JPH09249519A - ゲル状乳化組成物 - Google Patents

ゲル状乳化組成物

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JPH09249519A
JPH09249519A JP8063385A JP6338596A JPH09249519A JP H09249519 A JPH09249519 A JP H09249519A JP 8063385 A JP8063385 A JP 8063385A JP 6338596 A JP6338596 A JP 6338596A JP H09249519 A JPH09249519 A JP H09249519A
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powder
water
present
agar
surfactant
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JP8063385A
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Takeshi Nakamura
武 中村
Yukari Sakazaki
ゆかり 坂崎
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Pola Chemical Industries Inc
Original Assignee
Pola Chemical Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用感に優れ、使用性を損なわずに界面活性
剤の配合量が減量された化粧料、皮膚外用医薬品等の乳
化組成物を提供する。 【解決手段】 化粧料、皮膚外用医薬品等の乳化組成物
に、寒天及び/又はゼラチンとカルボニル基を有する水
不溶性高分子粉末とを、好ましくは、寒天及び/又はゼ
ラチンについては組成物全量に対して0.1〜5重量
%、カルボニル基を有する水不溶性高分子粉末について
は組成物全量に対して0.1〜20重量%の含有量とな
るように配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳化組成物に関
し、詳しくは、界面活性剤の配合量が軽減された化粧料
あるいは医薬品に好適な乳化組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】化粧料や皮膚外用医薬品において界面活
性剤は、水と油性成分を乳化あるいは可溶化させたり、
粉体成分を基剤に安定に分散させたりするために、ま
た、化粧落とし料においては、汚れを溶解・分散・脱離
させるために配合される必要不可欠な成分であった。し
かしながら、その一方で界面活性剤は、上記化粧料や皮
膚外用医薬品に配合する際に安全性上好ましい成分とは
言えなかった。これは、界面活性剤の有する界面活性作
用が上記の様に有用に作用すると同時に皮膚に対しては
刺激を発現させ易いためである。また、界面活性剤は、
親油性と親水性の両方の性質を兼ね備えているために、
メークアップ化粧料の化粧持ちにもあまり良い影響を与
えないと言われている。さらに、クレンジング料の様な
化粧落とし料では、拭き取りきれずに皮膚上に残存する
界面活性剤による刺激と拭き取りの際の摩擦による刺激
の相乗作用から発赤等を起こすこともあった。
【0003】この様な状況を反映して、これまでに化粧
料や皮膚外用医薬品に配合する界面活性剤量の減量を目
的として様々な方法が試みられてきた。前記方法の例と
して、ベントナイト−水のゲル中に油性成分を均一分散
した剤形や糖−ポリグリセリンエステル−炭化水素から
なる油性ゲル中に多量の水相を内包させた高内相W/O
エマルジョン、長鎖アルキルアクリル酸エステルポリマ
ー等の自己乳化型増粘剤による乳化等が挙げられる。
【0004】これらの方法によって、界面活性剤によら
ない乳化や配合界面活性剤量を著しく減少させた乳化が
可能となったが、ベントナイト系についてはゲル化が止
まらず数年で乳化物が固化してしまうという問題があ
り、高内相W/Oエマルジョンについては処方成分の自
由度が少ないという問題があり、また、自己乳化型増粘
