JPH09248714A - 歯車の高強度化方法 - Google Patents

歯車の高強度化方法

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JPH09248714A
JPH09248714A JP5204296A JP5204296A JPH09248714A JP H09248714 A JPH09248714 A JP H09248714A JP 5204296 A JP5204296 A JP 5204296A JP 5204296 A JP5204296 A JP 5204296A JP H09248714 A JPH09248714 A JP H09248714A
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JP
Japan
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gear
glass beads
strength
strengthening
tooth
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Pending
Application number
JP5204296A
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English (en)
Inventor
Teiji Suzuki
貞次 鈴木
Akinori Taoka
明範 田岡
Tadao Sugano
忠雄 菅野
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09248714A publication Critical patent/JPH09248714A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】十分な圧縮残留応力を付与するとともに、歯面
から歯元にわたって平滑な面を得ることを可能にする。 【解決手段】チャンバ14aで、熱処理後の歯車12に
向かって水18と予め設定された範囲内の量のガラスビ
ーズ20との噴流22を投射することにより、この歯車
12に圧縮在留応力を付与するとともに、前記ガラスビ
ーズ20が該歯車12の表面で粉砕して前記歯車12の
表面の酸化物層を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯車表面の強度を
高めるための歯車の高強度化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、歯車は、使用に際して繰り返
し荷重を受けるため、その表面の疲労強度を高める必要
がある。このため、従来より、熱処理後の歯車表面に鋼
球等を衝突させて圧縮残留応力を付与するショットピー
ニングが広く行われている。
【0003】例えば、特開平6−172850号公報に
は、硬球噴射手段から加圧液体と共に硬球を噴射して、
被処理歯車の歯底部に圧縮残留応力を付与する装置が開
示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術では、歯底部に対する圧縮残留応力等の向上が
認められるものの、歯面に対して圧縮残留応力を付与す
ることは考慮されていない。さらに、熱処理によって歯
車表面に生成された酸化物層を除去することが困難であ
り、しかも歯面から歯元にわたって凹凸面が残ってしま
うという問題が指摘されている。
【0005】本発明は、この種の問題を解決するもので
あり、十分な圧縮残留応力を付与するとともに、歯面か
ら歯元にわたって平滑な面を得ることが可能な歯車の高
強度化方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明は、圧送される液体と予め設定された範囲
内の量のガラスビーズとの噴流を、熱処理後の歯車表面
に向かって投射することにより、このガラスビーズが指
向性を有して所望の圧縮残留応力を付与することができ
る。その際、ガラスビーズが歯車表面で粉砕し、この歯
車表面の酸化物層が除去されるとともに、歯面から歯元
にわたって平滑な面が得られる。
【0007】ここで、噴流には、流量の2vol%〜1
9vol%の範囲内のガラスビーズが含まれている。ガ
ラスビーズの量が2vol%未満であると、処理に長時
間を要する一方、19vol%を超えると、液体の負圧
によりガラスビーズを混在させる際に該液体の速度が低
下して前記ガラスビーズに所定のエネルギーを付与する
ことができない。従って、ガラスビーズの量が、流量の
2vol%〜19vol%の範囲内に設定されることに
より、歯車の高強度化が効率的かつ十分に遂行される。
