜15は針棒8の上下動作と同期して駆動される。
【0014】釜モジュール13は、半回転釜16と、こ
の半回転釜16を主軸6とは独立に駆動する釜駆動モー
タ21とを有し、この釜モジュール13は使用位置と、
この使用位置から水平に所定角度回動させて退避させた
退避位置とにわたって位置切換え可能に構成してあり、
また、縫針11a,11bの間の針間隔の変更に応じて
釜間隔を調節したり、半回転釜16の剣先と縫針11b
との位置関係を調節したりする為に、釜モジュール13
は前後方向位置を微調節できるように構成してある。
尚、この釜モジュール13の詳細構造については後述す
る。
【0015】次に、図2以降の図面を参照して、2本針
ミシン1の具体的構造について説明するが、釜モジュー
ル13に関連する構成以外の構成、つまり、針棒8、縫
針11a,11b、その駆動機構、天秤機構、加工布
(被縫製布)を前後方向と左右方向とに独立に送り移動
させる布送り機構等については、既存の2本針ミシンと
同様であるので簡単に説明する。
【0016】図2は2本針ミシン1と作業テーブル22
等の正面図、図3はそれらの右側面図であり、図2、図
3に示すように、作業テーブル22の中央部に2本針ミ
シン1が装備され、作業テーブル22の下側には制御装
置140と手動操作ユニット23とが配設され、作業テ
ーブル22の右端部には液晶ディスプレイ24と操作部
25とを有する操作パネル26が立設されている。尚、
ベルトループのベルトループ連続体を供給する供給ユニ
ット27についての説明は省略する。
【0017】図4〜図9を参照して布送り機構30につ
いて簡単に説明する。図4〜図6に示すように、縫針1
1a,11bに対応する布押え31a,31bが設けら
れ、布押え31aは支持アーム32の前端の昇降案内部
32aにL形板33aを介して支持され、布押え31b
は支持アーム32に前後方向に摺動自在に係合された可
動支持アーム32Aの前端の昇降案内部32bにL形板
33bを介して支持され、可動支持アーム32Aは2本
のノブ付きビス34で支持アーム32に固定解除可能に
固定されている。布押え31aに固定されたL形板33
aは昇降案内部32aに上下摺動自在に装着されてエア
シリンダ35aで昇降駆動され、布押え31bに固定さ
れたL形板33bは昇降案内部32bに上下摺動自在に
装着されてエアシリンダ35bで昇降駆動される。前記
支持アーム32は、XY送り機構36の連結部材37に
固着されている。尚、エアシリンダ35a,35bは制
御装置140で駆動制御される。
【0018】布受け板38は布押え31a,31bの下
側へ延びて布押え31a,31bとの間に加工布を挟持
して加工布をX方向(左右方向)とY方向(前後方向)
とに独立に布送りするものであり、布受け板38は保持
板38aを介して送り作動体39に固定され、この送り
作動体39に連結部材37が固定されている。それ故、
布受け板38と布押え31a,31bとは加工布を挟持
したまま一体的に送り作動する。
【0019】図5〜図9に示すように、XY送り機構3
6に関して、ベッド部本体部12の基端側部分であるベ
ッド部基部12Aのケース40内のθ軸サーボモータ4
1により螺旋カム軸42が駆動され、R軸サーボモータ
43により螺旋カム軸44が駆動される。L形の揺動ア
ーム45の回動中心部のボス部45aは支軸46の上端
部に遊嵌的に枢着され、この揺動アーム45の小輪45
bが螺旋カム軸42に係合され、揺動アーム45の前端
の駒45cが送り作動体39の前後方向に細長の係合穴
39aに係合されている。揺動アーム47の基端部は支
軸48に枢着され、この揺動アーム47の途中部の小輪
47aが螺旋カム軸44に係合され、揺動アーム47の
左端の駒47bが送り作動体49の左右方向に細長の係
合穴49aに係合されるとともに、駒47bの下側の軸
部47cがボス部45aに連結されている。
【0020】送り作動体49は、ベース部材50に対し
てスライドユニット49Yにより前後方向に摺動自在に
支持され、送り作動体39は、送り作動体49に対して
スライドユニット39Xにより左右方向へ摺動自在に支
持されている。それ故、R軸サーボモータ43により、
螺旋カム軸44と揺動アーム47とスライドユニット4
9Yとを介して送り作動体49を主に前後方向へ送り駆
動し、θ軸サーボモータ41により、螺旋カム軸42と
揺動アーム45とスライドユニット39Xとを介して送
り作動体39を主に左右方向へ送り駆動することができ
る。但し、厳密には、両モータ41,43によりX方向
送りとY方向送りが実行される。それ故、制御装置14
