JPH09252142A - 液晶表示素子及びその製造方法 - Google Patents
液晶表示素子及びその製造方法Info
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- JPH09252142A JPH09252142A JP392697A JP392697A JPH09252142A JP H09252142 A JPH09252142 A JP H09252142A JP 392697 A JP392697 A JP 392697A JP 392697 A JP392697 A JP 392697A JP H09252142 A JPH09252142 A JP H09252142A
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- film
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高い光吸収性と高い絶縁性とを併せ持つ遮光
膜を有する液晶表示素子を提供することを目的とする。 【解決手段】 半導体物質、SiCおよび非晶質炭素か
ら選ばれた少なくとも1種の材料と無機絶縁性化合物か
らなる遮光膜を具備した液晶表示素子。
膜を有する液晶表示素子を提供することを目的とする。 【解決手段】 半導体物質、SiCおよび非晶質炭素か
ら選ばれた少なくとも1種の材料と無機絶縁性化合物か
らなる遮光膜を具備した液晶表示素子。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子及び
その製造方法に関する。
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータやワード
プロセッサ等に使用される表示素子として、薄型でしか
も軽量である液晶表示素子(LCD:Liquid C
rystal Display)が多く用いられてい
る。なかでも、多結晶(ポリ)シリコン(poly−S
i)を活性層に用いた薄膜トランジスタ(TFT:Th
in Film Transistor)を、画素部の
スイッチング素子として使用したアクティブマトリック
ス型液晶表示素子は、多画素にしてもコントラストやレ
スポンスの劣化が少なく、また中間調表示が可能である
ことから、単純マトリックス型の液晶表示素子に比べて
高い性能を呈している。
プロセッサ等に使用される表示素子として、薄型でしか
も軽量である液晶表示素子(LCD:Liquid C
rystal Display)が多く用いられてい
る。なかでも、多結晶(ポリ)シリコン(poly−S
i)を活性層に用いた薄膜トランジスタ(TFT:Th
in Film Transistor)を、画素部の
スイッチング素子として使用したアクティブマトリック
ス型液晶表示素子は、多画素にしてもコントラストやレ
スポンスの劣化が少なく、また中間調表示が可能である
ことから、単純マトリックス型の液晶表示素子に比べて
高い性能を呈している。
【0003】特に、エキシマレーザアニール(ELA:
Excimer Laser Anneal)技術等を
用いて、ガラス基板上に形成された非晶質シリコン膜を
多結晶シリコン膜に変え、画素部のスイッチング素子用
薄膜トランジスタと前記画素部を駆動するための駆動I
Cを同じガラス基板上に形成した、ドライバーモノリシ
ック型と呼ばれる薄型で高精細の液晶表示素子が実用化
されつつある。
Excimer Laser Anneal)技術等を
用いて、ガラス基板上に形成された非晶質シリコン膜を
多結晶シリコン膜に変え、画素部のスイッチング素子用
薄膜トランジスタと前記画素部を駆動するための駆動I
Cを同じガラス基板上に形成した、ドライバーモノリシ
ック型と呼ばれる薄型で高精細の液晶表示素子が実用化
されつつある。
【0004】ドライバーモノリシック型の液晶表示素子
においては、画像表示部の薄膜トランジスタと駆動用I
Cとが一体化されているために、駆動用ICが画像表示
部の外側に接続されている場合と比べて、液晶表示素子
が小型化され、画像表示部と駆動部間の接合が良好に保
たれて動作信頼性が向上し、また駆動用ICにかかるコ
ストが低下するために液晶表示素子全体のコストが低下
するという利点を有している。
においては、画像表示部の薄膜トランジスタと駆動用I
Cとが一体化されているために、駆動用ICが画像表示
部の外側に接続されている場合と比べて、液晶表示素子
が小型化され、画像表示部と駆動部間の接合が良好に保
たれて動作信頼性が向上し、また駆動用ICにかかるコ
ストが低下するために液晶表示素子全体のコストが低下
するという利点を有している。
【0005】ドライバーモノリシック型の液晶表示素子
は、ガラス基板とこのガラス基板上に形成されたプレー
ナ型の薄膜トランジスタとこの薄膜トランジスタのドレ
イン電極と接続された画素電極とを有するアレイ基板
と、前記ガラス基板に対して所望する距離だけ隔てて対
向配置された対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基
板の間に封入された液晶材とを備えている。
は、ガラス基板とこのガラス基板上に形成されたプレー
ナ型の薄膜トランジスタとこの薄膜トランジスタのドレ
イン電極と接続された画素電極とを有するアレイ基板
と、前記ガラス基板に対して所望する距離だけ隔てて対
向配置された対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基
板の間に封入された液晶材とを備えている。
【0006】通常、前記ガラス基板から前記薄膜トラン
ジスタの活性層へ光が入射するのを防ぐために、前記活
性層の直下に形成された絶縁性のアンダーコートと前記
ガラス基板の間に遮光膜が形成されている。前記遮光膜
は、前記活性層で電子および正孔が入射光により発生す
るのを阻止して、前記薄膜トランジスタの誤動作が起こ
るのを防いでいる。
ジスタの活性層へ光が入射するのを防ぐために、前記活
性層の直下に形成された絶縁性のアンダーコートと前記
ガラス基板の間に遮光膜が形成されている。前記遮光膜
は、前記活性層で電子および正孔が入射光により発生す
るのを阻止して、前記薄膜トランジスタの誤動作が起こ
るのを防いでいる。
【0007】ところで、従来の遮光膜としては、遮光性
を確保するためにCr等の金属膜が用いられていた。
を確保するためにCr等の金属膜が用いられていた。
【0008】しかし、金属膜では絶縁性が低いために、
前記薄膜トランジスタのソース電極にデータ信号が所定
周波数で入力され続ける結果、前記アンダーコート層、
遮光膜およびドレイン電極を通じて、ゲート電極の動作
とは無関係に、画素電極へ電流がリークしてしまう。同
様にして、画素電極に保持された電荷が、前記ドレイン
電極、前記アンダーコート層および前記遮光膜を通じて
リークしてしまう。これらの現象の結果、前記画素電極
に印加される電圧が不安定となり、前記画素電極周辺の
前記液晶材を構成する液晶分子の配向が乱れて、画像が
不鮮明になるという問題があった。
前記薄膜トランジスタのソース電極にデータ信号が所定
周波数で入力され続ける結果、前記アンダーコート層、
遮光膜およびドレイン電極を通じて、ゲート電極の動作
とは無関係に、画素電極へ電流がリークしてしまう。同
様にして、画素電極に保持された電荷が、前記ドレイン
電極、前記アンダーコート層および前記遮光膜を通じて
リークしてしまう。これらの現象の結果、前記画素電極
に印加される電圧が不安定となり、前記画素電極周辺の
前記液晶材を構成する液晶分子の配向が乱れて、画像が
不鮮明になるという問題があった。
【0009】一方、SiO2 等の絶縁性化合物では、ほ
とんど透明で遮光性が低いために、前記薄膜トランジス
タの誤動作を防ぐことができず、遮光膜としては使用で
きずにいた。
とんど透明で遮光性が低いために、前記薄膜トランジス
タの誤動作を防ぐことができず、遮光膜としては使用で
きずにいた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
金属製の遮光膜や、また絶縁性化合物からなる遮光膜で
は、高い光吸収性(遮光性)および高い絶縁性を併せ持
つ性能は実現されていなかったため、液晶表示素子の特
性を劣化させていた。
金属製の遮光膜や、また絶縁性化合物からなる遮光膜で
は、高い光吸収性(遮光性)および高い絶縁性を併せ持
つ性能は実現されていなかったため、液晶表示素子の特
性を劣化させていた。
【0011】本発明の目的は、高い光吸収性と高い絶縁
性とを併せ持つ遮光膜を有する液晶表示素子およびこの
液晶表示素子を再現性良く製造できる液晶表示素子製造
方法を提供するものである。
性とを併せ持つ遮光膜を有する液晶表示素子およびこの
液晶表示素子を再現性良く製造できる液晶表示素子製造
方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る液晶表示素
子および液晶表示素子製造方法は以下のごとく構成され
ている。
子および液晶表示素子製造方法は以下のごとく構成され
ている。
【0013】(1)本発明の液晶表示素子は、第1のガ
ラス基板;前記第1のガラス基板上に形成された絶縁材
料からなるアンダーコート層と、このアンダーコート層
上に形成された半導体物質の活性層と、この活性層上に
順次形成されたゲート絶縁膜、ゲート電極および第1層
間絶縁膜と、この第1層間絶縁膜上に形成されるととも
に前記ゲート絶縁膜および第1層間絶縁膜を貫通して前
記活性層に互いに電気的に分離して接続されたソース電
極およびドレイン電極と、これらソース電極およびドレ
イン電極を含む前記第1層間絶縁膜上に形成された第2
層間絶縁膜とを有するプレーナ型の薄膜トランジスタ;
前記第2層間絶縁膜上に配置されるとともにこの第2層
間絶縁膜に開口されたコンタクトホールを通して前記ド
レイン電極と接続された画素電極;前記アンダーコート
層と前記第1のガラス基板の間に前記活性層に対向する
ように形成された、半導体物質、SiCおよび非晶質炭
素から選ばれた少なくとも1種の材料と無機絶縁性化合
物とからなる遮光膜;第2のガラス基板;前記第2のガ
ラス基板上に形成された共通電極;前記第1のガラス基
板と前記第2のガラス基板との間に保持された液晶材;
の各構成を具備したことを特徴とするものである。
ラス基板;前記第1のガラス基板上に形成された絶縁材
料からなるアンダーコート層と、このアンダーコート層
上に形成された半導体物質の活性層と、この活性層上に
順次形成されたゲート絶縁膜、ゲート電極および第1層
間絶縁膜と、この第1層間絶縁膜上に形成されるととも
に前記ゲート絶縁膜および第1層間絶縁膜を貫通して前
記活性層に互いに電気的に分離して接続されたソース電
極およびドレイン電極と、これらソース電極およびドレ
イン電極を含む前記第1層間絶縁膜上に形成された第2
層間絶縁膜とを有するプレーナ型の薄膜トランジスタ;
前記第2層間絶縁膜上に配置されるとともにこの第2層
間絶縁膜に開口されたコンタクトホールを通して前記ド
レイン電極と接続された画素電極;前記アンダーコート
層と前記第1のガラス基板の間に前記活性層に対向する
ように形成された、半導体物質、SiCおよび非晶質炭
素から選ばれた少なくとも1種の材料と無機絶縁性化合
物とからなる遮光膜;第2のガラス基板;前記第2のガ
ラス基板上に形成された共通電極;前記第1のガラス基
板と前記第2のガラス基板との間に保持された液晶材;
の各構成を具備したことを特徴とするものである。
【0014】(2)本発明の液晶表示素子は、第1のガ
ラス基板;前記第1のガラス基板上に形成された絶縁材
料からなるアンダーコート層と、このアンダーコート層
上に形成された半導体物質の活性層と、この活性層上に
順次形成されたゲート絶縁膜、ゲート電極および第1層
間絶縁膜と、この第1層間絶縁膜上に形成されるととも
に前記ゲート絶縁膜および第1層間絶縁膜を貫通して前
記活性層に互いに電気的に分離して接続されたソース電
極およびドレイン電極と、これらソース電極およびドレ
イン電極を含む前記第1層間絶縁膜上に形成された第2
層間絶縁膜とを有するプレーナ型の薄膜トランジスタ;
前記第2層間絶縁膜上に配置されるとともにこの第2層
間絶縁膜に開口されたコンタクトホールを通して前記ド
レイン電極と接続された画素電極;前記アンダーコート
層と前記第1のガラス基板の間に前記活性層に対向する
ように形成された、組成比率(Si/O)が1.0以上
5.0以下であるSiとOからなる遮光膜;第2のガラ
ス基板;前記第2のガラス基板上に形成された共通電
極;前記第1のガラス基板と前記第2のガラス基板との
間に保持された液晶材;の各構成を具備したことを特徴
とするものである。
ラス基板;前記第1のガラス基板上に形成された絶縁材
料からなるアンダーコート層と、このアンダーコート層
上に形成された半導体物質の活性層と、この活性層上に
順次形成されたゲート絶縁膜、ゲート電極および第1層
間絶縁膜と、この第1層間絶縁膜上に形成されるととも
に前記ゲート絶縁膜および第1層間絶縁膜を貫通して前
記活性層に互いに電気的に分離して接続されたソース電
極およびドレイン電極と、これらソース電極およびドレ
イン電極を含む前記第1層間絶縁膜上に形成された第2
層間絶縁膜とを有するプレーナ型の薄膜トランジスタ;
前記第2層間絶縁膜上に配置されるとともにこの第2層
間絶縁膜に開口されたコンタクトホールを通して前記ド
レイン電極と接続された画素電極;前記アンダーコート
層と前記第1のガラス基板の間に前記活性層に対向する
ように形成された、組成比率(Si/O)が1.0以上
5.0以下であるSiとOからなる遮光膜;第2のガラ
ス基板;前記第2のガラス基板上に形成された共通電
極;前記第1のガラス基板と前記第2のガラス基板との
間に保持された液晶材;の各構成を具備したことを特徴
とするものである。
【0015】(3)本発明の液晶表示素子の製造方法
は、第1のガラス基板;前記第1のガラス基板上に形成
された絶縁材料からなるアンダーコート層と、このアン
ダーコート層上に形成された半導体物質の活性層と、こ
の活性層上に順次形成されたゲート絶縁膜、ゲート電極
および第1層間絶縁膜と、この第1層間絶縁膜上に形成
されるとともに前記ゲート絶縁膜および第1層間絶縁膜
を貫通して前記活性層に互いに電気的に分離して接続さ
れたソース電極およびドレイン電極と、これらソース電
極およびドレイン電極を含む前記第1層間絶縁膜上に形
成された第2層間絶縁膜とを有するプレーナ型の薄膜ト
ランジスタ;前記第2層間絶縁膜上に配置されるととも
にこの第2層間絶縁膜に開口されたコンタクトホールを
通して前記ドレイン電極と接続された画素電極;前記ア
ンダーコート層と前記第1のガラス基板の間に前記活性
層に対向するように形成された、半導体物質、SiCお
よび非晶質炭素から選ばれた少なくとも1種の材料と無
機絶縁性化合物とからなる遮光膜;第2のガラス基板;
前記第2のガラス基板上に形成された共通電極;前記第
1のガラス基板と前記第2のガラス基板との間に保持さ
れた液晶材;の各構成を具備した液晶表示素子の製造方
法において、前記遮光膜は、処理容器内に、半導体物
質、SiCおよび非晶質炭素から選ばれた少なくとも1
種の材料からなる第1スパッタターゲットと、無機絶縁
性化合物からなる第2スパッタターゲットと、薄膜トラ
ンジスタおよび前記画素電極が形成された前記第1のガ
ラス基板とをそれぞれ配置する工程;前記処理容器内に
スパッタガスを導入した後、前記第1スパッタターゲッ
トに直流電力を供給し、前記第2スパッタターゲットに
高周波電力を供給して、前記各スパッタターゲットをそ
れぞれスパッタリングすることで、前記第1のガラス基
