JPH09248670A - 自動溶接方法及び自動溶接装置 - Google Patents

自動溶接方法及び自動溶接装置

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JPH09248670A
JPH09248670A JP5927996A JP5927996A JPH09248670A JP H09248670 A JPH09248670 A JP H09248670A JP 5927996 A JP5927996 A JP 5927996A JP 5927996 A JP5927996 A JP 5927996A JP H09248670 A JPH09248670 A JP H09248670A
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JP
Japan
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welding
torch
wire
wire feeding
groove
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JP5927996A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Matsumura
義明 松村
Toshiji Nagashima
利治 永島
Toshiaki Takuwa
俊明 田桑
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型圧力容器のように、厚板の構造物の立向
き溶接に対し、開先を狭くするとともに、最適な自動溶
接方法及び装置を提供する。 【解決手段】 ワイヤ8の曲げと、溶接トーチ6のオシ
レートを同期化して、狭開先の立向き上進溶接を実現す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動溶接方法及び自
動溶接装置に係り、特に厚肉構造物の立向き溶接技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、立向き溶接に用いられる開先は、
完全溶け込みが必要とされる大型圧力容器等には、図1
6に示すように、X形開先が用いられ、手動アーク溶接
または半自動溶接により施行され、一般的には自動化さ
れていなかった。
【0003】なお、図17は図16の開先に溶接積層し
たビードの断面図である。
【0004】さらに、開先形状が平行または平行に近く
開先幅が20mm以下の狭開先の溶接において、立向き
上進溶接は自動化がなされていなかったが、次の3つの
方法が考えられる。
【0005】すなわち、図18、図19に示す方法は、
溶接トーチを固定し、ワイヤを曲げ癖により左右に振り
ながら上進溶接を行う1層1パスの溶接方法(以下A方
法と略す)で、一般的に下向き溶接に用いている方法で
ある。
【0006】図22、図23に示す方法は、開先幅をや
や広くし、溶接トーチを傾斜を付けて開先内に挿入し、
開先のコーナー部をワイヤを曲げ癖により左右に振りな
がら溶接する方法で、右側の開先内コーナー部を連続し
て上進溶接後、左側の開先内コーナー部を連続して上進
溶接して行う1層2パスの溶接方法(以下B方法と略
す)で、この繰り返しで積層していく。
【0007】図26、図27は、溶接トーチを左右にオ
シレートさせる1層1パスの溶接方法(以下C方法と略
す)で、ワイヤには曲げ癖を付加しない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のX形開先は大型
