JPH09252265A - スペクトラム拡散受信機の同期追跡装置 - Google Patents

スペクトラム拡散受信機の同期追跡装置

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JPH09252265A
JPH09252265A JP5785596A JP5785596A JPH09252265A JP H09252265 A JPH09252265 A JP H09252265A JP 5785596 A JP5785596 A JP 5785596A JP 5785596 A JP5785596 A JP 5785596A JP H09252265 A JPH09252265 A JP H09252265A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】位相のずれ方向の検出を可能とするスペクトラ
ム拡散受信機の同追追跡装置を提供する。 【解決手段】受信信号に、受信用の疑似雑音符号発生器
33からの疑似雑音符号を乗算して得られた信号を分岐
し、情報間引き回路25,26にそれぞれ入力し、入力
端子23,34に供給されるタイミング信号で、入力さ
れた信号をそれぞれ間引く。この後、積分器27,28
で積分することにより、同一時間軸上で異なる相関特性
を作り、加算器31を用いて引き算してこれらの特性を
合成することにより遅延弁別特性を得る。この特性に基
づいて疑似雑音符号発生器33を制御し、疑似雑音符号
の周波数を可変することで受信同期の追跡を可能とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スペクトラム拡
散通信方式の受信機に関し、受信信号から情報信号を得
るときに施される逆拡散処理に用いられる疑似雑音符号
の同期追跡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】スペクトラム拡散通信機が、他の無線通
信機器と比べて明らかに異なる部分が、受信部に設けら
れている同期の補足装置と追跡装置である。周知ではあ
るが、スペクトラム拡散通信について簡単に触れてお
く。
【0003】スペクトラム拡散通信機はその送信部で、
情報信号に送信用疑似雑音符号を乗算するという拡散処
理を行なう。一方の受信部では、受信信号に受信用疑似
雑音符号を乗算する、という逆拡散処理を行なう。拡散
処理と逆拡散処理に用いられる疑似雑音符号が同一符号
であり、かつ同位相となるときにのみ受信部で情報信号
が再生されることになる。同一符号であるということ
は、通信者間で予め使用する疑似雑音符号を決めておけ
ばよい。しかし、同位相とするには、送信信号に含まれ
る送信用疑似雑音符号に対して、受信側で発生させる受
信用疑似雑音符号を合わせ、常に追跡し続けなければな
らない。この符号位相を合わせる過程を同期の補足と呼
び、追跡する過程を同期の追跡あるいは追尾と呼ぶ。
【0004】ここでは、同期追跡装置として一般的に使
用されている遅延ロックループを基本的な構成例を図1
1に示し、その動作について説明する。図11におい
て、1は入力端子、2〜4は乗算器、5,6は積分器、
7,8は相関器、9は受信用疑似雑音符号発生器、10
は電圧制御発振器、11は加算器、12は出力端子であ
る。
【0005】入力端子1に入力される信号は、情報信号
に送信用疑似雑音符号が乗算され、拡散処理の施された
信号である。情報信号はアナログ信号であっても、デジ
タル信号であってもよいが、一般的には何らかの1次変
調が施された信号を用いている。しかしながら、追跡装
置の説明においては情報信号の存在がその動作理解を困
難にする。ここでは説明を簡単にするため、受信信号は
送信用疑似雑音符号のみであるとして考える。
【0006】入力端子1に入力された送信用疑似雑音符
号は、乗算器2〜4へ入力され、受信用の疑似雑音符号
発生器9から出力される疑似雑音符号と乗算する。疑似
雑符号発生器9から出力する3つの疑似雑音符号9a〜
9cは、それぞれ異なる位相関係にあり、これを図12
(1)〜(3)に示した。ここで用いた疑似雑音符号
は、3次の原始多項式から生成されるM系列符号とし、
その1周期の期間をT、1チップの期間をΔとする。3
次の原始多項式から生成されるM系列符号の数は2つ存
在するが、ここではそのうちの1つを例にした。図12
の(1)〜(3)は、位相が順に1チップずつ遅延した
位相関係にある。
【0007】同期追跡装置の遅延弁別特性について説明
する。遅延弁別特性とは、時間のずれを振幅値の変化と
して表わす特性であり、この特性を用いて振幅値の変化
から時間のずれを見分ける。遅延弁別特性は2つの相関
特性の合成によって得られる。2つの相関特性を作り出
しているのが相関器7,8である。相関器7,8の説明
の前に、周知と思われるものの、相関特性について説明
しておく。
【0008】相関特性とは、相関関数で表される特性で
あり、数学的に言えば、他方に対する一方の関数の偏移
を関数とした関数f1(t)と関数f2(t)間の類似
性または相互依存性の尺度を与える特性である。他方に
対する一方の関数の偏移をパラメータτで表せば、この
相関特性R21は(1)式で定義される。
【0009】
【数1】 即ち、関数f2(t)を基準して関数f1(t)の時間
を可変させつつ、両者を乗算し積分したものである。関
数f1(t)と関数f2(t)が同一な場合に得られる
相関特性は自己相関特性と呼ばれ、異なる場合に得られ
る相関特性は相互相関特性と呼ばれる。
【0010】(1)式を具体化するには、f1(t)、
f2(t)で表現される関数を信号化し、両者を乗算器
に入力し積分すればよい。図11では、関数f1
(t)、f2(t)で与えられる信号を疑似雑音符号と
し、疑似雑音符号同士の乗算結果を1周期に渡って積分
することにより相関特性を得ている。
【0011】相関器7は、乗算器3と積分器5から成
