JPH0437886Y2 - - Google Patents
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- JPH0437886Y2 JPH0437886Y2 JP19355186U JP19355186U JPH0437886Y2 JP H0437886 Y2 JPH0437886 Y2 JP H0437886Y2 JP 19355186 U JP19355186 U JP 19355186U JP 19355186 U JP19355186 U JP 19355186U JP H0437886 Y2 JPH0437886 Y2 JP H0437886Y2
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Landscapes
- Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本考案は鋼線を冷間伸線後に熱処理する装置の
改良に関する。 更に詳しくは、冷間伸線した鋼線を熱処理する
際の、パイプを使用した間接加熱装置において、
パイプ内に伸線潤滑剤が炭化した残渣が詰るとい
うトラブルを解消するための工夫された装置を提
供するものである。 〔従来の技術及び考案が解決しようとする問題
点〕 中・高炭素鋼線又は低合金鋼鋼線の一般的な製
造工程として、所定の成分を含有する熱間圧延線
材に冷間伸線加工を施して所望の寸法に仕上げた
後、熱処理を施して必要とする機械的性能を附与
したり、又更に伸線加工を加えて一段と細径の鋼
線を得るための中間的な熱処理を施す等、冷間伸
線加工の後で熱処理を行うものがある。 そして、この様な熱処理に使用される加熱装置
として、パイプを使用して加熱雰囲気から鋼線を
隔絶するように工夫された加熱炉が良く用いられ
る。これは、中・高炭素鋼の鋼線では加熱中に表
面の酸化によつて鋼材表面層が脱炭を起し易く、
又表面層の酸化によつて肌荒れを生ずるため、こ
れらを防止する目的で採用されるものである。 一方、熱処理される鋼線に冷間での伸線加工が
施される際には、伸線用ダイスとの摩擦を低減す
る目的で粉末の潤滑剤(例えばステリアン酸カル
シウムやステリアン酸ナトリウム等)を使用する
のが一般的である。これらの潤滑剤は伸線後の鋼
線表面にミクロ的に埋込まれた状態となつている
ため、拭い取りやブラシで摩擦する程度の処理で
は除去することが困難であるが、加熱炉内で潤滑
剤の融点以上に加熱されると融けて流れ落ち、パ
イプ内に滞留するうちに、熱分解して、炭化物と
かカルシウムやナトリウムの酸化物等の残渣とし
てパイプ内面に固着し、次第にパイプ内の空間を
閉塞していくものである。 このような炭化物等の残渣によるパイプの閉塞
は予想以上に短時間で起きるものであり、運転状
態によつては100時間程度でパイプ内に通線する
事が困難となるのである。 装置全体の不慮の操業停止を避けるために、パ
イプを定期的に交換する処置で対応するにはあま
りにも頻度が高く、休転による操業率の低下と保
守の費用の増加を来たすことから、一般には、伸
線加工された鋼線の表面を洗滌する前処理が行わ
れている。即ち、熱処理装置と切り離されたバツ
チ式の洗滌槽にトリクロルエチレン等の有機溶剤
の洗滌液を入れ、伸線加工後の鋼線を把にして浸
漬することによつて鋼線表面の潤滑剤を除去した
り、又は電解洗滌装置等の大掛りな連続式処理ラ
インを設置することも行われている。 しかしバツチ式の洗滌槽にコイル状に捲取つた
鋼線把を浸漬する方法では、鋼線同志の接触部
分、重なり部分の洗滌が不完全であり、電解洗滌
装置を採用するにしても、潤滑剤を完全除去する
ためには槽の長さを充分に長くして、洗滌時間を
確保する必要があり、設備費用が高価になる欠点
がある。そして洗滌による潤滑剤の除去方法で
は、どのように工夫しても完全に除去することが
難かしく、実際操業上の経験から不満足な効果し
か得られていない。本考案者は、上述したような
従来技術の問題点に対処し、設備的にも比較的簡
単な装置の組み合わせで、実際操業上の操作も容
易な、かつ鋼線のハンドリングを不要にした、一
連の熱処理設備を工夫したものである。 〔問題点を解決するための手段及び考案の効果〕 この考案による熱処理装置は、中・高炭素鋼線
又は低合金鋼線を焼入又はパテンテイングする際
に加熱する加熱炉として、パイプを使用して加熱
雰囲気と鋼線とを隔絶するように工夫された加熱
炉を用い、又そのパイプ内が鋼線を伸線加工する
際に使用した潤滑剤の残渣で閉塞するトラブルを
回避するために、加熱炉の直前にインラインで前
