JPH09245995A - ラジカル源の複数電極を用いた荷電粒子除去機構 - Google Patents

ラジカル源の複数電極を用いた荷電粒子除去機構

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JPH09245995A
JPH09245995A JP7128496A JP7128496A JPH09245995A JP H09245995 A JPH09245995 A JP H09245995A JP 7128496 A JP7128496 A JP 7128496A JP 7128496 A JP7128496 A JP 7128496A JP H09245995 A JPH09245995 A JP H09245995A
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chamber
electrons
electrodes
radical source
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JP7128496A
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Hideki Fujita
秀樹 藤田
Akira Adachi
明 安立
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Nissin Electric Co Ltd
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Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ECRラジカル源においてラジカル引き出し
穴からラジカルと共にイオンや電子も放出される。イオ
ンや電子は電荷を持ちチャージアップを引き起こし試料
の損傷の原因になる。分子線エピタキシャル成長装置に
おいてはRHEEDなど分子線量や薄膜成長をin-situ
で監視する装置がある。荷電粒子が出ると、これらの測
定装置が誤動作する。ラジカル線に混ざっているイオ
ン、電子など荷電粒子を除去する必要がある。 【構成】 ECRラジカル源のプラズマ室出口の延長上
に複数の電極を設け、負電圧、正電圧を印加し電界の作
用によって電子、正イオンをプラズマ室に押し戻す。中
性であるラジカルは電極の作用を受けないから、出口か
らそのまま出てゆく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はMBE装置におい
てラジカルを発生し試料にラジカルを供給するためのラ
ジカル源に関する。ラジカル源はアンテナによってマイ
クロ波をプラズマ生成室に導入し、原料ガスを励起して
プラズマとし、この内中性活性種であるラジカルのみを
外部に取り出すことのできるようにした機構である。磁
場をかけて電子の共鳴を起こさせることによってプラズ
マの生成効率を高揚するようにしたのがECRラジカル
源である。イオンビ−ムを引き出すイオン源とは違う。
また基底状態にある中性分子を生成する分子線セルとも
違う。
【0002】
【従来の技術】MBE(分子線エピタキシャル成長法)
装置はもともと超高真空の中で原料を分子線セルから分
子線としてウエハに照射し反応させて生成物の単結晶、
多結晶を薄膜として生成するものである。分子線セルは
Kセルとも呼ばれる。Kセルには幾つもの種類がある。
基本的にはPBNのるつぼ、ヒ−タ、反射板、熱電対、
支柱などが超高真空フランジに取り付けられている。る
つぼに原料を入れてヒ−タによって加熱し、蒸発させる
ようになっている。分子線を照射するので分子線エピタ
キシャル成長法という。
【0003】多くの材料の場合、中性の分子線として飛
ばすだけで反応し基板の上に薄膜を作ることができる。
熱エネルギーを十分に持っているからである。分子線は
中性分子であり基底状態にある。分子線では十分な反応
を起こさず薄膜形成に役立たないものがある。常温でガ
スである不活性な材料の場合、分子線としただけでは薄
膜を作ることができない。窒素はそのようなものであ
る。窒素は常温で気体であり、反応性に乏しい。単に分
子線としただけではいけない。
【0004】窒素は主要構成要素として例えばGaNの
ような結晶を作る場合もある。またZnSe、ZnSの
ようなII−VI族半導体のp型不純物として窒素を使う場
合もある。ドーピングのために、イオンにしてイオン注
入することもあるが、これはエネルギーが高くて薄膜の
奥深くに入ってしまう。分子線エピタキシャル成長装置
で薄膜の原料とする場合それはできない。
【0005】分子線エピタキシャル成長装置に直接の関
係はないが、永久磁石を用いて縦磁場を発生させ、マイ
クロ波に対して電子共鳴を起こさせ、高密度プラズマを
発生させる装置が石川らによって提案されている。 Junzo Ishikawa, Yasuhiko Takeiri and Toshinori T
akagi,"Axial magneticfield extraction-type microwa
ve ion source with a permanent magnet", Rev. Sci.
