JPH09247228A - 直交復調装置 - Google Patents

直交復調装置

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JPH09247228A
JPH09247228A JP8045232A JP4523296A JPH09247228A JP H09247228 A JPH09247228 A JP H09247228A JP 8045232 A JP8045232 A JP 8045232A JP 4523296 A JP4523296 A JP 4523296A JP H09247228 A JPH09247228 A JP H09247228A
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光洋 小野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無線装置に用いて好適な直交復調装置に関
し、直交度のずれを直交復調後のデータから補正するこ
とにより、直交度を最適に保持することができるように
する。 【解決手段】 復調出力情報をフィードバックすること
により得られた再生搬送波信号を用いて周波数変換を施
し、相互に直交する2つの直交復調信号を得ることによ
り復調処理を施す直交復調装置において、上記2つの直
交復調信号について、これらの直交復調信号が理論直交
軸上に位置するような補正演算を施す直交度補正部3を
設けるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】(目次) 発明の属する技術分野 従来の技術(図12〜図14) 発明が解決しようとする課題 課題を解決するための手段(図1,図2) 発明の実施の形態(図3〜図11) 発明の効果
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明は、無線装置に用いて
好適な直交復調装置に関する。
【0003】
【従来の技術】図14は、一般的な無線通信システムの
構成を示すブロック図で、この図14に示す無線通信シ
ステム114は、アンテナ101に接続された送信側無
線装置103とアンテナ102に接続された受信側無線
装置104とが、無線回線113を介して接続されるこ
とにより構成されている。
【0004】ここで、送信側無線装置103は、変調部
105,周波数変換器としてのアップコンバータ(U/
C)106,送信フィルタ107(TF)及び高出力増
幅器(HPA)108をそなえて構成される一方、受信
側無線装置104は、低雑音増幅器(LNA)109,
受信フィルタ(RF)110,周波数変換器としてのダ
ウンコンバータ(D/C)111及び復調器112をそ
なえて構成されている。
【0005】なお、アップコンバータ106はミキサ回
路(検波回路)106Aと局部発振器106Bとで構成
され、ダウンコンバータ111はミキサ回路(検波回
路)111Aと局部発振器111Bとで構成されてい
る。このような構成により、上述の図14に示す無線通
信システム114では、送信側無線装置103から受信
側無線装置104に対して信号を送信するに際しては、
変調部105では、送信信号(BB信号:ベースバンド
信号)をIF信号(中間周波信号)に変調し、この変調
部105で変調されたIF信号をアップコンバータ10
6でLO信号(ローカル信号;局部発振器出力)を用い
てRF信号(ラジオ周波数信号)に周波数変換する。続
いて、送信フィルタ107でスペクトルを所要帯域に制
限し、更に高出力増幅器108で増幅したのち、アンテ
ナ101から電波として送信される。
【0006】一方、受信側無線装置104において、低
雑音増幅器109では、アンテナ102で受信した信号
を増幅し、受信フィルタ110では、この低雑音増幅器
109にて低雑音増幅されたRF信号について不要信号
や雑音を除き、更にダウンコンバータ111でLO信号
を用いてIF信号に周波数変換した後に、復調器112
で復調するようになっている。
【0007】なお、近年においては、図14に示す送信
側無線装置103のように、BB信号をIF信号へ周波
数変換して変調したのちに、RF信号に変換することは
行なわず、信号変調の際に直接BB信号からRF信号へ
周波数変換するような、いわゆる直接変調を行なう無線
装置が提案されている。同様に受信側無線装置104に
おいても、信号復調の際に直接RF信号からBB信号へ
周波数変換するような、いわゆる直接復調を行なう無線
装置が提案されている。
【0008】ところで、上述の無線通信システム114
における変調方式としては、例えば、4相位相変調方式
(QPSK:Quadriphase Phase Shift Keying)を用い
ることができる。この場合においては、復調側では、再
生搬送波信号の生成手法により同期検波復調方式又は準
同期検波復調方式の2種類の態様がある。また、上述の
QPSK復調装置による直交復調度の精度を確保するた
めには、I成分とQ成分の搬送波の直交度を90°に保
持することが必要である。
【0009】しかし、実際にはI成分とQ成分の搬送波
の直交度にはずれがあるため、上述の同期検波方式又は
準同期検波方式のQPSK復調装置においては、例えば
移相器を用いることにより、I成分とQ成分の搬送波の
直交度を補正することが考えられる。図12,図13
は、上述の一般的なQPSK復調装置の構成を示すブロ
ック図であって、図12は同期検波復調方式による直交
復調回路を示すブロック図であり、図13は準同期検波
復調方式による直交復調回路を示すブロック図である。
【0010】まず、図12に示す直交復調回路(同期検
波復調回路)は、ミキサ(検波回路)11,周波数シン
セサイザ12,バンドパスフィルタ13,可変利得増幅
器(AGC:Automatic Gain Control)14,ハイブリ
ッド(H)15,ミキサ(検波回路)16−I,16−
Q,ローパスフィルタ17−I,17−Q,アナログ/
ディジタル変換器(A/D変換器)18−I,18−
Q,例えばトランスバーサル等化器等からなる等化器2
0,制御部(CONT)21,ローパスフィルタ22,
23,搬送波再生回路(CR)としての電圧制御発振器
(VCO)24,90°ハイブリッド(H)25,移相
器30をそなえている。
【0011】なお、上述の等化器20と制御部21はL
SI化されている(符号31参照)。ところで、VCO
24は、制御部21からの復調出力情報に基づいて、入
力直交変調信号(以下、単に入力信号ということがあ
る)に同期した周波数の信号を発振するものである。
【0012】また、90°ハイブリッド25は、VCO
24からの再生搬送波信号に90°位相差をもたせ、互
いに90°の位相差を有する再生搬送波信号をそれぞれ
の検波回路16−I,16−Qに出力するようになって
いる。なお、移相器30は、上述の90°ハイブリッド
25と検波回路16−Qの間に介装され、90°ハイブ
リッド25からの再生搬送波信号の直交度の補正を行な
うものであり、例えばコンデンサ等により構成されてい
る。
【0013】さらに、制御部21は、復調データICH
CHからVCO24に対する周波数制御用の信号を作成
し、制御電圧としてVCO24に供給するものである。
これにより、VCO24において、制御部21からの制
御電圧に基づいて、その発振周波数を変化させることに
より、入力直交変調信号の周波数に同期するように制御
することができる。
【0014】また、制御部21は、復調データICH,Q
CHからAGC用の制御信号を作成し、可変利得増幅器1
4に供給することにより、復調信号振幅を自動的に制御
するベースバンド自動ゲイン制御(ベースバンドAG
C)を行なうものである。なお、ローパスフィルタ22
は、上述の制御部21からの周波数制御用の信号を平滑
化するもので、ローパスフィルタ23は、制御部21か
らの周波数制御用信号を平滑化するものである。
【0015】このような構成により、図12に示す同期
検波復調回路では、検波回路11へ入力された受信信号
としてのQPSK信号について、周波数シンセサイザ1
2から入力される周波数データ(fデータ)によりIF
帯に周波数変換される。周波数変換された受信信号は、
バンドパスフィルタ13で帯域制限されて、可変利得増
幅器14で信号振幅の自動ゲイン制御(AGC)が行な
われる。
【0016】また、この可変利得増幅器14からの信号
は、ハイブリッド15で2分岐されて、それぞれ検波回
路16−I,16−Qに入力される。その後、検波回路
16−I,16−Qでは、それぞれ90°ハイブリッド
