JPH09253188A - 吸着材 - Google Patents

吸着材

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JPH09253188A
JPH09253188A JP8093243A JP9324396A JPH09253188A JP H09253188 A JPH09253188 A JP H09253188A JP 8093243 A JP8093243 A JP 8093243A JP 9324396 A JP9324396 A JP 9324396A JP H09253188 A JPH09253188 A JP H09253188A
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輝弘 岡田
Shoichi Takamoto
昭一 高本
Masaki Fukuura
正樹 福浦
Nobuyuki Nishimura
修志 西村
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Abstract

(57)【要約】 【構成】椰子殻ハスクを成型して得られた多孔性シート
の表面及び内部組織の外気との接触面に、ラテックス或
いはエマルジョンまたは溶媒を含まないポリマー系接着
剤からなるバインダー層を形成させ、バインダー層に活
性炭粒子を接着せしめ粒子表面の一部が露出された状態
に保持されている吸着材である。または更に、多孔性シ
ートの表面にこれらのバインダーのコート層を形成させ
た吸着材である。 【効果】本発明の吸着材は吸着剤粒子間の空隙率が高い
状態で均一に分散され、且つ活性炭粒子の表面が露出し
た状態で保持されているため、吸着速度が高く吸着容量
も大きい。更に、圧損失が低いためガスの流動性が乏し
い雰囲気或いは風量が大きい状態での使用に適してい
る。また、本吸着材の担体は天然素材である椰子殻ハス
クであるから使用後土壌中に埋めても、焼却しても公害
を起こすおそれがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主として空気中の微
量の悪臭成分を除去するために使用される、吸着速度が
早く取扱性に優れた吸着材である。主な用途分野は、家
庭用もしくは自動車用に搭載するエアーコンディショナ
ー及び空気清浄機用に使用されるフィルターエレメント
で、低圧損、高寿命の特徴を有し高速で空気を流した場
合にも1パスで高い浄化度を達成できる。また、原料と
して天然素材を使用しているため使用後廃棄すれば土壌
になり、焼却しても有害・有毒ガスが発生しないメリッ
トがある。
【0002】
【従来の技術】従来から微量成分の吸着材として活性炭
が広く使用されているが、形状は一般に粉体または粒体
で必ずしも取扱い易いとは言い難い。そこで活性炭粒子
をフォーム材、不織布等の多孔性物質中に固定させた吸
着材が試みられている。これらは粉体の様に、粉塵が発
生するおそれがないので取扱いが便利であり、しかもガ
スは多孔性物質中の空隙を自由に流通し得るので、抵抗
が少ないという利点もある。
【0003】しかしながら従来からつくられているこの
タイプの吸着材は、多孔性物質に含有されている活性炭
粒子の表面がバインダーで被覆されているため、吸着能
力のごく一部しか使用できないデメリットが指摘されて
いた。これは多孔性物質内部の組織に活性炭粒子を接着
させる場合、活性炭粒子とバインダーを混合した場合に
は、粒子表面の大部分がバインダー層で被覆されること
は避けられないからである。
【0004】また、ポリウレタンフォームを生成させる
時、プレポリマーに活性炭粒子を混合して調製する方法
もある。この場合はかなり多量の活性炭粒子を混合する
と、ポリウレタンフォームの発泡性が抑制されると共
に、活性炭粒子の表面のかなり多くの部分がポリウレタ
ン樹脂で被覆されたり、或いは細孔が目詰まりするため
吸着能力が大幅に低下する。
【0005】またこれらの問題点を解決するため、発泡
ポリウレタン成型体の表面及び内部組織の外気との接触
