JP2778043B2 - 新規白金含有化合物および悪性腫瘍治療剤 - Google Patents
新規白金含有化合物および悪性腫瘍治療剤Info
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- JP2778043B2 JP2778043B2 JP63200932A JP20093288A JP2778043B2 JP 2778043 B2 JP2778043 B2 JP 2778043B2 JP 63200932 A JP63200932 A JP 63200932A JP 20093288 A JP20093288 A JP 20093288A JP 2778043 B2 JP2778043 B2 JP 2778043B2
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、新規白金含有化合物およびそれを有効成分
とする悪性腫瘍治療剤に関する。
とする悪性腫瘍治療剤に関する。
<従来の技術> 悪性腫瘍の化学療法は、近年シス−ジクロロ(ジアン
ミン)白金(II)(以下、CDDPと略す)の適用で飛躍的
な進歩をとげた。すなわち、CDDPは、それまで化学療法
剤での治療が難しかった卵巣癌や精巣癌などの性器癌に
著効を示したためである。以来、抗腫瘍活性を有する白
金錯体の研究が盛んに行われるようになってきた(例え
ば、特開昭54−70246号公報)。
ミン)白金(II)(以下、CDDPと略す)の適用で飛躍的
な進歩をとげた。すなわち、CDDPは、それまで化学療法
剤での治療が難しかった卵巣癌や精巣癌などの性器癌に
著効を示したためである。以来、抗腫瘍活性を有する白
金錯体の研究が盛んに行われるようになってきた(例え
ば、特開昭54−70246号公報)。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、CDDPをはじめとする従来の白金錯体に
は腎毒性や骨髄毒性などの重篤な副作用があり、臨床使
用上の問題点となっている。このため、毒性が弱い白金
化合物の開発が望まれている。
は腎毒性や骨髄毒性などの重篤な副作用があり、臨床使
用上の問題点となっている。このため、毒性が弱い白金
化合物の開発が望まれている。
本発明の目的は、抗腫瘍活性を有し、かつ毒性が弱い
という両条件を満足する新規白金含有化合物を提供する
ことにあり、さらにかかる両条件を満足する悪性腫瘍治
療剤を提供することにある。
という両条件を満足する新規白金含有化合物を提供する
ことにあり、さらにかかる両条件を満足する悪性腫瘍治
療剤を提供することにある。
<課題を解決するための手段> 上記目的は、以下の本発明により達成される。すなわ
ち、本発明は、下記一般式(A) (式中、R1は水素原子、 またはCH3SCH2CH2−基を示し、nは1または2を示す
(ただしR1が の場合はnは2を示す)。
ち、本発明は、下記一般式(A) (式中、R1は水素原子、 またはCH3SCH2CH2−基を示し、nは1または2を示す
(ただしR1が の場合はnは2を示す)。
で示される新規白金含有化合物(以下、本発明化合物と
略す)および上記式(A)で示される新規白金含有化合
物を有効成分とする悪性腫瘍治療剤である。
略す)および上記式(A)で示される新規白金含有化合
物を有効成分とする悪性腫瘍治療剤である。
ここで、本発明化合物における は下記式 で示される共役系を意味する。
本発明化合物はジニトラト(1,2−ジアミノシクロヘ
キサン)白金(II)(化合物(B1))あるいはジスルフ
ァト(1,2−ジアミノシクロヘキサン)白金(II)化合
物(B2))をアルカリ金属水酸化物もしくはアルカリ土
類金属水酸化物の存在下で、上記式(D)で示される化
合物(化合物(D))と反応させることによって、また
は、ジヒドロキソ(1,2−ジアミノシクロヘキサン)白
金(II)(化合物(C))と化合物(D)とを反応させ
ることにより合成することができる。
キサン)白金(II)(化合物(B1))あるいはジスルフ
ァト(1,2−ジアミノシクロヘキサン)白金(II)化合
物(B2))をアルカリ金属水酸化物もしくはアルカリ土
類金属水酸化物の存在下で、上記式(D)で示される化
合物(化合物(D))と反応させることによって、また
