JPH09249918A - 耐冷水型孔食用銅管の製造方法 - Google Patents

耐冷水型孔食用銅管の製造方法

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JPH09249918A
JPH09249918A JP8483696A JP8483696A JPH09249918A JP H09249918 A JPH09249918 A JP H09249918A JP 8483696 A JP8483696 A JP 8483696A JP 8483696 A JP8483696 A JP 8483696A JP H09249918 A JPH09249918 A JP H09249918A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配管用銅管の管内残留炭素量を大幅に低減で
き、銅管における孔食の発生を大きく減少することが可
能となり、管内皮膜の密着性にも優れ、配管系内のトラ
ブル発生もなくなる配管用銅管の製造方法を提供する。 【解決手段】 抽伸加工後、調質のため焼鈍処理を行う
配管用軟質ないし半硬質銅管の製造において、焼鈍処理
時、銅管の内部に酸化性ガスを供給して昇温したのち、
酸化性ガスの供給を停止して昇温して管内に残留する潤
滑油を燃焼分解し、ついで非酸化性ガスを供給して酸化
銅の生成を防止しながら焼鈍温度に昇温する。焼鈍後、
酸化銅の生成温度より低い温度域に冷却されるまで非酸
化性ガスの供給を継続するのがより好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐冷水型孔食用銅管の
製造方法、詳しくは、ビル、マンション、一般住宅等の
建築用給水、給湯配管、湯沸器用伝熱管、冷温水を使用
する空調機器用配管および伝熱管等に適用される軟質な
いし半硬質銅管の製造工程において、管内面に残留する
遊離炭素に基づく炭素質皮膜の形成を低減するための調
質焼鈍処理を行う耐冷水型孔食用銅管の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】配管用軟質ないし半硬質銅管の製造にお
いては、銅管の抽伸工程で使用される潤滑油が管内面に
残存し、この残存潤滑油が引き続いて行われる調質焼鈍
処理により炭素質皮膜に変化して管内に不均一に残留す
る。
【0003】硬水を使用する欧米では、従来から給水、
給湯用配管として使用されるりん脱酸銅管にI(いち)
型孔食の発生が経験されているが、このI(いち)型孔
食は銅管内に残留する前記炭素質皮膜に起因するものと
推定されており、炭素質皮膜の形成を防止し、あるいは
残留炭素質皮膜を除去するために、炭素質皮膜をサンド
ブラスト等で機械的に除去する方法(BS規格 2871)や、
通常の焼鈍処理後、銅管内面を有機溶剤で洗浄、脱脂
し、酸化性混合ガスを管内に通しながら焼鈍して管内に
炭素質皮膜が残留するのを防止する方法(GB 2,041,483
号) が対策として示されている。
【0004】我が国では、使用水質が軟水であるため、
これまで給水、給湯用りん脱酸銅管に欧米でみられるI
(いち)型孔食は殆ど経験されていなかったが、最近、
軟水の地下水使用において経験されるようになった冷水
型孔食は、腐食形態、腐食生成物等がI(いち)型孔食
と類似しており、I(いち)型孔食の場合と同様、銅管
内の残留炭素質皮膜をなくすことが冷水型孔食の防止対
策になることが次第に明らかにされてきている。
【0005】従来、我が国においては、管内面に残存す
る炭素質皮膜の除去については、製造上、管理範囲外で
あり、通常、りん脱酸銅管の製造においては、外観上の
商品価値の観点から、銅管内外面の酸化変色を防ぐため
に、管内外面を窒素ガス、DXガス等の非酸化性ガス雰
囲気あるいは還元性ガス雰囲気として焼鈍処理が施され
ている。しかし、この処理では管内に残留する炭素質皮
膜は除去できない。
【0006】欧米で提案されている前記サンドブラスト
等の機械的除去方法あるいは管内を洗浄後、酸化性ガス
を管内に通して焼鈍する方法は、環境上、コスト上の問
