JPH09250618A - トロイダル型無段変速装置の回転方向検出装置 - Google Patents

トロイダル型無段変速装置の回転方向検出装置

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JPH09250618A
JPH09250618A JP6094296A JP6094296A JPH09250618A JP H09250618 A JPH09250618 A JP H09250618A JP 6094296 A JP6094296 A JP 6094296A JP 6094296 A JP6094296 A JP 6094296A JP H09250618 A JPH09250618 A JP H09250618A
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JP
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shift
output cone
power roller
variable transmission
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JP6094296A
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Hitoshi Kidokoro
仁 城所
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子フィードバック系が不正な動作を起こし
て、その影響により順回転時において変速動作が不正と
なることを防止すること。 【解決手段】 電子的フィードバックを構成する手段を
有するトロイダル型無段変速機において、電子フィード
バック機構の偏差が所定値より大きいことを判定する制
御偏差判定手段を有し、入出力コーンディスク16,1
8の回転方向に応じてメカニカル変速制御装置が切り替
わることより、電子的フィードバック制御が変速比に対
し作用する経路が変化することより電子的フィードバッ
ク制御により与えられる目標変速比と異なる変速比にト
ロイダル型無段変速機が制御されることより制御偏差が
拡大し、制御偏差判定手段が入出力コーンディスクの回
転方向を検出した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、トロイダル型無
段変速機に関し、特にその変速制御装置におけるトロイ
ダル型無段変速装置の回転方向検出装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】 トロイダル型無段変速機は通常、例え
ば、特開平3−89066号公報に記載の如くに構成す
る。このトロイダル型無段変速機は図1,図2に示すよ
うに、同軸配置した入出力コーンディスク16,18
と、これら入出力コーンディスク間で摩擦係合により動
力の受け渡しを行うパワーローラ20よりなるトロイダ
ル伝動ユニット、および後述の如き変速制御装置を具え
る。パワーローラ20は入出力コーンディスク16,1
8間に挟圧され、パワーローラ20と、入出力コーンデ
ィスク16,18との間の油膜のせん断によつて、パワ
ーローラ20は入出力コーンディスク16,18間での
動力伝達を行う。つまり、入力コーンディスク16の回
転は、上記油膜のせん断によってパワーローラ20に伝
達され、次いでパワーローラ20の回転数が上記油膜の
せん断によって出力コーンディスク18に伝達され、逆
に出力コーンディスク18から入力コーンディスク16
への動力伝達もパワーローラ20を介して同様になされ
る。
【0003】ここで変速制御装置を説明するに、これは
ステップモータ122を有し、該ステップモータ122
は、目標変速比に対応した変速指令値(ステップ数)を
与えられて対応位置に回転し、変速制御弁120のスリ
ーブ126,スプール128のうち、スリーブ126を
スプール128に対し相対的に中立位置から変位させ
る。これにより、両パワーローラ20を流体圧でピスト
ン108aを介して図中上下方向へ、但し相互逆向きに
変位させる。これにより両パワーローラ20は、回転軸
線O1 が入出力コーンディスク16,18の回転軸線O
2 と交差する図示位置から対応方向にオフセットされ、
該オフセットによりパワーローラ20は入出力コーンデ
ィスク16,18からの分力で、自己の回転軸線O1
直交する首振り軸線O3 の周りに傾転され、入出力コー
ンディスク16,18に対するパワーローラ20の摩擦