板表面の前記薄膜トランジスタおよび前記画素電極が形
成された側に、前記半導体物質、前記SiCおよび前記
非晶質炭素から選ばれた少なくとも1種の材料と無機絶
縁性化合物とからなる被膜を形成する工程;形成された
前記被膜をパターニングする工程;の各工程によって形
成されることを特徴とするものである。
は、第1のガラス基板;前記第1のガラス基板上に形成
された絶縁材料からなるアンダーコート層と、このアン
ダーコート層上に形成された半導体物質の活性層と、こ
の活性層上に順次形成されたゲート絶縁膜、ゲート電極
および第1層間絶縁膜と、この第1層間絶縁膜上に形成
されるとともに前記ゲート絶縁膜および第1層間絶縁膜
を貫通して前記活性層に互いに電気的に分離して接続さ
れたソース電極およびドレイン電極と、これらソース電
極およびドレイン電極を含む前記第1層間絶縁膜上に形
成された第2層間絶縁膜とを有するプレーナ型の薄膜ト
ランジスタ;前記第2層間絶縁膜上に配置されるととも
にこの第2層間絶縁膜に開口されたコンタクトホールを
通して前記ドレイン電極と接続された画素電極;前記ア
ンダーコート層と前記第1のガラス基板の間に前記活性
層に対向するように形成された、半導体物質、SiCお
よび非晶質炭素から選ばれた少なくとも1種の材料と無
機絶縁性化合物とからなる遮光膜;第2のガラス基板;
前記第2のガラス基板上に形成された共通電極;前記第
1のガラス基板と前記第2のガラス基板との間に保持さ
れた液晶材;の各構成を具備した液晶表示素子の製造方
法において、前記遮光膜は、処理容器内に、半導体物
質、SiCおよび非晶質炭素から選ばれた少なくとも1
種の材料からなる第1スパッタターゲットと、無機絶縁
性化合物からなる第2スパッタターゲットと、薄膜トラ
ンジスタおよび前記画素電極が形成された前記第1のガ
ラス基板とをそれぞれ配置する工程;前記処理容器内に
スパッタガスを導入した後、前記第1スパッタターゲッ
トに直流電力を供給し、前記第2スパッタターゲットに
高周波電力を供給して、前記各スパッタターゲットをそ
れぞれスパッタリングすることで、前記第1のガラス基
板表面の前記薄膜トランジスタおよび前記画素電極が形
成された側に、前記半導体物質、前記SiCおよび前記
非晶質炭素から選ばれた少なくとも1種の材料と無機絶
縁性化合物とからなる被膜を形成する工程;形成された
前記被膜をパターニングする工程;の各工程によって形
成されることを特徴とするものである。
【0016】(4)本発明の液晶表示素子の製造方法
は、第1のガラス基板;前記第1のガラス基板上に形成
された絶縁材料からなるアンダーコート層と、このアン
ダーコート層上に形成された半導体物質の活性層と、こ
の活性層上に順次形成されたゲート絶縁膜、ゲート電極
および第1層間絶縁膜と、この第1層間絶縁膜上に形成
されるとともに前記ゲート絶縁膜および第1層間絶縁膜
を貫通して前記活性層に互いに電気的に分離して接続さ
れたソース電極およびドレイン電極と、これらソース電
極およびドレイン電極を含む前記第1層間絶縁膜上に形
成された第2層間絶縁膜とを有するプレーナ型の薄膜ト
ランジスタ;前記第2層間絶縁膜上に配置されるととも
にこの第2層間絶縁膜に開口されたコンタクトホールを
通して前記ドレイン電極と接続された画素電極;前記ア
ンダーコート層と前記第1のガラス基板の間に前記活性
層に対向するように形成された、半導体物質、SiCお
よび非晶質炭素から選ばれた少なくとも1種の材料と無
機絶縁性化合物とからなる遮光膜;第2のガラス基板;
前記第2のガラス基板上に形成された共通電極;前記第
1のガラス基板と前記第2のガラス基板との間に保持さ
れた液晶材;の各構成を具備した液晶表示素子の製造方
法において、前記遮光膜は、処理容器内に、半導体物
質、SiCおよび非晶質炭素から選ばれた少なくとも1
種の材料からなる第1領域と無機絶縁性化合物からなる
第2領域とが互いに電気的に分離して形成されたスパッ
タターゲットと、前記薄膜トランジスタおよび前記画素
電極が形成された前記第1のガラス基板とをそれぞれ配
置する工程;前記処理容器内にスパッタガスを導入した
後、前記第1領域に直流電力もしくは高周波電力を供給
するとともに、前記第2領域に高周波電力を供給して、
前記各領域をそれぞれスパッタリングすることで、前記
第1のガラス基板表面の前記薄膜トランジスタおよび画
素電極が形成された側に、前記半導体物質、前記SiC
および前記非晶質炭素から選ばれた少なくとも1種の材
料と無機絶縁性化合物からなる被膜を成膜する工程;形
成された前記被膜をパターニングする工程;の各工程に
よって形成されることを特徴とするものである。
は、第1のガラス基板;前記第1のガラス基板上に形成
された絶縁材料からなるアンダーコート層と、このアン
ダーコート層上に形成された半導体物質の活性層と、こ
の活性層上に順次形成されたゲート絶縁膜、ゲート電極
および第1層間絶縁膜と、この第1層間絶縁膜上に形成
されるとともに前記ゲート絶縁膜および第1層間絶縁膜
を貫通して前記活性層に互いに電気的に分離して接続さ
れたソース電極およびドレイン電極と、これらソース電
極およびドレイン電極を含む前記第1層間絶縁膜上に形
成された第2層間絶縁膜とを有するプレーナ型の薄膜ト
ランジスタ;前記第2層間絶縁膜上に配置されるととも
にこの第2層間絶縁膜に開口されたコンタクトホールを
通して前記ドレイン電極と接続された画素電極;前記ア
ンダーコート層と前記第1のガラス基板の間に前記活性
層に対向するように形成された、半導体物質、SiCお
よび非晶質炭素から選ばれた少なくとも1種の材料と無
機絶縁性化合物とからなる遮光膜;第2のガラス基板;
前記第2のガラス基板上に形成された共通電極;前記第
1のガラス基板と前記第2のガラス基板との間に保持さ
れた液晶材;の各構成を具備した液晶表示素子の製造方
法において、前記遮光膜は、処理容器内に、半導体物
質、SiCおよび非晶質炭素から選ばれた少なくとも1
種の材料からなる第1領域と無機絶縁性化合物からなる
第2領域とが互いに電気的に分離して形成されたスパッ
タターゲットと、前記薄膜トランジスタおよび前記画素
電極が形成された前記第1のガラス基板とをそれぞれ配
置する工程;前記処理容器内にスパッタガスを導入した
後、前記第1領域に直流電力もしくは高周波電力を供給
するとともに、前記第2領域に高周波電力を供給して、
前記各領域をそれぞれスパッタリングすることで、前記
第1のガラス基板表面の前記薄膜トランジスタおよび画
素電極が形成された側に、前記半導体物質、前記SiC
および前記非晶質炭素から選ばれた少なくとも1種の材
料と無機絶縁性化合物からなる被膜を成膜する工程;形
成された前記被膜をパターニングする工程;の各工程に
よって形成されることを特徴とするものである。
【0017】(5)本発明の液晶表示素子の製造方法
は、第1のガラス基板;前記第1のガラス基板上に形成
された絶縁材料からなるアンダーコート層と、このアン
ダーコート層上に形成された半導体物質の活性層と、こ
の活性層上に順次形成されたゲート絶縁膜、ゲート電極
および第1層間絶縁膜と、この第1層間絶縁膜上に形成
されるとともに前記ゲート絶縁膜および第1層間絶縁膜
を貫通して前記活性層に互いに電気的に分離して接続さ
れたソース電極およびドレイン電極と、これらソース電
極およびドレイン電極を含む前記第1層間絶縁膜上に形
成された第2層間絶縁膜とを有するプレーナ型の薄膜ト
ランジスタ;前記第2層間絶縁膜上に配置されるととも
にこの第2層間絶縁膜に開口されたコンタクトホールを
通して前記ドレイン電極と接続された画素電極;前記ア
ンダーコート層と前記第1のガラス基板の間に前記活性
層に対向するように形成された、半導体物質、SiCお
よび非晶質炭素から選ばれた少なくとも1種の材料と無
機絶縁性化合物とからなる遮光膜;第2のガラス基板;
前記第2のガラス基板上に形成された共通電極;前記第
1のガラス基板と前記第2のガラス基板との間に保持さ
れた液晶材;の各構成を具備した液晶表示素子の製造方
法において、前記遮光膜は、処理容器内に、前記Siか
らなるスパッタターゲットと、前記薄膜トランジスタお
よび前記画素電極が形成された前記第1のガラス基板と
をそれぞれ配置する工程;前記処理容器内にO2 および
Arのスパッタガスをそれぞれ略同一の所定温度のもと
でのガス流量比(O2 /Ar)を1.66乃至33.3
%なる条件で導入した後、前記スパッタターゲットに直
流電力を400乃至1000Wなる条件で供給してスパ
ッタリングするとともに前記O2 のスパッタガスとスパ
ッタリングされた前記Siとを反応させることで、前記
第1のガラス基板表面の前記薄膜トランジスタおよび前
記画素電極が形成された側に、組成比率(Si/O)が
1.0以上5.0以下であるSiとOとからなる被膜を
形成する工程;形成された前記被膜をパターニングする
工程;の各工程によって形成されることを特徴とするも
のである。
は、第1のガラス基板;前記第1のガラス基板上に形成
された絶縁材料からなるアンダーコート層と、このアン
ダーコート層上に形成された半導体物質の活性層と、こ
の活性層上に順次形成されたゲート絶縁膜、ゲート電極
および第1層間絶縁膜と、この第1層間絶縁膜上に形成
されるとともに前記ゲート絶縁膜および第1層間絶縁膜
を貫通して前記活性層に互いに電気的に分離して接続さ
れたソース電極およびドレイン電極と、これらソース電
極およびドレイン電極を含む前記第1層間絶縁膜上に形
成された第2層間絶縁膜とを有するプレーナ型の薄膜ト
ランジスタ;前記第2層間絶縁膜上に配置されるととも
にこの第2層間絶縁膜に開口されたコンタクトホールを
通して前記ドレイン電極と接続された画素電極;前記ア
ンダーコート層と前記第1のガラス基板の間に前記活性
層に対向するように形成された、半導体物質、SiCお
よび非晶質炭素から選ばれた少なくとも1種の材料と無
機絶縁性化合物とからなる遮光膜;第2のガラス基板;
前記第2のガラス基板上に形成された共通電極;前記第
1のガラス基板と前記第2のガラス基板との間に保持さ
れた液晶材;の各構成を具備した液晶表示素子の製造方
法において、前記遮光膜は、処理容器内に、前記Siか
らなるスパッタターゲットと、前記薄膜トランジスタお
よび前記画素電極が形成された前記第1のガラス基板と
をそれぞれ配置する工程;前記処理容器内にO2 および
Arのスパッタガスをそれぞれ略同一の所定温度のもと
でのガス流量比(O2 /Ar)を1.66乃至33.3
%なる条件で導入した後、前記スパッタターゲットに直
流電力を400乃至1000Wなる条件で供給してスパ
ッタリングするとともに前記O2 のスパッタガスとスパ
ッタリングされた前記Siとを反応させることで、前記
第1のガラス基板表面の前記薄膜トランジスタおよび前
記画素電極が形成された側に、組成比率(Si/O)が
1.0以上5.0以下であるSiとOとからなる被膜を
形成する工程;形成された前記被膜をパターニングする
工程;の各工程によって形成されることを特徴とするも
のである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】図1は、本発明に係る液晶表示素子の製造
に用いられるスパッタリング装置の一例を示す概略図で
ある。
に用いられるスパッタリング装置の一例を示す概略図で
ある。
【0020】処理容器としての真空チャンバ1の天井部
には接地された基板ホルダー2が設けられ、床部と対向
している。前記基板ホルダー2は前記真空チャンバ1の
外側に配置された回転機構(図示せず)により回転され
る。前記真空チャンバ1の床部には、第1スパッタカソ
ード3および第2スパッタカソード4が設けられ、前記
基板ホルダー2と対向している。前記第1スパッタカソ
ード3の内部または裏側には、磁石が配置されている。
また、前記第1スパッタカソード3には、第1冷却用配
水管5が設けられ、他端に冷却装置(図示せず)が連結
されている。さらに、前記第1スパッタカソード3は、
前記真空チャンバ1の外側に配置されたマッチング回路
6とRF電源7に接続されている。そして、前記第1ス
パッタカソード3には、無機絶縁性化合物からなる第1
スパッタターゲット8が装着されている。無機絶縁性化
合物からなるスパッタターゲット材としては、Si3 N
4、SiO2 、Bi2 O3 が使用される。一方、前記第
2スパッタカソード4の内部または裏側にも、磁石が配
置されている。また、前記第2スパッタカソード4に
は、第2冷却用配水管9が設けられ、他端に冷却装置
(図示せず)が連結されている。さらに、前記第2スパ
ッタカソード4は、前記真空チャンバ1の外側に配置さ
れた制御回路10と直流電源11に接続されている。そ
して、前記第2スパッタカソード4には、半導体物質、
SiCおよび非晶質炭素から選ばれた少なくとも1種の
材料からなる第2スパッタターゲット12が装着されて
いる。半導体からなるスパッタターゲット材としては、
B、Ge、Si、Te、Seが使用される。前記真空チ
ャンバ1の側壁の一つには、スパッタガス供給管13が
連結され、他端にAr、酸素および窒素などのスパッタ
ガス供給ボンベ(図示せず)が連結されている。前記真
空チャンバ1の側壁の別の一つには、排気管14が接続
され、他端に真空ポンプ(図示せず)が連結されてい
る。
には接地された基板ホルダー2が設けられ、床部と対向
している。前記基板ホルダー2は前記真空チャンバ1の
外側に配置された回転機構(図示せず)により回転され
る。前記真空チャンバ1の床部には、第1スパッタカソ
ード3および第2スパッタカソード4が設けられ、前記
基板ホルダー2と対向している。前記第1スパッタカソ
ード3の内部または裏側には、磁石が配置されている。
また、前記第1スパッタカソード3には、第1冷却用配
水管5が設けられ、他端に冷却装置(図示せず)が連結
されている。さらに、前記第1スパッタカソード3は、
前記真空チャンバ1の外側に配置されたマッチング回路
6とRF電源7に接続されている。そして、前記第1ス
パッタカソード3には、無機絶縁性化合物からなる第1
スパッタターゲット8が装着されている。無機絶縁性化
合物からなるスパッタターゲット材としては、Si3 N
4、SiO2 、Bi2 O3 が使用される。一方、前記第
2スパッタカソード4の内部または裏側にも、磁石が配
置されている。また、前記第2スパッタカソード4に
は、第2冷却用配水管9が設けられ、他端に冷却装置
(図示せず)が連結されている。さらに、前記第2スパ
ッタカソード4は、前記真空チャンバ1の外側に配置さ
れた制御回路10と直流電源11に接続されている。そ
して、前記第2スパッタカソード4には、半導体物質、
SiCおよび非晶質炭素から選ばれた少なくとも1種の
材料からなる第2スパッタターゲット12が装着されて
いる。半導体からなるスパッタターゲット材としては、
B、Ge、Si、Te、Seが使用される。前記真空チ
ャンバ1の側壁の一つには、スパッタガス供給管13が
連結され、他端にAr、酸素および窒素などのスパッタ
ガス供給ボンベ(図示せず)が連結されている。前記真
空チャンバ1の側壁の別の一つには、排気管14が接続
され、他端に真空ポンプ(図示せず)が連結されてい
る。
【0021】図2は、本発明に係る液晶表示素子の製造
に用いられるスパッタリング装置の他の例を示す概略図
である。図1のスパッタリング装置と共通する部分につ
いては、同符号を付して、説明を省略する。
に用いられるスパッタリング装置の他の例を示す概略図
である。図1のスパッタリング装置と共通する部分につ
いては、同符号を付して、説明を省略する。
【0022】真空チャンバ1の床部には、スパッタカソ
ード15のみが設けられ、基板ホルダー2と対向してい
る。前記スパッタカソード15の内部または裏側には、
