JPH09245394A - 再生装置 - Google Patents

再生装置

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JPH09245394A
JPH09245394A JP8073036A JP7303696A JPH09245394A JP H09245394 A JPH09245394 A JP H09245394A JP 8073036 A JP8073036 A JP 8073036A JP 7303696 A JP7303696 A JP 7303696A JP H09245394 A JPH09245394 A JP H09245394A
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ttp
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JP8073036A
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Hidenori Nonoyama
秀紀 野々山
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Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Priority to US09/488,445 priority patent/US6185062B1/en
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生走査軌跡とトラック形状の関係が理想的
でない場合でも良好なトラッキング動作が実行されるよ
うにし、これにより機器の信頼性を向上させる。 【解決手段】 ATFトラッキングの基準値は、トラッ
クに対する3つ以上のロケーションのそれぞれでトラッ
キング検出期間を計測し、各ロケーション毎に計測値の
平均値を算出し、平均値のうちの最大値AV2と最小値
AV4を用いた演算処理で算出する。またエラーレート
の悪いロケーションについては計算比重を上げて基準値
を算出する。また基準値算出の際に不適切なサンプルを
排除するウインドウを設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘリカルスキャン
方式で傾斜トラックを走査するテープ再生装置に関し、
特にテープ状記録媒体の走行速度と回転ドラムの回転速
度との相対速度を制御することでトラッキングサーボを
行なう再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば磁気テープに対してデジタルオー
ディオデータを記録再生するデジタルオーディオテープ
プレーヤ(DATレコーダ/プレーヤ)や、同じく磁気
テープを用いたDATシステムをコンピュータ用のデー
タのストレージシステムとして用いるようにし、コンピ
ュータデータ記録再生を行なうようにしたデジタルデー
タストレージ機器(DDS機器)が開発されている。
【0003】これらの装置では回転ドラムに例えば90
°のラップ角で磁気テープを巻装させた状態でテープを
走行させるとともに、回転ドラムを回転させて、回転ド
ラム上の磁気ヘッドを用いてヘリカルスキャン方式で記
録/再生走査を行なうことで高密度記録を可能にしてい
る。
【0004】この場合、テープ上には例えば図22のよ
うに傾斜トラックTKA ,TKB が形成される。傾斜ト
ラックTKA ,TKB はそれぞれ回転ドラムに搭載され
たアジマス方向の異なる一対のヘッド(Aヘッド、Bヘ
ッド)によって形成されるトラックであり、互いに逆ア
ジマスとされるトラックである。
【0005】ところで、再生時に磁気ヘッドはテープ上
のトラックTKを正確にトレースしていかなければなら
ないが、このトラッキング制御方式としては、例えばD
DS再生装置ではいわゆるタイミングATF方式といわ
れるトラッキングサーボ制御動作が行なわれるようにさ
れている。このタイミングATF方式は、回転ドラムの
基準位相位置から、ヘッドがトラック上から所定の信号
(タイミング検出信号)を検出するまでの時間(トラッ
キング検出期間)を計測し、その計測値を基準値と比較
して、誤差分をサーボエラー情報とする。
【0006】そしてそのサーボエラー情報により、テー
プ走行のためのキャプスタンモータの回転速度を制御す
ることで、テープ走行速度に反映させる。つまりテープ
走行速度を調整して、良好なトラッキング状態が得られ
るようにドラム回転速度とテープ走行速度との相対速度
を調整するものである。
【0007】例えば図23のように或るトラックに対し
て磁気ヘッドの走査位置が図中TR A として示すライン
(タイミング)に相当する位置状態となった際に、回転
ドラムの位相位置が基準位置とされるとする。ドラム回
転中に基準位相位置となった時点では例えばドラムモー
タに配されているパルスジェネレータ(PG)からのパ
ルス信号が発生されるように構成されていることで、回
転ドラムが基準位相位置となったタイミングTRA を検
出できる。その後、磁気ヘッドが磁気テープに当接し、
トラックTKA に対する走査を行なっていくと、トラッ
ク上の所定の位置PTTP で再生データとしてタイミング
検出信号が検出される。このタイミング検出信号とは、
データ内の同期信号やアドレスの検出に基づいて予め決
められた位置PTTP においてパルスが得られるようにし
たものとする。
【0008】ここで図中、、として、トラックT
A に対するトラッキング位相状態が異なる3種類の走
査を示しているが、回転ドラムの基準位相位置(ライン
TRA の位置)のタイミングから位置PTTP に達するタ
イミングまでの期間(トラッキング検出期間)は、、
、の走査時にはそれぞれt1,t2,t3として示
すように異なる時間となる。
【0009】トラッキング検出期間としては、磁気ヘッ
ドがトラックTKに対して良好なトラッキング状態、即
ちのようにトラックTKA のセンターをトレースして
いく状態にあるときに得られる時間t1が基準値として
予め設定されており、従って、トラッキングサーボ制御
時に、のような走査が行なわれトラッキング検出期間
として時間t1が計測された場合は、計測値と基準値は
一致する。すなわち、この場合、計測値と基準値の誤差
はなく、良好なトラッキング状態が得られているとされ
ることになる。一方、又はのようなトラッキング位
相状態で走査が行なわれた場合、トラッキング検出期間
の計測値はt2又はt3となり、基準値と比較して誤差
が存在することになる。この場合はその誤差分だけトラ
ッキングずれが生じていることになり、これをテープ走
行速度に反映させることで、ジャストトラッキング状態
に向かうサーボ制御を実行することができる。
【0010】このようなタイミングATFサーボを実行
するにあたっては、基準値を予め求めておかなければな
らないが、上述したようにこの基準値とは、ジャストト
ラッキング状態において回転ドラムの基準位相位置のタ
イミングからタイミング検出信号が得られるタイミング
までの時間値である。タイミング検出信号は例えばトラ
ック上の所定のアドレスにおける同期信号の検出に基づ
いて発生されるため、その位置PTTP は各種テープの各
トラックにおいて固定のものであるが、実際には各種の
記録装置と再生装置での機械的誤差などにより位置ずれ
が生じることは避けられない。このため、DDS再生装
置において或るファイルデータを再生するような場合
は、その再生データの読出実行に先立って、そのテープ
(そのファイルデータトラック)における基準値を計測
しなければならない。
【0011】この基準値の計測には、トラックに対して
各種のトラッキング位相状態での走査を実行させ、その
各走査において計測されたトラッキング検出期間から例
えば平均値を算出し、これを基準値とするような処理が
行なわれる。例えば図24にそのイメージを示す。図示
するようにトラックTKA に対して例えばTJ1〜TJ
5のように異なる複数のトラッキング位相状態で走査を
実行させ、それらの走査の際に計測された各トラッキン
グ検出期間から平均値を算出すると、ほぼ図中のトラッ
キング位相状態TJ3近辺のトラッキング位相状態にお
けるトラッキング検出期間が得られる。これはほぼジャ
ストトラッキング状態でのトラッキング検出期間と考え
ることができ、従ってこれを基準値とすればよい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところでDDS再生装
置などでは各種の記録装置で記録が行なわれたテープカ
セットに対して互換性よく再生を行なうことができなけ
ればならない。これをトラッキングにあてはめると、各
種のテープカセットに対して良好なATFトラッキング
動作を行なわなければならないことになる。
【0013】理想的にみると、テープ上のトラックTK
とヘッド走査の軌跡の関係は図25(a)のようにな
る。つまりトラックTKは直線上に形成され、また再生
走査も直線状の軌跡を描くことになる。このような理想
状況を考えた場合は、トラック上の或る位置PTTP で得
られるタイミング検出信号によるトラッキング検出期間
の計測値と、予め基準値設定動作で設定しておいたトラ
ッキング検出期間の基準値を比較し、その誤差がなくな
るようにサーボ制御すれば、トラックの最初から最後ま
で良好なトラッキング状態での走査が可能になる。
【0014】ところが各種の記録装置間には、記録ヘッ
ド位置などの機械的誤差が存在し、また記録時のテープ
走行速度も厳密には定速ではなく多少変動することがあ
る。さらに再生装置でも再生ヘッド位置等の機械的誤差
があり、またテープ走行速度の変動もありうる。これら
の各種要因から、再生時において常に図25(a)のよ
うな理想状態が得られるとは限らない。
【0015】例えば図25(b)のように記録時にトラ
ックTKが湾曲したように形成されてしまう場合があ
り、これに対して再生装置側の再生走査がほぼ直線の軌
跡となるとする。そして、この場合トラック上の或る位
置PTTP で得られるタイミング検出信号により、基準値
の設定及び再生時のサーボ制御を行なうと、例えば位置
TTP でジャストトラッキング状態が得られるように再
生走査のトラッキング状態が制御されることになる。即
ち、図中一点鎖線で示すような走査軌跡となる。ところ
がこの場合は、図からわかるように、トラックTKが湾
曲している影響でトラックTKの最後の部分では、再生
走査がトラックTKから外れていく。即ちトラックTK
全体にわたって良好なトラッキングを保てないことにな
る。
【0016】また図25(c)はトラックTKは直線状
に形成されているが、再生走査の軌跡が湾曲してしまう
ような装置の場合である。この場合も同様に、位置P
TTP で得られるタイミング検出信号により、基準値の設
定及び再生時のサーボ制御を行なうと、図中一点鎖線で
示すような走査軌跡となり、トラックTK全体にわたっ
て良好なトラッキングを保てない。
【0017】例えばこの図25(b)(c)のような状
況では、トラッキングサーボが正常に機能していても実
際には良好なトラッキングが行なわれず、再生データの
エラーレートの悪化を引き起こし、機器の信頼性を低下
させてしまう。ところが、これに対応するために、図2
5(b)(c)において走査軌跡として実線で示すよう
な走査が行なわれるようにすれば、ほぼトラック全体に
わたって許容できる範囲のトラッキング状態が実現さ
れ、トラック上のデータを問題なく読み出すことができ
る。
【0018】そこで先行技術として、このような走査を
実行させるために、トラック上を複数のロケーションに
わけて複数の位置でタイミング検出信号が得られるよう
にし、それに基ずいて基準値の設定を行なうようにした
方式がある。例えば図26に示すように、トラックTK
についてR1〜R4という4つのロケーションを考え、
各ロケーションR1〜R4内においてタイミング検出信
号が得られる位置PTTP1〜PTTP4を設定する。例えばト
ラック上のデータについての4か所のアドレス及び同期
信号によりタイミング検出信号が得られるようにする。
【0019】そして回転ヘッドドラムの基準位相位置T
Rから各位置PTTP1〜PTTP4についてのトラッキング検
出期間を計測する。位置PTTP1については、基準位相位
置TRの時点から位置PTTP1でタイミング検出信号が得
られる時点までの期間tR1の計測値をトラッキング検
出期間とする。位置PTTP2については、基準位相位置T
Rの時点から位置PTTP2でタイミング検出信号が得られ
る時点までの期間tR2を計測し、この期間tR2か
