JPH09249522A - ゲル状乳化組成物 - Google Patents

ゲル状乳化組成物

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JPH09249522A
JPH09249522A JP6338496A JP6338496A JPH09249522A JP H09249522 A JPH09249522 A JP H09249522A JP 6338496 A JP6338496 A JP 6338496A JP 6338496 A JP6338496 A JP 6338496A JP H09249522 A JPH09249522 A JP H09249522A
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agar
gelatin
present
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emulsified composition
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JP6338496A
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Takeshi Nakamura
武 中村
Yukari Sakazaki
ゆかり 坂崎
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Pola Chemical Industries Inc
Original Assignee
Pola Chemical Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用感に優れ、洗浄作用や浸透作用等の乳化
組成物が本来的に有する機能を損なわずに界面活性剤の
配合量が減量された化粧料、皮膚外用医薬品等の乳化組
成物を提供する。 【解決手段】 化粧料、皮膚外用医薬品等の乳化組成物
に、寒天及び/又はゼラチンと揮発性油剤を、好ましく
は、寒天及び/又はゼラチンについては組成物全量に対
して0.1〜5重量%、揮発性油剤については組成物全
量に対して1〜90重量%の含有量となるように配合す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳化組成物に関
し、詳しくは、界面活性剤の配合量が軽減された化粧料
あるいは医薬品に好適な乳化組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】化粧料や皮膚外用医薬品において界面活
性剤は、水と油性成分を乳化あるいは可溶化させたり、
粉体成分を基剤に安定に分散させたりするために、ま
た、化粧落とし料においては、汚れを溶解・分散・脱離
させるために配合される必要不可欠な成分であった。し
かしながら、その一方で界面活性剤は、上記化粧料や皮
膚外用医薬品に配合する際に安全性上好ましい成分とは
言えなかった。これは、界面活性剤の有する界面活性作
用が上記の様に有用に作用すると同時に皮膚に対しては
刺激を発現させ易いためである。また、界面活性剤は、
親油性と親水性の両方の性質を兼ね備えているために、
メークアップ化粧料の化粧持ちにもあまり良い影響を与
えないと言われている。さらに、クレンジング料の様な
化粧落とし料では、拭き取りきれずに皮膚上に残存する
界面活性剤による刺激と拭き取りの際の摩擦による刺激
の相乗作用から発赤等を起こすこともあった。
【0003】この様な状況を反映して、これまでに化粧
料や皮膚外用医薬品に配合する界面活性剤量の減量を目
的として様々な方法が試みられてきた。前記方法の例と
して、ベントナイト−水のゲル中に油性成分を均一分散
した剤形や糖−ポリグリセリンエステル−炭化水素から
なる油性ゲル中に多量の水相を内包させた高内相W/O
エマルジョン、長鎖アルキルアクリル酸エステルポリマ
ー等の自己乳化型増粘剤による乳化等が挙げられる。
【0004】これらの方法によって、界面活性剤によら
ない乳化や配合界面活性剤量を著しく減少させた乳化が