圧力容器のように厚板の場合、開先断面積が大きく、多
大な溶接時間を必要としていた。また、X形開先のまま
で溶接を自動化しても、溶接時間は変わらず、自動化の
効果があまりなかった。
【0009】また、狭開先溶接の自動溶接は、図18、
図19(A方法)、図22、図23(B方法)、図2
6、図27(C方法)が考えられるが、実験の結果、下
記の問題があった。
【0010】A方法は、開先幅13mmで実施したが、
図20に示すようにビードが凸ビードとなり、図21に
示すように中央部が下に垂れ下がる。この結果、次の層
の溶接時に開先両側に溶け残りが生じ、溶接欠陥とな
る。このため、次層溶接前に凸ビードをグラインダー等
で平らに削る必要がある。
【0011】B方法は、開先幅20mmで実施したが、
中央部が1パス目と2パス目の境目となり、図24、図
25に示すように中央部が凹ビードとなり、その両側が
凸ビードとなり、凹凸が大きく、この結果、次層の溶接
時に溶け残りが生じ、溶接欠陥となる。また板厚が大き
くなると、開先幅を大きくしなければならず、開先断面
積が大きくなり、溶接時間が増加し、狭開先の効果がな
くなる。
【0012】C方法は、開先幅18mmでトーチ振り幅
10mmで実施したが、ワイヤが開先内コーナー部を狙
わないため、コーナー部を溶かす目的で溶接トーチ移動
後に数秒程度の停止をかけている。結果は両端の溶けが
完全ではなく、またビード表面の凹凸が大きく凹部も深
いことから、次層溶接時に溶接欠陥となりやすい。
【0013】なお、図20は図18、図19の溶接法に
よるビード断面図、図21は同、ビード外観図、図28
は図26、図27に示す溶接法によるビード断面図、図
29は同、ビード外観図である。
【0014】本発明の目的は、大型圧力容器のように、
厚板の構造物の立向き溶接に対し、開先を狭くするとと
もに、最適な自動溶接方法及び装置を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的は、開先形状を
平行またはそれに近い開先角度5°以下の開先幅12〜
20mmの狭開先化するとともに、溶接トーチを有する
溶接ヘッドと溶接電源と制御装置と冷却供給装置とを備
えた自動溶接装置を使用し、溶接ヘッドは構造物に上下
方向に形成された開先継手に沿って移動する走行装置に
搭載され、溶接ヘッド内に少なくとも3組のワイヤ送給
部品をワイヤ送給方向に並べて配置し、前記3組のワイ
ヤ送給部品のうち外側に位置する2組のワイヤ送給部品
を結ぶ軸線に対して、前記2組のワイヤ送給部品の間に
位置するワイヤ送給部品の軸位置を左方向または右方向
へずらすことで、ワイヤ送給時にワイヤに開先継手の左
面方向または右面方向の曲げ癖を付加することに加え、
前記3組のワイヤ送給部品を有するワイヤ送給ユニット
を左右に移動させることができるオシレート機構により
溶接トーチを左右にオシレートしながら開先継手を上進
溶接する自動溶接法により達成される。
【0016】また、溶接トーチのオシレートによる移動
と中間に位置するワイヤ送給部品の移動のタイミングは
ほぼ同時か、ワイヤ送給部品の移動を先行させ、溶接ト
ーチ移動後に停止時間を設け、ワイヤ曲げ癖による開先
左側または右側の溶接を1秒以上行うことにより達成さ
れる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1、図2に示すように、オシレ
ート機構11上にワイヤ送給ユニット1を取り付け、溶
接ワイヤ8の送給時にワイヤ送給ユニット1内に少なく
とも3組のワイヤ送給部品(ローラ2〜5)をワイヤ送
給方向に並べて配置し、溶接トーチ8が開先内左側にあ