ら、標準時間差TLaを減算した値をトラッキング検出
期間とする。標準時間差TLaとは位置PTTP1から位置
TTP2までの走査に要する標準的な時間により設定され
た値とする。
【0020】位置PTTP3については、基準位相位置TR
の時点から位置PTTP3でタイミング検出信号が得られる
時点までの期間tR3を計測し、この期間tR3から、
標準時間差TLbを減算した値をトラッキング検出期間
とする。標準時間差TLbは位置PTTP1から位置PTTP3
までの走査に要する標準的な時間である。位置PTTP4に
ついては、基準位相位置TRの時点から位置PTTP4でタ
イミング検出信号が得られる時点までの期間tR4を計
測し、この期間tR4から、標準時間差TLcを減算し
た値をトラッキング検出期間とする。標準時間差TLc
は位置PTTP1から位置PTTP4までの走査に要する標準的
な時間である。
【0021】このように各位置PTTP1〜PTTP4について
のトラッキング検出期間を測定したときに、図25
(a)のような理想状況を想定すると、各位置PTTP1〜
TTP4に対応するトラッキング検出期間は同一値となる
はずである。ところが図25(b)(c)のような状況
下では、各ロケーションR1〜R4において、それぞれ
理想的なトラッキング状態が異なるものとなるため、各
位置PTTP1〜PTTP4でのジャストトラッキング状態にお
いてのトラッキング検出期間は異なった値となる。ここ
で、各位置PTTP1〜PTTP4の各トラッキング検出期間に
ついての平均値を求めると、その平均値は、各ロケーシ
ョンR1〜R4において、或る程度同等のトラッキング
状態を得ることができる値となる。
【0022】そこで、このように1トラック内の複数の
ロケーションでの各トラッキング検出期間を求めていく
動作を、例えば図24のように各種のトラッキング位相
状態において実行し、トラッキング検出期間のサンプル
を集めていく。そして集められたトラッキング検出期間
のサンプルの平均を求める。この平均値は、各ロケーシ
ョンR1〜R4において、或る程度の許容範囲内でのト
ラッキング状態に応じた値となる。即ちこの平均値を基
準値とすれば、例えば図25(b)(c)に実線で示す
ような走査を行なうことができ、従って適正な再生動作
を行なうことができる。
【0023】しかしながら、このような方式では、各ロ
ケーション毎で計測されたトラッキング検出期間の計測
サンプル数のばらつきがあると、トラック全域にわたっ
てほぼ良好なトラッキングを得るための基準値が得られ
ないことになる。
【0024】例えば図27のように湾曲して形成された
トラックTKに対して基準値を設定するための走査を行
なった場合を考える。図24で説明したように基準値設
定のためのトラッキング検出期間のサンプルは多様なト
ラッキング位相状態で得ることが好ましい。このため例
えば図27において、、と示すような、トラッキ
ング位相状態で計測のための走査を行なったとする。
【0025】この場合、走査では各位置PTTP1〜P
TTP4からタイミング検出信号を得ることができ、従って
各位置PTTP1〜PTTP4に応じたトラッキング検出期間の
サンプルを得ることができる。しかし走査では位置P
TTP1,PTTP2からしかタイミング検出信号を得ることが
できず、位置PTTP1,PTTP2に応じたトラッキング検出
期間のサンプルしか得られない。また走査では位置P
TTP4からしかタイミング検出信号を得ることができず、
位置PTTP4に応じたトラッキング検出期間のサンプルし
か得られない。
【0026】これはあくまで説明のための例示である
が、実際にはこのようなトラックと走査の相対的なずれ
により各位置PTTP1〜PTTP4でのサンプル数はかなりば
らつくことになる。このため、平均値は必ずしも全ロケ
ーションR1〜R4に対して均等的にトラッキング状況
を反映したものとはならず、必ずしも図25(b)
(c)の実線で示すような走査が実現できないという問
題がある。
【0027】また、各位置PTTP1〜PTTP4でそれぞれ得
られたトラッキング検出期間のサンプルの平均値を求
め、さらにその平均値をロケーション数で平均するとい
うことも考えられる。このようにすると各位置PTTP1〜
TTP4でのサンプル数のばらつきの影響を低減できる。
ところが、この平均値を基準値とすると、オフトラック
量の大きくなるロケーションが発生しやすいことにな
る。例えばロケーションR1,R2,R3での平均値は
互いにほぼ近い値で、ロケーションR4の平均値が大き
く異なった値であるとする。この場合、ロケーションR
1〜R4の平均値を平均して基準値とすると、その値は
ロケーションR1,R2,R3での状況を大きく反映し
た値となり、即ちロケーションR4ではトラッキングが
大きくずれるという可能性がある。
【0028】これらのことから、再生走査軌跡とトラッ
ク形状の関係が理想的なものとはいえない場合には、そ
れに対応してトラック全域に渡って良好なトラッキング
を保つためのタイミングATF制御は困難となってお
り、部分的にエラーレートが悪化するなどの状況を招い
ていた。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題
点に鑑みて、再生走査軌跡とトラック形状の関係が理想
的でない場合でも良好なトラッキング動作が実行される
ようにし、これにより機器の信頼性を向上させることを
目的とする。
【0030】このため、いわゆるタイミングATF方式
でトラッキングサーボを行なうように構成された再生装
置において、基準値設定手段は、タイミングATF動作
のための基準値設定処理時に、トラックに対して3つ以
上のロケーションを設定して、各ロケーション内で決め
られた所定位置において得られるタイミング検出信号に
よりそれぞれトラッキング検出期間を計測し、各ロケー
ション毎に計測値の平均値を算出するとともに、得られ
た各ロケーションでの平均値のうちの最大値と最小値を
用いた演算処理で基準値を算出するように構成する。こ
れにより、基準値はトラック全域にわたってほぼ均等な
トラッキング状態を実現するための値となり、再生走査
軌跡とトラック形状の関係が理想的でない場合でもトラ
ック全域にわたって良好なトラッキングを実現すること
ができる。
【0031】また同じくタイミングATF方式でトラッ
キングサーボを行なうように構成された再生装置におい
て、エラー発生ロケーション検出手段と、基準値を算出
する基準値設定手段とを設ける。エラー発生ロケーショ
ン検出手段はトラックに対して複数のロケーションを設
定し、各ロケーションについて再生時のエラー発生状況
を検出し、最もエラーレートの悪いロケーションを判別
する。基準値設定手段は、基準値設定処理時において、
各ロケーション内での所定位置において得られるタイミ
ング検出信号によりそれぞれトラッキング検出期間を計
測し、その計測により得られた各ローケションでの演算
値の全部又は一部を基準値算出演算に用い、かつエラー
発生ロケーション検出手段によって検出された最もエラ
ーレートの悪いロケーションについての演算値に対して
は計算比重を上げて基準値算出演算に用いるようにし
て、基準値を算出する。これにより、特にエラーレート
の悪いロケーションが存在するような場合でも、そのロ
ケーションでエラーが集中的に発生するような状況を回
避し、全体としてのエラーレート向上を実現できる。
【0032】また同じくタイミングATF方式でトラッ
キングサーボを行なうように構成された再生装置におい
て、基準値設定手段は、タイミングATF動作のための
基準値設定処理時に、所定位置に対応するタイミング検
出信号が得られる期間を規定するウインドウを設定し、
当該ウインドウ内となる期間内で得られたタイミング検
出信号によって求められるトラッキング検出期間の計測
値に基づいて基準値を算出するように構成する。これに
より、基準値算出の際に不適切なサンプルを排除し、基
準値の値をより的確なものとすることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の再生装置の実施の
形態を説明する。この例ではDDS記録再生装置とする
が、いわゆるDDS方式としては、細かくはDDS,D
DS2,DDS3という3つの方式が開発されている。
本例のDDS再生装置は、DDS/DDS2よりも高密
度記録を可能にしたフォーマットが採用されているDD
S3に対応したものとする。なお本発明としてはDDS
再生装置以外でもATFトラッキングを採用するシステ
ムに適用できるものである。説明は次の順序で行なう。 1.DDS3方式のトラックフォーマット 2.記録再生装置の構成 3.タイミングATFのための構成及び動作 4.第1の基準値設定動作例 5.第2の基準値設定動作例 6.第3の基準値設定動作例
【0034】1.DDS3方式のトラックフォーマット 図20、図21でDDS3方式のトラックフォーマット
について説明する。図20は磁気テープ90上において
形成されるヘリカルスキャン方式のトラックを示したも
のである。
【0035】各トラックは、図示しない記録ヘッドによ
りいわゆるアジマスベタ記録によりトラック幅TWのト
ラックとして形成されていく。隣接するトラック同志は
互いに逆アジマストラックとされる。即ち、一方のアジ
マス方向とされるトラックTKA と他方のアジマス方向
とされるトラックTKB が交互に形成される。再生時に
は再生ヘッド16によりトラックが走査される。再生ヘ
ッド16のヘッド幅HWはトラック幅TWよりも広い幅
とされているが、いわゆるアジマス効果により、隣接ト
ラックからのクロストークは防止される。
【0036】DDSフォーマットにおいては一対の隣接
するトラックTKA ,TKB は1フレームと呼ばれ、2
2フレームが1グループと呼ばれる単位となる。そして
グルップの後ろにはECCフレームが設けられる。また
ECCフレームの後にアンブルフレームが設けられる。
ただしこのアンブルフレームのフレーム数は規定されて
おらず、また設けられない場合もある。ECCフレーム
及びアンブルフレームによってテープ90上でグループ
の境界が規定されることになる。なお、各グループにお
いて、グループ内の最後のフレームには一連のデータを
区分するためのインデックス情報が付加される。
【0037】1つのトラック内のデータフォーマットは
図21に示される。1つのトラックは図21(a)のよ
うに両端にマージン領域が形成され、そのマージン領域
に挟まれた領域がメインデータ領域とされる。メインデ
ータ領域は、0〜95のフラグメントアドレスが与えら
れた96単位のフラグメントに分割されている。1フラ
グメントは133バイトで構成され、その内容は図21
(b)(c)に示される。
【0038】フラグメントアドレスが9〜86までとな
る78単位の各フラグメントは、図21(b)のよう
に、先頭に1バイトの同期信号領域が設けられ、所定の
パルス形態となる同期信号が記録される。同期信号領域
に続いて6バイトのアドレス及びサブコード領域が設け
られる。ここには1バイトでフラグメントアドレスが記
録され、また5バイトでサブコードが記録される。
【0039】続いて2バイトがヘッダパリティ領域とさ
れ、さらに続く112バイトがデータ領域とされてい
る。このデータ領域に実際のデータが記録される。フラ
グメントの最後の12バイトはECC領域とされる。こ
のECC領域にはいわゆるC1訂正符号が記録される。
C1訂正符号はフラグメント内のデータに対するするエ
ラー訂正符号となり、つまり訂正処理はフラグメント単
位で完結することになる。
【0040】フラグメントアドレスが0〜8及び87〜
95までとなる18単位の各フラグメントは図21
(c)に示されるが、図21(b)のフラグメントと同
様に同期信号領域、アドレス及びサブコード領域、ヘッ
ダパリティ領域、及びECC領域が設けられる。ただ
し、図21(b)のフラグメントではデータ領域とされ
ていた112バイトは、ECC領域とされ、C2訂正符
号が記録される。C2訂正符号は、1トラック内で完結
する訂正系列の符号となる。
【0041】なお、訂正符号としてはさらにC3訂正符
号が付加される。これは図20に示したECCフレーム
において記録されることになる。このC3訂正符号は1
グループ内で完結する訂正系列の符号となる。また、C
1訂正符号、C3訂正符号によるエラー状況を確認すれ
ば、1トラック内でどの部分でエラーが発生したかが確
認できるが、C2訂正符号は1トラック内でインターリ
ーブがかけられて記録されるため、C2訂正符号による
エラー状況からは1トラック内でのエラー発生位置は確
認できない。
【0042】2.記録再生装置の構成 図1に本例の記録再生装置の構成を示す。インターフェ