25,移相器30からの直交度の補正された再生搬送波
信号に基づき、入力信号が直交検波されて、Iチャネ
ル,Qチャネルの復調データを発生する。
【0017】さらに、IチャネルとQチャネルの復調デ
ータは、それぞれローパスフィルタ17−I,17−Q
でノイズ等が除去されたのち、A/D変換器18−I,
18−Qにおいてディジタル信号に変換される。さら
に、ディジタル信号に変換されたIデータ,Qデータ
は、等化器20において、所要の振幅等化処理が施さ
れ、復調データICH,QCHとして出力される。
【0018】次に、図13に示す直交復調回路は、図1
2の同期検波復調回路における搬送波再生回路をもつ電
圧制御発振器(VCO)24を省略して、固定周波数発
振器と位相回転回路及びディジタル可変周波数発振器と
を付加することにより、準同期検波方式で復調処理を施
すものである。ここで、19′は位相回転部、26はロ
ーパスフィルタ、27はディジタル可変周波数発振器
(DVCO)、28は固定周波数発振器(OSC)であ
る。なお、図13中、図12におけるものと同一の符号
は同様の部分を示している。
【0019】また、位相回転部19′,等化器20,制
御部21,ローパスフィルタ26及びDVCO27はL
SI化されている(符号33参照)。ところで、OSC
28は、入力直交変調信号の搬送波角周波数に近い周波
数の信号を発振するもので、90°ハイブリッド25に
おいて、OSC28からの再生搬送波信号に90°位相
差をもたせ、互いに90°の位相差を有する再生搬送波
信号をそれぞれの検波回路16−I,16−Qに出力す
るようになっている。
【0020】なお、移相器30は、前述の図12におけ
るものと同様に、90°ハイブリッド25と検波回路1
6−Qとの間に介装され、90°ハイブリッド25から
の再生搬送波信号の直交度の補正を行なうものである。
また、DVCO27は、入力信号の周波数とOSC28
から発振する再生搬送波信号の周波数に依存する位相の
ずれにより、後述の位相回転部19′は位相角に対応す
る補正データを算出し、位相回転部19′へ出力するも
ので、位相回転部19′において入力信号との演算処理
に用いられるようになっている。
【0021】さらに、制御部21は、復調データICH
CHから、AGC用の制御信号を作成し、可変利得増幅
器14に供給するもので、これにより、復調信号振幅を
制御するベースバンドAGCを行なうことができるよう
になっている。また、制御部21は、等化器20からの
復調データ出力ICH,QCHを受けて、DVCO27を制
御するための信号を出力するもので、この出力はローパ
スフィルタ26を介してDVCO27へ出力されるよう
になっている。
【0022】さらに、位相回転部19′は、2つの入力
される直交変調信号の位相回転を補正するもので、入力
信号の周波数とOSC28から発振する再生搬送波信号
の周波数に依存する位相のずれを、DVCO27により
出力される補正データを用いて、入力信号の周波数とO
SC28から発振する信号の周波数とを同期することが
できるようになっている。
【0023】なお、ローパスフィルタ22は、上述の制
御部21からの周波数制御用の信号を平滑化するもので
ある。このような構成により、図13に示す準同期検波
復調回路では、検波回路11へ入力された受信信号とし
てのQPSK信号について、周波数シンセサイザ12か
ら入力される周波数データ(fデータ)によりIF帯に
周波数変換される。周波数変換された受信信号は、バン
ドパスフィルタ13で帯域制限されて、可変利得増幅器
14で信号振幅のAGC処理が施される。
【0024】また、この可変利得増幅器14からの信号
は、ハイブリッド15で2分岐されて、それぞれ、検波
回路16−I,16−Qに入力される。その後、検波回
路16−I,16−Qでは、それぞれ90°ハイブリッ
ド25,移相器30からの直交度の補正された再生搬送
波信号に基づき、入力信号が直交検波されて、Iチャネ
ル,Qチャネルの復調データを発生する。
【0025】さらに、IチャネルとQチャネルの復調デ
ータは、それぞれローパスフィルタ17−I,17−Q
で、ノイズ等が除去されたのち、A/D変換器18−
I,18−Qにおいてディジタル信号に変換される。さ
らに、位相回転部19′では、後段の等化器20からの
信号に基づいて、検波回路16−I,16−Qにおける
入力周波数と基準ローカル信号としての再生搬送波信号
とが同期するように位相回転が施される。その後、等化
器20において所要の振幅等化処理が施され、復調デー
タICH,QCHとして出力される。
【0026】ところで、従来のQPSK復調装置におい
ては、周波数変換機能,自動利得制御機能(可変増幅
器),直交復調機能,AFC(automatic frequency co
ntrol)機能(VCO:電圧制御発振器)などのアナロ
グ信号を処理する部分は、ディスクリート回路(個々の
集積回路を結線して作った回路)で構成されていたが、
近年のQPSK復調装置においては、半導体技術等の進
歩により、上記アナログ信号を処理する部分はモジュー
ル化することが行なわれている。
【0027】即ち、例えば前述の図中12に示す直交復
調回路では、検波回路11,周波数シンセサイザ12,
バンドパスフィルタ13,可変利得増幅器14,ハイブ
リッド15,検波回路16−I,16−Q,VCO2
4,90°ハイブリッド25及び移相器30は、アナロ
グ信号を処理するモジュール化されたアナログ部32と
して構成することができる。
【0028】同様に、図中13に示す直交復調回路で
は、ミキサ(検波回路)11,周波数シンセサイザ1
2,バンドパスフィルタ13,可変利得増幅器(AG
C:Automatic Gain Control)14,ハイブリッド
(H)15,ミキサ(検波回路)16−I,16−Q,
固定周波数発振器(OSC)28,90°ハイブリッド
(H)25及び移相器30は、アナログ信号を処理する
モジュール化されたアナログ部34として構成すること
ができる。
【0029】一方、前述した復調部の直交度補正手法の
他に、特開昭58−033305号公報にて開示された
技術においては、直交検波器の一方の出力に重み付けを
行ない他方の出力に所定の重み付けの値を加算すること
で直交度補正を行なう機能をもつ直交検波回路が提案さ
れ、特開平2−058951号公報にて開示された技術
においては、直交検波器のI/Qチャネルのゲイン不平
衡,オフセット量及び直交度のずれを検出し補正する機
能をもつ位相検波装置が提案され、特開平2−1468
44号公報にて開示された技術においては、位相平面上
において一方の基準軸に投影される信号点の信号値から
直交位相誤差を検出しその誤差を常に0とするように制
御する機能をもつ直交位相誤差検出回路が提案されてい
る。
【0030】また、特開平6−085864号公報に開
示された技術においては、直交検波した信号について準
同期用の位相逆回転を行なった信号から直交度補正信号
を作成しその信号を直交検波器のI/Q搬送波信号のう
ちの一方の搬送波を可変容量コンデンサにより位相補正
する方式をもつ準同期検波復調部が提案され、特開平7
−212427号公報に開示された技術においては、直
交検波器内の90°ハイブリッドで分配された2つの信
号から直交度のずれを検出し補正する方式である直交振
幅変調器及び直交振幅復調器の直交度補正装置が提案さ
れている。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
図12,図13に示すアナログ部32,34のようにモ
ジュール化されたものにおいては、移相器30は、再生
搬送波信号の位相を固定的に移相するもので、I成分,
Q成分の搬送波の直交度を90°に保持するために、最
適に搬送波を調整することができないという課題があ
る。さらに、これらのアナログ部32,34がモジュー
ル化されてない場合においても、特に図12に示す同期
検波復調方式の場合のように、搬送波周波数を変える場
合には、前述の移相器30による位相補正を効果的に行
なうことができず、直交度がずれてしまうという課題も
ある。
【0032】また、特開昭58−033305号公報に
て開示された技術では、データの位置する象限や、理論
直交軸に対するずれの向きに関わらず、直交検波器の出
力に一律に重み付けを行なっているので、特に理論直行
軸に対するずれの向きによっては、直交度の補正精度が
低下することが考えられる。さらに、特開平2−058
951号公報にて開示された技術では、変調信号を切り
替える回路を必要とするため、回路構成が複雑になると
いう課題がある。
