JP2003234677A - 同期検出回路 - Google Patents
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Abstract
同期検出回路で、オーバーサンプリング方式のマッチド
フィルタと同等の相関精度を得ながら、マッチドフィル
タの回路規模を削減する。 【解決手段】符号拡散された信号101を1チップ周期
のサンプリングクロックでサンプリングしたデータと拡
散符号との相関値を出力するマッチドフィルタ105
と、1チップ周期の基本クロックから符号拡散された信
号の周期ごとに1チップ周期の整数分の1位相だけ順次
位相遅れが増加するように前記サンプリングクロックを
生成するサンプリングクロック生成部102と、前記相
関値が最大になるタイミングを判定して同期検出を行う
同期判定部107と、を備える。
Description
(CDMA)方式を用いたスペクトラム拡散通信に係
り、特に、受信信号の同期捕捉を行うための同期検出回
路に関する。
送波に重畳したときに、その占有帯域幅が元の送信情報
の帯域幅に対して数十倍以上になる広帯域変調を総称し
てスペクトラム拡散通信と呼ぶ。スペクトラム拡散通信
では周波数を広帯域に拡散する拡散変調を行うために拡
散符号系列を用いる。送信側が拡散変調に使用したもの
と同一の拡散符号を用いて受信側で逆拡散を行うことに
より、受信側が元の送信情報を取り出すことができる。
広がった電力密度の低い信号になる。これを逆拡散する
ことにより元の送信データは密度の高い信号として復元
されるが、通信路で重畳した狭帯域の干渉波は逆拡散に
より広帯域の電力密度の低い信号になる。このように、
スペクトラム拡散通信の利点として、干渉が小さい、マ
ルチパスに強い、秘話性が高いなどが挙げられる。
式では、送信側で送信データに対してそれより高い周波
数の拡散コードを乗算して拡散変調を施し、受信側で受
信信号に対して同じ拡散コードを乗算して逆拡散を行い
元の送信データを取り出す。送信側と受信側の拡散コー
ドが異なると逆拡散結果は電力密度の低い雑音信号とな
るため、送信側がそれぞれ異なる拡散コードを使用する
ことにより、多数のチャネルの信号を同じ周波数を使っ
て同時に送ることができる。このような接続方式を符号
分割多元接続(CDMA)という。
拡散方式の概念を示す図である。送信側では、デジタル
データ401に対して乗算器403において拡散コード
402を乗算することで拡散変調が行われる。受信側で
は、受信信号に対して402と同じ拡散コード412を
乗算器413において乗算することにより逆拡散が行わ
れ、元のデジタルデータ401がデジタルデータ411
に復元される。
理を概念的に説明する図である。拡散符号系列は1と0
がランダムに出現する符号であり、これに対応して拡散
コード波形は±1がランダムに出現する波形502を用
いる。例えば、図5に示したように、2ビットの送信デ
ータ501に対して、それよりも高い周波数の拡散コー
ド502で拡散変調を行うと、拡散コード502と同じ
周波数の送信信号503が得られる。これを受信信号5
13として受信し、送信時と同じ拡散コード波形512
を乗算することで、もとのデータと同じ受信データ51
1が得られる。
ある時間タイミングで送信データに掛け合わせて拡散信
号を生成したときに、その拡散信号に対して受信側で、
送信時と同じ拡散コードを同じタイミングで掛け合わせ
ると元の送信データを取り出すことができる。それに
は、送信側で使用している拡散コードとそのタイミング
を受信側が知る必要がある。そのために、送信側は同期
用に特定のチャネルで拡散コードを繰り返し送信してい
る。この拡散コードとそのタイミングを見つけ出すため
に用いられる回路がマッチドフィルタである。
図である。図6(a)は受信信号をサンプリングクロッ
クでサンプリングして受信データ(サンプリング値)を
得る様子を示し、図6(b)はマッチドフィルタの構成
を示すブロック図である。マッチドフィルタは複数のタ
ップ(フリップフロップ)611〜614が直列に接続
されてシフトレジスタを構成するタップ部と、乗算部6
21〜624と、加算部631〜633からなる。ここ
では、マッチドフィルタの4タップの構成を示している
が、例えば、拡散コードが256チップであれば、マッ
チドフィルタの構成は256タップとなる。ここで、チ
ップとは拡散コードの1単位情報を指し、送受信データ
のビットと区別するためにチップと呼ばれる。
おいて、受信データ601を1サンプルずつシフトさせ
ながらタップ部に入力する。乗算部621〜624で各
タップの出力とコード発生器で生成した拡散コードとの
乗算を行い、その乗算結果を加算部631〜633で加
算して相関値出力602を得る。この相関値出力602
が最大になったときが受信データと拡散コードのタイミ
ングが最も合ったときで、同期が捕捉できた状態とな