り、相関器8は乗算器4と積分器6から成る。では、相
関器7,8から相関特性を得、これらの合成により遅延
弁別特性が得られることを説明するが、相関器7と相関
器8の違いは、図12に示したように、それぞれの乗算
器3と4に入力される疑似雑音符号間の位相関係のみで
ある。つまり、異なる時間軸上で同一の相関特性を得て
いるに過ぎない。そこで、まずは相関器7で得られる相
関特性について説明する。
【0012】相関器7の乗算器3には、入力端子1に入
力された疑似雑音符号と、疑似雑音符号発生器9から出
力された疑似雑音符号が入力される。これら入力信号の
一方は受信信号であり、一方は受信機で発生させる信号
であるので、同期が追跡するまでの間は、当然周波数が
異なっていることになる。これは、周波数が等しい2つ
の信号の一方に対して一方の位相をずらしていくと考え
ても差し支えない。そこで、入力端子1に入力された疑
似雑音符号に対して、疑似雑音符号発生器9から出力さ
れた疑似雑音符号の位相差をずらしていった場合の、両
入力信号波形と、その乗算結果を調べることにする。こ
れを図13に示した。
【0013】図13(a)〜(e)はそれぞれ、入力端
子1に入力された疑似雑音符号を基準にして、疑似雑音
符号発生器9から出力された疑似雑音符号の位相差を+
Δ,+Δ/2,0,−Δ/2,−Δとした際の疑似雑音
符号と、その乗算結果を表したものである。Aに示した
信号波形が入力端子1に入力された疑似雑音符号であ
り、Bに示した信号波形が疑似雑音符号発生器9から出
力された疑似雑音符号であり、Cに示した信号波形が乗
算器3の出力信号である。つまり、乗算器3に入力され
る図12の(3)の信号に相当するのがBに示した信号
波形である。
【0014】相関値はこのCに示した信号波形を1周期
に渡り積分したものであるから、これは、乗算結果が1
の期間から0の期間を引き算し、この結果を1周期Tで
割ったものに等しくなる。例えば、(a)の場合、1の
期間が3Δ、0の期間が4Δなので、(3Δ−4Δ)/
T=(3Δ−4Δ)/7Δ=−1/7となる。また、
(b)の場合は、(5Δ−2Δ)/7Δ=3/7とな
り、(c)の場合は、(7Δ−0Δ)/7Δ=1とな
る。
【0015】上記の解析は、2つの疑似雑音符号間の位
相差に代表的な値を用いたが、本来は連続的に位相差を
可変して相関特性を求めることになる。これを図14に
示した。図14の横軸は、2つの疑似雑音符号間位相差
を示し、縦軸は相関値Rss(τ)を示したものである。
この特性から、2つの疑似雑音符号間位相差が0となる
ときに相関値は最大となり、τ≦−ΔとΔ≦τの範囲で
最小となることがわかる。また、位相差0の相関値軸に
対して左右対称な特性となっていることがわかる。
【0016】この相関特性における相関値の最大値と最
小値は、以下に示した一般式からも求めることができ
る。
【0017】
【数2】 ただし、kは疑似雑音符号の原始多項式の次数、nはチ
ップ数でありn=2k −1である。
【0018】相関特性が理解できたところで、図12に
示した疑似雑音符号の位相関係を確認してみる。疑似雑
音符号発生器9から出力される疑似雑音符号の位相関係
は、図12に示したようになっており、(2)を基準と
考えれば、1Δ位相の進んだ(1)の疑似雑音符号が相
関器8の乗算器4に入力されており、1Δ位相の遅れた
(3)の疑似雑音符号が相関器7の乗算器3に入力され
ている。この際に得られる相関特性をそれぞれ図15、
図16に示した。
【0019】加算器11は、相関器7の出力から相関器
8の出力を引き算する。即ち、図16の特性から図15
の特性を引き算していることになるので、加算器11の
出力では、図17に示したような特性が得られる。この
特性は、2つの疑似雑音符号間位相差が0となる相関値
軸に対して左右非対称性な特性となっている。
【0020】ここで、加算器11の出力にて相関値=4
/7が検出されたとして、この相関値から位相差を求め
ることを考える。相関値=4/7という値からは、図1
7に示したP1とP2の2点に相当する符号間位相差が
考えられる。P1の位相差は−Δ/2であり、P2の位
相差は−3Δ/4である。この場合、符号間の位相差が
−Δ/2なのか、−3Δ/4なのかは判断できないもの
の、位相差が−方向にずれていることは判断可能とな
る。つまり、相関値(加算器11の出力電圧)から位相
のずれ方向(時間のずれ方向)は判断可能となる。位相
のずれ方向が判断さえできれば、この判断に従って位相
の方向制御が可能となる。この図17に示した特性が遅
延弁別特性と呼ばれるものである。
【0021】遅延弁別特性が得られたところで、追跡ル
ープの動作について説明する。加算器11の出力にて得
られた遅延弁別特性で、次段の電圧制御発振器10を制
御する。ここで、電圧制御制御発振器10の特性を図1
8に示したような設定にしておく。図18の横軸は入力
電圧であり、縦軸は出力周波数である。つまり、電圧制
御発振器10に与える入力電圧値を高くすれば、出力信
号の発振周波数が高くなり、逆に入力電圧値を低くすれ
ば、出力信号の発振周波数が低くなるよう動作させる。
また、入力制御電圧が0のときに出力されるフリーラン
周波数を、送信用疑似雑音符号のチップ速度と等しい周
波数foに設定しておく。
【0022】このように設定すれば、遅延弁別特性(加
算器11の出力電圧)に応じて電圧制御発振器10の出
力周波数を制御できる。こうして制御された電圧制御発
振器10の出力信号は、次段の疑似雑音符号発生器9に
入力される。疑似雑音符号発生器9が線形フィードバッ
クLFシフトレジスタ(LFSR)で構成されていると
すれば、LFSRを駆動するクロック信号として電圧制
御発振器10の出力信号を入力する。LFSRにクロッ
ク信号を入力すれば、このクロック信号の1周期を1チ
ップとする疑似雑音符号が生成できる。このことは周知
であり、ここでの説明は省略する。これによって、電圧