接触円弧径が連続的に変化することで無段変速を行うこ
とができる。かかる無段変速により上記の変速指令値が
達成される時、パワーローラ20のオフセットおよび傾
転をプリセスカム116およびカムリンク118を介し
てフィードバックされる変速制御弁120のスプール1
28は、スリーブ126に対し相対的に初期の中立位置
に復帰し、同時に、両パワーローラ20は、回転軸線O
1 が入出力コーンディスク16,18の回転軸線O2
交差する図示位置に戻ることで、上記変速指令値の達成
状態を維持することができる。
【0004】ここで入出力コーンディスク16,18の
回転方向が逆転した場合、パワーローラ20が入出力コ
ーンディスク16,18に与える分力の方向が異なると
いう問題がある。そのため、パワーローラーオフセット
量とパワーローラ傾転方向の関係が逆となり、上記変速
制御弁120を用いた場合、所定の変速比に制御されえ
ない。
【0005】そのため図6に示すごとく、逆転変速制御
弁9を用い、入・出力コーンディスク16,18に同軸
接続され、入・出力コーンディスク1,2の回転方向に
より移動する回転方向検出カム1により、切替弁11を
駆動し、変速制御弁120および逆転変速制御弁9から
の流体圧を切替弁11により切り替え、回転方向によら
ず正常な変速制御が行えるように構成する。この逆転変
速制御弁9,回転方向検出カム1,切替弁11は、図2
においては、変速制御弁120とは異なる縦断面に配置
されるため図示されていない。
【0006】逆転変速制御弁9は、変速制御弁120と
同等の機構をはたすものであるが、入・出力コーンディ
スク16,18の逆方向の回転に対応するため、プリセ
スカム116の移動量とピストン108aの働く上下方
向の流体圧の関係は、変速制御弁120とは逆の関係と
なるものである。なお、逆転方向においては所望の値に
変速制御する必要なければ、図6に示すごとくステップ
モータ122に接続されるモータ外弁体を省略し、変速
リンク118に接続された内弁体9bと制御弁外筒9a
との作用によりにより変速制御を行う機構とすることが
できる。
【0007】コントローラ61は、予めメモリしておい
た変速マップ、および目標変速比計算部を有する。そし
てコントローラ61は先ず、上記の変速マップを基にス
ロットル開度TVOおよび車速VSPから、目標とすべ
き変速機入力回転数Ni*を求め、次いで上記の目標変
速比計算部において、変速機目標入力回転数Ni*と変
速機出力回転数Noとから目標変速比を演算し、この目
標変速比に対応した変速制御指令値(フィードフォワー
ドステップ数)をステップモータ122に与える。この
時ステップモータ122は、変速制御指令値(フィード
フォワードステップ数)に応じた駆動により、変速制御
弁120のスリーブ126をXspだけスプール128
に対し相対的に中立位置から変位させる。これにより、
変速制御弁120およびピストン108aで構成される
油圧サーボは前記したように、パワーローラ20をy
(mm)だけオフセットさせ、このオフセットに伴いパ
ワーローラ20はφ(rad.)だけ傾転する。この傾
転φは、変速機出力回転数Noとの関係で決まる変速機
入力回転数Niを目標回転数Ni*に近づくように変化
させる。
【0008】ところでプリセスカム116は前記したよ
うに、パワーローラオフセット量yおよびパワーローラ
傾転角φを変速制御弁120のスプール128にフィー
ドバックして、これをX(mm)だけ、スリーブ126
の上記変位に追従するように移動させ、変速制御弁12
0のスリーブ126−スプール128間相対変位をdx
(mm)に減ずる。このdxは変速の進行につれて小さ
くなり、上記の変速指令値が達成される時、ついには0
になる。この時変速制御弁120のスプール128およ
びスリーブ126は相対的に初期の中立位置に復帰し、
変速指令値の達成状態を維持することができる。ここ
で、プリセスカム116からのフィードバック量Xは、
プリセスカム116のカム形状で決まる傾転角フィード
バックゲインをa、カムリンク118のレバー比で決ま
るオフセット量フィードバックゲインをbとすると、X
=a・φ+b・yで表される。なお、パワーローラ傾転
角φを、目標変速比に対応した値にすることが制御の狙
いであるから、基本的にプリセスカム116は、パワー
ローラ傾転角φのみをフィードバックすればよいことに
なるが、ここでパワーローラオフセット量yをもフイー
ドバックする理由は、変速制御が振動的になるのを防止
するダンピング効果を与えて、変速制御のハンチング現
象を回避するためである。
