JPH09251863A - 電池とその製造方法 - Google Patents

電池とその製造方法

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JPH09251863A
JPH09251863A JP8057671A JP5767196A JPH09251863A JP H09251863 A JPH09251863 A JP H09251863A JP 8057671 A JP8057671 A JP 8057671A JP 5767196 A JP5767196 A JP 5767196A JP H09251863 A JPH09251863 A JP H09251863A
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JP
Japan
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positive electrode
negative electrode
polymer
battery
substance
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Withdrawn
Application number
JP8057671A
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Inventor
Fumio Takei
文雄 武井
Toru Takahashi
徹 高橋
Hiroaki Yoshida
宏章 吉田
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)
  • Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 負極物質、電解質および正極物質を、低廉な
手段により確実に密封した電池およびその製造方法、並
びに、デッドスペースが小さく、高容量の正極を有する
電池およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 負極物質、電解質および正極物質を、負
極と正極を保持する集電体箔を少なくとも2種の高分子
物質からなる接着性フィルムにより接合する。また、正
極物質としてアルカリ金属イオンを吸蔵可能な遷移金属
化合物、溶媒可溶性の導電性高分子物質および炭素系導
電材料の複合体を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池およびその製
造方法に関する。本発明は、特に、負極と正極を保持す
る集電体箔を高分子物質からなる接着性フィルムにより
接合した電池および正極物質として導電性材料の複合体
を用いた電池並びにそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロエレクトロニクス、とり
わけ半導体素子製造技術の顕著な進歩により、大規模集
積回路(VLSI)に代表される、高度に集積化された
高機能デバイスが実現されている。これを種々の装置の
制御系に採用することにより、電子機器において飛躍的
な小型化が達成され、各種産業のみならず、一般家庭に
おける家電製品の小型化および多機能化にも大きく貢献
している。
【0003】また、これらの電子機器は、自立した電源
装置を有し、商用電源等に頼ることなく動作可能な、い
わゆるコードレス化の方向に進んでおり、電源装置とし
ては一般に電池が用いられている。そこで、電子機器全
体の小型軽量化あるいは装置の長時間のオペレーション
を可能にするために、高性能な電池の開発が求められて
いる。
【0004】電子機器全体の小型軽量化に適したものと
して、近年、導電性高分子物質を正極活物質とし、高分
子固体電解質を電解質とし、そしてアルカリ金属などを
負極材料として用いた電池が注目されている。それは、
アルカリ金属および有機質である導電性高分子物質は軽
量であり、これらの材料からなる電極は高分子固体電解
質とのマッチングがよく、優れた柔軟性を有するため
に、電池自体の加工性に優れている等の特長を有するか
らである。さらに、これらの材料からなる電池を薄い板
状に加工することで、柔軟性を有する、厚み1mm程度以
下のシート状電池を得ることができる。このシート状電
池によって、従来では実装不可能であった箇所に、電池
を実装することが可能となり、装置の総合的な小型化を
達成することができる。
【0005】しかるに、従来、正極活物質に導電性高分
子物質を用い、負極材料にアルカリ金属などを用いた電
池においては、反応性の極めて高いアルカリ金属に対
し、空気中の水分や酸素、窒素などの物質の接触を避け
るため、ステンレスの缶などを使用していた。すなわ
