JPH09252414A - 画像処理装置およびカラーマッチング方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラー校正の対象とすべき画像に対してのみ
カラーマッチングを行うことが可能な画像処理装置およ
びカラーマッチング方法を提供することである。 【解決手段】 ページ編集装置１は、入力される画像デ
ータに対し、種々の編集処理を施すと共に、印刷の本体
となる画像が格納されているページ領域を設定する。フ
ラグ設定部４は、ページ編集装置１で設定されたページ
領域に関連して、ページ領域の内および／または外のい
ずれに対してカラーマッチングを施すべきかを示すフラ
グ情報を設定する。出力演算部２は、ページ編集装置１
から与えられる編集データを、デジタルプリンタ５で出
力可能なフォーマットに変換する。このとき、出力演算
部２は、上記フラグ情報に基づき、色変換部３を制御す
る。これによって、色変換部３は、カラーマッチングが
必要とされた部分の画像データに対してカラーマッチン
グ処理を施す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、画像処理装置に関
し、より特定的には、印刷仕上がりを検査するためのカ
ラー校正を、デジタルプリンタを用いて行うような画像
処理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、印刷物の最終仕上がりを事前にチ
ェックする方法としては、平台校正機による校正刷りが
一般的であった。しかしながら、電子技術の急速な進歩
に伴い、デジタル信号で画像を扱う製版システムが出現
し、出力もデジタル信号で表された画像データをフィル
ム出力するイメージセッタ等が使用されている。そのた
め、カラー校正も、最近では、デジタル信号で表された
画像データを入力し、それに基づいてプリントするデジ
タルプリンタ（インクジェットプリンタ、熱転写プリン
タ、昇華型プリンタ、銀塩等のカラー感材を用いた光プ
リンタ等）を用いて行われる場合が多くなってきた。こ
のようなデジタルプリンタは、製版の分野では、デジタ
ル色校正装置と呼ばれる場合が多く、印刷物と同じ網点
を再現できるものもある。また、このようなデジタルプ
リンタを用いたカラー校正技術は、通常、ＤＤＣＰ（デ
ジタル・データ・カラー・プルーフィング）と呼ばれて
いる。

【０００３】従来の平台校正機では、印刷版そのものを
用いて印刷用インキと類似する校正用インキで校正を行
っているため、後に印刷機で刷られる最終印刷物とほぼ
同じ条件下で校正刷りを行うことができる。これに対
し、デジタルプリンタを用いたカラー校正の場合、印刷
版が存在せず、しかもプリンタの特性が、印刷機の分光
特性と異なっているため、出力結果の色が最終印刷物の
色と異なったものとなる。そのため、デジタルプリンタ
によって印刷物の仕上がりをシミュレーションする場合
には、出力データに対して何らかの色変換を行って、印
刷機の色表現に近付けなければならない。従来は、カラ
ーマッチングと呼ばれる色変換技術を導入して、このよ
うな要請に対処している。なお、カラーマッチングにつ
いては、例えば、米国特許第４，５００，９１９号や、
特開平７−２３４１５８号公報や、日経エレクトロニク
ス１９９３．４．１２（ｎｏ．５７８）の第２３５〜２
４０頁に記載されたＷｉｌｌｉａｍ Ｆ． Ｓｃｈｒｅ
ｉｂｅｒ著「色管理特許，新聞のカラー印刷技術の開発
から生まれた」等に詳しく開示されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
カラーマッチング処理は、デジタルプリンタに出力され
る画像データ全体に対して行われる。そのため、カラー
校正が必要である画像のみならず、出力画像のカラー状
態を示すためのカラーコントロールバーや、各色版（Ｙ
ＭＣＫ版）を位置合わせするための指標であるトンボ等
までが色変換されてしまい、デジタルプリンタのコント
ロールに使用するための情報が変化してしまうという問
題点や、位置合わせの指標が見づらくなるという問題が
あった。