【0009】また図6で説明したような逆回転対応機構
を有する場合における入出力コーンディスク16,18
逆回転時には,ステップモータ122に接続されていな
い逆転変速制御弁9が働くため、逆転時にはステップモ
ータ122の駆動状態にかかわらず、所定の変速比に制
御されるものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】 しかし、上記した従
来のトロイダル型無段変速機の変速制御機構において
は、パワーローラ20を回転自在に支持した部材の変形
を主たる原因として、更にガタが加わって生じた、パワ
ーローラ20とパワーローラ支持部材との間におけるオ
フセット方向相対変位が、外乱△yとなってプリセスカ
ム116に付加され、変速制御弁120が中立位置へ復
帰した時に、つまり変速終了時に、パワーローラ20が
変速指令値に対応した傾転角に成りえず、パワーローラ
傾転角度が目標変速比対応の傾転角から外乱△yに対応
する傾転角だけ異なる値に、いわゆるトルクシフトを生
じて変速精度の低下をまぬがれなかった。本出願人は、
先に上記問題を解決する発明として、パワーローラ目標
傾転角φ*に対するパワーローラ実傾転角φの偏差に応
じてステップモータ122を駆動する、電子的フィード
バック機構を具える発明を、特願平7−71495号に
て提案済である。
【0011】しかしながら上記に記したように逆回転時
に於ては変速制御機構が切り替わる構成である場合、電
子的フィードバック機構がどのようにステップモータ1
22を駆動しても、逆転変速制御弁9からの油圧におい
て変速制御が成されるため、順回転を想定した電子的フ
ィードバックの目標変速比に対し、実際の変速比が一致
しないという問題がある。電子的フィードバック機構
に、電子的フィードバック機構で一般的に利用されるP
I制御が適応されていた場合は、目標と実値が一致しな
いため、I動作の積分値が蓄積し、それに応じてステッ
プモータ122に接続された弁機構が機械的動作の限界
に達するという現象が生じる。これに対し、電子フィー
ドバック系に対し弁機構の機械的動作の限界に達するよ
うなステップモータ122の駆動を行わない制限機構を
付加することが考えられるが、そのような場合であって
も、再び順回転となった場合、制限機構により制限され
た位置より、所望の位置までステップモータ122を駆
動することが間に合わず、順回転における変速動作が不
正となることがある。自動車に適応した場合、ニュート
ラルギア位置において後退を起こした場合、運転者がこ
れに気づき、安全を確保するために前進ギアへ切り替え
発進しようとした場合において、後退時にステップモー
タ122がハイギアードに制御される位置に移動し、前
進ギアに切り替えられた時点においてステップモータ1
22がローギアード位置に移動しきれなければ、良好な
発進加速度を得られないばかりか、エンジンが停止する
恐れもある。
【0012】ニュートラル時において後退するなどの不
意の事態に於ては、運転者が動転しやすく、このような
状態となることは避けるべきである。従って、電子フィ
ードバック系に於ても、トロイダル型無段変速機の回転
方向に応じた制御則を導入することが必要であり、その
ためにはトロイダル型無段変速機の回転方向を検出する
手法が必要である。
【0013】
【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するた
めに、本発明は、同軸配置した入出力コーンディスク
と、これら入出力コーンディスク間で摩擦係合により動
力の受け渡しを行うパワーローラとよりなるトロイダル
伝動ユニットを具え、変速指令値に対応して前記パワー
ローラを、回転軸線が前記入出力コーンディスクの回転
軸線と交差する位置からオフセットさせ、該オフセット
により入出力コーンディスクからの分力でパワーローラ
を、自己の回転軸線と直交する首振り軸線回りに傾転さ
せることにより、無段変速を行わせると共に、該無段変
速により前記変速指令値が達成される時、前記パワーロ
ーラを、前記オフセットがなくなる位直に復帰させて、
前記変速指令値達成状態を維持するようにするにあた
り、入出力コーンディスクの回転方向別に異なるメカニ
カル変速制御装置を有し、該メカニカル変速制御装置を
入出力コーンディスクの回転方向に応じて切り替えて用
いると共に、所望の変速比を達成する目標となる物理量
と、実際の変速比に関した物理量の差を該メカニカル変
速装置の一方、または双方に作用させ、電子的フィード
バックを構成する手段を有し、さらに、電子的フィード
バック機構の偏差が所定値より大きいことを判定する制