ち、ハーメチックシールに代表されるように、圧入また
は溶接によって、電池の構成物質を入れたステンレスな
どの金属の容器を密閉することにより、空気中の反応性
物質の浸入を防いでいた。また、アルミ箔などの金属箔
を使用し、その一部に電極の露出する穴を設けることに
より、平面状の電池を形成することも考案されている。
何れにしても、空気中からの水などの物質の浸入を防ぐ
には、高度なシール技術が要求されている。
【0006】従って、前記の構成、例えば、金属缶など
を使用する方法においては、金属缶そのものの剛性が高
い上、ゴムなどでできたシール部分に応力がかかるとシ
ール部の変形によってシール性が低下するという問題が
あった。このため、電極および電解質の工夫によって薄
いシート状に加工ができたとしても、電池全体としては
シート状にすることが難しかったのである。
【0007】一方、アルミ箔等の金属箔に高分子物質を
塗布した、いわゆるラミネートフィルムを使用してシー
ト状電池を構成した場合、シート状電池の表面に電極の
露出孔を設ける必要から、この部分のシールを再び行う
必要があり、シール方法が複雑になるという問題があ
り、電池の低コスト化に対して障害となっていた。ま
た、外装材料を金属箔とし、これを直接正極および負極
の集電体として作用させる方法も考えられる。この場
合、集電体は、適当な接着性を有する接着性フィルムに
より張り合わせられるが、一般の接着性フィルムは機械
的強度が小さいため、製造時の圧力過剰によって正極側
と負極側の金属箔が接触して短絡事故を起こす可能性が
ある。
【0008】また、従来、二次電池用の正極材料には、
コバルト酸化物、バナジウム酸化物、ニッケル酸化物、
ニオブ酸化物等のアルカリ金属イオンを吸蔵可能な遷移
金属化合物からなる正極活物質の粉末と、ポリテトラフ
ルオロエチレン等の結着材および炭素系の導電材料とを
混練し、圧延して得られる複合体が用いられていた。あ
るいは、例えば、特開昭63−25984、特開平3−
289067などに開示されているように、ポリアニリ
ンやポリピロールなどの導電性高分子物質またはアルカ
リ金属イオンを吸蔵可能な遷移金属化合物粉末と導電性
高分子物質とからなる複合体が正極材料として用いられ
ていた。かかる場合、一般には、負極に対してはリチウ
ムなどのアルカリ金属やその合金またはアルカリ金属イ
オンを吸蔵可能な炭素系化合物が用いられ、また電解質
としては六沸化リン酸リチウムや四沸化ほう酸リチウム
等のアルカリ金属塩をプロピレンカーボネート、γ−ブ
チロラクトンなどの非水系極性溶媒等に溶解させた有機
電解液が用いられていた。このようにして、正負両極を
電解質で接続すると、両極の化学ポテンシャルの差に基
づく電圧が出力され、両極を外部回路に接続することで
電流が出力されるのである。
【0009】しかるに、従来のアルカリ金属イオンを吸
蔵可能な遷移金属化合物を正極活物質として用いる場
合、正極活物質の粉末をポリテトラフルオロエチレン等
の結着材およびカーボン等の導電材料と混練し、圧延し
て成形する必要があった。このため、電極の酸化還元反
応に寄与しない結着材および導電材料が正極体積の20
〜40%を占め、いわゆるデッドスペースが大きく、放
電容量を増大させることが困難であった。また、シート
型の正極を作製するためには混練、圧延などの作製工程
が多くなり、電極作製に長時間を要していた。
【0010】また、アルカリ金属イオンを吸蔵可能な遷
移金属化合物と導電性化合物とからなる複合正極におけ
る正極の導電性は、ドーピングされた導電性高分子物質
によって付与されているが、電池の放電時には導電性高
分子物質が脱ドープして正極の導電率が低下する。この
ため、電池の内部インピーダンスが増加し、放電容量を
向上させることが困難であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明は、上
記の如き従来技術の問題点を解決するため、負極物質、
電解質および正極物質を、低廉な手段により確実に密封
した電池およびその製造方法を提供しようとするもので
ある。本発明は、また、デッドスペースが小さく、高容
量の正極を有する電池およびその製造方法を提供しよう
とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、負極物質、電解質および正極物質を含み、
これらの物質を、負極と正極を保持する集電体箔を少な
くとも2種の高分子物質からなる接着性フィルムにより
接合することにより密封したことを特徴とする電池を提
供する。本発明に従えば、この電池は、負極と正極を保
持する集電体箔を少なくとも2種の高分子物質からなる
接着性フィルムにより接合することにより負極物質、電
解質および正極物質を密封することを含む方法により製