Instrum. 55(4), April 1984, p449
【0006】図3に概略の構造を示す。これは永久磁石
20によってチャンバ21内に縦磁場を生じるようにな
っている。原料ガスがガス入り口28からチャンバ21
に導入される。導波管29を伝わるマイクロ波30がア
ンテナ22によってチャンバ21に導かれる。ガスに含
まれる電子がマイクロ波によって振動する。電子は磁場
によってサイクロトロン運動しマイクロ波を共鳴吸収す
る。電子がガス分子を励起してプラズマに転換する。チ
ャンバ21の前には引出電極23、24がありイオンを
イオンビーム31として加速し引き出すようになってい
る。
【0007】アンテナ22は直線部分の先端を1ターン
横方向コイル状39に巻いた形状になっている。永久磁
石20が作る磁界を強くするために磁性体の引出電極2
3を使う。チャンバ21側と引出電極23側は電圧が違
うので絶縁体25によって絶縁される。ベースフランジ
36には冷却媒体37が通る。中間フランジ26も強磁
性体によって作る。永久磁石20、引出電極23、2
4、中間フランジ26によって磁気回路が形成される。
永久磁石によるチャンバ内の磁力線を強化するためであ
る。
【0008】上部フランジ27は非磁性体である。これ
には加熱用のヒ−タ34が巻き廻してある。ガス入口2
8から導入されたアルゴン、窒素などのガスのイオンビ
−ムを引き出すことができると述べている。ラジカルに
ついては言及していない。これはイオン源であり、独立
してイオン源として利用されるものである。
【0009】本発明者はこれにヒントを得て同じような
装置をラジカル源とすることができる事に気づいた。電
子をマイクロ波に共鳴させるとプラズマができる。プラ
ズマというのは殆ど全てが荷電粒子なのではない。中性
の活性種(ラジカル)も多く含まれる。条件によっては
ラジカルの比率を荷電粒子より遥かに多くする事もでき
る。のような装置でラジカルを生成できることを本発
明者は確かめた。
【0010】しかしまだ問題がある。中性であるから、
ラジカルを生成できても荷電粒子のように電界を掛けて
引き出す事はできない。しかしチャンバと外部に圧力の
差を与えるとチャンバから差圧によって中性のラジカル
を引き出すことができる。そこで本発明者はの装置を
改良しイオン源ともラジカル源ともできる装置を発明し
た。
【0011】特願平6−183922号(平成6年7
月12日出願「ECRイオンラジカル源」特開平8−3
1358号) である。1ターン曲げたアンテナをチャンバに通しアン
テナによってマイクロ波を導入しガスをプラズマにし、
ラジカル或いはイオンを外部に引き出そうとするもので
ある。マイクロ波だけではガスを励起しにくいので磁場
をかけて電子がサイクロトロン共鳴するようにしてい
る。プラズマ室の外部に磁石を設けて縦磁場を発生させ
る。マイクロ波の周波数が2.45GHzである場合、
磁石により875Gの磁場を発生させると電子の螺旋運
動の周波数とマイクロ波周波数が合致するのでサイクロ
トロン共鳴が起こる。
【0012】マイクロ波からエネルギーを効率的に吸収
できガス分子を励起して中性のラジカルとする。マイク
ロ波の共鳴吸収を利用するのでECRという。これは引
き出し電極に電圧を加えるとイオンビ−ムを引き出すよ
うにできる。電極電圧を0にして差圧を与えることによ
り中性ラジカルを引き出すことができるようになってい
る。イオンビ−ム、ラジカルの何れをも選択的に出せる
のでイオンラジカル源と言う。
【0013】本発明者は、分子線エピタキシャル成長法
において、窒素のような不活性なガスの場合は、分子線
ではなくラジカル線にして基板に照射するのが良いので
はないかと気づいた。やの装置から引き出し電極を
除き、荷電粒子が発生しにくい条件でガス励起し、差圧
によってラジカルを引き出すようにすればラジカル源と
なるはずである。つまりをイオン源としてではな
く、ラジカル源として利用しようと思い立ったのであ
る。丁度都合の良いことにMBE装置の場合は外部が超
高真空であるから十分に差圧を賦与でき、中性ラジカル
が圧力差によってうまく引き出されるという利点もあ
る。
【0014】ラジカルを発生する装置であるからラジカ
ル源とここでは名付ける。ラジカル源(ラジカルセル)
を利用できるものは、窒素の他にアルゴンや酸素、塩素
などがある。アルゴンはしかし薄膜の原料にはならな
い。薄膜の表面に当てて表面を清掃する作用があるぐら