可能となったが、ベントナイト系についてはゲル化が止
まらず数年で乳化物が固化してしまうという問題があ
り、高内相W/Oエマルジョンについては処方成分の自
由度が少ないという問題があり、また、自己乳化型増粘
剤による乳化は増粘剤の影響で粉体が凝集し易くなるこ
とからファンデーション系では使いにくいという問題が
あった。
【0005】一方、有機高分子ゲル化剤を用いた乳化で
は、寒天やゼラチンを用いてこの中に油性成分を分散し
て乳化する技術が知られていたが、寒天やゼラチンを用
いた乳化物では、潤いのあるしっとりとしたあるいはさ
っぱりとした好ましい使用感が得られるものの、界面活
性剤が少ない分、洗浄機能や浸透作用等の機能が損なわ
れるという問題があった。
【0006】そこで、化粧料や皮膚外用医薬品等に利用
される乳化組成物において、乳化剤形を維持しつつ乳化
組成物が本来的に有する洗浄作用や浸透作用等の機能を
損なうことなく、界面活性剤の配合量を減量する方法が
求められていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記観点から
なされたものであり、使用感に優れ、洗浄作用や浸透作
用等の乳化組成物が本来的に有する機能を損なわずに界
面活性剤の配合量が減量された化粧料、皮膚外用医薬品
等の乳化組成物を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を行った結果、乳化組成物に
(1)寒天及び/又はゼラチンと、(2)揮発性油剤と、を配
合することで、好ましい使用感が得られ、且つ乳化剤形
を維持しつつも乳化組成物が本来的に有する洗浄作用や
浸透作用等の機能を損なうことなく、界面活性剤の配合
量を減量できることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】すなわち本発明は、(1)寒天及び/又はゼ
ラチンと、(2)揮発性油剤と、を含有する乳化組成物で
ある。本発明の乳化組成物に用いる寒天及び/又はゼラ
チンとしては、特に制限されず、一般に食品等のゲル状
組成物に用いられるゼラチン、寒天等を本発明の乳化組
成物に用いることが可能である。また、本発明の乳化組
成物に用いる揮発性油剤としては、水と任意の割合で混
合しない液体すなわち油剤であって、室温で揮散する性
質を有する油剤であれば特に制限されずに挙げることが
できる。具体的には、大気圧下における沸点が200℃
未満である油剤を挙げることができ、より具体的には、
粘度0.1〜10センチストークスのジメチルポリシロ
キサン、3〜6量体の環状ジメチルポリシロキサン、炭
素数20未満の分岐の炭化水素及び総炭素数12未満の
エステル等を挙げることができる。さらに、これらの揮
発性油剤は1種が単独で又は2種以上が混合物として本
発明の乳化組成物に用いられる。
【0010】本発明の乳化組成物における上記寒天及び
/又はゼラチンと揮発性油剤の含有量は、寒天及び/又
はゼラチンについては組成物全量に対して0.1〜5重
量%であることが好ましく、また、揮発性油剤について
は組成物全量に対して1〜90重量%であることが好ま
しい。
【0011】本発明の乳化組成物は、上記寒天及び/又
はゼラチンと揮発性油剤とともに、通常の乳化組成物が
含有する基剤成分を含有し、さらに、界面活性剤や各種
用途、目的等にあわせて適宜選択される各種成分を任意
に含有する。通常の乳化組成物において基剤成分は水相
成分と油相成分とからなるが、本発明の乳化組成物にお
いてはこの油相成分を上記揮発性油剤とそれ以外の油剤
で構成することが可能であり、また上記揮発性油剤のみ
で構成することも可能である。この様な本発明の乳化組
成物は、寒天及び/又はゼラチンを水相成分に揮発性油
剤を油相成分にそれぞれ配合する以外は、通常の乳化組
成物と同様にして製造することができる。
【0012】本発明の乳化組成物として具体的には、化
粧料や皮膚外用医薬品等を挙げることができ、化粧料の
うちでも好ましくは化粧落とし料を挙げることができ
る。本発明の乳化組成物は、上記のように寒天及び/又
はゼラチンと揮発性油剤とを含有するものであって、こ