は、ジヒドロキソ(1,2−ジアミノシクロヘキサン)白
金(II)(化合物(C))と化合物(D)とを反応させ
ることにより合成することができる。
ここで、アルカリ金属水酸化物もしくはアルカリ土類
金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化バリウムなどが好ましく用いられ、化合物
(B)または(C)に対して通常2〜2.5倍モル、化合
物(D)に対して1〜2倍モル用いる。, 化合物(C)は、通常、化合物(B1)または(B2)の
水溶液を“アンバーライトIRA−400"“ダイヤイオンSA
−10A"などの陰イオン交換樹脂(OH型)を充填したカラ
ムに通して得られる。
金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化バリウムなどが好ましく用いられ、化合物
(B)または(C)に対して通常2〜2.5倍モル、化合
物(D)に対して1〜2倍モル用いる。, 化合物(C)は、通常、化合物(B1)または(B2)の
水溶液を“アンバーライトIRA−400"“ダイヤイオンSA
−10A"などの陰イオン交換樹脂(OH型)を充填したカラ
ムに通して得られる。
反応は通常、常温〜100℃,好ましくは5〜50℃で、
常圧下に化合物(B1)、(B2)または化合物(C)に対
して化合物(D)を1〜2.5倍モル/モル用い水溶液中
あるいは水−エタノール溶液中で混和、加熱することに
より実施できる。このようにして得られた本発明化合物
はアコ錯体として水を含む場合があるが、アコ錯体も本
発明化合物の範囲に含まれる。
常圧下に化合物(B1)、(B2)または化合物(C)に対
して化合物(D)を1〜2.5倍モル/モル用い水溶液中
あるいは水−エタノール溶液中で混和、加熱することに
より実施できる。このようにして得られた本発明化合物
はアコ錯体として水を含む場合があるが、アコ錯体も本
発明化合物の範囲に含まれる。
本発明化合物の原料であるジニトラト(1,2−ジアミ
ノシクロヘキサン)白金(II)(化合物(B1))はたと
えば次の方法により合成することができる。
ノシクロヘキサン)白金(II)(化合物(B1))はたと
えば次の方法により合成することができる。
化合物(B2)は上記反応式においてAgNO3の代りにAg2
SO4を用いることによって合成することができる。
SO4を用いることによって合成することができる。
上記反応式で得られる化合物(B1)、(B2)、(C)
には原料として用いる1,2−ジアミノシクロヘキサン
(以下、dachと略す)の立体配置によりPt(トランス−
l−dach)(ONO2)2、Pt(トランス−d−dach)(ON
O2)2、Pt(シス−dach)ONO2)2の三種の異性体、Pt(ト
ランス−l−dach)(OSO3)、Pt(トランス−d−dac
h)(OSO3)、Pt(シス−dach)(OSO3)の三種の異性
体、〔Pt(トランス−l−dach)(OH)2〕、〔Pt(トラ
ンス−d−dach)(OH)2〕および〔Pt(シス−dach)(O
H)2〕の三種の異性体がそれぞれ存在する。
には原料として用いる1,2−ジアミノシクロヘキサン
(以下、dachと略す)の立体配置によりPt(トランス−
l−dach)(ONO2)2、Pt(トランス−d−dach)(ON
O2)2、Pt(シス−dach)ONO2)2の三種の異性体、Pt(ト
ランス−l−dach)(OSO3)、Pt(トランス−d−dac
h)(OSO3)、Pt(シス−dach)(OSO3)の三種の異性
体、〔Pt(トランス−l−dach)(OH)2〕、〔Pt(トラ
ンス−d−dach)(OH)2〕および〔Pt(シス−dach)(O
H)2〕の三種の異性体がそれぞれ存在する。
本発明化合物のもう一つの原料である化合物(D)は
J.Chem.Soc.,850(1954)に記載の方法に準じて容易に
合成することができる。
J.Chem.Soc.,850(1954)に記載の方法に準じて容易に
合成することができる。
かくして得られる本発明化合物は抗腫瘍剤、すなわち
腫瘍治療剤の有効成分として使用することができる。
腫瘍治療剤の有効成分として使用することができる。
本発明化合物の有効量を含む治療剤を臨床において投
与する場合、経口または非経口経路により投与される。