【0033】また、特開平2−146844号公報にて
開示された技術では、直交補正後のI軸上の振幅をある
一定の条件にしなければ直交復調信号と再生搬送波信号
との位相差が検出できず、復調後のデータ位置によって
は、上述の位相差の検出精度が低下することが考えられ
る。さらに、特開平6−085864号公報にて開示さ
れた技術では、準同期用の位相回転を行なった信号に基
づいて、IFのローカル信号の直交度を補正しているの
で、上述の如くアナログ部をモジュール化した場合には
最適な位相補正を行なうことができない。
【0034】また、特開平7−212427号公報にて
開示された技術においても、IFのローカル信号の直交
度を補正しているので、上述の場合と同様、アナログ部
がモジュール化されている場合には、最適な位相補正を
行なうことができない。本発明は、このような課題に鑑
み創案されたもので、直交度のずれを直交復調後のデー
タから補正することにより、直交度を最適に保持するこ
とができるようにした、直交復調装置を提供することを
目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理ブロ
ック図で、この図1において、9は直交復調装置であ
り、この直交復調装置9は、復調出力情報(ICH
CH)をフィードバックすることにより得られた再生搬
送波信号を用いて周波数変換を施し、相互に直交する2
つの直交復調信号を得ることにより、同期検波方式で復
調処理を施すものである。
【0036】また、この図1に示す直交復調装置9は、
ハイブリッド(H)1,ミキサ(検波回路)2−I,2
−Q,直交度補正部3,制御部4,電圧制御発振器(V
CO)5,90°ハイブリッド(H)6をそなえて構成
されている。ここで、ハイブリッド1は入力された受信
信号としてのQPSK波信号を2分岐するもので、検波
回路2−I,2−Qは、90°ハイブリッド6からの再
生搬送波信号に基づき、入力信号を直交検波するもので
あり、直交度補正部3は、直交復調信号が理論直交軸上
に位置するような補正演算を施すものである。
【0037】ここで、理論直交軸とは、I成分,Q成分
のそれぞれの信号が相互に直交するとともに、それぞれ
の信号成分の値を正確に読み取ることができるような軸
のことをいう。また、VCO5は、入力信号に同期した
周波数信号(再生搬送波信号)を再生し90°ハイブリ
ッド6へ出力する搬送波再生回路(CR)を構成するも
のである。90°ハイブリッド6は、VCO5より出力
された再生搬送波信号に90°位相差をもたせるもので
あり、互いに90°の位相差を有する再生搬送波信号
を、それぞれの検波回路2−I,2−Qに出力するよう
になっている。
【0038】さらに、制御部4は、復調出力情報
(ICH,QCH)からVCO5に対する周波数制御用の信
号を作成し、制御電圧としてVCO5に供給するもので
ある。これにより、図1に示す同期検波方式の直交復調
装置9では、受信信号としてのQPSK波信号をハイブ
リッド1で2分岐し、それぞれ検波回路2−I,2−Q
に入力する。検波回路2−I,2−Qでは、90°ハイ
ブリッド6からの再生搬送波信号に基づき、入力信号を
直交検波し、直交度補正部3で、直交復調信号が理論直
交軸上に位置するような補正演算を施し、Iチャネル,
Qチャネルの復調データを発生する(請求項1)。
【0039】図2は本発明の原理ブロック図で、この図
2において、10は直交復調装置であり、この直交復調
装置10は、再生搬送波信号を用いて周波数変換を施
し、相互に直交する2つの直交復調信号を得るととも
に、上記2つの直交復調信号に位相回転制御を施すこと
により、準同期検波方式で復調処理を施すものである。
また、この図2に示す直交復調装置10は、ハイブリッ
ド(H)1,ミキサ(検波回路)2−I,2−Q,直交
度補正部3,制御部4,90°ハイブリッド(H)6,
位相回転制御部7,固定周波数発振器(OSC)8をそ
なえて構成されている。
【0040】ここで、ハイブリッド1は入力された受信
信号としてのQPSK波信号を2分岐するもので、検波
回路2−I,2−Qは、90°ハイブリッド6からの再
生搬送波信号に基づき、入力信号を直交検波するもので
あり、直交度補正部3は、直交復調信号が理論直交軸上
に位置するような補正演算を施すものである。また、位
相回転制御部7は、2つの入力される直交変調信号の位
相回転を補正するもので、OSC8は、入力直交変調信
号の搬送波角周波数に近い周波数信号(再生搬送波信
号)を発振するもので、90°ハイブリッド6は、OS
C8で出力された再生搬送波信号に90°位相差をもた
せるものであり、互いに90°の位相差を有する再生搬
送波信号を、それぞれの検波回路2−I,2−Qに出力
するようになっている。
【0041】さらに、制御部4は、復調出力情報
(ICH,QCH)から周波数制御用の信号を作成し、位相
回転制御部7における位相各θに対応するように制御信
号を出力するようになっている。これにより、図2に示
す準同期検波方式の直交復調装置10では、受信信号と
してのQPSK波信号をハイブリッド1で2分岐し、そ
れぞれ検波回路2−I,2−Qに入力する。検波回路2
−I,2−Qでは、OSC8,90°ハイブリッド6か
らの再生搬送波信号に基づき、入力信号を直交検波し、
直交度補正部3で、直交復調信号が理論直交軸上に位置
するような補正演算を施し、位相回転制御部7では、直
交復調信号に位相回転を施し、Iチャネル,Qチャネル
の復調データを発生する(請求項2)。
【0042】また、この場合においては、直交復調装置
10は、上記2つの直交復調信号に位相回転制御を施す
位相回転制御部7が、直交度補正部3を兼用することも
できる(請求項3)。なお、上述の図1又は図2に示す
直交復調装置においては、再生搬送波信号に起因する直
交度のずれが理論直交軸に対して正側にずれている場合
と、直交度のずれが理論直交軸に対して負側にずれてい
る場合とで、補正演算を変更するように直交度補正部3
を構成することもできるほか(請求項4)、また、再生
搬送波信号の周波数に応じて補正演算を変更するように
直交度補正部3を構成することもできる(請求項5)。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。 (a)第1実施形態の説明 図3は本発明の第1実施形態にかかる直交復調装置を示
すブロック図で、本実施形態にかかる直交復調装置は、
前述の図14に示す無線通信システム114における復
調部112に適用され、復調出力情報をフィードバック
することにより得られた再生搬送波信号を用いて周波数
変換を施し、相互に直交する2つの直交復調信号を得る
ことにより、同期検波方式で復調処理を施すものであ
る。
【0044】ここで、この図3に示す直交復調装置は、
ミキサ(検波回路)11,周波数シンセサイザ12,バ
ンドパスフィルタ13,可変利得増幅器(AGC)1
4,ハイブリッド(H)15,ミキサ(検波回路)16
−I,16−Q,ローパスフィルタ17−I,17−
Q,アナログ/ディジタル変換器(A/D変換器)18
−I,18−Q,直交度補正回路19,等化器20,制
御部(CONT)21,ローパスフィルタ22,23,
電圧制御発振器(VCO)24及び90°ハイブリッド
(H)25をそなえて構成されている。
【0045】また、検波回路11は、入力されたQPS
K信号を周波数シンセサイザ12からの周波数データ
(fデータ)により周波数変換するもので、検波回路1
1と周波数シンセサイザ12とでダウンコンバーターを
構成している。さらに、バンドパスフィルタ13は、検
波回路11からの信号について帯域制限するもので、可
変利得増幅器14は、バンドパスフィルタ13で帯域制
限された信号振幅について自動ゲイン制御(AGC:Au
tomatic Gain Control)を施すもので、ハイブリッド1
5は可変利得増幅器14でAGC処理の施されたIF信
号(中間周波信号)を2つに分岐するものであり、分岐
した2つの信号は、それぞれ、検波回路16−I,16
−Qに出力されるようになっている。
【0046】また、VCO24は、搬送波再生回路(C
R)を構成し、入力信号に同期した周波数信号(再生搬
送波信号)を再生し、90°ハイブリッド25へ出力す
るものである。また、90°ハイブリッド25は、VC
O24で発振された再生搬送波信号を90°位相差をも
たせた2つの再生搬送波信号に分岐するものであり、分
岐された再生搬送波信号は、それぞれ、検波回路16−
I,16−Qに出力されるようになっている。
【0047】さらに、検波回路16−Iは、ハイブリッ