るときに前記3組のワイヤ送給部品(ローラ2〜5)の
うち外側に位置する2組のワイヤ送給部品(ローラ2,
3,5)を結ぶ軸線に対して、前記2組のワイヤ送給部
品(ローラ2,3,5)の間に位置するワイヤ送給部品
(ローラ4)が左方にある場合には、外側に位置する2
組のうち、構造物9の狭開先10のトーチ6側の溶接ワ
イヤ送給部品(ローラ2,3)の左側のローラ3の外径
に沿って溶接ワイヤ8が狭開先トーチ6に送られるた
め、溶接ワイヤ8に左向きの曲げ癖が付加され、ワイヤ
8が狭開先トーチ6から左向きに出てくるので、溶接ワ
イヤ8先端が開先10の左面の角部17を狙うことがで
き、狭開先トーチ6を傾けることなく、狭開先10の左
面の溶接を行うことができる。
【0018】また、前記溶接トーチ6が図2に示すよう
に開先内右側にあるときに、前記溶接ワイヤ送給部品
(ローラ4)が図2に示すように2組のワイヤ送給部品
(ローラ2,3,5)を結ぶ軸線に対して右方にある場
合には、狭開先トーチ6側の溶接ワイヤ送給部品(ロー
ラ2,3)の右側のローラ2の外径に沿って溶接ワイヤ
8が狭開先トーチ6に送られるため、溶接ワイヤ8に右
向きの曲げ癖が付加され、ワイヤ8が狭開先トーチ6か
ら右向きに出てくるので、溶接ワイヤ8の先端が開先1
0の上面の角部17′を狙うことができ、狭開先トーチ
6を傾けることなく、狭開先10の右面の溶接を行うこ
とができる。
【0019】ワイヤ送給ユニット1の左右移動はオシレ
ート機構11により行われる。立向き上進溶接は、開先
中央部の溶接はワイヤ送給ユニット1の左右移動の間に
行われ、開先角部の溶接は図1、図2の状態を1秒以上
保持されることで行われる。ワイヤ送給部品4の移動開
始は、溶接トーチ6の移動開始、即ちワイヤ送給ユニッ
ト1の移動開始と同じイタミングか、または先行して行
う。
【0020】開先幅が16〜20mmと広い場合、溶接
トーチ6の左右移動時間(トーチ6が動いている間の時
間)も1.5〜2秒と長く、溶接トーチ6内のワイヤ8
が送給される時間は2〜3秒なので、ワイヤ送給部品4
の移動開始と溶接トーチ6の移動開始は同じであって
も、例えば図1の状態から図2の状態に移るとき、溶接
トーチ6が右側に移動し終わったときは溶接トーチ6内
にはまだ左向きのワイヤが送給されているが、量が少な
いので直ぐ図2の状態になるとともに、開先幅が広いの
で溶接ビードの中央部が垂れることはない。
【0021】開先幅が12〜16mmと狭い場合、溶接
トーチ6の左右移動時間も0.5〜1.5秒と短く、ワ
イヤ送給部品4の移動と溶接トーチ6の移動を同時に行
った場合は、溶接トーチ6が右側に移動し終わっても、
溶接トーチ6内には左向きのワイヤ8が送給されてお
り、量が多いため、溶接トーチ6は右側にあってもワイ
ヤ8は左向きのため開先中央部へ送られ、開先中央部が
膨らむ凸ビードとなり、次層の溶接時に開先両側の溶け
残りの原因となる。
【0022】このため、幅が狭い場合には、ワイヤ送給
部品4の移動を溶接トーチ6の移動に先行させて行う。
開先幅が広くても、ワイヤ送給部品4の移動を溶接トー
チ6の移動に先行させることは問題ない。
【0023】溶接トーチ6が図1のように、左側にある
ときはワイヤ8も左側に向いており、図2のように、溶
接トーチ6が右側にあるときはワイヤ8も右側にあるよ
うにするには、ワイヤ送給部品4が移動後、溶接トーチ
6の先端から出るワイヤ8の曲げ癖が変わるまでの時間
1 から、溶接トーチ6の左右移動時間T2 を減じた時
間だけ、ワイヤ送給部品4を溶接トーチ6の移動に先行
させて行う。
【0024】T1 は、図2の溶接トーチ長さとみなす長