0により、両モータ41,43の回転方向と回転量を夫
々制御することで、X方向又は−X方向の送り量、Y方
向又は−Y方向の送り量を精密に制御することができ
る。尚、以上の布送り機構30は既存のものと同様のも
のである。
【0021】次に、釜モジュール13について説明す
る。最初に、釜モジュール13の位置を切換える位置切
換え機構55について説明する。図4、図7、図10に
示すように、釜モジュール13は、ほぼ直方体状の外形
のブロック状に形成され、ベッド部本体部12と釜モジ
ュール13の下側には回動フレーム57が設けられ、釜
モジュール13は回動フレーム57の前部の上面に取付
けられている。回動フレーム57を支持する縦向きの枢
支軸58は、回動フレーム57の枢支孔57aを挿通し
てベッド部本体部12の前端側部分の左端近傍部の穴5
9に嵌合され、水平向きのボルト60の先端のテーパー
ネジ部が枢支軸58の穴に嵌合され、回動フレーム57
は、低摩擦のベアリング材61を介して枢支軸58の頭
部58aで支持され、枢支軸58の回りに水平に回動さ
せることで、図7に実線で図示の使用位置と、鎖線で図
示のように約45度回動させた退避位置に切換え可能に
構成してある。
【0022】釜モジュール13を使用位置にロックする
為のロックピン62は、エアシリンダ63で昇降駆動さ
れ、ロックピン62の上端のテーパー状の係合部62a
をベッド部本体部12のボス部64の係合穴に係合させ
ると、使用位置にロック状態となる。回動フレーム57
の後端部には左右1対の押圧部材65が設けられ、これ
ら押圧部材65がベアリング板66の下面に当接してい
る。釜モジュール13を使用位置から退避位置に切換え
る際には、エアシリンダ63でロックピン62を下降さ
せ、手動にて釜モジュール13を退避位置の方へ水平に
回動させると、押圧部材65がベアリング板66の下面
を摺動しながら、回動フレーム57は枢支軸58を回動
中心として回動して、退避位置に切換えられる。尚、本
実施形態では、釜モジュール13を手動操作で待避位置
へ移動させるが、バネ部材やエアシリンダ等により自動
的に位置切換えするように構成してもよい。
【0023】ロックピン62の位置を検出する近接スイ
ッチ68は、ロックピン62を係合穴から抜くとOFF
になり、釜モジュール13の位置を検出する為の近接ス
イッチ69は、釜モジュール13が使用位置に切換えら
れるとONになる。これらスイッチ68,69の検出信
号は制御装置140に供給される。釜モジュール13を
退避位置に切換えると、半回転釜15の前方が開放さ
れ、半回転釜16の後方が開放されるので、これら半回
転釜15,16内のボビンを交換したり、絡んだ下糸や
上糸を除去したりする作業を簡単に能率的に行ない得
る。
【0024】図10は、釜モジュール13を取外した状
態における回動フレーム57の要部平面図であり、回動
フレーム57には、前後方向に長い3つの長穴78が貫
通状に形成してあり、これら長穴78に下方から夫々挿
通させたビス部材79が釜モジュール13の下端部に螺
合され、これらビス部材79を締結することで釜モジュ
ール13が回動フレーム57に固定され、また、これら
ビス部材79を緩めた状態において前記のように釜モジ
ュール13を前後に微動することができ、また、これら
ビス部材79を取り外すことで釜モジュール13を回動
フレーム57から取り外すことができる。
【0025】更に、回動フレーム57の上面に浅いキー
溝80が前後方向向きに形成され、釜モジュール13の
下端面部にもキー溝80に対向する浅いキー溝81が前
後方向向きに形成され、これらキー溝80,81に共通
のキー部材82(図14参照)が装着され、回動フレー
ム57に対する釜モジュール13の左右方向位置がズレ
ないように規制されている。
【0026】次に、釜モジュール13の内部の諸機構に
ついて簡単に説明する。図11〜図16に示すように、
釜モジュール13は、ハウジング90と、上端面にビス
で取付けられる針板91と、半回転釜16と、半回転釜
16を駆動力伝達系を介して駆動する釜駆動モータ(釜
駆動手段に相当する)21と、下糸と上糸を切断する糸
切り機構93と、給油機構130と、駆動力伝達系の駆
動軸104の原点位置を検出する釜軸原点センサ95等
を有する。釜モジュール13の上端付近の後端部に半回
転釜16が配設され、半回転釜16は、前後方向向きの
釜軸96で駆動されるドライバー97と、先端部に剣先
98aを有しドライバー97で往復揺動駆動される中釜
98と、中釜98の内側のボビンケース99と、大釜体