ド15からのIF信号について、90°ハイブリッド2
5からの再生搬送波信号に基づいて直交検波し、直交復
調信号としてのIデータを生成するもので、検波回路1
6−Qは、ハイブリッド15からのIF信号について、
90°ハイブリッド25からの再生搬送波信号に基づい
て直交検波し、直交復調信号としてのQデータを生成す
るものである。
【0048】また、ローパスフィルタ17−I,17−
Qは、それぞれ、検波回路16−I,16−Qからの直
交復調信号としてのIデータ,Qデータのノイズ等を除
去するものである。さらに、A/D変換器18−I,1
8−Qは、それぞれ、ローパスフィルタ17−I,17
−Qでローパスフィルタ処理を施されたIデータ,Qデ
ータとしての2つのアナログ信号をディジタル信号に変
換するようになっている。
【0049】また、直交度補正回路19は、A/D変換
器18−I,18−Qから入力された2つのディジタル
信号の直交復調信号について、これらの直交復調信号が
理論直交軸上に位置するような補正演算を施す直交度補
正部としての機能を有するものである。さらに、等化器
20は、直交度補正回路19で直交度のずれが補正され
た信号を所要の振幅に等化するものであり、復調データ
CH,QCHを生じるものである。
【0050】また、制御部21は、等化器20からの復
調出力情報(ICH,QCH)に基づいて、可変利得増幅器
14をAGC制御するほか、VCO24から出力される
再生搬送波信号を入力信号の周波数に同期するように制
御するものである。なお、上述の等化器20と制御部2
1とにより、LSI化されている(符号31参照)。さ
らに、ローパスフィルタ22は、可変利得増幅器14を
AGC制御するための制御信号のノイズ等を除去するも
ので、ローパスフィルタ23は、VCO24における発
振周波数を制御するための制御信号のノイズ等を除去す
るものである。
【0051】ところで、上述の直交度補正回路19は、
詳細には図4のブロック図に示すようなハードウェア構
成を有している。ここで、この図4に示す直交度補正回
路19は、直交補正前のディジタル信号をICH,QCH
直交度補正後のディジタル信号をI′CH,Q′CH、再生
搬送波信号の周波数に依存する直交度のずれをθとする
と、再生搬送波信号に起因する直交度のずれに応じて、
例えば式(1)又は式(2)に示すような一次変換式と
等価の演算を行なうことにより、理論直交軸上に座標変
換するものである。
【0052】なお、上述のICH,QCHは、以下の式中に
おいてはI,Qと記載し、I′CH,Q′CHは、以下の式
中においてはI′,Q′と記載している。
【0053】
【数1】
【0054】また、上述の直交度のずれθは、外部から
設定されるようになっている。この直交度補正回路19
は、ROM(Read Only Memory)190,191,乗算
器192〜195,加算器196,197,θ設定装置
198,A/D変換器199A,極性反転装置200及
びEXOR(Exclusive OR:排他的論理和)回路201
から構成されている。
【0055】ここで、ROM190,191は、再生搬
送波信号の周波数及び再生搬送波信号に起因する直交度
のずれの向きをアドレス情報として直交復調信号
(ICH,Q CH)に対する固有の補正値演算用データを記
憶するもので、それぞれのROM190,191は、直
交度のずれθに応じて、例えば以下に示すような補正値
演算データを記憶することができる。
【0056】
【表1】
【0057】なお、直交度のずれに対するそれぞれの値
の演算精度は、sin(θ/2)/cosθの値は、8
〜9bit以上のビットデータを必要とし、cos(θ
/2)/cosθの値は、14bit以上のビットデー
タを必要とする。また、乗算器192〜195は、直交
復調信号(ICH,QCH)とROM190,191で作り
出される補正値を掛け合わせるもので、加算器196,
197は、乗算器192〜195で乗算された値を加算
するものである。
【0058】さらに、θ設定装置198は、再生搬送波
信号の周波数に依存して発生する直交度のずれの値θ
〔データ(I,Q)が理論直交軸に対してずれている角
度〕を設定するものである。また、A/D変換器199
Aは、制御部21からのVCO24の発振周波数を制御
するためのコントロール電圧(Vc)をA/D変換し、
入力信号の周波数の変化を示す情報として、ROM19
0,191へ送信するものである。
【0059】さらに、極性反転装置200は、ICH,Q
CHデータにおいて生じている直交度のずれの向き(極
性)を検出して、θ設定装置198にて設定される直交
度のずれθの極性を反転させる旨の極性反転信号がRO
M191へ出力されるようになっている。また、EXO
R回路201は、上述の極性反転装置200と同様に、
復調後のICH,QCHデータの極性を入力され、これらI
データの極性及びQデータの極性について排他的論理和
演算を行ない、演算結果はθ設定装置198にて設定さ
れる直交度のずれθの極性を反転するか否かを示す制御
信号としてROM191に出力するようになっている。
【0060】なお、極性反転装置200及びEXOR回
路201は、θ設定装置198にて設定される直交度の
ずれθを反転させる手段として共に設けられているが、
少なくともいずれか一方のみを設置してもよい。これに
より、ROM190では、θ設定装置198からのθ設
定情報と、A/D変換器199Aからの入力信号の周波
数の変化を示す情報(ディジタル信号)とを、アドレス
指定情報として入力され、このアドレス指定情報に基づ
いて、固有の補正値演算用データcos(θ/2)/c
osθが読み出されるようになっている。
【0061】同様に、ROM191では、θ設定装置1
98からのθ設定情報と、A/D変換器199Aからの
入力信号の周波数の変化を示す情報(ディジタル信号)
とともに、極性反転装置200及び/又はEXOR回路
201からの極性反転信号をアドレス指定情報として入
力され、このアドレス指定情報に基づいて、固有の補正
値演算用データsin(θ/2)/cosθが読み出さ
れるようになっている。
【0062】一般に、直交度のずれは、90°ハイブリ
ッド25により発生するが、90°ハイブリッド25
は、入力信号の周波数が1種類であればその時点で直交
度を調整できるのに対し、入力信号の周波数がある範囲
を変化する場合は、直交度のずれを調整することができ
ないため、VCO24のコントロール電圧(Vc)をA
/D変換して入力信号の周波数の変化とすることで、入
力信号の周波数によって発生する直交度のずれが補正さ
れるようになっているのである。
【0063】なお、ROM190の補正値演算用データ
cos(θ/2)/cosθの値は、極性反転装置20
0及び/又はEXOR回路201からの極性反転信号に
依存しないため、この極性反転信号はROM190のア
ドレス指定情報としては使用されない。また、乗算器1
92は、直交度補正前のディジタル信号ICHとROM1
90にて読み出されたデータcos(θ/2)/cos
θとを乗算するもので、乗算結果は加算器196に出力
されるようになっている。
【0064】同様に、乗算器193は、直交度補正前の
ディジタル信号ICHとROM191にて読み出されたデ
ータsin(θ/2)/cosθとを乗算するもので、
乗算結果は加算器197に出力されるようになってい
る。さらに、乗算器194は、直交度補正前のディジタ
ル信号QCHとROM191にて読み出されたデータsi
n(θ/2)/cosθとを乗算するもので、乗算結果
は加算器196に出力されるようになっている。
【0065】同様に、乗算器195は、直交度補正前の
ディジタル信号QCHとROM190にて読み出されたデ
ータcos(θ/2)/cosθとを乗算するもので、
乗算結果は加算器197に出力されるようになってい
る。また、加算器196は、乗算器192からの乗算結
果と乗算器194からの乗算結果とを加算し、直交補正
ディジタル信号I′CHとして出力するものであり、加算
器197は、乗算器193からの乗算結果と乗算器19
5からの乗算結果とを加算し、直交補正ディジタル信号
Q′CHとして出力するものである。
【0066】これにより、直交度補正回路19では、極
性反転装置200及び/又はEXOR回路201からの
直交度のずれの極性とA/D変換器199Aからの再生
搬送波信号の周波数情報に応じて、上述の式(1)又は
式(2)に示す一次変換式と等価の演算を行なうことに
より、直交復調信号ICH,QCHを理論直交軸上のデータ
I′CH,Q′CHに変換するようになっている。