面にバインダー層を形成させた後、吸着材粒子を付着す
る方法も開示されている。特公平 4-35201号には発泡ポ
リウレタン成型体の表面及び内部組織の上にウレタン系
プレポリマーを塗布した後、吸着材粒子を吹き付けて付
着させる方法が開示されている。
【0006】更に、これら吸着材の担体となる多孔性物
質は殆どプラスチックでつくられているため、使用後土
壌中に埋めたり或いは焼却処理する場合、公害を発生さ
せることが多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は活性炭原料を
椰子殻から得る際に、多量に発生する椰子ハスクの多孔
性構造を利用して、これに粒子表面の1部が露出してい
る状態の活性炭粒子を接着させることによって、圧損失
が低く吸着速度が高い吸着材を開発し、使用後土壌中に
廃棄しても、また焼却しても有害・悪臭ガス等が発生し
ない吸着材を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は活性炭原料
を椰子殻から得る際に、多量に発生する椰子ハスクの多
孔性構造に注目した。激しい乱気流状態のガスが、充填
密度が低い吸着剤層を通過するときには、ガスと吸着材
の接触効率が著しく高められて悪臭ガスの除去性能が向
上するため、圧損失が低く高風量のガス処理に適した構
造となることに留意し、椰子殻ハスクを利用してその内
部に吸着剤粒子があたかも空間に浮遊しているような状
態で保持させ、通気性を阻害する度合いを極力低下でき
る構造について研究した。その結果、椰子殻ハスクを通
気性が高い三次元構造に成型せしめ、ハスクを構成する
繊維の表面に活性炭粒子をバインダーで点接着させるこ
とにより、吸着剤粒子が吸着材の内部で適度な空隙率を
保持した状態とすることができることを見出し、これに
基づいて本発明に到達した。
【0009】すなわち、椰子殻ハスクを成型して得られ
た多孔性シートの表面及び内部組織の外気との接触面
に、ラテックス或いはエマルジョンまたは溶媒を含まな
いポリマー系接着剤からなるバインダー層を形成させ、
該バインダー層に活性炭粒子を接着せしめ、粒子表面の
一部が露出された状態に保持されている吸着材である。
または更に、多孔性シートの表面にこれらのバインダー
のコート層を形成させた吸着材である。またはハスクを
構成する繊維の表面にバインダー層を形成させ活性炭粒
子を接着させた後、シート状に成型した吸着材も本発明
に含まれている。ここで、活性炭粒子の粒径が多孔性シ
ートの内部組織の平均空隙の30分の1以上、3分の1以
下が好ましい。
【0010】また、椰子殻ハスク成型体シートの表面及
び、内部組織の外気との接触面にバインダー層を形成さ
せた後、成型体シートを活性炭粒子の流動層中を通過さ
せることにより、シートの表面及び内部組織の外気との
接触面に活性炭粒子を付着させ、粒子表面の一部が露出
された状態に保持させることを特徴とする吸着材の製法
である。
【0011】以下本発明について詳しく説明する。
【0012】本発明の吸着材において、活性炭粒子の担
体としては椰子殻ハスクを成型して得られた多孔性シー
トを使用する必要がある。ハスクは椰子殻から取り出さ
れた状態では繊維がラフに包絡された状態になっている
が、これを叩解してシート状とし、ラテックス或いはエ
マルジョンまたは溶媒を含まないポリマー系接着剤を含
浸させてロールで絞り、更に充分な通気性を付与すると
共に多孔性を高めるためエアーブローした後、乾燥する
ことによりハスクのシート状の多孔質成型体が得られ
る。乾燥後バインダー層の粘着性が低下した場合は更に
バインダーを加えて粘着性を高めてもよい。
【0013】または椰子殻から取り出したハスクをその
ままのバルクの状態で、組織内部の繊維表面にバインダ
ー層を形成させ活性炭粒子を接着させた後、ハスクをニ
ードルパンチ或いはキルティング等によりシート状に成
型してもよい。
【0014】尚ここで、椰子殻ハスクの成型に使用され
たラテックス或いはエマルジョンまたは溶媒を含まない
ポリマー系接着剤は、成型体組織の表面及び内部の繊維
の外面に、これらのバインダーのコート層が生成された