磁石が配置されている。図3は、前記スパッタカソード
15を示す斜視図である。前記スパッタカソード15
は、中心を通る絶縁壁16によって2以上の部分に分割
され、各部分は互いに絶縁されている。互いに隣り合わ
ない部分間は、前記真空チャンバ1の内または外で配線
がなされ、電気的に接続されている。このようにして、
前記スパッタカソード15は、互いに絶縁された第1の
領域17と第2の領域18に分割されている。前記第1
の領域17は、前記真空チャンバ1の外側に配置された
マッチング回路6とRF電源7に接続され、高周波電力
が供給される。前記第2の領域18は、前記真空チャン
バ1の外側に配置された制御回路10と直流電源11に
接続され、直流電圧が印加される。図4は、前記スパッ
タカソード15に装着するスパッタターゲット19を示
す斜視図である。前記スパッタターゲット19は、前記
スパッタカソード15と同じ分割をされた第1の領域2
0と第2の領域21とからなる。前記第1の領域20は
無機絶縁性化合物からなり、前記第2の領域21は半導
体物質、SiCおよび非晶質炭素から選ばれた少なくと
も1種の材料からなる。ここで、スパッタターゲット材
としては、図1のスパッタリング装置で使用されるもの
と同じものを使用する。前記スパッタカソード15に、
前記スパッタターゲット19が装着される際、前記スパ
ッタカソード15の前記第1の領域17には、前記スパ
ッタターゲット19の無機絶縁性化合物からなる前記第
1の領域20が装着される。そして、前記スパッタカソ
ード15の前記第2の領域18には、前記スパッタター
ゲット19の前記第2の領域21が装着される。
ード15のみが設けられ、基板ホルダー2と対向してい
る。前記スパッタカソード15の内部または裏側には、
磁石が配置されている。図3は、前記スパッタカソード
15を示す斜視図である。前記スパッタカソード15
は、中心を通る絶縁壁16によって2以上の部分に分割
され、各部分は互いに絶縁されている。互いに隣り合わ
ない部分間は、前記真空チャンバ1の内または外で配線
がなされ、電気的に接続されている。このようにして、
前記スパッタカソード15は、互いに絶縁された第1の
領域17と第2の領域18に分割されている。前記第1
の領域17は、前記真空チャンバ1の外側に配置された
マッチング回路6とRF電源7に接続され、高周波電力
が供給される。前記第2の領域18は、前記真空チャン
バ1の外側に配置された制御回路10と直流電源11に
接続され、直流電圧が印加される。図4は、前記スパッ
タカソード15に装着するスパッタターゲット19を示
す斜視図である。前記スパッタターゲット19は、前記
スパッタカソード15と同じ分割をされた第1の領域2
0と第2の領域21とからなる。前記第1の領域20は
無機絶縁性化合物からなり、前記第2の領域21は半導
体物質、SiCおよび非晶質炭素から選ばれた少なくと
も1種の材料からなる。ここで、スパッタターゲット材
としては、図1のスパッタリング装置で使用されるもの
と同じものを使用する。前記スパッタカソード15に、
前記スパッタターゲット19が装着される際、前記スパ
ッタカソード15の前記第1の領域17には、前記スパ
ッタターゲット19の無機絶縁性化合物からなる前記第
1の領域20が装着される。そして、前記スパッタカソ
ード15の前記第2の領域18には、前記スパッタター
ゲット19の前記第2の領域21が装着される。
【0023】図5は、本発明に係る液晶表示素子の製造
に用いられるスパッタリング装置の他の例を示す概略図
である。図1のスパッタリング装置と共通する部分につ
いては、同符号を付して、説明を省略する。
に用いられるスパッタリング装置の他の例を示す概略図
である。図1のスパッタリング装置と共通する部分につ
いては、同符号を付して、説明を省略する。
【0024】真空チャンバ1の床部には、スパッタカソ
ード22のみが設けられ、基板ホルダー2と対向してい
る。前記スパッタカソード22の内部または裏側には、
磁石が配置されている。前記スパッタカソード22は、
前記真空チャンバ1の外側に配置されたマッチング回路
6とRF電源7に接続されている。
ード22のみが設けられ、基板ホルダー2と対向してい
る。前記スパッタカソード22の内部または裏側には、
磁石が配置されている。前記スパッタカソード22は、
前記真空チャンバ1の外側に配置されたマッチング回路
6とRF電源7に接続されている。
【0025】前記スパッタカソード22には、半導体物
質、SiCおよび非晶質炭素から選ばれた少なくとも1
種の材料からなるスパッタターゲット12が装着されて
いる。
質、SiCおよび非晶質炭素から選ばれた少なくとも1
種の材料からなるスパッタターゲット12が装着されて
いる。
【0026】または、半導体物質、SiCおよび非晶質
炭素から選ばれた少なくとも1種の材料からなるペレッ
ト23が載置された無機絶縁性化合物からなるスパッタ
ターゲット8を前記スパッタカソード22に装着しても
よい。図6は、上述のように前記ペレット23が載置さ
れた前記スパッタターゲット8を示す斜視図である。
炭素から選ばれた少なくとも1種の材料からなるペレッ
ト23が載置された無機絶縁性化合物からなるスパッタ
ターゲット8を前記スパッタカソード22に装着しても
よい。図6は、上述のように前記ペレット23が載置さ
れた前記スパッタターゲット8を示す斜視図である。
【0027】更には、前記第1の領域20と前記第2の
領域21とからなるスパッタターゲット19を前記スパ
ッタターゲット22に装着しても良い。これらの例でも
スパッタターゲット材としては、図1のスパッタリング
装置で使用されるものと同じものを使用する。
領域21とからなるスパッタターゲット19を前記スパ
ッタターゲット22に装着しても良い。これらの例でも
スパッタターゲット材としては、図1のスパッタリング
装置で使用されるものと同じものを使用する。
【0028】図7は、本発明に係る液晶表示素子の製造
に用いられるスパッタリング装置の他の例を示す概略図
である。図5のスパッタリング装置と共通する部分につ
いては、同符号を付して説明を省略する。スパッタカソ
ード24は、真空チャンバ1の外側に配置された制御回
路10と直流電源11に接続されている。前記スパッタ
カソード24には、半導体物質、SiCおよび非晶質炭
素から選ばれた少なくとも1種の材料からなるスパッタ
ターゲット12が装着されている。このスパッタターゲ
ット12からスパッタされた元素と導入されたスパッタ
ガスの酸素や窒素などとが反応して、前記スパッタター
ゲット12を構成する元素だけでなく、無機絶縁性化合
物もが前記基板36上に堆積されるのである。この例で
もスパッタターゲット材としては、図1のスパッタリン
グ装置で使用されるものと同じ物を使用する。
に用いられるスパッタリング装置の他の例を示す概略図
である。図5のスパッタリング装置と共通する部分につ
いては、同符号を付して説明を省略する。スパッタカソ
ード24は、真空チャンバ1の外側に配置された制御回
路10と直流電源11に接続されている。前記スパッタ
カソード24には、半導体物質、SiCおよび非晶質炭
素から選ばれた少なくとも1種の材料からなるスパッタ
ターゲット12が装着されている。このスパッタターゲ
ット12からスパッタされた元素と導入されたスパッタ
ガスの酸素や窒素などとが反応して、前記スパッタター
ゲット12を構成する元素だけでなく、無機絶縁性化合
物もが前記基板36上に堆積されるのである。この例で
もスパッタターゲット材としては、図1のスパッタリン
グ装置で使用されるものと同じ物を使用する。
【0029】次に、本発明に係る液晶表示素子の製造方
法を、図8〜図10を参照して説明する。
法を、図8〜図10を参照して説明する。
【0030】(1)前述した図1、図2、図5、図7の
スパッタリング装置を用いて、以下の(1−1)〜(1
−4)に説明するようにガラス基板上に遮光膜用の被膜
を成膜する。
スパッタリング装置を用いて、以下の(1−1)〜(1
−4)に説明するようにガラス基板上に遮光膜用の被膜
を成膜する。
【0031】(1−1)図1のスパッタリング装置によ
る被膜の成膜 まず、前記ガラス基板(第1のガラス基板)25を基板
ホルダー2に装着する。冷却装置(図示せず)を作動さ
せて、第1スパッタカソード3に第1冷却用配水管5を
通して冷却水を流し、第2スパッタカソード4に第2冷
却用配水管9を通して冷却水を流して、両スパッタカソ
ードを冷却する。真空ポンプ(図示せず)を作動させて
真空チャンバ1内のガスを排気管14を通して排気し
て、真空チャンバ1内を1×10-3Pa以下の圧力に保
持する。前記基板ホルダー2を前記真空チャンバ1の外
側に配置された回転機構(図示せず)により回転させ
る。スパッタガス供給ボンベ(図示せず)から、酸素、
窒素などの反応性ガスおよびArガスを、スパッタガス
供給管13を通して真空チャンバ1内に導入する。つづ
いて、無機絶縁性化合物からなる第1スパッタターゲッ
ト8に、マッチング回路6を介してRF電源7により高
周波電力を供給し、第1スパッタターゲット8をRFス
パッタリングする。同時に、半導体物質、SiCおよび
非晶質炭素から選ばれた少なくとも1種の材料からなる
第2スパッタターゲット12には、制御回路10を介し
て直流電源11から直流電圧を印加し、第2スパッタタ
ーゲット12をDCスパッタリングする。このような各
ターゲット8、12への電力、電圧の印加において、第
1スパッタカソード3および第2スパッタカソード4の
内部または裏側に配置された磁石から発生した、スパッ
タターゲット表面上の直交した電場と磁場により、電子
にらせん運動を行わせると、スパッタターゲット表面近
傍に高密度プラズマが発生し、高速度のスパッタリング
がなされる。このようなスパッタリングにより図8の
(a)に示すように前記ガラス基板25上に半導体物
質、SiCおよび非晶質炭素から選ばれた少なくとも1
種の材料と無機絶縁性化合物とからなる被膜26が成膜
される。
る被膜の成膜 まず、前記ガラス基板(第1のガラス基板)25を基板
ホルダー2に装着する。冷却装置(図示せず)を作動さ
せて、第1スパッタカソード3に第1冷却用配水管5を
通して冷却水を流し、第2スパッタカソード4に第2冷
却用配水管9を通して冷却水を流して、両スパッタカソ
ードを冷却する。真空ポンプ(図示せず)を作動させて
真空チャンバ1内のガスを排気管14を通して排気し
て、真空チャンバ1内を1×10-3Pa以下の圧力に保
持する。前記基板ホルダー2を前記真空チャンバ1の外
側に配置された回転機構(図示せず)により回転させ
る。スパッタガス供給ボンベ(図示せず)から、酸素、
窒素などの反応性ガスおよびArガスを、スパッタガス
供給管13を通して真空チャンバ1内に導入する。つづ
いて、無機絶縁性化合物からなる第1スパッタターゲッ
ト8に、マッチング回路6を介してRF電源7により高
周波電力を供給し、第1スパッタターゲット8をRFス
パッタリングする。同時に、半導体物質、SiCおよび
非晶質炭素から選ばれた少なくとも1種の材料からなる
第2スパッタターゲット12には、制御回路10を介し
て直流電源11から直流電圧を印加し、第2スパッタタ
ーゲット12をDCスパッタリングする。このような各
ターゲット8、12への電力、電圧の印加において、第
1スパッタカソード3および第2スパッタカソード4の
内部または裏側に配置された磁石から発生した、スパッ
タターゲット表面上の直交した電場と磁場により、電子
にらせん運動を行わせると、スパッタターゲット表面近
傍に高密度プラズマが発生し、高速度のスパッタリング
がなされる。このようなスパッタリングにより図8の
(a)に示すように前記ガラス基板25上に半導体物
質、SiCおよび非晶質炭素から選ばれた少なくとも1
種の材料と無機絶縁性化合物とからなる被膜26が成膜
される。
【0032】なお、前記成膜中の直流電圧は制御回路1
0により周期的にON/OFFさせて、DCスパッタリ
ングを断続的に発生させることが望ましい。DCスパッ
タリングの周期を変えることで、被膜26中の半導体物
質、SiCおよび非晶質炭素から選ばれた少なくとも1
種の材料の組成を、個々の材料毎に制御することができ
る。
0により周期的にON/OFFさせて、DCスパッタリ
ングを断続的に発生させることが望ましい。DCスパッ
タリングの周期を変えることで、被膜26中の半導体物
質、SiCおよび非晶質炭素から選ばれた少なくとも1
種の材料の組成を、個々の材料毎に制御することができ
る。
【0033】また、スパッタガス圧および高周波電力を
変えることでも、被膜26の組成や光吸収性、抵抗率を
制御することができる。
変えることでも、被膜26の組成や光吸収性、抵抗率を
制御することができる。
【0034】(1−2)図2のスパッタリング装置によ
る被膜の成膜 スパッタターゲット19の第1の領域20にRF電源7
より高周波電力を供給し、無機絶縁性化合物からなる前
記第1領域20をRFスパッタリングする。同時に、ス
パッタターゲット19の第2領域21には直流電源11
より直流電圧を印加し、半導体物質、SiCおよび非晶
質炭素から選ばれた少なくとも1種の材料からなる前記
第2の領域21をDCスパッタリングする。このような
スパッタリングによりガラス基板25上に半導体物質、
SiCおよび非晶質炭素から選ばれた少なくとも1種の
材料と無機絶縁性化合物からなる被膜26を成膜する。
る被膜の成膜 スパッタターゲット19の第1の領域20にRF電源7
より高周波電力を供給し、無機絶縁性化合物からなる前
記第1領域20をRFスパッタリングする。同時に、ス
パッタターゲット19の第2領域21には直流電源11
より直流電圧を印加し、半導体物質、SiCおよび非晶
質炭素から選ばれた少なくとも1種の材料からなる前記
第2の領域21をDCスパッタリングする。このような
スパッタリングによりガラス基板25上に半導体物質、
SiCおよび非晶質炭素から選ばれた少なくとも1種の
材料と無機絶縁性化合物からなる被膜26を成膜する。
【0035】なお、スパッタターゲット19の第1の領
域20と第2の領域21の比率を変えて成膜することに
より、被膜26の組成を制御することができる。例え
ば、スパッタカソード15の第1領域17と第2領域1
8の比率も同様に変えて、スパッタターゲットの第1領
域にのみ高周波電力を供給したり、第2領域にのみ直流
電圧を印加したりすることにより組成の制御を行うこと
ができる。
域20と第2の領域21の比率を変えて成膜することに
より、被膜26の組成を制御することができる。例え
ば、スパッタカソード15の第1領域17と第2領域1
8の比率も同様に変えて、スパッタターゲットの第1領
域にのみ高周波電力を供給したり、第2領域にのみ直流
電圧を印加したりすることにより組成の制御を行うこと
ができる。
【0036】(1−3)図5のスパッタリング装置によ
る被膜の成膜 スパッタターゲット12をRFスパッタリングして、ガ
ラス基板25上に半導体物質、SiCおよび非晶質炭素
から選ばれた少なくとも1種の材料と、それらの材料が
反応性ガスの酸素、窒素などと反応して生成された無機
絶縁性化合物からなる被膜26を成膜する。
る被膜の成膜 スパッタターゲット12をRFスパッタリングして、ガ
ラス基板25上に半導体物質、SiCおよび非晶質炭素
から選ばれた少なくとも1種の材料と、それらの材料が
反応性ガスの酸素、窒素などと反応して生成された無機
絶縁性化合物からなる被膜26を成膜する。
【0037】前述した図5に示すスパッタリング装置を
用いて被膜を成膜するに際し、無機絶縁性化合物からな
るターゲット8および半導体物質、SiCおよび非晶質
炭素から選ばれた少なくとも1種の材料からなるペレッ
