JP3292655B2 - 歯車の高強度化方法 - Google Patents
歯車の高強度化方法Info
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Description
高めるための歯車の高強度化方法に関する。
重を受けるため、その歯車表面の疲労強度を高める必要
がある。このため、従来より、歯車表面に鋼球等を衝突
させて圧縮残留応力を付与するショットピーニングが広
く行われている。
は、ショット材として鋼球が使用されるため、歯車表面
が粗れてしまい、その表面粗度が低下するという不具合
があった。そこで、例えば、特公平5−21711号公
報に開示されているように、金属成形品を表面焼入れ
し、次いで、金属表面を研削した後に、粒径が0.2m
m〜0.6mmのガラスビーズを投射するようにした金
属表面の高強度化方法が知られている。これにより、金
属表面を粗らすことがなく、疲労強度を向上させようと
するものである。
従来技術では、付与される圧縮残留応力が低下して疲労
強度を所望の値まで向上させることができず、しかも投
射されるガラスビーズの指向性が悪いため、効率が著し
く低下するという問題が指摘されている。
れるため、微細なガラスビーズ屑が発生し、この微細な
ガラスビーズ屑が前記歯車表面に付着し易い。これによ
り、歯車表面からガラスビーズ屑を除去するために、別
途、洗浄工程を設ける必要があり、歯車の高強度化処理
作業全体が効率的に遂行できないという問題がある。
あり、面粗さおよび疲労強度を確実に向上させるととも
に、歯車表面に付着したガラスビーズ屑を効率的かつ確
実に除去することが可能な歯車の高強度化方法を提供す
ることを目的とする。
めに、本発明は、歯車表面にガラスビーズと液体との噴
流を投射し、前記歯車に圧縮残留応力を付与するととも
に前記歯車表面で該ガラスビーズが粉砕して歯車の研磨
が行われる。これにより、ガラスビーズが指向性を有し
て歯車に衝突し、このガラスビーズと液体との噴流が、
前記歯車の高強度化および研磨に有効に機能する。
で前記ガラスビーズの供給が停止されると、研磨後の歯
車表面に液体のみが投射されるようになる。これに伴
い、この歯車表面に付着した微粉末からなるガラスビー
ズ屑は、前記液体によって洗浄、除去される。従って、
ガラスビーズの供給を停止するだけで、歯車表面の洗浄
作業が迅速に遂行され、歯車の高強度化処理作業全体が
効率的かつ容易に遂行される。
の投射時に発生する負圧によって確実に吸い出され、こ
のノズルに前記ガラスビーズ屑の残留による詰まり等が
発生することはない。
および逆転方向に交互に回転させながら歯車表面に液体
のみを投射することにより、前記歯車表面の洗浄性が一
層向上する。さらにまた、ノズルを歯車に対して移動さ
せながら歯車表面に液体のみを投射することにより、同
様に前記歯車表面の洗浄性の向上が図られる。
方法を実施するための第1の実施形態に係る高強度化装
置10の一部断面正面説明図であり、図2は、前記高強
度化装置10の一部断面側面説明図である。
12を保持してケーシング14内のチャンバ14aでこ
の歯車12を位置決め保持する歯車保持機構16と、液
体、例えば、水18とガラスビーズ20との噴流22を
前記歯車12に向かって投射する投射機構24と、この
投射機構24に前記水18を圧送する水供給機構26
と、前記投射機構24に前記ガラスビーズ20を所定量
ずつ送り出すガラスビーズ供給機構28とを備える。
基台29上に載置されたX軸スライドユニット30とス
ピンドルユニット32とを備える。このX軸スライドユ
ニット30を構成するX軸モータ34にボールねじ36
が連結され、このボールねじ36に一対のガイドバー3
8が平行に配設されるとともに、前記ボールねじ36と
前記ガイドバー38とを介してスピンドルユニット32
が矢印X方向に進退可能に支持される。
ータ40に連結されたスピンドル42を有し、このスピ
ンドル42の先端に歯車12が装着される。スピンドル
ユニット32の先端側は、ケーシング14の側壁部に形
成された開口部44からこのケーシング14内に挿入自
在である。
スライドユニット46とZ軸スライドユニット48とを
備える。Y軸スライドユニット46は、水平方向に指向
するY軸モータ50を有し、このY軸モータ50に連結
されるボールねじ52とこのボールねじ52に平行な一
対のガイドバー54とを介して、Z軸スライドユニット
48が矢印Y方向に進退自在である。このZ軸スライド
ユニット48を構成するZ軸モータ56から鉛直下方向