【0008】また、ガラスビーズの投射量が、5mg/
mm2 〜16mg/mm2 の範囲内に設定される。これ
により、歯車に十分な圧縮残留応力を付与するととも
に、面粗度が向上しかつ処理時間が有効に短縮化され
る。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施形態に係る
歯車の高強度化方法を実施するための高強度化装置10
の一部断面正面説明図であり、図2は、前記高強度化装
置10の一部断面側面説明図である。
【0010】高強度化装置10は、被処理物である歯車
12を保持してケーシング14内のチャンバ(処理室)
14aでこの歯車12を位置決め保持する歯車保持機構
16と、液体、例えば、水18とガラスビーズ20との
噴流22を前記歯車12に向かって投射する投射機構2
4と、この投射機構24に前記水18を圧送する水供給
機構26と、前記投射機構24に前記ガラスビーズ20
を所定量ずつ送り出すガラスビーズ供給機構28とを備
える。
【0011】歯車保持機構16は、図1に示すように、
基台29上に載置されたX軸スライドユニット30とス
ピンドルユニット32とを備える。このX軸スライドユ
ニット30を構成するX軸モータ34にボールねじ36
が連結され、このボールねじ36に一対のガイドバー3
8が平行に配設されるとともに、前記ボールねじ36と
前記ガイドバー38とを介してスピンドルユニット32
が矢印X方向に進退可能に支持される。
【0012】スピンドルユニット32は、スピンドルモ
ータ40に連結されたスピンドル42を有し、このスピ
ンドル42の先端に歯車12が装着される。スピンドル
ユニット32の先端側は、ケーシング14の側壁部に形
成された開口部44からこのケーシング14内に挿入自
在である。
【0013】投射機構24は、図2に示すように、Y軸
スライドユニット46とZ軸スライドユニット48とを
備える。Y軸スライドユニット46は、水平方向に指向
するY軸モータ50を有し、このY軸モータ50に連結
されるボールねじ52とこのボールねじ52に平行な一
対のガイドバー54とを介して、Z軸スライドユニット
48が矢印Y方向に進退自在である。このZ軸スライド
ユニット48を構成するZ軸モータ56から鉛直下方向
に延在するボールねじ58と、このボールねじ58に平
行な一対のガイドバー60とを介して、移動体62が矢
印Z方向に進退自在である。
【0014】移動体62から矢印Y方向に延在する一対
の支持ロッド64の先端に、矢印Z方向に指向して管体
66が装着される。管体66の上部には、水18の導入
をON・OFFするための開閉弁68が設けられるとと
もに、この管体66の下部には、前記水18にガラスビ
ーズ20を混合するためのミキシングチャンバ70が連
結され、このミキシングチャンバ70の下部にノズル7
2が配設される。
【0015】水供給機構26は、開閉弁68の入口側に
接続される水管路74を有し、この水管路74は、ケー
シング14内でスパイラル状に巻かれた後、このケーシ
ング14の外部に継手76を介して接続される(図1参
照)。この継手76には、図示しない高圧ポンプが接続
されており、この高圧ポンプは、噴流22を歯車12に
向かって所定の噴射圧力で投射するように設定されてい
る。
【0016】ガラスビーズ供給機構28は、ケーシング
14の上面に取り付け台78を介して保持されるホッパ
ー80を備える。このホッパー80の下部は、該ホッパ
ー80内のガラスビーズ20の残量を検出するためのロ
ードセル82が配設される。図1に示すように、ホッパ
ー80の出口側には、計量バルブ84、負圧計86およ
びレーザ流量計88が鉛直下方向に指向して連結されて
いる。レーザ流量計88に一端が接続された管路90
は、その他端をケーシング14内のチャンバ14aに挿
入してミキシングチャンバ70に接続される。ホッパー
80に充填されているガラスビーズ20は、その直径が
0.05mm〜0.3mmに設定されている。
【0017】基台29上には、ミスト回収機構92が載
置される。このミスト回収機構92を構成する一対のダ
クト94、96の先端部は、ケーシング14の側部から
チャンバ14aに挿入され、歯車12とノズル72との
間にかつ前記歯車12に近接して配置されている。
【0018】ケーシング14の下部側には、下方に指向
して縮径する円錐部98が一体的に設けられており、こ
の円錐部98の下部開口部の下方には、排液用コンベア
100が配設されている。
【0019】このように構成される高強度化装置10の
動作について、本実施形態に係る高強度化方法との関連
で説明する。
【0020】先ず、切削加工により歯切り加工が施され
た歯車12には、浸炭焼入れ処理が行われる。そして、
浸炭焼入れ処理後の歯車12が歯車保持機構16を構成
するスピンドル42にセットされる一方、投射機構24