ト23を、同時にRFスパッタリングすることによりガ
ラス基板25上に、半導体物質、SiCおよび非晶質炭
素から選ばれた少なくとも1種の材料と無機絶縁性化合
物からなる被膜26を成膜してもよい。この場合、スパ
ッタターゲット8上に配置されたペレット23の個数を
変えることにより、被膜26中の半導体物質、SiCお
よび非晶質炭素から選ばれた少なくとも1種の材料の組
成を、個々の材料毎に制御することができる。
用いて被膜を成膜するに際し、無機絶縁性化合物からな
るターゲット8および半導体物質、SiCおよび非晶質
炭素から選ばれた少なくとも1種の材料からなるペレッ
ト23を、同時にRFスパッタリングすることによりガ
ラス基板25上に、半導体物質、SiCおよび非晶質炭
素から選ばれた少なくとも1種の材料と無機絶縁性化合
物からなる被膜26を成膜してもよい。この場合、スパ
ッタターゲット8上に配置されたペレット23の個数を
変えることにより、被膜26中の半導体物質、SiCお
よび非晶質炭素から選ばれた少なくとも1種の材料の組
成を、個々の材料毎に制御することができる。
【0038】また、前述した図5に示すスパッタリング
装置を用いて被膜を成膜するに際し、無機絶縁性化合物
の第1領域20と、半導体物質、SiCおよび非晶質炭
素から選ばれた少なくとも1種の材料の第2領域21と
からなるスパッタターゲット19を、RFスパッタリン
グすることにより、ガラス基板25上に半導体物質、S
iCおよび非晶質炭素から選ばれた少なくとも1種の材
料と無機絶縁性化合物からなる被膜26を成膜してもよ
い。この場合、スパッタターゲット19における無機絶
縁性化合物からなる第1領域20と半導体物質、SiC
および非晶質炭素から選ばれた少なくとも1種の材料か
らなる第2領域21の割合を変えることにより、被膜2
6の組成を制御することができる。
装置を用いて被膜を成膜するに際し、無機絶縁性化合物
の第1領域20と、半導体物質、SiCおよび非晶質炭
素から選ばれた少なくとも1種の材料の第2領域21と
からなるスパッタターゲット19を、RFスパッタリン
グすることにより、ガラス基板25上に半導体物質、S
iCおよび非晶質炭素から選ばれた少なくとも1種の材
料と無機絶縁性化合物からなる被膜26を成膜してもよ
い。この場合、スパッタターゲット19における無機絶
縁性化合物からなる第1領域20と半導体物質、SiC
および非晶質炭素から選ばれた少なくとも1種の材料か
らなる第2領域21の割合を変えることにより、被膜2
6の組成を制御することができる。
【0039】(1−4)図7のスパッタリング装置によ
る被膜の成膜 スパッタターゲット23には直流電源11より直流電圧
を印加し、半導体物質、SiCおよび非晶質炭素から選
ばれた少なくとも1種の材料からなるターゲット12
を、DCスパッタリングすることにより、ガラス基板2
5上に半導体物質、SiCおよび非晶質炭素から選ばれ
た少なくとも1種の材料と、それらの材料が酸素、窒素
などと反応して生成された無機絶縁性化合物からなる被
膜26を成膜する。特に、Siからなるターゲット12
を、酸素ガスと反応させてDCスパッタリングした場合
には、SiとSiOx の混合膜からなる被膜26を成膜
する。
る被膜の成膜 スパッタターゲット23には直流電源11より直流電圧
を印加し、半導体物質、SiCおよび非晶質炭素から選
ばれた少なくとも1種の材料からなるターゲット12
を、DCスパッタリングすることにより、ガラス基板2
5上に半導体物質、SiCおよび非晶質炭素から選ばれ
た少なくとも1種の材料と、それらの材料が酸素、窒素
などと反応して生成された無機絶縁性化合物からなる被
膜26を成膜する。特に、Siからなるターゲット12
を、酸素ガスと反応させてDCスパッタリングした場合
には、SiとSiOx の混合膜からなる被膜26を成膜
する。
【0040】前記成膜時において、スパッタガス圧およ
び印加直流電力を変えることにより、被膜26の組成、
光吸収性、抵抗率またはSiの結晶状態を制御すること
ができる。
び印加直流電力を変えることにより、被膜26の組成、
光吸収性、抵抗率またはSiの結晶状態を制御すること
ができる。
【0041】前記(1−1)〜(1−4)のいずれかの
方法により、図8(a)に示すように前記ガラス基板2
5上に成膜された遮光膜用の被膜26は、その後、加熱
処理することにより水分等の不純物を除去することが望
ましい。加熱処理は、例えば1×10-2Pa以下の減圧
下または窒素雰囲気下で200℃〜600℃にて30分
以上の熱処理を行うものであり、図1から図7のスパッ
タリング装置の真空チャンバ中で、被膜26の成膜後に
引き続いて行っても良いし、前記真空チャンバから取り
出した後、別の真空チャンバ中で行っても良い。
方法により、図8(a)に示すように前記ガラス基板2
5上に成膜された遮光膜用の被膜26は、その後、加熱
処理することにより水分等の不純物を除去することが望
ましい。加熱処理は、例えば1×10-2Pa以下の減圧
下または窒素雰囲気下で200℃〜600℃にて30分
以上の熱処理を行うものであり、図1から図7のスパッ
タリング装置の真空チャンバ中で、被膜26の成膜後に
引き続いて行っても良いし、前記真空チャンバから取り
出した後、別の真空チャンバ中で行っても良い。
【0042】(2)図8(b)に示すように前記遮光膜
用の被膜26の上にアンダーコート用の絶縁膜27をC
VD法により成膜した後、活性層用の半導体膜28をC
VD法により成膜する。
用の被膜26の上にアンダーコート用の絶縁膜27をC
VD法により成膜した後、活性層用の半導体膜28をC
VD法により成膜する。
【0043】(3)図8(c)に示すように図示しない
マスクを用いて前記半導体膜28、前記アンダーコート
用の絶縁膜27および前記遮光膜用の被膜26を順次選
択的にエッチングすることにより、半導体物質の活性層
29、アンダーコート層30および遮光膜31を形成す
る。
マスクを用いて前記半導体膜28、前記アンダーコート
用の絶縁膜27および前記遮光膜用の被膜26を順次選
択的にエッチングすることにより、半導体物質の活性層
29、アンダーコート層30および遮光膜31を形成す
る。
【0044】(4)図8の(d)に示すように全面にゲ
ート絶縁膜32をCVD法により成膜する。
ート絶縁膜32をCVD法により成膜する。
【0045】(5)図8の(e)に示すように前記ゲー
ト絶縁膜32上にゲート電極用金属薄膜33をスパッタ
リング法により成膜する。
ト絶縁膜32上にゲート電極用金属薄膜33をスパッタ
リング法により成膜する。
【0046】(6)図示しないマスクを用いて前記ゲー
ト電極用金属薄膜33をパターニングすることにより、
図9の(f)に示すようにゲート電極34を形成する。
ト電極用金属薄膜33をパターニングすることにより、
図9の(f)に示すようにゲート電極34を形成する。
【0047】(7)図9の(g)に示すようにリン等の
ドーパントイオン35をゲート電極34をマスクとして
前記活性層29に注入する。
ドーパントイオン35をゲート電極34をマスクとして
前記活性層29に注入する。
【0048】(8)図9の(h)に示すように全面に第
1層間絶縁膜36をCVD法により成膜する。
1層間絶縁膜36をCVD法により成膜する。
【0049】(9)前記第1層間絶縁膜36および前記
ゲート絶縁膜32を図示しないマスクを用いてパターニ
ングすることにより、図9の(i)に示すようにして前
記活性層29に達するコンタクトホール37を形成す
る。
ゲート絶縁膜32を図示しないマスクを用いてパターニ
ングすることにより、図9の(i)に示すようにして前
記活性層29に達するコンタクトホール37を形成す
る。
【0050】(10)図9の(j)に示すように全面に
ソース電極およびドレイン電極用の金属膜38をスパッ
タリング法により成膜する。
ソース電極およびドレイン電極用の金属膜38をスパッ
タリング法により成膜する。
【0051】(11)前記金属膜38を図示しないマス
クを用いてパターニングすることにより、図10の
(k)に示すように前記第1層間絶縁膜36上に互いに
電気的に分離されたソース電極39およびドレイン電極
40を形成する。
クを用いてパターニングすることにより、図10の
(k)に示すように前記第1層間絶縁膜36上に互いに
電気的に分離されたソース電極39およびドレイン電極
40を形成する。
【0052】(12)図10の(l)に示すように第2
層間絶縁膜41をCVD法により成膜した後、図示しな
いマスクを用いてパターニングすることにより、前記第
2層間絶縁膜41に前記ドレイン電極40に達するスル
ーホール42を形成する。
層間絶縁膜41をCVD法により成膜した後、図示しな
いマスクを用いてパターニングすることにより、前記第
2層間絶縁膜41に前記ドレイン電極40に達するスル
ーホール42を形成する。
【0053】(13)全面にスパッタリング法によりI
TO膜を成膜した後、図示しないマスクを用いてパター
ニングすることにより、図10の(m)に示すように一
部が前記ドレイン電極40と接触する画素電極43を形
成する。つづいて、パッシベーション膜用の絶縁膜をC
VD法により成膜し、図示しないマスクを用いてパター
ニングすることによりパッシベーション膜44を形成す
る。
TO膜を成膜した後、図示しないマスクを用いてパター
ニングすることにより、図10の(m)に示すように一
部が前記ドレイン電極40と接触する画素電極43を形
成する。つづいて、パッシベーション膜用の絶縁膜をC
VD法により成膜し、図示しないマスクを用いてパター
ニングすることによりパッシベーション膜44を形成す
る。
【0054】(14)パッシベーション膜44まで形成
されたガラス基板(第1のガラス基板)25と、別に形
成された共通電極(ITO膜)を有する対向基板(第2
のガラス基板)を、スペーサ(図示せず)の高さほどの
わずかな隙間を残してシール剤で張り合わせた後、その
隙間に液晶材を封入することにより図11に示す液晶表
示素子を製造する。
されたガラス基板(第1のガラス基板)25と、別に形
成された共通電極(ITO膜)を有する対向基板(第2
のガラス基板)を、スペーサ(図示せず)の高さほどの
わずかな隙間を残してシール剤で張り合わせた後、その
隙間に液晶材を封入することにより図11に示す液晶表
示素子を製造する。
【0055】図11に示す液晶表示素子は、薄膜トラン
ジスタ49が形成されたガラス基板25と対向基板45
との間に液晶材46が封入された構造をなす。
ジスタ49が形成されたガラス基板25と対向基板45
との間に液晶材46が封入された構造をなす。
【0056】前記対向基板45は、ガラス基板上に前記
画素電極43に対応したカラーフィルター47が形成さ
れ、その上にITO膜48が形成された構造を有する。
画素電極43に対応したカラーフィルター47が形成さ
れ、その上にITO膜48が形成された構造を有する。
【0057】前記ガラス基板25上には、薄膜トランジ
スタ49と、各薄膜トランジスタ49に接続された画素
電極43が形成されている。前記薄膜トランジスタ49
は、前記ガラス基板25上に形成された遮光膜31と、
この遮光膜31上に順次形成されたアンダーコート層3
0および活性層29と、この活性層29を含む前記ガラ
ス基板25上に形成されたゲート絶縁膜32と、このゲ
ート絶縁膜32上に形成されたゲート電極34と、この
ゲート電極34を含む前記ゲート絶縁膜32上に形成さ
れた第1層間絶縁膜36と、第1層間絶縁膜36上に互
いに電気的に分離して形成され、前記第1層間絶縁膜3
6に開口されたコンタクトホール37を通して前記活性
層に接続されたソース電極39およびドレイン電極40
と、これらソース、ドレイン電極39、40を含む前記
第1層間絶縁膜36上に形成された第2層間絶縁膜と、
この第2層間絶縁膜41上に形成され、前記ドレイン電
極39とスルーホール42を通して接続された画素電極
43と、この画素電極43を除く前記第2層間絶縁膜4
1上に被覆されたパッシベーション膜44とを有するプ
レーナ型の構造を有する。
スタ49と、各薄膜トランジスタ49に接続された画素
電極43が形成されている。前記薄膜トランジスタ49
は、前記ガラス基板25上に形成された遮光膜31と、
この遮光膜31上に順次形成されたアンダーコート層3
0および活性層29と、この活性層29を含む前記ガラ
ス基板25上に形成されたゲート絶縁膜32と、このゲ
ート絶縁膜32上に形成されたゲート電極34と、この
ゲート電極34を含む前記ゲート絶縁膜32上に形成さ
れた第1層間絶縁膜36と、第1層間絶縁膜36上に互
いに電気的に分離して形成され、前記第1層間絶縁膜3
6に開口されたコンタクトホール37を通して前記活性
層に接続されたソース電極39およびドレイン電極40
と、これらソース、ドレイン電極39、40を含む前記
第1層間絶縁膜36上に形成された第2層間絶縁膜と、
この第2層間絶縁膜41上に形成され、前記ドレイン電
極39とスルーホール42を通して接続された画素電極
43と、この画素電極43を除く前記第2層間絶縁膜4
1上に被覆されたパッシベーション膜44とを有するプ
レーナ型の構造を有する。
【0058】前記遮光膜31は、半導体物質、SiCお
よび非晶質炭素から選ばれた少なくとも1種の材料と無
機絶縁性化合物から形成されているか、または、Siと
SiOX の混合膜から形成されている。前記遮光膜31
の求められる特性としては、例えば、抵抗率が1.0×
105 Ω・cm以上で、かつ減衰係数が0.088以上
である。
よび非晶質炭素から選ばれた少なくとも1種の材料と無
機絶縁性化合物から形成されているか、または、Siと
SiOX の混合膜から形成されている。前記遮光膜31
の求められる特性としては、例えば、抵抗率が1.0×
105 Ω・cm以上で、かつ減衰係数が0.088以上
である。
【0059】前記半導体物質としては、例えばB、G
e、Si、Te、Seを挙げることができる。また、半
導体物質は、低融点半導体物質の方がより望ましい。こ
のような低融点半導体物質としては、上述の半導体物質
のうち、Te(融点449.8℃)およびSe(融点2
20.2℃)が挙げられる。Seの方がTeよりも融点
が200℃以上低いので、Seの方がTeよりもより望
ましい半導体物質である。
e、Si、Te、Seを挙げることができる。また、半
導体物質は、低融点半導体物質の方がより望ましい。こ
のような低融点半導体物質としては、上述の半導体物質
のうち、Te(融点449.8℃)およびSe(融点2
20.2℃)が挙げられる。Seの方がTeよりも融点
が200℃以上低いので、Seの方がTeよりもより望
ましい半導体物質である。
【0060】また、無機絶縁性化合物としては、例え
ば、Si3 N4 、SiO2 、Bi2 O3 を挙げることが
できる。
ば、Si3 N4 、SiO2 、Bi2 O3 を挙げることが
できる。
【0061】また、SiとSiOX の混合膜は、組成比
率(Si/O)が1.0以上5.0以下となるようにS
iとOから形成されたものである。また、前記Siは非
単結晶Siであることが望ましい。ここで、非単結晶S
iとは、多結晶Siもしくは非晶質Siまたはこれらの
混在物を示す。非単結晶SiとSiOX の混合膜におい
ては、前記混合膜全体の組成比率(Si/O)は、3.
0以上5.0以下であることが望ましい。
率(Si/O)が1.0以上5.0以下となるようにS
iとOから形成されたものである。また、前記Siは非
単結晶Siであることが望ましい。ここで、非単結晶S
iとは、多結晶Siもしくは非晶質Siまたはこれらの
混在物を示す。非単結晶SiとSiOX の混合膜におい
ては、前記混合膜全体の組成比率(Si/O)は、3.
