JPH0925285A - 白金錯体及びこれを含有する医薬 - Google Patents

白金錯体及びこれを含有する医薬

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JPH0925285A
JPH0925285A JP17703595A JP17703595A JPH0925285A JP H0925285 A JPH0925285 A JP H0925285A JP 17703595 A JP17703595 A JP 17703595A JP 17703595 A JP17703595 A JP 17703595A JP H0925285 A JPH0925285 A JP H0925285A
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JP17703595A
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Koichi Yokoi
好一 横井
Kinichi Mogi
錦一 茂木
Hidehiko Kamiya
英彦 神谷
Mari Otsuka
真理 大塚
Hiroyuki Mizuno
博之 水野
Susumu Sato
佐藤  進
Tadayuki Kuraishi
忠幸 倉石
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SSP Co Ltd
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SSP Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は水素原子、アルキ
ル基、アラルキル基等を示す〕で表されるジアミン白金
錯体及びこれを有効成分とする医薬。 【効果】 水に良く溶解し、抗腫瘍効果に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は悪性腫瘍の治療効果
に優れる白金錯体及びこれを含有する医薬に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、悪性腫瘍は、死亡原因のトップと
なり、これに対し、種々の抗悪性腫瘍剤が開発されてい
る。このうち白金錯体としては、すでにシスプラチンが
用いられている。
【0003】しかしながら、シスプラチンは、水又は生
理食塩水に溶けにくく、重篤な腎障害を起こすことがあ
った。そこで、シスプラチンの腎毒性を軽減し、水溶性
を増加するものとしてカルボプラチン〔最新醫学,41
(3),509(1986)〕が開発されている。また
次の一般式
【0004】
【化2】
【0005】(Aは、アルキレン鎖等、Yは、ハロゲン
原子、カルボキシレート等の脱離基を示す)で表される
環状ジアミン型の白金化合物が、抗腫瘍効果を示すこと
が特開昭62−174092号、特開昭63−1072
6号、特開昭63−17894号、特開昭63−452
90号、特開昭63−45291号、特開昭63−68
546号、特開昭63−208597号、特開昭64−
26587号、特開平2−28134号、特開平3−9
3788号、特開平3−200795号、特開平4−6
9393号、特開平5−178872号公報等に示され
ている。しかしこれらの化合物の抗腫瘍効果は、必ずし
も満足の行くものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、抗腫瘍効果に優れ、水又は生理食塩水に溶解する医
薬を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】斯かる実情に鑑み本発明
者は鋭意研究を行った結果、下記一般式(1)で表され
る新規な白金錯体が上記課題を解決し、腫瘍等の治療に
有効な医薬となり得ることを見出し本発明を完成した。
すなわち本発明は、次の一般式(1)
【0008】
【化3】
【0009】〔式中、Aは酸素原子又は単結合を示し、
Aが酸素原子のときR1 は水素原子、直鎖もしくは分岐
鎖のアルキル基、シクロアルキル基又はアラルキル基を
示し、Aが単結合のときR1 は基OR5 (ここでR5 は水
素原子、直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、シクロアル