を構成するノズル72は、Y軸スライドユニット46お
よびZ軸スライドユニット48を介して矢印Y方向およ
び矢印Z方向に選択的に位置調整され、前記歯車12に
対応して配置される。
【0021】そこで、スピンドルモータ40を介してス
ピンドル42と一体的に歯車12が所定方向に回転する
とともに、X軸スライドユニット30を構成するX軸モ
ータ34を介し、前記歯車12がこのスピンドルユニッ
ト32と一体的に矢印X1方向に移動する(図1参
照)。
【0022】その際、投射機構24が駆動され、図示し
ない高圧ポンプの作用下に水18が水管路74を介して
管体66からミキシングチャンバ70に圧送される。一
方、ガラスビーズ供給機構28を構成する計量バルブ8
4が駆動され、ミキシングチャンバ70に管路90から
所定量(後述する)のガラスビーズ20が送給されてい
る。このため、ノズル72から水18が噴射されると、
ミキシングチャンバ70内に負圧が発生し、管路90内
のガラスビーズ20がこの水18と混合して噴流22と
なって前記ノズル72から歯車12に投射される。
【0023】従って、水18とガラスビーズ20との噴
流22が指向性を有して歯車12の歯先102、歯面1
04および歯元106の所望の位置に正確に衝突するこ
とになる(図3A〜図3C参照)。
【0024】さらに、図4に示すように、ガラスビーズ
20が歯車12の歯面104に衝突すると、この歯面1
04の表面は、前記ガラスビーズ20を介して圧縮残留
応力が付与されるとともに研磨され、さらに、前記ガラ
スビーズ20が粉砕される。その際、粉砕片20aは、
歯面104に向けて噴射される水18によってこの歯面
104の表面に鋭角に押し付けられる。このため、歯車
12は、歯面104から歯元106にわたって研磨処理
が施され、確実に平滑面に加工されるという効果が得ら
れる。
【0025】なお、図5Aは、歯車12に浸炭焼入れ処
理を施した後の歯面104の拡大図を示し、図5Bは、
この歯車12に高強度化装置10により高強度化処理が
施された後の前記歯面104の拡大図を示す。また、図
6Aは、浸炭処理焼入れ処理後の歯底の拡大図を示し、
図6Bは、前記高強度化装置10による高強度化処理が
施された歯底の拡大図を示す。これにより、歯面104
および歯底の表面は、高強度化処理によって酸化物層が
有効に除去されるとともに、平滑化されていることがわ
かった。
【0026】ところで、ノズル72から噴流22を投射
して歯車12に高強度化処理を施す際、チャンバ14a
には粉砕された微細なガラスビーズ屑が浮遊する。この
ため、ミスト回収機構92が駆動されることにより、チ
ャンバ14aで浮遊する微細なガラスビーズ屑を一対の
ダクト94、96から吸引して確実に回収することがで
きる。また、チャンバ14aに噴射されている水18お
よびガラスビーズ20の破片は、ケーシング14の下部
に設けられている円錐部98から排液用コンベア100
内に排出され、この排液用コンベア100を介して外部
に回収される。
【0027】次いで、モジュールが2.5、圧力角が1
7.5°、歯数が38および歯幅が8mmの平歯車であ
る歯車12を被処理歯車とし、種々の異なる量比に設定
された水18とガラスビーズ20との噴流22を、15
0MPa、250MPaおよび350MPaの投射圧力
で、ノズル直径が0.75mmに設定されたノズル72
から各歯車12に投射した後、それぞれの歯車12の歯
元強度を測定した。その結果が、図7に示されている。
なお、強度試験方法は、歯車12を挟み込んだ状態で歯
元曲げ応力を付与し、30Hzで加震して107 回での
疲労強度を求めた。
【0028】これにより、ガラスビーズ20の量が、流
量の2vol%未満であると、一定の処理時間内で所望
の歯元強度(1500MPa)を得ることができず、処
理に相当に多くの時間がかかってしまった。一方、ガラ
スビーズ20の量が、流量の19vol%を超えると、
ミキシングチャンバ70内で圧送される水18の負圧に
より前記ガラスビーズ20を混在させる際、この水18
の速度が低下した。これにより、ガラスビーズ20に所
定のエネルギーを付与することができず、所望の歯元強
度が得られなかった。
【0029】従って、ガラスビーズ20の量が、流量の
2vol%〜19vol%の範囲内に設定されることに
より、歯車12の高強度化が効率的かつ十分に遂行され
るという効果が得られた。その際、ガラスビーズ20の
量を流量の3vol%〜10vol%の範囲内に限定す
れば、より好適である。
【0030】また、歯車12に対するガラスビーズ投射
量を種々変更させ、150MPa、250MPaおよび
350MPaの各投射圧力で、噴流22を前記歯車12
に投射し、該歯車12の曲げ強度および面粗さを測定し
た。その結果が、図8および図9に示されている。