御偏差判定手段を有することを特徴とするものである。
【0014】
【作用】 本発明において、トロイダル伝動ユニットの
パワーローラは、同軸配置の入出力コーンディスク間で
摩擦係合により動力の受け渡しを行う。ここで変速に際
し変速制御装置は、変速指令値に対応して上記パワーロ
ーラを、回転軸線が上記入出力コーンディスクの回転軸
線と交差する位置からオフセットさせ、該オフセットに
より入出力コーンディスクからの分力でパワーローラ
を、自己の回転軸線と直交する首振り軸線まわりに傾転
させることにより、無段変速を行わせる。この無段変速
により前記変速指令値が達成される時、メカニカル変速
制御装置はパワーローラを、上記オフセットがなくなる
位置に復帰させて、変速指令値の達成状態を維持する。
ここで該オフセットと該傾転の関係は、上記入出力コー
ンディスクの回転方向に依存するため、回転方向別に異
なるメカニカル変速制御装置を用いる。上記変速中、電
子フィードバック系は、前記メカニカル制御装置の一
方、ここでは順回転と指定する回転方向において働くメ
カニカル制御装置に制御目標値を与えるアクチエ一タに
接続され、制御目標値を与えるものであるが、所定の目
標値と前記パワーローラの傾転角に関した物理量との差
をメカニカル制御装置の制御目標値として与えること
で、電子的フィードバック系を構成する。前記入出力コ
ーンディスクが順回転である場合は、電子フイードバッ
ク系のアクチエータが結合されているため、電子フィー
ドバック系が設定する目標値にパワーローラの傾転角は
制御されるが、前記入出力コーンディスクが逆回転であ
る場合は、電子フィードバックが接続されていないメカ
ニカル制御装置が働くため、電子フィードバック系が設
定するパワーローラ傾転角には制御されない。これによ
り、電子フィードバック系の制御偏差は所定量より大き
くなり、これを制御偏差判定手段が検出し、これにより
入出力コーンディスクの回転方向を検出することができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態を図
面に基づき詳細に説明する。図1および図2は、本発明
一実施の形態の変速制御装置を具えたトロイダル型無段
変速装置10を例示し、図1は同トロイダル型無段変速
機の縦断側面図、図2は同じくその縦断正面図である。
【0016】先ず、トロイダル伝動ユニットを説明する
に、図2中右側に配置されている図外のエンジンの出力
は図外のトルクコンバータを介して入力軸14に伝達さ
れるようになっており、該入力軸14には入力コーンデ
ィスク16および出力コーンディスク18が対向配置さ
れている。前記入・出力コーンディスク16,18のそ
れぞれの対向面はトロイド曲面に形成され、該トロイド
曲面とされた対向面間にはパワーローラ20が圧接して
配置されている。尚、パワーローラ20は、入力軸14
に対して対称に1対設けられている。
【0017】上記入力軸14は、ボールベアリング50
およびニードルベアリング52を介してケーシング34
に回転自在に支持されており、該入力軸14とボールベ
アリング50との間にはスペーサ54が設けられるとと
もに、該スペーサ54と入力軸14に螺合されるローデ
ィングナット56との間には皿ばね58が設けられてお
り、該皿ばね58の付勢力が該ローディングナット56
を介して入力軸14を図中右方向に押圧する。上記入・
出力コーンディスク16,18はそれぞれ入力軸14に
ニードルベアリング66,68を介して回転可能に取り
付けられ、入力コーンディスク16と入力軸14との間
にはローディングカム70が設けられるとともに、出力
コーンディスク18はボールベアリング72を介してケ
ーシング34に回転自在に支持された出力用の歯車22
に、キー74を介して一体に取り付けられる。
【0018】上記ローディングカム70は、入力軸14
にスプライン結合されるカムフランジ76と、該カムフ
ランジ76と入力コーンディスク16との対向面にそれ
ぞれ形成されるカム面76a,16aの間に配置される
カムローラ78とによって構成されている。そして、上
記入力コーンディスク16には、上記ローディングカム
70を介して入力軸14のトルクが伝達されるととも
に、該ローディングカム70はカムフランジ76と入力
コーンディスク16が相対回転されることにより、これ
ら両者を互いに引き離そうとする力、すなわち、入力コ
ーンディスク16を出力コーンディスク18方向に押圧
しようとする力が作用する。尚、カムフランジ76は、
入力軸14に形成された鍔部80によって図中左側への
移動が阻止されている。