その剤形は、錠剤、糖衣錠、丸剤、カプセル剤、散剤、
トローチ剤、液剤、坐剤、注射剤などを包含し、これら
は、医薬上許容される賦形剤(excipient)を配合して
製造される。賦形剤としては次のようなものを例示する
ことができる。乳糖、ショ糖、ブドウ糖、ソルビトー
ル、マンニトール、ばれいしょでんぷん、アミロペクチ
ン、その他各種でんぷん、セルローズ誘導体(たとえ
ば、カルボキシメチルセルローズ、ハイドロキシエチル
セルローズなど)、ゼラチン、ステアリン酸マグネシウ
ム、ポリビニルアルコール、ステアリン酸カルシウム、
ポリエチレングリコールワックス、アラビアゴム、タル
ク、二酸化チタン、オリーブ油、ピーナツ油、ゴマ油な
どの植物油、パラフィン油、中性脂肪基剤、エタノー
ル、プロピレングリコール、生理食塩水、滅菌水、グリ
セリン、着色剤、調味剤、濃厚剤、安定剤、等張剤、緩
衝剤などおよびその他医薬上許容される賦形剤。
与する場合、経口または非経口経路により投与される。
その剤形は、錠剤、糖衣錠、丸剤、カプセル剤、散剤、
トローチ剤、液剤、坐剤、注射剤などを包含し、これら
は、医薬上許容される賦形剤(excipient)を配合して
製造される。賦形剤としては次のようなものを例示する
ことができる。乳糖、ショ糖、ブドウ糖、ソルビトー
ル、マンニトール、ばれいしょでんぷん、アミロペクチ
ン、その他各種でんぷん、セルローズ誘導体(たとえ
ば、カルボキシメチルセルローズ、ハイドロキシエチル
セルローズなど)、ゼラチン、ステアリン酸マグネシウ
ム、ポリビニルアルコール、ステアリン酸カルシウム、
ポリエチレングリコールワックス、アラビアゴム、タル
ク、二酸化チタン、オリーブ油、ピーナツ油、ゴマ油な
どの植物油、パラフィン油、中性脂肪基剤、エタノー
ル、プロピレングリコール、生理食塩水、滅菌水、グリ
セリン、着色剤、調味剤、濃厚剤、安定剤、等張剤、緩
衝剤などおよびその他医薬上許容される賦形剤。
本発明の治療剤は、本発明化合物を0.001〜85重量
%、好ましくは0.005〜60重量%含有することができ
る。
%、好ましくは0.005〜60重量%含有することができ
る。
本発明の治療剤の投与量は、主として症状により左右
されるが、1日成人体重あたり0.005〜200mg、好ましく
は0.01〜50mgである。
されるが、1日成人体重あたり0.005〜200mg、好ましく
は0.01〜50mgである。
<実施例> 以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
る。
る。
実施例1 〔3−アセチルピロリジン−2,4−ジオン−モノヒドロ
キソ(トランス−l−1,2−ジアミノシクロヘキサン)
白金(II)・1水和物〕 グリシンエチルエステル塩酸塩21.0g(0.15モル)を
無水エタノール200mlで加温して溶かした溶液に、ナト
リウム3.45gを無水エタノール70mlに溶かした溶液を加
えた。析出した食塩をすばやく別して液を冷却し、
10℃以下を保ってジケテン13.00gを滴下した。室温で2
時間撹拌したのち、溶媒を留去してエチルエーテル抽出
を行い、硫酸ナトリウムで乾燥した。エチルエーテルを
除き、残留物をエチルエーテル30mlで再結晶して、3−
オキソブチロイルグリシンエチルエステル15.9gを得た
(収率57%)。
キソ(トランス−l−1,2−ジアミノシクロヘキサン)
白金(II)・1水和物〕 グリシンエチルエステル塩酸塩21.0g(0.15モル)を
無水エタノール200mlで加温して溶かした溶液に、ナト
リウム3.45gを無水エタノール70mlに溶かした溶液を加
えた。析出した食塩をすばやく別して液を冷却し、
10℃以下を保ってジケテン13.00gを滴下した。室温で2
時間撹拌したのち、溶媒を留去してエチルエーテル抽出
を行い、硫酸ナトリウムで乾燥した。エチルエーテルを
除き、残留物をエチルエーテル30mlで再結晶して、3−
オキソブチロイルグリシンエチルエステル15.9gを得た
(収率57%)。
3−オキソブチロイルグリシンエチルエステル10.0g
(0.054モル)をベンゼン25mlに溶かし、28%ナトリウ
ムメチラート/メタノール溶液10.4gを添加して2時間
加熱還流した。反応液に水70mlを加え、ベンゼン層を分
離した。水層を濃硫酸で中和し、析出した結晶を取し