る。
ある。図7(a)は受信データに対して拡散コードとタ
イミングがともに一致した場合で、相関値が最大にな
る。図7(b)は受信データに対して拡散コードが異な
る場合で、相関値が低くなる。図7(c)は受信データ
に対して拡散コードが一致していてもタイミングが一致
していない場合で、やはり相関値が低くなる。図7
(d)は受信データに対して拡散コードとタイミングが
ともに一致した場合であるが、受信データにノイズが重
畳した場合で、相関値は(a)の場合に比べて低くな
る。
避けられないため、一般には相関値は(d)のようにな
る。そのため、図6に示したような構成のマッチドフィ
ルタでは大きな相関結果が得られない可能性がある。そ
の対策として平均化処理がある。これは、拡散変調では
送信データに対して一定のサイクルで同じ拡散コードを
掛け合わせていることから、数サイクル分の相関値を算
出し、それらを加算する(平均化する)ことで、より信
頼性の高い相関結果を得るものである。
タイミングが不明なまま拡散コードのチップレートでサ
ンプリングしたのでは、十分な処理精度が期待できな
い。その対策として、通常はチップレートの数倍高速な
サンプリングレートで受信信号をサンプリングし、1チ
ップ区間について複数のサンプリング結果を得て相関値
を算出するオーバーサンプリングという手法が用いられ
る。
説明する図である。図8(a)に示すサンプリングレー
トが拡散コードのチップレートに等しい場合に対して、
図8(b)ではサンプリングレートが拡散コードのチッ
プレートの2倍である2倍オーバーサンプリングを行っ
て、受信データとして拡散コードのチップ数の2倍のサ
ンプリング値を得る様子を示している。
チドフィルタの構成を説明する図である。マッチドフィ
ルタは複数のタップ911〜918が直列に接続されて
シフトレジスタを構成するタップ部と、乗算部921〜
928と、加算部931〜937からなる。ここでは、
マッチドフィルタの8タップの構成を示しているが、例
えば、2倍オーバーサンプリングにおいて拡散コードが
256チップであれば、マッチドフィルタの構成は51
2タップとなる。
おいて、オーバーサンプリングした受信データ901を
1サンプルずつシフトさせながらタップ部に入力する。
タップ911と912の出力は最後に入力した1チップ
区間の2つのサンプリング値であり、タップ913と9
14の出力はその前に入力した1チップ区間の2つのサ
ンプリング値である。このようにして、タップ部には1
チップ区間ごとに2箇所でサンプリングされた2つのサ
ンプリング値が並んでいることになる。
サンプリング値とコード発生器で作成した拡散コードと
のチップごとの乗算を行う。その乗算結果を加算部93
1〜937で加算することにより、2倍オーバーサンプ
リングされた受信データが平均化された相関値出力90
2が得られる。この相関値出力902が最大になったと
きが受信データと拡散コードのタイミングが最も合った
ときで、同期が捕捉できた状態となる。
オーバーサンプリング方式のマッチドフィルタにより、
チップレートでサンプリングする場合に比べて相関精度
が向上する効果が得られるが、2倍のオーバーサンプリ
ングにすることでマッチドフィルタを構成するタップお
よび乗算器の数が2倍に、加算器の数が2倍程度に増え
ていることがわかる。
ドフィルタでは、拡散コードのチップ数をmとすると
(積記号を省略し)、タップ数はmk個、乗算器数はm
k個、加算器数はmk−1個とになるため、非オーバー
サンプリング方式のマッチドフィルタに比べて約k倍の
回路規模が必要になる。
ッチドフィルタについて、第1の問題点として、サンプ
リングクロックの周波数が高くなり、単位時間当たりに
タップ間をシフトするデータ量が増えるため、消費電力
が増加すること、第2の問題点として、タップ、乗算
器、加算器の数がオーバーサンプリングの倍数に比例し
て増えるため、LSIの面積が顕著に増大することが挙
げられる。
2000−269855公報に開示されているマッチド
フィルタの技術がある。これは、k倍のオーバーサンプ
リングがされた受信データに対して、図6(b)に示し
たような非オーバーサンプリング方式のマッチドフィル
タをk個並列に設け、オーバーサンプリングを行う代わ
りに、n番目のマッチドフィルタに与える動作クロック
は、基準のクロックに対して位相をクロック周期のn/
kだけ遅延させたクロックとするものである。
作クロックを高速にする必要がないので、それによる消
費電力の低減が期待できるが、k倍のオーバーサンプリ
ング方式のマッチドフィルタに比べて回路規模が減少す
る訳ではないので、非オーバーサンプリング方式のマッ
チドフィルタに比べると消費電力はk倍となる。
れていない。CDMA方式の携帯電話に搭載されるLS
Iチップにおいて、マッチドフィルタはチップ面積の極