状態となっている。これが後述の様に活性炭粒子を担持
させる時のバインダーの機能を有する。
【0015】本発明の吸着材に含まれている活性炭は、
通常1gあたり数100 m2或いはそれ以上の大きな表面積を
有し、高い吸着性を示す炭素材料であれば広範囲に使用
できる。活性炭の原料は通常ヤシ殻または木材等の炭化
物或いは石炭が使用されるが何れでもよい。また賦活法
も水蒸気或いは二酸化炭素により高温でまたは塩化亜
鉛、リン酸、濃硫酸処理等いづれの方法により得られた
ものでもよい。
【0016】活性炭は無極性吸着剤として極めて優れた
吸着性を有する特異な物質で、殆どすべてのガス状或い
は液状物質に対して高い吸着性を示すことが知られてい
る。
【0017】多孔性シートに担持させる活性炭粒子の大
きさは特に限定せず、広範囲の粒度の粒子にその効果が
認められる。しかし、吸着容量を保持すると共に圧損失
を抑制するためには、粒子の平均粒径は内部組織の平均
空隙の30分の1以上、3分の1以下が好ましい。粒子径
が小さい程吸着速度が高くなるが、単位面積当たりの担
持量が低下するため、悪臭ガス等の吸着容量が低下する
傾向があるからである。また、粒子径が内部組織の平均
空隙の3分の1以上になると、圧損失が上昇する度合い
が高まるからである。
【0018】更に、活性炭粒子の担体である椰子殻ハス
ク成型体は通気性も非常に高く、内部の空隙率がかなり
高い組織であるが、活性炭粒子を内部組織の奥深い繊維
の外面に充分接着させるためには、これより大きい粒子
は不適当である。粒子径が大きくなると粒子を表面から
スプレーして接着する場合、多孔性成型体シートの組織
の内部深く迄侵入させることが困難で、大部分は成型体
シートの表面或いは表面から浅い部分に付着し、使用中
も摩擦その他で脱落し易い。これは後述の多孔性成型体
シートへの活性炭粒子の接着方法とも関連するが、活性
炭粒子をいかにして成型体シートの内部組織の奥深くま
で均一に浸透させて接着するかは、本発明の吸着材の製
法においてその性能を左右する最も重要な問題である。
【0019】本発明において、椰子殻ハスク成型体シー
トまたはバルク状のハスクに活性炭粒子を接着させるた
めには、ラテックス或いはエマルジョンまたは溶媒を含
まないポリマー系接着剤を使用する必要がある。尚、活
性炭粒子の細孔の目詰まりを生じ難いものが好ましいた
め、ラテックス或いはエマルジョンは固形成分が多いも
のが適し、30%以上が好ましく、より好ましくは50%以
上である。
【0020】ここで、ラテックス或いはエマルジョンと
は分散媒である水中に、ゴム系粒子或いは接着性を有す
るポリマー粒子が分散された状態を指している。ラテッ
クスとしてはクロロプレン、ニトリルゴム、SBR 等各種
合成ゴム系のラテックス等が挙げられ、エマルジョンと
してはアクリル酸エステルとアクリル酸、メタクリル酸
エステルを共重合させたアクリル系エマルジョン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン或いは酢酸ビ
ニル樹脂エマルジョンが使用出来る。
【0021】溶媒を含まないポリマー系接着剤としては
有機溶媒または水を含まない、接着性を有するプレポリ
マー等で、本発明の接着材には合成ゴム系の分室が好ま
しく、例えば、NCO 過剰のウレタン系プレポリマー、よ
り好ましくは MDI(メチレンジイソシアネート)ベース
のウレタン系プレポリマーが好ましい。 MDIベースのプ
レポリマーは TDI(トリレンジイソシアネート)ベース
のプレポリマーより遊離イソシアネートが発生し難く、
吸着体粒子への吸着が少ないため好ましい。
【0022】NCO 過剰のウレタン系プレポリマーを使用
する場合、粘度を調節するために、場合によっては少量
の有機溶剤を加えて多孔性成型体シートに含浸或いは塗
布した後、温風乾燥等により大部分の有機溶剤を除去し
て成型体シートの表面及び内部組織の繊維表面に、バイ
ンダー層を形成させその上に活性炭粒子を付着させても
よい。
【0023】多孔性ハスク成型体シートの表面及び内部
組織の繊維外面にバインダーを付着させるには、このシ