置する。鉛浴と酸洗槽及び水洗槽とからなる潤滑
剤除去装置をタンデムに組み合わせたものであ
る。 この考案の実施態様としては、鉛浴に代えてソ
ルトバスを使用することも出来るが、その鉛浴又
は塩浴の温度は350℃以上である必要がある。 この最低温度は短時間に鋼線表面温度が潤滑剤の
融解温度以上となり一部が熱分解・炭化するに必
要となる温度であるが、350℃以下ではいたずら
に鉛浴槽が長くなり実用的でない。又実用上450
℃以上の温度は不要であり槽の長さを短かく出来
る利点よりもエネルギーロスや鉛ヒユームの発生
等の不利益が増加する。 酸洗槽は塩酸槽が最も脱残渣の成績が良く、硫
酸槽の成績は良くない。又塩酸酸洗槽の温度は15
℃〜30℃程度に保つことが塩酸ヒユームの発生を
防止する上から重要であり、酸液の冷却が必要で
ある。実用上塩酸濃度は7〜20%が良い。 水洗槽は冷水で充分であるが、より良くは加熱
炉の冷却水として使用した温排水を活用すると後
の水切れが良く、好都合である。 以上の通りに構成した装置を使用して、実操業
した結果の成績は下表のようにパイプの寿命が延
長でき、加熱炉の保守作業を軽減する効果が著し
いことが確認された。 【表】
改良に関する。 更に詳しくは、冷間伸線した鋼線を熱処理する
際の、パイプを使用した間接加熱装置において、
パイプ内に伸線潤滑剤が炭化した残渣が詰るとい
うトラブルを解消するための工夫された装置を提
供するものである。 〔従来の技術及び考案が解決しようとする問題
点〕 中・高炭素鋼線又は低合金鋼鋼線の一般的な製
造工程として、所定の成分を含有する熱間圧延線
材に冷間伸線加工を施して所望の寸法に仕上げた
後、熱処理を施して必要とする機械的性能を附与
したり、又更に伸線加工を加えて一段と細径の鋼
線を得るための中間的な熱処理を施す等、冷間伸
線加工の後で熱処理を行うものがある。 そして、この様な熱処理に使用される加熱装置
として、パイプを使用して加熱雰囲気から鋼線を
隔絶するように工夫された加熱炉が良く用いられ
る。これは、中・高炭素鋼の鋼線では加熱中に表
面の酸化によつて鋼材表面層が脱炭を起し易く、
又表面層の酸化によつて肌荒れを生ずるため、こ
れらを防止する目的で採用されるものである。 一方、熱処理される鋼線に冷間での伸線加工が
施される際には、伸線用ダイスとの摩擦を低減す
る目的で粉末の潤滑剤(例えばステリアン酸カル
シウムやステリアン酸ナトリウム等)を使用する
のが一般的である。これらの潤滑剤は伸線後の鋼
線表面にミクロ的に埋込まれた状態となつている
ため、拭い取りやブラシで摩擦する程度の処理で
は除去することが困難であるが、加熱炉内で潤滑
剤の融点以上に加熱されると融けて流れ落ち、パ
イプ内に滞留するうちに、熱分解して、炭化物と
かカルシウムやナトリウムの酸化物等の残渣とし
てパイプ内面に固着し、次第にパイプ内の空間を
閉塞していくものである。 このような炭化物等の残渣によるパイプの閉塞
は予想以上に短時間で起きるものであり、運転状
態によつては100時間程度でパイプ内に通線する
事が困難となるのである。 装置全体の不慮の操業停止を避けるために、パ
イプを定期的に交換する処置で対応するにはあま
りにも頻度が高く、休転による操業率の低下と保
守の費用の増加を来たすことから、一般には、伸
線加工された鋼線の表面を洗滌する前処理が行わ
れている。即ち、熱処理装置と切り離されたバツ
チ式の洗滌槽にトリクロルエチレン等の有機溶剤
の洗滌液を入れ、伸線加工後の鋼線を把にして浸
漬することによつて鋼線表面の潤滑剤を除去した
り、又は電解洗滌装置等の大掛りな連続式処理ラ
インを設置することも行われている。 しかしバツチ式の洗滌槽にコイル状に捲取つた
鋼線把を浸漬する方法では、鋼線同志の接触部
分、重なり部分の洗滌が不完全であり、電解洗滌
装置を採用するにしても、潤滑剤を完全除去する
ためには槽の長さを充分に長くして、洗滌時間を
確保する必要があり、設備費用が高価になる欠点
がある。そして洗滌による潤滑剤の除去方法で
は、どのように工夫しても完全に除去することが
難かしく、実際操業上の経験から不満足な効果し
か得られていない。本考案者は、上述したような
従来技術の問題点に対処し、設備的にも比較的簡
単な装置の組み合わせで、実際操業上の操作も容
易な、かつ鋼線のハンドリングを不要にした、一
連の熱処理設備を工夫したものである。 〔問題点を解決するための手段及び考案の効果〕 この考案による熱処理装置は、中・高炭素鋼線
又は低合金鋼線を焼入又はパテンテイングする際
に加熱する加熱炉として、パイプを使用して加熱