【0067】ところで、直交度補正回路19による直交
度の補正量は、直交度のずれやデータ(I,Q)の位置
に応じて式(1),(2)を用いて求められるようにな
っている。ここで、図5,6は入力信号の直交度の位相
補正を表す図であるが、この図5,6において、直交度
がずれている軸を実線a,bで示し、復調データをI,
Qとし、理論直交軸を点線c,dで示し、上記復調デー
タI,Qの直交度が補正された値をI′,Q′とする。
【0068】ここで、図5は、直交度のずれをθ〔理論
直交軸c,dにより形成される角度(直角)と、直交度
がずれている軸a,bにより形成される角度との差〕と
した場合に、θが正、即ち、データ(I,Q)が、理論
直交軸に対して正側にずれている場合を表す図である。
直交度がずれている軸a,bは、VCO24,90°ハ
イブリッド25による搬送波再生制御によりθ/2ずつ
均等にずれたところに位置するようになっている。
【0069】この場合においては、(I,Q)=(1,
1)か又は(0,0)の場合には、式(1)を用いてデ
ータ(I,Q)を座標変換して、直交度がずれている軸
a,b上の(I,Q)の値を理論直交軸c,d上の
(I′,Q′)の値に変換することによって、直交度の
ずれが補正されるようになっている。一方、(I,Q)
=(0,1)か又は(1,0)の場合は、式(2)を用
いてデータ(I,Q)を座標変換して、直交度がずれて
いる軸a,b上の(I,Q)の値を理論直交軸c,d上
の(I′,Q′)の値に変換することによって、直交度
のずれが補正されるようになっている。
【0070】また、図6は、上述のθが負、即ち、デー
タ(I,Q)が、理論直交軸c,dに対して負側にずれ
ている場合を表す図である。図6の場合においては、
(I,Q)=(0,1)か又は(1,0)の場合は式
(1)を用いてデータ(I,Q)を座標変換して、直交
度がずれている軸a,b上の(I,Q)の値を理論直交
軸c,d上の(I′,Q′)の値に変換することによっ
て、直交度のずれが補正されるようになっている。
【0071】一方、(I,Q)=(1,1)か又は
(0,0)の場合は、式(2)を用いてデータ(I,
Q)を座標変換して、直交度がずれている軸a,b上の
(I,Q)の値を理論直交軸c,d上の(I′,Q′)
の値に変換することによって、直交度のずれが補正され
るようになっている。つまり、データ(I,Q)が理論
直交軸に対して正側にずれている場合と、負側にずれて
いる場合とでは、データの値に応じて用いられる式は逆
になる。
【0072】また、図5,図6に示すようにcos(θ/2)
の値は I/(I ′+x1)又は Q/(Q ′+y 1)であり、tan(θ/
2) の値は x1/Q ′又は y1/I ′である。従って、直交
度補正回路19においては、再生搬送波信号に起因する
直交度のずれが理論直交軸に対して正側にずれている
(θが正の極性を有している)場合と、直交度のずれが
理論直交軸に対して負側にずれている(θが負の極性を
有している)場合とで、補正演算を変更するようになっ
ている。
【0073】また、上述したように、VCO24のコン
トロール電圧(Vc)をA/D変換して入力信号の周波
数の変化とし、ROM190及び191に出力すること
により、再生搬送波信号の周波数に応じて補正演算を変
更するようになっている。上述の構成により、本発明の
第1実施形態にかかる直交復調装置では、図3に示すよ
うに、受信信号としてのQPSK信号は、検波回路11
において、周波数シンセサイザ12からの周波数データ
(fデータ)により周波数変換された後に、バンドパス
フィルタ13において帯域制限され、さらに、可変利得
増幅器14においてAGC処理が施される。
【0074】また、ハイブリッド15においては、可変
利得増幅器14でAGC処理の施されたIF信号が2つ
に分岐され、それぞれ、検波回路16−I,16−Qの
一方の入力に加えられる。さらに、VCO24において
は、入力信号に同期した周波数(再生搬送波信号)が再
生され、再生搬送波信号は、90°ハイブリッド25に
おいて90°位相差をもつ2つの再生搬送波信号に分岐
され、それぞれ、検波回路16−I,16−Qの他方の
入力に加えられる。
【0075】また、検波回路16−I,16−Qにおい
ては、ハイブリッド15からの2つのIF信号と90°
ハイブリッド25からの再生搬送波信号が直交検波され
て、それぞれ、直交復調信号としてのIデータ,Qデー
タとしてローパスフィルタ17−I,17−Qに出力さ
れる。さらに、ローパスフィルタ17−I,17−Qに
おいては、それぞれ、検波回路16−I,16−Qから
の直交復調信号としてのIデータ,Qデータのノイズ等
が除去され、ノイズ等が除去された直交復調信号として
のIデータ,Qデータ(ともにアナログ信号)は、それ
ぞれ、A/D変換器18−I,18−Qにおいてディジ
タル信号に変換される。
【0076】また、直交度補正回路19において、A/
D変換器18−I,18−Qからの2つのディジタル信
号としての直交復調信号における直交度のずれが、その
ずれの極性及びデータ(I,Q)の値に応じて式(1)
又は式(2)と等価の座標変換演算が行なわれることに
より補正される。その後、等化器20において、直交度
補正回路19で直交度のずれが補正された信号が所要の
振幅に等化され、復調データICH,QCHとして出力され
る。
【0077】なお、制御部21においては、等化器20
からの復調出力情報(ICH,QCH)に基づき、可変利得
増幅器14をAGC動作させるための制御信号をローパ
スフィルタ22を介して出力するとともに、VCO24
にて発振される再生搬送波信号を入力信号の周波数に同
期させるための制御信号をローパスフィルタ23を介し
て出力している。
【0078】このように、本発明の第1実施形態におけ
る直交復調装置によれば、直交度補正回路19で2つの
直交復調信号について、これらの直交復調信号が理論直
交軸上に位置するような補正演算を施すことができるの
で、再生搬送波信号の直交度を補正しなくても直交復調
後の復調データを補正すればよく、例えばアナログ信号
を処理するアナログ部(符号36参照)を、モジュール
化して構成した場合においても、再生搬送波信号の周波
数に応じて最適に直交度を保持することができ、復調装
置の性能向上に寄与することができる利点がある。
【0079】さらには、システム設計に応じて搬送波の
周波数を変更する場合においても、ROM190,19
1の仕様を変更するのみで、アナログ部の構成自体を変
更する必要がなく、装置を構成するためのコストを抑制
することができる利点もある。また、直交度補正回路1
9は、VCO24から発振される再生搬送波信号の直交
度のずれが正側にずれている場合でも、負側にずれてい
る場合でも、理論直交軸に補正するように構成されてい
るので、復調後のデータ位置によらず高い精度で直交度
を補正することができるので、装置の復調性能を大幅に
向上させることができる。
【0080】さらに、直交度補正回路19は、再生搬送
波信号の周波数に応じて直交度を補正するように構成さ
れているので、入力信号の周波数が1種類でなくある範
囲を変化する場合でも入力信号の直交度を補正すること
ができ、上述の場合と同様に、アナログ部をモジュール
化して構成した場合において、最適に直交度を保持する
ことができる。
【0081】なお、上述の本実施形態においては、直交
度のずれθ〔deg 〕に対し、ROM191により作り出
されるsin(θ/2)/cosθという値は大きく変
化する一方、ROM190により作り出されるcos
(θ/2)/cosθという値は、ほとんど無視できる
値となる(cos(θ/2)/cosθ≒1)。そのた
め、式(1),(2)は以下に示す式(3),(4)と
近似することができ、このようにすれば図4におけるR
OM190及び乗算器192,195を、例えば図7に
示すように削除することできるので、装置の回路構成を
簡略化させることができ、ひいては装置の小型化をはか
ることもできる。
【0082】
【数2】
【0083】(b)第2実施形態の説明 図8は本発明の第2実施形態にかかるブロック図で、本
実施形態にかかる直交復調装置は、前述の図14に示す
復調部112に適用され、再生搬送波信号を用いて周波
数変換を施し、相互に直交する2つの直交復調信号を得
るとともに、上記2つの直交復調信号に位相回転制御を
施すことにより、準同期検波方式で復調処理を施すもの
である。
【0084】ここで、この図8に示す直交復調装置は、
ミキサ(検波回路)11,周波数シンセサイザ12,バ
ンドパスフィルタ13,可変利得増幅器(AGC)1
4,ハイブリッド(H)15,ミキサ(検波回路)16