ートをラテックスまたはエマルジョン等のバインダーを
満たした浴に浸漬した後、過剰のバインダーをロールで
除去する方法、或いはスプレーやコーターで表面に塗布
した後、ロールで絞り付着しているバインダーを組織の
内部まで浸透させる方法等がある。更に、エアーブロー
して包絡した繊維間に生成した皮膜を除去した後乾燥さ
せる方法によって、シートの表面及び内部の繊維組織の
外気との接触面にバインダー層を形成させることができ
る。
【0024】または椰子殻から取り出したハスクをバル
クの状態で、前述の様に組織内部の繊維表面にバインダ
ー層を形成させることができる。表面及び内部組織の繊
維表面にバインダー層が形成されている、ハスク成型体
シート或いはバルク状のハスクに活性炭粒子を接着させ
るには、流動層通過法或いは粉体スプレー法、篩落下法
等適宜の方法を採用することができる。
【0025】流動層通過法は組織内部の繊維外面にバイ
ンダー層を形成せしめた多孔性シートを、活性炭粒子の
流動層の中を通常水平に通過させることにより、シート
組織の内部に粒子を浸透させる方法である。流動層は活
性炭粒子を一定の深さに充填した槽に、下部の分散板を
通してガスを吹き込んで流動層を形成させるが、ガスの
吹込速度は最小流動化速度に比較的近いガス速度領域
で、多孔性シートを通過させた場合にも、粒子はシート
組織の奥深く迄均等に浸透させることができる特徴があ
る。
【0026】その他の方法では、大部分の粒子が表面或
いは表面近くの浅い組織に付着し易く、内部には充分付
着させことが困難である。しかし流動層通過法は、流動
状態を活性炭粒子の粒度に合わせて、ガス吹込速度によ
って調節し、更にシートの流動層内の滞留時間を調節す
ることにより、シートの内部組織に、活性炭粒子を均一
に付着することができるため、本発明の吸着材の粒子付
着工程に最も適している。
【0027】粉体スプレー法或いは篩落下法の場合に
は、成型体シートまたはバルク状のハスクを適宜反転さ
せて、シートの両側から活性炭粒子を吹き付け、または
粒子を落下させることにより、組織の内部にまで粒子を
付着させることができる。更に、シートに活性炭粒子付
着工程中或いは付着させた後、成型体シートまたはバル
ク状のハスクを振動させることによって、組織内部の奥
深い部分への粒子の進入及び、組織を構成する繊維外面
のバインダー層への付着を促進させることができる。
【0028】成型体シートに活性炭粒子を付着させた
後、一組または複数組のピンチ・ロールの間を通してシ
ートを軽く圧迫することにより、粒子をバインダー層に
強固に接着させることができる。この際ロールの1部或
いは全部に加熱ロールを使用して接着を促進させること
もできる。
【0029】前記の様にして得られた多孔性シートに含
まれる活性炭粒子は、流動層通過法等によって一旦その
内部組織のバインダー層の表面に付着された後、加熱圧
着工程によって強固にバインダー層に接着されるため、
粒子表面のかなり多くの部分が露出した状態となってい
る。これは本発明の吸着材の構造の最も大きな特徴の一
つである。
【0030】活性炭粒子を付着させたバルクの状のハス
クは、軽くプレスして粒子をバインダー層に接着させた
後、シート状に引き揃えニードルパンチ或いはキルティ
ング等によりシート状に成型され、要すれば更に圧着処
理を施して成型体シートが得られる。
【0031】従来活性炭粒子を担体に担持させる場合、
主として粒子をラテックスまたはエマルジョン等のバイ
ンダーと混合して塗布する方法が用いられた。この方法
では活性炭粒子の表面がバインダーで被覆されているた
め、活性炭の吸着性が阻害されることが避けられなかっ
た。しかし、前述の様に本発明で得られた多孔性シート
は活性炭粒子表面が露出した状態となっているため、個
々の活性炭粒子の吸着容量が大きく吸着速度も高い特徴
がある。
【0032】ピンチ・ロールのクリアランスは適宜設定
できるが、シートの厚さの50〜80%が好ましい。また、
ポリウレタン系のプレポリマー層に活性炭粒子を接着さ
せる場合には、加熱水蒸気処理によって接着力を更に向
上させることができる。