いである。酸素の場合は反応性が強いから他の手段によ
って酸化物の膜を作ることができる。塩素はエッチング
の場合には使われるがMBEでは用いられない。結局M
BEでラジカル源を使わなければならないものは現在の
ところ窒素だけと言えるかもしれない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ECRラジカル源にお
いて、マイクロ波によって電子が振動し電子がガス分子
に衝突しこれを励起し中性ラジカルにする。これはプラ
ズマ状態である。チャンバの内部にはラジカルが99%
近くを占めるが、イオンや電子も僅かに存在する。この
ため、ラジカルと同時にイオンや電子もラジカル源から
出る。わずかであるが電子、イオンがチャンバから出
る。その一部が対象物であるウエハに当たる。荷電粒子
がチャンバの外部に出ることによって二つの問題が引き
起こされる。
【0016】MBE装置には分子線が飛んでいるか?そ
の線量はいくらであるか?をその場観察(in-situ )す
るためにRHEED(反射高速電子線回折)やQMS
(四重極質量分析装置)、NIG(ヌードイオンゲー
ジ)などが備えられている。RHEEDは高速の電子を
試料の表面に低入射角度で当てて回折される電子線像か
ら表面の結晶状態をリアルタイムで観測する。QMSは
飛来した分子線の質量を求めるものである。
【0017】これらの測定装置はMBEに不可欠の測定
装置である。ところがラジカル源から荷電粒子が出ると
これらの測定装置に荷電粒子によるノイズが入るので正
しい測定ができなくなる。これが最も大きい問題であ
る。もう一つの問題はウエハに荷電粒子が衝突すること
によるチャージアップである。ウエハにはレジストが塗
布してあったり絶縁性のデバイス部分がある程度作製さ
れていたりする。荷電粒子がこれに入ると帯電し強い電
界が生ずる。電界によって一部が損壊することがある。
つまりチャージアップによってこれらの積層構造の一部
が破壊されることがあり得る。
【0018】正イオンと負電荷である電子の両方が試料
に入るから打ち消されるようにも思えるがそうではな
い。電子の方が正イオンよりもエネルギーが高いので、
電子の入射によって複数の二次電子が発生する。だから
電子の入射によっても試料には正の電荷が与えられる。
結局荷電粒子が試料に当たる量は試料に流れる正のイオ
ン電流によって評価できる。
【0019】このようにラジカル源から荷電粒子が放出
されると二つの悪影響がある。しかし現在のところラジ
カルのみを放出できるラジカル源は尚存在しない。いく
らかでも荷電粒子を出す従来のECRラジカル源では良
好なMBE結晶成長が困難であった。
【0020】これらの問題を解決するために、荷電粒子
を外部に放出しないようにし中性ラジカルのみを放出す
るようにしたラジカル源を提供することが本発明の第1
の目的である。磁場電場によってRHEEDなどの測定
装置に影響を与えることなく荷電粒子を遮断できるラジ
カル源を提供することが本発明の第2の目的である。プ
ラズマの励起状態の変動に対応し条件を変え常に荷電粒
子の外部への放射を防止できる制御性に富んだラジカル
源を提供する事が本発明の第3の目的である。
【0021】
【課題を解決するための手段】ECRラジカル源のプラ
ズマ室の出口の延長線上にラジカルの通し孔を有する電
極を複数個設け、これに正電位をかけてイオンを、負電
位をかけて電子をプラズマ室側に追い返す。電極電位に
よって電子、正イオンの何れかを排斥しプラズマ室に戻
す。どちらを先に吸引除去しても良い。例えば第一に電
子を排除し次にイオンを排除する。
【0022】この場合は第1電極に負電圧を、第2電極
に正電圧を加える。排除したい荷電粒子と同じ種類の電
圧を加えると荷電粒子をチャンバ(プラズマ室)に追い
返すことができる。この空間でも僅かに電子が励起され
るからさらに負電位のサプレッサー電極を設ける。最後
に接地電極が必要である。ここで正電圧、負電圧という
のはプラズマ室に対して定義している。反対に正イオ
ン、電子の順に排斥したい場合は、第1電極に正電圧、
第2電極に負電圧を印加するようにする。
【0023】つまり2つのケースA、Bが有り得て、 A.負電極+正電極+負電極+接地電極 B.正電極+負電極+接地電極 となるように、プラズマ室の出口に電極を設ける。電圧
は100V〜1000V程度の低い電圧で十分である。
これらの電極は出口の軸線方向に電気力線を生じる。こ