さLをワイヤ送給速度FW で割ったもので(T1 =L/
W )、ワイヤ送給速度は溶接電流に相関するので、溶
接電流から求めてもよいし、ワイヤ送給モータにタコジ
ェネレータを取り付けても、他の方法でも求めることが
できる。
【0025】またT2 は、図2のトーチ移動距離Sをト
ーチ移動速度FT で割ったもので(T2 =S/FT )、
トーチ移動距離S、トーチ移動速度FT は制御装置に設
定される。
【0026】図3は本発明の自動溶接装置に好適な開先
幅と形状を示す平面図であり、図4はトーチとワイヤの
移動状態を示す平面図、図5は本発明の具体例の第1層
目のビード断面を示す平面図、図6は同、ビード外観を
示す正面図、図7は本発明の具体例の溶接積層を示す断
面図、図8は本発明の具体例のビード外観を示す正面
図、図9は本発明になる狭開先自動溶接装置を使用する
開先断面図、図10は図9の開先に本発明になる狭開先
自動溶接装置を使用して溶接した溶接積層を示す断面
図、図11は図10のように溶接した開先を裏ハツリを
行った後、裏側の溶接を行った開先の溶接積層断面図、
図12は図17のように溶接した開先を裏ハツリを行っ
た後、裏側の溶接を行った開先の溶接積層断面図であ
る。
【0027】図13に本発明を具体化する狭開先自動溶
接装置の構成を示す。
【0028】狭開先自動溶接装置は、溶接ヘッド24、
冷却水ポンプ18、溶接電源19、制御装置20、及び
ケーブル類(制御ケーブル、冷却水ホース、シールドガ
スホース、パワーケーブル、アースなど)で構成され
る。
【0029】溶接ヘッド24は、走行ユニット21とオ
シレート機構11とワイヤ送給ユニット1などから構成
され、走行ユニット21とオシレート機構11との間に
は、トーチ前後機構22がある。
【0030】ワイヤ送給ユニット1は、図1、図2に示
すように、一対の送給ローラである右側ワイヤ送給ロー
ラ2と左側ワイヤ送給ローラ3、曲げ付加用ローラ4、
及びガイドローラ5の3組のローラを有する。
【0031】なお、図13には構造物9に設けられたレ
ール23も図示しており、レール23上を狭開先自動溶
接装置の走行ユニット21が走行する。
【0032】図1に構造物9の溶接個所近傍にあるワイ
ヤ送給ユニット1のワイヤ送給機構を示す。
【0033】曲げ付加用ローラ4は左右方向に移動でき
(左右移動機構は図示せず)、右側ワイヤ送給ローラ2
はバネ(図示せず)により左側ワイヤ送給ローラ3に押
し付けられ、左側ワイヤ送給ローラ3にはモータ(図示
せず)が取り付けられている。
【0034】ワイヤ送給ユニット1に送られるワイヤ8
は、ワイヤリール7から前記ガイドローラ5、曲げ付加
用ローラ4を通り、右側ワイヤ送給ローラ2と左側ワイ
ヤ送給ローラ3に挟まれ、狭開先トーチ6に送り込まれ
る。自動溶接を行う場合に、図13に示すように、構造
物9に取り付けられたレール23に溶接ヘッド11を懸
架して移動させながら行う。
【0035】溶接ヘッド11の狭開先溶接トーチ6を図
13に示す構造物9の開先10に向け、狭開先溶接トー
チ6を図13の左右、前後の矢印方向及び開先長手方向
の上下方向に動かすことができる。
【0036】即ち、走行ユニット21により構造物9の
開先10に対して上下方向に、オシレート機構11によ
り左右方向に、またトーチ前後機構22により前後方向
にそれぞれ移動でき、制御装置20からの指令により、
狭開先溶接トーチ6は任意の位置に位置決め可能であ
る。
【0037】図1及び図2に示すように、ワイヤ送給ユ
ニット1は、ワイヤリール7よりワイヤ8を取り出し、
狭開先溶接トーチ6を通して消耗電極として構造物9の
開先10内に送る働きをする。
