JPH09250928A - 角速度検出装置 - Google Patents

角速度検出装置

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JPH09250928A
JPH09250928A JP8057328A JP5732896A JPH09250928A JP H09250928 A JPH09250928 A JP H09250928A JP 8057328 A JP8057328 A JP 8057328A JP 5732896 A JP5732896 A JP 5732896A JP H09250928 A JPH09250928 A JP H09250928A
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JP
Japan
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vibration
angular velocity
detection
circuit
excitation
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JP8057328A
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English (en)
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Akihiro Kobayashi
林 聡 宏 小
Katsuyoshi Mizumoto
元 克 芳 水
Takeshi Okumura
村 健 奥
Isao Hagiwara
原 勲 萩
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 角速度ωに応じて検出電極6aに現われる電
圧S11の角速度ω対応の位相ずれに基づいた角速度検
出の安定化と精度向上。低域の角速度ωの検出精度の向
上。 【解決手段】 圧電振動子(2),該圧電振動子を加振す
るための励振電極(5a,5b),これに励振電圧を与える励
振回路(26),圧電振動子の、該加振による振動状態に作
用する角速度によって引き起こされる振動の節点もしく
はその近傍に装着された振動検出電極(6a,6b/7a,7b)、
および、振動検出電極に現われる電圧の位相ずれを検出
する位相差検出回路(13,14,23,24,31〜33)、を備える角
速度検出装置において、前記振動の腹点又は節点に、重
り(Qa〜Qd)又は切欠き(Ra〜Rd)を付けて、角速度により
発生するコリオリ力によって引き起こされる振動系と検
出系の共振周波数を異った値とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大略で言うと、角
続度が発生したときに生じるコリオリ力によって生じる
振動とは異なる方向の振動を検出し、該角速度を検出す
る装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、圧電振動子を用いて回転角速度
を検出する装置に関する技術が、特開平5−24064
9号公報,特開平5−288555号公報,および英国
特許出願公報GB2266149Aに開示されている。
これらにおいては、圧電振動子をそれの固有振動数と一
致する周波数で振動するように共振点で駆動する。振動
子の、この固有振動の節点には検出電極を設置してお
り、検出電極に発生する電圧より固有振動成分を除去し
た信号を角速度信号として得る。検出電極は固有振動の
節点にあるので、理論上は、振動子に角速度が加わって
いないときには検出電極には電圧が現われない。振動子
に、加振点(腹点:励振電極がある)から節点(検出電
極がある)に加かう方向又はその逆方向の角速度が加わ
ると、コリオリ力が振動子に加わり振動方向がコリオリ
力の方向(角速度の方向)にねじれる。このようにねじ
れた振動の節点が検出電極からずれるので、検出電極に
電圧が発生する。すなわちコリオリ力(角速度)に対応
する振動電圧が検出電極に発生する。この振動電圧のレ
ベルならびに励振電圧に対する位相ずれが、コリオリ力
(角速度)に対応した値となる。実際には、検出電極に
かなりの広がりがありしかも微視的に見ると検出電極の
中心が前記励振による固有振動の節点と完全に一致しな
いので、検出電極には、コリオリ力相当の電圧のみなら
ず、励振による固有振動による電圧も発生する。したが
って、検出電極に発生する電圧より、固有振動成分を除
去している。
【0003】ところで、圧電振動子の固有振動数は、周
囲温度などの影響によって変動する。従って、温度変化
の生じる環境において一定の周波数で振動子を駆動する
場合には、振動子の振動状態を共振点に維持できない。
圧電振動子の振動状態が共振点からずれると、励振振動
の振幅が変動し、角速度と検出電圧レベルおよび位相ず
れとの関係に誤差が生じる。
【0004】そこで例えば英国特許出願公報GB226
6149Aにおいては、PLL(位相同期ル−プ)回路
を用いて、振動子の振動状態を共振点に維持するように
制御している。即ち、振動子の駆動電圧印加端子の信号
と、振動子の帰環電圧取出端子の信号との位相差が90