れらを含有することで、組成物に潤いのあるしっとりと
したあるいはさっぱりとした好ましい使用感を付与する
ことができ、さらに、乳化組成物が本来的に有する洗浄
作用や浸透作用等の機能を損なうことなく組成物中の界
面活性剤の含有量を少なくすることができる。また、本
発明の乳化組成物においてはこれら成分を含有すること
で乳化剤形に支障を与えることもない。上記のようにし
て乳化組成物中の界面活性剤の配合量を少なくすること
が可能となれば、化粧料においては界面活性剤に由来す
る化粧崩れや安全性の低下などの問題を、また、皮膚外
用医薬品においては界面活性剤に由来する皮膚内貯留性
の損失、安全性の低下等の問題を、それぞれの乳化組成
物の有する本来的な機能を低下させることなく有効に解
決することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。 (1)本発明の乳化組成物 本発明の乳化組成物は、(1)寒天及び/又はゼラチン
と、(2)揮発性油剤と、を含有することを特徴とする。
【0014】本発明の乳化組成物が含有する寒天とは、
海草を基源とする多糖類であって、これと水との混合物
は高温下では水溶液となり、室温に冷却するとゲル化
し、その比較的濃度の高い範囲では硬化するものをい
い、食用のゲル状組成物等に通常用いられている寒天、
カラギーナン、アルギン酸及びその塩等も含むものであ
る。また、ゼラチンとは主に食品等のゲル状組成物に用
いられている動物の皮革由来のコラーゲンの総称であ
り、本発明では基源動物の種類を問わず用いることがで
きる。
【0015】本発明の乳化組成物においては、ゼラチ
ン、寒天をそれぞれ単独で含有させてもよく、あるいは
ゼラチンと寒天の併用も可能であり、これらの中では寒
天を単独で用いることがより好ましい。この寒天及び/
又はゼラチンの本発明の乳化組成物における好ましい含
有量は0.1〜5重量%であり、0.5〜4重量%の含
有量とすることがより好ましく、1〜3重量%の含有量
とすることがさらに好ましい。
【0016】本発明の乳化組成物に用いる揮発性油剤と
しては、上述のように室温で揮散する性質を有する油剤
であれば特に制限されずに挙げることができる。室温で
揮散する油剤として、具体的には、大気圧下における沸
点が200℃未満である油剤を挙げることができる。こ
の様な揮発性油剤は、化粧料や皮膚外用医薬品に一般に
用いられており、これらを本発明に用いることが可能で
ある。
【0017】上記揮発性油剤として、より具体的には、
粘度0.1〜10センチストークスのジメチルポリシロ
キサン、3〜6量体の環状ジメチルポリシロキサン、炭
素数20未満の分岐の炭化水素及び総炭素数12未満の
エステル等を挙げることができる。さらに、炭素数20
未満の分岐炭化水素としては、イソノナン、イソデカ
ン、イソウンデカン、イソドデカン、炭素数20未満の
ポリイソブテンやこれらの数種の混合物である軽質流動
イソパラフィン等を、総炭素数12未満のエステルとし
ては、エチルイソオクタネート、メチルイソオクタネー
ト、アジピン酸ジエチル等を挙げることができる。本発
明の乳化組成物は、これらの1種を単独で又は2種以上
を混合物として含有することができる。
【0018】これらの揮発性油剤は通常の製造方法に従
って製造することも可能であるが、製品として市販され
ているものも多いのでこれらを本発明に用いることも可
能である。この様な市販品としては、例えば、粘度0.
1〜10センチストークスのジメチルポリシロキサンと
してシリコーンKF96−1c.s.(信越化学株式会
社製)等を、3〜6量体の環状ジメチルポリシロキサン
としてシリコーンDC345(東レ・ダウ・コーニング
株式会社製)等を、炭素数が20未満程度の分岐の炭化
水素では軽質流動イソパラフィンとしてシェルソル71
(松本製薬株式会社製)、アイソパーG(エクソン化学
株式会社製)等を挙げることができる。
【0019】本発明の乳化組成物における、上記揮発性
油剤の好ましい含有量は、1〜90重量%であり、5〜
80重量%の含有量とすることがより好ましく、10〜
70重量%の含有量とすることがさらに好ましい。