【0038】曲げ付加用ローラ4は、上下に移動可能で
あり、図1に示すように、曲げ付加用ローラ4がワイヤ
送給ユニット1内の左方にある場合、ワイヤ8は左側ワ
イヤ送給ローラ3の外周に沿って、狭開先溶接トーチ6
に送られるため、左側ワイヤ送給ローラ3でワイヤ8は
塑性変形、即ち曲げ癖が与えられ、狭開先溶接トーチ6
の先端から左方に向かって出てくる。
【0039】図2は、曲げ付加用ローラ4がワイヤ送給
ユニット1内の右方にある場合を示すが、この場合は図
1と逆にワイヤ8は狭開先溶接トーチ6から右方に向か
って出てくる。
【0040】本発明は、このワイヤ曲げ癖を利用した溶
接法である。構造物9の開先10の左右方向の幅(以
後、単に開先幅という)は12〜20mmが望ましい。
【0041】次に、溶接積層手順を以下に述べる。
【0042】まず、曲げ付加用ローラ4をワイヤ送給ユ
ニット1内の左方にセットし、左側ワイヤ送給ローラ3
を回転させ、右側ワイヤ送給ローラ2との間にワイヤ8
を挟み込んで、狭開先溶接トーチ6に送り、狭開先溶接
トーチ6先端から出たワイヤ8を図1のように左向きに
湾曲させる。
【0043】次に、図1に示すように、平行開先10内
に狭開先溶接トーチ6を入れ、狭開先溶接トーチ6先端
からのワイヤ8が平行開先10内の左側の開先角部17
を狙う位置に、狭開先溶接トーチ6の左右方向、前後方
向の位置を設定する。この状態でアークスタートさせ、
溶接を開始し、ワイヤ8を消耗電極として使用しながら
溶接を行う。この溶接法を狭開先MAG溶接法というこ
ととする。
【0044】アークスタート後、図1の状態を1〜3秒
保持し、開先角部17を溶接し、曲げ付加用ローラ4を
右側に移動し、狭開先溶接トーチ6を右側に移動させて
開先中央部を溶接する。移動開始のタイミングは、ほぼ
同時か、曲げ付加用ローラ4の移動を先行させる。
【0045】曲げ付加用ローラ4をワイヤ送給ユニット
1内の右側に移動し、ワイヤ8をワイヤ送給ローラ2,
3によりワイヤリール7から狭開先溶接トーチ6側へ送
ると、狭開先溶接トーチ6内には左方の曲げ癖の付いた
ワイヤ8がLの長さだけ残っており、ワイヤ8をLの長
さ分送給したところでワイヤ8は狭開先溶接トーチ6先
端から右方向に出るようになり、図2に示すように、狭
開先溶接トーチ6先端から出たワイヤ8は右向きに湾曲
した状態になる。
【0046】次に、図2の状態で1〜3秒保持し、開先
角部17′を溶接する。それから曲げ付加用ローラ4を
左側に移動し、狭開先溶接トーチ6を左側に移動させて
開先中央部を溶接する。移動開始のタイミングは、ほぼ
同時か、曲げ付加用ローラ4の移動を先行させる。
【0047】図1と図2の状態を繰り返しながら、溶接
ヘッド24はレール23上を、構造物9の開先長手方向
に下から上へ移動する。即ち、上進溶接を行う。
【0048】本発明の具体例では、開先幅18mmに対
し、狭開先溶接トーチ6の左右移動幅(図2のS)10
mm、アーク電流170A、ワイヤ送給速度約5.5m
/min、溶接速度(溶接ヘッド上昇速度)60mm/
min、オシレート速度500mm/min、トーチ停
止時間2.3秒、トーチ長さ(図2のL)220mm、
ワイヤ曲げ付加用ローラ4の狭開先溶接トーチ6に対す
る移動の先行時間1.0秒で溶接を行った。
【0049】この結果、図5に示すように、ビードは高
さ8mmでほぼ平らであり、開先角部17,17′も充
分に溶けていた。2層目以降も図7に示すように、溶け
残りなどの溶接欠陥は発生せず、良好な溶接ができた。
【0050】因に、ワイヤ8が狭開先溶接トーチ6を通
過する時間T1 は、 T1 =220mm/5500mm/min×60=2.