制御発振器10から出力される発振周波数に応じたチッ
プ速度の疑似雑音符号が生成される。
【0023】上記構成から成る追跡装置を、入力端子1
に入力された送信似雑音符号と、疑似雑音符号発生器9
から出力された受信疑似雑音符号の位相差が−Δであっ
た状態から考察する。
【0024】図17に示した遅延弁別特性から、位相差
が−Δとなる相関値を読むと8/7という値が得られ
る。電圧制御発振器10は、この相関値に応じた発振周
波数を出力する。電圧制御発振器10は、フリーラン周
波数がfoであるから、相関値8/7の電圧が与えられ
ると、その発振周波数は増加する。このときの発振周波
数をfo+αと仮定する。その結果、疑似雑音符号発生
器9はfo+αのクロック信号で疑似拡散符号を生成す
ることになり、そのチップ速度もfo+αとなる。
【0025】前述したように、電圧制御発振器10のフ
リーラン周波数であるfoは、送信用疑似雑音符号のチ
ップ速度に合わせて設定したのであるから、受信用疑似
雑音符号の周波数が送信用疑似雑音符号の周波数に比べ
てαだけ高くなる。即ち、図13(e)のAに示した疑
似雑音符号に比べて、Bに示した疑似雑音符号の周波数
が高くなる訳であるから、位相で見れば、Bの疑似雑音
符号の位相を進めたことに等くなる。その結果、相関値
は図17に示した遅延弁別特性上を位相差0の点に向か
い徐々に小さくなっていく。
【0026】逆に、位相差が+Δであった状態から考察
する。この場合、相関値は−8/7となり、電圧制御発
振器10から出力される発振周波数はフリーラン周波数
のfoより減少する。このときの発振周波数をfo−α
と仮定すれば、受信用疑似雑音符号のチップ速度もfo
−αとなり、受信用疑似雑音符号の周波数が送信用疑似
雑音符号の周波数に比べてαだけ低くなる。即ち、図1
3(a)のAに示した疑似雑音符号に比べて、Bに示し
た疑似雑音符号の周波数が低くなる訳であるから、位相
で見れば、Bの疑似雑音符号の位相を遅らせたことに等
くなる。その結果、相関値は図17に示した遅延弁別特
性上を位相差0の点に向かい徐々に大きくなっていく。
【0027】つまり、送信用疑似雑音符号と受信用疑似
雑音符号に生じていた位相差が0になるようフィードバ
ック制御されるのである。遅延弁別特性は異なる時間軸
上で得られた相関特性を合成したものであり、それぞれ
の相関特性は図12の(1)と(3)に示したような位
相関係にある2つの受信用疑似雑音符号によって作り出
されていた。そのため、これら2つの疑似雑音符号間の
丁度中間に位置する(2)の疑似雑音符号を受信側で生
成すれば、常に送信用疑似雑音符号に位相同期した受信
用疑似雑音符号を得ることができる。
【0028】乗算器2の入力信号の一方は、入力端子1
に入力された送信用疑似雑音符号であり、他方は、疑似
雑音符号発生器9から出力される(2)の受信用疑似雑
音符号であるから、乗算器2から出力される信号は逆拡
散の施された情報信号となり、出力端子12に導かれ
る。
【0029】以上、従来のスペクトラム拡散受信機に用
いられている同期追跡装置について説明してきたが、こ
こで述べた遅延弁別特性は、追跡により位相の合致した
疑似雑音符号より1チップ位相の進んだ疑似雑音符号と
1チップ位相の遅れた疑似雑音符号とを受信信号に乗算
することによって得られた。つまり、遅延弁別特性を得
るために必要な受信用疑似雑音符号間の位相差は2チッ
プであった。この特性を作り出す遅延弁別器を一般的に
2ΔDD(Delay-Discriminator )と呼ぶが、時間軸
(位相差軸)に対する感度を高めた1ΔDDと呼ばれる
遅延弁別器も存在する。1ΔDDの遅延弁別特性を得る
には、受信用疑似雑音符号間の位相差を1チップとすれ
ばよい。
【0030】2ΔDDの遅延弁別特性が図17に示した
ように、位相差−2Δ〜2Δの範囲でS字特性を描いて
いたのに対して、1ΔDDでは−Δ〜Δの範囲でS字特
性を描く。位相差0の相関値軸を横切る線に注目すれ
ば、2ΔDDに比べ1ΔDDの傾きが2倍となるので、
追跡性能が高いことになる。
【0031】このように、スペクトラム拡散通信方式の
受信機に用いられる同期追跡装置は、異なる時間軸上で
2つの相関特性を作り出し、これらを合成することによ
り時間軸(位相差)に対するS字特性を有する遅延弁別
特性を得て、追跡動作を可能としている。しかしなが
ら、この追跡装置には非常に大きな欠点が存在してい
る。
【0032】それは、希望する情報信号を得る信号ライ
ン(受信機入力信号から逆拡散信号出力端子まで)と、
追跡ループとが独立に存在するということである。これ
を図11と対応させて説明する。まず、入力端子1に入
力された受信信号は3分岐され、乗算器2〜4に入力さ
れる。このうち、乗算器3と4に入力された受信信号か
ら追跡のための遅延弁別特性が作り出される。回路が理
想的に動作していれば、疑似雑音符号発生器9から出力
される3つの疑似雑音符号間位相は等間隔となり、乗算
器2に出力される疑似雑音符号と、分岐されて乗算器2
に入力された受信信号に含まれる疑似雑音符号との位相
は一致する。
【0033】しかしながら、現実的に回路を理想状態と
して動作させることは困難である。例えば、回路素子に
製造上のばらつきがあり、疑似雑音符号符号発生器9か
ら出力される3つの疑似雑音符号間に位相ずれが生じる
ことも考えられる。これを図19に示した。図19の
(1)〜(3)は疑似雑音符号符号発生器9から出力さ
れる3つの疑似雑音符号を示したものであり、(2)に
比べて(3)の位相がΔ−α遅れている場合を示してい
る。この場合の遅延弁別特性は図11に示したようにな
る。相関値が0となる点をPに示したが、この点では位
相差が0になっていない。追跡ループは、相関値が0と
なるように位相を合わせ込む訳であるから、受信信号と
(2)の疑似雑音符号間にはα/2の位相誤差が生じ
る。受信信号に含まれる疑似雑音符号と疑似雑音符号発