【0020】本発明の乳化組成物は、上記寒天及び/又
はゼラチンと揮発性油剤とともに、通常の乳化組成物が
含有する基剤成分を含有し、さらに、界面活性剤や各種
用途、目的等にあわせて適宜選択される各種成分を任意
に含有する。これら寒天及び/又はゼラチンと揮発性油
剤以外の各種成分については、本発明の乳化組成物の用
途、目的等により様々であり、これらの詳細な説明は後
述の化粧料、皮膚外用医薬品の各組成物毎に行うことと
する。また、これら各種成分は、本発明の効果を損なわ
ない範囲の含有量で本発明の乳化組成物に含有すること
が可能である。なお、本発明の乳化組成物における基剤
成分は通常の乳化組成物の基剤成分と同様に水相成分と
油相成分とからなるが、本発明の乳化組成物においては
この油相成分を上記揮発性油剤のみで構成してもよい
し、あるいは上記揮発性油剤とそれ以外の油剤との組み
合わせで構成してもよい。
【0021】また、本発明の乳化組成物において界面活
性剤の配合は上述のように任意であり、本発明において
は上記寒天及び/又はゼラチンと揮発性油剤を含有する
ことで通常の乳化組成物より少ない量の界面活性剤の配
合で良好な乳化物を得ることができる。さらに、本発明
においては必要に応じて界面活性剤を含有しない乳化組
成物を作製することも可能である。
【0022】この様な本発明の乳化組成物は、寒天及び
/又はゼラチンを水相成分に、揮発性油剤を油相成分に
それぞれ配合する以外は、通常の乳化組成物と同様にし
て、例えば、油相成分と水相成分とをそれぞれ70〜9
0℃程度に加熱し、これを混合し撹拌乳化させ、その
後、冷却する等の方法で製造することができる。
【0023】この様な本発明の乳化組成物として、具体
的には、化粧料や皮膚外用医薬品等を挙げることができ
る。以下、本発明の化粧料、皮膚外用医薬品の順にそれ
ぞれ実施の形態を説明する。
【0024】(2)本発明の化粧料 本発明の乳化組成物が適用可能な化粧料としては、乳化
型の剤形が適用できる化粧料であれば特に制限されるも
のではなく、例えば、クリーム等の基礎化粧品、ファン
デーション等のメークアップ化粧料、ヘアクリーム等の
頭髪化粧料、ボディークリーム等の全身用化粧料を挙げ
ることが可能である。
【0025】上述のように本発明の化粧料においては、
通常より少ない量の界面活性剤の配合であるいは界面活
性剤を配合せずに良好な乳化物が得られるが、これによ
り従来の乳化型化粧料において問題とされていた界面活
性剤に由来する化粧崩れや安全性の低下などを解決する
ことができる。また、本発明の化粧料はさっぱりした使
用感を有している。
【0026】さらに、本発明の化粧料を基礎化粧料とし
て用いれば、クレンジング料等では界面活性剤が減量さ
れているにもかかわらず従来のものと遜色のない化粧料
落とし作用を発揮することができる。ファンデーション
として用いれば、パウダー等での化粧抑えのいらない、
いわゆるオールインワンファンデーションが提供でき
る。また、頭髪化粧料として用いれば、べとつき感のな
い整髪料が提供できる。この様な本発明の化粧料のう
ち、本発明の乳化組成物がより好ましく適用されるのは
クレンジング料等の化粧落とし料である。また、本発明
の化粧料は、上記寒天及び/又はゼラチンと揮発性油剤
と、以下に挙げるそれ以外の各種成分とを用いて通常の
化粧料の製造方法に従って製造することができる。
【0027】本発明の化粧料に、上記寒天及び/又はゼ
ラチンと揮発性油剤以外に配合される成分としては、通
常、化粧料に配合される水;ワセリン、スクワラン、マ
イクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、ホホバ
油、ゲイロウ、カルナウバワックス等のエステル類;オ
リーブ油、牛脂等のトリグリセライド類;セタノール、
オレイルアルコール、ステアリルアルコール等の高級ア
ルコール類;ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸
類;グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブタ
ンジオール等の多価アルコール類;エタノール、プロパ