造することができる。
【0013】本発明は、また、負極物質、電解質および
正極物質を含み、前記正極物質としてアルカリ金属イオ
ンを吸蔵可能な遷移金属化合物、溶媒可溶性の導電性高
分子物質および炭素系導電材料の複合体を用いたことを
特徴とする電池を提供する。この電池は、また、本発明
に従い、溶媒中、アルカリ金属イオンを吸蔵可能な遷移
金属化合物、前記溶媒に可溶な導電性高分子物質および
炭素系導電材料の混合液を流延もしくは塗布した後、溶
媒を除去し、乾燥して製膜することにより、正極を形成
すること含む方法により製造することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の好ましい実施態様について説明する。図1は、本発
明に係る電池の一実施態様の構成を示す模式断面図であ
る。図中、1は正極物質、2は非水系電解質、3は負極
物質、4は外装材料すなわちそれぞれ正極と負極とを保
持する集電体箔、5は外装材料同士を接着する接着性高
分子フィルムである。また、図2は、図1における接着
性高分子フィルム5の一例を示す模式断面図である。接
着性高分子フィルム5は、第1の高分子材料51と第2
の高分子材料52から構成されている。
【0015】図1において、正極物質には、ポリアニリ
ン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン
や、あるいはこれらの誘導体など、いわゆる導電性高分
子物質と呼ばれる一群の物質を用いることができる。こ
れらの正極物質により正極を形成するには、かかる物質
の溶液を塗布もしくは展延し、乾燥することにより製膜
する、いわゆるキャスト法や、これらの高分子物質を構
成する単量体の溶液中で電気分解により製膜する、いわ
ゆる電解重合法を用いることができる。あるいは、コバ
ルト酸リチウム、五酸化バナジウムなど、リチウム吸蔵
能のある酸化物などの物質を用いることもできる。この
場合は、前記の導電性高分子物質と複合化したり、導電
材(カーボン)およびフッ素樹脂バインダとの複合化に
よりシート化して用いることができる。
【0016】一方、負極には、還元性の大きい、すなわ
ち容易に酸化される性質を有する金属が使用され、アル
カリ金属、望ましくはリチウムまたはリチウム/アルミ
ニウム合金が使用される。また、さらに、使用時の安全
性を向上させ、充放電サイクル寿命を延長するために、
リチウム吸蔵能力を有するカーボン材料を用いてもよ
い。
【0017】非水系電解質には、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピリジン、ポリ
塩化ビニル、ポリビニルアルコールなどの、比誘電率が
高く、無機塩が容易にそのマトリクス中で解離でき、か
つイオンの輸送が速やかに生じる固体電解質系を用いる
ことができる。この系に、プロピレンカーボネート、エ
チレンカーボネート、γ−ブチロラクトンなどの有機溶
媒を添加し、よりイオンの輸送性を向上させることもで
きる。
【0018】また、プロピレンカーボネート、エチレン
カーボネート、γ−ブチロラクトンなどの有機溶媒に過
塩素酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、トリ
フロロメタンスルホン酸リチウムなどの無機塩を溶解し
てなる非水系電解質溶液を電解質として用いてもよい。
外装材料としては、アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、ステ
ンレスなどの薄い箔を用いることができる。箔の厚み
は、10μm〜500μm、望ましくは20μm〜30
0μmであるのが好ましい。また、この箔は、正極材料
および負極材料に対して集電体として作用し、正極材料
および負極材料に適した材質とすることができるため、
正極側と負極側で異なる材質とすることもできる。
【0019】接着性高分子フィルムとしては、機械的強
度の高い第1の高分子物質と、金属との接着性の良好な
第2の高分子物質の複合体が好ましい。第2の高分子物
質は、さらに、接着すべき金属材料との適合性を向上さ
せるために、正極側と負極側とで異なる物質を用いるこ
ともできる。第1の高分子物質としては、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、高密度ポリオレフィン、ポリア
ミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリエーテルスル
ホン、ポリオキシメチレン、セルロース系高分子(アセ
チルセルロース、エチルセルロースなど)などを用いる
ことができる。その厚みは5μm〜500μm、望まし
くは10μm〜200μmであるのが好ましい。これら
は、融点が100℃以上で、剪断応力が1MPa 以上の高