キル基又はアラルキル基を示す)を示し、R2 、R3
びR4 は同一又は異なっていてもよく、水素原子、直鎖
もしくは分岐鎖のアルキル基、シクロアルキル基又はア
ラルキル基を示すか、又はR2 及びR3 が結合するかR
3 及びR4 が結合してアルキレン基を形成してもよく、
Xはハロゲン原子又は2つのXが結合して置換基を有し
ていてもよいマロン酸残基を示す〕で表されるジアミン
白金錯体及びこれを有効成分とする医薬を提供するもの
である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のジアミン白金錯体は前記
一般式(1)で表されるものであり、式中、R1 〜R5
で示される直鎖又は分岐鎖のアルキル基としては、炭素
数が1〜9のものが好ましく、具体的には、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチ
ル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖又
は分岐鎖のペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、
ノニル基が例示される。このうち炭素数1〜6のものが
特に好ましい。また、シクロアルキル基としては、炭素
数3〜9のものが好ましく、具体的には、シクロプロピ
ル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロ
ノニル基が例示されるが、このうち炭素数4〜6のもの
が特に好ましい。
【0011】アラルキル基としては、例えばベンジル
基、フェネチル基、ジフェニルメチル基、トリチル基等
が挙げられるが、このうち特にベンジル基が好ましい。
【0012】R2 及びR3 又はR3 及びR4 の2つが結
合して形成されるアルキレン基としては、炭素数1〜
7、特に炭素数3〜5の直鎖アルキレン基が特に好まし
い。R 2 及びR3 が結合してアルキレン基を示す場合、
2 、R3 及び隣接する2個の炭素原子によってシクロ
プロピル環、シクロブチル環、シクロペンチル環、シク
ロヘキシル環、シクロヘプチル環、シクロオクチル環、
シクロノニル環等が形成されるが、このうち特にシクロ
ペンチル環、シクロヘキシル環が形成されるのが好まし
い。また、R3 及びR4 が結合してアルキレン基を示す
場合、R3 、R4、隣接する炭素原子及び窒素原子によ
ってアジリジン環、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペ
リジン環、パーヒドロアゼピン環等が形成されるが、こ
のうちピロリジン環、ピペリジン環が形成されるのが特
に好ましい。
【0013】Xで示されるハロゲン原子としては、弗素
原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子が挙げられる。ま
た、2個のXで形成されるマロン酸残基としては、次式
(2)で表されるものが挙げられる。
【0014】
【化4】
【0015】〔式中、R6 及びR7 は同一又は異なって
いてもよく、水素原子、低級アルキル基を示すか、又は
6 及びR7 が結合して炭素数2〜5の直鎖アルキレン
基を形成してもよい〕
【0016】式(2)中、低級アルキル基としては、炭
素数1〜4のもの、例えばメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げら
れ、炭素数2〜5の直鎖アルキレン基としては、エチレ
ン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチ
レン基が挙げられる。
【0017】一般式(1)においてAが酸素原子のとき
1 は水素原子がより好ましく、Aが単結合のときR1
はヒドロキシ基又は炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖
のアルコキシ基がより好ましい。また、R2 、R3 及び
4 は水素原子であるか、R 2 及びR3 が炭素数3〜5
の直鎖アルキレン基を形成するか、R3 及びR4 が炭素
数3〜5の直鎖アルキレン基を形成するのが好ましい。
【0018】前記一般式(1)で表されるジアミン白金