雰囲気と鋼線とを隔絶するように工夫された加熱
炉を用い、又そのパイプ内が鋼線を伸線加工する
際に使用した潤滑剤の残渣で閉塞するトラブルを
回避するために、加熱炉の直前にインラインで前
置する。鉛浴と酸洗槽及び水洗槽とからなる潤滑
剤除去装置をタンデムに組み合わせたものであ
る。 この考案の実施態様としては、鉛浴に代えてソ
ルトバスを使用することも出来るが、その鉛浴又
は塩浴の温度は350℃以上である必要がある。 この最低温度は短時間に鋼線表面温度が潤滑剤の
融解温度以上となり一部が熱分解・炭化するに必
要となる温度であるが、350℃以下ではいたずら
に鉛浴槽が長くなり実用的でない。又実用上450
℃以上の温度は不要であり槽の長さを短かく出来
る利点よりもエネルギーロスや鉛ヒユームの発生
等の不利益が増加する。 酸洗槽は塩酸槽が最も脱残渣の成績が良く、硫
酸槽の成績は良くない。又塩酸酸洗槽の温度は15
℃〜30℃程度に保つことが塩酸ヒユームの発生を
防止する上から重要であり、酸液の冷却が必要で
ある。実用上塩酸濃度は7〜20%が良い。 水洗槽は冷水で充分であるが、より良くは加熱
炉の冷却水として使用した温排水を活用すると後
の水切れが良く、好都合である。 以上の通りに構成した装置を使用して、実操業
した結果の成績は下表のようにパイプの寿命が延
長でき、加熱炉の保守作業を軽減する効果が著し
いことが確認された。 【表】
第1図は、この考案の一実施例を示す図であ
る。 図において、1,2は鋼線供給送出装置、3は
鋼線、4は鉛浴、5は酸洗塩酸槽、6は水洗槽、
7は間接加熱用パイプ、8はパイプ式間接加熱
炉、9は熱処理部、10は水冷部、11は鋼線捲
取装置。
る。 図において、1,2は鋼線供給送出装置、3は
鋼線、4は鉛浴、5は酸洗塩酸槽、6は水洗槽、
7は間接加熱用パイプ、8はパイプ式間接加熱
炉、9は熱処理部、10は水冷部、11は鋼線捲
取装置。
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 中・高炭素鋼線又は低合金鋼鋼線に熱処理を
施す熱処理装置であつて、熱処理に関る加熱装
置がパイプを使用する間接式加熱である熱処理
用加熱炉と該加熱炉に前置して、鋼線表面を加
熱により酸化する工程と引き続いて表面を酸洗
し、その後表面を水洗する工程とをタンデムに
配置した前処理装置とを組み合わせて成ること
を特徴とする熱処理装置。 (2) 熱処理装置が、中・高炭素鋼線又は低合金鋼
鋼線の焼入又はパテンテイング装置であり、パ
イプ式間接加熱炉に前置する鋼線表面を加熱酸
化する工程が、350℃〜450℃に加熱された鉛浴
又はソルトバスであつて、表面を酸洗する工程
は7〜20%の塩酸を使用する塩酸酸洗槽である
ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第1
項記載の熱処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19355186U JPH0437886Y2 (ja) | 1986-12-15 | 1986-12-15 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19355186U JPH0437886Y2 (ja) | 1986-12-15 | 1986-12-15 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6398363U JPS6398363U (ja) | 1988-06-25 |
JPH0437886Y2 true JPH0437886Y2 (ja) | 1992-09-04 |
Family
ID=31149678
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19355186U Expired JPH0437886Y2 (ja) | 1986-12-15 | 1986-12-15 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0437886Y2 (ja) |
-
1986
- 1986-12-15 JP JP19355186U patent/JPH0437886Y2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6398363U (ja) | 1988-06-25 |
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