剤による乳化は増粘剤の影響で粉体が凝集し易くなるこ
とからファンデーション系では使いにくいという問題が
あった。
【0005】一方、有機高分子ゲル化剤を用いた乳化で
は、寒天やゼラチンを用いてこの中に油性成分を分散し
て乳化する技術が知られていたが、寒天やゼラチンを用
いた乳化物では、潤いのあるしっとりとしたあるいはさ
っぱりとした好ましい使用感が得られるものの、手に取
ったときにボロボロ感があり使用性に問題があった。
【0006】そこで、化粧料や皮膚外用医薬品等に利用
される乳化組成物において、乳化剤形を維持しつつ、使
用性を損なわずに界面活性剤の配合量を減量する方法が
求められていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記観点から
なされたものであり、使用感に優れ、使用性を損なわず
に界面活性剤の配合量が減量された化粧料、皮膚外用医
薬品等の乳化組成物を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を行った結果、乳化組成物に
(1)寒天及び/又はゼラチンと、(2)カルボニル基を有す
る水不溶性高分子粉末と、を配合することで、好ましい
使用感が得られ、且つ乳化剤形を維持しつつも使用性を
損なうことなく、界面活性剤の配合量を減量できること
を見出し、本発明を完成させた。
【0009】すなわち本発明は、(1)寒天及び/又はゼ
ラチンと、(2)カルボニル基を有する水不溶性高分子粉
末と、を含有する乳化組成物である。本発明の乳化組成
物に用いる寒天及び/又はゼラチンとしては、特に制限
されず、一般に食品等のゲル状組成物に用いられるゼラ
チン、寒天等を本発明の乳化組成物に用いることが可能
である。これらのうちでも本発明においては、寒天が好
ましく用いられる。
【0010】本発明の乳化組成物に用いるカルボニル基
を有する水不溶性高分子粉末としては、分子構造中にカ
ルボニル基を有する高分子化合物であって水に不溶性の
粉末であれば特に制限されないが、具体的には、セルロ
ース粉末、デンプン粉末等の水不溶性多糖類粉末、シル
クパウダー、牛皮革粉末等の水不溶性タンパク質粉末、
ナイロンパウダー等のポリアミド粉末、アクリル酸、メ
タアクリル酸及びこれらのエステルのポリマー粉末やこ
れらの共重合体粉末等のアクリル樹脂粉末等を挙げるこ
とができる。これらのカルボニル基を有する水不溶性高
分子粉末は、1種が単独で又は2種以上が混合物として
本発明の乳化組成物に用いられる。また、これらのうち
でもセルロース粉末、シルクパウダー、牛皮革粉末等が
本発明の乳化組成物において好ましく用いられる。
【0011】本発明の乳化組成物における上記寒天及び
/又はゼラチンとカルボニル基を有する水不溶性高分子
粉末の含有量であるが、寒天及び/又はゼラチンについ
ては組成物全量に対して0.1〜5重量%であることが
好ましく、また、カルボニル基を有する水不溶性高分子
粉末については組成物全量に対して0.1〜20重量%
であることが好ましい。
【0012】本発明の乳化組成物は、上記寒天及び/又
はゼラチンとカルボニル基を有する水不溶性高分子粉末
とともに、通常の乳化組成物が含有する基剤成分を含有
し、さらに、界面活性剤や各種用途、目的等にあわせて
適宜選択される各種成分を任意に含有する。通常の乳化
組成物において、基剤成分は水相成分と油相成分とから
なり、この2相を通常の方法で乳化することにより乳化
組成物が得られる。本発明の乳化組成物においては、寒
天及び/又はゼラチンを水相成分に、また、カルボニル
基を有する水不溶性高分子粉末を油相成分と水相成分の
どちらかに、それぞれ配合する以外は、通常の乳化組成
物と同様にして製造することができる。
【0013】本発明の乳化組成物として具体的には、化
粧料や皮膚外用医薬品等を挙げることができる。本発明
の乳化組成物は、上記のように寒天及び/又はゼラチン
とカルボニル基を有する水不溶性高分子粉末を含有する
ものであって、これらを含有することで、組成物に潤い
のあるしっとりとしたあるいはさっぱりとした好ましい
使用感を付与することができ、さらに、使用性を損なう
ことなく組成物中の界面活性剤の含有量を少なくするこ
とができる。つまり、有機高分子ゲル化剤を用いて界面
活性剤を減量した従来の界面活性剤減量の乳化組成物に