−I,16−Q,ローパスフィルタ17−I,17−
Q,アナログ/ディジタル変換器(A/D変換器)18
−I,18−Q,直交度補正回路19A−1,位相回転
回路19A−2の両機能を有する位相回転部19A,等
化器20,制御部(CONT)21,ローパスフィルタ
22,90°ハイブリッド25(H),ローパスフィル
タ26,ディジタル可変周波数発振器(DVCO)27
及び固定周波数発振器(OSC)28をそなえて構成さ
れている。
【0085】ここで、検波回路11は、入力されたQP
SK信号を周波数シンセサイザ12からの周波数データ
(fデータ)により周波数変換するもので、検波回路1
1と周波数シンセサイザ12とでダウンコンバーターを
構成している。また、バンドパスフィルタ13は、検波
回路11からの信号について帯域制限するもので、可変
利得増幅器14は、バンドパスフィルタ13で帯域制限
された信号振幅について自動ゲイン制御(AGC)を行
なうもので、ハイブリッド15は、可変利得増幅器14
でAGC処理の施されたIF信号を2つに分岐するもの
であり、分岐された2つのIF信号は、検波回路16−
I,16−Qの一方の入力に加えられるようになってい
る。
【0086】さらに、OSC28は、入力直交変調信号
の搬送波角周波数に近い周波数信号(再生搬送波信号)
を発振するもので、90°ハイブリッド25は、OSC
28で発振された再生搬送波信号を90°位相差をもた
せた2つの再生搬送波信号に分岐するものであり、分岐
された再生搬送波信号は、それぞれ、検波回路16−
I,16−Qの他方の入力に加えられるようになってい
る。
【0087】また、検波回路16−Iは、ハイブリッド
15からのIF信号について、90°ハイブリッド25
からの再生搬送波信号に基づいて直交検波し、直交復調
信号としてのIデータを生成するもので、検波回路16
−Qは、ハイブリッド15からのIF信号について、9
0°ハイブリッド25からの再生搬送波信号に基づいて
直交検波し、直交復調信号としてのQデータを生成する
ものである。
【0088】さらに、ローパスフィルタ17−I,17
−Qは、それぞれ、検波回路16−I,16−Qからの
直交復調信号としてのIデータ,Qデータのノイズ等を
除去するものである。また、A/D変換器18−I,1
8−Qは、それぞれ、ローパスフィルタ17−I,17
−Qでローパスフィルタ処理を施されたIデータ,Qデ
ータとしての2つのアナログ信号をディジタル信号に変
換するようになっている。
【0089】また、位相回転部19Aは、2つのディジ
タル信号における直交度のずれを補正するとともに、入
力信号の周波数とOSC28にて生成される周波数との
ずれにより生じる直交復調信号の位相のずれを補正する
ように位相回転を行なうものであり、直交度補正回路1
9A−1及び位相回転回路19A−2としての機能を有
している。
【0090】ここで、直交度補正回路19A−1は、A
/D変換器18−I,18−Qから入力された2つのデ
ィジタル信号の直交復調信号について、これらの直交復
調信号が理論直交軸上に位置するような補正演算を施す
直交度補正部としての機能を有するものである。さら
に、位相回転回路19A−2は、2つの入力される直交
変調信号に位相回転制御を施すもので、入力信号の周波
数と直交復調装置のOSC28から発振する信号の周波
数から生じる位相のずれを、DVCO27により出力さ
れる補正データを用いて位相回転を行なうことにより補
正するものであり、この位相回転回路19A−2の位相
回転により、OSC28から発振する信号の周波数と入
力信号の周波数とを同期させることができる。等化器2
0は、位相回転部19Aにおいて位相回転の行なわれた
信号を、所要の振幅に等化し、復調データICH,QCH
して出力するようになっている。
【0091】即ち、図10に示すように、準同期検波方
式では、I,Q軸が仮に直交していても、入力されてく
る直交変調信号の周波数と直交復調装置のOSC28か
ら発振する信号の周波数が同期していないため、入力さ
れてくる直交変調信号は、I,Q軸上にある信号点
(1,1),(0,1),(0,0),(1,1)の定
位置に定まらず、I,Q軸が同じ円周上を一定速度で回
転するようになる。
【0092】そのため、I,Q軸をその周波数がずれた
分だけ回転させる必要があり、回転する軸の速度に合わ
せてI,Q軸上の信号点の位置を回転させるようにする
ことで、定位置に定まっていない入力信号は停止してい
るかのように補正され、入力信号がそれぞれ本来の信号
点の位置に定まるようになっている。また、上述した周
波数のずれをω0 としたときの回転させる位相(θ0
は、θ0 =ω0 tと表せる(t=時間)。
【0093】なお、上述の位相回転回路19A−2によ
る信号点を位相角θ0 だけ回転させる演算としては、以
下に示す式(5)が用いられている。
【0094】
【数3】
【0095】また、制御部21は、等化器20からの復
調出力情報(ICH,QCH)に基づいて可変利得増幅器1
4をAGC動作させるような制御信号を出力するととも
に、A/D変換器18−I,18−Q,等化器20から
の復調データ及び後述のDVCO27からの周波数情報
に基づいて、入力信号の周波数とOSC28にて生成さ
れる周波数とのずれをなくすように位相回転部19Aに
て位相回転を施すための制御信号(電圧信号)を出力す
るものである。
【0096】なお、ローパスフィルタ22は、制御部2
1からの可変利得増幅器14への復調出力情報(ICH
CH)のノイズ等を除去するものであり、ローパスフィ
ルタ26は、制御部21からDVCO27に対する制御
信号としての電圧信号についてノイズ等を除去するもの
である。さらに、DVCO27は、制御部21からロー
パスフィルタ26を介して位相回転を施すための制御信
号(電圧信号)を入力され、この制御信号の電圧に応じ
たディジタル周波数信号を生成して、位相回転部19A
に出力するものである。
【0097】なお、位相回転部19A,等化器20,制
御部21,ローパスフィルタ26及びDVCO27はL
SI35として構成されている。ところで、上述の位相
回転部19Aは、詳細には図9のブロック図に示すよう
なハードウェアの構成を有している。ここで、この図9
に示す位相回転部19Aは、再生搬送波信号に起因する
直交度のずれと信号点の位置に応じ、以下に示すような
信号点の位相ずれと合算された式(6)又は式(7)に
示すような一次変換式を演算することにより、直交復調
信号を理論直交軸上に座標変換するとともに、入力信号
の周波数とOSC28にて生成される再生搬送波信号の
周波数のずれにより生じる直交復調信号の位相のずれを
補正するものである。
【0098】なお、以下に示す式(6)又は(7)にお
いて直交補正前のディジタル信号をICH,QCH、直交度
補正後のディジタル信号をI′CH,Q′CH、外部から設
定される再生搬送波信号の周波数に依存する直交度のず
れをθ、DVCO27から設定される位相回転回路19
A−2の位相角に対応する値をθ0 とする。
【0099】
【数4】
【0100】ところで、式(6),(7)における、座
標変換を行なうための2×2行列は、それぞれ、上述の
式(1),(2)における2×2行列と式(5)におけ
る2×2行列を合算(乗算)することにより得られたも
のである。即ち、データ(I,Q)が、理論直交軸に対
して正側にずれている場合において、(I,Q)=
(1,1)か又は(0,0)の場合には、式(6)を用
いてデータ(I,Q)を座標変換することにより、直交
度がずれている軸a,b上の(I,Q)の値を理論直交
軸c,d上の(I′,Q′)の値に変換し、直交度のず
れが補正されるようになっている。
【0101】一方、(I,Q)=(0,1)か又は
(1,0)の場合には、式(7)を用いてデータ(I,
Q)を座標変換することにより、直交度がずれている軸
a,b上の(I,Q)の値を理論直交軸c,d上の
(I′,Q′)の値に変換し、直交度のずれが補正され
るようになっている。また、データ(I,Q)が、理論
直交軸に対して負側にずれている場合においては、
(I,Q)=(0,1)か又は(1,0)の場合には、
式(6)を用いてデータ(I,Q)を座標変換すること
により、直交度がずれている軸a,b上の(I,Q)の
値を理論直交軸c,d上の(I′,Q′)の値に変換
し、直交度のずれが補正されるようになっている。
【0102】一方、(I,Q)=(1,1)か又は
(0,0)の場合には、式(7)を用いてデータ(I,
Q)を座標変換することにより、直交度がずれている軸
a,b上の(I,Q)の値を理論直交軸c,d上の