生器9から出力される疑似雑音符号間には、固定的な位
相のオフセットが生じたまま乗算器2で乗算される。そ
の結果、出力端子12から出力される情報信号には、不
要な高周波雑音が付加されてしまい、品質の悪い情報信
号となってしまう。
【0034】この位相ずれを対処するには、出力端子1
2に導かれる情報信号から、何らかの方法で位相ずれを
検出し、追跡ループにフィードバックを掛ける必要があ
る。しかし、このフィードバック制御が不可能であり、
現在のところフィードバック制御可能な追跡装置は開発
されていない。
【0035】以下に、フィードバック制御が不可能な理
由について説明する。追跡装置自体、2つの相関器を異
なる時間軸上で動作させ、この相関特性の合成により遅
延弁別特性を作り出していた。情報信号が得られる出力
端子12には乗算器が1つしか存在しないため、たとえ
乗算器の後に積分器を設け、この部分に相関器を構成し
ても、相関特性は1つしか得られないために、遅延弁別
特性は作りだせない。どうにかして1つの相関器で、位
相差を0に追い込めないかと考える。
【0036】しかしながら、相関器の特性は、図14に
示した通り、2つの疑似雑音符号間位相が0となる相関
値軸に対して左右対称な特性である。図14の特性で、
相関値が1であったとすれば、位相差が0であるという
ことが判断できる。相関値が3/7の場合には、位相差
が−Δ/2なのか+Δ/2なのか判別は不可能である。
つまり、位相ずれの方向が判断できないので、位相の制
御が行えないのである。その他に、位相の異なる3つの
疑似雑音符号を受信側で生成しなけらばならないという
問題もある。1チップずつ異なる位相差で生成される疑
似雑音符号は互いに干渉し、こらが配線間容量などで他
の回路への飛び込みの原因になる。
【0037】さらに、LFSRを用いて1ΔDDの遅延
弁別特性を得るには、LFSRを2倍のクロック速度で
動作させなけらばならない、という問題も存在する。そ
の理由は、LFSRの段間から取り出せる符号間位相差
は1チップであり、逆拡散用に必要なΔ/2位相差を有
する疑似雑音符号が生成できないからである。それで
も、同一なLFSRを用いて同一チップ速度の疑似雑音
符号を発生させ、かつ1ΔDDの特性を得ることが可能
である。つまり、2倍速のクロック速度で疑似雑音符号
を生成することにより、1チップの位相差を1/2にす
る。このままでは、疑似雑音符号速度が2倍となるの
で、この速度を1/2に戻してから遅延弁別器に入力す
る。
【0038】この問題は、単にクロック速度を2倍速に
すれば解決できるというものではない。例えば、高周波
帯域において、プロセスゲインの高い(情報量に比べ、
非常に早い疑似雑音符号で拡散する)システムを組もう
とする場合、当然LFSRのクロック速度を高くしなけ
ればならない。回路素子の応答速度から、クロック速度
の限界があることは事実であり、このような限界性能に
近い周波数帯において、さらに2倍速化という技術の壁
は厚いものである。素子の限界性能にも関わらずシステ
ムを優先させれば、高価な素子を使わざるを得ない状況
にもなる。
【0039】上述の問題とも関連するが、このような追
跡装置のIC化を考えた場合には、2倍速のクロック信
号を回路間に引き回すことになる。配線間の干渉や飛び
込みを考えた場合、周波数の高い信号は不利である。
【0040】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のスペク
トラム拡散受信機の同期追跡装置では、送信用疑似雑音
符号と受信用疑似雑音符号間には、固定的な位相のオフ
セットが生じたまま乗算され、出力される情報信号に
は、不要な高周波雑音が付加されてしまい、品質の悪い
情報信号となってしまう。この位相ずれを対処する手段
は現在開発されていない。また、追跡のための受信用疑
似雑音符号には3つの位相の異なるものが必要である等
の問題があった。
【0041】この発明は、簡単な構成で位相のずれ方向
の検出を可能とするスペクトラム拡散受信機の同追追跡
装置を提供する。
【0042】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、この発明のスペクトラム拡散受信機の同追追跡
装置では、受信信号に受信用疑似雑音符号を乗算して得
られる情報を、異なる情報間引き回路によりそれぞれ間
引いて、受信信号に含まれる送信用疑似雑音符号と受信
用疑似雑音符号間の位相差が0となる相関値軸に対して
左右非対称となる第1及び第2の相関特性を生成し、こ
れら相関特性の合成により遅延弁別特性を生成し、この
遅延弁別特性に基づいて受信用疑似雑音符号を制御し、
送信用疑似雑音符号に受信用疑似雑音符号を同期追跡さ
せる。
【0043】このような手段を取ることにより、追跡動
作時には、受信信号に含まれる送信用疑似雑音符号と受
信用疑似雑音符号の位相が一致するため、情報信号は情
報を間引く回路の寸前の乗算結果から取り出せる。つま
り、追跡ループの一部から情報が得られるので、符号間
位相のオンループ制御が可能となる。同一時間軸上で対
称性の異なる2つの相関特性を作り出しており、かつ追
跡ループから情報信号も得られるので、受信信号に乗算
する疑似雑音符号は1つで済む。
【0044】また、同一の時間軸上で動作しているた
め、相関値の変化から検出可能な位相差量は、±Δしか
ないため1ΔDDが構成可能となる。そのため、LFS
Rを駆動するクロック信号を、2倍速にしなくても1Δ
DDの特性が得られる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、こ
の発明の一実施の形態について説明するためのブロック
図である。20は受信信号の入力端子、21は乗算器、
22は情報信号出力端子、23,24はタイミング信号
入力端子、25,26は情報間引き回路、27,28は
積分器、29は第1の相関器、30は第2の相関器、3