題点があるため、これらの問題を解決するため、発明者
らは先に、銅管の内部を純度99.9%以上の水素ガスで置
換したのち、非酸化性雰囲気または還元性雰囲気中で焼
鈍処理する方法を提案した。(特開平6-330265号公報)
この方法によれば、管内の遊離炭素量を従来に比べてか
なり低減させることができるが、使用環境によっては、
なお孔食が生じる場合があり、耐孔食性を改善するため
に、炭素量をさらに減少させることが望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、給水、給湯
用等の配管用銅管として使用され、調質のための焼鈍処
理を実施する軟質ないし半硬質銅管、とくにりん脱酸銅
管内に形成される炭素質皮膜をなくすための製造方法に
ついて、さらに検討を加えた結果としてなされたもので
あり、その目的は、配管用銅管の製造において、管内に
生じる炭素質皮膜を、製造コストの増大を招くことな
く、また環境上の問題もなく、従来の除去方法に比べて
さらに低減することを可能とする調質焼鈍処理を行う耐
冷水型孔食用銅管の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による耐冷水型孔食用銅管の製造方法は、抽
伸加工後、調質のための焼鈍処理を行う配管用軟質ない
し半硬質りん脱酸銅管の製造方法において、焼鈍処理
時、銅管の内部に酸化性ガスを供給したのち酸化性ガス
の供給を停止して残存潤滑油を燃焼分解し、ついで非酸
化性ガスを供給して酸化銅の生成を防止することを構成
上の第1の特徴とする。
【0009】また、焼鈍処理時の昇温過程において、銅
管の内部に、酸化銅の生成温度に達する前の温度まで酸
化性ガスを供給したのち酸化性ガスの供給を停止して、
銅管内面に残存する潤滑油が完全燃焼する温度まで保持
し、ついで、銅管の内部に非酸化性ガスを供給して焼鈍
温度に昇温することを第2の特徴とし、昇温後、酸化銅
の生成温度より低い温度域に冷却されるまで非酸性ガス
の供給を続けること、酸化性ガスが酸素5 容量%以上、
50容量%未満を含有するガスであること、および非酸化
性ガスが窒素ガスであることを発明構成上の第3、第4
および第5の特徴とする。
【0010】本発明は、抽伸加工後に焼鈍による軟化処
理を行う配管用軟質ないし半硬質銅管、とくにりん脱酸
銅管に適用される。銅管を抽伸加工した場合、抽伸工程
で使用される高級炭化水素を含む潤滑油が管内に残存す
ることは避けられず、引き続いて行われる焼鈍処理にお
いて、高級炭化水素は熱分解反応により芳香族炭化水素
ならびに低級炭化水素に変化する。通常の焼鈍雰囲気に
おいては、焼鈍処理中、芳香族炭化水素はさらにタール
を経て炭素に変化し、この炭素が皮膜状となって銅管内
に不均一に残留する。
【0011】本発明は、銅管を抽伸加工したのち調質焼
鈍処理する場合、銅管の内部に、まず酸化性ガスついで
非酸化性ガスを通すことを特徴とするものであるが、そ
の方法は、抽伸加工後の銅管の内面に残存する潤滑油を
燃焼分解させるために、銅管の内部に酸化性ガスを供給
して昇温し、酸化性ガスの供給を停止してさらに昇温す
る第1段階、非酸化性ガスを供給して焼鈍温度に昇温す
る第2段階を基本的構成とし、好ましくは、焼鈍完了
後、酸化銅の生成温度より低い温度域に冷却されるまで
非酸性ガスの供給を続ける第3段階を付加する。
【0012】本発明では、抽伸加工後、銅管を調質焼鈍
処理のため昇温する過程において、酸化性ガスが管内に
連続的に供給されるから、管内に残存した潤滑油の酸化
分解反応が管全長にわたって均一に生じ、気体状の二酸
化炭素として放出され、炭素質皮膜形成の原因となる遊
離炭素の生成が抑制されて、炭素質皮膜の形成を大幅に
低減し、銅管における耐冷水型孔食の発生が防止され
る。同時に、配管時のトラブルの原因となる酸化銅皮膜
の生成を最低限に抑制することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】第1段階は、銅管の内部に所定量
の酸素を供給し、酸素の存在下で、銅管内面に残存する