【0033】成型体シート表面に接着された粒子は、使
用中摩擦その他のため脱落し易いから、これを防止する
ためシートの表面に更にラテックス或いはエマルジョン
または溶媒を含まないポリマー系接着剤を塗布すること
ができる。
【0034】バインダーの種類は、シート組織内部に含
浸させたものと必ずしも同一でなくてもよく、その適用
性を考慮して異なった種類のバインダーを使用してもよ
い。バインダーを塗布した部分の活性炭粒子表面は、薄
いバインダー層で被覆されているため、吸着性は低下す
るが、被覆される表面の粒子の比率は全体からみるとご
く一部であるから、吸着材全体の機能低下は僅少であ
る。
【0035】更に、本発明の吸着材は一層でも使用する
ことができるが、複数枚積層またはプリーツ状として用
いることも可能である。プリーツ状に加工する際には吸
着材シートに紙、不織布、エレクトレット不織布、導電
性シート、磁性シート或いは酸化触媒性を有するシート
等を重ねて成型することもできる。
【0036】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。
【0037】(実施例1)椰子殻ハスクを通気性を有す
る三次元構造に成型せしめた、厚み5mmの多孔性シート
に SBRラテックスを含浸させ、絞り用ゴムロールでラテ
ックスの目付量を調整し、エアーブローをかけることに
より、この成型体組織内部に生成したラテックスの膜を
取り除き、成型体シートの表面及び内部組織の外面にも
バインダー層を生成させた。そのシートを椰子殻を原料
とした粒度28〜70 mesh に調整した破砕状活性炭粒子の
流動層の中を通過させて、活性炭粒子を多孔性シートの
表面及び内部組織のバインダー層に付着させた。
【0038】更に、多孔性シートを押さえロールに通
し、バインダー層に付着していた活性炭粒子を圧着して
強固に接着させた。過剰に付着している活性炭粒子を充
分に振り落とした後、140 ℃で乾燥して活性炭粒子を含
む椰子殻ハスク成型体シートを得た。
【0039】(実施例2)椰子殻ハスクを通気性を有す
る三次元構造に成型せしめた厚み10mmの多孔性成型シー
トを、SBR ラテックスに含浸させ絞り用ゴムロールでラ
テックス目付量を調整し、エアーブローをかけることに
よりこの成型体組織内部に生成したラテックスの膜を取
り除き、成型体シートの表面及び内部組織にもバインダ
ー層を生成させた。そのシートを椰子殻を原料とした粒
度70〜100mesh に調整した破砕状活性炭及び同サイズの
アニリン、リンゴ酸、鉄塩を担持させた活性炭混合物の
流動層の中を通過させ、活性炭粒子を多孔性シートの表
面及び内部組織外面のバインダー層に付着させた。
【0040】更に多孔性シートを押さえロールに通し、
バインダー層に付着していた活性炭粒子を圧着して強固
に接着させた。過剰に付着している活性炭粒子及び強固
に接着されていない粒子を振り落とした後、更に多孔性
シートの表面に SBRラテックスを吹き付け、140 ℃で乾
燥して活性炭粒子を含む椰子殻ハスク成型体シートを得
た。
【0041】(実施例3)椰子殻から取り出したハスク
をバルクの状態で実施例1と同様にして、SBR ラテック
スに浸漬し、軽くプレスしてラテックスの目付量を調整
し、エアーブローをかけて、バルクの組織内部に生成し
たラテックスの膜を取り除き、バルクの表面及び内部組
織の繊維外面にもバインダー層を生成させた。
【0042】そのバルクに椰子殻を原料とした粒度70〜
100mesh に調整した破砕状活性炭粒子を組織内部に浸透
する様に吹き付け、活性炭粒子をバルクの表面及び内部
組織のバインダー層に付着させた。
【0043】更に、バルクをシート状に引き揃え加熱し
たピンチ・ロールで圧着して、付着していた活性炭粒子
をバインダー層に強固に接着させた。更に、ニードル・
パンチによりシート状に成型し過剰に付着している活性
炭粒子を充分に振り落とした後、140 ℃で乾燥して活性
炭粒子を含む椰子殻ハスク成型体シートを得た。
【0044】実施例1及び2で得られた椰子殻ハスク成
型体シートの活性炭粒子接着量はそれぞれ 0.25 及び0.