1は加算器、32は電圧制御発振器、33は受信用の疑
似雑音符号発生器である。
【0046】入力端子20には、情報信号が疑似雑音符
号にて拡散された信号が入力される。この拡散信号を乗
算器21の一方の端子に、疑似雑音符号発生器33から
発生させた疑似雑音符号を乗算器21の他方の端子にそ
れぞれ入力して、両者を乗算することにより逆拡散処理
を施し、情報信号出力端子22から情報を出力する。こ
れと同時に、情報信号は情報間引き回路25と26の一
方の入力端子に入力される。これら情報間引き回路2
5,26はそれぞれ、タイミング入力端子23と24に
入力される情報を間引くためのタイミング信号によって
情報を間引き、次段の積分器27,28に出力する。積
分器27,28は、情報の間引かれた情報信号を積分す
るものであり、積分器27,28の各出力が相関値とな
る。加算器31は積分器27の出力に得られた相関特性
から積分器28の出力に得られた相関特性を引き算する
ものであり、この出力が遅延弁別特性となる。電圧制御
発振器32が加算器31から出力される遅延弁別特性に
応じた発振周波数を出力するよう設定しておけば、この
発振周波数に基づいた周波数の疑似雑音符号が疑似雑音
符号発生器33から出力される。
【0047】以上が構成回路の一通りの動作であるが、
以下に信号波形などを使って追跡装置全体を詳細に説明
する。まず扱う情報信号は、1が連続した信号であると
定義しておく。即ち、拡散処理の施された情報信号は疑
似雑音符号そのものに等しい信号である。また、疑似雑
音符号も3次の原始多項式から生成されるM系列符号の
1種類であると決めておく。この疑似雑音符号の発生パ
ターンは図12に示したものと同様である。この疑似雑
音符号を用い、まず相関器29について説明する。
【0048】相関器29は、乗算器21と情報間引き回
路25と積分器27から構成される。乗算器21には入
力端子20に入力された受信信号と疑似雑音符号発生器
33から出力される疑似雑音符号が入力され乗算され
る。この段階では、両者の疑似雑音符号がどのような位
相関係にあるかはわからない。
【0049】そこで、受信信号の位相を基準として、疑
似雑音符号発生器33から出力される疑似雑音符号位相
差τを、τ>Δ,Δ>τ>Δ/2,Δ/2>τ>0,τ
=0,0>τ>−Δ/2,−Δ/2>τ>−Δ,−Δ>
τにそれぞれ場合わけし、それを図2の(a)〜(d)
と図3の(e)〜(g)に示した。図2、図3中の波形
Aは受信信号、Bは疑似雑音符号発生器33から出力さ
れる疑似雑音符号を示し、乗算結果をCに示した。
【0050】情報間引き回路25は、この乗算結果から
ある種のタイミングで情報を間引くものである。一例と
して、この情報間引き回路の具体例を図4に示した。図
4はOR論理演算器を示したものである。
【0051】ここで、タイミング信号入力端子23に与
えるタイミング信号は、疑似雑音符号発生器33から出
力される疑似雑音符号に位相同期した信号であり、その
周期が1チップでデューティー50%の信号であると仮
定する。これを図2、図3のDに示した。
【0052】OR論理演算器は、入力される信号が両方
共にLレベル電位のときにのみLレベル電位を出力する
ものである。そのため、タイミング信号に上述のよう
な、1チップの1/2の期間がHレベルであり、残りの
1/2の期間がLレベルとなっている信号を用いるとい
うことは、OR論理演算器の一方に入力するタイミング
信号によって他方に入力する乗算結果の情報量を1/2
に制限していることになる。乗算結果Cから情報の間引
かれた信号波形をEに示した。
【0053】情報の間引かれた信号は、次段の積分器2
7にて疑似雑音符号の1周期に渡って積分され、相関値
が得られる。では、それぞれの位相差の場合において、
相関値がどう変化するかを定性的に説明する。
【0054】まず、図2の(a)のτ>Δの場合、乗算
結果CとOR論理演算器出力Eを比較してみると、乗算
結果CがLレベルとなっている期間にOR論理演算器出
力EもLレベルとなっているが、このLレベルとなって
いる期間がタイミング信号DのLレベルとなっている期
間、即ち1/2チップに制限されていることが確認でき
る。このとき、相関値は最小値となる。
【0055】図2の(b)のΔ>τ>Δ/2の場合、図
2の(a)に示したOR論理演算器出力Eとこの場合の
OR論理演算器出力Eを比較してみると明らかである
が、位相差が小さくなるに連れて、(b)のEでLレベ
ルの期間が短くなっていくのが確認できる。位相差がΔ
のときの相関値はτ>Δの場合と同値であるが、位相差
が小さくなるに連れ相関値は増加していき、位相差がΔ
/2に至っては相関値は最大値となる。
【0056】図2の(c)のΔ/2>τ>0の場合、乗
算結果Cとタイミング信号Dをみると明らかであるが、
乗算結果CがLレベルとなっている期間は、タイミング
信号DがHレベルとなっている期間にマスキングされて
しまう。そのため、Δ/2>τ>0の期間で相関値に変
化はなく一定値となる。
【0057】図3の(e)の0>τ>−Δ/2の場合の
期間は、乗算結果CがLレベルとなっている期間とタイ
ミング信号がLレベルとなる期間が重なり合うため、乗
算結果Cがそのまま出力され、相関値は減少していく。
【0058】また、図3の(f)の−Δ/2>τ>−Δ
の場合の期間は、乗算結果CがLレベルとなる期間が、
タイミング信号がLレベルとなっている期間を越える。
しかしながら、OR論理演算器の出力EがLレベルとな
る期間は、タイミング信号期間により制限されてしま
う。そのため、−Δ/2>τ>−Δの期間で相関値に変
化はなく一定値となる。このときの相関値は最小値であ
る。
【0059】さらに、図3の(g)の−Δ>τの場合の
期間も、τ>Δの場合と同様、位相差は1チップ以上で
あり、情報は1/2に間引かれ、相関値は最小値とな
る。
【0060】以上の解析から、相関器29で得られる相