分子物質であるのがよい。一方、第2の高分子物質とし
ては、低融点ポリオレフィン、アルキル変成ポリオレフ
ィン、エステル変成ポリオレフィン、エポキシ変成ポリ
オレフィン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニル
アルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレ
タン系高分子などの、いわゆる熱可塑性高分子物質を用
いることができる。これら第2の高分子物質の層の厚み
はそれぞれ1μm〜100μm、望ましくは5μm〜5
0μmであるのが好ましい。層の形成方法としては、所
望の層厚に応じて、バーコート法、ドクターブレード
法、ディップコート法、スピンコート法などの一般的な
形成方法を適用することができる。この高分子物質の融
点は、80〜200℃、好ましくは100〜180℃の
範囲にあり、電熱線、赤外線、熱風または適当な熱媒体
との接触により、短時間に溶融するものであるのがよ
い。この高分子物質層の面を接着すべき金属箔に対向さ
せ、前記の手段により加熱溶融しながら圧力を印加する
ことによって、高分子物質が溶融し、冷却することで金
属面に融着する。また、第2の高分子物質として、熱可
塑性高分子物質の代わりに、圧力の印加によって接着す
る、いわゆる感圧型接着剤となる層を塗布してもよい。
あるいは、熱を与えることにより硬化反応を開始する、
熱硬化型接着剤となる高分子物質を用いてもよい。
【0020】上記の如き本発明においては、正極および
負極の外装材同士の接触によるショートの可能性が小さ
くなり、信頼性が高く、かつ、生産性の高い製造工程が
実現できる。また、接着層が高分子物質であるため、柔
軟性および可とう性の高い電池を作製することが可能に
なり、電池素子に対する付加価値を高めることができ
る。
【0021】図3は、本発明の電池の他の実施態様を示
す模式断面図である。図中、11は正極物質、12は電
解質、13は負極金属、14は正極集電体、15は正極
リード、16は負極集電体、17は負極リード、そして
18はラミネート封止材である。正極活物質としては、
Lix CoO2 ,V2 5 ,MnO2 ,Nb2 5 ,T
iS2 ,MoS2 ,NbSe3 などを用いることができ
る。また、導電性高分子としては、N−メチル−2−ピ
ロリドンに可溶のポリアニリン等を用いることができ
る。
【0022】この態様における正極は、例えば、以下の
ように作製する。正極活物質の粉末と導電性高分子物質
の溶液および炭素系導電材を混合し、集電体または基板
上に塗布後、溶媒を除去し、乾燥し、柔軟性のあるシー
ト状正極を得る。この場合、溶媒としてはN−メチル−
2−ピロリドン、テトラヒドロフラン、ニトロメタン、
アセトニトリル、プロピレンカーボネート等を用いるこ
とができる。また、炭素系導電材としては、アセチレン
ブラック、カーボンブラック、コークス、グラファイト
などを用いることができる。作製した正極中のポリアニ
リンは、プロトン酸ドーピング溶液に浸漬するか、また
は電気化学的にドーピングを行うことにより導電性を付
与する。
【0023】負極物質としては、還元性の大きい、すな
わち容易に酸化される性質を有するアルカリ金属および
その合金、望ましくはリチウムまたはリチウム/アルミ
ニウム合金が使用される。また、黒鉛などのアルカリ金
属イオンを吸蔵可能な炭素系化合物を用いることができ
る。電解質には、高分子固体電解質および有機電解液を
含浸したゲル状固体電解質が用いられる。高分子固体電
解質は、ポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイド
−プロピレンオキサイド共重合体、ポリアクリロニトリ
ル、アクリロニトリル−メタクリル酸メチル共重合体な
どの高分子化合物およびこれらの架橋体と、前記アルカ
リ金属塩などとの複合体、およびこれらを有機溶媒によ
って可塑化した複合体を用いることができる。ゲル状固
体電解質には、エチレンオキサイドをユニットとしたエ
ーテル系の高分子マトリックスや、ポリアクリロニトリ
ルなどに有機電解液を含浸したゲル状固体電解質が用い
られる。有機電解液は、アルカリ金属塩溶解能の大きい
非水系有機溶媒にアルカリ金属塩を溶解させて用いる。
非水系有機溶媒には、プロピレンカーボネート、エチレ
ンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、ジエチル
カーボネート、ジメチルカーボネート、γ−ブチロラク
トン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフ
ラン、1,3−ジオキソラン、アセトニトリル、および
これらの混合溶媒が用いられる。アルカリ金属塩として