0以上5.0以下であることが望ましい。
【0062】前述した材料からなる前記遮光膜31は、
高い光吸収性と高い絶縁性を併せ持つ。
高い光吸収性と高い絶縁性を併せ持つ。
【0063】前記遮光膜31の一方の構成成分である半
導体物質およびSiCは、可視光域での光吸収性を持
ち、絶縁性も高い。
導体物質およびSiCは、可視光域での光吸収性を持
ち、絶縁性も高い。
【0064】前記半導体物質のうち、特にSe、Teの
ような低融点の半導体物質は、無機絶縁性化合物と混合
することで高い光吸収性と絶縁性とを併せ持つ。それ
は、低融点半導体物質は原子間の結合が弱いため、クラ
スター状でスパッタリングされやすく、さらに、原子間
結合が強い無機絶縁性化合物の中では凝集しやすい結
果、無機絶縁性化合物中では微粒子状に分散した構造と
なるためであると考えられる。
ような低融点の半導体物質は、無機絶縁性化合物と混合
することで高い光吸収性と絶縁性とを併せ持つ。それ
は、低融点半導体物質は原子間の結合が弱いため、クラ
スター状でスパッタリングされやすく、さらに、原子間
結合が強い無機絶縁性化合物の中では凝集しやすい結
果、無機絶縁性化合物中では微粒子状に分散した構造と
なるためであると考えられる。
【0065】また、非晶質炭素は、可視光域での光吸収
性を持ち、非晶質構造のため絶縁性も高い。
性を持ち、非晶質構造のため絶縁性も高い。
【0066】一方、前記遮光膜31の他方の構成成分で
ある無機絶縁性化合物は、絶縁性が非常に高い材料であ
る。
ある無機絶縁性化合物は、絶縁性が非常に高い材料であ
る。
【0067】SiとSiOX の混合膜は、SiOX 膜が
Si−Siのネットワークを分断するため、Siの高い
光吸収性を有しながらより高い絶縁性を併せ持つ。
Si−Siのネットワークを分断するため、Siの高い
光吸収性を有しながらより高い絶縁性を併せ持つ。
【0068】また、非単結晶SiとSiOX 膜の混合膜
は、非単結晶Siが単結晶Siよりも長い波長域で光吸
収性を持つため、高い絶縁性を有しながらより高い光吸
収性を持つ。
は、非単結晶Siが単結晶Siよりも長い波長域で光吸
収性を持つため、高い絶縁性を有しながらより高い光吸
収性を持つ。
【0069】金属と無機絶縁性化合物からでは、金属の
絶縁性が低いため、高い光吸収性と高い絶縁性を併せ持
つ遮光膜を形成するのは困難である。
絶縁性が低いため、高い光吸収性と高い絶縁性を併せ持
つ遮光膜を形成するのは困難である。
【0070】上述の半導体物質、SiC、非晶質炭素、
SiまたはSiOX 等の単独の物質からでは、高い光吸
収性と高い絶縁性を併せ持つ遮光膜を形成することはで
きない。本発明のように、2種以上の物質から遮光膜を
形成することで、はじめて実現する。それは、単独の物
質の電子状態では、高い光吸収性と高い絶縁性と相反す
る性質だからである。
SiまたはSiOX 等の単独の物質からでは、高い光吸
収性と高い絶縁性を併せ持つ遮光膜を形成することはで
きない。本発明のように、2種以上の物質から遮光膜を
形成することで、はじめて実現する。それは、単独の物
質の電子状態では、高い光吸収性と高い絶縁性と相反す
る性質だからである。
【0071】一般に、光の吸収は結晶内の電子がエネル
ギー的に遷移することで行われる。結晶内の価電子は、
あるエネルギーの幅を持ったエネルギーバンドの中に配
置されている。
ギー的に遷移することで行われる。結晶内の価電子は、
あるエネルギーの幅を持ったエネルギーバンドの中に配
置されている。
【0072】金属の場合は、一部しか電子が占めていな
いようなエネルギーバンドが存在し、バンド内の電子の
エネルギーの状態は連続的に変化することができる。そ
のため、さまざまな波長の光に対して強い吸収性をもつ
が、電気的に絶縁性が低い。
いようなエネルギーバンドが存在し、バンド内の電子の
エネルギーの状態は連続的に変化することができる。そ
のため、さまざまな波長の光に対して強い吸収性をもつ
が、電気的に絶縁性が低い。
【0073】半導体物質は、電子でほとんど満たされた
バンドと、電子が少なくほとんど空のバンドとが存在
し、その間のバンドギャップが小さい。そのため、可視
領域の光に対して吸収性を持つ上、金属に比べて絶縁性
も高いが、高い光吸収性と高い絶縁性を併せ持つまでに
はいたらない。。
バンドと、電子が少なくほとんど空のバンドとが存在
し、その間のバンドギャップが小さい。そのため、可視
領域の光に対して吸収性を持つ上、金属に比べて絶縁性
も高いが、高い光吸収性と高い絶縁性を併せ持つまでに
はいたらない。。
【0074】一方、無機絶縁性化合物のような絶縁物の
場合は、電子で完全に満たされたバンドと、電子が空の
バンドとが存在し、その間のエネルギー差(バンドギャ
ップ)が大きい。そのため、電気的に絶縁性は高いが、
可視領域の光に対して吸収性を持たない。
場合は、電子で完全に満たされたバンドと、電子が空の
バンドとが存在し、その間のエネルギー差(バンドギャ
ップ)が大きい。そのため、電気的に絶縁性は高いが、
可視領域の光に対して吸収性を持たない。
【0075】以上のように、単独の物質からでは高い光
吸収性と高い絶縁性を併せ持つ遮光膜を形成することは
できず、2種以上の物質から遮光膜を形成することでは
じめて実現する。
吸収性と高い絶縁性を併せ持つ遮光膜を形成することは
できず、2種以上の物質から遮光膜を形成することでは
じめて実現する。
【0076】以上、詳述したように、高い光吸収性と高
い絶縁性を併せ持つ遮光膜31を図11に示すようにガ
ラス基板25とアンダーコート層30の間に配置するこ
とによって、前記ガラス基板25側から薄膜トランジス
タ49の活性層29に光が入射するのを阻止できる。こ
のため、前記活性層29で電子および正孔が発生するの
を防止して、前記薄膜トランジスタ49を正常にON/
OFF制御することが可能になる。
い絶縁性を併せ持つ遮光膜31を図11に示すようにガ
ラス基板25とアンダーコート層30の間に配置するこ
とによって、前記ガラス基板25側から薄膜トランジス
タ49の活性層29に光が入射するのを阻止できる。こ
のため、前記活性層29で電子および正孔が発生するの
を防止して、前記薄膜トランジスタ49を正常にON/
OFF制御することが可能になる。
【0077】また、前記薄膜トランジスタ49の前記ソ
ース電極39にデータ信号を所定周波数で入力した場
合、前記遮光膜31は高い絶縁性を有するため、前記ア
ンダーコート層30、前記遮光膜31および前記ドレイ
ン電極40を通じて、前記画素電極43に電流がリーク
するのを防止でき、かつ前記画素電極43に蓄積された
電荷が前記ドレイン電極40、前記アンダーコート層3
0および前記遮光膜31を通じてリークするのを防ぐこ
とができる。その結果、前記2枚の基板25、45間に
封入される前記液晶材46を構成している液晶分子の配
向乱れを防止して鮮明な画像を表示することができる。
ース電極39にデータ信号を所定周波数で入力した場
合、前記遮光膜31は高い絶縁性を有するため、前記ア
ンダーコート層30、前記遮光膜31および前記ドレイ
ン電極40を通じて、前記画素電極43に電流がリーク
するのを防止でき、かつ前記画素電極43に蓄積された
電荷が前記ドレイン電極40、前記アンダーコート層3
0および前記遮光膜31を通じてリークするのを防ぐこ
とができる。その結果、前記2枚の基板25、45間に
封入される前記液晶材46を構成している液晶分子の配
向乱れを防止して鮮明な画像を表示することができる。
【0078】
【実施例】以下、本発明の実施例を前述の図面を参照し
て具体的に説明する。
て具体的に説明する。
【0079】(実施例1) (1)ガラス基板25上に、遮光膜用のTe/Si3 N
4 からなる被膜26を、図5のスパッタリング装置を用
いて、以下のように成膜した。
4 からなる被膜26を、図5のスパッタリング装置を用
いて、以下のように成膜した。
【0080】基板ホルダー2にガラス基板25を装着し
た。スパッタカソード22には、Si3 N4 からなるタ
ーゲット8を装着し、その上にTeからなるペレット2
3を装着した。冷却装置(図示せず)を作動させて、ス
パッタカソード22に冷却用配水管5を通して冷却水を
流して、スパッタカソード22を冷却した。真空ポンプ
(図示せず)を作動させて真空チャンバ1内のガスを排
気管14を通して排気して、真空チャンバ1内を1×1
0-3Pa以下の圧力に保持した。前記基板ホルダー2を
前記真空チャンバ1の外側に配置された回転機構(図示
せず)により回転させた。スパッタガス供給ボンベ(図
示せず)から、Arのスパッタガスを、スパッタガス供
給管13を通して真空チャンバ1内に導入した。この
時、Ar流量は10〜20sccm、スパッタ圧力は
0.25〜0.50Paとした。つづいて、Si3 N4
ターゲット8にはRF電源7により高周波電力を供給
し、Si3 N4 ターゲット8およびTeペレット23同
時にスパッタリングすることにより図8の(a)に示す
ようにガラス基板25上にTe/SiNx からなる被膜
26を形成した。RF供給電力は200Wとし、スパッ
タリング中のガラス基板の温度は室温に保った。
た。スパッタカソード22には、Si3 N4 からなるタ
ーゲット8を装着し、その上にTeからなるペレット2
3を装着した。冷却装置(図示せず)を作動させて、ス
パッタカソード22に冷却用配水管5を通して冷却水を
流して、スパッタカソード22を冷却した。真空ポンプ
(図示せず)を作動させて真空チャンバ1内のガスを排
気管14を通して排気して、真空チャンバ1内を1×1
0-3Pa以下の圧力に保持した。前記基板ホルダー2を
前記真空チャンバ1の外側に配置された回転機構(図示
せず)により回転させた。スパッタガス供給ボンベ(図
示せず)から、Arのスパッタガスを、スパッタガス供
給管13を通して真空チャンバ1内に導入した。この
時、Ar流量は10〜20sccm、スパッタ圧力は
0.25〜0.50Paとした。つづいて、Si3 N4
ターゲット8にはRF電源7により高周波電力を供給
し、Si3 N4 ターゲット8およびTeペレット23同
時にスパッタリングすることにより図8の(a)に示す
ようにガラス基板25上にTe/SiNx からなる被膜
26を形成した。RF供給電力は200Wとし、スパッ
タリング中のガラス基板の温度は室温に保った。
【0081】このようなTe/SiNx の被膜を成膜す
るに際し、Si3 N4 ターゲット上に6個、9個のTe
ペレットを配置し、Ar流量を変化させた時の、Te/
SiNx 被膜の膜厚、透過率、減衰係数、抵抗率を測定
した。その結果を下記表1に示す。なお、Teペレット
数6個は、Si3 N4 ターゲット全体に対して約5%の
面積に相当する。Teペレット9個は、Si3 N4 ター
ゲット全体に対して約7.7%の面積に相当する。ま
た、透過率は波長550nmの可視光に対して測定した
値であり、減衰係数は前記透過率および前記膜厚より式
(1)を用いて算出した。
るに際し、Si3 N4 ターゲット上に6個、9個のTe
ペレットを配置し、Ar流量を変化させた時の、Te/
SiNx 被膜の膜厚、透過率、減衰係数、抵抗率を測定
した。その結果を下記表1に示す。なお、Teペレット
数6個は、Si3 N4 ターゲット全体に対して約5%の
面積に相当する。Teペレット9個は、Si3 N4 ター
ゲット全体に対して約7.7%の面積に相当する。ま
た、透過率は波長550nmの可視光に対して測定した
値であり、減衰係数は前記透過率および前記膜厚より式
(1)を用いて算出した。
【0082】 −log(T/100)=(4πk/λ)d ………(1) ただし、T:透過率[%] k:減衰係数 λ:波長[nm] d:膜厚[nm] 式(1)より算出された減衰係数は、被膜の膜厚に依ら
ない、被膜特有の光吸収性を示す。減衰係数が大きいほ
ど、より光吸収性が高い。
ない、被膜特有の光吸収性を示す。減衰係数が大きいほ
ど、より光吸収性が高い。
【0083】
【表1】
【0084】前記表1の測定結果から得られた被膜の減
衰係数と抵抗率の関係を図12に示す。なお、図12に
は後述する比較例で得られたFe/SiNx 被膜の結果
を併記する。
衰係数と抵抗率の関係を図12に示す。なお、図12に
は後述する比較例で得られたFe/SiNx 被膜の結果
を併記する。
【0085】前記表1および図12から明らかなよう
に、Te/SiNx の被膜は、減衰係数が約0.2〜約
0.35の高い光吸収性を持ち、抵抗率が1×107 〜
2×107 10Ω・cmの高い絶縁性を持つ性能を有す
ることがわかる。
に、Te/SiNx の被膜は、減衰係数が約0.2〜約
0.35の高い光吸収性を持ち、抵抗率が1×107 〜
2×107 10Ω・cmの高い絶縁性を持つ性能を有す
ることがわかる。
【0086】(2)図8(b)に示すように前記Te/
SiNx の被膜26の上にアンダーコート用のSiO2
膜27をTEOS−O3 CVD法により成膜し、その上
にアモルファスシリコン膜をCVD法により成膜した
後、前記アモルファスシリコン膜にエキシマレーザーを
照射してシリコン活性層用のポリシリコン膜28を形成
した。
SiNx の被膜26の上にアンダーコート用のSiO2
膜27をTEOS−O3 CVD法により成膜し、その上
にアモルファスシリコン膜をCVD法により成膜した
後、前記アモルファスシリコン膜にエキシマレーザーを
照射してシリコン活性層用のポリシリコン膜28を形成
した。
【0087】(3)図8(c)に示すように図示しない
マスクを用いて前記ポリシリコン膜28、前記アンダー
コート用の絶縁膜27および前記遮光膜用のTe/Si
Nxからなる被膜26を順次選択的にエッチングするこ
とにより、シリコン活性層29、アンダーコート層30
および遮光膜31を形成した。
マスクを用いて前記ポリシリコン膜28、前記アンダー
コート用の絶縁膜27および前記遮光膜用のTe/Si
Nxからなる被膜26を順次選択的にエッチングするこ
とにより、シリコン活性層29、アンダーコート層30
および遮光膜31を形成した。
【0088】(4)図8の(d)に示すように全面にゲ
ート絶縁膜32をCVD法により成膜した。
ート絶縁膜32をCVD法により成膜した。
【0089】(5)図8の(e)に示すように前記ゲー
ト絶縁膜32上にMo−Ta合金膜33をスパッタリン
グ法により成膜した。
ト絶縁膜32上にMo−Ta合金膜33をスパッタリン
グ法により成膜した。
【0090】(6)図示しないマスクを用いて前記Mo
−Ta合金膜33をパターニングすることにより、図9
の(f)に示すようにゲート電極34を形成した。
−Ta合金膜33をパターニングすることにより、図9
の(f)に示すようにゲート電極34を形成した。
【0091】(7)図9の(g)に示すようにPH3 /
H2 などのドーパントイオン35をゲート電極34をマ
スクとしてシリコン活性層29に注入した。
H2 などのドーパントイオン35をゲート電極34をマ
スクとしてシリコン活性層29に注入した。
【0092】(8)図9の(h)に示すように全面にS
iO2 からなる第1層間絶縁膜をCVD法により成膜し
た。
iO2 からなる第1層間絶縁膜をCVD法により成膜し
た。
【0093】(9)前記第1層間絶縁膜36および前記
ゲート絶縁膜32を図示しないマスクを用いてパターニ
ングすることにより、図9の(i)に示すようにして前
記シリコン活性層29に達するコンタクトホール37を
形成した。
ゲート絶縁膜32を図示しないマスクを用いてパターニ
ングすることにより、図9の(i)に示すようにして前
記シリコン活性層29に達するコンタクトホール37を
形成した。
【0094】(10)図9の(j)に示すように全面に
Mo薄膜38をスパッタリング法により成膜した。
Mo薄膜38をスパッタリング法により成膜した。
【0095】(11)前記Mo薄膜38を図示しないマ
スクを用いてパターニングすることにより、図10の
(k)に示すように前記第1層間絶縁膜36上に互いに
電気的に分離されたソース電極39およびドレイン電極
40を形成した。
スクを用いてパターニングすることにより、図10の
(k)に示すように前記第1層間絶縁膜36上に互いに
電気的に分離されたソース電極39およびドレイン電極
40を形成した。
【0096】(12)図10の(l)に示すようにSi
O2 からなる第2層間絶縁膜41をCVD法により成膜
した後、図示しないマスクを用いてパターニングするこ
とにより、前記第2層間絶縁膜41に前記ドレイン電極
40に達するスルーホール42を形成した。
O2 からなる第2層間絶縁膜41をCVD法により成膜
した後、図示しないマスクを用いてパターニングするこ
とにより、前記第2層間絶縁膜41に前記ドレイン電極
40に達するスルーホール42を形成した。
【0097】(13)全面にスパッタリング法によりI
TO膜を成膜した後、図示しないマスクを用いてパター
ニングすることにより、図10の(m)に示すように一
部が前記ドレイン電極40と接触する画素電極43を形
成した。つづいて、パッシベーション膜用のSiNx 膜
をCVD法により成膜し、図示しないマスクを用いてパ
ターニングすることによりパッシベーション膜44を形
成した。
TO膜を成膜した後、図示しないマスクを用いてパター
ニングすることにより、図10の(m)に示すように一
部が前記ドレイン電極40と接触する画素電極43を形
成した。つづいて、パッシベーション膜用のSiNx 膜
をCVD法により成膜し、図示しないマスクを用いてパ
ターニングすることによりパッシベーション膜44を形
成した。
【0098】(14)パッシベーション膜44まで形成
されたガラス基板25と、別に形成された対向基板を、
わずかな隙間を残して張り合わせた後、その隙間に液晶
材を封入することにより図11に示す液晶表示素子を製
造した。