度になるように、VCO(電圧制御発振器)の発振周波
数を自動的に調整している。特願平6−127847号
においては、ROMを用いた正弦波関数発生器に与える
クロックパルス(アドレスカウント用のパルス)の周波
数をPLL回路でシフトして、振動子の励振を固有振動
数に収束させる。特願平6−241101号において
は、振動子のフィ−ドバック励振ル−プに、バイアス電
圧により共振周波数及び移相量が変化するバンドパスフ
ィルタを介挿し、このバイアス電圧を励振電圧と帰還電
圧の位相差に対応して変化させて、振動子の励振を固有
振動数に収束させる。このように、振動子の励振を自動
的に固有振動数に合せることにより、角速度に対する検
出電圧レベルおよび位相ずれの変動が少くなり、検出精
度が安定する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、振動子の対
称性が高い場合、振動子に加わる角速度に対応して検出
電極に発生する電圧に位相ずれを生じなくなり、検出電
極の電圧レベルに基づいた角速度検出は可能であるが、
位相ずれに基づいた角速度検出が難かしくなる。本発明
は位相ずれに基づいた角速度検出を安定して行なうこと
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】振動子の対称性が高い場
合、位相ずれに基づいた角速度検出が難かしくなる原因
を検討した。まず、この原因を、円筒状の圧電素子を用
いる、図4および図1に示すセンサ素子10を例に、説
明する。
【0007】図4を参照すると、センサ素子10の円筒
状圧電体2(振動子)はその下端で、上端が円板でその
下面に丸棒状の脚が連続した素子台と一体に成形されて
いる。円筒状圧電体2の外周面の略上半分は回路基準電
位に接続される基準電位電極3aで覆われているが、外
周面の下半分領域には、略45度ピッチで、8個の同一
形状の電極セグメントが接合されている。円筒状圧電体
2の内周面は、電極3aと同電位(回路基準電位)の基
準電位電極3bで覆われている。
【0008】図1に示す電気回路接続において、8個の
電極セグメントの内、第1直径方向D1で相対向する1
対の電極セグメント4aおよび4bがフィ−ドバック電
極、D1と直交する第2直径方向D2で相対向する1対
の電極セグメント5aおよび5bは励振電極、D1とD
2の2等分線方向すなわちD1より45度の方向である
第3直径方向D3近傍で相対向する第1組の1対の電極
セグメント6aおよび6bは検出電極である。D3と直
交する第4直径方向D4近傍で相対向する第2組の1対
の電極セグメント7aおよび7bも検出電極である。
【0009】発振回路によって生成される交流電圧が、
センサ素子10の励振電極5a,5bと基準電位電極3
a,3bとの間に印加され、それによって円筒状圧電体
2が変形し振動する。また円筒状圧電体2の振動によっ
てフィ−ドバック電極4a,4bに現われる信号が、発
振回路にフィ−ドバックされる。フィ−ドバックされる
信号を利用して、発振回路は円筒状圧電体2がそれの共
振周波数fmと一致する周波数で振動するように、出力
信号の周波数を自動的に調整する。
【0010】発振回路に電源が投入されると、ある電圧
が、励振電極5a,5bと基準電位電極3の間に加わ
り、これにより円筒状圧電体2が第2直径方向D2で広
がる。又は縮小する。この変形によりフィ−ドバック電
極4a,4bと基準電位電極3a,3bの間に、ある電
圧が発生する。円筒状圧電体2が共振周波数fmで、第
2直径方向D2に、拡大/縮小振動する時の振動の縮小
ピ−クでの円筒状圧電体2を、図4に誇張して点線2B
で示し、拡大ピ−クでの円筒状圧電体2を、図4に誇張
して二点鎖線2Aで示す。
【0011】図4から分かるように、第2直径方向D2
の拡大/縮小は第1直径方向D1の縮小/拡大であり、
D2方向の縮小ピ−クにD1方向の拡大ピ−クが対応す
る。したがってこの例では、円筒状圧電体2は、十字方
向(D1&D2)に振動する。
【0012】上述のように円筒状圧電体2が十字方向
(D1&D2)に振動しているとき(図4の2点鎖線2
A&点線2B)、検出電極6a,6b,7a,7bは、
振動の節近傍に位置するので、それらと基準電位電極3
a,3bとの間に電圧は実質上小さい。
【0013】円筒状圧電体2が回転すると、例えば図5
に示すように時計方向ωに回転すると、この回転と円筒
状圧電体2の振動によりコリオリ力F1〜F4が発生
し、これにより円筒状圧電体2の振動方向(D2)が、
例えば図4に2点鎖線2Dで示すように、第4直径方向
D4にねじれて(回転して)、検出電極6a,6bの電
圧がが変化する。
【0014】ここで、D2方向の振動を与える電極5
a,5bおよびそれに接続された電気回路を加振系と称
し、D3方向の振動を検出する電極6a,6bおよびそ
れに接続された電気回路を第1検出系と称し、D4方向
はD2方向に関してD3方向と対称であり、D4方向の
振動を検出する電極7a,7bおよびそれに接続された
電気回路を第2検出系と称す。
【0015】ここで、加振系の振動をモ−ドIと、第1
および第2検出系の振動をモ−ドIIと称し、モ−ドIの
振動をAsin(ψ1t+a)で、モ−ドIIの振動をBsin