ース部1は、図示しない外部のホストコンピュータと接
続されてデータの授受を行なう部位である。記録時には
ホストコンピュータからのデータを受取り、インデック
ス付加回路2及びサブコード発生部8に供給する。また
再生時には磁気テープ90から再生されたデータをホス
トコンピュータに出力する動作を行なう。
【0043】記録時において、インデックス付加回路2
は、入力されたデータに対して上述した1グループ単位
毎にインデックス情報を付加する処理を行なう。インデ
ックス情報が付加されたデータは、C3エンコーダ3、
C2エンコーダ4、C1エンコーダ5においてそれぞれ
C3系列、C2系列、C1系列のエラー訂正符号が付加
される。C3エンコーダ3、C2エンコーダ4、C1エ
ンコーダ5のそれぞれは、メモリ6にデータを1グルー
プとなるデータ単位毎に一時的に記憶して処理を行な
う。そしてC3エンコーダ3はトラック幅方向に対応す
るデータ列に対するエラー訂正符号C3を生成し、1グ
ループのデータの最後のECCフレームのデータとして
付加する。またC2エンコーダ4はトラック方向に対応
するデータ列のエラー訂正符号C2を生成し、図21
(c)に示したように0〜8フラグメント及び87〜9
5フラグメント内のエラー訂正符号C2とする。さらに
C1エンコーダ5は、フラグメント単位のエラー訂正コ
ードC1を発生させる。
【0044】エラー訂正符号C1,C2,C3が付加さ
れたデータはサブコード付加回路7に供給される。サブ
コード発生部8はインターフェース部1から供給される
データに基づいて各種のサブコードデータやフラグメン
トアドレスを発生させ、サブコード付加回路7に供給す
る。発生されるサブコードとしては、例えばデータの区
切りを示すセパレートカウンタ情報、記録数を示すレコ
ードカウンタ情報、テープフォーマット上で定義された
各領域を示すエリアID、フレーム番号、記録単位数を
示すグループカウント情報、チェックサムなどがあり、
これらがサブコード発生部8においてフラグメントアド
レスとともに発生されることになる。
【0045】サブコード付加回路7ではこれらのサブコ
ードとフラグメントアドレスを1フラグメント相当のデ
ータ単位毎に付加していく。つまり図21(b)(c)
におけるアドレス/サブコード領域に記録される情報が
付加されることになる。
【0046】続いてヘッダパリティ付加回路9では、図
21(b)(c)におけるヘッダパリティ領域に記録さ
れるCRCコードが付加される。このCRCコードはサ
ブコードとフラグメントアドレスについてのエラー検出
のための2バイトのパリティコードとされる。
【0047】続いて8/10変調回路10では入力され
たデータを1バイト単位で8ビットを10ビットに変換
する、いわゆる8/10変調処理が行なわれ、その変調
信号に対して同期信号付加回路11で同期信号が付加さ
れる。この同期信号とは、図21(b)(c)で示した
フラグメントの先頭1バイトの同期信号である。
【0048】さらにマージン付加回路12では、図21
(a)に示したようにトラックの両端となるマージン領
域に相当するデータを付加し、この段階で図21のトラ
ックフォーマットにのっとった記録データ列が生成され
ることになる。このように生成された記録データは記録
アンプ13に供給される。
【0049】記録アンプ13で増幅された信号はロータ
リートランス14を介して回転ヘッドドラムHD内の記
録ヘッド15に供給され、記録ヘッド15により走行さ
れている磁気テープ90に対する磁気記録動作が行なわ
れる。磁気テープ90はテープカセット91内に収納さ
れ、記録/再生時にはテープカセット91から磁気テー
プ90が引き出されて(ローディング)回転ヘッドドラ
ム50に巻装されることになる。そしてキャプスタン2
8とピンチローラ29によって挟接された状態でキャプ
スタン28が定速回転されることで、磁気テープ90は
定速走行される。
【0050】図2に記録時及び再生時の動作のイメージ
を示す。テープカセット91から引き出された磁気テー
プ90は、ガイドピン51,52,53により、回転ヘ
ッドドラム50に対して高さ方向に傾斜した状態で約9
0°の区間で巻きつけられながら、キャプスタン28と
ピンチローラ29によって定速で走行する。また回転ヘ
ッドドラム50はこの磁気テープ90に摺接しながら回
転されることで、記録ヘッド15による記録動作によ
り、磁気テープ90には図20に示したようなヘリカル
スキャン方式による記録トラックが形成されていく。
【0051】なお、図1では1つの記録ヘッド15及び
1つの再生ヘッド16を示しているのみであるが、実際
にはアジマスベタ記録方式が採用されるため、図2に示
すようにアジマス角度の異なる2つの記録ヘッド15
A,15B、アジマス角度の異なる2つの再生ヘッド1
6A,16Bがそれぞれ互いに180°離れた状態で回
転ドラムの周面上に配置されている。そして記録時には
記録ヘッド15Aと記録ヘッド15Bが交互に磁気テー
プ90と摺接することになるため、図20のようにアジ
マス角度の異なるトラックTKA とトラックTKB が交
互に形成されていく。
【0052】再生時には、図2のように回転ヘッドドラ
ム50に巻きつけられた磁気テープ90が走行されると
ともに回転ヘッドドラム50が回転されることで、再生
ヘッド16A,16Bが交互に記録トラックをトレース
していき、記録されたデータが読み出される。
【0053】そして図1のように、再生ヘッド16(1
6A,16B)で読み出された信号はロータリートラン
ス17を介して再生アンプ18に供給される。なお、実
際には記録用のロータリートランス14、再生用のロー
タリートランス18はそれぞれ1つしか示していない
が、ロータリートランス14は図2の記録ヘッド15
A,15Bに対応して設けられ、またロータリートラン
ス18も再生ヘッド16A,16Bに対応して設けられ
ることになる。
【0054】再生アンプ18で増幅された信号は同期信
号検出回路19に供給され、同期信号の検出処理が行な
われる。そして内部のPLL回路により検出した同期信
号に同期した再生クロックが生成され、その再生クロッ
クにより再生アンプ18で増幅された信号(RF信号)
を2値化する。
【0055】2値化されたデータに対しては10−8復
調部20で記録時の8−10変調に対するデコード動作
が行なわれ、8ビット単位のデータに戻される。8ビッ
ト単位のデータに復調された再生データはヘッダパリテ
ィチェック回路21で図9(b)(c)に示した2バイ
トのヘッダパリティを用いてサブコード及びフラグメン
トアドレスのパリティチェックが行なわれる。パリティ
チェックを終えたデータはサブコード分離回路22及び
タイミング検出パルス生成回路27に供給される。
【0056】サブコード分離回路22ではフラグメント
アドレス及びサブコードデータを抽出し、システムコン
トローラ31に供給する。またフラグメントアドレス及
びサブコードデータ以外の実際のデータはC1デコーダ
23,C2デコーダ24、C3デコーダ25に送られ
る。C1デコーダ23,C2デコーダ24、C3デコー
ダ25では、それぞれC1系列、C2系列、C3系列で
のエラー訂正処理が行なわれる。C1デコーダ23,C
2デコーダ24、C3デコーダ25のそれぞれは、メモ
リ6にデータを1グループ単位毎に一時的に記憶して処
理を行なう。そしてC1デコーダ23は、フラグメント
単位でエラー訂正コードC1に基づいて訂正処理を行な
い、またC2デコーダ24はトラック方向に対応するデ
ータ列のエラー訂正符号C2を用いて訂正処理を行な
う。さらにC3デコーダ25は、エラー訂正符号C3を
用いてフラグメント単位のエラー訂正処理を行なう。
【0057】エラー訂正処理が完了したデータはインデ
ックス分離回路26においてインデックス情報が分離さ
れインターフェース部1に送られる。そしてインターフ
ェース部1から外部のホストコンピュータに出力される
ことになる。
【0058】システムコントローラ31は装置全体を制
御するマイクロコンピュータによって形成される。即ち
記録時/再生時の信号処理動作、テープ走行動作、回転
ヘッドドラム50の回転動作等の制御を行なう。またサ
ーボ回路30は、システムコントローラ31からの指示
に基づいて実際にテープ走行動作、回転ヘッドドラム5
0の回転動作を実行させることになる。なお、サーボ回
路30はマイクロコンピュータで形成でき、またシステ
ムコントローラ31としてのマイクロコンピュータの機
能による回路系としてシステムコントローラ31と一体
化してもよい。
【0059】回転ヘッドドラム50の回転動作はドラム
モータ33によって実行される。また回転ヘッドドラム
50にはドラムPG(パルスジェネレータ)36、ドラ
ムFG(周波数ジェネレータ)37が取り付けられてお
り、このドラムPG36からのパルスがアンプ38を介
してサーボ回路30に供給される。またドラムFG37
からのパルスはアンプ39を介してサーボ回路30に供
給される。サーボ回路30はドラムPG36、ドラムF
G37からのパルスに応じてスイッチングパルスを生成
し、また回転位相情報を検出することができる。スイッ
チングパルスとは、いわゆるAアジマスヘッドとBアジ
マスヘッドとのそれぞれに対応する処理の切換の基準と
なる信号である。
【0060】サーボ回路30は回転ヘッドドラム50の
定速回転駆動に関しての制御としては、ドラムPG36
もしくはドラムFG37からのパルスにより回転数を検
出し、これを基準回転数と比較することで回転エラー情
報を得る。そして回転エラー情報に応じてドラムモータ
ドライバ32からドラムモータ33に印加する駆動信号
を調整することで回転ヘッドドラム50を定速回転させ
る。
【0061】また、キャプスタン28の回転数を制御す
ることで、いわゆるトラッキングサーボを行なうことに
なる。そして本例ではトラッキングサーボ方式として、
図23で説明したようなタイミングATF方式が採用さ
れている。キャプスタン28はキャプスタンモータ35
によって回転駆動される。またキャプスタン28にはキ
ャプスタンFG(周波数ジェネレータ)40が取り付け
られており、このキャプスタンFG40からのパルスが
アンプ41を介してサーボ回路30に供給される。
【0062】キャプスタン28を定速回転させるために
は、サーボ回路30はキャプスタンFG40からのパル
スによりキャプスタン28の回転数を検出し、これを基
準回転数と比較することで回転エラー情報を得る。そし
て回転エラー情報に応じてキャプスタンモータドライバ
34からキャプスタンモータ35に印加する駆動信号を
調整することで定速回転を行なう。
【0063】そしてさらにトラッキングサーボを実行す
るために、サーボ回路30は、スイッチングパルスから
検出できる回転ヘッドドラム50の基準位相位置タイミ
ングと、タイミング検出パルス生成回路27から供給さ
れるタイミング検出パルスTTPを監視し、その期間を
トラッキング検出期間として計測する。そして、トラッ
キング検出期間の計測値と予め設定しておいた基準値を
比較することで、トラッキング誤差情報を得、それに基
づいてキャプスタンモータドライバ34からキャプスタ
ンモータ35に印加する駆動信号を調整し、キャプスタ
ン28の回転速度を増減することでトラッキングサーボ
を行なう。
【0064】3.タイミングATFのための構成及び動
作 タイミングATF動作のための回路系の構成を図3に示
す。タイミングATF動作を含めたキャプスタンサーボ
のための回路系としては、サーボ回路30内にタイミン
グATF処理部61、スイッチングパルス生成部62、
フリーランニングカウンタ63、サーボスイッチ64、
キャプスタン基準速度発生部65、減算器66、速度サ
ーボ信号生成部67が設けられる。
【0065】トラッキングサーボをオフとしてキャプス
タン28を定速回転駆動する場合には、システムコント
ローラ31から供給されるサーボオン/オフ制御信号T
ON /OFFによりサーボスイッチ64がオフとされる。こ
の場合、キャプスタン基準速度発生部65から、キャプ
スタン28の回転速度として設定したい速度に応じた信
号が発生され、それがそのまま目標速度信号CVとされ
て速度サーボ信号生成部67に供給される。また速度サ
ーボ信号生成部67にはキャプスタンFG40からのパ
ルスFGC 、即ちキャプスタン28の回転速度の応じた
周波数となるパルスが供給されており、速度サーボ信号
生成部67はこのパルスFGC から現在のキャプスタン
28の回転速度を検出する。
【0066】そして速度サーボ信号生成部67はパルス
FGC から検出できる現在の回転速度と、目標とすべき
回転速度を示す目標速度信号CVとを比較し、その誤差
をキャプスタンサーボ信号SCPとしてキャプスタンモー