されたガラス基板25と、別に形成された対向基板を、
わずかな隙間を残して張り合わせた後、その隙間に液晶
材を封入することにより図11に示す液晶表示素子を製
造した。
【0099】(比較例)前記(1)の工程を以下のよう
に変え、他の工程は実施例1と同じ条件として、図8〜
図10に示した形成方法に基づき、液晶表示素子を製造
した。
に変え、他の工程は実施例1と同じ条件として、図8〜
図10に示した形成方法に基づき、液晶表示素子を製造
した。
【0100】図5のスパッタリング装置において、無機
絶縁性化合物のSi3 N4 からなるスパッタターゲット
8の上に鉄(Fe)からなるペレット23を配置したも
のを用いた。スパッタガスとしてArを10sccmの
流量、O2 を0〜0.75sccmの流量導入し、スパ
ッタ圧を0.2〜0.5Paとした。また、RF供給電
力は200Wであるとした。それ以外は、実施例1と同
じ条件にて、Fe/SiNx 被膜を成膜した。
絶縁性化合物のSi3 N4 からなるスパッタターゲット
8の上に鉄(Fe)からなるペレット23を配置したも
のを用いた。スパッタガスとしてArを10sccmの
流量、O2 を0〜0.75sccmの流量導入し、スパ
ッタ圧を0.2〜0.5Paとした。また、RF供給電
力は200Wであるとした。それ以外は、実施例1と同
じ条件にて、Fe/SiNx 被膜を成膜した。
【0101】前記被膜の成膜に際し、Si3 N4 ターゲ
ット上に6個、9個、12個のFeペレットを配置し、
O2 流量を変化させた時のFe/SiNx 被膜の膜厚、
透過率、減衰係数、抵抗率を測定した。その結果を下記
表2に示す。ここで、Feペレット6個は、Si3 N4
ターゲット全体に対して約5%の面積に相当する。Fe
ペレット9個は、Si3 N4 ターゲット全体に対して約
7.7%の面積に相当する。Feペレット12個は、S
i3 N4 ターゲット全体に対して約10%の面積に相当
する。また、透過率は波長550nmの可視光に対して
測定した値であり、減衰係数は前記式(1)を用いて膜
厚および透過率より算出した。
ット上に6個、9個、12個のFeペレットを配置し、
O2 流量を変化させた時のFe/SiNx 被膜の膜厚、
透過率、減衰係数、抵抗率を測定した。その結果を下記
表2に示す。ここで、Feペレット6個は、Si3 N4
ターゲット全体に対して約5%の面積に相当する。Fe
ペレット9個は、Si3 N4 ターゲット全体に対して約
7.7%の面積に相当する。Feペレット12個は、S
i3 N4 ターゲット全体に対して約10%の面積に相当
する。また、透過率は波長550nmの可視光に対して
測定した値であり、減衰係数は前記式(1)を用いて膜
厚および透過率より算出した。
【0102】
【表2】
【0103】前記表2の測定結果より得られた被膜の減
衰と抵抗率の関係を図25に示す。図25から明らかな
ように、比較例で形成された被膜は光吸収性および絶縁
性のいずれについても、実施例1で形成された被膜より
も劣ることがわかる。
衰と抵抗率の関係を図25に示す。図25から明らかな
ように、比較例で形成された被膜は光吸収性および絶縁
性のいずれについても、実施例1で形成された被膜より
も劣ることがわかる。
【0104】以上のようにして、Fe/Si3 N4 被膜
26を成膜後、実施例1と同様の工程により前述した図
11に示す構造をなすプレーナ型の液晶表示素子を製造
した。
26を成膜後、実施例1と同様の工程により前述した図
11に示す構造をなすプレーナ型の液晶表示素子を製造
した。
【0105】(実施例2)前記(1)の工程を以下のよ
うに変え、他の工程は実施例1と同じ条件として、図8
〜図10に示した形成方法に基づき、液晶表示素子を製
造した。
うに変え、他の工程は実施例1と同じ条件として、図8
〜図10に示した形成方法に基づき、液晶表示素子を製
造した。
【0106】図5のスパッタリング装置において、無機
絶縁性化合物のSi3 N4 からなるターゲット8の上
に、半導体材料のBからなるペレット23を配置したも
のを用いた。半導体Bペレットの個数は20個とした。
Bペレット20個は、Si3 N4 ターゲット全体に対し
て約17%の面積に相当する。スパッタガスとしてAr
のみを10sccmの流量(スパッタ圧:0.25Pa
〜0.50Pa)で導入し、RF供給電力は400〜8
00Wであるとした。それ以外は、実施例1と同じ条件
にて、B/SiNx 被膜を成膜した。
絶縁性化合物のSi3 N4 からなるターゲット8の上
に、半導体材料のBからなるペレット23を配置したも
のを用いた。半導体Bペレットの個数は20個とした。
Bペレット20個は、Si3 N4 ターゲット全体に対し
て約17%の面積に相当する。スパッタガスとしてAr
のみを10sccmの流量(スパッタ圧:0.25Pa
〜0.50Pa)で導入し、RF供給電力は400〜8
00Wであるとした。それ以外は、実施例1と同じ条件
にて、B/SiNx 被膜を成膜した。
【0107】前記B/SiNx 被膜の成膜に際し、Si
3 N4 ターゲットに印加するRF供給電力を変化させた
時の、被膜の膜厚、透過率、減衰係数、抵抗率を測定し
た。その結果を下記表3に示す。なお、前記透過率は波
長550nmの可視光に対して測定した値であり、減衰
係数は前記式(1)を用いて,膜厚および透過率より算
出した。
3 N4 ターゲットに印加するRF供給電力を変化させた
時の、被膜の膜厚、透過率、減衰係数、抵抗率を測定し
た。その結果を下記表3に示す。なお、前記透過率は波
長550nmの可視光に対して測定した値であり、減衰
係数は前記式(1)を用いて,膜厚および透過率より算
出した。
【0108】
【表3】
【0109】前記表3の測定結果より得られた被膜の減
衰係数と抵抗率の関係を図13に示す。なお、図13に
は前述した比較例で得られたFe/SiNx 被膜の結果
を併記する。
衰係数と抵抗率の関係を図13に示す。なお、図13に
は前述した比較例で得られたFe/SiNx 被膜の結果
を併記する。
【0110】前記表2および図13から明らかなよう
に、B/SiNx の被膜は、減衰係数が約0.1の高い
光吸収性を持ち、かつ抵抗率が約3.0x 106 Ω・c
mの高い絶縁性を持つ性能を有することがわかる。
に、B/SiNx の被膜は、減衰係数が約0.1の高い
光吸収性を持ち、かつ抵抗率が約3.0x 106 Ω・c
mの高い絶縁性を持つ性能を有することがわかる。
【0111】以上のような方法によりB/SiNx の被
膜26を成膜した後、実施例1と同様の工程により、前
述した図11に示す構造をなすプレーナ型の液晶表示素
子を製造した。
膜26を成膜した後、実施例1と同様の工程により、前
述した図11に示す構造をなすプレーナ型の液晶表示素
子を製造した。
【0112】(実施例3)前記(1)の工程を以下のよ
うに変え、他の工程は実施例1と同じ条件として、図8
〜図10に示した形成方法に基づき、液晶表示素子を製
造した。
うに変え、他の工程は実施例1と同じ条件として、図8
〜図10に示した形成方法に基づき、液晶表示素子を製
造した。
【0113】図5のスパッタリング装置において、無機
絶縁性化合物のSi3 N4 からなるスパッタターゲット
8の上に、半導体のGeからなるペレット23を配置し
たものを用いた。半導体Geペレットの個数は10個と
した。Geペレット10個は、Si3 N4 ターゲット全
体に対して約8%の面積に相当する。スパッタガスとし
てArのみを10sccmの流量(スパッタ圧:0.2
5Pa〜0.50Pa)で導入し、RF供給電力は40
0W、それ以外は、実施例1と同じ条件にて、Ge/S
iNx 被膜を成膜した。
絶縁性化合物のSi3 N4 からなるスパッタターゲット
8の上に、半導体のGeからなるペレット23を配置し
たものを用いた。半導体Geペレットの個数は10個と
した。Geペレット10個は、Si3 N4 ターゲット全
体に対して約8%の面積に相当する。スパッタガスとし
てArのみを10sccmの流量(スパッタ圧:0.2
5Pa〜0.50Pa)で導入し、RF供給電力は40
0W、それ以外は、実施例1と同じ条件にて、Ge/S
iNx 被膜を成膜した。
【0114】前記Ge/SiNx 被膜の成膜に際し、被
膜を熱処理しなかった場合と、1×10-2Pa以下の減
圧下または窒素雰囲気下で200℃〜600℃にて30
分以上の熱処理をした場合における被膜の膜厚、透過
率、減衰係数、抵抗率を測定した。その結果を下記表4
に示す。なお、透過率は波長550nmの可視光に対し
て測定した値であり、減衰係数は前記式(1)を用い
て,膜厚および透過率より算出した。
膜を熱処理しなかった場合と、1×10-2Pa以下の減
圧下または窒素雰囲気下で200℃〜600℃にて30
分以上の熱処理をした場合における被膜の膜厚、透過
率、減衰係数、抵抗率を測定した。その結果を下記表4
に示す。なお、透過率は波長550nmの可視光に対し
て測定した値であり、減衰係数は前記式(1)を用い
て,膜厚および透過率より算出した。
【0115】
【表4】
【0116】前記表4の測定結果より得られた、被膜の
抵抗率と減衰係数の関係を図14に示す。なお、図14
には前述した比較例で得られたFe/SiNx 被膜の結
果を併記する。
抵抗率と減衰係数の関係を図14に示す。なお、図14
には前述した比較例で得られたFe/SiNx 被膜の結
果を併記する。
【0117】前記表3および図14から明らかなよう
に、Ge/SiNx の被膜は、熱処理を施していない場
合でも、減衰係数が約0.16の高い光吸収性を持ち、
かつ抵抗率が約1×106 Ω・cmの高い絶縁性を持つ
性能を有することがわかる。また、Ge/SiNx の被
膜に熱処理を施すと、抵抗率が約1.3×108 Ω・c
mと100倍以上に高くなり、より高い絶縁性を持つ膜
が得られた。これは、熱処理により、被膜中の水分等の
不純物が除去されるとともに、熱処理によりエネルギー
が与えられダングリングボンドが正常な結合となり、S
iNx が完全な絶縁性化合物であるSi3 N4 に近づく
ためであると考えられる。
に、Ge/SiNx の被膜は、熱処理を施していない場
合でも、減衰係数が約0.16の高い光吸収性を持ち、
かつ抵抗率が約1×106 Ω・cmの高い絶縁性を持つ
性能を有することがわかる。また、Ge/SiNx の被
膜に熱処理を施すと、抵抗率が約1.3×108 Ω・c
mと100倍以上に高くなり、より高い絶縁性を持つ膜
が得られた。これは、熱処理により、被膜中の水分等の
不純物が除去されるとともに、熱処理によりエネルギー
が与えられダングリングボンドが正常な結合となり、S
iNx が完全な絶縁性化合物であるSi3 N4 に近づく
ためであると考えられる。
【0118】以上のような方法によりGe/SiNx の
被膜26を成膜した後、実施例1と同様の工程により、
前述した図11に示す構造をなすプレーナ型の液晶表示
素子を製造した。
被膜26を成膜した後、実施例1と同様の工程により、
前述した図11に示す構造をなすプレーナ型の液晶表示
素子を製造した。
【0119】(実施例4)前記(1)の工程を以下のよ
うに変え、他の工程は実施例1と同じ条件として、図8
〜図10に示した形成方法に基づき、液晶表示素子を製
造した。
うに変え、他の工程は実施例1と同じ条件として、図8
〜図10に示した形成方法に基づき、液晶表示素子を製
造した。
【0120】図5のスパッタリング装置において、無機
絶縁性化合物のSi3 N4 からなるターゲット8の上
に、半導体材料のSiからなるペレット23を配置した
ものを用いた。半導体Siペレットの個数は40個とし
た。Siペレット40個は、Si3 N4 ターゲット全体
に対して約33%の面積に相当する。スパッタガスとし
てArのみを10sccmの流量(スパッタ圧:0.2
5Pa〜0.50Pa)で導入し、RF供給電力は40
0Wであるとした。それ以外は、実施例1と同じ条件に
て、Si/SiNx 被膜を成膜した。
絶縁性化合物のSi3 N4 からなるターゲット8の上
に、半導体材料のSiからなるペレット23を配置した
ものを用いた。半導体Siペレットの個数は40個とし
た。Siペレット40個は、Si3 N4 ターゲット全体
に対して約33%の面積に相当する。スパッタガスとし
てArのみを10sccmの流量(スパッタ圧:0.2
5Pa〜0.50Pa)で導入し、RF供給電力は40
0Wであるとした。それ以外は、実施例1と同じ条件に
て、Si/SiNx 被膜を成膜した。
【0121】前記Si/SiNx 被膜の成膜に際し、被
膜を熱処理しなかった場合と、1×10-2Pa以下の減
圧下または窒素雰囲気下で200℃〜600℃にて30
分以上の熱処理をした場合の、被膜の膜厚、透過率、減
衰係数、抵抗率を測定した。その結果を下記表5に示
す。なお、透過率は波長550nmの可視光に対して測
定した値であり、減衰係数は前記式(1)を用いて,膜
厚および透過率より算出した。
膜を熱処理しなかった場合と、1×10-2Pa以下の減
圧下または窒素雰囲気下で200℃〜600℃にて30
分以上の熱処理をした場合の、被膜の膜厚、透過率、減
衰係数、抵抗率を測定した。その結果を下記表5に示
す。なお、透過率は波長550nmの可視光に対して測
定した値であり、減衰係数は前記式(1)を用いて,膜
厚および透過率より算出した。
【0122】
【表5】
【0123】前記表5の測定結果より得られた、被膜の
抵抗率と減衰係数の関係を図14に示す。
抵抗率と減衰係数の関係を図14に示す。
【0124】前記表5および図14から明らかなよう
に、Si/SiNx の被膜は、熱処理を施していない場
合でも、減衰係数が約0.17の高い光吸収性を持ち、
かつ抵抗率が約2.5×105 Ω・cmの高い絶縁性を
持つ性能を示す。また、Si/SiNx の被膜に熱処理
を施すと、抵抗率が約1.3×108 Ω・cmと500
倍以上に高くなり、より高い絶縁性を持つ膜が得られ
た。これは、熱処理により、被膜中の水分等の不純物が
除去されたためである。
に、Si/SiNx の被膜は、熱処理を施していない場
合でも、減衰係数が約0.17の高い光吸収性を持ち、
かつ抵抗率が約2.5×105 Ω・cmの高い絶縁性を
持つ性能を示す。また、Si/SiNx の被膜に熱処理
を施すと、抵抗率が約1.3×108 Ω・cmと500
倍以上に高くなり、より高い絶縁性を持つ膜が得られ
た。これは、熱処理により、被膜中の水分等の不純物が
除去されたためである。
【0125】以上のようにな方法によりSi/SiNx
被膜26を成膜した後、実施例1と同様の工程により、
前述した図11に示す構造をなすプレーナ型の液晶表示
素子を製造した。
被膜26を成膜した後、実施例1と同様の工程により、
前述した図11に示す構造をなすプレーナ型の液晶表示
素子を製造した。
【0126】(実施例5)前記(1)の工程を以下のよ
うに変え、他の工程は実施例1と同じ条件として、図8
〜図10に示した形成方法に基づき、液晶表示素子を製
造した。
うに変え、他の工程は実施例1と同じ条件として、図8
〜図10に示した形成方法に基づき、液晶表示素子を製
造した。
【0127】図2のスパッタリング装置において、無機
絶縁性化合物のSiO2 からなる第1の領域20と半導
体のSiCからなる第2の領域21を面積比1:1にて
有するターゲット19を用いた。スパッタガスとしてA
rを20sccmの流量、O2 を0〜2.0sccmの
流量導入し、スパッタ圧を0.67Paとした。また、
RF供給電力は、400W、それ以外は、実施例1と同
じ条件にて、SiC/SiOx 被膜を成膜した。
絶縁性化合物のSiO2 からなる第1の領域20と半導
体のSiCからなる第2の領域21を面積比1:1にて
有するターゲット19を用いた。スパッタガスとしてA
rを20sccmの流量、O2 を0〜2.0sccmの
流量導入し、スパッタ圧を0.67Paとした。また、
RF供給電力は、400W、それ以外は、実施例1と同
じ条件にて、SiC/SiOx 被膜を成膜した。
【0128】前記SiC/SiOx 被膜の成膜に際し、
スパッタリング中のO2 流量を変化させた時の、被膜の
膜厚、抵抗率、透過率、減衰係数を測定した。その結果
を下記表6に示す。なお、透過率は波長550nmの可
視光に対して測定した値であり、減衰係数は前記式
(1)を用いて,膜厚および透過率より算出した。
スパッタリング中のO2 流量を変化させた時の、被膜の
膜厚、抵抗率、透過率、減衰係数を測定した。その結果
を下記表6に示す。なお、透過率は波長550nmの可
視光に対して測定した値であり、減衰係数は前記式
(1)を用いて,膜厚および透過率より算出した。
【0129】
【表6】
【0130】前記表6の測定結果より得られたO2 流量
に対する被膜の抵抗率と減衰係数の変化を図15に示
す。また、図15の結果より得られた被膜の減衰係数と
抵抗率の関係を図16に示す。なお、図16には前述し
た比較例で得られたFe/SiNx 被膜の結果を併記す
る。
に対する被膜の抵抗率と減衰係数の変化を図15に示
す。また、図15の結果より得られた被膜の減衰係数と
抵抗率の関係を図16に示す。なお、図16には前述し
た比較例で得られたFe/SiNx 被膜の結果を併記す
る。
【0131】図16より明らかなようにO2 流量を調節
することにより、減衰係数および抵抗率を制御できるこ
とがわかる。これは、O2 流量を変えることでSiC/
SiOx 被膜中のSiOx の割合が変化し、被膜の性質
がSiC膜とSiO2 膜の間で変化するためである。
することにより、減衰係数および抵抗率を制御できるこ
とがわかる。これは、O2 流量を変えることでSiC/
SiOx 被膜中のSiOx の割合が変化し、被膜の性質
がSiC膜とSiO2 膜の間で変化するためである。
【0132】また、図15および図16から明らかなよ