【0019】一方、上記パワーローラ20は、傾転軸8
2およびボールベアリング84を介して、ローラ支持部
材86に傾転可能に支持されている。また、上記傾転軸
82は、図1に示したように、パワーローラ20の支持
部分82aとローラ支持部材86に支持される部分82
bとが偏心されており、ローラ支持部材86が図2中紙
面直角方向に移動されることにより傾転軸82が回転さ
れるが、この時、パワーローラ20は、入・出力コーン
ディスク16,18間に挟まれているため、該パワーロ
ーラ20はローラ支持部材86の回動を伴って傾転され
る。尚、上記傾転軸82は、図1に示すように、左右の
ものが互いに逆方向に偏心されて、一対のパワーローラ
20は入力軸14に対して対称に傾斜されるようになっ
ている。
【0020】上記ローラ支持部材86は、図1中上下に
設けられる回転軸部86b,86cにおいて、球面軸受
96,98を介してリンク部材100,102に回転可
能かつ上下移動可能に支持されており、かつ該リンク部
材100,102はケーシング34に装着されるリンク
ポスト104および後述する変速制御弁120のバルブ
ボディ110に装着されるリンクポスト106によって
支持されている。上記ローラ支持部材86には、回転軸
部86cと同軸上に延長軸部86dが設けられ、該延長
軸部86dには油圧式の液圧アクチュエータ108のピ
ストン108aが取り付けられている。上記ピストン1
08aは上記バルブボディ110に設けられたシリンダ
108b内に嵌合され、該ピストン108aの上方およ
び下方には、油室108cおよび108dが形成されて
いる。
【0021】上記一対のローラ支持部材86のうち一方
(図1中左側)の上記延長軸部86d下端には、該ロー
ラ支持部材86に伴って一体に回動されるプリセスカム
116が取り付けられている。上記プリセスカム116
には、中間部がケーシング34に回動可能に枢着される
L字状のカムリンク118が連動されており、ローラ支
持部材86の回動に伴ってプリセスカム116が回転さ
れるとカムリンク118が枢着点118aを中心に揺動
され、この揺動量が後述されるスプール128に伝達さ
れる。
【0022】上記バルブボディ110には、上記液圧ア
クチュエータ108に制御油圧を供給するための変速制
御弁120が設けられ、該変速制御弁120は変速指令
手段としてのステップモータ122によってピニオン1
23を介して軸方向移動されるラック軸124と、該ラ
ック軸124の図1中左端にピン125を介して連結さ
れる第1部材としてのスリーブ126と、該スリーブ1
26内に摺動可能に嵌合される第2部材としてのスプー
ル128とを備えている。そして、上記スプール128
の図1中左端には上記カムリンク118の他端部(プリ
セスカム116に当接される側とは反対側端部)が当接
され、該スプール128に該カムリンク118の回動
量、つまり、ローラ支持部材86の回動量として現れる
パワーローラ20の傾斜量がフィードバック量として伝
達される。
【0023】また、上記ラック軸124の図1中右端に
は、ロースイッチ130が設けられ、ステップモータ1
22の指令によって移動される該ラック軸124がLo
方向に移動されたことを検知するようになっている。
【0024】上記スプール128とバルブボディ110
とび間には、該スプール128が図1中左方に付勢する
第1スプリング132が縮設されるとともに、該スプー
ル128と上記スリーブ126との間には該第1スプリ
ング132よりも付勢力が弱く、上記ラック軸124の
ガタを吸収するための第2スプリング134が縮設され
ている。
【0025】さらに、上記スリーブ126とラック軸1
24との間には、付勢力が上記第1スプリング132よ
り弱く、上記第2スプリング134より強い第3スプリ
ング136が縮設され、LoLo位置とLo位置の切り
換え時に用いられる。尚、上記ステップモータ122は
増速比方向または減速比方向により正・逆回転され、こ
れに伴って上記スリーブ126も図示する中立位置から
図中左右方向に移動可能となっている。
【0026】上記スプール128は、ランド部128
a,128bを有しており、これらランド部により上記
液圧アクチュエータ108に連通される2つのポート1
36a,138とライン圧導入ポート140との連通,
遮断が行われる。尚、上記ポート136aは、図1中右
側の液圧アクチュエータ108の油室108dおよび同
図中左側の液圧アクチュエータ108の油室108cに
連通されるとともに、上記ポート138は同図中右側の
液圧アクチュエータ108の油室108cおよび同図中