は、LiClO4 ,LiBF4 ,LiCF3 SO3 ,L
iN(CF 3 SO3 2 ,LiPF6 ,LiAsF6
どが用いられる。
【0024】電池は、正極、電解質、負極および集電体
を接続し、正極リード、負極リードを取り出し、アルミ
ラミネートで封止して作製する。上記の方法によれば、
結着材および導電材として溶媒可溶性のポリアニリンを
用い、炭素系の導電材を混合することで、放電時の正極
の導電率低下を防ぎ、放電容量を増加させることができ
る。また、従来法と比較して、結着材および導電材含有
量を低減できるとともに、塗布法により作製できるた
め、従来法における混練、圧延または圧着等の作製工程
が不要であり、作製時間を短縮でき、効率的かつ容易に
作製できる。
【0025】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をさらに説明す
る。ただし、本発明は、これらの実施例により何ら限定
されるものではない。なお、下記の例において、「部」
は重量部を示す。 実施例1 1N塩酸酸性の0.2Mアニリン水溶液に、アニリンと
等モル量の過硫酸アンモニウムを添加し、−5℃で重合
させることにより、溶媒可溶性のポリアニリンを得た。
このポリアニリンをアンモニア水溶液中で煮沸還流し、
純水で洗浄し、加熱乾燥して、脱ドーピングされた酸化
体を得た。
【0026】このポリアニリン10部をN−メチル−2
−ピロリドン20部に溶解して得た溶液を、SUS−3
04のステンレス箔(厚み30μm)上に塗布し、12
0℃で1時間減圧乾燥して、厚み約100μmの正極を
形成した集電体を得た。次に、ポリエチレンオキサイド
(分子量20000)10部にアセトニトリル30部、
テトラフロロほう酸リチウム1部および炭酸プロピレン
5部を十分に攪拌混合したのち、速やかに前記のポリア
ニリン正極上に展延させ、80°で1時間減圧乾燥する
ことにより、正極と高分子固体電解質が密着した構造の
電池の半部品を形成した。
【0027】負極側には、負極金属としてリチウム箔
(厚み0.1mm)をSUS−304のステンレス箔(厚
み30μm)に圧着して、負極/集電体構造を形成し
た。接着性高分子フィルムとしては、第1の高分子物質
として、35μmの厚さのポリエステル(ポリエチレン
テレフタレート)フィルムを使用し、この両面に第2の
高分子物質として熱可塑性ポリウレタンを厚み20μm
に塗布したものを使用した。これを額縁状に成形し、前
記の正極および負極のステンレス面をこの接着性フィル
ムに接触させ、接着性フィルム部を150℃で5秒間、
圧力50kg/cm2 で加熱圧着して接着し、実施例1の電
池を得た。
【0028】実施例2 実施例1と同様に構成した電池要素を、第1の高分子物
質として20μmの厚さのポリイミドフィルムを使用
し、この両面に第2の高分子物質としてエポキシ系熱硬
化樹脂を厚み20μmに塗布したものを使用した。これ
を額縁状に成形し、前記の正極および負極のステンレス
面をこの接着性フィルムに接触させ、接着性フィルム部
を150℃で10秒間、圧力100kg/cm2 で加熱圧着
して接着し、実施例2の電池を得た。
【0029】実施例3 実施例1と同様に構成した電池要素を、第1の高分子物
質として50μmの厚さのポリアミドフィルムを使用
し、この両面に第2の高分子物質としてマイクロカプセ
ル感圧型樹脂を厚み20μmに塗布したものを使用し
た。これを額縁状に成形し、前記の正極および負極のス
テンレス面をこの接着性フィルムに接触させ、接着性フ
ィルム部を常温で10秒間、圧力150kg/cm2 で加熱
圧着して接着し、実施例3の電池を得た。
【0030】上記実施例1から実施例3の電池は、全て
柔軟性および可とう性に富み、繰り返し100回以上の
90°折り曲げでもシール性の低下は見られなかった。
また、正極リードと負極リードが、圧力により導通して
短絡することもなく、信頼性に優れた電極リードを電池
外部に導き出すことが可能であった。 実施例4 LiCoO2 粉末95部、還元型可溶性ポリアニリン
(10%N−メチル−2−ピロリドン希釈)5部および
カーボン粉末5部を混合後、ステンレス集電体上に塗布
し、120℃で真空乾燥を30分間行った。さらに、プ
ロピレンカーボネート97部、過酸化水素1.5部およ
びほう弗化水素酸1.5部の混合溶液中に15分間浸漬
し、エタノールで洗浄後、2時間真空乾燥を行い、正極
を作成した。このように作製した正極と、ポリエーテル
系架橋体に有機電解液を含浸させたゲル状固体電解質お
よび金属リチウムをステンレス集電体に圧着した負極と
を積層し、アルミラミネートにより真空封止して電池を
作製した。
【0031】比較例1 LiCoO2 粉末95部および還元型可溶性ポリアニリ
ン5部を混合後、ステンレス集電体上に塗布し、加熱真