10g/mlであり、また JIS K1474 -1975によって測定した
ベンゼン吸着量はそれぞれ 0.10 及び 0.04 g/mlとなっ
て、いずれも良好な吸着性を有することが分かった。ま
た、実施例3で得られた成型体シートもほぼ実施例1と
同じ吸着性能を有することが分かった。
【0045】また、実施例2で得られた椰子殻ハスク成
型体シート 200×200 ×10mmをそれぞれ悪臭成分である
硫化水素 500 ppmまたはトリメチルアミン 100 ppm及び
アセトアルデヒド 50 ppm を含む容量1m×1m×1mのボッ
クス中に入れ、空気を循環しながら放置した結果、いず
れも20分で臭気が殆ど総て除去された。
【0046】更に、前述の様にして得られた椰子殻ハス
ク成型体吸着剤と、比較のためポリウレタン発泡体を担
体として同様に活性炭粒子を接着した吸着剤を作成し、
適度な湿気を含む土壌中に埋め6ケ月経過後の状態を調
べた。
【0047】その結果、ポリウレタン発泡体に活性炭粒
子接着した吸着材は原形のままであったが、椰子ハスク
成型体シートに活性炭粒子接着した吸着材は、ベースの
ハスクは腐ってぼそぼそな状態となり、活性炭粒子と混
合した状態になっていた。腐ったハスクは堆肥及び多孔
性による土壌改良作用があり、また活性炭粒子も経験的
に土壌改良効果を有することが知られている。従って、
吸着材として使用した後埋めることにより、公害を発生
させない様に処理することが可能である。
【0048】ポリウレタン発泡体に活性炭粒子を接着し
た吸着剤は燃焼すると、有害ガス(CO,HCN)が発生する
が、天然素材の椰子ハスク成型体に活性炭粒子を接着し
た吸着材は燃焼しても、ポリウレタンの様な有害ガスは
検知されなかった。
【0049】
【発明の効果】本発明の吸着材は吸着剤粒子間の空隙率
が高い状態で均一に分散され、且つ活性炭粒子の表面が
露出した状態で保持されているため、吸着速度が高く吸
着容量も大きい。更に、圧損失が低いためガスの流動性
が乏しい雰囲気或いは風量が大きい状態での使用に適し
ている。また、本吸着材の担体は天然素材である椰子殻
ハスクであるから使用後土壌中に埋めても、焼却しても
公害を起こすおそれがない。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 椰子殻ハスクを成型して得られた多孔性
    シートの表面及び内部組織の外気との接触面に、ラテッ
    クス或いはエマルジョンまたは溶媒を含まないポリマー
    系接着剤からなるバインダー層を形成させ、該バインダ
    ー層に活性炭粒子を接着せしめ粒子表面の一部が露出さ
    れた状態に保持せしめてなる吸着材。
  2. 【請求項2】 椰子殻ハスクを成型して得られた多孔性
    シートの表面及び内部組織の外気との接触面に、ラテッ
    クス或いはエマルジョンまたは溶媒を含まないポリマー
    系接着剤からなるバインダー層を形成させ、該バインダ
    ー層に活性炭粒子を接着せしめ粒子表面の一部が露出さ
    れた状態に保持せしめ、更に多孔性シートの表面をラテ
    ックス或いはエマルジョンまたは溶媒を含まないポリマ
    ー系接着剤からなるコート層を形成せしめてなる吸着
    材。
  3. 【請求項3】 椰子殻ハスクの表面及び内部組織の繊維
    表面に、ラテックス或いはエマルジョンまたは溶媒を含
    まないポリマー系接着剤からなるバインダー層を形成さ
    せ、該バインダー層に活性炭粒子を接着させ粒子表面の
    一部が露出された状態を保持して、ハスクをシート状に
    成型せしめてなる吸着材。
  4. 【請求項4】 活性炭粒子の粒径が多孔性シートの内部
    組織の平均空隙の30分の1以上、3分の1以下である請
    求項1及び2、3記載の吸着材。
  5. 【請求項5】 椰子殻ハスクを成型して得られた多孔性
    シートの表面及び内部組織の外気との接触面に、ラテッ
    クス或いはエマルジョンまたは溶媒を含まないポリマー
    系接着剤からなるバインダー層を形成させた後、該シー
    トを活性炭粒子の流動層中を通過させることにより、シ
    ートの表面及び内部組織の外気との接触面に活性炭粒子
    を付着させ、粒子表面の一部が露出された状態に保持さ
    せることを特徴とする吸着材の製法。
JP09324396A 1996-03-22 1996-03-22 吸着材 Expired - Fee Related JP3675942B2 (ja)

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