【0031】図8に示すように、ガラスビーズ20の投
射量が、5mg/mm2 未満では、所望の曲げ強度(1
500MPa)を得ることができず、一方、図9に示す
ように、前記ガラスビーズ20の投射量が、16mg/
mm2 を超えると、所望の面粗さ(10μ)を得ること
ができなかった。このため、ガラスビーズ20の投射量
が、5mg/mm2 〜16mg/mm2 の範囲内に設定
されることにより、歯車12に十分な圧縮残留応力を付
与するとともに、平滑面を得ることが可能になった。な
お、ガラスビーズ20の投射量は、5mg/mm2 〜9
mg/mm2 の範囲内に設定されると一層好適である。
【0032】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る歯車の高強
度化方法では、圧送される液体と予め設定された範囲内
の量のガラスビーズとの噴流を、熱処理後の歯車表面に
向かって投射することにより、このガラスビーズが指向
性を有して所望の圧縮残留応力を付与することができ
る。その際、ガラスビーズが歯車表面で粉砕し、この歯
車表面の酸化物層が除去されるとともに、歯面から歯元
にわたって平滑な面が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る歯車の高強度化方法を
実施するための高強度化装置の一部断面正面説明図であ
る。
【図2】前記高強度化装置の一部断面側面説明図であ
る。
【図3】前記高強度化方法を説明する図であり、図3A
は、歯先処理状態の説明図であり、図3Bは、歯面処理
状態の説明図であり、図3Cは、歯元処理状態の説明図
である。
【図4】歯面にガラスビーズが衝突した際の説明図であ
る。
【図5】前記高強度化方法を説明する図であり、図5A
は、浸炭焼入れ処理後の基準ピッチ円対応部分の拡大図
であり、図5Bは、前記高強度化処理が施された基準ピ
ッチ円対応部分の拡大図である。
【図6】前記高強度化方法を説明する図であり、図6A
は、浸炭焼入れ処理後の歯底の拡大図であり、図6B
は、前記高強度化処理後の歯底の拡大図である。
【図7】ガラスビーズと水との量比を変化させたときの
各投射圧力における歯車の歯元強度の関係を示す図であ
る。
【図8】ガラスビーズ投射量を変化させたときの各投射
圧力における歯車の曲げ強度の関係を示す図である。
【図9】前記ガラスビーズ投射量を変化させたときの各
投射圧力における歯車の面粗さの関係を示す図である。
【符号の説明】
10…高強度化装置 12…歯車 14…ケーシング 16…歯車保持機
構 18…水 20…ガラスビー
ズ 22…噴流 24…投射機構 26…水供給機構 28…ガラスビー
ズ供給機構 66…管体 72…ノズル 74…水管路 80…ホッパー 90…管路 92…ミスト回収
機構

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】歯車表面の強度を高めるための歯車の高強
    度化方法であって、 処理室内で、圧送される液体と予め設定された範囲内の
    量のガラスビーズとの噴流を、熱処理後の前記歯車に投
    射して圧縮残留応力を付与するとともに、 前記ガラスビーズが該歯車表面で粉砕することにより、
    前記歯車表面の酸化物層を除去することを特徴とする歯
    車の高強度化方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の高強度化方法において、前
    記噴流は、流量の2vol%〜19vol%の範囲内の
    量の前記ガラスビーズを含むことを特徴とする歯車の高
    強度化方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の高強度化方法において、前
    記ガラスビーズの投射量が5mg/mm2 〜16mg/
    mm2 の範囲内であることを特徴とする歯車の高強度化
    方法。
JP5204296A 1996-03-08 1996-03-08 歯車の高強度化方法 Pending JPH09248714A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009018370A (ja) * 2007-07-11 2009-01-29 Honda Motor Co Ltd ショットピーニング処理方法及びその装置
JP2017177268A (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 ヤマダインフラテクノス株式会社 鋼構造物用ショットピーニング処理方法、及び鋼構造物の予防保全工法

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