100等で構成されている。
【0027】前記ハウジング90内において、釜軸96
の下側には、前後方向向きの駆動軸104が配設され、
この駆動軸104の後端部が、ハウジング90の後端部
に取付けられた釜駆動モータ21の駆動軸21aにカッ
プリング105を介して同軸状に連結されている。即
ち、釜軸96を介して半回転釜16を駆動する駆動軸1
04と、この駆動軸104を駆動する釜駆動モータ21
とが同軸状に直結され、しかも釜駆動モータ21は、釜
モジュール13の後端部分で且つベッド部本体部12の
下側に位置するように配設されている。これにより、釜
モジュール13は、その幅寸法が小さくなり且つ小型化
されているので、これに伴ってベッド部が小型化されて
いる。
【0028】そして、その駆動軸104の途中部におい
て、所定距離だけ離れた1対の連結板106a,106
bを対向状に固着するとともに、これら連結板106
a,106bを連結することでクランク機構106が設
けられ、このクランク機構106に連結されたクランク
ロッド107でセクターギヤ108が支軸109を中心
として往復揺動駆動され、セクターギヤ108に噛合す
るギヤ部材110と釜軸96とが一体的に往復回転駆動
されて半回転釜16のドライバー97が往復回転駆動さ
れる。
【0029】ここで、駆動軸104の前端部には、駆動
軸104の回転速度変動を抑制するフライホイールとし
て機能する手動操作用ノブ(これが操作部材に相当す
る)111が装着され、この手動操作用ノブ111は、
釜駆動モータ21の駆動時における立上がりに影響を及
ぼすことがない程度の質量を有し、常にはカバー部材1
12で前方から覆われている。しかし、そのカバー部材
112の下側は開放状になっなおり、カバー部材112
の下側から、手動操作用ノブ111を指で手動操作して
回転可能になっている。即ち、フライホイールである手
動操作用ノブ111は、釜駆動モータ21の駆動力を伝
達する駆動力伝達系に設けられている。
【0030】図13に示すように、釜軸96は、それに
外嵌されたカラー113をビス(図示略)でハウジング
90に固定することで軸方向位置が設定されるが、この
ビスを緩めた状態で、このビスに対向する偏心ビス(図
示略)を回動させることで、釜軸96の軸方向位置を微
調節可能に構成してある。釜軸96に外嵌されて大釜体
100に固着されたスリーブ体114は、ビス(図示
略)によりハウジング90に固定されるが、このビスを
緩めた状態で、このビスに対向する偏心ビス(図示略)
を回動させることで、大釜体100の軸方向位置を微調
節可能に構成してある。
【0031】次に、図11〜図13,図16に示すよう
に、糸切り機構93は、針板91の下側近傍部位に前後
方向向きに配設された可動刃駆動レバー120の後端部
に連結され、針板91に回動可能に支持された可動刃1
21と、針板91の下面に設置された固定刃123と、
その下側の糸案内板122とが協働して、加工布から針
板91の針穴と糸案内板122の案内穴122aとを通
って下方へ延びる糸124(上糸と下糸)を切断するも
のである。可動刃駆動レバー120の前端部は、左右方
向向きのリンク板125の左端部に連結され、リンク板
125の右端部が立向きの連動ロッド126を介してハ
ウジング90に回動自在に連結され、リンク板125が
図11に実線で示すリリース位置から鎖線で示す作動位
置まで揺動してから再びリリース位置に復帰するときに
糸切りがなされる。
【0032】前記リンク板125は、その左端部におい
て引張バネ94で作動位置の方へ付勢されている。糸切
りを所定のタイミングで実行する為に、駆動軸104の
駆動力でリンク板125を往復駆動して糸切りするよう
に構成してある。即ち、連動ロッド126の上端部がリ
ンク板125の右端部に固着されている。連動ロッド1
26の下端部は、左右方向向きのアーム部材127の右
端部に固着され、アーム部材127の左端部の途中部の
カム係合輪127aが駆動軸104のカム体128のカ
ム面128aに後方から当接可能である。
【0033】リンク板125をリリース位置と作動位置
とに亙って切換える為の糸切りエアシリンダ129が、
駆動軸104の直ぐ左側に隣接して前後方向向きに配設
され、糸切りしないときには、退入駆動された糸切りエ
アシリンダ129のロッド129aの先端の係合部材1
29bによって、アーム部材127の左端部に取付けた
係合片127bを後方へ押動させて、リンク板125を
リリース位置に保持して、カム係合輪127aがカム面
128aに当接しないようになっている。