に延在するボールねじ58と、このボールねじ58に平
行な一対のガイドバー60とを介して、移動体62が矢
印Z方向に進退自在である。
の支持ロッド64の先端に、矢印Z方向に指向して管体
66が装着される。管体66の上部には、水18の導入
をON・OFFするための開閉弁68が設けられるとと
もに、この管体66の下部には、前記水18にガラスビ
ーズ20を混合するためのミキシングチャンバ70が連
結され、このミキシングチャンバ70の下部にノズル7
2が配設される。
接続される水管路74を有し、この水管路74は、ケー
シング14内でスパイラル状に巻かれた後、このケーシ
ング14の外部に継手76を介して接続される(図1参
照)。この継手76には、図示しない高圧ポンプが接続
されており、この高圧ポンプは、噴流22を歯車12に
向かって所定の噴射圧力で投射するように設定されてい
る。
14の上面に取り付け台78を介して保持されるホッパ
ー80を備える。ホッパー80の下部に、該ホッパー8
0内のガラスビーズ20の残量を検出するためのロード
セル82が配設される。
には、計量バルブ84、負圧計86およびレーザ流量計
88が鉛直下方向に指向して連結されている。管路90
は、その一端をレーザ流量計88に接続され、その他端
をケーシング14内のチャンバ14aに挿入してミキシ
ングチャンバ70に接続される。ホッパー80に貯留さ
れているガラスビーズ20は、その直径が0.05mm
〜0.3mmに設定されている。
置される。このミスト回収機構92を構成する一対のダ
クト94、96の先端部は、ケーシング14の側部から
チャンバ14aに挿入され、歯車12とノズル72との
間にかつ前記歯車12に近接して配置されている。
して縮径する円錐部98が一体的に設けられており、こ
の円錐部98の下部開口部の下方には、排液用コンベア
100が配設されている。
動作について、高強度化方法との関連で以下に説明す
る。
た歯車12には、浸炭焼入れ処理が行われる。そして、
浸炭焼入れ処理後の歯車12が歯車保持機構16を構成
するスピンドル42にセットされる一方、投射機構24
を構成するノズル72は、Y軸スライドユニット46お
よびZ軸スライドユニット48を介して矢印Y方向およ
び矢印Z方向に選択的に位置調整され、前記歯車12に
対応して配置される。
ピンドル42と一体的に歯車12が所定方向に回転する
とともに、X軸スライドユニット30を構成するX軸モ
ータ34を介し、前記歯車12がこのスピンドルユニッ
ト32と一体的に矢印X1方向に移動する(図1参
照)。
ない高圧ポンプの作用下に水18が水管路74を介して
管体66からミキシングチャンバ70に圧送される。一
方、ガラスビーズ供給機構28を構成する計量バルブ8
4が駆動され、ホッパー80からミキシングチャンバ7
0に管路90を介して所定量のガラスビーズ20が送給
されている。このため、ノズル72から水18が噴射さ
れると、ミキシングチャンバ70内に負圧が発生し、管
路90内のガラスビーズ20がこの水18と混合して噴
流22となって前記ノズル72から歯車12に投射され
る。
22が指向性を有して歯車12の歯先102、歯面10
4および歯元106の所望の位置に正確に衝突すること
になる(図3A〜図3C参照)。
6°、圧力角が17.5°、歯数が52に設定された歯
車12を用い、噴流22を歯面104の基準ピッチ円
(PCD)対応部分に対して18°で投射する。これに
より、歯車12の歯面104および歯元106に対して
噴流22を確実に投射することができ、前記歯面104
および前記歯元106に対し十分な圧縮残留応力を付与
することが可能になる。
20が歯車12の歯面104に衝突すると、この歯面1
04の表面は、前記ガラスビーズ20を介して圧縮残留
応力が付与されるとともに研磨され、さらに、前記ガラ
スビーズ20が粉砕される。その際、粉砕片20aは、
歯面104に向けて噴射される水18によってこの歯面
104の表面に鋭角に押し付けられる。このため、歯車
12は、少なくとも歯面104の基準ピッチ円対応部分
から歯元106にわたって研磨処理が施され、確実に平
滑面に加工されるという効果が得られる。
理を施した後の歯面104の拡大図を示し、図5Bは、
この歯車12に高強度化装置10により高強度化処理が
施された後の前記歯面104の拡大図を示す。また、図
6Aは、浸炭焼入れ処理を施した後の歯底の拡大図を示
し、図6Bは、前記高強度化装置10による高強度化処
理が施された歯底の拡大図を示す。これにより、歯面1