うにSiC/SiOx 被膜は、減衰係数が約0.04〜
約0.20の高い光吸収性を持ち、抵抗率が約3X 10
4 〜約6×109 Ω・cmの高い絶縁性を持つ性能を有
することがわかる。
うにSiC/SiOx 被膜は、減衰係数が約0.04〜
約0.20の高い光吸収性を持ち、抵抗率が約3X 10
4 〜約6×109 Ω・cmの高い絶縁性を持つ性能を有
することがわかる。
【0133】以上のような方法によりSiC/SiOx
被膜26を成膜した後、実施例1と同様の工程により、
前述した図11に示す構造をなすプレーナ型の液晶表示
素子を製造した。
被膜26を成膜した後、実施例1と同様の工程により、
前述した図11に示す構造をなすプレーナ型の液晶表示
素子を製造した。
【0134】(実施例6)前記(1)の工程を以下のよ
うに変え、他の工程は実施例1と同じ条件として、図8
〜図10に示した形成方法に基づき、液晶表示素子を製
造した。
うに変え、他の工程は実施例1と同じ条件として、図8
〜図10に示した形成方法に基づき、液晶表示素子を製
造した。
【0135】図2のスパッタリング装置において、無機
絶縁性化合物のSi3 N4 からなる第1の領域20と半
導体のSiCからなる第2の領域21を面積比1:1に
て有するターゲット19を用いた。スパッタガスとして
Arを20sccmの流量、N2 を1.0sccmの流
量導入し、スパッタ圧を0.67Paとした。また、R
F供給電力は、400Wとした。それ以外は、実施例1
と同じ条件にて、SiC/SiNx 被膜を成膜した。
絶縁性化合物のSi3 N4 からなる第1の領域20と半
導体のSiCからなる第2の領域21を面積比1:1に
て有するターゲット19を用いた。スパッタガスとして
Arを20sccmの流量、N2 を1.0sccmの流
量導入し、スパッタ圧を0.67Paとした。また、R
F供給電力は、400Wとした。それ以外は、実施例1
と同じ条件にて、SiC/SiNx 被膜を成膜した。
【0136】得られたSiC/SiNx 被膜について、
その膜厚、抵抗率、透過率、減衰係数を測定した。その
結果を下記表7に示す。なお、透過率は波長550nm
の可視光に対して測定した値であり、減衰係数は前記式
(1)を用いて,膜厚および透過率より算出した。
その膜厚、抵抗率、透過率、減衰係数を測定した。その
結果を下記表7に示す。なお、透過率は波長550nm
の可視光に対して測定した値であり、減衰係数は前記式
(1)を用いて,膜厚および透過率より算出した。
【0137】
【表7】
【0138】前記表7の被膜の減衰係数と抵抗率の結果
を図16に示す。図16から明らかなように、SiC/
SiNx 被膜は、減衰係数が0.06の高い光吸収性を
持ち、抵抗率が2.41×105 Ω・cmの高い絶縁性
を持つ性能を有することがわかる。
を図16に示す。図16から明らかなように、SiC/
SiNx 被膜は、減衰係数が0.06の高い光吸収性を
持ち、抵抗率が2.41×105 Ω・cmの高い絶縁性
を持つ性能を有することがわかる。
【0139】以上のような方法によりSiC/SiNx
被膜26を成膜した後、実施例1と同様の工程により、
前述した図11に示す構造をなすプレーナ型の液晶表示
素子を製造した。
被膜26を成膜した後、実施例1と同様の工程により、
前述した図11に示す構造をなすプレーナ型の液晶表示
素子を製造した。
【0140】(実施例7)前記(1)の工程を以下のよ
うに変え、他の工程は実施例1と同じ条件として、図8
〜図10に示した形成方法に基づき、液晶表示素子を製
造した。
うに変え、他の工程は実施例1と同じ条件として、図8
〜図10に示した形成方法に基づき、液晶表示素子を製
造した。
【0141】図7のスパッタリング装置において、半導
体のSiからなるターゲット12を装着したものを用い
た。スパッタガスとしてArおよびO2 を導入し、Ar
流量は27〜29sccm、O2 流量は1.0〜3.0
sccmとして、総流量が30sccm、スパッタ圧力
が0.3Paとなるようにした。また、直流印加電力
は、400Wとした。さらに、形成された被膜の一部
は、1×10-2Pa以下の減圧下または窒素雰囲気下で
200℃〜600℃にて30分以上の熱処理をした。そ
れ以外は、実施例1と同じ条件にて、Si/SiOx の
混合膜を成膜した。
体のSiからなるターゲット12を装着したものを用い
た。スパッタガスとしてArおよびO2 を導入し、Ar
流量は27〜29sccm、O2 流量は1.0〜3.0
sccmとして、総流量が30sccm、スパッタ圧力
が0.3Paとなるようにした。また、直流印加電力
は、400Wとした。さらに、形成された被膜の一部
は、1×10-2Pa以下の減圧下または窒素雰囲気下で
200℃〜600℃にて30分以上の熱処理をした。そ
れ以外は、実施例1と同じ条件にて、Si/SiOx の
混合膜を成膜した。
【0142】得られたSi/SiOx の混合膜の構造を
TEM(透過型電子顕微鏡)法により観察したところ、
前記混合膜は非晶質SiとSiOx との混合物からなる
ことが確認された。
TEM(透過型電子顕微鏡)法により観察したところ、
前記混合膜は非晶質SiとSiOx との混合物からなる
ことが確認された。
【0143】また、前記混合膜全体の元素組成をXPS
(X線電子分光)法により測定したところ、元素組成比
(Si/O)は3.0以上5.0以下であった。
(X線電子分光)法により測定したところ、元素組成比
(Si/O)は3.0以上5.0以下であった。
【0144】さらに、Si/SiOx の混合膜の成膜に
際し、スパッタリング中のArおよびO2 の流量を変化
させ、かつ形成された被膜を熱処理した場合としなかっ
た場合における被膜の膜厚、減衰係数、抵抗率を測定し
た。その結果を下記表8に示す。なお、透過率は波長5
50nmの可視光に対して測定した値であり、減衰係数
は前記式(1)を用いて,膜厚および透過率より算出し
た。
際し、スパッタリング中のArおよびO2 の流量を変化
させ、かつ形成された被膜を熱処理した場合としなかっ
た場合における被膜の膜厚、減衰係数、抵抗率を測定し
た。その結果を下記表8に示す。なお、透過率は波長5
50nmの可視光に対して測定した値であり、減衰係数
は前記式(1)を用いて,膜厚および透過率より算出し
た。
【0145】
【表8】
【0146】前記表8の結果より得られたO2 流量に対
する被膜の減衰係数と抵抗率の変化を図17に示す。ま
た、図17の結果より得られた被膜の抵抗率と減衰係数
の関係を図18に示す。なお、図18には前述した比較
例で得られたFe/SiNx被膜の結果を併記する。
する被膜の減衰係数と抵抗率の変化を図17に示す。ま
た、図17の結果より得られた被膜の抵抗率と減衰係数
の関係を図18に示す。なお、図18には前述した比較
例で得られたFe/SiNx被膜の結果を併記する。
【0147】図18より明らかなようにO2 流量を調節
することにより、減衰係数および抵抗率を制御できるこ
とがわかる。これは、O2 流量を変えることで被膜中の
SiOx の割合が変化するためである。
することにより、減衰係数および抵抗率を制御できるこ
とがわかる。これは、O2 流量を変えることで被膜中の
SiOx の割合が変化するためである。
【0148】図17および図18より明らかなようにS
i/SiOx の混合膜からなる被膜は、減衰係数が約
0.04〜約0.16の高い光吸収性を持ち、抵抗率が
約5×104 〜約5×106 Ω・cmの高い絶縁性を持
つ性能を有することがわかる。
i/SiOx の混合膜からなる被膜は、減衰係数が約
0.04〜約0.16の高い光吸収性を持ち、抵抗率が
約5×104 〜約5×106 Ω・cmの高い絶縁性を持
つ性能を有することがわかる。
【0149】熱処理をした場合に、抵抗率が約9×10
6 〜約5×108 Ω・cmと約100倍近い高い絶縁性
を持った膜が得られた。これは、熱処理により、被膜中
の水分等の不純物が除去されるとともに、熱処理により
エネルギーが与えられダングリングボンドが正常な結合
となり、SiOx が完全な絶縁性化合物であるSiO2
に近づくためであると考えられる。
6 〜約5×108 Ω・cmと約100倍近い高い絶縁性
を持った膜が得られた。これは、熱処理により、被膜中
の水分等の不純物が除去されるとともに、熱処理により
エネルギーが与えられダングリングボンドが正常な結合
となり、SiOx が完全な絶縁性化合物であるSiO2
に近づくためであると考えられる。
【0150】以上のような方法によりSi/SiOx の
混合膜26を成膜した後、実施例1と同様の工程によ
り、前述した図11に示す構造をなすプレーナ型の液晶
表示素子を製造した。
混合膜26を成膜した後、実施例1と同様の工程によ
り、前述した図11に示す構造をなすプレーナ型の液晶
表示素子を製造した。
【0151】(実施例8)前記(1)の工程を以下のよ
うに変え、他の工程は実施例1と同じ条件として、図8
〜図10に示した形成方法に基づき、液晶表示素子を製
造した。
うに変え、他の工程は実施例1と同じ条件として、図8
〜図10に示した形成方法に基づき、液晶表示素子を製
造した。
【0152】図1のスパッタリング装置において、第1
スパッタカソード3には、焼結体のBi2 O3 からなる
第1スパッタターゲット8を装着した。第2スパッタカ
ソード4には、焼結体の炭素からなる第2スパッタター
ゲット12を装着した。冷却装置(図示せず)を作動さ
せて、第1スパッタカソード3には第1冷却用配水管5
を通して冷却水を流し、そして、第2スパッタカソード
4には第2冷却用配水管9を通して冷却水を流して、両
スパッタカソードを冷却した。真空ポンプ(図示せず)
を作動させて真空チャンバ1内のガスを排気管14を通
して排気して、真空チャンバ1内を1×10-3Pa以下
の圧力に保持した。基板ホルダー2を、前記真空チャン
バ1の外側に配置された回転機構(図示せず)により回
転させた。スパッタガス供給ボンベ(図示せず)から、
Arおよび酸素のスパッタガスを、スパッタガス供給管
13を通して真空チャンバ1内に導入した。この時、A
r流量は20sccm、O2 流量は8sccmとして、
スパッタ圧力は0.67Pa、O2 分圧を0〜約0.0
3Paとした。つづいて、第1スパッタカソード3には
RF電源7により200〜800Wの高周波電力を供給
し、焼結体のBi2O3 からなる第1ターゲット8をR
Fスパッタリングした。同時に、第2スパッタカソード
4には、直流電源11を通して300Wの直流電圧を印
加し、焼結体の炭素からなる第2ターゲット12をDC
スパッタリングすることにより非晶質炭素/BiOx 被
膜を成膜した。スパッタリング成膜時間は10分間と
し、スパッタリング中の基板の温度は室温に保った。
スパッタカソード3には、焼結体のBi2 O3 からなる
第1スパッタターゲット8を装着した。第2スパッタカ
ソード4には、焼結体の炭素からなる第2スパッタター
ゲット12を装着した。冷却装置(図示せず)を作動さ
せて、第1スパッタカソード3には第1冷却用配水管5
を通して冷却水を流し、そして、第2スパッタカソード
4には第2冷却用配水管9を通して冷却水を流して、両
スパッタカソードを冷却した。真空ポンプ(図示せず)
を作動させて真空チャンバ1内のガスを排気管14を通
して排気して、真空チャンバ1内を1×10-3Pa以下
の圧力に保持した。基板ホルダー2を、前記真空チャン
バ1の外側に配置された回転機構(図示せず)により回
転させた。スパッタガス供給ボンベ(図示せず)から、
Arおよび酸素のスパッタガスを、スパッタガス供給管
13を通して真空チャンバ1内に導入した。この時、A
r流量は20sccm、O2 流量は8sccmとして、
スパッタ圧力は0.67Pa、O2 分圧を0〜約0.0
3Paとした。つづいて、第1スパッタカソード3には
RF電源7により200〜800Wの高周波電力を供給
し、焼結体のBi2O3 からなる第1ターゲット8をR
Fスパッタリングした。同時に、第2スパッタカソード
4には、直流電源11を通して300Wの直流電圧を印
加し、焼結体の炭素からなる第2ターゲット12をDC
スパッタリングすることにより非晶質炭素/BiOx 被
膜を成膜した。スパッタリング成膜時間は10分間と
し、スパッタリング中の基板の温度は室温に保った。
【0153】前記非晶質炭素/BiOx 被膜の成膜に際
し、焼結体炭素の第2ターゲット12をDCスパッタリ
ングしながら、焼結体Bi2 O3 の第1ターゲット8に
加えるRF供給電力を変化させ、その時の被膜の減衰係
数および抵抗率の変化を測定した。その結果を図19に
示す。ただし、酸素の分圧は7.3×10-3Paとし
た。図19の結果より得られた被膜の減衰係数と抵抗率
の関係を図20に示す。なお、図20には前述した比較
例で得られたFe/SiNx 被膜の結果を併記する。
し、焼結体炭素の第2ターゲット12をDCスパッタリ
ングしながら、焼結体Bi2 O3 の第1ターゲット8に
加えるRF供給電力を変化させ、その時の被膜の減衰係
数および抵抗率の変化を測定した。その結果を図19に
示す。ただし、酸素の分圧は7.3×10-3Paとし
た。図19の結果より得られた被膜の減衰係数と抵抗率
の関係を図20に示す。なお、図20には前述した比較
例で得られたFe/SiNx 被膜の結果を併記する。
【0154】図19および図20から明らかなようにR
F供給電力が450〜800Wの条件において、減衰係
数が約0.05〜約0.1の高い光吸収性を持ち、抵抗
率が約1010〜約1012Ω・cmの高い絶縁性を持つ非
晶質炭素/BiOx 被膜が得られることがわかる。
F供給電力が450〜800Wの条件において、減衰係
数が約0.05〜約0.1の高い光吸収性を持ち、抵抗
率が約1010〜約1012Ω・cmの高い絶縁性を持つ非
晶質炭素/BiOx 被膜が得られることがわかる。
【0155】また、酸素スパッタガスの分圧を変化させ
た時の被膜の減衰係数および抵抗率の変化を測定した。
その結果を図21に示す。ただし、RF供給電力は50
0Wとした。図21の結果より得られた被膜の減衰係数
と抵抗率の関係を図22に示す。なお、図22には前述
した比較例で得られたFe/SiNx 被膜の結果を併記
する。
た時の被膜の減衰係数および抵抗率の変化を測定した。
その結果を図21に示す。ただし、RF供給電力は50
0Wとした。図21の結果より得られた被膜の減衰係数
と抵抗率の関係を図22に示す。なお、図22には前述
した比較例で得られたFe/SiNx 被膜の結果を併記
する。
【0156】図21および図22から明らかなように酸
素分圧が0.005〜0.015Paの条件において、
減衰係数が約0.1〜約0.35の高い光吸収性を持
ち、抵抗率が約101 〜約107 Ω・cmの高い絶縁性
を持つ非晶質炭素/BiOx 被膜が得られることがわか
る。
素分圧が0.005〜0.015Paの条件において、
減衰係数が約0.1〜約0.35の高い光吸収性を持
ち、抵抗率が約101 〜約107 Ω・cmの高い絶縁性
を持つ非晶質炭素/BiOx 被膜が得られることがわか
る。
【0157】さらに、焼結体炭素の第2ターゲット12
に印加する直流電圧を制御回路10によってパルス状に
変化させてDCスパッタリングをパルス状に発生させ、
このDCパルス放電時間を変化させた時の被膜の減衰係
数および抵抗率の変化を測定した。パルス放電時間とし
ては、0〜30secとした。その結果を図23に示
す。ただし、RF供給電力は500W、酸素の分圧は
7.3×10-3Paとした。また、図23の結果より得
られた被膜の減衰係数と抵抗率の関係を図24に示す。
なお、図24には前述した比較例で得られたFe/Si
Nx 被膜の結果を併記する。
に印加する直流電圧を制御回路10によってパルス状に
変化させてDCスパッタリングをパルス状に発生させ、
このDCパルス放電時間を変化させた時の被膜の減衰係
数および抵抗率の変化を測定した。パルス放電時間とし
ては、0〜30secとした。その結果を図23に示
す。ただし、RF供給電力は500W、酸素の分圧は
7.3×10-3Paとした。また、図23の結果より得
られた被膜の減衰係数と抵抗率の関係を図24に示す。
なお、図24には前述した比較例で得られたFe/Si
Nx 被膜の結果を併記する。
【0158】図23および図24より明らかなように、
焼結炭素ターゲットを断続的にDCスパッタリングする
パルス放電時間を20secにすると、減衰係数が約
0.13〜約0.15の高い光吸収性を持ち、かつ抵抗
率が約109 〜約1010Ω・cmの高い絶縁性を持つ非
晶質炭素/BiOx 被膜が得られることがわかる。
焼結炭素ターゲットを断続的にDCスパッタリングする
パルス放電時間を20secにすると、減衰係数が約
0.13〜約0.15の高い光吸収性を持ち、かつ抵抗
率が約109 〜約1010Ω・cmの高い絶縁性を持つ非
晶質炭素/BiOx 被膜が得られることがわかる。
【0159】以上のような方法により非晶質炭素/Bi
Ox 被膜26を成膜した後、実施例1と同様の工程によ
り、前述した図11に示す構造をなすプレーナ型の液晶
表示素子を製造した。
Ox 被膜26を成膜した後、実施例1と同様の工程によ
り、前述した図11に示す構造をなすプレーナ型の液晶
表示素子を製造した。
【0160】前述した実施例1〜8によって製造された
液晶表示素子においては、前記薄膜トランジスタ49の
前記ソース電極39にデータ信号を所定周波数で入力し
た場合、前記アンダーコート層30、前記遮光膜31お
よび前記ドレイン電極40を通じて前記画素電極43に
リークすることもなく、また、前記画素電極43に保持
された電荷が、前記ドレイン電極40、前記アンダーコ
ート層30および前記遮光膜31を通じてリークするこ
ともなかった。その結果、前記液晶材46を構成してい
る液晶分子の配向が乱れず画像が不鮮明になることもな