(ψ2t+b)で、角速度ωが作用しているときの振動
をCsin(ψ3t+c)と表わし、この振動Csin(ψ3
+c)が、モ−ドIの振動Asin(ψ1t+a)とモ−ド
IIの振動Bsin(ψ2t+b)の合成であるとすると、 Asin(ψ1t+a)+Bsin(ψ2t+b)=Csin(ψ3t+c) ・・・(1) C=√〔A2+B2+2ABcos(b−a)〕 ・・・(2) c=ア−クtan〔(Asina+Bsinb)/(Acosa+Bcosb)〕 ・・・(3) であり、加振系と、第1および第2検出系の振動の周波
数が同一のときには角速度ω対応の位相変化(cの変
化)は現われず、異なるとき、すなわち、a≠bのと
き、角速度ω対応の位相変化(cの変化)を生ずる。な
お、第1検出系の振動の位相変化と第2検出系の振動の
位相変化の方向は逆である。加振系と検出系の共振周波
数差と、角速度ω対応の位相ずれの関係を図8に示す。
【0016】図8上の実線曲線は角速度ωが90°/secの
ときのもの、点線曲線は20°/secのときのものである。
共振周波数差がほとんどないときには位相ずれが検出で
きないが、共振周波数差が略10Hz以上で位相ずれが
検出できる。位相ずれが検出できる限り、角速度ωの変
化に対する位相ずれは、共振周波数差が小さいほど大き
い。例えば、共振周波数差Δf≒16Hzにすると、角
速度ωが90°/secから20°/secに、又はその逆に変化す
るとき、位相ずれの変化量は、略15°となり、角速度
検出の分解能が高く、低域の角速度の検出精度が向上す
る。
【0017】そこで本発明は、振動子(2),該振動子を
加振するための励振電極(5a,5b),これに励振電圧を与
える励振回路(26),前記振動子の、該加振による振動の
節点もしくはその近傍に装着された振動検出電極(6a,6b
/7a,7b)、および、該振動検出電極に現われる電圧の位
相ずれを検出する位相差検出回路(13,14,23,24,31〜3
3)、を備える角速度検出装置において、前記振動子(2)
を、前記励振電極(5a,5b)による加振の方向(D2,D1)の共
振周波数と、前記振動検出電極(6a,6b/7a,7b)の検出感
度が最も高い振動方向(D3,D4)の共振周波数とを異にし
たものとする。なお、理解を容易にするためにカッコ内
には、図面に示し後述する実施例の対応要素又は対応事
項の記号を、参考までに付記した。
【0018】これによれば、加振系の共振周波数と振動
検出系の共振周波数とが異なるので、加振系と、角速度
ω対応の位相ずれが振動検出電極(6a,6b/7a,7b)に現わ
れ、位相ずれに基づいた角速度の検出が可能となり、低
域の角速度の検出精度が高くなる。
【0019】振動子(2)の共振周波数fは、振動子の質
量をmとし、ばね係数をkとすると、 f=(1/2π)√(k/m) ・・・(4) で表わされ、質量mを変えることにより、共振周波数f
が変わる。そこで本発明の最も代表的な例では、前記振
動子(2)は、その中心軸に関して対称な形状とし、励振
電極(5a,5b)の中心点と該中心軸とを含む平面と交わる
位置に、励振電極(5a,5b)による加振の方向の共振周波
数を定めるための質量変更手段(Qa,Qb/Ra,Rb)を有する
ものとする。あるいは、振動検出電極の中心点と該中心
軸とを含む平面と交わる位置に、振動検出電極の検出感
度が最も高い振動方向の共振周波数を定めるための質量
変更手段を有するものとする。質量変更手段は、振動子
に添加した重り(Qa,Qb)、又は、振動子の切欠き(Ra,Rb)
である。
【0020】これによれば、振動子(2)の、励振電極(5
a,5b)による加振(D2,D1)に対する質量と、振動検出電極
の検出感度が最も高い振動方向の振動に対する質量が相
違するので、加振系と検出系の共振周波数が相違し、角
速度ω対応の位相ずれが振動検出電極(6a,6b/7a,7b)に
現われ、位相ずれに基づいた角速度の検出が可能とな
り、低域の角速度の検出精度が高くなる。
【0021】図1および図4に示すように振動子2が円
筒状であってその周面に励振電極5aおよび検出電極6
aを備える場合には、励振電極5aにより、該平面に沿
う直径方向D2のみならずそれと直交する方向D1に振
動するので、すなわち十字方向に振動するので、この十
字方向の4点に質量変更手段(Qa〜Qd/Ra〜Rd)を設け
て、振動を安定(バランス)したものとする。同様な意味
で、振動検出電極の検出感度が最も高い振動方向の共振
周波数を定めるための質量変更手段を備える場合にも、
4点に質量変更手段を設ける。
【0022】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0023】
【発明の実施の形態】
【0024】
【実施例】
−第1実施例− 図1および図4に本発明の第1実施例を示す。まず、図
4を参照されたい。円筒状圧電体2は、その中心軸(図
1において紙面に垂直、図4において紙面に平行)に関
して対称な形状であり、励振電極5a,5bの中心点と
該中心軸とを含む平面が圧電体2の上端の周縁と交わる
位置、ならびに、該平面に直交する平面が圧電体2の上
端の周縁と交わる位置、すなわち、周縁レベルの第1直
径方向D1,第2直径方向D2の延長線が周縁と交わる
位置に、各1個、計4個の、実質上同一の重さの重り