めて大きな部分を占めるため、大きなコスト要因となっ
ている。LSIチップ面積を縮小することができれば、
それによる消費電力の低減も期待できるため、顕著にコ
スト低減に寄与することができる。
で、拡散データが周期的に同じコードを繰り返している
ことに着目し、拡散コードのチップレートと同じサンプ
リングレートでサンプリングされた受信データに対し
て、オーバーサンプリング方式のマッチドフィルタと同
等の相関精度を得ながら、マッチドフィルタの回路規模
を大幅に削減することが可能な同期検出回路を提供する
ことを目的とする。
に、本発明の請求項1に係る同期検出回路は、符号拡散
された信号を1チップ周期のサンプリングクロックでサ
ンプリングしたデータと拡散符号との相関値を出力する
マッチドフィルタ(マッチドフィルタ105)と、1チ
ップ周期の基本クロックから所定の位相周期ごとに順次
位相を変えて前記サンプリングクロックを生成するサン
プリングクロック生成部(サンプリングクロック生成部
102)と、前記相関値が最大になるタイミングを判定
して同期検出を行う同期判定部(同期判定部107)と
を具備する。
定の位相周期ごとに順次位相が変化するサンプリングク
ロックで拡散データをサンプリングすることにより、非
オーバーサンプリング方式のマッチドフィルタを使用す
るだけで各位相ごとの相関値が得られるため、回路規模
は非オーバーサンプリング方式の同期検出回路と同程度
に抑えながら、位相数倍のオーバーサンプリング方式に
よる相関値と同等の相関精度を得ることができる。
請求項1記載の同期検出回路において、前記サンプリン
グクロックは、前記所定の位相周期ごとに1チップ周期
の整数分の1位相だけ順次位相遅れが増加するものであ
る。
相周期ごとに基本クロックから1チップ周期の整数分の
1位相だけ順次位相遅れが増加するサンプリングクロッ
クが得られるので、位相周期ごとにサンプリングされた
データは、オーバーサンプリング方式において各位相位
置でサンプリングされたデータと等しくなるため、各位
相周期の相関値を積算することによりオーバーサンプリ
ング方式の相関値と等しい値が得られる。
請求項1または2記載の同期検出回路において、前記位
相周期は、符号拡散された信号の周期に等しくなるよう
に設定されるものである。
相周期を符号拡散された信号の周期に等しくすることに
より、繰り返し送信される拡散符号の周期ごとにサンプ
リングクロックの位相を変えた相関値を得ることができ
る。
請求項1から3のうちいずれか1項記載の同期検出回路
において、前記同期判定部は、前記位相周期ごとの相関
値を用いて相関値が最大になるタイミングを判定するも
のである。
相周期ごとの個々の相関値を用いて相関値が最大になる
タイミングを判定することにより、適切な判定方法を用
いれば、より短時間に同期検出を判定することが可能に
なる。
請求項1から3のうちいずれか1項記載の同期検出回路
において、前記同期判定部は、前記位相周期ごとの相関
値の積算値を用いて相関値が最大になるタイミングを判
定するものである。
相周期ごとの相関値の積算値を用いて相関値が最大にな
るタイミングを判定することにより、オーバーサンプリ
ング方式と同等の同期検出の判定を行うことができる。
て図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形
態に係る同期検出回路の構成を示すブロック図である。
図1において、101は受信信号、102はサンプリン
グクロック生成部、103は受信信号をサンプリングす
るサンプリング部、105はマッチドフィルタ、106
は相関値出力、107は相関値が最大になるタイミング
を判定する同期判定部である。
示したような非オーバーサンプリング方式のマッチドフ
ィルタであり、複数のタップ111〜113が直列に接
続されてシフトレジスタを構成するタップ部と、タップ
部の出力と拡散コードとをチップごとに乗算する乗算部
121〜124と、乗算部の出力を積算する加算部13
1〜133からなる。
本クロック141と、基本クロックを分配するスイッチ
部142と、1/k位相遅延器143から(k−1)/
k位相遅延器144までのk−1個の位相遅延器と、O
R回路145からなる。k−1個の位相遅延器は、分配
された基本クロックを各位相遅延器で順に1/k位相ず
つ遅延時間を増加させて遅延させることにより、1/k
位相から(k−1)/k位相までの位相差を持ったクロ
ック、サンプリングクロック2(152)からサンプリ
ングクロックk(153)までを生成し、サンプリング
クロック1(151)と併せてサンプリング部103に
供給する。ここで、スイッチ部142は拡散データの繰
り返し周期で分配先を切り換えるようにする。
サンプリングされて、受信データとしてマッチドフィル
タ105のタップ部に供給される。マッチドフィルタ1
05では、乗算部121〜124で各タップの出力とコ