ノール等の低級アルコール類;不揮発性のシリコーン;
脂肪酸モノグリセライド、ポオキシエチレン硬化ヒマシ
油等のノニオン界面活性剤;ラウリル硫酸ナトリウム、
アルキルスルホコハク酸エステル等のアニオン界面活性
剤;4級アルキルアミン塩等のカチオン界面活性剤;ア
ルキルベタイン等の両性界面活性剤;アラビアゴム、カ
ルボキシビニルポリマー等の増粘剤;パラベン、グルコ
ン酸クロルヘキシジン等の防腐剤;タルク、シリカゲ
ル、酸化チタン等の粉体類;トコフェロール、ブチルヒ
ドロキシトルエン等の抗酸化剤;パラアミノ安息香酸誘
導体、ベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤;ポリエ
チレングリコール、ヒアルロン酸等の保湿剤;グリチル
リチン酸ジカリウム等の抗炎症剤;クエン酸塩、酢酸塩
等のpH調整剤;キレート剤;香料;色素;胎盤抽出
物、朝鮮人参エキス、ステロール配糖体等の各種目的に
応じた薬効成分などが挙げられる。
【0028】(3)本発明の皮膚外用医薬品 本発明の乳化組成物が適用可能な皮膚外用医薬品として
は、乳化型の剤形が適用できる皮膚外用医薬品であれば
特に制限されるものではない。本発明の皮膚外用医薬品
においては、通常より少ない量の界面活性剤の配合であ
るいは界面活性剤を配合せずに良好な乳化物が得られる
が、これにより従来の乳化型の皮膚外用医薬品において
問題とされていた界面活性剤に由来する皮膚内貯留性の
損失、安全性の低下等を解決することができる。また、
界面活性剤を含有しない系とすれば、栓塞貼付下での安
全性が非常に大事な貼付剤等のマトリックスにも好適に
適用できる。さらに、上記化粧料と同様に使用感もよ
い。
【0029】本発明の皮膚外用医薬品としては、例え
ば、抗ヒスタミン剤やステロイドホルモン等を配合した
痒み止め薬、殺菌剤や抗生物質を配合した化膿防止薬、
抗炎症剤を配合した抗炎症薬、抗真菌剤を配合した水虫
治療薬やタムシ治療薬などを挙げることができる。この
様に本発明の皮膚外用医薬品には、上記寒天及び/又は
ゼラチンと揮発性油剤以外の成分として、抗ヒスタミン
剤、ステロイドホルモン、殺菌剤、抗生物質、抗炎症
剤、抗真菌剤等の各種薬効成分が適宜選択されて配合さ
れる。
【0030】また、本発明の皮膚外用医薬品は、これら
の成分の他に通常皮膚外用医薬品に適宜配合されるエイ
ゾン等の経皮吸収促進剤や、上記化粧料の配合成分とし
て詳述した、水、炭化水素類、エステル類、トリグリセ
ライド類、高級アルコール類、高級脂肪酸類、多価アル
コール類、低級アルコール類、界面活性剤、増粘剤、防
腐剤、粉体類、抗酸化剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、
キレート剤、色素等の各種成分を用いて通常の皮膚外用
医薬品の製造方法に従って製造することができる。
【0031】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。まず、
化粧料の実施例について説明する。なお、化粧料の実施
例に用いる配合量は全て重量部である。
【0032】
【実施例1〜4】 クレンジングクリーム 表1の処方に基づいてクレンジングクリームを作製し
た。すなわち、表1に示すA成分、B成分をそれぞれ8
0℃に加熱溶解した後、A成分をB成分に撹拌しながら
徐々に加えて乳化し、冷却してクレンジングクリームを
得た。
【0033】また、比較のために、実施例2のクレンジ
ングクリームの配合成分中、寒天をベントナイトに置換
したクレンジングクリーム(比較例1)、寒天をPOE
(20)オレイルエーテルに置換したクレンジングクリ
ーム(比較例2)、揮発性油剤をジメチルポリシロキサ
ン100センチストークスに置換したクレンジングクリ
ーム(比較例3)を、上記と同様の製造方法でそれぞれ
作製した。なお、比較例1のクレンジングクリームは乳
化性が不良であったが、実施例及びその他の比較例で得
られたクレンジングクリームについては乳化性は良好で
あった。
【0034】
【表1】
【0035】
【実施例5〜8】 クレンジングクリーム 表2の処方に基づいてクレンジングクリームを作製し