(ウエイト)Qa,Qb,Qc,Qdが固着されてい
る。さらに詳しく述べると、金属片であるこのウエイト
Qa,Qb,Qc,Qdは、その側面が円筒状圧電体2
の周面に沿って湾曲しており、円筒状圧電体2の上端部
の外周面に固着されている。そして、その上端部は円筒
状圧電体2の上端面に沿って円筒状圧電体2の軸心方向
に向って延びている。ウエイトQa,Qbは第1直径方
向D1の延長線上すなわち励振電極5a,5bの上方に
配置され、ウエイトQc,Qdは、第2直径方向D2の
延長線上すなわちフィ−ドバック電極4a,4bの上方
に配置されている。
【0025】ところで、主振動(D2)と副振動(D
1)は、位相が180度異るが、振動周波数fは同一で
あり、上記(4)式で表されるが、ウェイトQa,Qb,
Qc,Qdがあり、その分質量が大きいので、共振周波
数fが低い。つまり、第1検出系の検出感度が最も高い
D3方向と第2検出系の検出感度が最も高いD4方向の
振動の共振周波数は、ウェイトQa,Qb,Qc,Qd
が無い場合の円筒状圧電体2の固有振動数と実質上同一
であるが、主振動(D2)と副振動(D1)は、該固有
振動数よりも低く、この実施例では、該固有振動数に対
してΔf≒16Hz(図8に示すΔfの値)分低くなる
ように、ウェイトQa,Qb,Qc,Qdの重さを定め
ている。
【0026】励振電極5a,5bと基準電位電極3a,
3bの間に電圧が加わり、円筒状圧電体2が図5に点線
および2点鎖線で示されるように第1直径方向D1およ
び第2直径方向D2方向に振動(主振動)すると、各ウ
エイトの配置されている位置はその振動の腹になる。し
かし、検出電極6a,6b,7a,7bは該振動の節の
位置にあるので、ウエイトQa,Qb,Qc,Qdは主
振動に対してはその振動周波数を低くするように作用す
るが、検出電極6a,6b,7a,7bの検出感度が最
も高いD3,D4方向の振動に対しては、実質上増加質
量として作用しない。
【0027】図8に、共振周波数の差と、角速度ωが加
わったときの検出電圧の位相ずれ量の関係を示す。図8
に示すグラフの横軸が共振周波数の差、縦軸が角速度ω
が加わったときの検出電圧の位相ずれ量であり、実線カ
−ブは角速度ωが±90°/secの場合を、点線カ−ブ
は角速度ωが±20°/secの場合を示す。共振周波数
の差が0付近では、検出電圧の位相ずれ検出が不可であ
り、略10Hz以上の共振周波数の差で位相ずれ検出が
可能であるが、その範囲内では、共振周波数の差が小さ
い方が位相ずれ検出の分解能が高い。つまり角速度ωの
検出精度が高く、低域の角速度ωの検出分解能が高い。
【0028】再度図1を参照されたい。円筒状圧電体2
のその他の構造と動作は先に説明したので、ここでの説
明は省略し、円筒状圧電体2に接続された電気回路を説
明する。図1において、円筒状圧電体2のフィ−ドバッ
ク電極4a,4bには、ロ−パスフィルタ(LPF)機
能を持つ増幅器11が接続されており、それらに発生す
る電圧をフィ−ドバック信号FB1として、バッファア
ンプ&波形変換回路21に印加する。FB2が回路21
のバッファアンプから出力されるアナログ信号であり、
FB3が回路21の波形変換回路から出力される2値信
号である。信号FB2はオ−トゲインコントロ−ル回路
25の第1の入力端子に印加され、信号FB3はオ−ト
ゲインコントロ−ル回路25の第2の入力端子と、90
度位相比較回路27の一方の入力端子に印加される。
【0029】オ−トゲインコントロ−ル回路25は、入
力電圧FB2が設定値未満の間は略入力電圧FB2に比
例する出力電圧(FB4)を出力するが、設定値以上の
領域では0(機器ア−ス)レベルに近い極低値の定電圧
(FB4)を出力する。すなわちその出力に得られる信
号FB4は、入力信号FB2とほぼ同一であるが、過大
レベル(設定値以上)の信号は遮断され、FB4には現
われない。オ−トゲインコントロ−ル回路25が出力す
る信号FB4は、バンドパスフィルタ29の第1の入力
端子と発振起動回路28の入力端子に印加される。発振
起動回路28が出力する信号CON1は、バンドパスフ
ィルタ29の第2の入力端子に印加される。また、バン
ドパスフィルタ29の第3の入力端子に印加される信号
CON2は、積分回路30の出力信号である。図2に、
積分回路30および90度位相遅延回路26の構成を示
す。
【0030】バンドパスフィルタ29が出力する信号
は、90度位相遅延回路26を通ってドライブ信号DV
1になる。このドライブ信号DV1が、円筒状圧電体2
の励振電極5a,5bに印加される。また、ドライブ信
号DV1は、波形変換回路22によって2値信号に変換
され、90度位相比較回路27に入力される。90度位
相比較回路27は、イクスクル−シブオアゲ−トであ
り、バッファアンプ及び比較器を用いた波形変換回路2
1が出力するフィ−ドバック信号FB3と、波形変換回
路22が出力する信号SVDとの位相差に応じたパルス
幅を有するパルス信号を出力する。このパルス信号が、
積分回路30に印加される。
【0031】積分回路30が出力する信号CON2のレ
ベルは、バッファアンプ&波形変換回路21が出力する
フィ−ドバック信号FB3と、波形変換回路22が出力
する信号SVDとの位相差に対応して、位相差0度で最