関特性を図5に示した。では、この相関特性が取り得る
相関値の最大値と最小値を定量的に解析する。
【0061】相関値が最大値を取る期間は、図5から明
らかなようにΔ/2≧τ≧0であり、この期間のOR論
理演算出力は、連続したHレベルとなる。つまり相関値
は最大値の1となる。これを(4)式に示した。
【0062】
【数3】 一方、相関値が最小値を取る期間は、τ≧Δと−Δ/2
≧τの範囲である。この期間は情報を間引かれたことに
より、乗算結果がLレベルである期間が1/2にされ、
その分、残りの1/2の期間がHレベルに加わると考え
られる。これを(5)式に示した。
【0063】
【数4】 ただし、kは疑似雑音符号の原始多項式の次数、nはチ
ップ数であり、n=2k−1である。
【0064】従来例で説明した相関特性が、図14に示
されているように、位相差0の相関値軸に対して対称な
特性であったのに対して、この相関器は非対称な特性を
示すことが特徴である。即ち、情報を間引くことにより
相関特性が非対称になった訳であるが、これを概念的に
示したのが図6である。図6の(a)は図14に示した
相関特性であり、(b)は情報を間引くタイミング信号
を示したものであり、(c)が情報を間引かれた信号に
よる相関特性を示したものである。
【0065】情報を間引く回路はこの場合、OR論理演
算器であるから、タイミング信号がLレベルとなったと
きにのみ乗算結果の情報が有効であると考えられる。こ
の期間を(a)の特性上に太線で示した。太線でない期
間は、情報が間引かれる期間である。この情報が間引か
れた期間は、情報の増減がない期間であると考えられる
ので、この間の相関値に変化は生じない。つまり、
(a)に示した太線期間の間を、相関値が一定となるτ
軸と平行な線で結んだ特性が相関特性となる。これを
(c)に示した。このように考えると、情報を間引くこ
とにより、相関特性が相関値軸に対して左右非対称な特
性になることが直感的に理解できる。
【0066】以上、相関器29の動作を詳述に説明して
きたが、次に他方の相関器である相関器30について説
明をする。しかしながら、相関器29と相関器30の構
成は同じであり、入力するタイミング信号の位相のみを
変えているため、これに伴う言及にとどめる。
【0067】相関器30も相関器29と同様、情報間引
き回路26は図4に示したOR論理演算器を用いること
にする。ここで、タイミング信号入力端子24に与える
タイミング信号は、タイミング信号入力端子23に与え
たタイミング信号を位相反転した信号であると仮定す
る。これを図2、図3のFに示した。このタイミング信
号によって、乗算結果Cから情報を間引かれた信号はG
のような信号波形となる。情報の間引かれた信号は次段
の積分器28にて疑似雑音符号の1周期に渡って積分さ
れ、相関値が得られる。2つの疑似雑音符号間位相差を
連続的に可変することにより、図7に示した相関特性が
得られる。
【0068】相関器30に入力しているタイミング信号
は、相関器29に入力したタイミング信号を1/2チッ
プずらしたものであるから、図7の特性も図5の特性を
1/2チップずらしたものと考えることができる。ま
た、図6と同様に、情報の有効期間を繋ぐことによって
も、図7の相関特性を得ることができる。これを図8に
示した。図8の(a)は図14に示した相関特性であ
り、(b)は情報を間引くタイミング信号を示したもの
であり、(c)が情報を間引かれた信号による相関特性
を示したものである。
【0069】相関器29と相関器30で得られる相関特
性が理解できたところで、これら特性の合成により遅延
弁別特性が得られることを説明する。遅延弁別特性は、
加算器31にて、相関器30の特性から相関器29の特
性を減算することによって得られる。これを図9に示し
た。図9のAが相関器30の相関特性で、Bが相関器2
9の相関特性を−1倍した特性で、CがAとBを合成し
た特性である。このCの特性が遅延弁別特性である。従
来例で説明した特性と相似な特性であることが確認でき
る。但し、注目すべき点は、この特性が1ΔDDの遅延
弁別特性となっていることである。図20に示すよう
に、従来例で説明した遅延弁別特性が、−2Δ〜2Δの
位相差範囲でS字特性を描いている2ΔDDであったの
に対し、図9に示したこの実施の形態の遅延弁別特性
は、−Δ〜Δの位相差範囲でS字特性を描く1ΔDDと
なっている。
【0070】以上のことから、従来例で説明したと同様
な動作を行う電圧制御発振器32と疑似雑音符号発生器
33を用いれば、この実施の形態で得られた遅延弁別特
性により、受信信号に位相同期する追跡装置が構成でき
るのである。
【0071】なお、情報を間引くタイミング信号に、受
信用疑似雑音符号と同一周波数であり、かつデューティ
50%のクロック信号を用いたが、図6や図8に示した
特性図からも分かるように、タイミング信号の周波数は
2倍であっても4倍であってもかまわない。この場合、
相関特性のダイナミック・レンジを1/2分割あるいは
1/4分割した部分に相関特性のフラットな領域がで
き、遅延弁別特性としてのダイナミック・レンジは小さ
くなるもの、追跡動作可能な遅延弁別特性は得られる。
【0072】同様に、クロック信号のデューティ比が5
0%でない場合は、一方の相関特性のダイナミック・レ
ンジが小さくなるのに対して、他方の相関特性のダイナ
ミック・レンジは大きくなる。これにより、遅延弁別特
性のダイナミック・レンジが正負非対称となるものの、
やはり追跡動作可能な遅延弁別特性を得ることができ
る。
【0073】この実施の形態では、受信信号と受信機側
で発生する疑似雑音符号との乗算信号から情報を間引き
積分することにより、同一時間軸上で異なる相関特性を
作りだし、これらの合成により遅延弁別特性を得て、追
跡ループを構成している。これにより、1つの疑似雑音
符号のみで成し遂げており、かつ1ΔDDの遅延弁別特