【0034】そして、所定の糸切りタイミングのとき
に、糸切りエアシリンダ129を進出駆動すると、リン
ク板125は引張バネ94の付勢力で作動位置へ切換え
られ、係合片127bの移動が許可されて、カム係合輪
127aがカム面128aに後方から当接し、カム面1
28aの形状に応じて連動ロッド126及びリンク板1
25が作動して糸切りが実行される。そして、その後直
ちに糸切りエアシリンダ129が退入駆動に切換えられ
て、リンク板125がリリース位置に切換えられる。
【0035】尚、糸切りエアシリンダ129のエア供給
系の糸切りバルブは制御装置140で制御される。何ら
かの原因により、糸を切る手前で釜が停止しても、糸切
りエアシリンダ129によりリンク板125をリリース
位置に切換えて糸切りを終了させることができる。尚、
糸切りエアシリンダ129の代わりにソレノイドを適用
してもよい。次に、給油機構130について簡単に説明
すると、図4に示すように、回動フレーム57の前端部
には、オイルポット131が設けられ、このオイルポッ
ト131から延びる複数本の灯芯(図示略)が、駆動軸
104や釜軸96などの複数箇所の摺動部にオイルを供
給できるように構成してある。
【0036】以上説明した2本針ミシン1の作用につい
て説明する。2つの半回転釜15,16のうちの前側の
半回転釜16と、この半回転釜16を主軸6とは独立に
駆動する釜駆動モータ21と、その駆動力を、駆動軸1
04のクランク機構106を介して釜軸96に伝達する
伝達系等を釜モジュール13としてユニット化し、この
釜モジュール13を着脱可能に取付けたので、半回転釜
16を主軸6で駆動する場合に比較してその駆動系の構
成を簡単化でき、小型、簡単化することができる。そし
て、ミシン1の脚柱部3に近い方の半回転釜15は主軸
6の駆動力で駆動するように構成したので、比較的簡単
な構造の駆動系を介して半回転釜15を駆動でき、半回
転釜15の為のサーボモータを省略できるため製作コス
ト的に有利である。
【0037】更に、釜モジュール13において、釜モジ
ュール13の上端付近の後端部分に、釜軸96で駆動さ
れる半回転釜16が配設され、その釜軸96の下側に
は、釜軸96と平行な駆動軸104が配設されるととも
に、この駆動軸104はクランクロッド107及びセク
タギヤ108とクランク機構106とを介して釜軸96
に連結され、駆動軸104の後端部がカップリング10
5を介して釜駆動モータ21の駆動軸21aに連結さ
れ、更に駆動軸104の前端部には、駆動軸104の回
転速度変動を抑制するフライホイールとして機能する手
動操作用ノブ111が装着されている。
【0038】即ち、主軸6の回転に同期して釜駆動モー
タ21が同期駆動されるのと同時に駆動軸104が駆動
され、クランク機構106やクランクロッド107など
を介して釜軸96が往復揺動されるのと同時に、半回転
釜16の中釜98が往復揺動運動する。このとき、往復
回動する中釜98の反転時や縫針11bから延びる上糸
を捕捉するときに、駆動力伝達系にはフライホイールで
ある手動操作用ノブ111が設けられているので、駆動
力伝達系の質量がその手動操作用ノブ111(フライホ
イール)により増大して、図17に実線で示すように、
半回転釜16や駆動力伝達系を含む釜駆動モータ21の
負荷に変動が生じて、釜駆動モータ21の回転速度が変
動する場合でも、そのフライホイール111により釜駆
動系のトルク変動を抑制することができる。その結果、
主軸6に対する半回転釜16の同期ズレの発生を極力防
止することができる。尚、図17において、主軸6の回
転速度を2点鎖線で示す。
【0039】尚、釜モジュール13は一例を示すものに
過ぎず、その内部の諸機構や機器に種々の変更を付加し
て実施できることは勿論である。例えば、前記サーボモ
ータ21の代わりにパルスモータを適用したり、半回転
釜や全回転釜をサーボモータやパルスモータで直接駆動
するように構成したりすることも可能である。また、前
記実施形態は、2本針ミシンに本発明を適用した場合を
例として説明したが、縫針を1本だけ設けたミシンや、
2本以上の縫針を同期作動させ、2本以上の縫針に対応
する2つ以上の糸輪捕捉用釜を備えた構成のミシンにも
同様に適用することができる。
【0040】
【発明の効果】請求項1のミシンにおいては、糸輪捕捉
用釜に釜駆動手段の駆動力を伝達する駆動力伝達系にフ
ライホイールを設けたので、駆動力伝達系の質量が増大
して、釜駆動手段に作用する負荷に変動が生じても、そ
のフライホイールにより釜駆動系のトルク変動が抑制さ
れ、主軸に対する糸輪捕捉用釜の同期ズレの発生を極力