タドライバ34に供給する。キャプスタンモータドライ
バ34は例えば3相駆動信号によりキャプスタンモータ
35を駆動し、キャプスタン28を回転させるが、キャ
プスタンサーボ信号SCPに応じてモータ駆動電圧をコン
トロールすることで、キャプスタン28はキャプスタン
基準速度発生部65から発生させた目標速度信号CVに
収束していくように定速回転サーボが実行されることに
なる。
【0067】従って、キャプスタン基準速度発生部65
から発生させる目標速度信号CVを、通常の記録/再生
時のテープ走行速度(1倍速)とすれば、キャプスタン
28は1倍速の速度で定速回転され、また目標速度信号
CVを、2倍速とすれば、キャプスタン28は2倍速の
速度で定速回転される。即ち、キャプスタン基準速度発
生部65から発生させる目標速度信号CVを変化させる
ことで、テープ走行速度を可変させることができる。キ
ャプスタン基準速度発生部65で発生させる目標速度信
号CVはそのときの動作状態に応じてシステムコントロ
ーラ31が制御すればよい。例えば再生時には1倍速、
テープ早送り再生時にはx倍速というように可変するこ
とができる。
【0068】再生時においてトラッキング制御を行なう
場合は、サーボスイッチ64がオンとされる。そしてタ
イミングATF処理部61がトラッキング誤差を検出
し、その誤差を減算器66でキャプスタン基準速度発生
部65で発生させる値から減算することで、目標速度信
号CVが生成される。即ちこの場合目標速度信号CVは
所定速度(例えば1倍速)を中心としてトラッキング誤
差に応じて増減されることになる。従ってテープ走行速
度はトラッキング状態に応じて所定速度を中心に加速/
減速され、これによってジャストトラッキング状態に収
束される。トラッキングが安定しているときは、トラッ
キング誤差はほぼゼロとなるため、テープ走行はほぼ所
定速度で継続することになる。
【0069】タイミングATF処理部61のトラッキン
グ誤差の検出処理としては、タイミング検出パルス生成
回路27からのタイミング検出パルスTTPと、スイッ
チングパルス生成部62で生成されるスイッチングパル
スSWPに基づいて行なう。
【0070】タイミング検出パルス生成回路27は、図
1に示したようにヘッダパリティチェック回路21から
の、ヘッダパリティチェックが終了したデータからタイ
ミング検出パルスTTPを生成する。タイミング検出パ
ルスTTPとは、トラッキング位相状態計測のための信
号であり、図23において位置PTTP として示したトラ
ック上の特定の位置から検出されるパルスのことであ
る。ただし本例の場合は、図26に示したように1つの
トラックTKについて4つのロケーションR1〜R4を
設定し、各ロケーションR1〜R4においてタイミング
検出パルスTTPが得られる位置PTTP1〜PTTP4を設定
している。即ちタイミング検出パルス生成回路27は、
テープ90から読み出されてきたデータについて、位置
TTP1〜PTTP4と設定されたフラグメントアドレスを監
視している。
【0071】つまりタイミング検出パルス生成回路27
は、トラックから読み出されるデータのうち、同期信号
領域、アドレス/サブコード領域、ヘッダパリティ領域
から検出されるデータ、つまりフラグメントのヘッダデ
ータを監視しており、位置PTTP1〜PTTP4に該当するフ
ラグメントアドレスに応じて、その時の同期信号等から
タイミング検出パルスTTPを生成する。
【0072】図4(d)はトラックTKA ,TKB から
読み出されるRF信号のイメージを、また、図4(e)
はタイミング検出パルス生成回路27が発生するタイミ
ング検出パルスTTPを示す。この図から分かるよう
に、各トラックの再生走査期間においてトラック上の或
る特定位置PTTP1〜PTTP4の再生走査に応じたタイミン
グでタイミング検出パルスTTPが出力されることがわ
かる。つまり1トラックの走査につき4波のタイミング
検出パルスTTPが出力される。なお、Aアジマストラ
ックTKA における位置PTTP1〜PTTP4をAPTTP1〜A
TTP4とし、またBアジマストラックTKB における位
置PTTP1〜PTTP4をBPTTP1〜BPTTP4としている。
【0073】一方、図4(a)はドラムFG37から発
生されるパルスFGD 、図4(b)はドラムPG36か
ら発生されるパルスPGD の例を示している。パルスF
D ,パルスPGD のいづれも回転ヘッドドラム50の
回転速度に応じた周波数のパルスとなり、またパルスP
D は、回転ヘッドドラム50の特定の回転位相位置に
対応して発生されるものとなる。
【0074】スイッチングパルス生成部62は、パルス
FGD ,パルスPGD を用いて図4(c)のスイッチン
グパルスSWPを生成する。例えばパルスPGD が検出
された次のタイミングとなるパルスFGD の立上りを基
準とし、それに所定の遅延時間DLを与えたタイミング
が、スイッチングパルスSWPの立下りとなるようにス
イッチングパルスSWPを生成する。スイッチングパル
スSWPは信号処理についてのAチャンネル(再生ヘッ
ド16A)/Bチャンネル(再生ヘッド16B)の切換
基準となる信号となり、図3には示していないが、この
スイッチングパルスSWPは、他の各種必要回路系にも
供給される。
【0075】スイッチングパルスSWPが『L』レベル
の期間は再生ヘッド16Aからの再生データに関する処
理期間となり、この期間においてトラックTKA に対す
る再生ヘッド16Aによる走査が行なわれ、図4(d)
のようにトラックTKA からのデータ読出(RF
(A))が行なわれる。一方、スイッチングパルスSW
Pが『H』レベルの期間は再生ヘッド16Bからの再生
データに関する処理期間となり、この期間においてトラ
ックTKB に対する再生ヘッド16Bによる走査が行な
われ、図4(d)のようにトラックTKB からのデータ
読出(RF(B))が行なわれる。
【0076】タイミングATF処理部61では、スイッ
チングパルスSWPの立下りタイミングをトラックTK
A に関するタイミングATF動作の基準となる回転ドラ
ムの基準位相位置とする。つまり図23におけるタイミ
ングTRA とする。そして、タイミングTRA からタイ
ミング検出パルスTTPが入力されるまでのトラッキン
グ検出期間MTTP(A)を、計測する。つまり、回転ドラム
の基準位相位置から、ヘッドがトラック上から所定の信
号(タイミング検出パルスTTP)を検出するまでの時
間を計測することになる。なお、この図4ではトラッキ
ング検出期間MTTP(A)は回転ドラムの基準位相位置のタ
イミングから位置PTTP1に対応する最初のタイミング検
出パルスTTPのタイミングまでとしているが、他の
(2番目以降の)タイミング検出パルスTTPについて
も、回転ドラムの基準位相位置タイミングからの期間を
計測し、1番目のタイミング検出パルスTTPとの間の
時間差を減算することでトラッキング検出期間MTTP(A)
が計測できる。
【0077】本例においては後述する基準値設定動作の
際に4つの各タイミング検出パルスTTPを利用する
が、再生時には、このうちの1つを利用してトラッキン
グ検出期間MTTP(A)を計測し、基準値と比較することで
トラッキングエラーを検出してもよいし、また2〜4つ
の複数の各タイミング検出パルスTTPを利用して、そ
れぞれトラッキング検出期間MTTP(A)を計測し、それぞ
れ基準値と比較することでトラッキングエラーを検出し
てもよい。本例の場合、再生時のトラッキングサーボ動
作に関しては4つのタイミング検出パルスTTPの利用
形態は限定されないものである。
【0078】トラッキング検出期間MTTP(A)の計測動作
にはフリーランニングカウンタ63が用いられる。例え
ばスイッチングパルスSWPの立下りタイミングTRA
でフリーランニングカウンタ63のカウント値をラッチ
し、またタイミング検出パルスTTPの入力タイミング
でフリーランニングカウンタ63のカウント値をラッチ
する。そして、この2つのカウント値で減算処理する
(2番目以降のタイミング検出パルスTTPについて
は、さらに1番目のタイミング検出パルスTTPとの間
の時間差を補正する)ことでトラッキング検出期間M
TTP(A)が計測できことでトラッキング検出期間としての
計測値が得られる。そしてこのように求められた計測値
を、あらかじめ設定しておいた基準値(トラックTKA
用の基準値)と比較して、誤差分をトラックTKA に関
するサーボエラー情報とする。
【0079】またトラックTKB に関してはスイッチン
グパルスSWPの立上りタイミングをタイミングATF
動作の基準となる回転ドラムの基準位相位置のタイミン
グTRB とする。そして、タイミングTRB からタイミ
ング検出パルスTTPが入力されるまでのトラッキング
検出期間MTTP(B)を同様にフリーランニングカウンタ6
3を用いて計測する。そしてこのように求められたトラ
ッキング検出期間MTTP(B)の計測値を、あらかじめ設定
しておいた基準値(トラックTKB 用の基準値)と比較
して、誤差分をトラックTKB に関するサーボエラー情
報とする。
【0080】図23においても説明したように、このよ
うにして得られたサーボエラー情報を減算器66に入力
し、目標速度信号CVに反映させてキャプスタン28の
回転速度を制御することで、良好なトラッキング状態が
得られるようにドラム回転速度とテープ走行速度との相
対速度が調整される。
【0081】4.第1の基準値設定動作例 ところで、このようなタイミングATFサーボ動作を良
好に実行するには、基準値が適正な値に設定されていな
ければならない。基準値は、基本的には図24で説明し
たように各種のトラッキング位相状態における走査にお
いてトラッキング検出期間としての計測値のサンプルを
集め、その平均値から求めることができる。ところが図
25(b)(c)のような状況に対応できるような値と
することも必要である。そこで本例では、以下説明する
ような基準値設定動作を行なう。
【0082】基準値設定動作時には、或る程度の再生走
査を各種のトラッキング位相状態が得られるようにして
実行し、各トラックTKA ,TKB に対応してそれぞれ
トラッキング検出期間としての計測値のサンプルを集め
る。ここで本例の場合は、タイミング検出パルスTTP
が1トラックにつき4波得られることから、1トラック
につき4つのトラッキング検出期間を計測する。
【0083】例えば基準値設定動作時には図5のような
再生走査を実行する。トラッキングサーボをオフ(サー
ボスイッチ64をオフ)とした状態で例えばテープ走行
速度を1倍速とは異なる速度として再生ヘッド16A,
16Bによる再生走査を行なうものである。実線SA1
〜SA10・・・・は再生ヘッド16Aによる各走査のタイ
ミング検出パルス位相角度を示し、また破線SB1〜S
B10・・・・は再生ヘッド16Bによる各走査のタイミン
グ検出パルス位相角度を示している。
【0084】なお、1倍速とは通常再生時のテープ走行
速度とし、この場合、再生ヘッド16Aの走査位相位置
は360°変化するものとする。360°の変化とは、
例えば再生ヘッド16Aの走査が或るAアジマストラッ
クのセンターを通った場合に、次の走査がBアジマスト
ラックを介した次のAアジマストラックのセンター(同
一トラッキング位相)を通ることになる位相変化をい
う。再生ヘッド16Bについても同様である。
【0085】従って、1倍速とは異なる速度として再生
ヘッド16A,16Bによる再生走査を行なうと、例え
ば図5のように走査毎にトラッキング位相角度はずれて
いくことになり、これにより、各種のトラッキング位相
状態でのトラッキング検出期間MTTP(A),MTTP(B)のサ
ンプルが得られることになる。
【0086】また、各走査においてはトラックTK上の
各ロケーションR1〜R4に対応して、Aアジマストラ
ックTKA については、位置APTTP1〜APTTP4でそれ
ぞれタイミング検出パルスTTPが検出され、またBア
ジマストラックTKB については、位置BPTTP1〜BP
TTP4でそれぞれタイミング検出パルスTTPが検出され
る。これにより各トラックにつき、4つのロケーション
R1〜R4に対応してトラッキング検出期間MTTP(A),
TTP(B)が得られる。
【0087】なお、再生ヘッド16AがAアジマストラ
ックTKA から大きくずれたトラッキング位相状態の時
の走査、例えばBアジマストラックTKB のセンター付
近を走査したような場合は、タイミング検出パルスTT
Pは得られない。同様に再生ヘッド16BがBアジマス
トラックTKA から大きくずれたトラッキング位相状態
の時の走査ではタイミング検出パルスTTPは得られな
い。
【0088】再生ヘッド16A,16Bにより、それぞ