【０００５】それ故に、本発明の目的は、カラー校正の
対象とすべき画像に対してのみカラーマッチングを行う
ことが可能な画像処理装置およびカラーマッチング方法
を提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段および効果】第１の発明
は、印刷仕上がりを検査するためのカラー校正を、デジ
タルプリンタを用いて行う画像処理装置であって、画像
データに対し、複数の領域を設定するための領域設定手
段と、設定された各領域に対し、カラーマッチングの要
否を設定するための要否設定手段と、デジタルプリンタ
に出力すべき画像データに対し、当該デジタルプリンタ
での色表現と最終印刷物を刷り上げる印刷機での色表現
とのずれを補正するためのカラーマッチング処理を施す
色変換手段と、領域設定手段および要否設定手段の設定
内容に基づいて、色変換手段を制御する制御手段とを備
え、色変換手段は、要否設定手段によってカラーマッチ
ングが必要と設定された領域の画像データに対しての
み、カラーマッチング処理を施すことを特徴とする。

【０００７】第２の発明は、印刷仕上がりを検査するた
めのカラー校正を、デジタルプリンタを用いて行う画像
処理装置において、当該デジタルプリンタでの色表現と
最終印刷物を刷り上げる印刷機での色表現とのずれを補
正するためのカラーマッチング処理を実行する方法であ
って、デジタルプリンタに出力すべき画像データに対
し、複数の領域を設定する第１のステップと、設定され
た各領域に対し、カラーマッチングの要否を設定する第
２のステップと、第１および第２のステップでの設定内
容に基づき、カラーマッチングが必要と設定された領域
の画像データに対してのみ、カラーマッチング処理を施
す第３のステップとを備えている。

【０００８】上記のように、第１および第２の発明で
は、画像データに対して複数の領域を設定し、設定され
た各領域に対してカラーマッチングの要否を設定し、カ
ラーマッチングが必要と設定された領域の画像データに
対してのみ、カラーマッチング処理を施すようにしてい
る。これによって、カラー校正が必要な画像に対しての
みカラーマッチング処理を施すことが可能となり、カラ
ーコントロールバーやトンボ等のように色変換されると
不都合が生じるような画像を元の色に保つことができ
る。その結果、デジタルプリンタのコントロールも正確
に行えるようになる。

【０００９】

【発明の他の態様】この発明は、以下のような他の態様
も含んでいる。すなわち、第１の態様は、印刷仕上がり
を検査するためのカラー校正を、デジタルプリンタを用
いて行う画像処理装置において、当該デジタルプリンタ
での色表現と最終印刷物を刷り上げる印刷機での色表現
とのずれを補正するためのカラーマッチング処理を実行
するソフトウェアプログラムであって、デジタルプリン
タに出力すべき画像データに対し、複数の領域を設定す
る第１のステップと、設定された各領域に対し、カラー
マッチングの要否を設定する第２のステップと、第１お
よび第２のステップでの設定内容に基づき、カラーマッ
チングが必要と設定された領域の画像データに対しての
み、カラーマッチング処理を施す第３のステップとを備
える方法を実行する、ソフトウェアプログラムである。

【００１０】第２の態様は、上記のソフトウェアプログ
ラムが格納された携帯型記憶媒体に関する。

【００１１】第３の態様は、上記のソフトウェアプログ
ラムを通信回線を介して供給する方法に関する。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の一実施形態に係
る画像処理装置の構成を示すブロック図である。図１に
おいて、本実施形態の画像処理装置は、ページ編集装置
１と、出力演算部２と、色変換部３と、フラグ設定部４
と、デジタルプリンタ５とを備えている。