性を得ている。倍速のクロック信号を必要としなくて
も、1ΔDDの遅延弁別特性が得られるため、信号の飛
び込みという問題も低減される。
【0074】また、追跡ループ上から逆拡散信号が得ら
れるため、逆拡散信号に含まれる位相誤差はフィードバ
ック制御され、極めて低い位相誤差に抑え込むことを可
能にしている。
【0075】図10のブロック図を用いて、この発明の
他の実施の形態について説明する。この実施の形態は、
図1の実施の形態の相関器29,30にそれぞれ使用し
ていた積分器を1つに削減したものである。図1と同一
の構成要素には同一の符号を付した。
【0076】すなわち、この実施の形態は、加算器31
の後段に、積分器278を設けて、図1の実施の形態で
用いた積分器27,28を共有化し、回路規模の低減を
図ったものである。
【0077】情報間引き回路25と26からの出力は加
算器31にて加算され、その後積分器278を通過する
ことによって、遅延弁別特性を得ている。これは、一般
的な数学である積分の線形性から明らかである。今、情
報間引き回路25から出力される信号を関数f1(t)
で表現し、情報間引き回路26から出力される信号を関
数f2(t)で表現する。また、積分期間を0から関数
の1周期Tまでと仮定すれば、図1の実施の形態とこの
実施の形態の遅延弁別特性は、それぞれ、
【数5】
【数6】 で表される。(6),(7)式からわかるように、これ
らは等しいものとなり、積分器278で図1の実施の形
態と同様の効果を持つ追跡装置を実現することができ
る。
【0078】この実施の形態によれば、加算器31の後
段に、積分器278を配置したことにより、図1の用い
た2つの積分器27,28を、1つの積分器で兼用する
ことができる。従って、1つ積分器の分の回路規模の低
減を図ることができる。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、この発明では、追
跡動作時に受信信号に含まれる送信用と受信用疑似雑音
符号の位相が一致し、符号間位相のオンループ制御が可
能となり、位相誤差のない逆拡散信号を得ることができ
る。また、同一時間軸上で対称性の異なる2つの相関特
性を作り出すとともに、追跡ループから情報信号も得ら
れるので、受信信号に乗算する疑似雑音符号を1つで済
ますこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態を説明するための
ブロック図。
【図2】図1の動作を説明するための信号波形図。
【図3】図1の動作を説明するための信号波形図。
【図4】図1の情報間引き回路の具体的な回路図。
【図5】図1の相関器で得られる相関特性図。
【図6】情報を間引くことにより得られる相関特性につ
いて説明するための説明図。
【図7】2つの疑似雑音符号間位相差を連続的に可変す
ることにより得られる相関特性図。
【図8】情報の有効期間をつなぐことにより図7と同相
関特性が得られることを説明するための特性図。
【図9】図1の相関器30の特性から相関器29の特性
を減算することにより得られる特性図。
【図10】この発明の第2の実施の形態を説明するため
のブロック図。
【図11】従来のスペクトラム拡散受信機における同期
追跡装置について説明するためのブロック図。
【図12】図11の説明に用いた信号波形図。
【図13】図11の動作を説明するための信号波形図。
【図14】送信用と受信用の疑似雑音符号間に位相差が
ない場合の相関特性図。
【図15】受信用の疑似雑音符号が送信疑似雑音符号よ
り1Δ位相の進んだ場合の相関特性図。
【図16】受信用の疑似雑音符号が送信疑似雑音符号よ
り1Δ位相の遅れた場合の相関特性図。
【図17】図16の特性から図15の特性を引き算した
場合の相関特性図。
【図18】図11で用いた電圧制御発振器の周波数制御
について説明するための特性図。
【図19】従来の問題点を説明するための信号波形図。
【図20】従来の問題点を説明するための特性図。
【符号の説明】
20…入力端子、21…乗算器、22…情報信号出力端
子、23,24…タイミング信号入力端子、25,26
…情報間引き回路、27,28,278…積分器、2
9,30…相関器、31…加算器、32…電圧制御発振
器、33…疑似雑音符号発生器。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報が送信用疑似雑音符号に基づいて拡
    散された信号を受信し、該受信信号と受信用疑似雑音符
    号を乗算して得られた信号から、異なる間引き方により
    情報を間引き、同一時間軸上に得る第1および第2の相
    関特性と、 前記相関特性の一方から他方を引き算して得られる遅延
    弁別特性と、 前記遅延弁別特性に基づいて前記受信用疑似雑音符号の
    周波数を制御し、前記送信用疑似雑音符号に前記受信用
    疑似雑音符号を同期追跡させる手段とからなることを特
    徴とするスペクトラム拡散受信機の同期追跡装置。
  2. 【請求項2】 情報が送信用疑似雑音符号に基づいて拡
    散された信号を受信し、該受信信号と受信用疑似雑音符
    号を入力し、該受信用疑似雑音符号の1チップ区間の任
    意の区間に得られる相関値の最大値が連続となる第1の
    相関特性と、 前記1チップ区間から前記任意の区間を差し引いて残る
    区間に得られる相関値の最大値が連続となる第2の相関
    特性と、 前記第1(第2)の相関特性から前記第2(第1)の相
    関特性を引き算して得られる遅延弁別特性と、 前記遅延弁別特性に基づいて前記受信用疑似雑音符号の
    周波数を制御し、前記送信用疑似雑音符号に前記受信用
    疑似雑音符号を同期追跡させる手段とからなることを特
    徴とするスペクトラム拡散受信機の同期追跡装置。
  3. 【請求項3】 情報が送信用疑似雑音符号に基づいて拡