れ対応するトラックTKA ,TKBに対する走査が行な
われると、その走査により基本的には4つのタイミング
検出パルスTTPが検出されるが、これは走査とトラッ
クの直線性の関係が理想状態(もしくはトラックTKと
走査軌跡が同じ曲率で湾曲し、等価的にみて直線性の関
係が理想状態のとき)の場合でなければ、常には実現さ
れないものである。例えば図5の例ではトラックTK
A ,TKB は湾曲しており、一方走査軌跡は直線である
と仮定しているため、理想状態とはいえない。
【0089】このような場合にも対応するため、本例の
基準値算出動作は各ロケーションR1〜R4で得られた
トラッキング検出期間のサンプルをそれぞれ平均し、さ
らに各ロケーションの平均値のうちで最大値と最小値を
抽出する。そしてその最大値と最小値の平均をとって基
準値を算出するものである。この算出動作のイメージを
図6に示す。トラックと走査軌跡の関係が理想状態であ
る場合を図6の横軸直線として示すとする。ところが現
実の走査において、トラックと走査軌跡の関係は破線で
示すように理想状態からずれているとする。
【0090】例えば図5のような走査を行なってトラッ
キング検出期間のサンプルを集めていくと、図6におい
て破線上の〇で示す状態において、各ロケーションにつ
いての平均値AV1〜AV4が得られる。この場合平均
値AV1〜AV4についての最大値と最小値は平均値A
V2とAV4となる。この平均値AV2とAV4のさら
に平均を取ると、その値は、破線のように湾曲したトラ
ックと走査軌跡の関係に対して、トラック全域でほぼ許
容できるトラッキング状態を得るための基準値として適
正な値といえる。即ちこの平均値を基準値とすること
で、理想状態ではないトラックTKと走査軌跡の関係に
対して、図7のような走査Sが確実に実行されるよう
に、トラッキングサーボをかけることができ、これによ
りトラック全域にわたって適正な再生動作が行なわれ、
部分的にエラーレートが悪化するということも避けるこ
とができる。
【0091】以下、このような基準値設定動作を具体的
に説明していく。基準値は、図5で示したような基準値
設定のための再生動作が行なわれている間に得られるタ
イミング検出パルスTTP及びスイッチングパルスSW
Pを用いて、サーボ回路30におけるタイミングATF
処理部61が算出する。
【0092】図8は、タイミングATF処理部61内に
おいて基準値設定処理に用いるために設けられるレジス
タ構成を示している。演算部80は入力されるタイミン
グ検出パルスTTP及びスイッチングパルスSWPに基
づいて後述する演算処理を行ない、その処理過程におい
て各種レジスタを利用する。タイミング検出パルスTT
Pはタイミング検出パルス生成部27から供給される。
スイッチングパルスSWPはスイッチングパルス生成部
62から供給される。また、これらのパルスのタイミン
グを検出するため、フリーランニングカウンタ63のカ
ウント値(FRC値)がラッチできるように構成されて
いる。
【0093】基準値レジスタ81は、Aアジマストラッ
クTKA におけるATFトラッキング動作の基準値TB
(A)と、BアジマストラックTKB におけるATFト
ラッキング動作の基準値TB(B)を保持する。即ち、
これから説明する基準値設定動作により設定された基準
値TB(A),TB(B)を保持し、その後のATFト
ラッキング動作に用いるようにするためのレジスタであ
る。
【0094】SWPタイミングレジスタ82は、スイッ
チングパルスSWPのエッジ(立上り及び立下り)が検
出された時点でのフリーランニングカウンタ63のカウ
ント値を保持するレジスタである。TTPタイミングレ
ジスタ83は、タイミング検出パルスTTPが入力され
た時点でのフリーランニングカウンタ63のカウント値
から計測できるトラッキング検出期間の値を保持するレ
ジスタである。タイミング検出パルスTTPは1トラッ
クの走査において最大4回入力されることになるため、
各ロケーションR1〜R4に対応したタイミング検出パ
ルスTTPより計測されたトラッキング検出期間の値を
記憶するエリアが設けられ、トラッキング検出期間M
TTP1〜MTTP4として保持できる。このSWPタイミング
レジスタ82とTTPタイミングレジスタ83は、1ト
ラックの走査毎にクリアされて繰り返し用いられる。
【0095】Aチャンネル計算用レジスタ84は、Aア
ジマストラックTKA (再生ヘッド16A)に対応する
基準値TB(A)を計算するためのデータを保持するレ
ジスタである。データとしては、AアジマストラックT
A から得られたタイミング検出パルスTTPにより計
測されたトラッキング検出期間MTTP1〜MTTP4を、各ロ
ケーションR1〜R4毎に集計した値となる加算値M
SUM1〜MSUM4と、加算値MSUM1〜MSUM4での各加算サン
プル数をカウントする値となる加算数値MNUM1〜MNUM4
がある。
【0096】Bチャンネル計算用レジスタ85は、Bア
ジマストラックTKA (再生ヘッド16B)に対応する
基準値TB(B)を計算するためのデータを保持するレ
ジスタである。データとしては、Aチャンネル計算用レ
ジスタ84と同様に、加算値MSUM1〜MSUM4と加算数値
NUM1〜MNUM4がある。
【0097】標準時間差メモリ86は、各ロケーション
R1〜R4における位置PTTP1〜P TTP4(=APTTP1〜
APTTP4及びBPTTP1〜BPTTP4)について得られたタ
イミング検出パルスTTPから、位置PTTP1〜PTTP4で
の時間差を補正してそれぞれトラッキング検出期間を得
るための標準時間差TLa,TLb,TLcが保持され
ているメモリである。この標準時間差TLa,TLb,
TLcとは、即ち図26に示した標準時間差TLa,T
Lb,TLcの期間の時間値のことであり、各位置P
TTP1〜PTTP4でのタイミング検出パルスTTPが得られ
たタイミングに対して、この標準時間差TLa,TL
b,TLcで補正することにより、どの位置PTTP1〜P
TTP4でのタイミング検出パルスTTPによっても、理想
的に見れば、同一の値となるトラッキング検出期間が得
られることになる。
【0098】ウインドウメモリ87は、タイミング検出
パルス生成部27から発生される各タイミング検出パル
スTTPが、それぞれどのロケーションで得られたタイ
ミング検出パルスTTPであるかを判別するためのウイ
ンドウ値W1〜W4を保持したメモリである。例えば図
9に示すように、各ロケーションR1〜R4の境界部分
が走査されるタイミングが、回転ヘッドドラム50の基
準位相位置TRのタイミングからみて、それぞれTW
b,TWc,TWdであるとする。またロケーションR
1の先頭のタイミングがTWa、ロケーションR4の終
端のタイミングがTWeであるとする。
【0099】このとき、タイミングとしてTWaからT
Wbまでの期間をウインドウ値W1として保持する。同
様にTWbからTWcまでの期間をウインドウ値W2、
TWcからTWdまでの期間をウインドウ値W3、TW
dからTWeまでの期間をウインドウ値W4として保持
する。このウインドウ値W1〜W4と、タイミング検出
パルスTTPが入力された時点のタイミングを比較する
と、そのタイミング検出パルスTTPがどのロケーショ
ンから得られたタイミング検出パルスTTPであるかが
判別できることになる。
【0100】演算部80が実行することになる基準値設
定処理を図10〜図13で説明する。図10は基準値設
定処理としての全体の処理を示している。基準値設定処
理が開始されると、サーボ回路30に対してシステムコ
ントローラ31は例えば図5に示したようなテープ走行
及び再生動作を実行させるようにし、サーボ回路30は
これを実行する。そしてタイミングATF処理部61内
の演算部80は、これに応じて基準値設定処理を開始す
ることになる。まずステップF101として基準値計算開始
のための処理を行なう。これはAチャンネル計算用レジ
スタ84及びBチャンネル計算用レジスタ85内のデー
タを全てクリアする処理となる。
【0101】つづいてステップF102として、タイミング
計算及び加算処理を行なう。この処理は、タイミング検
出信号TTPの入力及びスイッチングパルスSWPのエ
ッジ検出に応じて、タイミング計測を行ない、トラッキ
ング検出期間MTTP(A),MTT P(B)を測定する処理、及び
測定されたトラッキング検出期間MTTP(A),MTTP(B)を
Aチャンネル計算用レジスタ84及びBチャンネル計算
用レジスタ85に累積加算していく処理となる。例えば
再生ヘッド16A,16Bがそれぞれ図5のような走査
状態で、30回程度の走査を完了するまでこのステップ
F102の処理が行なわれる。
【0102】ステップF102の処理が終るとステップF103
として、平均値処理及び基準値計算の処理が行なわれ
る。これはその時点でAチャンネル計算用レジスタ84
に保持されているデータからAアジマストラックTKA
に対する基準値TB(A)を算出し、またBチャンネル
計算用レジスタ85に保持されているデータからBアジ
マストラックTKB に対する基準値TB(B)を算出す
る処理となる。
【0103】ステップF103で基準値TB(A),TB
(B)が算出されたら、ステップF104でその基準値TB
(A),TB(B)を基準値レジスタ81に書き込むこ
とで、基準値設定処理は終了する。
【0104】このような基準値設定処理においてステッ
プF102では、具体的には図11に示すTTP割込処理
と、図12に示すSWP割込処理が行なわれることにな
る。図11に示すTTP割込処理は、タイミング検出パ
ルス生成部27からのタイミング検出信号TTPが演算
部80に入力された時点で開始される処理となる。タイ
ミング検出信号TTPが入力されたら、演算部80はス
テップF201として、まずそのときのフリーランニングカ
ウンタ63のカウント値を取り込み、それをタイミング
T1として保持する。
【0105】次に、ステップF202としてタイミングT1
と、スイッチングパルスのエッジタイミングMSWP との
差を算出する。そしてその差を時間T2とする。スイッ
チングパルスのエッジタイミングMSWP は、図12のS
WP割込処理で取り込まれる値である。このエッジタイ
ミングMSWP は、回転ヘッドドラム50の基準位相位置
のタイミングTR(=図4のTRA 又はTRB )に相当
する。
【0106】ステップF202で得られた時間T2は、回転
ヘッドドラム50の基準位相位置のタイミングTRから
タイミング検出信号TTPが入力されるまでの時間に相
当する。つまり、図26に示す時間tr1,tr2,t
r3,tr4のいずれかの値である。そこでステップF2
03では、この時間T2を図9のように設定されたウイン
ドウ値W1〜W4と比較し、入力されたタイミング検出
信号TTPがR1〜R4のうちのどのロケーションでの
タイミング検出信号TTPであるかを推定する。
【0107】ロケーションが推定できたら、ステップF2
04では、その推定されるロケーションに対応する標準時
間差TL(x)と時間T2の差を取り、時間T3とす
る。図26から理解されるように、もしタイミング検出
信号TTPがロケーションR4からのタイミング検出信
号TTPであったと判断されたら、T2−TLcを算出
して時間T3を得る。またロケーションR3からのタイ
ミング検出信号TTPであったと判断されたら、T2−
TLbを算出して時間T3を得る。ロケーションR2か
らのタイミング検出信号TTPであったと判断された
ら、T2−TLaを算出して時間T3を得る。ロケーシ
ョンR1からのタイミング検出信号TTPであったと判
断されたら、この場合は補正は不要なので、時間T2を
そのまま時間T3とする。
【0108】このように算出された時間T3は、或るロ
ケーションでのタイミング検出信号TTPから計測され
たトラッキング検出期間MTTP (=図4のMTTP(A)又は
TT P(B))にほかならない。そこで、ステップF205で
は、この時間T3を推定されたロケーションについての
トラッキング検出期間としてTTPタイミングレジスタ
83に書き込む。例えばロケーションR1に対応する場
合は、時間T3をトラッキング検出期間MTTP(1)とす
る。またロケーションR2に対応する場合は、時間T3
をトラッキング検出期間MTTP(2)とする。同様にロケー
ションR3,R4に対応する場合は、それぞれ時間T3
をトラッキング検出期間MTTP(3)、 MTTP(4)として書き
込む。
【0109】このようなTTP割込処理は、1トラック
の走査の間に、タイミング検出信号TTPの入力に応じ
て最大4回行なわれることになる。そして4回行なわれ
た場合は、そのトラック走査期間において各ロケーショ