空乾燥を30分間行った。さらに、プロピレンカーボネ
ート97部、過酸化水素1.5部およびほう弗化水素酸
1.5部の混合溶液中に30分間浸漬し、エタノールで
洗浄後、2時間真空乾燥を行って導電性を付与し、正極
を作製した。このように作製した正極と、実施例4に用
いたのと同じゲル状固体電解質および金属リチウムをス
テンレス集電体に圧着した負極とを積層し、アルミラミ
ネートにより真空封止して電池を作製した。
【0032】図4に上記実施例4および比較例1で作製
した電池の放電特性を示す。この図から、正極活物質へ
の炭素系導電材の添加によって放電容量を増加できるこ
とがわかる。 比較例2 LiCoO2 粉末75重量部、ポリテトラフルオロエチ
レン粉末12.5重量部およびカーボン粉末12.5重
量部を乳鉢で混練し、ふるいで造粒した後、仮成形しス
テンレス集電体上に圧着した。これを、150℃で真空
乾燥4時間行い正極を作製した。得られた粒状混合物を
圧力30kgf/cm2 で仮成形した。次いで、所定の
寸法に裁断して300kgf/cm2 の圧力下にステン
レス集電体上に圧着した後、2時間真空乾燥を行って、
正極を得た。
【0033】実施例1によれば、正極中の活物質量は9
5%であり、従来法の75%と比較して20%近く増加
させることができる。また、実施例4では、比較例2の
方法に比較して、正極の作製時間を50〜60%に短縮
できる。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、電池の薄型化ととも
に、容易に信頼性の高いシールを実現することが可能と
なり、電池の高信頼化と工程の簡略化による低廉化に対
する効果が大きい。また、本発明によれば、正極の導電
率低下を防ぎ、高容量の電池を構成することができ、電
池の長時間オペレーションを大きく向上させることがで
きる。また、塗布法によってシート状の正極を作製する
ことができ、作製時間を大きく短縮可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電池の一実施態様の構成を示す模
式断面図。
【図2】図1の電池における接着性高分子フィルムの一
例を示す模式断面図。
【図3】本発明の電池の他の実施態様を示す模式断面
図。
【図4】実施例4および比較例1で作製した電池の放電
特性を示す図。
【符号の説明】
1…正極物質 2…非水系電解質 3…負極物質 4…外装材料 5…接着性高分子フィルム 11…正極物質 12…電解質 13…負極金属 14…正極集電体 15…正極リード 16…負極集電体 17…負極リード 18…ラミネート封止材 51…第1の高分子材料 52…第2の高分子材料

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負極物質、電解質および正極物質を含
    み、これらの物質を、負極と正極を保持する集電体箔を
    少なくとも2種の高分子物質からなる接着性フィルムに
    より接合することにより密封したことを特徴とする電
    池。
  2. 【請求項2】 前記高分子物質の少なくとも1種が、1
    00℃以上の融点および1MPa 以上の剪断応力を有す
    る、請求項1記載の電池。
  3. 【請求項3】 前記高分子物質の少なくとも1種が、熱
    可塑性高分子物質、感圧接着性を有する複合高分子物質
    または熱硬化性高分子物質である、請求項1記載の電
    池。
  4. 【請求項4】 負極と正極を保持する集電体箔を少なく
    とも2種の高分子物質からなる接着性フィルムにより接
    合することにより負極物質、電解質および正極物質を密
    封することを含む電池の製造方法。
  5. 【請求項5】 負極物質、電解質および正極物質を含
    み、前記正極物質としてアルカリ金属イオンを吸蔵可能
    な遷移金属化合物、溶媒可溶性の導電性高分子物質およ
    び炭素系導電材料の複合体が用いられ、前記負極物質が
    アルカリ金属、アルカリ金属化合物またはアルカリ金属
    イオンを吸蔵可能な炭素系化合物であることを特徴とす
    る電池。
  6. 【請求項6】 負極物質、電解質および正極物質を含む
    電池を製造するに当たり、溶媒中、アルカリ金属イオン
    を吸蔵可能な遷移金属化合物、前記溶媒に可溶な導電性
    高分子物質および炭素系導電材料の混合液を流延もしく
    は塗布した後、溶媒を除去し、乾燥して製膜することに
    より、正極を形成すること含む電池の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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