錯体は、立体異性体が存在するが、すべての異性体が本
発明に含まれる。
【0019】本発明のジアミン白金錯体は、例えば次式
に従って製造することができる。
【0020】
【化5】
【0021】〔式中、R1 〜R7 及びXは前記と同じも
のを示し、Yはアルカリ金属を示す〕
【0022】すなわち、テトラヨード白金(II)酸カリ
ウム(K2PtI4)とアミン誘導体(2)を反応させ、本発
明のジヨード体(1a)を得、これを硝酸銀と反応させ
ジアコ錯体(4)とし、これにハロゲン原子を含む酸も
しくはその塩又はマロン酸誘導体もしくはその塩を反応
させれば、本発明の錯体(1b)及び(1c)が得られ
る。
【0023】詳細な反応条件は次の如くである。まず公
知の方法〔インディアン ジャーナル オブ ケミスト
リー(Indian Journal of Chem
istry)8巻、193頁(1970〕により、K2Pt
Cl4よりK2PtI4を製造する。このK2PtI4に対して1〜5
倍モル、好ましくは1〜2倍モルの化合物(3)を用
い、0〜100℃、好ましくは室温から60℃で、6〜
12時間反応させれば、ジヨード錯体(1a)が得られ
る。なお化合物(3)を塩の形で用いるときは、当モル
量の水酸化アルカリ水溶液で中和する。
【0024】得られたジヨード錯体(1a)をこれの
1.8〜2.0倍モルの硝酸銀と反応させて、ジアコ錯
体(4)を得る。この反応は室温から40℃で、6〜1
2時間、水中で行うことが好ましい。次いでジアコ錯体
(4)の水溶液に、ジアコ錯体(4)に対し2〜10倍
モルの塩化ナトリウムもしくは塩化カリウム等のアルカ
リ金属ハロゲン化物又は1〜2倍モルのマロン酸もしく
は置換マロン酸のアルカリ塩を反応させれば、本発明の
白金錯体(1b)又は(1c)を得ることができる。こ
のときの反応温度は10〜40℃、反応時間は6〜12
時間程度が好ましい。
【0025】一方、一般式(1)中のXが、塩素原子で
ある本発明白金錯体(1b′)及びこれから誘導される
(1c)はXが沃素原子である錯体と同様な方法で、例
えば次の反応式に従って製造することができる。
【0026】
【化6】
【0027】〔式中、R1 〜R7 は前記と同じものを示
す〕
【0028】すなわち、K2PtCl4と化合物(3)とを、
0〜60℃、好ましくは室温から40℃で6〜12時間
水中で反応させれば、Xが塩素である錯体(1b′)を
得ることができる。
【0029】この錯体(1b′)からXがマロン酸又は
置換マロン酸である錯体(1c)は、前記と同じ反応条
件で製造することができる。また、錯体(1b′)と1
〜1.5倍モルのマロン酸又は置換マロン酸の銀塩
(6)とを室温から40℃にて、6〜12時間反応させ
ることによっても錯体(1c)を得ることができる。
【0030】このようにして得られた反応生成物は、必
要により常法により精製して用いることができる。
【0031】上記の如くして得られた本発明白金錯体を
医薬組成物として使用する際の薬学的投与形態として
は、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、
液剤、丸剤、乳剤、懸濁剤等の経口剤;注射剤、坐剤、
軟膏剤、硬膏剤、貼付剤、エアゾール剤、点眼剤等の非
経口剤のいずれでもよく、これら投与形態は、それぞれ
当業者に公知慣用の製造方法により製造できる。
【0032】経口用固形製剤を調製する場合には、本発
明の白金錯体に賦形剤、必要に応じて結合剤、崩壊剤、
滑沢剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤等を加えた後、常法に
より錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、細粒剤等とすれ
ばよい。賦形剤としては、例えば乳糖、蔗糖、澱粉、タ
ルク、ステアリン酸マグネシウム、結晶セルロース、メ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、グリセ
リン、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム等が、結合
剤としてはポリビニルアルコール、ポリビニルエーテ
ル、エチルセルロース、アラビアゴム、シェラック、白
糖等が、滑沢剤としてはステアリン酸マグネシウム、タ