おいて、この乳化組成物の有する好ましい使用感を維持
したまま、問題とされていたボロボロ感を改善すること
ができる。また、本発明の乳化組成物においてはこれら
成分を含有することで乳化剤形に支障を与えることもな
い。
【0014】上記のようにして乳化組成物中の界面活性
剤の配合量を少なくすることが可能となれば、化粧料に
おいては界面活性剤に由来する化粧崩れや安全性の低下
などの問題を、また、皮膚外用医薬品においては界面活
性剤に由来する皮膚内貯留性の損失、安全性の低下等の
問題を、乳化組成物の使用性を低下させることなく有効
に解決することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。 (1)本発明の乳化組成物 本発明の乳化組成物は、(1)寒天及び/又はゼラチン
と、(2)カルボニル基を有する水不溶性高分子粉末と、
を含有することを特徴とする。
【0016】本発明の乳化組成物が含有する寒天とは、
海草を基源とする多糖類であって、これと水との混合物
は高温下では水溶液となり、室温に冷却するとゲル化
し、その比較的濃度の高い範囲では硬化するものをい
い、食用のゲル状組成物等に通常用いられている寒天、
カラギーナン、アルギン酸及びその塩等も含むものであ
る。また、ゼラチンとは主に食品等のゲル状組成物に用
いられている動物の皮革由来のコラーゲンの総称であ
り、本発明では基源動物の種類を問わず用いることがで
きる。
【0017】本発明の乳化組成物においては、ゼラチ
ン、寒天をそれぞれ単独で含有させてもよく、あるいは
ゼラチンと寒天の併用も可能であり、これらの中では寒
天を単独で用いることがより好ましい。この寒天及び/
又はゼラチンの本発明の乳化組成物における好ましい含
有量は0.1〜5重量%であり、0.5〜4重量%の含
有量とすることがより好ましく、1〜3重量%の含有量
とすることがさらに好ましい。
【0018】本発明の乳化組成物に用いるカルボニル基
を有する水不溶性高分子粉末としては、分子構造中にカ
ルボニル基を有する高分子化合物であって水に不溶性の
粉末であれば特に制限されないが、具体的には、水不溶
性多糖類粉末、水不溶性タンパク質粉末、ポリアミド粉
末、アクリル樹脂粉末等を挙げることができる。これら
のカルボニル基を有する水不溶性高分子粉末は、1種が
単独で又は2種以上が混合物として本発明の乳化組成物
に用いられる。
【0019】また、上記カルボニル基を有する水不溶性
高分子粉末として、より具体的には水不溶性多糖類粉末
として、セルロース粉末、デンプン粉末等を、水不溶性
タンパク質粉末として、シルクパウダー、牛皮革粉末等
を、ポリアミド粉末としてナイロンパウダー等をアクリ
ル樹脂粉末として、アクリル酸、メタアクリル酸及びこ
れらのエステルのポリマー粉末やこれらの共重合体粉
末、例えば、メチルアクリレートポリマー、エチルアク
リレートポリマー、メチルメタアクリレートポリマー、
エチルメタアクリレートポリマー、アクリル酸メチル−
メタアクリル酸メチルコポリマー、メタアクリル酸メチ
ル−エチレングリコールジメタアクリレートコポリマー
等の粉末を挙げることができる。
【0020】さらに、これらのうちでもセルロース粉
末、シルクパウダー、牛皮革粉末等が本発明の乳化組成
物においてより好ましく用いられる。上記本発明に用い
るカルボニル基を有する水不溶性高分子粉末は、通常の
製造方法に従って製造することも可能であるが、製品と
して市販されているものも多いのでこれらを本発明に用
いることも可能である。この様な市販品としては、例え
ば、シルクパウダーとしてシルクパウダー(絹開発研究
所製)等を、牛皮革粉末としてプロテインパウダー(出
光石油化学(株)製)等を、ナイロンパウダーとして東
レナイロンパウダーSP−500(東レ(株)製)等
を、メチルメタアクリレートポリマーとしてジュリマー
MB−1(日本純薬製)等を、メタアクリル酸メチル−
エチレングリコールジメタアクリレートコポリマーとし
てチュウクウビーズ(松本油脂製薬製)等を挙げること
ができる。
【0021】本発明の乳化組成物における上記カルボニ
ル基を有する水不溶性高分子粉末の好ましい含有量は、
0.1〜20重量%であり、1〜15重量%の含有量で
あることがより好ましく、3〜10重量%の含有量であ