て乾燥すると5.47gの粗生成物が得られた。酢酸エチル
で再結晶して4.21gの3−アセチルピロリジン−2,4−ジ
オンを得た(収率55%)。
(0.054モル)をベンゼン25mlに溶かし、28%ナトリウ
ムメチラート/メタノール溶液10.4gを添加して2時間
加熱還流した。反応液に水70mlを加え、ベンゼン層を分
離した。水層を濃硫酸で中和し、析出した結晶を取し
て乾燥すると5.47gの粗生成物が得られた。酢酸エチル
で再結晶して4.21gの3−アセチルピロリジン−2,4−ジ
オンを得た(収率55%)。
得られた化合物の分析結果は次のとおりであった。
Pt(トランス−l−dach)(ONO2)2水溶液を陰イオン
交換樹脂“ダイヤイオンSA−10A"(OH型)を充填したカ
ラムを通して得られたPt(トランス−l−dach)(OH)2
水溶液50ml(4.2ミリモル)に3−アセチルピロリジン
−2,4−ジオン0.59g(4.2ミリモル)をエタノール30ml
に溶かした溶液を加え、室温で2日間撹拌した。微量の
析出物を去して得られた液を濃縮乾固したのち、酢
酸エチルで洗浄、減圧乾燥して3−アセチルピロリジン
−2,4−ジオン−モノヒドロキソ(トランス−l−1,2−
ジアミノシクロヘキサン)白金(II)化合物の1水和物
(以下、本発明化合物(A1)と略す)1.82gを得た(収
率89%)。
交換樹脂“ダイヤイオンSA−10A"(OH型)を充填したカ
ラムを通して得られたPt(トランス−l−dach)(OH)2
水溶液50ml(4.2ミリモル)に3−アセチルピロリジン
−2,4−ジオン0.59g(4.2ミリモル)をエタノール30ml
に溶かした溶液を加え、室温で2日間撹拌した。微量の
析出物を去して得られた液を濃縮乾固したのち、酢
酸エチルで洗浄、減圧乾燥して3−アセチルピロリジン
−2,4−ジオン−モノヒドロキソ(トランス−l−1,2−
ジアミノシクロヘキサン)白金(II)化合物の1水和物
(以下、本発明化合物(A1)と略す)1.82gを得た(収
率89%)。
この化合物の赤外吸収スペクトル(IR)を第1図に、
また、融点と元素分析値を以下に示す(Ptは原子吸光分
析により求めた)。
また、融点と元素分析値を以下に示す(Ptは原子吸光分
析により求めた)。
実施例2 〔3−アセチル−5−(1−メチルチオ)エチルピロ
リジン−2,4−ジオン−モノヒドロキソ(トランス−l
−1,2−ジアミノシクロヘキサン)白金(II)・1水和
物〕 グリシンエチルエステル塩酸塩に代えてDL−メチオニ
ンエチルエステル塩酸塩を用いる以外は、実施例1と同
様にして3−アセチル−5−(1−メチルチオ)エチル
ピロリジン−2,4−ジオンを得た(収率71%)。
リジン−2,4−ジオン−モノヒドロキソ(トランス−l
−1,2−ジアミノシクロヘキサン)白金(II)・1水和
物〕 グリシンエチルエステル塩酸塩に代えてDL−メチオニ
ンエチルエステル塩酸塩を用いる以外は、実施例1と同
様にして3−アセチル−5−(1−メチルチオ)エチル
ピロリジン−2,4−ジオンを得た(収率71%)。
得られた化合物の分析結果は次のとおりであった。
実施例1と同様にして、Pt(トランス−l−dach)(O
NO2)2水溶液をイオン交換して得たPt(トランス−l−d
ach)(OH)2水溶液50ml(4.2ミリモル)に3−アセチル
−5−(1−メチルチオ)エチルピロリジン−2,4−ジ
オン0.90g(4.2ミリモル)をメタノール80mlに溶かした
溶液を加え、室温で24時間撹拌した。反応後、微量の析
出物を去し、液を濃縮乾固した。固型物を酢酸エチ
ルで洗浄し、減圧乾燥して3−アセチル−5−(1−メ
チルチオ)エチルピロリジン−2,4−ジオン−モノヒド
ロキソ(トランス−l−1,2−ジアミノシクロヘキサ
ン)白金(II)の1水和物(以下、本発明化合物(A2)
と略すを)2.29g得た(収率95%)。
NO2)2水溶液をイオン交換して得たPt(トランス−l−d
ach)(OH)2水溶液50ml(4.2ミリモル)に3−アセチル
−5−(1−メチルチオ)エチルピロリジン−2,4−ジ
オン0.90g(4.2ミリモル)をメタノール80mlに溶かした
溶液を加え、室温で24時間撹拌した。反応後、微量の析
出物を去し、液を濃縮乾固した。固型物を酢酸エチ
ルで洗浄し、減圧乾燥して3−アセチル−5−(1−メ