04および歯底の表面は、高強度化処理によって酸化物
層が有効に除去されるとともに、平滑化されていること
がわかった。
2に高強度化処理を施す際、チャンバ14aには粉砕さ
れた微細なガラスビーズ屑が浮遊する。このため、ミス
ト回収機構92が駆動されることにより、チャンバ14
a内に浮遊する微細なガラスビーズ屑を一対のダクト9
4、96から吸引して確実に回収することができる。ま
た、チャンバ14aに噴射されている水18およびガラ
スビーズ20の破片は、ケーシング14の下部に設けら
れている円錐部98から排液用コンベア100内に排出
され、この排液用コンベア100を介して外部に回収さ
れる。
2と一体的に所定方向に回転しながら矢印X1方向に移
動するとともに、噴流22が投射されることにより、こ
の歯車12の高強度化処理が行われた後、前記歯車12
の表面には、図4に示すように、ガラスビーズ20の粉
砕により生成された粉砕片20a等が付着し易い。
ドユニット30を構成するX軸モータ34が前記とは逆
方向に駆動され、スピンドルユニット32が矢印X2方
向に移動する一方、ガラスビーズ供給機構28を構成す
る計量バルブ84が閉塞されてホッパー80から投射機
構24に対するガラスビーズ20の供給が停止される。
このため、研磨後の歯車12は、回転しながら矢印X2
方向に移動しつつ、水18のみが投射されることにな
り、この歯車12の表面に付着している粉砕片20a等
の洗浄作業が遂行される。
ズ供給機構28からのガラスビーズ20の供給を停止す
るだけで、洗浄機構として機能することになる。従っ
て、研磨後の歯車12の表面の洗浄作業は、高強度化処
理作業が終了した直後に略連続して行うことができ、該
洗浄作業が迅速に遂行されて前記歯車12の高強度化処
理作業全体が効率的かつ容易になされるという効果が得
られる。
ビーズ20は、ノズル72から水18が投射される際に
発生する負圧によって確実に吸い出される。このため、
ノズル72にガラスビーズ20が残留して詰まり等が発
生することを確実に阻止することが可能になる。
の歯車12および/またはノズル72を種々の方向に駆
動することにより、前記歯車12の洗浄性を一層向上さ
せることができる。例えば、図7に示すように、歯車1
2が、スピンドルユニット32を介してスピンドル42
と一体的に矢印A方向(正転方向)および矢印B方向
(逆転方向)に交互に回転している際に、ノズル72か
らこの歯車12に水18のみが投射される。
と一体的に矢印A方向に回転している歯車12に対し、
ノズル72を矢印Y1方向および/または矢印Y2方向
に移動させながら、このノズル72から前記歯車12に
向かって水18のみが投射される。その際、ノズル72
の矢印Y方向への移動は、Y軸スライドユニット46を
駆動制御することにより行われる。
が、スピンドル42と一体的に矢印A方向に回転され、
かつノズル72がZ軸スライドユニット48を介して矢
印Z方向に進退変位しながら、このノズル72から前記
歯車12に向かって水18のみが投射される。なお、歯
車12の洗浄性を向上させるためには、図7〜図9の動
作を選択的に組み合わせる等、種々の方法が考えられ
る。
第2の実施形態に係る高強度化装置を構成する投射機構
120が示されている。なお、第1の実施形態に係る投
射機構24と同一の構成要素には同一の参照符号を付し
てその詳細な説明は省略する。
64の先端に固定される支持板122を備え、この支持
板122に旋回モータ124が固着される。この旋回モ
ータ124の回転駆動軸126には、回動部材128を
介して管体66が装着される。
は、歯車12の洗浄作業時に、旋回モータ124の駆動
作用下に回転駆動軸126を介して回動部材128と一
体的に管体66が所定の角度範囲で往復動しながら、ノ
ズル72から前記歯車12に水18のみが投射される
(図11参照)。これにより、歯車12に対して種々の
方向から洗浄用の水18が投射され、この歯車12の洗
浄効率が一層向上するという効果がある。
歯車12の歯厚方向(矢印X1 方向および矢印X2 方
向)に平行移動させながら、このノズル72から前記歯
車12に水18のみを投射してもよい。
度化方法では、歯車表面にガラスビーズと液体との噴流
を投射し、前記歯車に圧縮残留応力を付与するとともに
前記歯車表面で該ガラスビーズが粉砕して歯車の研磨が
行われる。これにより、ガラスビーズが指向性を有して
歯車に衝突し、このガラスビーズと液体との噴流が、前
記歯車の高強度化および研磨に有効に機能する。
射されると、この歯車表面に付着した微粉末からなるガ