た。すなわち、表2に示すA成分、B成分をそれぞれ8
0℃に加熱溶解した後、A成分をB成分に撹拌しながら
徐々に加えて乳化し、冷却してクレンジングクリームを
得た。得られたクレンジングクリームの乳化性は良好で
あった。
【0036】
【表2】
【0037】<クレンジングクリームの使用性について
の評価>上記実施例1〜8及び比較例1〜3で得られた
クレンジングクリームについて、以下の方法で使用性に
関する評価を行った。
【0038】専門パネラー4名に、上記11種類のクレ
ンジングクリームをそれぞれ使用して通常のメークアッ
プ料を清拭した際のクレンジング性(メークアップ料の
取れ易さ)、メークアップ除去後のさっぱり感、ウォッ
シュオフ性(クレンジングクリームの洗い落とし易さ)
の3項目について、下記評価基準に従い5段階で評価し
てもらい、4人の平均値をそのクレンジングクリームの
評点とした。結果を表1、2の最下欄に示す。
【0039】(評価基準) 5 : 非常によい 4 : よ い 3 : ふつう 2 : 悪 い 1 : 非常に悪い
【0040】この結果から、実施例で得られたクレンジ
ングクリームは界面活性剤を含有していないにもかかわ
らず、比較例で得られた従来の界面活性剤フリーのクレ
ンジングクリームや本発明の乳化組成物の寒天を界面活
性剤に置換したクレンジングクリームに比べて、クレン
ジング性に優れていることが明らかである。また、実施
例で得られたクレンジングクリームは何れも、比較例の
クレンジングクリームに比べて、クレンジング後のさっ
ぱり感、ウォッシュオフ性に優れている。
【0041】
【実施例9〜12】 クリームファンデーション 表3の処方に基づいてクリームファンデーションを作製
した。すなわち、表3に示すA成分、B成分をそれぞれ
80℃に加熱溶解した後、B成分にC成分を分散させ、
次いで撹拌しながらこれにA成分を徐々に加えて乳化
し、冷却してクリームファンデーションを得た。
【0042】また、比較のために、実施例9のクリーム
ファンデーションの配合成分中、寒天をベントナイトに
置換したクリームファンデーション(比較例4)、揮発
性油剤をジメチルポリシロキサン100センチストーク
スに置換したクリームファンデーション(比較例5)、
寒天をベントナイトに、揮発性油剤をジメチルポリシロ
キサン100センチストークスにそれぞれ置換したクリ
ームファンデーション(比較例6)を、上記と同様の製
造方法でそれぞれ作製した。さらに、表4に配合成分を
示す従来の水中油ファンデーション(比較例7)、表5
に配合成分を示す従来の高内相油中水ファンデーション
(比較例8)を上記と同様の方法で作製して、実施例の
クリームファンデーションと比較した。
【0043】なお、比較例4及び比較例6で得られたク
リームファンデーションは分散、乳化性ともに不良であ
ったが、実施例及びその他の比較例で得られたクリーム
ファンデーションにおける分散・乳化状態は何れのもの
に関しても良好であった。
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】<クリームファンデーションの化粧仕上が
りについての評価>上記実施例9〜12及び比較例4〜
8で得られたクリームファンデーションについて、以下
の方法で化粧仕上がりに関する評価を行った。
【0048】専門パネラー4名に、上記9種類のクリー
ムファンデーションをそれぞれ用いて実際にメークアッ
プを行った際の仕上がりを、触感と見た目の総合評価と
して、下記評価基準に従って5段階で評価してもらい、
4人の平均値をそのクリームファンデーションの評点と
した。結果を表3、4、5の最下欄にそれぞれ示す。
【0049】(評価基準) 5 : パウダー感のある化粧抑えのいらない仕上がり 4 : パウダー感は乏しいが化粧抑えは要らない 3 : やや油っぽさが残るが化粧抑えはなくても可 2 : 油っぽさが残り化粧抑えは必要 1 : ぎらぎらして化粧抑えは絶対必要
【0050】この結果から、実施例で得られたクリーム
ファンデーションを用いれば、パウダー感のある仕上が
りが得られ、このクリームファンデーションをオールイ