潤滑油を燃焼分解し、気体状の二酸化炭素として放出
し、管内へ遊離炭素の残留を防止するものである。銅管
の内部に供給する酸化性ガスとしては、酸素5 %以上、
50%未満を含有するガスが好ましく、酸素が5 %未満で
は潤滑油の酸化分解が十分に進行しない場合があり、50
%以上になると管内面の酸化が促進され酸化銅が生成し
易くなる。
【0014】酸化性ガスの供給を高温まで継続すると、
銅管の内面に密着性の劣る酸化銅(CuO)が生成して
内面が黒色変色し、商品価値が損なわれるのみでなく、
実際の使用に当たり配管された場合、剥離した酸化銅皮
膜により配管系内に汚損、詰まりなどのトラブルが生じ
るおそれがあるから、密着性に優れ、内面変色度も商品
として十分許容できる亜酸化銅(Cu2 O)のみが銅管
の内面に形成されるようにするため、酸化銅の生成温度
(安定生成温度)に達する前の温度で酸化性ガスの供給
を停止し、銅管内面の潤滑油が完全に燃焼する温度まで
保持する。
【0015】酸化銅と亜酸化銅の生成境界温度は、酸素
分圧と温度の関係から実用条件では約230 〜250 ℃の範
囲であるから、この温度範囲に達したとき、またはその
前に酸化性ガスの供給を停止するのが好ましい。また、
銅管の抽伸加工において一般に使用される高級炭化水素
からなる潤滑油が完全燃焼する温度は、400 〜410 ℃前
後の温度であるから、酸化性ガスの供給を停止した状態
で、この温度範囲まで昇温するのが好ましい。
【0016】酸化銅が安定生成する約230 〜250 ℃の温
度から潤滑油が完全燃焼する温度までの温度域は、酸化
銅の生成温度域であるが、潤滑油を酸化分解して管内面
の残留遊離炭素を極力低減するとともに管内面に酸化銅
が生成するのを極力低減するという両条件を満足させる
ためには、上記第1段階に示す工程で処理するのが好ま
しい。
【0017】第2段階は、非酸化性ガスを銅管の内部に
供給して焼鈍温度に昇温する段階であり、酸化銅の生成
を防止し、且つ前記酸化性ガスの停止の間に熱分解した
潤滑油が再付着して遊離炭素として残留するのを防ぐ。
銅管は焼鈍したのち冷却されるが、焼鈍温度から酸化銅
の安定生成温度、約230 〜250 ℃まで冷却される間に、
銅管の内面に酸化銅が生成するおそれがあるから、銅管
が酸化銅の生成温度より低い亜酸化銅の生成温度域に冷
却されるまで、非酸化性ガスの供給を継続する第3段階
を付加するのがより好ましい。なお、非酸化性ガスとし
ては窒素ガスなどの不活性ガスが好適に使用される。
【0018】本発明においては、抽伸加工した銅管を焼
鈍炉中で調質焼鈍する場合、昇温時、冷却時に銅管の内
部に酸化性ガス、非酸化性ガスを供給するのみで、別の
工程が付加されるものではなく、既存の焼鈍炉にガス供
給装置を付設するのみで足り、コイル状の銅管にも適用
可能である。焼鈍処理中は、銅管の外面の酸化変色を防
止するため、従来と同様、焼鈍炉内を窒素ガス、DXガ
スなどによる非酸化性雰囲気あるいは還元性雰囲気とす
ることが望ましい。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。 実施例1 りん脱酸銅管(JIS H3300 C1220)を、炭化水素系高分子
化合物を主成分とする動粘度500cSt(40 ℃) 、残留炭素
分0.01%の潤滑油(潤滑油A)を用いてブルブロック抽
伸により加工し、管外径15.88mm 、肉厚0.71mm、長さ10
0mのコイル状の管とした。このコイル状りん脱酸銅管4
コイルを、電気炉を使用し、表1に示す条件で焼鈍処理
した。なお、焼鈍処理は600 ℃×20分の条件で行い、潤
滑油Aの完全燃焼温度については、別途熱分析を行っ
て、窒素雰囲気、加熱速度10℃/ 分の条件で加熱減量が
99%となる温度(410℃) を求め、この温度を潤滑油Aの
完全燃焼温度とした。また焼鈍は大気中で行った。
【0020】焼鈍処理後、100mコイルの入口部、中央
部、出口部の3か所について、それぞれ2m長さの供試管
を採取し、各供試管内に残留する炭素質皮膜量を以下の
方法で測定し、遊離炭素量を求めた。 (1) 供試管内にヘキサンを充填して残留油分を除去す