防止することができる。請求項2のミシンにおいては、
請求項1と同様の効果を奏するが、フライホイールは、
外部から手動操作可能な操作部材であるので、操作部材
を別途設けることなく、フライホイールを操作部材とし
て兼用することができる。
【0041】請求項3のミシンにおいては、請求項1又
は請求項2と同様の効果を奏するが、糸輪捕捉用釜が半
回転釜の場合、剣先を有する中釜が往復回動するときに
釜駆動手段に作用する負荷が変動することになるが、請
求項1と同様に、フライホイールにより釜駆動系のトル
ク変動を抑制でき、主軸に対する糸輪捕捉用釜の同期ズ
レの発生を極力防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る2本針ミシンの概念的
に示した斜視図である。
【図2】2本針ミシンを含む縫製装置の正面図である。
【図3】図2の縫製装置の右側面図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】布送り機構の要部の平面図である。
【図6】布送り機構の要部の部分縦断側面図である。
【図7】布送り機構の駆動系と釜モジュールの位置切換
えを示した平面図である。
【図8】布送り機構の揺動アーム等の平面図である。
【図9】図7のIX−IX線断面図である。
【図10】回動フレームの要部平面図である。
【図11】釜モジュールの平面図である。
【図12】釜モジュールの左側面図である。
【図13】釜モジュールの縦断右側面図である。
【図14】図13のA−A線縦断正面図である。
【図15】釜モジュールの正面図である。
【図16】釜モジュールの要部を示す正面図である。
【図17】釜駆動モータの回転速度変動を示す線図であ
る。
【図18】従来の技術に係る図17相当図である。
【符号の説明】
1 2本針ミシン 2 ベッド部 6 主軸 7 ミシンモータ 8 針棒 11a,11b 縫針 13 釜モジュール 15,16 半回転釜 21 釜駆動モータ 104 駆動軸 111 手動操作用ノブ
フロントページの続き (72)発明者 中野 元就 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー 工業株式会社内 (72)発明者 原田 幸一 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー 工業株式会社内 (72)発明者 藤田 知之 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー 工業株式会社内 (72)発明者 山口 稔 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー 工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミシンモータで主軸を介して駆動される
    縫針を装備したヘッド部と、縫針と協働して上糸の糸輪
    を捕捉する糸輪捕捉用釜を装備したベッド部とを備えた
    ミシンにおいて、 前記糸輪捕捉用釜を主軸とは独立に駆動する釜駆動手段
    と、 前記釜駆動手段の駆動力を糸輪捕捉用釜に伝達する駆動
    力伝達系に設けられ、釜駆動系のトルク変動を抑制する
    フライホイールと、 を備えたことを特徴とするミシン。
  2. 【請求項2】 前記フライホイールは、外部から手動操
    作可能な操作部材であることを特徴とする請求項1に記
    載のミシン。
  3. 【請求項3】 前記糸輪捕捉用釜は半回転釜であること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のミシン。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002273081A (ja) * 2001-03-19 2002-09-24 Brother Ind Ltd 送り調節器組立体、布送り機構付き釜モジュール、布送り機構付き釜モジュールを備えたミシン

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002273081A (ja) * 2001-03-19 2002-09-24 Brother Ind Ltd 送り調節器組立体、布送り機構付き釜モジュール、布送り機構付き釜モジュールを備えたミシン

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