ルク等が挙げられる。その他、着色剤、崩壊剤等は通常
公知のものを用いることができる。なお、錠剤は周知の
方法によりコーティングしてもよい。
【0033】注射剤を調製する場合には、本発明の白金
錯体にpH調整剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻
酔剤等を添加し、常法により静脈内、筋肉内、皮下、皮
内並びに腹腔内用注射剤とすればよい。pH調整剤及び緩
衝剤としてはクエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リ
ン酸ナトリウム等が、安定化剤としてはピロ亜硫酸ナト
リウム、エチレンジアミン四酢酸、チオグリコール酸、
チオ乳酸等が使用できる。
【0034】坐剤は、本発明の白金錯体に基剤、更に必
要に応じて界面活性剤等を加えた後、常法により製造す
ることができる。基剤としては、例えばマクロゴール、
ラノリン、カカオ油、脂肪酸トリグリセライド、ウィテ
ップゾール(ダイナマイトノーベルズ社製)等の油性基
剤を用いることができる。
【0035】上記の各投与形態中に配合されるべき本発
明白金錯体の量は、用法、患者の年齢、性別、状態、投
与される化合物の種類、その他の条件等に応じて適宜選
択されるが、通常1日0.05〜2gを1回又は2〜4
回程度に分けて投与することができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例及び試験例を挙げて本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0037】実施例1(化合物1) K2PtCl4 8.3g(20mmol)とKI 14.1g(86m
mol)を水−エタノール(1:1)混液100mlに溶か
し50℃15分間攪拌した。ここにO−2−アミノエチ
ルヒドロキシルアミン塩酸塩3.43g(23mmol)を
1N-NaOH 46mlに溶かして加え、室温にて一夜攪拌し
た。析出した結晶を濾取し、水洗、乾燥してシス−ジヨ
ード(O−2−アミノエチルヒドロキシルアミン)白金
(II)の結晶9.0g(収率86.0%)を得た。この
シス−ジヨード(O−2−アミノエチルヒドロキシルア
ミン)白金(II)5.25g(10mmol)を水100ml
に懸濁し、ここに硝酸銀3.4g(20mmol)を加え、
遮光下、6時間攪拌した。反応後、析出した沃化銀を濾
過して除き、濾液に塩化ナトリウム1.3g(23mmo
l)を加え、室温にて3時間攪拌した。析出した黄色結
晶を濾取し、水洗、乾燥して、シス−ジクロロ(O−2
−アミノエチルヒドロキシルアミン)白金(II)の結晶
2.9g(収率85.0%)を得た。
【0038】実施例2(化合物2) O−2−メチルアミノエチルヒドロキシルアミン塩酸塩
3.75g(23mmol)より、実施例1と同様にしてシ
ス−ジヨード(O−2−メチルアミノエチルヒドロキシ
ルアミン)白金(II)9.5g(収率88.1%)を得
た。シス−ジヨード(O−2−メチルアミノエチルヒド
ロキシルアミン)白金(II)4.31g(8mmol)よ
り、シス−ジクロロ(O−2−メチルアミノエチルヒド
ロキシルアミン)白金(II)2.48g(収率87.1
%)を得た。
【0039】実施例3(化合物3) N−2−アミノエチル−O−メチルヒドロキシルアミン
塩酸塩4.08g(25mmol)より、実施例1と同様に
してシス−ジヨード(N−2−アミノエチル−O−メチ
ルヒドロキシルアミン)白金(II)9.4g(収率8
7.2%)を得た。シス−ジヨード(N−2−アミノエ
チル−O−メチルヒドロキシルアミン)白金(II)4.
3g(8mmol)より、シス−ジクロロ(N−2−アミノ
エチル−O−メチルヒドロキシルアミン)白金(II)
2.1g(収率73.7%)を得た。
【0040】実施例4(化合物4) N−2−アミノエチル−O−エチルヒドロキシルアミン
塩酸塩5.0g(28mmol)より、実施例1と同様にし
てシス−ジヨード(N−2−アミノエチル−O−エチル
ヒドロキシルアミン)白金(II)5.9g(収率62.
8%)を得た。シス−ジヨード(N−2−アミノエチル
−O−エチルヒドロキシルアミン)白金(II)2.77
g(5mmol)より、シス−ジクロロ(N−2−アミノエ
チル−O−エチルヒドロキシルアミン)白金(II) 1.
