JPH0924043A - X線画像作成方法、x線画像作成装置及びx線ctスキャナ - Google Patents

X線画像作成方法、x線画像作成装置及びx線ctスキャナ

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JPH0924043A
JPH0924043A JP7173580A JP17358095A JPH0924043A JP H0924043 A JPH0924043 A JP H0924043A JP 7173580 A JP7173580 A JP 7173580A JP 17358095 A JP17358095 A JP 17358095A JP H0924043 A JPH0924043 A JP H0924043A
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真浩 尾嵜
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Abstract

(57)【要約】 【課題】オペレータの負担を軽減させ、補正後の投影デ
ータへのノイズ発生を抑制し、CT値の信頼性を向上さ
せる。 【解決手段】患者Pの撮像部位を透過したX線により得
られた投影データを準備する架台1、寝台2、X線管
3、X線出力制御装置3A、X線検出器4、回動機構
5、データ収集装置6と、エアを対象としたエア補正デ
ータ及び水を対象とした複数のマトリクスサイズ分の水
補正データをそれぞれ個別に準備するメモリ8及びメモ
リ9と、投影データ及びエア補正データに基づいて撮像
部位のサイズを求める被検体サイズ測定部7の図2のス
テップS1〜S15の処理と、求められた撮像部位のサ
イズに適合したマトリクスサイズの水補正データを選択
する図2のステップS16の処理と、投影データを第1
の補正データ及び選択された第2の補正データに基づい
て再構成して撮像部位の画像を作成する補正データ演算
部10及び画像再構成部11とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被検体内の撮像部位を
透過したX線により得られた投影データに基づいて前記
撮像部位の画像を作成するX線画像作成方法、X線画像
作成装置及びX線CTスキャナに係わり、特に、CT値
の校正用や検出器感度の補正用のデータ(キャリブデー
タ)を被検体のサイズに自動的に適合させるようにした
X線画像作成方法、X線画像作成装置及びX線CTスキ
ャナ。
【0002】
【従来の技術】X線CTスキャナは、X線により被検体
内をスキャンして得られた当該被検体内のX線吸収係数
からなる投影データに基づいて前記被検体内の画像を再
構成するものであり、骨等で囲まれた部位等も鮮明に画
像化できることから、開発以来急速に普及し、現在に至
っている。
【0003】ところで、CT装置では、実際にスキャン
して得られた投影データを直接再構成すると、得られた
再構成後の各CT値は、同一被検体の同一部位をスキャ
ンした場合でも異なる装置間でばらつくため、当該装置
間で診断結果を比較することが難しく、また、得られた
投影データは、その投影データを検出する複数の検出器
間の感度ばらつきを含んでいるため、この感度ばらつき
の補正も必要である。
【0004】このため、CT装置では、実際に得られた
投影データに対し、ピクセル値をある基準となるスケー
ルに合わせるための校正や検出器間の感度補正を行なう
ための補正データ(キャリブデータ)を予め求めてお
き、このキャリブデータを用いて実際の投影データを補
正することで上述した問題を解決している。
【0005】キャリブデータは、上記CT値校正用の水
補正データと上記検出器感度補正用のエア補正データと
から構成されている。水補正データは、水だけを詰めた
円形のファントムをスキャンし、この結果得られた投影
データのことであり、また、エア補正データは、スキャ
ン対象がなにもない状態(空気(エア)のみ)でスキャ
ンして得られた投影データのことである。
【0006】水補正データは、ファントムの大きさ(直
径)により、マトリクスサイズ1(直径a1 )〜マトリ
クスサイズn(直径an )と各種用意されているため、
当該水補正データ及びエア補正データとから構成された
キャリブデータも、上記マトリクスサイズ1〜マトリク
スサイズnに対応した各種マトリクスサイズが用意され
ている。そして、オペレータは、予め被検体の体型等を
考慮して最適なマトリクスサイズのキャリブデータをマ