高値Vmax、位相差−180度で最低値Vmin、位相差−
360度で最高値Vmax、となる位相差に対してV形特
性となる出力電圧CON2を発生する。この出力電圧C
ON2は、バンドパスフィルタ29の第3の入力端子に
印加される。
【0032】バンドパスフィルタ29は、図3に示すよ
うに可変容量ダイオ−ド(バリキャップ)29aを備え
ており、可変容量ダイオ−ド29aは逆バイアス状態で
使用される。従って、可変容量ダイオ−ド29aに印加
するバイアス電圧を変えることによって、バンドパスフ
ィルタ29の位相特性(中心周波数foで入出力間位相
差が−90度、中心周波数foを中心とする所定領域の
間で入力周波数の増大と共に入出力間位相差が−180
度方向に順次に広がり、該所定領域より低域では入出力
間位相差はほとんどなく略一定、該所定領域より高域側
では入出力間位相差は略−180度で略一定)が、横軸
方向(入力周波数軸方向:中心周波数foをずらす方
向)にシフトする。可変容量ダイオ−ド29aに印加す
るバイアス電圧は、バンドパスフィルタ29の3つの入
力端子に印加される信号FB4,CON1及びCON2
のレベルによって変化する。
【0033】さて、この実施例においては、円筒状圧電
体2のフィ−ドバック電極4a,4bに現われる信号を
増幅し、位相をシフトした信号を励振電極5a,5bに
印加することにより、閉ル−プ回路を構成するととも
に、正帰還をかけて発振が生じるようにしている。実際
には、図1において、フィ−ドバック電極4a,4bに
現われる信号は、増幅器11を通って信号FB1にな
り、バッファアンプ&波形変換回路21を通ってFB2
になり、オ−トゲインコントロ−ル回路25を通ってF
B4になり、この信号FB4が、バンドパスフィルタ2
9を通り、90度位相遅延回路26及びドライブ電流検
出回路12を通って励振電極5a,5bに印加されるの
で、閉ル−プ回路が形成される。
【0034】この閉ル−プ回路において発振が生じるた
めには、2つの条件が満たされる必要がある。1つは、
閉ル−プ回路のル−プゲインが1以上であること。もう
1つは、閉ル−プ回路を1周する間の位相変化が360
度の整数倍になることである。図1に示す回路の場合、
センサ素子10が共振状態である時には、その励振電極
5a,5bとフィ−ドバック電極4a,4bとの間の位
相差が90度になる。また、90度位相遅延回路26
は、センサ素子10の共振周波数の近傍の周波数に対し
ては、入力と出力との位相差が約90度になる。更に、
所定の条件においては、バンドパスフィルタ29の入力
(FB4)と出力との位相差が180度になる。従っ
て、励振電極5a,5bとフィ−ドバック電極4a,4
bとの間の位相シフトと、90度位相遅延回路26にお
ける位相シフトと、バンドパスフィルタ29における位
相シフトによって、閉ル−プ回路を1周する間の位相変
化が360度になりうる。また、ル−プ中には増幅回路
が含まれているので、センサ素子10の共振周波数に対
するル−プゲインが1以上になりうる。このため、図1
に示す装置の閉ル−プ回路は発振する可能性がある。
【0035】ところで、センサ素子10の振動特性は、
特定の、加振系の共振周波数fo において、ゲインが最
大になり、DV1とFB3との位相差が約90度になる
ものである。しかしながら、製造上生じる寸法のばらつ
きや、温度変化によって生じる寸法の変化の影響によっ
て、共振周波数はfo から多少ずれる。ずれた特性のセ
ンサ素子10を使用する場合には、周波数fo に対して
は、DV1とFB3との位相差が90度から大きくずれ
るので、仮に90度位相遅延回路26における位相シフ
トと、バンドパスフィルタ29における位相シフトの和
が270度であるなら、発振が生じない。
【0036】また、90度位相遅延回路26は、上述の
位相特性を有しているので、周波数がfo である時には
90度の位相シフトが生じるが、それ以外の周波数に対
しては、位相シフト量が90度からずれる。従って、f
o とは異なる周波数fo'でセンサ素子10が共振する場
合に、その共振周波数fo'に対しても、閉ル−プ回路を
1周する間の位相差が360度からずれ、正規の周波数
で発振しない可能性がある。
【0037】しかしながらこの実施例においては、主と
してバンドパスフィルタ29の働きによって、比較的広
い範囲の周波数に対して、閉ル−プ回路を1周する間の
位相変化が360度に維持されるように自動的に制御さ
れる。従って、特性のばらつきや温度変化などによっ
て、センサ素子10の加振系の共振周波数が基準周波数
fo からずれている場合であっても、確実に発振が生じ
る。
【0038】バンドパスフィルタ29は、図7に示すよ
うに、バイアス電圧Vb(=FB4+CON1+CON
2)が中位レベルのときにfo1を中心周波数とし、高
位レベルのときにfo1より高いfo3を中心周波数と
し、低位レベルのときにはfo1より低いfo2を中心
周波数とする、上述の位相特性を有しており、その共振
周波数(foi)は可変容量ダイオ−ド29aに印加さ
れるバイアス電圧Vbに応じて変化する。例えばバイア
ス電圧Vbが「中」の時には共振周波数(中心周波数)
がfo1であり、ゲイン特性においては周波数fo1に対し
てゲインが最大であり、位相特性においては周波数fo1