(I′,Q′)の値に変換し、直交度のずれが補正され
るようになっている。つまり、第1実施形態と同様に、
データ(I,Q)が理論直交軸に対して正側にずれてい
る場合と、負側にずれている場合とでは、データの値に
応じて用いられる式は逆になる。
【0103】従って、2つの直交復調信号に位相回転制
御を施す位相回転回路19A−2が、直交度補正回路1
9A−1を兼用することにより、位相回転部19Aを構
成しているのである。ここで、位相回転部19Aは、R
OM202〜205,乗算器192〜195,加算器1
96,197,θ設定装置198,A/D変換器199
B,極性反転装置200及びEXOR回路201をそな
えて構成されている。
【0104】なお、乗算器192〜195,加算器19
6,197,θ設定装置198,A/D変換器199
B,極性反転装置200及びEXOR回路201につい
ては、第1実施形態におけるもの(符号192〜201
参照)と同様に機能するものであり、その詳細な説明は
省略する。また、ROM202〜205は、再生搬送波
信号に起因する直交度のずれの極性とともに、入力信号
の周波数とOSC28にて生成される周波数とのずれに
応じた、直交復調信号(ICH,QCH)に対する固有の補
正値演算用データを記憶するものである。
【0105】なお、上述の極性反転装置200及びEX
OR回路201は、θ設定装置198にて設定される直
交度のずれθを反転させる手段として共に設けられてい
るが、少なくともいずれか一方のみを設けてもよい。こ
れにより、ROM202〜205では、θ設定装置19
8からのθ設定情報と、A/D変換器199Bからの入
力信号の周波数の変化を示す情報(ディジタル信号),
極性反転装置200及び/又はEXOR回路201から
の極性反転信号とともに、DVCO27からのディジタ
ル周波数信号をアドレス指定情報として入力され、この
アドレス指定情報に基づいて、固有の補正値演算用デー
タが読み出されるようになっている。
【0106】なお、上述の補正値演算用データとして
は、ROM202では、cos(θ0+θ/2)/co
sθの値を、ROM203では、−sin(θ0 +θ/
2)/cosθの値を、ROM204では、cos(θ
0 −θ/2)/cosθの値を、ROM205では、s
in(θ0 −θ/2)/cosθの値が保持するように
なっている。
【0107】なお、直交度のずれに対するそれぞれの値
の演算精度は、−sin(θ0 +θ/2)/cosθ,
sin(θ0 −θ/2)/cosθの値は、8〜9bi
t以上のビットデータを必要とし、cos(θ0 +θ/
2)/cosθ,cos(θ 0 −θ/2)/cosθの
値は、14bit以上のビットデータを必要とする。ま
た、乗算器192は、直交度補正前のディジタル信号I
CHとROM202読み出されたデータcos(θ0 +θ
/2)/cosθとを乗算するもので、乗算結果は加算
器196に出力されるようになっている。
【0108】同様に、乗算器193は、直交度補正前の
ディジタル信号ICHとROM203にて読み出されたデ
ータ−sin(θ0 +θ/2)/cosθとを乗算する
もので、乗算結果は加算器197に出力されるようにな
っている。さらに、乗算器194は、直交度補正前のデ
ィジタル信号QCHとROM205にて読み出されたデー
タsin(θ0 −θ/2)/cosθとを乗算するもの
で、乗算結果は加算器196に出力されるようになって
いる。
【0109】同様に、乗算器195は、直交度補正前の
ディジタル信号QCHとROM204にて読み出されたデ
ータcos(θ0 −θ/2)/cosθとを乗算するも
ので、乗算結果は加算器197に出力されるようになっ
ている。また、加算器196は、乗算器192からの乗
算結果と乗算器194からの乗算結果とを加算し、直交
補正値I′CHとして出力するものであり、加算器197
は、乗算器193からの乗算結果と乗算器195からの
乗算結果とを加算し、直交補正値Q′CHとして出力する
ものである。
【0110】上述の構成により、本発明の第2実施形態
にかかる直交復調装置では、図8に示すように、受信信
号としてのQPSK信号は、検波回路11において、周
波数シンセサイザ12から出力される周波数データ(f
データ)により周波数変換された後に、バンドパスフィ
ルタ13において帯域制限され、さらに、可変利得増幅
器14において、AGC処理が施される。
【0111】また、ハイブリッド15においては、可変
利得増幅器14でAGC処理の施されたIF信号が2つ
に分岐され、それぞれ、検波回路16−I,16−Qの
一方の入力に加えられる。また、OSC28において
は、再生搬送波信号を発振するが、この再生搬送波信号
は、90°ハイブリッド25において90°位相差をも
つ2つの再生搬送波信号に分岐され、それぞれ、検波回
路16−I,16−Qの他方の入力に加えられる。
【0112】さらに、検波回路16−I,16−Qにお
いて、ハイブリッド15からの2つのIF信号と90°
ハイブリッド25からの再生搬送波信号が直交検波され
て、それぞれ直交復調信号であるIデータ,Qデータと
してローパスフィルタ17−I,17−Qに出力され
る。また、ローパスフィルタ17−I,17−Qにおい
ては、それぞれ、検波回路16−I,16−Qからの直
交復調信号としてのIデータ,Qデータのノイズ等が除
去され、ノイズ等が除去された直交復調信号であるIデ
ータ,Qデータ(ともにアナログ信号)は、それぞれ、
A/D変換器18−I,18−Qにおいてディジタル信
号に変換される。
【0113】さらに、位相回転部19Aにおいては、θ
設定装置198からのθ設定情報,A/D変換器199
Bからの周波数変化を示す情報,極性反転装置200,
EXOR回路201からの極性反転情報及びDVCO2
7からの位相回転情報に基づいて、A/D変換器18−
I,18−QからのIデータ,Qデータについて上述の
式(6),(7)と等価の座標変換演算が行なわれる。
【0114】これにより、A/D変換器18−I,18
−Qからの2つのディジタル信号としての直交復調信号
における直交度のずれが補正されるとともに、入力信号
の周波数とOSC28から発振する信号の周波数との差
から生じる位相のずれを、DVCO27により出力され
る補正データによって、位相回転が施されて補正され
る。
【0115】その後、等化器20において、位相回転部
19Aで補正された信号が所要の振幅に等化され、復調
データICH,QCHとして出力される。なお、制御部21
においては、等化器20からの復調出力情報(ICH,Q
CH)に基づき、可変利得増幅器14をAGC動作させる
ための制御信号をローパスフィルタ22を介して出力す
るとともに、位相のずれを補正するような位相回転を行
なうための制御信号をローパスフィルタ26を介してD
VCO27に出力する。
【0116】このように、本発明の第2実施形態におけ
る直交復調装置によれば、位相回転部19Aで、2つの
直交復調信号について、これらの直交復調信号が理論直
交軸上に位置するような補正演算を施すことができるの
で、再生搬送波信号の直交度を補正しなくても直交復調
後の復調データを補正すればよく、例えばアナログ信号
を処理するアナログ部(符号37参照)を、モジュール
化して構成した場合においても、再生搬送波信号の周波
数に応じて最適に直交度を保持することができ、復調装
置の性能向上に寄与することができる利点がある。
【0117】さらには、システム設計に応じて搬送波の
周波数を変更する場合においても、ROM202〜20
5の仕様を変更するのみで、アナログ部の構成自体を変
更する必要がなく、装置を構成するためのコストを抑制
することができる利点もある。また、2つの直交復調信
号に位相回転を施す位相回転回路19A−2が、直交度
補正回路19A−1を兼用することにより、位相回転部
19Aを構成しているので、直交度のずれの補正と位相
回転のずれの補正を同時に行なうことができ、本装置の
直交補正機能の迅速化を図ることができる利点があるほ
か、装置構成を簡略化することができるので、装置の小
型化を図ることもできる。
【0118】さらに、直交度補正回路19A−1は、O
SC28から発振される再生搬送波信号の直交度のずれ
が正側にずれている場合でも、負側にずれている場合で
も、理論直交軸に補正するように構成されているので、
復調後のデータ位置によらず高い精度で直交度を補正す
ることができ、装置の復調性能を大幅に向上させること
ができる。
【0119】また、直交度補正回路19A−1は、再生
搬送波信号の周波数に応じて直交度を補正するように構