ることがさらに好ましい。
【0022】本発明の乳化組成物は、上記寒天及び/又
はゼラチンとカルボニル基を有する水不溶性高分子粉末
とともに、通常の乳化組成物が含有する基剤成分(水相
成分と油相成分)を含有し、さらに、界面活性剤や各種
用途、目的等にあわせて適宜選択される各種成分を本発
明の効果を損なわない範囲の含有量で任意に含有する。
【0023】本発明の乳化組成物における基剤成分は通
常の乳化組成物の基剤成分と同様に水相成分と油相成分
とからなるが、本発明の乳化組成物において、この油相
成分を構成する油剤は、常温常圧下で液体の油剤である
ことが好ましい。これら油剤の好ましい含有量は、組成
物全量に対して1〜90重量%であり、5〜80重量%
の含有量であることがより好ましく、10〜70重量%
の含有量であることがさらに好ましい。また、基剤の水
相成分を構成する物質は、好ましくは水であり、好まし
い含有量は組成物全量に対して5〜80重量%であり、
10〜70重量%の含有量であることがより好ましく、
20〜60重量%の含有量であることがさらに好まし
い。
【0024】本発明の乳化組成物が含有する、上記寒天
及び/又はゼラチンとカルボニル基を有する水不溶性高
分子粉末以外の各種成分については、基剤成分を含めて
本発明の乳化組成物の用途、目的等により様々であり、
これらの詳細な説明は後述の化粧料、皮膚外用医薬品の
各組成物毎に行うこととする。また、本発明の乳化組成
物において界面活性剤の配合は上述のように任意であ
り、本発明においては上記寒天及び/又はゼラチンとカ
ルボニル基を有する水不溶性高分子粉末を含有すること
で通常の乳化組成物より少ない量の界面活性剤の配合で
良好な乳化物を得ることができる。さらに、本発明にお
いては必要に応じて界面活性剤を含有しない乳化組成物
を作製することも可能である。
【0025】この様な本発明の乳化組成物は、寒天及び
/又はゼラチンを水相成分に、また、カルボニル基を有
する水不溶性高分子粉末をそのどちらかに、それぞれ配
合する以外は、通常の乳化組成物と同様にして、例え
ば、油相成分と水相成分とをそれぞれ70〜90℃程度
に加熱し、このどちらかにカルボニル基を有する水不溶
性高分子粉末を分散させ、これらを混合し撹拌乳化さ
せ、その後、冷却する等の方法で製造することができ
る。
【0026】この様な本発明の乳化組成物として、具体
的には、化粧料や皮膚外用医薬品等を挙げることができ
る。以下、本発明の化粧料、皮膚外用医薬品の順にそれ
ぞれ実施の形態を説明する。
【0027】(2)本発明の化粧料 本発明の乳化組成物が適用可能な化粧料としては、乳化
型の剤形が適用できる化粧料であれば特に制限されるも
のではなく、例えば、クリーム等の基礎化粧品、ファン
デーション等のメークアップ化粧料、ヘアクリーム等の
頭髪化粧料、ボディークリーム等の全身用化粧料を挙げ
ることが可能である。
【0028】上述のように本発明の化粧料においては、
通常より少ない量の界面活性剤の配合であるいは界面活
性剤を配合せずに良好な乳化物が得られるが、これによ
り従来の乳化型化粧料において問題とされていた界面活
性剤に由来する化粧崩れや安全性の低下などを解決する
ことができる。この様に、本発明の化粧料は化粧持ち、
安全性に優れるが、また、本発明の化粧料はさっぱりし
た使用感を有しており、従来の有機高分子ゲル化剤を用
いた乳化組成物で問題とされていた手に取ったときのボ
ロボロ感も改善され使用性がよくなっている。
【0029】また、本発明の化粧料は、上記寒天及び/
又はゼラチンとカルボニル基を有する水不溶性高分子粉
末と、以下に挙げるそれ以外の各種成分とを用いて通常
の化粧料の製造方法に従って製造することができる。
【0030】本発明の化粧料に、上記寒天及び/又はゼ
ラチンとカルボニル基を有する水不溶性高分子粉末以外
に配合される成分としては、通常、化粧料に配合される
水;ワセリン、スクワラン、マイクロクリスタリンワッ
クス等の炭化水素類、ホホバ油、ゲイロウ、カルナウバ
ワックス等のエステル類;オリーブ油、牛脂等のトリグ
リセライド類;セタノール、オレイルアルコール、ステ
アリルアルコール等の高級アルコール類;ステアリン
酸、オレイン酸等の高級脂肪酸類;グリセリン、プロピ
レングリコール、1,3−ブタンジオール等の多価アル