に対して位相シフト量が180度になり、周波数fo1よ
りも低い周波数fo2に対しては位相シフト量が180度
より小さくなり、周波数fo1よりも高い周波数fo3に対
しては位相シフト量が180度より大きくなる。
【0039】またバイアス電圧Vbが「低」の時には共
振周波数がfo2であり、ゲイン特性においては周波数f
o2に対してゲインが最大であり、位相特性においては周
波数fo2に対して位相シフト量が180度になり、周波
数fo2よりも低い周波数に対しては位相シフト量が18
0度より小さくなり、周波数fo2よりも高い周波数fo1
に対しては位相シフト量が180度より大きくなる。バ
イアス電圧Vbが「高」の時には共振周波数がfo3であ
り、ゲイン特性においては周波数fo3に対してゲインが
最大であり、位相特性においては周波数fo3に対して位
相シフト量が180度になり、周波数fo3よりも低い周
波数fo1に対しては位相シフト量が180度より小さく
なり、周波数fo3よりも高い周波数に対しては位相シフ
ト量が180度より大きくなる。
【0040】従って、バイアス電圧Vbを大きくすれ
ば、バンドパスフィルタ29を通る信号の位相シフト量
を大きくすることができ、バイアス電圧Vbを小さくす
れば、バンドパスフィルタ29を通る信号の位相シフト
量を小さくすることができる。このバイアス電圧Vb
は、バンドパスフィルタ29の3つの入力端子に印加さ
れる電圧に応じて定まる。なお、バンドパスフィルタ2
9の入力端子に印加される信号には、直流成分(主に制
御信号)と交流成分(フィ−ドバック信号)とが含まれ
ており、両方がバイアス電圧Vbに影響を与えるが、こ
の実施例では、直流成分のレベルに比べて交流成分の振
幅を充分に小さく設定し、交流成分の影響でバンドパス
フィルタ29の特性が大きく変動するのを防止してい
る。
【0041】例えば、センサ素子10が共振している時
には、90度位相比較回路27の2つの入力端子に印加
される信号の位相差は90度になるので、積分回路30
から出力される信号CON2のレベルは、最大値Vmax
と最小値Vminの中間値である基準レベルVcになり、
バンドパスフィルタ29の共振周波数は例えばfo1にな
る。そして、センサ素子10の共振周波数fo とバンド
パスフィルタ29の共振周波数fo1とが一致する場合に
は、その周波数に対するバンドパスフィルタ29の位相
シフト量が180度になり、90度位相遅延回路26の
位相シフト量が90度になり、閉ル−プ回路を1周する
間の位相シフト量が360度になるので、この回路に発
振が生じる。
【0042】センサ素子10の共振周波数においては、
励振電極5a,5bとフィ−ドバック電極4a,4bの
間の位相シフト量が90度になるので、閉ル−プ中のセ
ンサ素子10以外の部分での位相シフト量が270度で
あれば、センサ素子10の共振周波数fがその基準値f
o からずれている場合であっても、周波数fで発振が生
じる。バンドパスフィルタ29における位相シフト量は
周波数に応じて変化し、90度位相遅延回路26におけ
る位相シフト量も周波数に応じて変化する。仮に、周波
数fに対してバンドパスフィルタ29における位相シフ
ト量ψAと、90度位相遅延回路26における位相シフ
ト量ψBとの和ψA+ψBが、270度よりも小さい場
合、信号FB3とDV1との位相差が270度より小さ
くなるので、この位相差に対応する信号CON2のレベ
ルは、Vcよりも小さくなる。その結果、バンドパスフ
ィルタ29の共振周波数がfo1よりも低くなり、バンド
パスフィルタ29における位相シフト量ψAが増大す
る。そして、積分回路30の出力電圧CON2が増大
し、位相シフト量ψA+ψBは270度に近づき、積分
回路30の出力電圧はVcに収束する。
【0043】また、周波数fに対してバンドパスフィル
タ29における位相シフト量ψAと、90度位相遅延回
路26における位相シフト量ψBとの和が、270度よ
りも大きい場合、信号FB3とDV1との位相差が27
0度より大きくなるので、この位相差に対応する信号C
ON2のレベルは、Vcよりも大きくなる。その結果、
バンドパスフィルタ29の共振周波数がfo1よりも高く
なり、バンドパスフィルタ29における位相シフト量ψ
Aが減少する。そして、積分回路30の出力電圧CON
2が低下し、位相シフト量ψA+ψBは270度に近づ
き、積分回路30の出力電圧はVcに収束する。
【0044】バンドパスフィルタ29には発振起動回路
28が接続されている。この発振起動回路28は、図3
に示すように構成されており、電源投入時に、一時的に
前記閉ル−プ回路のル−プゲインを高める機能を果た
す。ル−プゲインを高くすると、発振の条件を満足する
周波数の範囲がより広くなるので、例えば、センサ素子
10が電源投入直後に共振周波数から大きくずれた周波
数で不安定な振動を始めた場合であっても、その振動周
波数を共振周波数に近づけて発振を安定化することがで
きる。
【0045】図3を参照すると、発振起動回路28には
アナログスイッチ28aが備わっている。アナログスイ
ッチ28aのスイッチの入力側には信号FB4が印加さ
れ、スイッチの出力側に現われる信号CON1がバンド
パスフィルタ29に入力される。アナログスイッチ28