る。 (2) 供試管内を乾燥後、硝酸と塩酸(1:1)の混酸溶液を
管内に注入し、管内全表面を溶解することにより残留し
た炭素質皮膜を除去し、混酸溶液中に溶解させる。 (3) 炭素質皮膜を溶解した混酸溶液を、予め加熱処理し
たガラス濾紙を用いて吸引濾過し、濾紙上に炭素質皮膜
を採取する。 (4) 採取した炭素質皮膜を、濾紙とともに酸素気流中で
燃焼し、発生する炭素ガスを電量滴定法により定量し、
遊離炭素を求める。
【0021】また、各コイルの上記3か所から長さ1mの
供試管を採取して、半割り後、管内面の変色状態、生成
皮膜の密着性を評価し、X線回折により主たる生成物質
(酸化物)を同定した。管内に残留する遊離炭素量の測
定結果、管内面の変色状態、主たる生成物質、生成皮膜
の密着性の評価結果を表1に示す。なお、生成皮膜の密
着性は、半割り管を展開し偏平にした際、皮膜の剥離が
ほとんど無いものを密着性良好(○)とし、皮膜がほぼ
全域にわたって剥離したものを密着性不良(×)とし、
総合評価としては、遊離炭素量が0.01mg/dm2以下で、且
つ皮膜の密着性が良好なものを○、遊離炭素量が0.01mg
/dm2を越える場合または皮膜の密着性が不良なものを×
とした。
【0022】比較例1 実施例1と同じ条件で抽伸加工した同一材質、同一寸法
のコイル状りん脱酸銅管を、実施例1と同じく電気炉を
使用し、大気雰囲気中で、表3に示す条件に従って600
℃×20分の焼鈍処理を行い、焼鈍処理後、4コイルにつ
いて、実施例1と同様に供試管を採取して、実施例1と
同じ方法で、遊離炭素量を測定し、管内面の変色状態を
観察し、主たる生成物質、生成皮膜の密着性を評価し
た。結果を表4に示す。
【0023】
【表1】 《表注》使用ガスにおける酸素%は容量%、表3、5、7も同じ。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】 《表注》混合:CuO とCu2Oとの混合皮膜
【0027】表2に示されるように、本発明により処理
されたりん脱酸銅管( 試験No.1〜4)は、管内残留遊離炭
素量がいずれも0.01mg/dm2以下で、管内面に生成された
皮膜の密着性も優れていた。これに対して、比較例によ
る銅管は遊離炭素量が多く、あるいは管内面の酸化が進
行して黒褐色の酸化銅(CuO) が生成し密着不良となり、
総合評価において劣っている。試験No.5は使用ガス中の
酸素濃度が低いため、酸化不足となり残留炭素量が多
い。試験No.6は使用ガス中の酸素濃度が高過ぎるため、
酸化が進んで酸化銅が生成し、皮膜の密着性が劣ってい
る。試験No.7は酸化銅の生成温度域まで酸化性ガスの供
給を続けたため、酸化が進んで酸化銅が生成し、皮膜の
密着性がわるくなっている。試験No.8は低温で酸化性ガ
スの供給を停止したため、十分な酸化が進行せず遊離炭
素量が多くなっている。
【0028】実施例2 りん脱酸銅管(JIS H3300 C1220)を、炭化水素系高分子
化合物を主成分とする動粘度150cSt(40 ℃) 、残留炭素
分0.01%以下の潤滑油(潤滑油B)を用いてブルブロッ
ク抽伸し、管外径22.22mm 、肉厚0.81mm、長さ600mのコ
イル形状に加工した。このコイル状銅管3コイルを、実
施例1と同様、電気炉を使用して表5に示す条件に従っ
て600 ℃×20分の焼鈍処理を行った。なお、管外面は窒
素ガス雰囲気とした。潤滑油Bの完全燃焼温度は、別途
熱分析を行い、窒素ガス雰囲気中、加熱速度10℃/ 分で
加熱した場合、加熱減量が99%となる温度(400 ℃) を
もとめ、これを潤滑油Bの完全燃焼温度とした。
【0029】焼鈍処理後、各コイル状銅管の入口部、中
央部および出口部の3か所から供試管を採取し、実施例
1と同様に、遊離炭素量を測定し、管内面皮膜の変色を
観察し、皮膜の密着性を評価した。結果を表6に示す。
【0030】比較例2 実施例2と同じ条件で抽伸加工し、表7に示す条件に従
って焼鈍処理した同一材質、同一寸法のコイル状りん脱
酸銅管の3コイルについて、入口部、中央部および出口