ラスビーズ屑は、前記液体によって洗浄、除去される。
従って、ガラスビーズの供給を停止するだけでよく、歯
車表面の洗浄作業が迅速に行われ、歯車の高強度化処理
作業全体が効率的かつ容易に遂行される。
投射時に発生する負圧によって確実に吸い出され、この
ノズルに前記ガラスビーズ屑の残留による詰まり等が発
生することがない。
第1の実施形態に係る高強度化装置の一部断面正面説明
図である。
る。
図3Aは、歯先処理状態の説明図であり、図3Bは、歯
面処理状態の説明図であり、図3Cは、歯元処理状態の
説明図である。
る。
り、図5Aは、浸炭焼入れ処理後の基準ピッチ円対応部
分の拡大図であり、図5Bは、高強度化処理が施された
基準ピッチ円対応部分の拡大図である。
り、図6Aは、浸炭焼入れ処理後の歯底の拡大図であ
り、図6Bは、前記高強度化処理が施された後の歯底の
拡大図である。
作説明図である。
明図である。
明図である。
る投射機構の斜視説明図である。
させる際の動作説明図である。
構 18…水 20…ガラスビー
ズ 22…噴流 24、120…投
射機構 26…水供給機構 28…ガラスビー
ズ供給機構 30…X軸スライドユニット 32…スピンドル
ユニット 42…スピンドル 46…Y軸スライ
ドユニット 48…Z軸スライドユニット 66…管体 70…ミキシングチャンバ 72…ノズル 74…水管路 80…ホッパー 90…管路 92…ミスト回収
機構 124…旋回モータ
Claims (3)
- 【請求項1】歯車表面の強度を高めるための歯車の高強
度化方法であって、 熱処理後の前記歯車表面に向かって、ノズルからガラス
ビーズと液体との噴流を投射することにより、前記歯車
に圧縮残留応力を付与するとともに、前記歯車表面で前
記ガラスビーズが粉砕して該歯車の研磨を行う工程と、前記ガラスビーズの供給を停止することで、前記研磨後
の歯車表面に向かって投射される物体を前記液体のみと
し、該液体によって前記 歯車表面を洗浄する工程と、 を有することを特徴とする歯車の高強度化方法。 - 【請求項2】請求項1記載の高強度化方法において、前
記洗浄工程では、前記歯車を正転方向および逆転方向に
交互に回転させながら前記歯車表面に前記液体のみを投
射することを特徴とする歯車の高強度化方法。 - 【請求項3】請求項1または2記載の高強度化方法にお
いて、前記洗浄工程では、前記ノズルを前記歯車に対し
て移動させながら前記歯車表面に前記液体のみを投射す
ることを特徴とする歯車の高強度化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5204996A JP3292655B2 (ja) | 1996-03-08 | 1996-03-08 | 歯車の高強度化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5204996A JP3292655B2 (ja) | 1996-03-08 | 1996-03-08 | 歯車の高強度化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09241737A JPH09241737A (ja) | 1997-09-16 |
JP3292655B2 true JP3292655B2 (ja) | 2002-06-17 |
Family
ID=12903970
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5204996A Expired - Lifetime JP3292655B2 (ja) | 1996-03-08 | 1996-03-08 | 歯車の高強度化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3292655B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20040036121A (ko) * | 2002-10-23 | 2004-04-30 | 현대자동차주식회사 | 숏 피닝 시스템 |
-
1996
- 1996-03-08 JP JP5204996A patent/JP3292655B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09241737A (ja) | 1997-09-16 |
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