aの制御端子には、電圧Vcrが印加される。この電圧
Vcrは、定常状態ではほぼ0Vであり、その時にはア
ナログスイッチ28aがオフになる。そして、コンデン
サC1と抵抗器R1でなる時定数回路の働きにより、電
源投入直後に一時的にVcrの電圧が高くなる。そし
て、電圧Vcrのレベルが所定のしきい値以上の時に
(電源投入後所定時間の間)、アナログスイッチ28a
がオンになる。なお、発振起動回路28の入力端子28
bに所定のリセット信号を印加することにより、電源を
再投入しなくても、一時的にル−プゲインを上げること
ができる。
【0046】アナログスイッチ28aがオフの時には、
信号FB4の電流はバンドパスフィルタ29中の抵抗器
RAのみを通るが、アナログスイッチ28aがオンにな
ると、信号FB4の電流はバンドパスフィルタ29中の
抵抗器RAとRBの並列回路を通る。従って、アナログ
スイッチ28aがオンの時には、それがオフの時に比べ
てル−プゲインが高くなる。
【0047】再び図1を参照すると、励振電極5a,5
bに接続された増幅器12は、駆動電圧DV1を増幅し
て波形整形回路22に与えるが、増幅器12はLPF機
能があり、高周波(高調波)を遮断する。90度位相遅
延回路26(図2)はピエゾドライバであり、その出力
段の駆動用アンプの出力インピ−ダンスが低いため、円
筒状圧電体2から見た、振励電極5a,5bならびにそ
れらに接続された90度位相遅延回路26および増幅器
12でなる加振系(D2)のインピ−ダンスは低い。
【0048】フィ−ドバック電極4a,4bには増幅器
11が接続されており、これもLPF機能があり、高周
波(高調波)を遮断する。フィ−ドバック電極4a,4
bも、この増幅器11の内部回路の演算増幅器の入力端
のイマジナリショ−トを介して機器ア−スに接続されて
いるので、円筒状圧電体2から見た、フィ−ドバック電
極4a,4bならびにそれらに接続された増幅器11で
なるフィ−ドバック系(D1)のインピ−ダンスは低
い。すなわち、円筒状圧電体2を加振系の共振周波数で
加振するフィ−ドバック振動駆動系の、円筒状圧電体2
から見たインピ−ダンスは低く、上述の、バンドパスフ
ィルタ29の励振周波数調整機能により、D1,D2方
向には、円筒状圧電体2は、加振系の固有振動数(75
66Hz)で、効率良く加振される。
【0049】増幅器13および14は同一構造,同一特
性のものであり、これらもLPF機能があり、高周波
(高調波)を遮断する。
【0050】再び図1を参照すると、センサ素子10の
第1検出電極6a,6bに現われる信号は、増幅回路1
3で検出され、波形変換回路23によって2値信号(方
形波)に変換され、信号SS1として出力される。第2
検出電極7a,7bに現われる信号は、増幅回路14で
検出され、波形変換回路24によって2値信号(方形
波)に変換され、信号SS2として出力される。これら
の2値信号SS1およびSS2は、位相比較回路41に
与えられる。該位相比較回路41は、一方のみが高レベ
ルHのときは高レベルHを、他方のみが高レベルHのと
きは低レベルLを、両方が同レベルの時は中間のレベル
Mを発生して、平滑回路31に与える。
【0051】図6に、検出電極6a,6b/7a,7b
に発生する電圧S11,S12ならびにそれらに基づい
て発生する信号を示す。角速度ωが加わっていなときに
は、D3,D4方向の振動成分が実質上無いので、検出
電圧S11,S12は加振振動成分のみであるが、ある
方向の角速度ωが円筒状圧電体2に加わると、検出電圧
S11,S12が、D1,D2方向(DV1,FB2)
に対して角速度ω対応の位相ずれがある、角速度ω対応
のレベルの電圧となる。しかも、角速度ωの増減に対し
て、検出電圧S11,S12の一方は位相ずれが小さく
レベルが高くなる方向に変化し、他方は位相ずれが大き
くレベルが低くなる方向に変化する。角速度ωの方向が
逆になると、この関係も反転する。これにより、位相比
較回路41の出力信号SHは、角速度ωの変化分の位相
ずれの2倍のH幅のパルスとなり、このH幅ΔTが角速
度ωを表わす。
【0052】図1に示す平滑回路31はパルス幅/電圧
コンバ−タであり、信号SHのH幅及びL幅に比例する
レベルのアナログ電圧(Vout)を発生し、増幅回路32
がこれを増幅して出力する。この出力電圧Voutのレベ
ルが、角速度ωの絶対値及び方向を表す。
【0053】−第2実施例− 図9および図10に第2実施例を示す。図10は、第2
実施例のセンサ素子10Bをフィ−ドバック電極4bの
方向より見た側面図であり、図9は、センサ素子10B
を図10に示す1点鎖線矢印9A方向より見た横断面図
である。第2実施例は、第1実施例とはセンサ素子10
Bの機械的な構造が異り、他の構成要素は第1実施例と
同一であるので、センサ素子10Bの構造についてのみ
説明する。
【0054】円筒状圧電体2の上端の周縁には、図1に
示した第1直径方向D1,第2直径方向D2の延長線と
交わる位置に4個のV型の切欠きが設けられている。切
欠きRa,Rbは第1直径方向D1の延長線上すなわち
励振電極5a,5bの上方に設けられ、切欠きRc,R
dは、第2直径方向D2の延長線上すなわちフィ−ドバ
ック電極4a,4bの上方に設けられている。すなわ
ち、第1実施例では、重りQa〜Qdを付加して加振系