1g( 収率59.5%)を得た。
【0041】実施例5(化合物5) シス−ジヨード(O−2−アミノエチルヒドロキシルア
ミン)白金(II) 5.25g(10mmol)を水100ml
に懸濁し、硝酸銀3.4g(20mmol)を加え、遮光
下、室温にて6時間攪拌した。反応後析出した沃化銀を
濾過して除き、濾液に1,1−シクロブタンジカルボン
酸1.58g(11mmol)及び1N-NaOH 22mlを加え、
室温にて6時間攪拌した。反応液を濃縮し活性炭を加え
て脱色した後、HP−20クロマトにて精製した。水−
アセトンより再結晶し、1,1−シクロブタンジカルボ
キシラト(O−2−アミノエチルヒドロキシルアミン)
白金(II) の白色結晶2.2g(収率53.0%)を得
た。
【0042】実施例6(化合物6) シス−ジヨード(O−2−メチルアミノエチルヒドロキ
シルアミン)白金(II) 4.31g(8mmol)より、実
施例5と同様にして1,1−シクロブタンジカルボキシ
ラト(O−2−メチルアミノエチルヒドロキシルアミ
ン)白金(II) 2.65g(アセトン−メタノール:収
率77.6%)を得た。
【0043】実施例7(化合物7) シス−ジヨード(N−2−アミノエチル−O−メチルヒ
ドロキシルアミン)白金(II) 4.30g(8mmol)よ
り、実施例5と同様にして1,1−シクロブタンジカル
ボキシラト(N−2−アミノエチル−O−メチルヒドロ
キシルアミン)白金(II) 2.54g(メタノール:収
率74.4%)を得た。
【0044】実施例8(化合物8) シス−ジヨード(N−2−アミノエチル−O−エチルヒ
ドロキシルアミン)白金(II) 2.77g(5mmol)よ
り、実施例5と同様にして1,1−シクロブタンジカル
ボキシラト(N−2−アミノエチル−O−エチルヒドロ
キシルアミン)白金(II) 1.18g(水−アセトン:
収率53.5%)を得た。
【0045】実施例9(化合物9) シス−ジヨード(O−2−ピロリジニルメチルヒドロキ
シルアミン)白金(II) 3.39g(6mmol)より、実
施例5と同様にして1,1−シクロブタンジカルボキシ
ラト(O−2−ピロリジニルメチルヒドロキシルアミ
ン)白金(II) 0.71g(酢酸エチル−エーテル:収
率25.8%)を得た。
【0046】実施例10(化合物10) K2PtCl4 2.5g(6mmol)を水30mlに溶かし、N−
2−アミノエチルヒドロキシルアミン塩酸塩1.0g
(6.7mmol)を加え、1N-NaOH にて、pHを中性に保ち
ながら室温にて一夜攪拌した。析出した結晶を濾取し、
水洗、乾燥してシス−ジクロロ(N−2−アミノエチル
ヒドロキシルアミン)白金(II) の黄色結晶1.78g
(収率86.7%)を得た。
【0047】実施例11(化合物11) シス−2−アミノシクロヘキシルヒドロキシルアミン塩
酸塩1.70g(8mmol)より、実施例10と同様にし
てシス−ジクロロ(シス−2−アミノシクロヘキシルヒ
ドロキシルアミン)白金(II) 1.39g(収率58.
5%)を得た。
【0048】実施例12(化合物12) トランス−2−アミノシクロヘキシルヒドロキシルアミ
ン塩酸塩1.7g(8mmol)より、実施例10と同様に
してシス−ジクロロ(トランス−2−アミノシクロヘキ
シルヒドロキシルアミン)白金(II) 2.3g(収率9
6.8%)を得た。
【0049】実施例13(化合物13) シス−ジクロロ(シス−2−アミノシクロヘキシルヒド
ロキシルアミン)白金(II) 1.58g(4mmol)を水
100mlに懸濁し、硝酸銀1.36g(8mmol)を加
え、遮光下、室温にて6時間攪拌した。反応後析出した
沃化銀を濾過して除き、濾液に、1,1−シクロブタン
ジカルボン酸0.58g(4mmol)及び1N-NaOH 8mlを
加え、室温にて一夜攪拌した。反応液を濃縮し、HP−
20クロマトにて精製した。メタノールより再結晶し、
白色結晶の1,1−シクロブタンジカルボキシラト(シ
ス−2−アミノシクロヘキシルヒドロキシルアミン)白
金(II) 0.3g(収率16.1%)を得た。
【0050】実施例14(化合物14) シス−ジクロロ(トランス−2−アミノシクロヘキシル
ヒドロキシルアミン)白金(II) 2.1g(5mmol)よ
り、実施例13と同様にして1,1−シクロブタンジカ
ルボキシラト(トランス−2−アミノシクロヘキシルヒ
ドロキシルアミン)白金(II) 0.81g(アセトン:
収率32.7%)を得た。