4秒 狭開先溶接トーチ6が左右に移動する時間T2 は、 T2 =10mm/500mm/min×60=1.2秒 である。
【0051】図14は上述した本発明になる溶接法のタ
イムチャートの一例を示す図である。
【0052】溶接ヘッド24を上下させる装置は、本発
明では走行ユニット21がレール23上を走行する装置
であるが、これはロボットでも自走式の台車でもよい。
【0053】図15は可動ブロックの駆動機構図であ
る。
【0054】可動ブロック25はベース32内を左右に
移動可能となっており、固定ピストン26にエアを流
し、シリンダ28に充満させることにより、可動ブロッ
ク25は左右に移動する。図15はエアを固定ピストン
26の27b側から流し、シリンダ28bに充満した状
態を示す。
【0055】可動ブロック25の移動量はネジ軸30に
取り付けられているストッパ29により決められる。ネ
ジ軸30には左ネジ31aと右ネジ31bが切ってあ
り、ネジ軸30を例えば右に回すと、ストッパ29aは
左側に、ストッパ29bは右側に移動する。
【0056】図11、図12とも既溶接側の反対側をガ
ウジング等で削除し、Gr等で手入れした後、手動アー
ク溶接で溶接積層した状態を示すものである。
【0057】溶接した開先断面積は、従来法が18.7
cm2 、本発明の方は14.9cm2 と20%も減少す
る。この差は厚板になればなる程、著しい。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、厚肉構造物の立向き上
進溶接において、狭開先の開先角部を溶かすとともに、
中央部が凸ビードにならないため、開先断面積の減少に
伴う溶接時間の減少と、溶接自動化による工数低減を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる自動溶接ユニットの具体例を示す
平面図である。
【図2】本発明になる自動溶接ユニットの具体例を示す
平面図である。
【図3】本発明になる自動溶接装置に適した開先幅と形
状を示す平面図である。
【図4】トーチとワイヤの移動状態を示す平面図であ
る。
【図5】本発明の具体例の第1層目のビード断面を示す
平面図である。
【図6】本発明の具体例の第1層目のビード外観を示す
正面図である。
【図7】本発明の具体例の溶接面積を示す断面図であ
る。
【図8】本発明の具体例のビード外観を示す正面図であ
る。
【図9】本発明になる狭開先自動溶接装置を使用する開
先断面図である。
【図10】図9の開先に本発明になる狭開先自動溶接装
置を使用して溶接した溶接積層を示す断面図である。
【図11】図10のように溶接した開先を裏ハツリを行
った後、裏側の溶接を行った開先の溶接積層断面図であ
る。
【図12】図17のように溶接した開先を裏ハツリを行
った後、裏側の溶接を行った開先の溶接積層断面図であ
る。
【図13】本発明の具体例の溶接法を具現化する自動溶
接装置の構成図である。
【図14】本発明になる溶接法のタイムチャートの一例
を示す図である。
【図15】可動ブロックの駆動機構図である。
【図16】厚板構造物の従来の開先断面図である。
【図17】図16の開先に溶接積層したビードの断面図
である。
【図18】従来の溶接法の一例を示す説明図である。
【図19】従来の溶接法の一例を示す説明図である。
【図20】図18、図19の溶接法によるビード断面図
である。
【図21】図18、図19の溶接法によるビード外観図
である。
【図22】テストした溶接法の一例を示す説明図であ
る。
【図23】テストした溶接法の一例を示す説明図であ
る。
【図24】図22、図23の溶接法によるビード断面図
である。
【図25】図22、図23の溶接法によるビード外観図
である。
【図26】テストした溶接法の一例を示す説明図であ
る。
【図27】テストした溶接法の一例を示す説明図であ
る。
【図28】図26、図27の溶接法によるビード断面図
である。
【図29】図26、図27の溶接法によるビード外観図
である。
【符号の説明】
1 ワイヤ送給ユニット 6 狭開先溶接トーチ 8 ワイヤ 10 開先 11 オシレート機構 18 冷却水ポンプ 19 溶接電源 20 制御装置 21 走行ユニット 22 トーチ前後移動機構 23 レール 24 溶接ヘッド

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接トーチを有する溶接ヘッドと溶接電
    源と制御装置と冷却水供給装置とを備え、溶接ヘッドは
    開先継手に沿って移動する走行装置に搭載される自動溶