ニュアルで設定していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
CT装置では、キャリブデータのマトリクスサイズをオ
ペレータがマニュアルで設定していたため、オペレータ
の負担が大であった。また、図9に示すように、オペレ
ータの不注意や長距離ヘリカルスキャン実行時等におけ
る撮像部位の変化(図10参照)等により被検体の撮像
部位(スライス面)のサイズと比べてキャリブデータの
マトリクスサイズがかなり大きく設定されていた場合で
は、ビームハードニングの影響により、得られた補正後
の投影データにはノイズが多く発生し、また、CT値の
信頼性も低下してしまった。
【0008】本発明は上述した事情に鑑みてなされたも
ので、キャリブデータあるいは水補正データのマトリク
スサイズを被検体の撮像部位のサイズに自動的に合わせ
ることにより、オペレータの負担を軽減させるととも
に、撮像部位のサイズとキャリブデータのマトリクスサ
イズとの不適合に伴う補正後の投影データへのノイズ発
生を抑制し、CT値の信頼性を向上させるX線画像作成
方法、X線画像作成装置及びX線CTスキャナを提供す
ることをその目的とする。
【0009】また、本発明では、画像を再構成するまで
の全体処理時間を短縮可能な画像作成方式を提供するこ
ともその目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
請求項1に記載したX線画像作成装置によれば、被検体
の撮像部位を透過したX線により得られた投影データを
準備する第1の準備手段と、エア等の第1の基準物質を
対象とした第1の補正データ及び水等の第2の基準物質
を対象とした複数のマトリクスサイズ分の第2の補正デ
ータをそれぞれ個別に準備する第2の準備手段と、少な
くとも前記投影データに基づいて前記撮像部位のサイズ
を求めるサイズ演算手段と、前記サイズ演算手段により
求められた当該撮像部位のサイズに適合したマトリクス
サイズの第2の補正データを選択する選択手段と、前記
投影データを前記第1の補正データ及び前記選択された
第2の補正データに基づいて再構成して前記撮像部位の
画像を作成する作成手段とを備えている。
【0011】特に、請求項2に記載したX線画像作成装
置によれば、前記サイズ演算手段は前記投影データ及び
前記第1の補正データに基づいて前記撮像部位のサイズ
を求めるようにしている。
【0012】また特に、請求項3に記載したX線画像作
成方法によれば、被検体の撮像部位を透過したX線によ
り得られた投影データを準備するとともに、エア等の第
1の基準物質を対象とした第1の補正データ及び水等の
第2の基準物質を対象とした複数のマトリクスサイズ分
の第2の補正データを準備したX線画像作成方法におい
て、少なくとも前記投影データに基づいて前記撮像部位
のサイズを求めるステップと、前記ステップにより求め
られた当該撮像部位のサイズに適合したマトリクスサイ
ズの第2の補正データを選択するステップと、前記投影
データを前記第1の補正データ及び前記選択された第2
の補正データに基づいて再構成して前記撮像部位の画像
を作成するステップとを備えている。
【0013】一方、前記目的を達成するため請求項4に
記載したX線CTスキャナによれば、被検体を透過した
X線を受けるX線検出器を備え、前記X線検出器の出力
に基づいて投影データを得るX線CTスキャナにおい
て、エア等の第1の基準物質を対象とした第1の補正デ
ータ及び水等の第2の基準物質を対象とした複数のマト
リクスサイズ分の第2の補正データをそれぞれ個別に準
備する準備手段と、少なくとも前記投影データに基づい
て前記撮像部位のサイズを求めるサイズ演算手段と、前
記サイズ演算手段により求められた当該撮像部位のサイ
ズに適合したマトリクスサイズの第2の補正データを選
択する選択手段と、前記投影データを前記第1の補正デ
ータ及び前記選択された第2の補正データに基づいて再
構成して前記撮像部位の画像を作成する作成手段とを備
えている。
【0014】また、特に、請求項6に記載したX線CT
スキャナによれば、前記X線検出器は複数の検出チャン
ネルを有するとともに、前記サイズデータ演算手段は、
前記投影データから前記第1の補正データを各チャンネ
ル毎に減算して第1の補正投影データを作成する減算手
段と、前記第1の補正投影データの値が所定の閾値より
高いか否かを各チャンネル毎に判断する判断手段と、前
記判断の結果得られた前記閾値より高いデータ値を有す
るチャンネルの位置,チャンネルピッチ,及び当該各チ
ャンネルと前記被検体との位置関係に基づいて前記サイ
ズを求める手段とを備えている。