【００１３】ページ編集装置１は、入力される画像デー
タに対し、種々の編集処理を施し、カラーコントロール
バーやトンボ等のデータを含む編集済の画像を表す編集
データを生成する。この編集処理は、１ページ単位で行
われる。また、ページ編集装置１は、編集済画像の面付
けを決定するため、ページのオフセットやページの領域
を示す面付け情報を生成する。尚、面付け情報は、オペ
レータが任意に設定してもよいし、予め設定されている
なかから選択してもよい。そして、ページ編集装置１
は、出力演算部２に対し、編集データと共に、面付け情
報を出力する。出力演算部２は、ページ編集装置１から
与えられる編集データを、デジタルプリンタ５で出力可
能なフォーマットに変換する。出力演算部２から出力さ
れる画像データは、デジタルプリンタ５に与えられ、紙
面上に記録される。フラグ設定部４は、ページ編集装置
１で設定されたページの領域に関連して、ページの内お
よび／または外のいずれの領域に対してカラーマッチン
グ処理を施すべきかを示すフラグ情報を、例えばオペレ
ータの指示により設定する。色変換部３は、出力演算部
２で変換処理されるデータに対して所定のカラーマッチ
ング処理を施す。なお、色変換部３が行うカラーマッチ
ング処理は、例えば、米国特許第４，５００，９１９号
や、特開平７−２３４１５８号公報や、日経エレクトロ
ニクス１９９３．４．１２（ｎｏ．５７８）の第２３５
〜２４０頁に記載されたＷｉｌｌｉａｍＦ． Ｓｃｈｒ
ｅｉｂｅｒ著「色管理特許，新聞のカラー印刷技術の開
発から生まれた」等に開示されたのと同等の処理であっ
て良い。

【００１４】図２は、図１におけるフラグ設定部４で設
定されるフラグ情報の種々のバリエーションを示してい
る。図２において、ページ内フラグはページ内の領域に
対するカラーマッチング処理の要否を示しており、ペー
ジ外フラグはページ外の領域に対するカラーマッチング
処理の要否を示している。なお、各フラグについて、Ｏ
Ｎ状態はカラーマッチング処理が必要なことを表し、Ｏ
ＦＦ状態はカラーマッチング処理が不要なことを表して
いる。従って、図２において、ケース１はページの内お
よび外の領域に対してカラーマッチング処理が必要な場
合であり、ケース２はページ内の領域でのみカラーマッ
チング処理が必要な場合であり、ケース３はページ外の
領域でのみカラーマッチング処理が必要な場合であり、
ケース４はページの内および外の領域に対してカラーマ
ッチング処理が不要な場合である。

【００１５】本実施形態の画像処理装置は、上記ケース
１〜４のいずれに対しても対処可能なように構成されて
いる。従来のカラーマッチング処理では、ケース１およ
び４についてのみ実現が可能であったが、本実施形態に
よりケース２および３が追加された。ただし、校正の目
的からすれば、ケース３は、あまり意味はない。ケース
２により、印刷物の最終仕上がりがシミュレーションで
き、かつ印刷時の必要情報（カラーコントロールバー、
トンボ等）には変化がない校正出力を得ることが可能で
ある。

【００１６】図３は、ページ編集装置１から出力演算部
２に対して与えられる画像データに対応する画像の一例
を示した図である。図３において、１枚の画像２０は、
ページ編集装置１において、編集作業における面付け情
報を設定する際、ページ内領域２１とページ外領域２２
とが設定される。斜線部で示されるページ内領域２１の
内部には、印刷物本体すなわち校正の対象となる画像が
配置されている。また、ページ外領域２２には、カラー
コントロールバー２３やトンボ２４が配置されている。

【００１７】図４は、図１に示す画像処理装置の出力演
算部２の動作を示すフローチャートである。以下、この
図４を参照して、出力演算部２の動作を説明する。

【００１８】まず、出力演算部２は、ページ編集装置１
から編集データのうちの最初の画素データを取り込む
（ステップＳ１）。次に、出力演算部２は、取り込んだ
画素データが図３のページ内領域２１に属する画素デー
タか否かを面付け情報に含まれるページ領域を示す情報
に基づいて判断する（ステップＳ２）。取り込んだ画素
データがページ内領域２１に属する場合、出力演算部２
は、フラグ設定部４で設定されているページ内フラグお
よびページ外フラグが、図２のケース１および２のいず
れかに該当しているかを判断する（ステップＳ３および
Ｓ４）。ケース１および２のいずれかに該当している場
合、出力演算部２は、色変換部２を起動して、取り込ん
だ画素データに対してカラーマッチング処理を施す（ス
テップＳ５）。一方、ページ内フラグおよびページ外フ
ラグが、ケース１および２のいずれにも該当しない場合
（すなわち、ケース２または３の場合）、出力演算部２
は、カラーマッチング処理を行わない。その後、出力演
算部２は、未処理の画素データが存在するか否かを判断
し（ステップＳ６）、存在する場合はステップＳ１の動
作に戻る。