コール類;エタノール、プロパノール等の低級アルコー
ル類;ジメチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサ
ン環状4量体等のシリコーン;脂肪酸モノグリセライ
ド、ポオキシエチレン硬化ヒマシ油等のノニオン界面活
性剤;ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルスルホコハク
酸エステル等のアニオン界面活性剤;4級アルキルアミ
ン塩等のカチオン界面活性剤;アルキルベタイン等の両
性界面活性剤;アラビアゴム、カルボキシビニルポリマ
ー等の増粘剤;パラベン、グルコン酸クロルヘキシジン
等の防腐剤;タルク、シリカゲル、酸化チタン等の粉体
類;トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン等の抗
酸化剤;パラアミノ安息香酸誘導体、ベンゾフェノン誘
導体等の紫外線吸収剤;ポリエチレングリコール、ヒア
ルロン酸等の保湿剤;グリチルリチン酸ジカリウム等の
抗炎症剤;クエン酸塩、酢酸塩等のpH調整剤;キレー
ト剤;香料;色素;胎盤抽出物、朝鮮人参エキス、ステ
ロール配糖体等の各種目的に応じた薬効成分などが挙げ
られる。
【0031】(3)本発明の皮膚外用医薬品 本発明の乳化組成物が適用可能な皮膚外用医薬品として
は、乳化型の剤形が適用できる皮膚外用医薬品であれば
特に制限されるものではない。本発明の皮膚外用医薬品
においては、通常より少ない量の界面活性剤の配合であ
るいは界面活性剤を配合せずに良好な乳化物が得られる
が、これにより従来の乳化型の皮膚外用医薬品において
問題とされていた界面活性剤に由来する皮膚内貯留性の
損失、安全性の低下等を解決することができる。また、
界面活性剤を含有しない系とすれば、栓塞貼付下での安
全性が非常に大事な貼付剤等のマトリックスにも好適に
適用できる。さらに、上記化粧料と同様、使用性等の改
善もなされている。
【0032】本発明の皮膚外用医薬品としては、例え
ば、抗ヒスタミン剤やステロイドホルモン等を配合した
痒み止め薬、殺菌剤や抗生物質を配合した化膿防止薬、
抗炎症剤を配合した抗炎症薬、抗真菌剤を配合した水虫
治療薬やタムシ治療薬などを挙げることができる。この
様に本発明の皮膚外用医薬品には、上記寒天及び/又は
ゼラチンとカルボニル基を有する水不溶性高分子粉末以
外の成分として、抗ヒスタミン剤、ステロイドホルモ
ン、殺菌剤、抗生物質、抗炎症剤、抗真菌剤等の各種薬
効成分が適宜選択されて配合される。
【0033】また、本発明の皮膚外用医薬品は、これら
の成分の他に通常皮膚外用医薬品に適宜配合されるエイ
ゾン等の経皮吸収促進剤や、上記化粧料の配合成分とし
て詳述した、水、炭化水素類、エステル類、トリグリセ
ライド類、高級アルコール類、高級脂肪酸類、多価アル
コール類、界面活性剤、低級アルコール類、増粘剤、防
腐剤、粉体類、抗酸化剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、
キレート剤、色素等の各種成分を用いて通常の皮膚外用
医薬品の製造方法に従って製造することができる。
【0034】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。まず、
化粧料の実施例について説明する。なお、化粧料の実施
例に用いる配合量は全て重量部である。
【0035】
【実施例1〜4】 クリーム 表1の処方に基づいてクリームを作製した。すなわち、
表1に示すA成分、B成分をそれぞれ80℃に加熱溶解
した後、B成分にC成分を分散させ、次いで撹拌しなが
らこれにA成分を徐々に加えて乳化し、冷却してクリー
ムを得た。
【0036】また、比較のために、実施例2のクリーム
の配合成分中、寒天をベントナイトに置換したクリーム
(比較例1)、結晶セルロースを水に置換したクリーム
(比較例2)、寒天をPOE(20)オレイルエーテル
に置換したクリーム(比較例3)、寒天をベントナイト
に、結晶セルロースを水にそれぞれ置換したクリーム
(比較例4)を、上記と同様の製造方法でそれぞれ作製
した。
【0037】
【表1】
【0038】
【実施例5〜8】 クリーム 表2の処方に基づいてクリームを作製した。すなわち、