成されているので、入力信号の周波数が1種類でなくあ
る範囲を変化する場合でも入力信号の直交度を補正する
ことができ、上述の場合と同様に、アナログ部をモジュ
ール化して構成した場合において、最適に直交度を保持
することができる。
【0120】なお、上述の本実施形態においては、位相
回転部19Aにおける座標変換を行なう際に式(6)又
は(7)に示す演算を行なっているが、入力信号の直交
度のずれθ〔deg 〕に対し、ROM202及びROM2
04により作り出される値はほとんど無視できるため
(cos(θ0 +θ/2)/cosθ及びcos(θ0
−θ/2)/cosθ≒1)、上述の式(6),(7)
は以下に示す式(8),(9)に近似することができ
る。
【0121】この場合においては、ROM202,RO
M204及び乗算器192,195を、図11に示すよ
うに削除することでき、位相補正の精度を下げることに
より、直交度補正回路19A−1の回路構成を簡略化す
ることができるため、装置の小型化を実現することが可
能となる。
【0122】
【数5】
【0123】また、本発明の第2実施形態では、位相回
転部19Aにおいて位相回転回路19A−2が直交度補
正回路19A−1と兼用して直交補正するものについて
詳述したが、直交度補正回路19A−1の補正機能と位
相回転回路19A−2の補正機能はそれぞれ独立して設
けることもできる。
【0124】(c)その他 なお、本装置における直交復調システムは、ハードウェ
アとして用いてもソフトウェアとして用いてもよい。
【0125】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1,2記載
の本発明の直交復調装置によれば、2つの直交復調信号
が理論直交軸上に位置するような補正演算を施す直交度
補正部を設けることにより、直交度のずれを直交復調後
の再生データから補正することができるので、例えばア
ナログ信号を処理するアナログ部を、モジュール化して
構成した場合においても、再生搬送波信号の周波数に応
じて最適に直交度を保持することができ、復調装置の性
能向上に寄与することができる利点がある。
【0126】さらに、請求項3記載の本発明の直交復調
装置によれば、2つの直交復調信号に位相回転制御を施
す位相回転制御部が、直交度補正部を兼用しているの
で、直交度のずれの補正と位相回転のずれの補正を同時
に行なうことができ、本装置の直交補正機能の迅速化を
図ることができる利点があるほか、装置構成を簡略化す
ることができるので、装置の小型化を図ることもでき
る。
【0127】また、請求項4記載の本発明の直交復調装
置によれば、上記再生搬送波信号に起因する直交度のず
れが上記理論直交軸に対して正側にずれている場合と、
上記直交度のずれが上記理論直交軸に対して負側にずれ
ている場合とで、上記補正演算を変更するように、上記
直交度補正部が構成されているので、復調後のデータ位
置によらず高い精度で直交度を補正することができ、装
置の復調性能を大幅に向上させることができる。
【0128】さらに、請求項5記載の本発明の直交復調
装置によれば、上記再生搬送波信号の周波数に応じて上
記補正演算を変更するように、上記直交度補正部が構成
されているので、入力信号の周波数が1種類でなくある
範囲を変化する場合でも直交度を補正することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の原理ブロック図である。
【図2】第2の発明の原理ブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態にかかる直交復調装置を
示すブロック図である。
【図4】本発明の第1実施形態にかかる直交度補正回路
の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1実施形態にかかる直交度が正にず
れた場合の位相補正を説明するための図である。
【図6】本発明の第1実施形態にかかる直交度が負にず
れた場合の位相補正を説明するための図である。
【図7】本発明の第1実施形態にかかる直交度補正回路
の変形例を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2実施形態にかかる直交復調装置を
示すブロック図である。
【図9】本発明の第2実施形態にかかる位相回転部の構
成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第2実施形態にかかる準同期検波方
式における位相回転制御を説明するための図である。
【図11】本発明の第2実施形態にかかる位相回転部の
変形例を示すブロック図である。
【図12】一般的な同期検波復調方式による直交復調回
路のブロック図である。
【図13】一般的な準同期検波復調方式による直交復調
回路のブロック図である。
【図14】一般的な無線通信システムの送受信を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
1,15 ハイブリッド(H) 2−I,2−Q,11,16−I,16−Q ミキサ
(検波回路) 3 直交度補正部 4,21 制御部 5,24 電圧制御発振器(VCO) 6,25 90°ハイブリッド(H) 7 位相回転制御部 8,28 固定周波数発振器(OSC) 9,10 直交復調装置 12 周波数シンセサイザ 13 バンドパスフィルタ 14 可変利得増幅器(AGC) 17−I,17−Q,22,23,26 ローパスフィ
ルタ 18−I,18−Q,199A,199B A/D変換
器 19,19A−1 直交度補正回路(直交度補正部) 19′,19A 位相回転部 19A−2 位相回転回路(位相回転制御部) 20 等化器 27 ディジタル可変周波数発振器(DVCO) 30 移相器 31,33,35 LSI 32,34,36,37 アナログ部 101,102 アンテナ 103 送信側無線装置 104 受信側無線装置 105 変調部 106 アップコンバータ 107 送信フィルタ 108 増幅器(HPA) 109 低雑音増幅器(LNA) 110 受信フィルタ 111 ダウンコンバータ 112 復調器 113 無線回線 114 無線通信システム 190,191,202〜205 ROM 192〜195 乗算器 196,197 加算器 198 θ設定装置 200 極性反転装置 201 排他的論理和回路 a,b 直交度を補正する前の軸 c,d 理論直交軸

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 復調出力情報をフィードバックすること
    により得られた再生搬送波信号を用いて周波数変換を施
    し、相互に直交する2つの直交復調信号を得ることによ
    り、同期検波方式で復調処理を施す、直交復調装置にお
    いて、 上記2つの直交復調信号について、これらの直交復調信
    号が理論直交軸上に位置するような補正演算を施す直交
    度補正部が設けられたことを特徴とする、直交復調装
    置。
  2. 【請求項2】 再生搬送波信号を用いて周波数変換を施
    し、相互に直交する2つの直交復調信号を得るととも
    に、上記2つの直交復調信号に位相回転制御を施すこと
    により、準同期検波方式で復調処理を施す、直交復調装
    置において、 上記2つの直交復調信号について、これらの直交復調信
    号が理論直交軸上に位置するような補正演算を施す直交
    度補正部が設けられたことを特徴とする、直交復調装
    置。
  3. 【請求項3】 上記2つの直交復調信号に位相回転制御
    を施す位相回転制御部が、該直交度補正部を兼用してい
    ることを特徴とする、請求項2記載の直交復調装置。
  4. 【請求項4】 該再生搬送波信号に起因する直交度のず
    れが該理論直交軸に対して正側にずれている場合と、該
    直交度のずれが該理論直交軸に対して負側にずれている
    場合とで、該補正演算を変更するように、該直交度補正
    部が構成されていることを特徴とする、請求項1又は請
    求項2に記載の直交復調装置。
  5. 【請求項5】 該再生搬送波信号の周波数に応じて該補
    正演算を変更するように、該直交度補正部が構成されて
    いることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の
    直交復調装置。
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