かった。
液晶表示素子においては、前記薄膜トランジスタ49の
前記ソース電極39にデータ信号を所定周波数で入力し
た場合、前記アンダーコート層30、前記遮光膜31お
よび前記ドレイン電極40を通じて前記画素電極43に
リークすることもなく、また、前記画素電極43に保持
された電荷が、前記ドレイン電極40、前記アンダーコ
ート層30および前記遮光膜31を通じてリークするこ
ともなかった。その結果、前記液晶材46を構成してい
る液晶分子の配向が乱れず画像が不鮮明になることもな
かった。
【0161】比較例によって製造された液晶表示素子に
おいては、前記薄膜トランジスタの前記ソース電極にデ
ータ信号を所定周波数で入力した場合、前記アンダーコ
ート層、前記遮光膜および前記ドレイン電極を通じて、
前記画素電極へ電流がリークし、さらに、前記画素電極
に保持された電荷が前記ドレイン電極、前記アンダーコ
ート層および前記遮光膜を通じてリークした。その結
果、前記液晶材を構成している液晶分子の配向の乱れが
生じて画像が不鮮明になった。
おいては、前記薄膜トランジスタの前記ソース電極にデ
ータ信号を所定周波数で入力した場合、前記アンダーコ
ート層、前記遮光膜および前記ドレイン電極を通じて、
前記画素電極へ電流がリークし、さらに、前記画素電極
に保持された電荷が前記ドレイン電極、前記アンダーコ
ート層および前記遮光膜を通じてリークした。その結
果、前記液晶材を構成している液晶分子の配向の乱れが
生じて画像が不鮮明になった。
【0162】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば高
い光吸収性と高い絶縁性とを併せ持つ遮光膜を有する液
晶表示素子を提供できる。その結果、薄膜トランジスタ
を正常にON/OFF制御することができ、かつ鮮明な
画像を表示することができる。
い光吸収性と高い絶縁性とを併せ持つ遮光膜を有する液
晶表示素子を提供できる。その結果、薄膜トランジスタ
を正常にON/OFF制御することができ、かつ鮮明な
画像を表示することができる。
【0163】また、本発明によれば前記液晶表示素子を
再現性良く製造できる液晶表示素子製造方法を提供でき
る。
再現性良く製造できる液晶表示素子製造方法を提供でき
る。
【図1】本発明に係るスパッタリング装置の一例を示す
概略図。
概略図。
【図2】本発明に係るスパッタリング装置の他の例を示
す概略図。
す概略図。
【図3】本発明に係るスパッタカソードを示す斜視図。
【図4】本発明に係るスパッタターゲットを示す斜視
図。
図。
【図5】本発明に係るスパッタリング装置の他の例を示
す概略図。
す概略図。
【図6】本発明に係るペレットおよびスパッタターゲッ
トを示す斜視図。
トを示す斜視図。
【図7】本発明に係るスパッタリング装置の他の例を示
す概略図。
す概略図。
【図8】本発明に係る液晶表示素子の製造工程を示す断
面図。
面図。
【図9】本発明に係る液晶表示素子の製造工程を示す断
面図。
面図。
【図10】本発明に係る液晶表示素子の製造工程を示す
断面図。
断面図。
【図11】本発明に係る液晶表示素子を示す断面図。
【図12】本発明の実施例1および比較例において製造
された液晶表示素子の遮光膜特性を測定した結果を示す
図。
された液晶表示素子の遮光膜特性を測定した結果を示す
図。
【図13】本発明の実施例2および比較例において製造
された液晶表示素子の遮光膜特性を測定した結果を示す
図。
された液晶表示素子の遮光膜特性を測定した結果を示す
図。
【図14】本発明の実施例3および4および比較例にお
いて製造された液晶表示素子の遮光膜特性を測定した結
果を示す図。
いて製造された液晶表示素子の遮光膜特性を測定した結
果を示す図。
【図15】本発明の実施例5において製造された液晶表
示素子の遮光膜特性を測定した結果を示す図。
示素子の遮光膜特性を測定した結果を示す図。
【図16】本発明の実施例5および6および比較例にお
いて製造された液晶表示素子の遮光膜特性を測定した結
果を示す図。
いて製造された液晶表示素子の遮光膜特性を測定した結
果を示す図。
【図17】本発明の実施例7において製造された液晶表
示素子の遮光膜特性を測定した結果を示す図。
示素子の遮光膜特性を測定した結果を示す図。
【図18】本発明の実施例7および比較例において製造
された液晶表示素子の遮光膜特性を測定した結果を示す
図。
された液晶表示素子の遮光膜特性を測定した結果を示す
図。
【図19】本発明の実施例8において製造された液晶表
示素子の遮光膜特性を測定した結果を示す図。
示素子の遮光膜特性を測定した結果を示す図。
【図20】本発明の実施例8および比較例において製造
された液晶表示素子の遮光膜特性を測定した結果を示す
図。
された液晶表示素子の遮光膜特性を測定した結果を示す
図。
【図21】本発明の実施例8において製造された液晶表
示素子の遮光膜特性を測定した結果を示す図。
示素子の遮光膜特性を測定した結果を示す図。
【図22】本発明の実施例8および比較例において製造
された液晶表示素子の遮光膜特性を測定した結果を示す
図。
された液晶表示素子の遮光膜特性を測定した結果を示す
図。
【図23】本発明の実施例8において製造された液晶表
示素子の遮光膜特性を測定した結果を示す図。
示素子の遮光膜特性を測定した結果を示す図。
【図24】本発明の実施例8および比較例において製造
された液晶表示素子の遮光膜特性を測定した結果を示す
図。
された液晶表示素子の遮光膜特性を測定した結果を示す
図。
【図25】本発明の比較例において製造された液晶表示
素子の遮光膜特性を測定した結果を示す図。
素子の遮光膜特性を測定した結果を示す図。
1…真空チャンバ、 2…基板ホルダー、 3、4、15、22、24…スパッタカソード、 6…マッチング回路、 7…RF電源、 8、12、19…スパッタターゲット、 10…制御回路、 11…直流電源、 25…ガラス基板、 29…活性層、 31…遮光膜、 32…ゲート絶縁膜、 34…ゲート電極、 39…ソース電極、 40…ドレイン電極、 43…画素電極、 44…パッシベーション膜、 49…薄膜トランジスタ。
Claims (12)
- 【請求項1】 第1のガラス基板;前記第1のガラス基
板上に形成された絶縁材料からなるアンダーコート層
と、このアンダーコート層上に形成された半導体物質の
活性層と、この活性層上に順次形成されたゲート絶縁
膜、ゲート電極および第1層間絶縁膜と、この第1層間
絶縁膜上に形成されるとともに前記ゲート絶縁膜および
第1層間絶縁膜を貫通して前記活性層に互いに電気的に
分離して接続されたソース電極およびドレイン電極と、
これらソース電極およびドレイン電極を含む前記第1層
間絶縁膜上に形成された第2層間絶縁膜とを有するプレ
ーナ型の薄膜トランジスタ;前記第2層間絶縁膜上に配
置されるとともにこの第2層間絶縁膜に開口されたコン
タクトホールを通して前記ドレイン電極と接続された画
素電極;前記アンダーコート層と前記第1のガラス基板
の間に前記活性層に対向するように形成された、半導体
物質、SiCおよび非晶質炭素から選ばれた少なくとも
1種の材料と無機絶縁性化合物とからなる遮光膜;第2
のガラス基板;前記第2のガラス基板上に形成された共
通電極;前記第1のガラス基板と前記第2のガラス基板
との間に保持された液晶材;の各構成を具備したことを
特徴とする液晶表示素子。 - 【請求項2】 前記半導体物質はB、Ge、Si、Te
またはSeであることを特徴とする請求項1記載の液晶
表示素子。 - 【請求項3】 第1のガラス基板;前記第1のガラス基
板上に形成された絶縁材料からなるアンダーコート層
と、このアンダーコート層上に形成された半導体物質の
活性層と、この活性層上に順次形成されたゲート絶縁
膜、ゲート電極および第1層間絶縁膜と、この第1層間
絶縁膜上に形成されるとともに前記ゲート絶縁膜および
第1層間絶縁膜を貫通して前記活性層に互いに電気的に
分離して接続されたソース電極およびドレイン電極と、
これらソース電極およびドレイン電極を含む前記第1層
間絶縁膜上に形成された第2層間絶縁膜とを有するプレ
ーナ型の薄膜トランジスタ;前記第2層間絶縁膜上に配
置されるとともにこの第2層間絶縁膜に開口されたコン
タクトホールを通して前記ドレイン電極と接続された画
素電極;前記アンダーコート層と前記第1のガラス基板
の間に前記活性層に対向するように形成された、組成比
率(Si/O)が1.0以上5.0以下であるSiとO
からなる遮光膜;第2のガラス基板;前記第2のガラス
基板上に形成された共通電極;前記第1のガラス基板と
前記第2のガラス基板との間に保持された液晶材;の各
構成を具備したことを特徴とする液晶表示素子。 - 【請求項4】 前記Siは、非単結晶Siであることを
特徴とする請求項3記載の液晶表示素子。 - 【請求項5】 第1のガラス基板;前記第1のガラス基
板上に形成された絶縁材料からなるアンダーコート層
と、このアンダーコート層上に形成された半導体物質の
活性層と、この活性層上に順次形成されたゲート絶縁
膜、ゲート電極および第1層間絶縁膜と、この第1層間
絶縁膜上に形成されるとともに前記ゲート絶縁膜および
第1層間絶縁膜を貫通して前記活性層に互いに電気的に
分離して接続されたソース電極およびドレイン電極と、
これらソース電極およびドレイン電極を含む前記第1層
間絶縁膜上に形成された第2層間絶縁膜とを有するプレ
ーナ型の薄膜トランジスタ;前記第2層間絶縁膜上に配
置されるとともにこの第2層間絶縁膜に開口されたコン
タクトホールを通して前記ドレイン電極と接続された画
素電極;前記アンダーコート層と前記第1のガラス基板
の間に前記活性層に対向するように形成された、半導体
物質、SiCおよび非晶質炭素から選ばれた少なくとも
1種の材料と無機絶縁性化合物とからなる遮光膜;第2
のガラス基板;前記第2のガラス基板上に形成された共
通電極;前記第1のガラス基板と前記第2のガラス基板
との間に保持された液晶材;の各構成を具備した液晶表
示素子の製造方法において、 前記遮光膜は、 処理容器内に、半導体物質、SiCおよび非晶質炭素か
ら選ばれた少なくとも1種の材料からなる第1スパッタ
ターゲットと、無機絶縁性化合物からなる第2スパッタ
ターゲットと、薄膜トランジスタおよび前記画素電極が
形成された前記第1のガラス基板とをそれぞれ配置する
工程;前記処理容器内にスパッタガスを導入した後、前
記第1スパッタターゲットに直流電力を供給し、前記第
2スパッタターゲットに高周波電力を供給して、前記各
スパッタターゲットをそれぞれスパッタリングすること
で、前記第1のガラス基板表面の前記薄膜トランジスタ
および前記画素電極が形成された側に、前記半導体物
質、前記SiCおよび前記非晶質炭素から選ばれた少な
くとも1種の材料と無機絶縁性化合物とからなる被膜を
形成する工程;形成された前記被膜をパターニングする
工程;の各工程によって形成されることを特徴とする液
晶表示素子の製造方法。 - 【請求項6】 前記被膜を形成する工程は、前記第1ス
パッタターゲットへ断続的に直流電力を供給することに
よって前記第1スパッタターゲットを断続的にスパッタ
リングすることを特徴とする請求項5記載の液晶表示素
子の製造方法。 - 【請求項7】 第1のガラス基板;前記第1のガラス基
板上に形成された絶縁材料からなるアンダーコート層
と、このアンダーコート層上に形成された半導体物質の
活性層と、この活性層上に順次形成されたゲート絶縁
膜、ゲート電極および第1層間絶縁膜と、この第1層間
絶縁膜上に形成されるとともに前記ゲート絶縁膜および
第1層間絶縁膜を貫通して前記活性層に互いに電気的に
分離して接続されたソース電極およびドレイン電極と、
これらソース電極およびドレイン電極を含む前記第1層
間絶縁膜上に形成された第2層間絶縁膜とを有するプレ
ーナ型の薄膜トランジスタ;前記第2層間絶縁膜上に配
置されるとともにこの第2層間絶縁膜に開口されたコン
タクトホールを通して前記ドレイン電極と接続された画
素電極;前記アンダーコート層と前記第1のガラス基板
の間に前記活性層に対向するように形成された、半導体
物質、SiCおよび非晶質炭素から選ばれた少なくとも
1種の材料と無機絶縁性化合物とからなる遮光膜;第2
のガラス基板;前記第2のガラス基板上に形成された共
通電極;前記第1のガラス基板と前記第2のガラス基板
との間に保持された液晶材;の各構成を具備した液晶表
示素子の製造方法において、 前記遮光膜は、 処理容器内に、半導体物質、SiCおよび非晶質炭素か
ら選ばれた少なくとも1種の材料からなる第1領域と無
機絶縁性化合物からなる第2領域とが互いに電気的に分
離して形成されたスパッタターゲットと、前記薄膜トラ
ンジスタおよび前記画素電極が形成された前記第1のガ
ラス基板とをそれぞれ配置する工程;前記処理容器内に
スパッタガスを導入した後、前記第1領域に直流電力も
しくは高周波電力を供給するとともに、前記第2領域に
高周波電力を供給して、前記各領域をそれぞれスパッタ
リングすることで、前記第1のガラス基板表面の前記薄
膜トランジスタおよび画素電極が形成された側に、前記
半導体物質、前記SiCおよび前記非晶質炭素から選ば
れた少なくとも1種の材料と無機絶縁性化合物からなる
被膜を成膜する工程;形成された前記被膜をパターニン
グする工程;の各工程によって形成されることを特徴と
する液晶表示素子の製造方法。 - 【請求項8】 前記被膜を形成する工程は、前記スパッ
タターゲットの前記第1領域へ断続的に直流電力を供給
することによって前記第1領域を断続的にスパッタリン
グすることを特徴とする請求項7記載の液晶表示素子の
製造方法。 - 【請求項9】 前記半導体物質は、B、Ge、Si、T
eまたはSeであることを特徴とする請求項5乃至請求
項8のうちのいずれか1項記載の液晶表示素子の製造方
法。 - 【請求項10】 第1のガラス基板;前記第1のガラス
基板上に形成された絶縁材料からなるアンダーコート層
と、このアンダーコート層上に形成された半導体物質の
活性層と、この活性層上に順次形成されたゲート絶縁
膜、ゲート電極および第1層間絶縁膜と、この第1層間
絶縁膜上に形成されるとともに前記ゲート絶縁膜および
第1層間絶縁膜を貫通して前記活性層に互いに電気的に
分離して接続されたソース電極およびドレイン電極と、
これらソース電極およびドレイン電極を含む前記第1層
間絶縁膜上に形成された第2層間絶縁膜とを有するプレ
ーナ型の薄膜トランジスタ;前記第2層間絶縁膜上に配
置されるとともにこの第2層間絶縁膜に開口されたコン
タクトホールを通して前記ドレイン電極と接続された画
素電極;前記アンダーコート層と前記第1のガラス基板
の間に前記活性層に対向するように形成された、半導体
物質、SiCおよび非晶質炭素から選ばれた少なくとも
1種の材料と無機絶縁性化合物とからなる遮光膜;第2
のガラス基板;前記第2のガラス基板上に形成された共
通電極;前記第1のガラス基板と前記第2のガラス基板
との間に保持された液晶材;の各構成を具備した液晶表
示素子の製造方法において、 前記遮光膜は、 処理容器内に、前記Siからなるスパッタターゲット
と、前記薄膜トランジスタおよび前記画素電極が形成さ
れた前記第1のガラス基板とをそれぞれ配置する工程;
前記処理容器内にO2 およびArのスパッタガスをそれ
ぞれ略同一の所定温度のもとでのガス流量比(O2 /A
r)を1.66乃至33.3%なる条件で導入した後、
前記スパッタターゲットに直流電力を400乃至100
0Wなる条件で供給してスパッタリングするとともに前
記O2 のスパッタガスとスパッタリングされた前記Si
とを反応させることで、前記第1のガラス基板表面の前
記薄膜トランジスタおよび前記画素電極が形成された側
に、組成比率(Si/O)が1.0以上5.0以下であ
るSiとOとからなる被膜を形成する工程;形成された
前記被膜をパターニングする工程;の各工程によって形
成されることを特徴とする液晶表示素子の製造方法。 - 【請求項11】 前記Siは非単結晶Siであることを
特徴とする請求項10記載の液晶表示素子の製造方法。 - 【請求項12】 前記被膜は形成された後、加熱処理さ
れることを特徴とする請求項5から請求項11いずれか
1項記載の液晶表示素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP392697A JPH09252142A (ja) | 1996-01-11 | 1997-01-13 | 液晶表示素子及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP304596 | 1996-01-11 | ||
JP8-3045 | 1996-01-11 | ||
JP392697A JPH09252142A (ja) | 1996-01-11 | 1997-01-13 | 液晶表示素子及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09252142A true JPH09252142A (ja) | 1997-09-22 |
Family
ID=26336542
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP392697A Pending JPH09252142A (ja) | 1996-01-11 | 1997-01-13 | 液晶表示素子及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09252142A (ja) |
-
1997
- 1997-01-13 JP JP392697A patent/JPH09252142A/ja active Pending
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