    散された信号を受信し、この受信信号と受信用疑似雑音
    符号を乗算し、この乗算された信号から、前記受信用疑
    似雑音符号と位相同期し、前記受信用疑似雑音符号の1
    チップ区間にHレベルとLレベルを繰り返す第1の信号
    に基づいて情報を間引き積算することにより得られる第
    1の相関特性と、 前記第1の信号とは位相反転した関係にある第2の信号
    に基づいて情報を間引き積算することにより得られる第
    2の相関特性と、 前記第1(第2)の相関特性から前記第2(第1)の相
    関特性を引き算して得られる遅延弁別特性と、 前記遅延弁別特性に基づいて前記受信用疑似雑音符号の
    周波数を制御し、前記送信用疑似雑音符号に前記受信用
    疑似雑音符号を同期追跡させる手段とからなることを特
    徴とするスペクトラム拡散受信機の同期追跡装置。
  4. 【請求項4】 情報が送信用疑似雑音符号に基づいて拡
    散された信号を受信し、この受信信号と受信用疑似雑音
    符号を乗算して得られた信号から、前記受信用疑似雑音
    符号と位相同期するとともに、前記受信用疑似雑音符号
    の1チップ区間にHレベルとLレベルを繰り返す第1の
    信号に基づいて情報を間引く第1の情報間引き手段と、 前記第1の情報間引き手段から出力された信号を積算す
    る第1の積分器から得られる第1の相関特性と、 前記第1の信号とは位相反転した関係にある第2の信号
    に基づいて情報を間引く第2の情報間引き手段と、 前記第2の情報間引き手段から出力された信号を積算す
    る第2の積分器から得られる第2の相関特性と、 前記第1(第2)の相関特性から前記第2(第1)の相
    関特性を引き算する加算器から得られる遅延弁別特性
    と、 前記遅延弁別特性に基づいて前記受信用疑似雑音符号の
    周波数を制御し、前記送信用疑似雑音符号に前記受信用
    疑似雑音符号を同期追跡させる手段とからなることを特
    徴とするスペクトラム拡散受信機の同期追跡装置。
  5. 【請求項5】 情報が送信用疑似雑音符号に基づいて拡
    散された信号を受信し、該受信信号と受信用疑似雑音符
    号を乗算して得られた信号から、前記受信用疑似雑音符
    号と位相同期するとともに、前記受信用疑似雑音符号の
    1チップ区間にHレベルとLレベルを繰り返す第1の信
    号に基づいて情報を間引き、第1の情報間引き信号を得
    る第1の情報間引き手段と、 前記第1の信号とは位相反転した関係にある第2の信号
    に基づいて情報を間引き、第2の情報間引き信号を得る
    第2の情報間引き手段と、 前記第1(第2)の情報間引き信号から前記第2(第
    1)の情報間引き信号を引き算し積算して得られる遅延
    弁別特性と、 前記遅延弁別特性に基づいて前記受信用疑似雑音符号の
    周波数を制御し、前記送信用疑似雑音符号に前記受信用
    疑似雑音符号を同期追跡させる手段とからなることを特
    徴とするスペクトラム拡散受信機の同期追跡装置。
  6. 【請求項6】 情報が送信用疑似雑音符号に基づいて拡
    散された信号を受信し、該受信信号と受信用疑似雑音符
    号を乗算して得られた信号から、前記受信用疑似雑音符
    号と位相同期するとともに、前記受信用疑似雑音符号の
    1チップ区間にHレベルとLレベルを繰り返す第1の信
    号に基づいて情報を間引く第1の情報間引き手段と、 前記第1の信号とは位相反転した関係にある第2の信号
    に基づいて情報を間引く第2の情報間引き手段と、 前記第1(第2)の情報間引き手段の出力信号から前記
    第2(第1)の情報間引き手段の出力信号を引き算する
    加算手段と、 前記加算手段から出力された信号を積分する積分手段
    と、 前記積分手段の出力から遅延弁別特性を得て、該遅延弁
    別特性に基づいて前記受信用疑似雑音符号の周波数を制
    御し、前記送信用疑似雑音符号に前記受信用疑似雑音符
    号を同期追跡させる手段とからなることを特徴とするス
    ペクトラム拡散受信機の同期追跡装置。
  7. 【請求項7】 第1の信号と第2の信号は何れも、受信
    用疑似雑音符号を発生させるクロック信号であり、かつ
    互いに位相反転した信号であることを特徴とする請求項
    3〜6何れかに記載のスペクトラム拡散受信機の同期追
    跡装置。
  8. 【請求項8】 受信用疑似雑音符号は、クロック信号を
    線形帰還レジスターに入力して生成されることを特徴と
    する請求項1〜7何れかに記載のスペクトラム拡散受信
    機の同期追跡装置。
  9. 【請求項9】 第1の情報間引き手段と第2の情報間引
    き手段は何れも、論理和で構成されることを特徴とする
    請求項4〜8何れかに記載のスペクトラム拡散受信機の
    同期追跡装置。
  10. 【請求項10】 第1の情報間引き手段と第2の情報間
    引き手段は何れも、論理積で構成されることを特徴とす
    る請求項4〜8何れかに記載のスペクトラム拡散受信機
    の同期追跡装置。
  11. 【請求項11】 情報が送信用疑似雑音符号に基づいて
    拡散された信号を受信するスペクトラム拡散受信機にお
    いて、 前記受信信号に受信用疑似雑音符号を乗算して得られる
    乗算結果から、異なる情報の間引き方により、前記受信
    信号に含まれる送信用疑似雑音符号と受信用疑似雑音符
    号間の位相差を持たなくなる相関値軸に対して左右非対
    称となる2つの相関特性を生成し、 前記各相関特性の合成により遅延弁別特性を生成してな
    ることを特徴とするスペクトラム拡散受信機の同期追跡
    装置。
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