【0051】実施例15(化合物14) シス−ジクロロ(トランス−2−アミノシクロヘキシル
ヒドロキシルアミン)白金(II) 2.3g(6mmol)を
水100mlに懸濁し、1,1−シクロブタンジカルボン
酸銀2.1g(6mmol)を加え、室温にて8時間攪拌し
た。反応後、生成した塩化銀を濾過して除き、濾液を濃
縮した。これをHP−20クロマトにて精製し、アセト
ン−エーテルより再結晶して、1,1−シクロブタンジ
カルボキシラト(トランス−2−アミノシクロヘキシル
ヒドロキシルアミン)白金(II)の白色結晶0.32g
(収率11.6%)を得た。
【0052】上記実施例で得られた本発明白金錯体のデ
ータを表1〜表3に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】試験例1 マウス白血病細胞L1210に対する抗腫瘍性試験:マ
ウス白血病細胞L1210(1×105個)を6週令の
雄性CDF1マウスの腹腔内に移植し、その翌日から1
日1回5日間薬物(本発明化合物)を腹腔内に投与し、
30日間観察し、薬物処置群及び無処置群の平均生存日
数から、下記の式より延命率(ILS)を求めた。
【0057】
【数1】ILS=(T/C−1)100(%) T=薬物処置群の平均生存日数 C=薬物無処置群の平均生存日数
【0058】また、各サンプルの各用量ごとのILS値
を基に一次回帰直線よりILS50値(5回投与における
ILS値が50%を示す用量)を、また用量設定時に得
られたLD50値(単回腹腔内投与における50%致死用
量)より治療係数TIを算出した。その結果を表4に示
す。なお、表中ILSmaxは設定用量域に於けるILS
の最大値(%)及び括弧内にその用量(mg/kg)を示
す。
【0059】
【表4】
【0060】試験例2 マウス白血病細胞P388に対する抗腫瘍性試験:マウ
ス白血病細胞L1210に対する抗腫瘍性試験におい
て、マウス白血病細胞L1210(1×105個)のか
わりに、マウス白血病細胞P388(1×106個)を
用い、他はマウス白血病細胞L1210に対する抗腫瘍
性試験とまったく同様にして試験を行い、表5の結果を
得た。
【0061】
【表5】
【0062】
【発明の効果】本発明のジアミン白金錯体(1)は水に
対する溶解度が高く、優れた抗腫瘍効果を有するため、
悪性腫瘍治療に用いる医薬として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野 博之 千葉県印旛郡富里町日吉台1−24−19 (72)発明者 佐藤 進 千葉県成田市玉造6−15−5 (72)発明者 倉石 忠幸 千葉県習志野市香澄2−5−4

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(1) 【化1】 〔式中、Aは酸素原子又は単結合を示し、Aが酸素原子
    のときR1 は水素原子、直鎖もしくは分岐鎖のアルキル
    基、シクロアルキル基又はアラルキル基を示し、Aが単
    結合のときR1 は基OR5 (ここでR5 は水素原子、直鎖
    もしくは分岐鎖のアルキル基、シクロアルキル基又はア
    ラルキル基を示す)を示し、R2 、R3 及びR4 は同一
    又は異なっていてもよく、水素原子、直鎖もしくは分岐
    鎖のアルキル基、シクロアルキル基又はアラルキル基を
    示すか、又はR2 及びR3 が結合するかR3 及びR4
    結合してアルキレン基を形成してもよく、Xはハロゲン
    原子又は2つのXが結合して置換基を有していてもよい
    マロン酸残基を示す〕で表されるジアミン白金錯体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のジアミン白金錯体を有効
    成分とする医薬。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のジアミン白金錯体を有効
    成分とする悪性腫瘍治療剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102234295A (zh) * 2010-05-05 2011-11-09 东南大学 N-烷基取代反式1,2-环己二胺为配体的铂(ⅱ)配合物及其制备方法

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