チルチオ)エチルピロリジン−2,4−ジオン−モノヒド
ロキソ(トランス−l−1,2−ジアミノシクロヘキサ
ン)白金(II)の1水和物(以下、本発明化合物(A2)
と略すを)2.29g得た(収率95%)。
この化合物のIRを第2図に、また、融点と元素分析値
を以下に示す(Ptは原子吸光分析により求めた)。
を以下に示す(Ptは原子吸光分析により求めた)。
実施例3 〔3−アセチル−5−(1−メチルプロピル)ピロリ
ジン−2,4−ジオン(トランス−l−1,2−ジアミノシク
ロヘキサン)白金(II)・1水和物〕 実施例1と同様にしてPt(トランス−l−dach)(ONO
2)2水溶液をイオン交換して得たPt(トランス−l−dac
h)(OH)2水溶液100ml(4.2ミリモル)に3−アセチル−
5−(1−メチルプロピル)ピロリジン−2,4−ジオン
1.72g(8.7ミリモル)をエタノール50mlに溶かした溶液
を加え、室温で18時間撹拌した。反応液を濃縮乾固した
のち、酢酸エチルで洗浄し、減圧乾燥して3−アセチル
−5−(1−メチルプロピル)ピロリジン−2,4−ジオ
ン(トランス−l−1,2−ジアミノシクロヘキサン)白
金(II)の1水和物(以下、本発明化合物(A3)と略
す)を2.67g得た(収率88%)。
ジン−2,4−ジオン(トランス−l−1,2−ジアミノシク
ロヘキサン)白金(II)・1水和物〕 実施例1と同様にしてPt(トランス−l−dach)(ONO
2)2水溶液をイオン交換して得たPt(トランス−l−dac
h)(OH)2水溶液100ml(4.2ミリモル)に3−アセチル−
5−(1−メチルプロピル)ピロリジン−2,4−ジオン
1.72g(8.7ミリモル)をエタノール50mlに溶かした溶液
を加え、室温で18時間撹拌した。反応液を濃縮乾固した
のち、酢酸エチルで洗浄し、減圧乾燥して3−アセチル
−5−(1−メチルプロピル)ピロリジン−2,4−ジオ
ン(トランス−l−1,2−ジアミノシクロヘキサン)白
金(II)の1水和物(以下、本発明化合物(A3)と略
す)を2.67g得た(収率88%)。
この化合物のIRを第3図に、また、融点と元素分析値
を以下に示す(Ptは原子吸光分析により求めた)。
を以下に示す(Ptは原子吸光分析により求めた)。
実施例4 CDF1マウス(雄性、6週齢、1群6〜10匹使用)腹腔
内にDBA/2マウスで継代したマウス白血病細胞L1210 105
個を移植した。移植日を0日として、1日目、5日目、
9日目の計3回本発明化合物(A1)、(A2)および(A
3)をそれぞれ被検薬として腹腔内に投与した。本実験
の比較薬としてはCDDPを用いた。各薬剤は0.05%“Twee
n 80"溶液に溶解または懸濁して使用した。L1210移植マ
ウスに対する白金錯体の抗腫瘍作用の効果判定は、以下
の式により求められるT/C値ならびに30日目における生
存マウス数によって行った。
内にDBA/2マウスで継代したマウス白血病細胞L1210 105
個を移植した。移植日を0日として、1日目、5日目、
9日目の計3回本発明化合物(A1)、(A2)および(A
3)をそれぞれ被検薬として腹腔内に投与した。本実験
の比較薬としてはCDDPを用いた。各薬剤は0.05%“Twee
n 80"溶液に溶解または懸濁して使用した。L1210移植マ
ウスに対する白金錯体の抗腫瘍作用の効果判定は、以下
の式により求められるT/C値ならびに30日目における生
存マウス数によって行った。
結果を表1に示す。
表1に示す結果より、本発明化合物(A1)は、10mg/k
g投与群において200%のT/C値を示した。また、本発明
化合物(A2)は、200mg/kg投与群において、183%のT/C
値を示し、30日目における生存マウスも1/6であった。
本発明化合物(A3)は50mg/kg投与群において158%のT/
C値を示した。以上より、本発明化合物は明らかに抗腫
瘍作用を示したといえる。
g投与群において200%のT/C値を示した。また、本発明
化合物(A2)は、200mg/kg投与群において、183%のT/C
値を示し、30日目における生存マウスも1/6であった。
本発明化合物(A3)は50mg/kg投与群において158%のT/
C値を示した。以上より、本発明化合物は明らかに抗腫
瘍作用を示したといえる。