表2に示すA成分、B成分をそれぞれ80℃に加熱溶解
した後、B成分にC成分を分散させ、次いで撹拌しなが
らこれにA成分を徐々に加えて乳化し、冷却してクリー
ムを得た。
【0039】
【表2】
【0040】<本発明のクリームの評価>上記各実施例
及び各比較例で得られたクリームを用いて、使用性・使
用感の試験及び化粧持ち試験を行い、本発明のクリーム
を評価した。
【0041】(1)使用性・使用感の試験 上記実施例1〜8及び比較例1〜4で得られたクリーム
の使用性及び使用感についての官能評価を行った。専門
パネラー4名に、各クリームを使用してもらい、これら
のクリームについて、のびの良さ、取れ易さ(以上使用
性の評価項目)、しっとり感、さっぱり感(以上使用感
の評価項目)の4項目を非常によい(5点)〜非常に悪
い(1点)の5段階で評価してもらい、4人の平均値を
そのクリームの評点とした。結果を表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】この結果より、実施例のクリームは、比較
例で得られた従来の界面活性剤フリーのクリームや本発
明の乳化組成物の寒天を界面活性剤に置換したクリーム
に比べて、使用性、使用感に優れていることが明らかで
ある。。
【0044】(2)化粧持ち試験 上記実施例1〜8及び比較例1〜4で得られたクリーム
について、このクリームの上に塗布されるメークアップ
化粧料の化粧持ちに対する作用を調べた。すなわち、各
クリームを上腕部に塗り、その上に後述の比較例8と同
様にして得られたクリームファンデーションを塗布し
て、流水下、流動パラフィン塗布下での擦りに対しての
崩れ難さを専門パネラー4名に評価してもらった。評価
は、化粧持ちが非常に良いを5点とし化粧持ちが非常に
悪いを1点とした5段階評価で、4人の平均値をそのク
リームの評点とした。結果を表4に示す。
【0045】
【表4】
【0046】この結果から、界面活性剤を含有しない実
施例のクリームは、界面活性剤を含有する比較例3のク
リームに比べて化粧持ちが著しく改善されていることが
わかる。また、「のび」と「取れ易さ」が改善された実
施例のクリームでは密着性が優れるため、比較例1、
2、4で得られた従来の界面活性剤フリーのクリームに
比べてもより化粧持ちが向上していることもわかる。
【0047】
【実施例9〜12】 クリームファンデーション 表5の処方に基づいてクリームファンデーションを作製
した。すなわち、表5に示すA成分、B成分をそれぞれ
80℃に加熱溶解した後、B成分にC成分を分散させ、
次いで撹拌しながらこれにA成分を徐々に加えて乳化
し、冷却してクリームファンデーションを得た。なお、
表中の成分でプロテインパウダーとは、出光石油化学
(株)製の牛皮革粉末の商品名である。
【0048】また、比較のために、実施例9のクリーム
ファンデーションの配合成分中、寒天をベントナイトに
置換したクリームファンデーション(比較例5)、シル
クパウダーを水に置換したクリームファンデーション
(比較例6)、寒天をベントナイトに、シルクパウダー
を水にそれぞれ置換しクリームファンデーション(比較
例7)を上記と同様の製造方法でそれぞれ作製した。さ
らに、表6に配合成分を示す従来の水中油ファンデーシ
ョン(比較例8)、表7に配合成分を示す従来の高内相
油中水ファンデーション(比較例9)を上記と同様の方
法で作製して実施例のクリームファンデーションと比較
した。
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】<本発明のクリームファンデーションの評
価>上記実施例9〜12及び比較例5〜9で得られたク
リームファンデーションを用いて化粧持ちの試験を行
い、本発明のクリームファンデーションを評価した。す
なわち、各クリームファンデーションを上腕部に塗布し
て、流水下、流動パラフィン塗布下での擦りに対しての
崩れ難さを専門パネラー4名に評価してもらった。評価
は、化粧持ちが非常に良いを5点とし化粧持ちが非常に
悪いを1点とした5段階評価で、4人の平均値をそのク
リームファンデーションの評点とした。結果を表8に示
す。
【0053】
【表8】
【0054】この結果から、実施例のクリームファンデ
ーションは、界面活性剤を含有する比較例8のクリーム