【００１９】次に、出力演算部２は、ページ編集装置１
から次の画素データを取り込む（ステップＳ１）。この
とき取り込んだ画素データが図３のページ外領域２２に
属する場合、出力演算部２は、フラグ設定部４で設定さ
れているページ内フラグおよびページ外フラグが、図２
のケース１および３のいずれかに該当しているかを判断
する（ステップＳ７およびＳ８）。ケース１および３の
いずれかに該当している場合、出力演算部２は、色変換
部２を起動して、取り込んだ画素データに対してカラー
マッチング処理を施す（ステップＳ５）。一方、ページ
内フラグおよびページ外フラグが、ケース１および３の
いずれにも該当しない場合（すなわち、ケース２または
４の場合）、出力演算部２は、カラーマッチング処理を
行わない。その後、出力演算部２は、未処理の画素デー
タが存在するか否かを判断し（ステップＳ６）、存在す
る場合はステップＳ１の動作に戻る。

【００２０】以上の動作を繰り返して実行し、１枚の画
像２０を構成する全ての画素データについてカラーマッ
チング処理が終了すると、出力演算部２は、各画素デー
タをデジタルプリンタで出力可能なフォーマットに変換
し（ステップＳ９）、その動作を終了する。

【００２１】なお、ページ編集装置１，出力演算部２，
色変換部３およびフラグ設定部４は、それぞれがディス
クリートな回路ブロックによって構成されても良いし、
同等または一部の機能を実行するソフトウェアプログラ
ムの形態で実現されても良い。後者の場合、ソフトウェ
アプログラムは、携帯型記憶媒体（ＣＤ−ＲＯＭ、フロ
ッピーディスク等）に格納されて提供されるか、通信回
線を介して供給されるであろう。そして、提供または供
給されたソフトウェアプログラムは、一旦、本体内のハ
ードディスクまたはＲＡＭに格納され、ＣＰＵ等の中央
処理装置によって実行される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係る画像処理装置の構成
を示すブロック図である。

【図２】図１のフラグ設定部４で設定されるフラグ情報
の種々のバリエーションを示す図である。

【図３】図１のページ編集装置１から出力演算部２に対
して与えられる画像データに対応する画像の一例を示す
図である。

【図４】図１の出力演算部２の動作を示すフローチャー
トである。

【符号の簡単な説明】

１…ページ編集装置 ２…出力演算部 ３…色変換部 ４…フラグ設定部 ５…デジタルプリンタ ２１…ページ内領域 ２２…ページ外領域 ２３…カラーコントロールバー ２４…トンボ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷仕上がりを検査するためのカラー校
   正を、デジタルプリンタを用いて行う画像処理装置であ
   って、 前記画像データに対し、複数の領域を設定するための領
   域設定手段と、 前記設定された各領域に対し、カラーマッチングの要否
   を設定するための要否設定手段と、 前記デジタルプリンタに出力すべき画像データに対し、
   当該デジタルプリンタでの色表現と最終印刷物を刷り上
   げる印刷機での色表現とのずれを補正するためのカラー
   マッチング処理を施す色変換手段と、 前記領域設定手段および前記要否設定手段の設定内容に
   基づいて、前記色変換手段を制御する制御手段とを備
   え、 前記色変換手段は、前記要否設定手段によってカラーマ
   ッチングが必要と設定された領域の画像データに対して
   のみ、カラーマッチング処理を施すことを特徴とする、
   画像処理装置。
2. 【請求項２】 印刷仕上がりを検査するためのカラー校
   正を、デジタルプリンタを用いて行う画像処理装置にお
   いて、当該デジタルプリンタでの色表現と最終印刷物を
   刷り上げる印刷機での色表現とのずれを補正するための
   カラーマッチング処理を実行する方法であって、 前記デジタルプリンタに出力すべき画像データに対し、
   複数の領域を設定する第１のステップと、 前記設定された各領域に対し、カラーマッチングの要否
   を設定する第２のステップと、 前記第１および第２のステップでの設定内容に基づき、
   カラーマッチングが必要と設定された領域の画像データ
   に対してのみ、カラーマッチング処理を施す第３のステ
   ップとを備える、カラーマッチング方法。