のためにこれらの電極は円環状、正方形状、矩形状など
軸周りの対称性のあるものでなければならない。
【0024】
【発明の実施の形態】ECRラジカル源のプラズマ室か
らのビーム出口への延長線上に通し孔を有する複数の電
極を設け電圧を印加し、ビームの進行方向にほば平行に
なるように電界を発生させ荷電粒子を追い返す。多くの
荷電粒子はプラズマ室に戻る。他の一部は戻らないにし
ても電極や絶縁物に衝突する。荷電粒子は一旦ものに当
たると電荷を喪失し中性になる。これはもはや問題でな
い。一方、もともと中性のラジカルは電界によって影響
を受けず直進する。これによってラジカルビームのみを
取り出すことができる。
【0025】図1によって本発明のラジカル源の実施形
態を説明する。プラズマ室1は円筒形あるいは矩形状の
チャンバである。全体が分子線エピタキシャル成長装置
の成長室の内部に設けられる。成長室の真空装置が成長
室内部を超高真空に引くから、プラズマ室1をも真空に
引く事ができる。独自の真空ポンプは不要である。成長
室のポンプによってガスを吸引するので、常にプラズマ
室1内部の方が、外部(MBE成長室内部)よりも圧力
が高い。差圧の作用によって中性の分子やラジカルがプ
ラズマ室1から成長室に排出される。
【0026】プラズマ室1の一端にはマイクロ波導入ポ
ート2が設けられる。これはマイクロ波発振器、導波管
(図示しない)に続く。マイクロ波導入ポート2には絶
縁体12が充填され、中心を棒状のアンテナ3が貫いて
いる。アンテナとポートの外壁を伝わってマイクロ波が
プラズマ室1に導入される。プラズマ室1には原料ガス
がガス導入口10から供給される。マイクロ波によって
電子が振動し、分子に当たり励起する。一部はイオンに
励起され、残りは中性のラジカルに励起される。チャン
バ内は中性分子、中性ラジカル、正イオン、電子が混在
するプラズマ状態になる。
【0027】マイクロ波を共鳴吸収するために、プラズ
マ室1の外部には円筒形の永久磁石11が設けられる。
永久磁石11がプラズマ室1の内部に軸方向の磁界を生
ずる。マイクロ波角周波数をΩとし、磁場をBとする
と、Ω=qB/mとすることによってマイクロ波を電子
が共鳴吸収できる。マイクロ波周波数を2.45GHz
とすると、共鳴条件を与える磁場は875Gである。
【0028】プラズマ室1の出口5から、ラジカル、イ
オン、電子などがMBE成長室内へと出て行く。出口5
から進行方向(軸方向)に4つの環状電極6、7、8、
9が、絶縁体13、14、15、16によって互いに絶
縁されて設けられる。これらの電極6、7、8、9はラ
ジカルの通し孔を中央に持つので環状になる。環状とい
っても円環とは限らない。矩形状、正方形状、八角形状
などであって良い。第1電極6は負電極である。負電源
17によって−V1 の電圧が常時印加される。これは電
子に対して高いポテンシャルを与えチャンバ1内へ排斥
するものである。
【0029】第2電極7は正電極である。正電源18に
よって正の電圧+V2 が与えられる。これは正イオンを
排除するためである。正イオンはチャンバ1内に押し戻
される。一部は負電極6の作るポテンシャルの谷に捕捉
される。しかし正電極7を越えないから外部(MBEの
成長室)には出て行かない。
【0030】第3電極8は負電極である。負電源19に
よって負電圧−V3 が加えられる。電子は第1電極によ
って追い返されるから出口空間Sには電子は存在しない
ように思えるが、必ずしもそうでない。マイクロ波の一
部は出口5を経て出口空間Sにも伝搬する。これによっ
て中性ガスが一部電離し電子を生ずることがある。この
ように出口空間Sで僅かであるが新たに電子が生ずる。
この電子が出て行かないように第3電極8がある。新た
に電子ができたとしても、それは第1電極6と第3電極
8の間に閉じ込められる。V1 、V2 、V3 は何れも1
00V〜1000Vの程度である。正イオン、電子など
荷電粒子は全てプラズマ室1の方に排除され、外部には
出てこなくなる。
【0031】第4電極は接地電極(V=0)である。こ
れによって出口空間の最外部が成長室電位と同じように
している。電界が外部に漏れると、RHEEDなどのin
-situ の測定器のノイズになるので、そのような影響を
なくすためである。
【0032】
【実施例】図1のようにECRラジカル源のチャンバ出
口に4つの電極6、7、8、9を設けた。ラジカル源本
体は接地されている。出口の第1電極6に電子を抑制す