左側の液圧アクチュエータ108の油室108dに連通
されるようになっている。
【0027】したがって、変速比を変化させるための上
記ステップモータ122を駆動してスリーブ126とス
プール128間を軸方向に相対変位させると、この相対
変位量に応じた制御油圧がポート136,138の一方
に発生され、この制御油圧が左右の液圧アクチュエータ
108に供給されると、該左右の液圧アクチュエータ1
08は左右のローラ支持部材86をそれぞれ上下逆方向
に移動させる。すると、上記左右のローラ支持部材86
が上下移動されることにより、一対のパワーローラ20
は該ローラ支持部材86の回動を伴って互いに逆方向に
傾斜され、入・出力コーンディスク16,18間の無断
変速が行われる。そして、このようにローラ支持部材8
6が回転されるとプリセスカム116も回転され、カム
リンク118を介して上記スプール128は上記スリー
ブ126との相対変位量をなくす方向、つまり、スプー
ル128の移動方向に対向する方向に移動される。ま
た、ステップモータ122の駆動によるスリーブ126
の移動と、プリセスカム116を介したスプール128
の移動との間には、液圧アクチュエータ108の作動対
応が介在されるため、該スプール128の移動はスリー
ブ126の移動に対して遅れることになる。
【0028】したがって、上記ステップモータ122の
駆動量(変速指令値)に対応して発生される制御液圧で
液圧アクチュエータ108が稼働され、これに伴ってパ
ワーローラ20が傾斜されると、これに追従してスプー
ル128は移動され、該パワーローラ20が変速指令値
に対応して傾斜角、つまり所定の変速比となった時に、
該スプール128は上記スリーブ126に対して相対的
に中立位置に設定される。尚、上記変速制御弁120,
上記液圧アクチュエータ108は図示状態ではそれぞれ
中立位置となっている。
【0029】ここで、本実施例にあっては、図1に示し
たように上記カムリンク118の他端部に、上記スプー
ル128と平行な方向に貫通して螺合される調整手段と
しての調整ねじ150を設け、該調整ねじ150の先端
を該スプール128の図中左端に当接させてある。尚、
上記調整ねじ150にはロックナット152が設けら
れ、該調整ねじ150の調整位置で該ロックナット15
2を締めつけることにより、該調整ねじ150の調整位
置が固定されるようになっている。
【0030】以上の構成により本実施の形態のトロイダ
ル型無段変速装置10にあっては、パワーローラ20の
傾斜量が傾転軸82,ローラ支持部材86,プリセスカ
ム116およびカムリンク118を介してスプール12
8にフィードバックされる際に、ステップモータ122
の指令値に対してパワーローラ20の傾斜量がずれてい
る場合は、上記ロックナット152を緩めて調整ねじ1
50を調整方向に回転させ、該カムリンク118と該ス
プール128との間の間隔を変化させることにより、上
記フィードバック量を微調整することができる。したが
って、このように調整ねじ150を介してフィードバッ
ク量を調整できることにより、上記パワーローラ20か
ら上記スプール128に至る間に存在する傾転軸82,
ローラ支持部材86,プリセスカム116およびカムリ
ンク118の形成誤差とか組付誤差などを吸収すること
が可能となり、ひいてはこれら傾転軸82,ローラ支持
部材86,プリセスカム116およびカムリンク118
の加工精度および組付精度を下げることができ、生産能
率の著しい向上を図ることができる。
【0031】ステップモータ122への変速指令値U
は、図3に示す変速指令値演算系を成すコントローラ6
1によりこれを決定し、これがためコントローラ61に
は図外のスロットル開度センサが検出するスロットル開
度TVO、図外の車速センサが検出する車速VSP、図
外の入出力回転センサが検出する変速機入力回転数Ni
(エンジン回転数Neであってもよい)がそれぞれ入力
される。前記コントローラ61は、これらの情報をもと
に以下の演算によりステップモータ122への変速指令
値Uを決定するものとする。本実施の形態では特に、プ
リセスカム116がパワーローラ傾転角φのみならず、
上記の目的から、パワーローラオフセット量yをもとに
フイードバックするが故に、前記したごとく生ずるトル
クシフトの問題を解決するために、コントローラ61を
図3に示すごとくに構成する。
【0032】コントローラ61は、予めメモリしておい
た変速マップ61aと、目標傾転角演算部61bと、順
回転電子フィードバック系を構成するPI制御部61
c、逆回転時における電子フィードバック系を構成する
逆転制御部61e、制御切り替え部61d、ならびに逆