の共振周波数fを下げているが、第2実施例では、重り
を切欠きRa〜Rdに変えて加振系の共振周波数fを上
げている。これにより第1実施例と第2実施例とでは、
加振系の共振周波数は2Δf≒32Hzの差がある。
【0055】以上に述べた第1,第2実施例において
は、円筒状圧電体2の振動に対称性をもたせることで検
出精度を向上させる為に円筒状圧電体2の加振系の振動
の腹にあたる4箇所にウエイトQa〜Qdあるいは切欠
きRa〜Rdを設けている。しかし、加振系と検出系の
共振周波数に差を生じさせるという目的を達成するに
は、ウエイトあるいは切欠きは円筒状圧電体2の少くと
も1箇所に設けるだけでもよい。さらに、円筒状圧電体
2の加振系の振動の腹にあたる位置でなく、節にあたる
位置に設けてもよい。この場合には、加振系の共振周波
数が円筒状圧電体2の固有振動数となり、検出系の、検
出感度が最も高くなる方向(D3,D4)の共振周波数
が、該固有振動数よりも低く(ウェイトを付加する場
合)、又は高く(切欠きを付す場合)なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の構成を示すブロック図
である。
【図2】 図1に示す積分回路30および90度位相遅
延回路26の構成を示す電気回路図である。
【図3】 図1に示すバンドパスフィルタ29および発
振起動回路28の構成を示す電気回路図である。
【図4】 図1に示すセンサ素子10の外観と一部の断
面を示す正面図である。
【図5】 図1および図4に示す円筒状圧電体2の振動
状態を示す平面図である。
【図6】 図1の電気回路各部の信号を示すタイムチャ
−トである。
【図7】 バンドパスフィルタ29の、周波数/ゲイン
特性を表わすグラフと、周波数/入出力間位相差特性を
表わすグラフを示す。
【図8】 図1に示す円筒状圧電体2のD2方向とD3
方向の共振周波数差と、励振電極5aに加わる励振電圧
DV1に対する検出電極6aに発生する電圧S11の位
相ずれの関係を示すグラフである。実線は角速度90°
/secが円筒状圧電体2に加わたときのもの、点線は角速
度20°/secが加わったときのものである。
【図9】 本発明の第2実施例のセンサ素子10Bの横
断面図である。
【図10】 図9に示すセンサ素子10Bの外観と一部
の断面を示す正面図である。
【符号の説明】
1:素子台 2:円筒状圧電体 3a,3b:基準電位電極 4a,4b:フィ−ド
バック電極 5a,5b:励振電極 6a,6b,7a,7
b:検出電極 4a,4b,5a,5b,6a,6b,7a,7b:電
極セグメント 10:センサ素子 11〜14:増幅器 21:バッファアンプ
&波形変換回路 22〜24:波形変換回路 25:オ−トゲインコ
ントロ−ル回路 26:90度位相遅延回路 27:90度位相比較
回路 28:発振起動回路 28a:アナログスイ
ッチ 29:バンドパスフィルタ 29a:可変容量ダイ
オ−ド 30:積分回路 41:位相比較回路 Qa〜Qd:ウェイト Ra〜Rd:切欠き
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 萩 原 勲 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】振動子,該振動子を加振するための励振電
    極,これに励振電圧を与える励振回路,前記振動子の該
    加振による振動状態に作用する角速度によって引き起こ
    される振動の腹点もしくはその近傍に装着された振動検
    出電極、および、該振動検出電極に現われる電圧の位相
    ずれを検出する位相差検出回路、を備える角速度検出装
    置において、 前記振動子は、角速度により発生するコリオリ力によっ
    て引き起こされる振動の振動方向の共振周波数と、前記
    振動検出電極の検出感度が最も高い振動方向の共振周波
    数とを異にする、ことを特徴とする角速度検出装置。
  2. 【請求項2】前記振動子はその中心軸に関して対称な形
    状であり、励振電極の中心点と該中心軸とを含む平面と
    交わる位置に、励振電極による加振の方向の共振周波数
    を定めるための質量変更手段を有する、請求項1記載の
    角速度検出装置。
  3. 【請求項3】前記振動子はその中心軸に関して対称なコ
    リオリ力によって引き起こされる振動の方向と該中心軸
    とを含む平面と交わる位置に、振動検出電極の検出感度
    が最も高い振動方向の共振周波数を定めるための質量変
    更手段を有する、請求項1記載の角速度検出装置。
  4. 【請求項4】前記振動子は更に、前記平面と直交する平
    面と交わる位置にも質量変更手段を有する、請求項2又
    は請求項3記載の角速度検出装置。
  5. 【請求項5】質量変更手段は、振動子に添加した重りで
    ある、請求項1,請求項2,請求項3又は請求項4記載
    の角速度検出装置。
  6. 【請求項6】質量変更手段は、振動子の切欠きである、
    請求項1,請求項2,請求項3又は請求項4記載の角速
    度検出装置。
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