ファンデーションに比べて化粧持ちが著しく改善されて
いるばかりでなく、比較例5〜7で得られた従来の有機
高分子ゲル化剤を用いた界面活性剤フリーのクリームフ
ァンデーションや比較例9の高内相油中水ファンデーシ
ョンに比べてもより化粧持ちが向上していることがわか
る。
【0055】次に、皮膚外用医薬品の実施例について説
明する。なお、以下の実施例に用いる配合量は重量%で
ある。
【0056】
【実施例13〜16】 皮膚外用剤 表9の処方に基づいて皮膚外用剤を作製した。すなわ
ち、表9のA成分、B成分をそれぞれ80℃に加熱溶解
した後、B成分にC成分を分散させ、次いで撹拌しなが
らこれにA成分を徐々に加えて乳化し、冷却して皮膚外
用剤を得た。
【0057】また、比較のために日本薬局方に記載の親
水軟膏と同様にして作製した親水軟にビフォナゾールを
1重量%混ぜて混練りした抗真菌皮膚外用剤(比較例1
0)を作製した。
【0058】
【表9】
【0059】<本発明の皮膚外用剤の評価>上記実施例
14で得られた抗真菌皮膚外用剤と比較例10で得られ
た抗真菌皮膚外用剤を用いて殺菌作用についての試験を
行った。すなわち、前記各抗真菌皮膚外用剤をそれぞれ
1gずつ取り、このそれぞれにトリコフィトン・メンタ
グロファイトの分生子を2×105個ずつ植え付け、1
4日後に前記分生子の生存の様子を染色により判定し
た。
【0060】結果は、実施例14の抗真菌皮膚外用剤中
に生存している菌体はほとんど認められなかったが、比
較例10の抗真菌皮膚外用剤中では菌は僅かに生存して
いた。この結果より、実施例14の抗真菌皮膚外用剤に
おいては、比較例10の抗真菌皮膚外用剤に比べて、抗
真菌剤であるビフォナゾールを細胞膜を通して浸潤させ
る作用に優れることがわかる。
【0061】
【発明の効果】本発明の乳化組成物においては、寒天及
び/又はゼラチンとカルボニル基を有する水不溶性高分
子粉末とを含有することで、組成物に優れた使用感を付
与することができるとともに、使用性を損なうことな
く、また、乳化剤形に支障を与えることなく、組成物中
の界面活性剤の含有量を減量することが可能である。こ
のようにして乳化組成物中の界面活性剤の配合量を少な
くすることが可能となれば、化粧料においては界面活性
剤に由来する化粧崩れや安全性の低下などの問題を、ま
た、皮膚外用医薬品においては界面活性剤に由来する皮
膚内貯留性の損失、安全性の低下等の問題を、乳化組成
物の使用性を低下させることなく有効に解決することが
可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 9/06 A61K 9/06 B 9/107 9/107 B 47/32 47/32 F 47/34 47/34 F 47/36 47/36 H 47/38 47/38 F 47/42 47/42 H

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)寒天及び/又はゼラチンと、(2)カル
    ボニル基を有する水不溶性高分子粉末と、を含有する乳
    化組成物。
  2. 【請求項2】 寒天及び/又はゼラチンが寒天である請
    求項1記載の乳化組成物。
  3. 【請求項3】 カルボニル基を有する水不溶性高分子粉
    末が、水不溶性多糖類粉末、水不溶性タンパク質粉末、
    ポリアミド粉末、アクリル樹脂粉末から選ばれる1種又
    は2種以上である請求項1又は2記載の乳化組成物。
  4. 【請求項4】 カルボニル基を有する水不溶性高分子粉
    末が、セルロース粉末、シルクパウダー、牛皮革粉末か
    ら選ばれる1種又は2種以上である請求項3記載の乳化
    組成物。
  5. 【請求項5】 寒天及び/又はゼラチンの含有量が0.
    1〜5重量%であり、カルボニル基を有する水不溶性高
    分子粉末の含有量が0.1〜20重量%である請求項1
    〜4の何れか一項に記載の乳化組成物。
  6. 【請求項6】 化粧料である請求項1〜5の何れか一項
    に記載の乳化組成物。
  7. 【請求項7】 皮膚外用医薬品である請求項1〜5の何
    れか一項に記載の乳化組成物。
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