転判断機構61fを有す。
【0033】そして、コントローラ61は先ず、上記の
変速マップ61aを基にスロットル開度TVOおよび車
速VSPから、目標とすべき変速機入力回転数Ni*を
求め、次いで目標傾転角演算部61bにおいて、変速機
目標入力回転数Noとからパワーローラ目標傾転角φ*
を演算する。なお、変速マップ61aは例えば図5のよ
うに設定される。
【0034】コントローラ61は、先ず、当該パワーロ
ーラ目標傾転角φ*に対応したステップモータ122の
フィードフォワードステップ数SFFをフィードフォワ
ード系61hに出力する。また、コントローラ61は、
PI制御部61cにおいて、フィードバック系61gか
らの実際のパワーローラ傾転角φと、上記パワーローラ
目標傾転角φ*との偏差に応じたフィードバックステッ
プ数SFBを求める。ここでPI制御部61cにおける
フィードバック制御の比例ゲインは、前記した通りトル
クシフトの要因である外乱△yが大きいのに呼応して大
きく設定し、パワーローラ傾転角φを良好な応答で目標
傾転角φ*に収束させるようにする。
【0035】コントローラ61は、フィードフォワード
ステップ数SFF、フィードバックステップ数SFBの
和を変速指令値(ステップ数)Uとしてステップモータ
122に与える。この時ステップモータ122は、変速
制御指令値Uに応じた段歩駆動により、変速制御弁12
0のスリーブ126をXspだけスプール128に体し
相対的に中立位置から変位させる。これにより、変速制
御弁120およびピストン108aで構成される油圧サ
ーボは、パワーローラ20をyだけオフセットさせ、こ
のオフセットに伴いパワーローラ20はφだけ傾転す
る。この傾転φは、変速機出力回転数Noとの関係で決
まる変速機入力回転数Niを目標入力回転数Ni*に近
づくように変化させ、所定の変速を行わせることができ
る。
【0036】ここで入出力コーンディスク16,18が
逆転した場合、前記したように変速制御弁120が切り
替わるため、上記フィードバック系61gは上記記載し
たように機能せず、これにより制御偏差が拡大する結果
となる。特に本実施の形態のごとくPI制御部61cを
有し偏差量の積分値を用いる場合、フィードバックステ
ップ数SFBは無限大、またはPI制御部61cが設定
する限界値に至る。
【0037】フィードバックステップ数SFBの増大に
より制御偏差判定手段であるところの逆転判断機構61
fが図4に示す手順で判断し、制御切り替え機構61d
によりPI制御部61cと逆転制御部61eが切り替え
られる。図4においてはまずステップ401において車
速(VSP)を読み込み、ステップ402において停止
の判断をおこなう。トロイダル型無段変速機は前記の変
速機構を持つため、停止中にはステップの駆動位置いか
んを問わず、変速動作が行われない。そのため制御偏差
が拡大しステップモータ122がPI制御部61cが設
定する限界値にならないように、逆回転判断とする(ス
テップ405)。停止していない場合はステップ403
にてフイードバックステップSFBを読み込み、続くス
テップ404でフイードバックステップSFBの大きさ
を所定値と比べ、これが大きい場合は逆転判断(ステッ
プ405)し、そうでない場合は順回転判断とする(ス
テップ406)。逆転判断機構61fからの出力により
制御切り替え機構61dが、PI制御61cと逆転制御
部61eとの出力を切り替える。
【0038】逆転制御部61eでは、制御偏差に係わら
ず、所定の位置にステップモータを停止させる。すなわ
ち、図5に示す変速マップの停止状態の変速比を与える
位置にステップモータを停止させる。これにより、逆転
時にステップモータがPI制御部61cがこの制限値に
まで移動し、急激に順回転動作になった瞬間に、ステッ
プモータが所定の位置まで戻りきらないとう問題が回避
される。
【0039】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られ
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におけ
る設計の変更等があっても、本発明に含まれる。
【0040】
【発明の効果】 かくして本発明によるトロイダル型無
段変速機の変速制御装置は、請求項に記載したごとく、
電子的フィードバック機構の偏差が所定値より大きいこ
とを判定する制御偏差判定手段を有する構成としたた
め、入出力コーンディスクの回転方向に応じてメカニカ
ル変速制御装置が切り替わることより、前記電子的フィ
ードバック制御が変速比に対し作用する経路が変化する