部の3か所から供試管を採取し、実施例2と同じく、遊
離炭素量を測定し、管内面皮膜の変色を観察し、皮膜の
密着性を評価した。結果を表8に示す。
【0031】
【表5】
【0032】
【表6】
【0033】
【表7】
【0034】
【表8】
【0035】表6に示すように、本発明に従って処理さ
れた銅管内の遊離炭素量は、いずれも0.01mg/dm2以下と
少なく、管内面皮膜の密着性も良好である。これに対し
て、比較例における試験No.12 は、第1段階において酸
化性ガスの供給を停止して昇温する工程を行わず、直ち
に窒素ガスを供給して焼鈍温度に昇温したため、潤滑油
の酸化分解が不十分となり残留炭素量が多くなってい
る。試験No.13 は第2段階において酸化性ガスを供給し
たため、管内面の酸化が進行し黒色の酸化銅が生成し、
皮膜の密着性がわるくなっている。試験No.14 は、第2
段階において窒素ガスの供給を420 ℃で停止し、停止状
態で焼鈍処理、冷却を行ったため、酸化分解した潤滑油
が再付着して遊離炭素量が多くなっている。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、配管用銅管の炭素質皮
膜生成を大幅に低減することができるから、配管用銅管
に対する冷水型孔食の発生を大きく減少させることが可
能となる。本発明は、焼鈍炉にガス供給装置を付設する
のみで足り、既存の設備構成により従来の工程を殆ど変
えることなく実施することができるから、製造コストの
増大を招くことがなく耐冷水型孔食を有する銅管の安定
供給に役立ち、また配管系内のトラブルの発生もなくな
り、工業上きわめて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E03C 1/02 E03C 1/02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抽伸加工後、調質のための焼鈍処理を行
    う配管用軟質ないし半硬質銅管の製造方法において、焼
    鈍処理時、銅管の内部に酸化性ガスを供給したのち酸化
    性ガスの供給を停止して残存潤滑油を燃焼分解し、つい
    で非酸化性ガスを供給して酸化銅の生成を防止すること
    を特徴とする耐冷水型孔食用銅管の製造方法。
  2. 【請求項2】 焼鈍処理時の昇温過程において、銅管の
    内部に、酸化銅の生成温度に達する前の温度まで酸化性
    ガスを供給したのち酸化性ガスの供給を停止して、銅管
    内面に残存する潤滑油を完全燃焼する温度まで保持し、
    ついで、銅管の内部に非酸化性ガスを供給して焼鈍温度
    に昇温することを特徴とする請求項1記載の耐冷水型孔
    食用銅管の製造方法。
  3. 【請求項3】 焼鈍処理時の昇温過程において、銅管の
    内部に、酸化銅の生成温度に達する前の温度まで酸化性
    ガスを供給したのち酸化性ガスの供給を停止して、銅管
    内面に残存する潤滑油が完全燃焼する温度まで保持し、
    ついで、銅管の内部に非酸化性ガスを供給して焼鈍温度
    に昇温し、酸化銅の生成温度より低い温度域に冷却され
    るまで、非酸化性ガスの供給を続けることを特徴とする
    請求項1〜2記載の耐冷水型孔食用銅管の製造方法。
  4. 【請求項4】 酸化性ガスが、酸素を5 %(容量%、以
    下同じ)以上50%未満含有するガスであることを特徴と
    する請求項1〜3記載の耐冷水型孔食用銅管の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 非酸化性ガスが窒素ガスであることを特
    徴とする請求項1〜4記載の耐冷水型孔食用銅管の製造
    方法。
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CN103866159A (zh) * 2012-12-13 2014-06-18 株式会社科倍可菱材料 耐腐蚀性铜合金管
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