るために−400Vを印加する。第2電極7にはイオン
を抑制するために+300Vの電圧を印加する。第3電
極8には−400Vの負電圧を印加する。つまりV1
−400V、V2 =+300V、V3 =−400Vであ
る。これによってイオン、電子の外部への漏れをどれだ
け抑制できるのか?という事を調べた。
【0033】マイクロ波周波数は2.45GHz、入力
パワーは25Wである。ガスは窒素ガスとした。ガス流
量は0.1ccmである。圧力は1×10-5Torrで
ある。測定の為に出口空間に対向してファラディカップ
を置いた。ファラディカップに荷電粒子が入るのでこれ
によって流れる電流を測定した。
【0034】これら電極6、7、8全てに電圧を印加し
ない時、出口に出てくるビームの電流は300nAであ
った。つまり電極構造がないとした場合、荷電粒子電流
は300nAもあった。次に電極6に−400V、電極
7に+0V、電極8に−400Vを印加し、電子のみを
抑制したら74nAまで下がった。
【0035】さらに、イオン電流を抑制するために電極
7の圧力を上げて、電極6、7、8に、−400V、+
300V、−400Vの電圧を印加した。同様の条件で
ファラディカップに入る電流を測定した。ファラディカ
ップ電流は0.05nA以下になった。約1/6000
に減少している。電極6、7、8の作用によって、電子
やイオンが外部に出てこなくなったという事である。
【0036】
【発明の効果】本発明は、ECRラジカル源のチャンバ
出口に複数の電極を設け負電圧、正電圧を印加し、荷電
粒子をチャンバ方向に押し戻す機構を設けている。これ
によって出口に出てくるラジカル線から、荷電粒子をほ
ぼ完全に除去できる。これによってイオンや電子が試料
に照射されることのないようなラジカル源とすることが
できる。荷電粒子によるチャージアップを抑え試料の劣
化を防ぐことができる。窒素、酸素、塩素などのラジカ
ル源として利用できる。
【0037】本発明の装置は、成膜装置、例えばMBE
装置に取り付けて成膜の手段として利用できる。正負の
電極を設けるが、最終的には接地電極を設けて電界が外
部に漏れないようにしている。最終電極を接地電位とす
るので電気力線が外部に出て行かない。RHEED(反
射高速電子線回折)、QMS(四重極質量分析装置)、
NIG(ヌードイオンゲージ)などin-situ の測定装置
にノイズ、悪影響を及ぼさない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るラジカル源の概略断面
図。
【図2】図1におけるA−A断面図。
【図3】J. Ishikawa et al., Rev. Sci. Instrum. 55
(4), April 1984, p449(1984)によって提案されている
マイクロ波イオン源の概略断面図。
【符号の説明】
1 プラズマ室 2 マイクロ波導入ポート 3 アンテナ 4 プラズマ 5 プラズマ室出口 6 第1電極 7 第2電極 8 第3電極 9 第4電極 10 原料ガス入り口 11 ECR用の永久磁石 12 絶縁物 13 絶縁物 14 絶縁物 15 絶縁物 16 絶縁物

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマ室に導入されたガスをプラズマ
    に励起しそのうち中性ラジカルを外部に取り出すように
    したラジカル源において、ラジカル源のプラズマ室の出
    口の延長上にラジカル通し孔を持つ電極を軸方向に複数
    個設け、それらの電極の少なくとも一つには正電圧を与
    えこれによって正イオンをプラズマ室側に追い、それら
    の電極の少なくとも一つには負電圧を与えこれによって
    電子をプラズマ室側に追い戻し、出口から最も遠い電極
    にはプラズマ室と同じ電位を与えるようにしたことを特
    徴とするラジカル源の複数電極を用いた荷電粒子除去機
    構。
JP7128496A 1996-03-01 1996-03-01 ラジカル源の複数電極を用いた荷電粒子除去機構 Pending JPH09245995A (ja)

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Cited By (3)

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