ード発生器で生成した拡散コードとの乗算を行い、その
乗算結果を加算部131〜133で加算して相関値出力
106を得る。得られた相関値は同期判定部107でメ
モリ等に記憶され、あるいは積算され、相関値が最大に
なるタイミングが所定の判定方法に従って判定される。
において、オーバーサンプリングを行わないにも拘ら
ず、k倍のオーバーサンプリング方式の各位相のサンプ
リング値が得られる様子を説明する図である。従来のオ
ーバーサンプリングなしの場合は、各周期で同じ位相の
サンプリング値201〜209が得られる。これに対し
て、本実施の形態のマッチドフィルタでは、受信信号の
1周期目、2周期目、k周期目において、それぞれの周
期のサンプリングクロックであるサンプリングクロック
1、サンプリングクロック2、サンプリングクロックk
によりサンプリング値211〜219が得られる。
し、k倍のオーバーサンプリング方式、本発明によるサ
ンプリング方式を対比させて、サンプリング値を得るタ
イミングを詳しく示した図である。このように、オーバ
ーサンプリングを実施しないにもかかわらず、拡散デー
タの繰り返し周期ごとに、クロック周期の1/kずつ位
相を遅延させた各位相のサンプリング値が基本クロック
レートで得られる。
期ごとにサンプリング値と拡散コードとの相関値出力が
得られる。この各位相における相関値出力を全位相にわ
たって積算した値はオーバーサンプリング方式のマッチ
ドフィルタの相関値出力に等しい。本実施の形態では、
各位相ごとの相関値出力が個々に得られる点で、オーバ
ーサンプリング方式のマッチドフィルタよりも有利であ
ることが分かる。
開2000−269855公報によるマッチドフィルタ
において、k個並列に設けた各マッチドフィルタの相関
値出力と一致する。このように、本実施の形態よれば、
オーバーサンプリング方式のマッチドフィルタと同等以
上の相関精度を得ながら、マッチドフィルタの回路規模
を大幅に削減することができる。
非オーバーサンプリング方式のマッチドフィルタを用い
ても、順次位相が変化するサンプリングクロックでサン
プリングしたデータと拡散コードとの相関値を位相周期
ごとに得ることにより、回路規模は非オーバーサンプリ
ング方式の同期検出回路と同程度に抑えながら、位相数
倍のオーバーサンプリング方式による相関値と同等の相
関精度を得ることができる。
題点であった、サンプリングクロックの周波数が高くな
るために消費電力が増加すること、および、回路規模が
オーバーサンプリングの倍数に比例して増えるためにL
SIの面積が顕著に増大することが解決され、これを処
理するLSIチップのコストを大幅に低減することがで
きる。
成を示すブロック図である。
いて、オーバーサンプリング方式と同等のサンプリング
値が得られる様子を説明する図である。
ミングを説明する図である。
概念を示す図である。
である。
である。
の構成を説明する図である。
ング値 211〜219 本発明の一実施の形態によるサンプリ
ング値 401、411 デジタルデータ 403、413 乗算器 402、412 拡散コード 501 送信データ 502、512 拡散コード波形 503 送信信号 513 受信信号 511、601、901 受信データ 602、902 相関値出力 611〜614、911〜918 タップ 621〜624、921〜928 乗算部 631〜633、931〜937 加算部
Claims (5)
- 【請求項1】 符号拡散された信号を1チップ周期のサ
ンプリングクロックでサンプリングしたデータと拡散符
号との相関値を出力するマッチドフィルタと、 1チップ周期の基本クロックから所定の位相周期ごとに
順次位相を変えて前記サンプリングクロックを生成する
サンプリングクロック生成部と、 前記相関値が最大になるタイミングを判定して同期検出
を行う同期判定部と、を具備することを特徴とする同期
検出回路。 - 【請求項2】 前記サンプリングクロックは、前記所定
の位相周期ごとに1チップ周期の整数分の1位相だけ順
次位相遅れが増加することを特徴とする請求項1記載の
同期検出回路。 - 【請求項3】 前記位相周期は、符号拡散された信号の
周期に等しくなるように設定されることを特徴とする請
求項1または2記載の同期検出回路。 - 【請求項4】 前記同期判定部は、前記位相周期ごとの
相関値を用いて相関値が最大になるタイミングを判定す
ることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項
記載の同期検出回路。 - 【請求項5】 前記同期判定部は、前記位相周期ごとの
相関値の積算値を用いて相関値が最大になるタイミング
を判定することを特徴とする請求項1から3のうちいず
れか1項記載の同期検出回路。
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