実施例5 本発明化合物(A1)、(A2)および(A3)のマウスに
おける急性毒性試験を、CDDPを対照として行った。Slc:
ICRマウス(雄性;5週齢)の腹腔内に本発明化合物(A
1)、(A2)および(A3)を被検薬として投与した。被
検薬は0.05%“Twene 80"溶液に溶解または懸濁して用
いた。投与後14日目の死亡率からLD50値を算出した。
おける急性毒性試験を、CDDPを対照として行った。Slc:
ICRマウス(雄性;5週齢)の腹腔内に本発明化合物(A
1)、(A2)および(A3)を被検薬として投与した。被
検薬は0.05%“Twene 80"溶液に溶解または懸濁して用
いた。投与後14日目の死亡率からLD50値を算出した。
その結果を表2に示す。
表2に示し結果から明らかなように、本発明化合物
(A1)、(A2)および(A3)は、CDDPに比べ低毒性であ
る。
(A1)、(A2)および(A3)は、CDDPに比べ低毒性であ
る。
<発明の効果> 本発明の化合物は強い抗腫瘍活性を有し、かつ毒性も
弱く、悪性腫瘍治療剤として有用である。
弱く、悪性腫瘍治療剤として有用である。
第1図、第2図および第3図は、実施例1、2および3
で得られた本発明化合物(A1)、(A2)および(A3)の
赤外吸収スペクトル(IR)をそれぞれ示す。
で得られた本発明化合物(A1)、(A2)および(A3)の
赤外吸収スペクトル(IR)をそれぞれ示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−313488(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 15/00 A61K 31/555 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (2)
- 【請求項1】下記一般式(A) (式中、R1は水素原子、 またはCH3SCH2CH2−基を示し、nは1または2を示す
(ただしR1が の場合はnは2を示す)。) で示される新規白金含有化合物。 - 【請求項2】請求項1記載の新規白金含有化合物を有効
成分とする悪性腫瘍治療剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63200932A JP2778043B2 (ja) | 1988-08-10 | 1988-08-10 | 新規白金含有化合物および悪性腫瘍治療剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63200932A JP2778043B2 (ja) | 1988-08-10 | 1988-08-10 | 新規白金含有化合物および悪性腫瘍治療剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0248591A JPH0248591A (ja) | 1990-02-19 |
JP2778043B2 true JP2778043B2 (ja) | 1998-07-23 |
Family
ID=16432687
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP63200932A Expired - Lifetime JP2778043B2 (ja) | 1988-08-10 | 1988-08-10 | 新規白金含有化合物および悪性腫瘍治療剤 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2778043B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01313488A (ja) * | 1988-06-13 | 1989-12-18 | Toray Ind Inc | 新規白金含有化合物および悪性腫瘍治療剤 |
-
1988
- 1988-08-10 JP JP63200932A patent/JP2778043B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0248591A (ja) | 1990-02-19 |
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