ンR1〜R4で計測されたトラッキング検出期間の値
が、TTPタイミングレジスタ83においてMTTP(1)〜
TTP(4)として保持されることになる。
【0110】ただし、図27で説明したように必ずしも
1トラック走査期間に4波のタイミング検出信号TTP
が得られるとは限らない。このため1トラックの走査が
終了した時点でのTTPタイミングレジスタ83におけ
るデータとしては、トラッキング検出期間MTTP(1)〜M
TTP(4)のうちで値がゼロ(クリア時の値)のまま、つま
り計測されなかったものが残される場合もある。またト
ラッキング検出期間MTTP(1)〜MTTP(4)の全てが計測で
きなかった場合もある。
【0111】演算部80は、スイッチングパルスSWP
のエッジを検出したら、図12のSWP割込処理を開始
する。まずステップF301でTTPタイミングレジスタ8
2の記憶状況を確認する。即ち、その直前のトラックの
走査において、トラッキング検出期間MTTP(1)〜M
TT P(4)のうちで測定が行なわれたトラッキング検出期間
を判別する。そしてステップF302では、測定によりトラ
ッキング検出期間の値が取り込まれているもののそれぞ
れに対応して、処理中のチャンネル(Aアジマストラッ
クチャンネル/Bアジマストラックチャンネル)の計算
用レジスタ(84又は85)に対する書込/加算処理を
行なう。
【0112】スイッチングパルスSWPの立下りエッジ
が検出されてSWP割込処理が開始された場合は、その
直前にBアジマストラックで測定されたトラッキング検
出期間が、TTPタイミングレジスタ82においてM
TTP(1)〜MTTP(4)の値として保持されているはずである
ため、このMTTP(1)〜MTTP(4)のなかで計測値として存
在するものを、Bチャンネル計算用レジスタ85の対応
するロケーションのデータに対して加算する処理とな
る。つまりトラッキング検出期間MTTP(x) を、Bチャ
ンネル計算用レジスタ85に保持されている加算値M
SUM(x)に加算して、加算値MSUM(x)を更新する。例えば
TTPタイミングレジスタ82においてMTTP(1)とM
TTP(2)のみが計測値として保持されていた場合は、加算
値MSUM(1),加算値MSUM(2)が更新される。
【0113】一方、スイッチングパルスSWPの立上り
エッジが検出されてSWP割込処理が開始された場合
は、その直前にAアジマストラックで測定されたトラッ
キング検出期間が、TTPタイミングレジスタ82にお
いてMTTP(1)〜MTTP(4)の値として保持されているはず
である。そこで、このMTTP(1)〜MTTP(4)のなかで計測
値として存在するものを、Aチャンネル計算用レジスタ
84の対応するロケーションのデータに対して加算する
処理となる。つまりトラッキング検出期間MTTP(x)
を、Aチャンネル計算用レジスタ84に保持されている
加算値MSUM(x)に加算して、加算値MSUM(x)を更新す
る。
【0114】次にステップF303では、Aチャンネル計算
用レジスタ84もしくはBチャンネル計算用レジスタ8
5において、更新を行なった加算値MSUM(x)に対応する
加算数値MNUM(x)をインクリメントする。
【0115】そしてここまでの処理で直前のトラックの
走査に関する処理を終え、ステップF304からは次のトラ
ック走査に対する準備処理となる。まずステップF304で
は、この時点、つまりスイッチングパルスSWPのエッ
ジが検出された時点のフリーランニングカウンタ63の
カウント値を取り込み、スイッチングパルスのエッジタ
イミングMSWP とする。これは、次のTTP割込み処理
においてステップF202で用いられる値となる。そしてス
テップF305でTTPタイミングレジスタ83をクリアし
て図12の処理を終了する。この後、トラックの走査が
進み、タイミング検出信号TTPが検出された時点で図
11の処理が行なわれることになる。
【0116】図10のステップF102の処理として、この
図11、図12に示す割込処理が行なわれることで、ス
テップF102が終了した時点、例えば再生ヘッド16A,
16Bがそれぞれ30回程度の走査を行なった時点で
は、Aチャンネル計算用レジスタ84には、Aアジマス
トラックTKA における各ロケーションR1〜R4毎
に、各種のトラッキング位相状態で走査が行なわれた際
に計測されたトラッキング検出期間の累積加算値が、加
算値MSUM(1)〜MSUM(4)として保持されている。また、
加算値MSUM(1)〜MSUM(4)に対応して加算を行なったト
ラッキング検出期間のサンプル数が加算数値MNUM(1)〜
NUM(4)として保持されていることになる。
【0117】同様にBチャンネル計算用レジスタ85に
は、BアジマストラックTKB における各ロケーション
R1〜R4毎に、各種のトラッキング位相状態で走査が
行なわれた際に計測されたトラッキング検出期間の累積
加算値が、加算値MSUM(1)〜MSUM(4)として保持され、
また、加算値MSUM(1)〜MSUM(4)に対応して、加算を行
なったトラッキング検出期間のサンプル数が加算数値M
NUM(1)〜MNUM(4)として保持されている。
【0118】図10のステップF103では、このようなA
チャンネル計算用レジスタ84,Bチャンネル計算用レ
ジスタ85に保持されているデータを用いて基準値TB
(A),TB(B)を算出する。このステップF103の処
理は図13に示される。
【0119】まずステップF401〜F404として、各ロケー
ションで測定されたトラッキング検出期間の平均値AV
1〜AV4を求める。即ち加算値MSUM(1)を加算数値M
NUM(1)でわってロケーションR1についてのトラッキン
グ検出期間の平均値AV1を求め、また加算値MSUM(2)
を加算数値MNUM(2)でわってロケーションR2について
のトラッキング検出期間の平均値AV2を求める。同様
にロケーションR3,R4についての平均値AV3,A
V4を求める。各平均値AV1〜AV4が算出された
ら、ステップF405で、平均値AV1〜AV4のうち最大
の値を最大平均値AVMAX とする。またステップF406
で、平均値AV1〜AV4のうち最小の値を最小平均値
AVMIN とする。
【0120】そしてステップF407では、最大平均値AV
MAX と最小平均値AVMIN の平均を算出し、それを基準
値TBとする。つまり、この図13の処理をAチャンネ
ル計算用レジスタ84内のデータを用いて実行すること
で、算出された基準値TBは、AアジマストラックTK
A に関するATFトラッキング制御のための基準値TB
(A)とされ、またこの図13の処理をBチャンネル計
算用レジスタ85内のデータを用いて実行することで、
算出された基準値TBは、BアジマストラックTKB
関するATFトラッキング制御のための基準値TB
(B)とされることになる。
【0121】このように算出された基準値TB(A)、
基準値TB(B)は、図10のステップF104で基準値レ
ジスタ81に書き込まれて基準値設定処理が終了する。
以上のような基準値設定処理は、図6、図7で説明した
ように、走査軌跡とトラックの直線性が理想状態でない
ような場合でも、トラック全域に渡って或る程度の許容
トラッキング誤差内で走査を実行できるようにするため
の基準値となり、これにより、理想的なトラック/走査
関係が得られない場合でも再生時にトラッキングが大き
くはずれてエラーレートが増大してしまうということは
なくなる。このため再生装置としての再生性能や信頼性
は大きく向上する。
【0122】なお本例はトラックを4つのロケーション
にわけてタイミング検出信号TTPを検出する例で説明
したが、このような本例の基準値設定動作は、少なくと
も3つ以上のロケーションにわけてタイミング検出信号
TTPの検出処理を行なう場合に適用できるものであ
る。
【0123】5.第2の基準値設定動作例 次に、本発明の実施の形態としての第2の基準値設定動
作例を説明する。この例は、再生時にあるロケーション
において訂正不能なエラーが発生もしくは多発するよう
な状況が生じた場合に、それを解消するようなトラッキ
ング制御を実現するものである。換言すれば、エラー発
生状況に応じて基準値を補正設定するものといえる。
【0124】この動作を実現するために、システムコン
トローラ31は、再生動作時においてエラー発生状況を
監視している。図1から分かるように、エラー訂正処理
はC1デコーダ23,C2デコーダ24,C3デコーダ
25において行なわれる。各デコーダ23,24,25
は、訂正不能なエラーが存在した場合には、訂正不能発
生信号をシステムコントローラ31に供給している。
【0125】前述したように、エラー訂正コードC1及
びC3については、エラー訂正不能が発生した際に、そ
のエラー発生箇所をトラック上の位置として検出でき
る。即ちエラー訂正コードC1はフラグメント単位で完
結するために、訂正不能エラーについては、対応するフ
ラグメントアドレスからトラックTK上での位置を確認
できる。またエラー訂正コードC3は隣接トラック方向
にグループ単位で付加されるエラー訂正コードであるた
め、これも訂正不能箇所としてのトラックTK上での位
置を確認できる。つまりシステムコントローラ31は、
エラー訂正コードC1,C3による処理結果を監視して
いれば、ロケーションR1〜R4のそれぞれについての
訂正不能エラー発生状況を判別できることになる。
【0126】システムコントローラ31は再生動作時に
は図14のような処理を行なっている。C1デコーダ2
3もしくはC3デコーダ25で訂正不能エラーが発生し
た場合は、処理をステップF501からF502に進め、エラー
発生箇所に該当するロケーションを判別し、そのロケー
ションをロケーションRE とする。そしてロケーション
E =ロケーションR1であった場合は、ステップF503
からF504に進み、ロケーションR1に対応するエラーカ
ウンタRE1NUM をインクリメントする。
【0127】ロケーションRE =ロケーションR2であ
った場合は、ステップF505からF506に進み、ロケーショ
ンR2に対応するエラーカウンタRE2NUM をインクリ
メントする。ロケーションRE =ロケーションR3であ
った場合は、ステップF507からF508に進み、ロケーショ
ンR3に対応するエラーカウンタRE3NUM をインクリ
メントする。ロケーションRE =ロケーションR4であ
った場合は、ステップF509からF510に進み、ロケーショ
ンR4に対応するエラーカウンタRE4NUM をインクリ
メントする。
【0128】再生時にこのような処理を行なっていくこ
とにより、エラーカウンタRE1NU M 〜RE4NUM の値
から、特定のロケーションのみにおいて訂正不能エラー
が発生もしくは多発しているか否かを判別できる。
【0129】ある特定のロケーションにおいて、他のロ
ケーションに比べて訂正不能エラーが多発していること
が観測された場合は、次の基準値設定処理の際に、図1
5のような処理を行なうことになる。なお基準値設定処
理としての全体の処理は前述した図10と同様であり、
図10のステップF103の処理として、前述した図13に
代えて図15の処理が行なわれるものである。
【0130】図15の平均値処理及び基準値計算処理と
して、ステップF601〜F606の処理は、図13のステップ
F401〜F406の処理と同様であり、つまりAチャンネル計
算用レジスタ84もしくはBチャンネル計算用レジスタ
85に保持された値から、各ロケーションでのトラッキ
ング検出期間の平均値AV1〜AV4を得、さらにその
なかの最大平均値AVMAX と最小平均値AVMIN を判別
するものである。
【0131】ステップF607では、図14の処理でカウン
トされたエラーカウンタRE1NUM〜RE4NUM の各値
を確認し、その中の最大値を判別する。つまり最もエラ
ー発生回数が多かったロケーション、もしくは1回でも
訂正不能エラーが発生したロケーションを判別すること
になる。なお、エラーカウンタRE1NUM 〜RE4NUM
の各値がほぼ同レベルであった場合は、或る1つを最大
値として検出しないようにしてもよい。つまり、突出し
てエラー発生が多いロケーションを判別するという意味
で、ステップF607では、エラーカウンタRE1NUM 〜R
E4NUM の各値が異なる値ではあるが、ほぼ同レベルと
いえるものであった場合は、最大値の該当なしと判断す
るようにし、図13で説明したような基準値算出処理
(ステップF407) を実行してもよい。また、訂正不能エ
ラーが1回でも発生したロケーションについては、その
すべてを、ここでいう最大値に該当させてもよい。
【0132】突出してエラーが多い或るロケーションが