ンワンファンデーションとして使えることがわかる。
【0051】次に、皮膚外用医薬品の実施例について説
明する。なお、以下の実施例に用いる配合量は重量%で
ある。
【0052】
【実施例13〜16】 皮膚外用剤 表6の処方に基づいて皮膚外用剤を作製した。すなわ
ち、表6のA成分、B成分をそれぞれ80℃に加熱溶解
した後、A成分をB成分に撹拌しながら徐々に加えて乳
化し、冷却して皮膚外用剤を得た。得られた皮膚外用剤
の乳化状態は良好であった。
【0053】また、比較のために日本薬局方に記載の親
水軟膏と同様にして作製した親水軟にビフォナゾールを
1重量%混ぜて混練りした抗真菌皮膚外用剤(比較例
9)を作製した。
【0054】
【表6】
【0055】<皮膚外用剤の殺菌作用についての評価>
上記実施例14で得られた抗真菌皮膚外用剤と比較例9
で得られた抗真菌皮膚外用剤とをそれぞれ1g取り、こ
のそれぞれにトリコフィトン・メンタグロファイトの分
生子を2×105個ずつ植え付け、14日後に前記分生
子の生存の様子を染色により判定した。結果は、実施例
14の抗真菌皮膚外用剤中に生存している菌体はほとん
ど認められなかったが、比較例9の抗真菌皮膚外用剤中
では菌は僅かに生存していた。この結果より、実施例1
4の抗真菌皮膚外用剤においては、比較例9の抗真菌皮
膚外用剤に比べて、抗真菌剤であるビフォナゾールを細
胞膜を通して浸潤させる作用に優れることがわかる。こ
のことから、実施例で得られた皮膚外用剤は、乳化組成
物が本来的に有する浸透作用の機能を損なっていないと
言える。
【0056】
【発明の効果】本発明の乳化組成物においては、寒天及
び/又はゼラチンと揮発性油剤とを含有することで、組
成物に優れた使用感を付与することができるとともに、
乳化組成物が本来的に有する洗浄作用や浸透作用等の機
能を損なうことなく、また、乳化剤形に支障を与えるこ
となく、組成物中の界面活性剤の含有量を減量すること
が可能である。このようにして乳化組成物中の界面活性
剤の配合量を少なくすることが可能となれば、化粧料に
おいては界面活性剤に由来する化粧崩れや安全性の低下
などの問題を、また、皮膚外用医薬品においては界面活
性剤に由来する皮膚内貯留性の損失、安全性の低下等の
問題を、それぞれの乳化組成物の有する本来的な機能を
低下させることなく有効に解決することが可能となる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 7/02 A61K 7/02 A 9/06 9/06 B 9/107 9/107 B 47/36 47/36 H 47/42 47/42 H

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)寒天及び/又はゼラチンと、(2)揮発
    性油剤と、を含有する乳化組成物。
  2. 【請求項2】 揮発性油剤の大気圧下における沸点が2
    00℃未満である請求項1記載の乳化組成物。
  3. 【請求項3】 揮発性油剤が、粘度0.1〜10センチ
    ストークスのジメチルポリシロキサン、3〜6量体の環
    状ジメチルポリシロキサン、炭素数20未満の分岐の炭
    化水素及び総炭素数12未満のエステルから選ばれる1
    種又は2種以上である請求項1又は2記載の乳化組成
    物。
  4. 【請求項4】 寒天及び/又はゼラチンの含有量が組成
    物全量に対して0.1〜5重量%であり、揮発性油剤の
    含有量が組成物全量に対して1〜90重量%である請求
    項1〜3の何れか一項に記載の乳化組成物。
  5. 【請求項5】 化粧料である請求項1〜4の何れか一項
    に記載の乳化組成物。
  6. 【請求項6】 化粧落とし料である請求項5記載の乳化
    組成物。
  7. 【請求項7】 皮膚外用医薬品である請求項1〜4の何
    れか一項に記載の乳化組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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