ことより前記電子的フィードバック制御により与えられ
る目標変速比と異なる変速比にトロイダル型無段変速機
が制御されることより制御偏差が拡大し、それがため電
子フィードバック系が不正な動作を起こし、その影響に
より順回転時において変速動作が不正となることを防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置により変速制御すべきトロイダル型
無段変速機を例示する縦断面図である。
【図2】同トロイダル型無段変速機を示す縦正面図であ
る。
【図3】同トロイダル型無段変速機用に構成した本発明
回転方向検知法を用いた変速制御系の一実施の形態を示
す変速制御系の模式図である。
【図4】同回転方向検知法の手順を示すフローチャート
である。
【図5】車速とスロットル開度より変速比を決定するに
あたり使用する変速マップである。
【図6】従来のトロイダル型無段変速機の変速制御シス
テムを示す模式図である。
【符号の説明】
14 入力軸 16 入力コーンディスク 18 出力コーンディスク 20 パワーローラ 61 コントローラ 61a 変速マップ 61b 目標傾転角演算部 61c PI制御部 61d 制御切り替え部 61e 逆転制御部 61f 逆転判断機構 61g フィードバック系 61h フィードフォワード部 70 ローディングカム 108 ピストン 116 プリセスカム 118 カムリンク 120 変速制御弁 122 ステップモータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同軸配置した入出力コーンディスクと、
    これら入出力コーンディスク問で摩擦係合により動力の
    受け渡しを行うパワーローラとよりなるトロイダル伝動
    ユニットを具え、 変速指令値に対応して前記パワーローラを、回転軸線が
    前記入出力コーンディスクの回転軸線と交差する位置か
    らオフセットさせ、該オフセットにより入出力コーンデ
    ィスクからの分力でパワーローラを、自己の回転軸線と
    直交する首振り軸線回りに傾転させることにより、無段
    変速を行わせると共に、該無段変速により前記変速指令
    値が達成される時、前記パワーローラを、前記オフセッ
    トがなくなる位置に復帰させて、前記変速指令値達成状
    態を維持するようにするにあたり、入出力コーンディス
    クの回転方向別に異なるメカニカル変速制御装置を有
    し、該メカニカル変速制御装置を入出力コーンディスク
    の回転方向に応じて切り替えて用いると共に、所望の変
    速比を達成する目標となる物理量と、実際の変速比に関
    した物理量の差を該メカニカル変速装置の一方に作用さ
    せ、電子的フィードバックを構成する手段を有するトロ
    イダル型無段変速機において、 電子フィードバック機構の偏差が所定値より大きいこと
    を判定する制御偏差判定手段を有し、 前記入出力コーンディスクの回転方向に応じてメカニカ
    ル変速制御装置が切り替わることより、前記電子的フィ
    ードバック制御が変速比に対し作用する経路が変化する
    ことより前記電子的フィードバック制御により与えられ
    る目標変速比と異なる変速比にトロイダル型無段変速機
    が制御されることより制御偏差が拡大し、前記制御偏差
    判定手段が前記入出力コーンディスクの回転方向を検出
    することを特徴とするトロイダル型無段変速装置の回転
    方向検出装置。
JP6094296A 1996-03-18 1996-03-18 トロイダル型無段変速装置の回転方向検出装置 Pending JPH09250618A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6909953B2 (en) 2002-06-05 2005-06-21 Nissan Motor Co., Ltd. Shift control of continuously-variable transmission

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6909953B2 (en) 2002-06-05 2005-06-21 Nissan Motor Co., Ltd. Shift control of continuously-variable transmission

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