    接装置を使用する自動溶接方法において、 溶接ヘッド内に少なくとも3組のワイヤ送給部品をワイ
    ヤ送給方向に並べて配置し、前記3組のワイヤ送給部品
    のうち外側に位置する2組のワイヤ送給部品を結ぶ軸線
    に対して、前記2組のワイヤ送給部品の間に位置するワ
    イヤ送給部品の軸位置を左方向または右方向へずらすこ
    とで、ワイヤ送給時にワイヤに開先継手の左面方向また
    は右面方向の曲げ癖を付加すると共に、上記3組のワイ
    ヤ送給部品を有するワイヤ送給ユニットを左右に移動さ
    せることができるオシレート機構により溶接トーチを左
    右にオシレートしながら開先継手の上進溶接をすること
    を特徴とする自動溶接方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載において、溶接トーチを右
    方向に移動させるとほぼ同時に、前記3組のワイヤ送給
    部品のうち中間に位置するワイヤ送給部品を右方向へず
    らし、同様に溶接トーチを左方向に移動させるとほぼ同
    時に、中間に位置するワイヤ送給部品を左方向へずら
    し、溶接トーチを右方向または左方向に移動後、中間に
    位置するワイヤ送給部品の移動に伴うワイヤ曲げ癖方向
    の変化前の溶接トーチ内に残っているワイヤが送給さ
    れ、開先右側または左側が溶接され始めてから少なくと
    も1秒以上溶接トーチをその位置に停止させることを特
    徴とする自動溶接方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載において、溶接トーチのオ
    シレートに対し、前記3組のワイヤ送給部品のうち中間
    に位置するワイヤ送給部品の移動を先行して行い、溶接
    トーチが右方向にあるときは溶接トーチから出たワイヤ
    は少なくとも1秒以上は右方向にあって開先右側を溶接
    し、同様に溶接トーチが左方向にあるときはワイヤは少
    なくとも1秒以上は左方向にあって開先左側を溶接する
    ことを特徴とする自動溶接方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載において、開先は平行開先
    か角先角度5°以下の開先であって、開先幅は12mm
    〜20mmの狭開先形状の継手を有する板厚20mm以
    上の構造物であることを特徴とする自動溶接方法。
  5. 【請求項5】 溶接トーチのオシレートと中間に位置す
    るワイヤ送給部品の移動を別々に行うことができる自動
    溶接方法において、 トーチが右方向に移動し右方向端に来たときにトーチか
    ら出たワイヤがほぼ同時に曲げ癖により右方向に向き、
    同様にトーチが左方向に移動した左方向端に来たときに
    トーチから出たワイヤがほぼ同時に曲げ癖により左方向
    に向くように、制御装置にワイヤ送給ローラからトーチ
    先端までの長さをトーチ長として入力し、ワイヤ送給速
    度とトーチ長から中間に位置するワイヤ送給部品の移動
    直後からトーチ内に残っているワイヤ送給部品の移動前
    の曲げ癖の付いたワイヤが溶接点まで送給されるワイヤ
    送給時間を算出するとともに、溶接条件として制御装置
    に入力されたオシレート量とオシレート速度からトーチ
    の移動時間を算出し、ワイヤ送給時間からトーチ移動時
    間を差し引いた、ほぼその時間分を、中間に位置するワ
    イヤ送給部品の移動を溶接トーチのオシレートに先行さ
    せて行うことを特徴とする自動溶接方法。
  6. 【請求項6】 溶接トーチを有する溶接ヘッドと溶接電
    源と制御装置と冷却水供給装置とを備え、溶接ヘッドは
    開先継手に沿って移動する走行装置に搭載される自動溶
    接装置において、 溶接ヘッド内に少なくとも3組のワイヤ送給部品をワイ
    ヤ送給方向に並べて配置し、前記3組のワイヤ送給部品
    のうち外側に位置する2組のワイヤ送給部品を結ぶ軸線
    に対して、前記2組のワイヤ送給部品の間に位置するワ
    イヤ送給部品を左方向または右方向へ移動可能とし、さ
    らに前記3組のワイヤ送給部品を有するトーチユニット
    を左右に移動可能な構成としたことを特徴とする自動溶
    接装置。
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