判別されたら、ステップF608で、平均値AV1〜AV4
の中でそのロケーションに該当する平均値をAVE とす
る。
【0133】そしてステップF609では平均値AVE に重
みづけを与えた上で、最大平均値AVMAX 、最小平均値
AVMIN 、平均値AVE の平均をとる。この場合、最大
平均値AVMAX と最小平均値AVMIN について平均をと
り、さらにその平均値と、平均値AVE に係数Kを乗算
した値についての平均値をとって、それを基準値TBと
している。
【0134】このようにエラー発生ロケーションについ
ての比重を上げて基準値TB(TB(A)及びTB
(B))を設定することで、基準値TBに基づいたAT
Fトラッキング動作では、エラー発生頻度が高いロケー
ションにおけるトラッキング状態を適正な状態にし、エ
ラー発生を解消することができる。このような動作は通
常の再生の際に行なってもよいが、特にデータ再生エラ
ーにより、再度同一箇所の再生リトライを行なうような
場合に特に好適なものとなる。そして再生リトライ時に
は、このような基準値に基づいてデータ検出不能箇所に
対して重点をおいたトラッキングが行なわれるため、や
みくもにトラッキング状態を変化させて再生リトライを
行なう場合よりも効率的に短時間でリトライデータ再生
を完了することができる。
【0135】また、このような方式で基準値TBを設定
した後の再生動作時で、他のロケーションでエラー発生
頻度が高くなった場合は、再度同様の基準値設定処理を
行ない、そのロケーションの比重を上げた基準値を計算
すればよく、このような動作を繰り返すことで、最適な
基準値に収束していくことになる。
【0136】なお、説明上、基準値計算時の比重を上げ
るロケーションを、エラー頻度の高いロケーションと述
べたが、DDS再生装置のようにコンピュータデータを
扱う機器では訂正不能エラーの発生は完全に無くすこと
が求められる。従って、ここでいう『エラー頻度が高
い』という意味は、あるロケーションで1回でも訂正不
能エラーが発生したらこれに該当するとして処理するこ
とが好適である。一方、オーディオ再生装置のように、
或る程度のエラーは許されるものであれば、訂正不能エ
ラーが度重なるようなロケーションについて比重を上げ
るようにしてもよい。
【0137】ところで、エラー発生ロケーションについ
ての比重を上げたステップF609での基準値TBの計算方
法としては、他にも各種考えられる。例えば、 TB={(AV1+AV2+AV3+AV4)/2+A
E・K }/2 としてもよく、また複数のロケーションでかなりのエラ
ー頻度が観測された場合は、その複数のロケーションで
のトラッキング検出期間の平均値の平均を取るようにし
てもよい。
【0138】なお、このように本発明の、エラー発生ロ
ケーションについてトラッキング制御の比重を高くする
という技術は、少なくとも1トラックにつき2以上のロ
ケーションを設定して、2以上のタイミング検出パルス
を得るようにした場合に適用できるものである。
【0139】6.第3の基準値設定動作例 次に、本発明の実施の形態としての第3の基準値設定動
作例を説明する。この例は、設定される基準値をより誤
差のない正確な値にできるようにするものである。
【0140】磁気テープ90上のトラックTKの位置
は、その記録を行なった記録装置の記録位置調整誤差等
に起因するずれとして、テープ幅方向に±26μmまで
許容されている。ところが再生装置側にもやはり調整誤
差は存在するため、合わせて約±50μm前後の誤差を
考慮する必要がある。つまり基準値設定時には、タイミ
ング測定ずれとして、トラッキング換算で±50μm前
後のずれを考慮しなければならない。
【0141】また、検出データには必ず誤検出という問
題は存在し、特にトラッキングがずれているような状態
では、本来の位置PTTP 以外でタイミング検出信号TT
Pが検出されるということも起こりうる。そして基準値
設定動作時には図5に示した走査からわかるようにトラ
ッキングがずれている状態での走査が頻繁に行なわれる
ことになり、誤検出の点では不利である。
【0142】そして、本来の位置PTTP より大きく離れ
た位置でタイミング検出信号TTPが検出されてしまっ
たような場合は、算出される基準値TBに大きな誤差が
生ずることはこれまでの基準値設定動作の説明から理解
される。そこで、本例ではこのような誤検出によるタイ
ミング検出信号TTPをキャンセルすることで、基準値
を誤差なく設定できるようにするものである。
【0143】基準値設定の際の処理は図17のようにな
る。この図17の処理においてステップF701、F704、F7
05は、それぞれ前述した図10のステップF101、F103、
F104と同様であるため説明を省略する。本例ではステッ
プF702としてウインドウ設定処理が行なわれること、及
びそれに応じてステップF703内の処理として実行される
TTP割込み処理が多少異なるものとなる。
【0144】基準値設定処理が開始されると、ステップ
F701の計算開始処理に続いてステップF702のウインドウ
設定処理が行なわれる。この処理は、基準値設定処理に
おける最初の再生動作として、各アジマストラックTK
A ,TKB に対して、それぞれ1〜2フレーム間、もし
くは3〜30個程度のトラッキング検出期間の計測値サ
ンプルを得、その計測値サンプルに基づいてウインドウ
値W1〜W4を設定する処理である。このステップF702
のウインドウ設定処理は図18に示される。まずステッ
プF801としてトラッキング検出期間MTTP の計測値サン
プルとして、各アジマストラックTKA ,TKB につい
て或るロケーションでのトラッキング検出期間MTTP(x)
を3つ以上集める。
【0145】次に、ステップF802として集められた計測
値サンプルのうちで最大値と最小値となるサンプルを除
き、確実に誤検出ではないとみなすことのできる計測値
サンプルを残す。そしてステップF803では、残された計
測値サンプルの平均をとって、ウインドウを設定する。
例えば、その平均値を中心にトラッキング換算で±20
μm程度の幅となるウインドウ値を設定する。
【0146】この動作を図16で模式的に説明する。い
まロケーションR1における位置PTTP1から検出された
タイミング検出信号TTPに基づいて計測されたトラッ
キング検出期間MTTP1の計測値サンプルを3個以上集め
たとする。この各計測値サンプルは、位置PTTP1の走査
タイミングを中心に分布していることになる。そして誤
検出の可能性を考慮して最大/最小値となるサンプルを
除外し、平均をとれば、それはほぼ正確に位置PTTP1に
対応するタイミング値であるといえる。そこで、そのタ
イミング値を中心としてトラッキング換算で±20μm
となる範囲は、タイミングでいうと図16のTW1,T
W2になるとする。このとき、ウインドウW1は、TW
1〜TW2のタイミング範囲と設定するものである。
【0147】図18は1つのロケーションに対応した処
理として示したが、ウインドウ設定処理時の走査により
各ロケーションR1〜R4についてそれぞれトラッキン
グ検出期間MTTP1〜MTTP4の計測値サンプルを集めて、
それぞれのロケーションについてステップF802,F803 の
処理を行なうことで、図16に示すように各ロケーショ
ンでのウインドウW1〜W4を設定する。設定したウイ
ンドウW1〜W4は図8に示したウインドウメモリ87
に保持させることになる。ウインドウW2としてのTW
3〜TW4のタイミング範囲、ウインドウW3としての
TW5〜TW6のタイミング範囲、ウインドウW4とし
てのTW7〜TW8のタイミング範囲は、それぞれ実際
の位置PTTP2,PTTP3,PTTP4を中心としてトラッキン
グ換算で例えば±20μmとなる範囲でのタイミング期
間とされる。
【0148】なお、このように各ロケーションR1〜R
4についてそれぞれウインドウW1〜W4となる値を算
出するほか、例えば1つのロケーションについてウイン
ドウを設定したら、他のロケーションについては標準時
間差TLa〜TLc等を用いて、計算により他のウイン
ドウを設定するようにしてもよい。
【0149】このようにウインドウW1〜W4が設定さ
れたら、続いて図17のステップF703に進む。ここでの
タイミング検出及び加算処理は上述した第1の基準値設
定動作例におけるそれとほぼ同様となるが、TTP割込
み処理に関しては図11と異なり図19のようになる。
ただし、図19のステップF901〜F903、F905,F906 は図
11のステップF201〜F203、F204,F205 と同様である。
【0150】ここでは、タイミング検出信号TTPの入
力に応じて時間T2が得られたら、ステップF903で時間
T2とウインドウ値W1〜W4を比較して、そのタイミ
ング検出信号TTPがどのロケーションからのタイミン
グ検出信号TTPであるかを判別することになるが、ウ
インドウメモリ87にセットされているウインドウ値W
1〜W4が例えば図16のように設定されていること
で、時間T2がどのウインドウ値にも該当しない場合が
ある。
【0151】時間T2がどのウインドウ値にも該当しな
い場合とは、入力されたタイミング検出信号TTPが、
実際に位置PTTP1,PTTP2,PTTP3,PTTP4でのタイミ
ングのいづれからも、かなり離れたタイミングで検出さ
れたものといえる。即ちこれは、誤検出の可能性が高
く、基準値の計算に悪影響を及ぼすデータであるといえ
る。そこで、該当なしの場合はステップF904から処理を
終了し、そのときのタイミング検出信号TTPについて
は、基準値計算に用いないようにするものである。そし
て時間T2が或るウインドウ値に該当した場合は、或る
ロケーションに対応する適正なデータであるとし、ステ
ップF905,F906 の加算処理を実行する。
【0152】このように検出ウインドウを或る程度狭く
設定し、これにより不適切なタイミング検出信号TTP
を排除して基準値設定処理を実行することで、基準値設
定精度を上げ、より良好なATFトラッキング動作を実
現できる、またこれにより少ないトラッキング検出時間
サンプル数の短時間の基準値設定動作でも精度の高い基
準値を得ることができ、基準値設定動作を迅速化でき
る。
【0153】なお本例の場合、4か所のロケーションに
対応してウインドウ値W1〜W4を設定するものとして
説明したが、ウインドウ設定により誤検出データを排除
するという本発明の技術は、他のロケーション数を設定
する方式、及びトラックを複数のロケーションに分割せ
ず1か所の位置からタイミング検出信号TTPを検出す
る方式を採用した場合でも適用できるものである。
【0154】
【発明の効果】以上説明したように本発明の再生装置で
は、タイミングATF方式でトラッキングサーボを行な
うためのトラッキングサーボ制御の基準値の設定処理時
に、トラックに対して3つ以上のロケーションを設定し
て、各ロケーション内で決められた所定位置において得
られるタイミング検出信号によりそれぞれトラッキング
検出期間を計測し、各ロケーション毎に計測値の平均値
を算出するとともに、得られた各ロケーションでの平均
値のうちの最大値と最小値を用いた演算処理で基準値を
算出するようにしている。このため、基準値はトラック
全域にわたってほぼ均等なトラッキング状態を実現する
ための値となり、特に再生走査軌跡とトラック形状の関
係が理想的でない場合でもトラック全域にわたって良好
なトラッキングを実現することができる。従って各種の
磁気テープにわたって良好なエラーレートでの再生動作
が可能になり、テープカセットに対する互換性能、再生
性能の向上及び再生装置としての信頼性の向上を実現で
きるという効果がある。
【0155】また本発明では、同じくタイミングATF
方式でトラッキングサーボを行なうように構成された再
生装置において、再生時に最もエラーレートの悪いロケ
ーションを判別し、基準値設定処理時において、各ロケ
ーション内での所定位置において得られるタイミング検
出信号によりそれぞれトラッキング検出期間を計測し、
その計測により得られた各ローケションでの演算値の全
部又は一部を基準値算出演算に用い、かつ最もエラーレ
ートの悪いロケーションについての演算値に対しては計
算比重を上げて基準値算出演算に用いるようにして、基
準値を算出している。これにより、特にエラーレートの
悪いロケーションが存在するような場合でも、そのロケ
ーションでエラーが集中的に発生するような状況を回避
し、全体としてのエラーレート向上を実現できる。特に
再生リトライを実行する際には、エラー発生箇所に対す
る効率的なトラッキングを実現でき、迅速に再生リトラ
イを完了できるという利点がある。
【0156】また本発明では、同じくタイミングATF
方式でトラッキングサーボを行なうように構成された再
生装置において、タイミングATF動作のための基準値
設定処理時に、所定位置に対応するタイミング検出信号
が得られる期間を規定するウインドウを設定し、当該ウ
インドウ内となる期間内で得られたタイミング検出信号
によって求められるトラッキング検出期間の計測値に基
づいて基準値を算出するようにしているため、基準値算
出の際に不適切なサンプルが排除され、これによって算
出される基準値の値をより的確なものとすることができ
る。従ってより正確なトラッキング動作が実行され、機
器の信頼性向上に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の記録再生装置のブロック
図である。
【図2】実施の形態の記録再生装置の回転ヘッドドラム
の説明図である。
【図3】実施の形態の記録再生装置のキャプスタンサー
ボ系のブロック図である。
【図4】実施の形態の記録再生装置のキャプスタンサー
ボ系の動作の説明図である。
【図5】実施の形態での基準値設定時の走査の説明図で
ある。
【図6】実施の形態での基準値設定動作の説明図であ
る。
【図7】実施の形態の基準値設定によるトラッキング状
態の説明図である。
【図8】実施の形態の基準値設定に用いるレジスタ構成
の説明図である。
【図9】実施の形態の基準値設定に用いるウインドウの
説明図である。
【図10】第1、第2の実施の形態の基準値設定処理の
フローチャートである。
【図11】第1、第2の実施の形態のTTP割込処理の
フローチャートである。
【図12】第1、第2、第3の実施の形態のSWP割込
処理のフローチャートである。
【図13】第1、第3の実施の形態の平均値処理及び基
準値計算処理のフローチャートである。
【図14】第2の実施の形態の再生時のエラー位置検出
処理のフローチャートである。
【図15】第2の実施の形態の平均値処理及び基準値計
算処理のフローチャートである。
【図16】第3の実施の形態の基準値設定に用いるウイ
ンドウの説明図である。
【図17】第3の実施の形態の基準値設定処理のフロー
チャートである。
【図18】第3の実施の形態のウインドウ設定処理のフ
ローチャートである。
【図19】第3の実施の形態のTTP割込処理のフロー
チャートである。
【図20】DDS3方式のテープ上に形成されるトラッ
クの説明図である。
【図21】DDS3方式でのトラックフォーマットの説
明図である。
【図22】ヘリカルスキャン方式のトラックの説明図で
ある。
【図23】タイミングATF動作の説明図である。
【図24】タイミングATFのための基準値設定動作の
説明図である。
【図25】各種のトラックと走査軌跡の関係の説明図で
ある。
【図26】タイミングATF時のロケーション設定の説
明図である。
【図27】基準値設定の際にトラッキング検出期間を計
測できないロケーションの説明図である。
【符号の説明】
1 インターフェース部、2 インデックス付加回路、
3 C3エンコーダ、4 C2エンコーダ、5 C1エ
ンコーダ、6 メモリ、7 サブコード付加回路、8
サブコード発生部、9 ヘッダパリティ付加回路、10
8/10変調回路、11 同期信号付加回路、12
マージン付加回路、13 記録アンプ、14,17 ロ
ータリートランス、15,15A,15B 記録ヘッ
ド、16,16A,16B 再生ヘッド、18 再生ア
ンプ、19 同期信号検出回路、20 10/8復調回
路、21 ヘッダパリティチェック回路、22 サブコ
ード分離回路、23 C1デコーダ、24 C2デコー
ダ、25 C3デコーダ、26 インデックス分離回
路、27 タイミング検出パルス生成回路、28 キャ
プスタン、29 ピンチローラ、30 サーボ回路、3
1 システムコントローラ、32 ドラムモータドライ
バ、33 ドラムモータ、34 キャプスタンモータド
ライバ、35 キャプスタンモータ、36 ドラムP
G、37 ドラムFG、38,39,41 アンプ、4
0 キャプスタンFG、50 回転ヘッドドラム、61
タイミングATF処理部、62 スイッチングパルス
生成部、63フリーランニングカウンタ、64 サーボ
スイッチ、65 キャプスタン基準速度発生部、66
減算器、67 速度サーボ信号生成部、80 演算部、
81基準値レジスタ、82 SWPタイミングレジス
タ、83 TTPタイミングレジスタ、84 Aチャン
ネル計算用レジスタ、85 Bチャンネル計算用レジス
タ、86 標準時間差メモリ、87 ウインドウメモリ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転ドラムに配されたヘッドにより、テ
    ープ状記録媒体において傾斜トラックとして記録されて
    いるデータの再生を行なう際に、回転ドラムが1回転周
    期内の基準位相位置となる時点から前記ヘッドがトラッ
    ク上の所定位置に対応してタイミング検出信号が得られ
    る時点までとなるトラッキング検出期間を計測し、この
    トラッキング検出期間の計測値を、設定されたトラッキ
    ング検出期間の基準値と比較することで、テープ状記録
    媒体の走行速度と回転ドラムの回転速度との相対速度に
    対するサーボ制御信号を生成してトラッキングサーボを
    行なうように構成された再生装置において、 基準値設定処理時には、トラックに対して3つ以上のロ
    ケーションを設定して、各ロケーション内で決められた
    所定位置において得られるタイミング検出信号によりそ
    れぞれトラッキング検出期間を計測し、各ロケーション
    毎に計測値の平均値を算出するとともに、得られた各ロ
    ケーションでの平均値のうちの最大値と最小値を用いた
    演算処理で前記基準値を算出する基準値設定手段を備え
    たことを特徴とする再生装置。
  2. 【請求項2】 回転ドラムに配されたヘッドにより、テ
    ープ状記録媒体において傾斜トラックとして記録されて
    いるデータの再生を行なう際に、回転ドラムが1回転周
    期内の基準位相位置となる時点から前記ヘッドがトラッ
    ク上の所定位置に対応してタイミング検出信号が得られ
    る時点までとなるトラッキング検出期間を計測し、この
    トラッキング検出期間の計測値を、設定されたトラッキ
    ング検出期間の基準値と比較することで、テープ状記録
    媒体の走行速度と回転ドラムの回転速度との相対速度に
    対するサーボ制御信号を生成してトラッキングサーボを
    行なうように構成された再生装置において、 トラックに対して複数のロケーションを設定し、各ロケ
    ーションについて再生時のエラー発生状況を検出し、最
    もエラーレートの悪いロケーションを判別するエラー発
    生ロケーション検出手段と、 基準値設定処理時において、前記各ロケーション内での
    所定位置において得られるタイミング検出信号によりそ
    れぞれトラッキング検出期間を計測し、その計測により
    得られた各ローケションでの演算値の全部又は一部を基
    準値算出演算に用い、かつ前記エラー発生ロケーション
    検出手段によって検出された最もエラーレートの悪いロ
    ケーションについての演算値に対しては計算比重を上げ
    て基準値算出演算に用いるようにして、基準値を算出す
    る基準値設定手段と、 を備えたことを特徴とする再生装置。
  3. 【請求項3】 回転ドラムに配されたヘッドにより、テ
    ープ状記録媒体において傾斜トラックとして記録されて
    いるデータの再生を行なう際に、回転ドラムが1回転周
    期内の基準位相位置となる時点から前記ヘッドがトラッ
    ク上の所定位置に対応してタイミング検出信号が得られ
    る時点までとなるトラッキング検出期間を計測し、この
    トラッキング検出期間の計測値を、設定されたトラッキ
    ング検出期間の基準値と比較することで、テープ状記録
    媒体の走行速度と回転ドラムの回転速度との相対速度に
    対するサーボ制御信号を生成してトラッキングサーボを
    行なうように構成された再生装置において、 基準値設定処理時において、前記所定位置に対応するタ
    イミング検出信号が得られる期間を規定するウインドウ
    を設定し、当該ウインドウ内となる期間内で得られたタ
    イミング検出信号によって求められるトラッキング検出
    期間の計測値に基づいて基準値を算出する基準値設定手
    段を備えたことを特徴とする再生装置。
JP8073036A 1996-03-05 1996-03-05 再生装置 Withdrawn JPH09245394A (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8073036A JPH09245394A (ja) 1996-03-05 1996-03-05 再生装置
GB9723095A GB2315152B (en) 1996-03-05 1997-03-05 Tracking control apparatus for tape-shaped recording medium
US08/945,269 US6078459A (en) 1996-03-05 1997-03-05 Tracking controller for a tape-like recording medium
PCT/JP1997/000688 WO1997033279A1 (fr) 1996-03-05 1997-03-05 Controleur de suivi d'enregistrement pour support d'enregistrement du type bande
US09/488,444 US6172835B1 (en) 1996-03-05 2000-01-20 Tracking controller for a tape-like recording medium
US09/488,446 US6266204B1 (en) 1996-03-05 2000-01-20 Tracking controller for a tape-like recording medium
US09/488,445 US6185062B1 (en) 1996-03-05 2000-01-20 Tracking controller for a tape-like recording medium

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Publications (1)

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JPH09245394A true JPH09245394A (ja) 1997-09-19

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ID=13506738

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JP (1) JPH09245394A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7057845B2 (en) 2003-01-17 2006-06-06 Sony Corporation Reproducing apparatus and reproducing method for reproducing data by scanning slant tracks using a plurality of reproducing heads
US7420758B2 (en) 2003-01-24 2008-09-02 Sony Corporation Head system, recording and reproduction system, and magnetic recording method

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US7057845B2 (en) 2003-01-17 2006-06-06 Sony Corporation Reproducing apparatus and reproducing method for reproducing data by scanning slant tracks using a plurality of reproducing heads
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