【0015】さらに請求項7に記載したX線CTスキャ
ナによれば、前記作成手段は、前記第1の補正投影デー
タから前記選択されたマトリクスサイズの第2の補正デ
ータを減算処理して第2の補正投影データを作成する手
段と、前記第2の補正投影データを再構成して前記撮像
部位の画像を作成する手段とを備えている。
【0016】さらに請求項8に記載したX線CTスキャ
ナによれば、前記作成手段は、前記補正投影データを再
構成して第1の補正画像データを作成する手段と、前記
選択されたマトリクスサイズの第2の補正データを再構
成して第2の補正画像データを作成する手段と、前記第
1の補正画像データから前記第2の補正画像データを減
算処理して前記撮像部位の画像を作成する手段とを備え
ている。
【0017】前記目的を達成するために、請求項9に記
載したX線CTスキャナによれば、被検体を透過したX
線を受けるX線検出器を備え、前記X線検出器の出力に
基づいて投影データを得るX線CTスキャナにおいて、
エア等の第1の基準物質を対象とした補正データ及び水
等の第2の基準物質を対象とした複数のマトリクスサイ
ズ分の補正画像データをそれぞれ個別に準備する準備手
段と、少なくとも前記投影データに基づいて前記撮像部
位のサイズを求めるサイズ演算手段と、前記サイズ演算
手段により求められた当該撮像部位のサイズに適合した
マトリクスサイズの補正画像データを選択する選択手段
と、前記投影データを前記補正データ及び前記選択され
た補正画像データに基づいて再構成して前記撮像部位の
画像を作成する作成手段とを備えている。
【0018】特に、請求項10に記載したX線CTスキ
ャナによれば、前記サイズ演算手段は前記投影データ及
び前記補正データに基づいて前記撮像部位のサイズを求
めるようにしている。
【0019】また特に、請求項11に記載したX線CT
スキャナによれば、前記X線検出器は複数の検出チャン
ネルを有するとともに、前記サイズデータ演算手段は、
前記投影データから前記補正データを各チャンネル毎に
減算して補正投影データを作成する減算手段と、前記補
正投影データの値が所定の閾値より高いか否かを各チャ
ンネル毎に判断する判断手段と、前記判断の結果得られ
た前記閾値より高いデータ値を有するチャンネルの位
置,チャンネルピッチ,及び当該各チャンネルと前記被
検体との位置関係に基づいて前記サイズを求める手段と
を備えている。
【0020】さらに、請求項12に記載したX線CTス
キャナによれば、前記作成手段は、前記補正投影データ
を再構成して第1の補正画像データを作成する手段と、
前記第1の補正画像データから前記選択されたマトリク
スサイズの補正画像データを減算処理して前記撮像部位
の画像を作成する手段とを備えている。る。
【0021】さらにまた、請求項13に記載したX線C
Tスキャナによれば、被検体を透過したX線を受けるX
線検出器を備え、前記X線検出器の出力に基づいて投影
データを得るX線CTスキャナにおいて、エア等の第1
の基準物質を対象とした第1の補正データを準備すると
ともに、前記第1の補正データと水等の第2の基準物質
を対象とした複数のマトリクスサイズ分の第2の補正デ
ータとから作成された複数のマトリクスサイズ分のキャ
リブデータを準備する準備手段と、少なくとも前記投影
データに基づいて前記撮像部位のサイズを求めるサイズ
演算手段と、前記サイズ演算手段により求められた当該
撮像部位のサイズに適合したマトリクスサイズのキャリ
ブデータを選択する選択手段と、前記投影データを前記
選択されたマトリクスサイズのキャリブデータに基づい
て再構成して前記撮像部位の画像を作成する作成手段と
を備えている。
【0022】
【作用】請求項1乃至3に記載した発明によれば、準備
手段によりエア等の第1の基準物質を対象とした第1の
補正データ及び水等の第2の基準物質を対象とした複数
のマトリクスサイズ分の第2の補正データがそれぞれ個
別に準備され、サイズ演算手段により、投影データと例
えば第1の補正データにより撮像部位のサイズが求めら
れる。そして、当該撮像部位のサイズに適合したマトリ
クスサイズの第2の補正データが選択手段により選択さ
れ、作成手段により投影データが第1の補正データ及び
選択された第2の補正データに基づいて再構成されて撮
像部位の画像が作成される。
【0023】請求項4乃至8に記載した発明によれば、
被検体を透過したX線を受けるX線検出器を備えてお
り、このX線検出器は例えば複数の検出チャンネルを有
している。
【0024】そして、準備手段により、エア等の第1の
基準物質を対象とした第1の補正データ及び水等の第2
の基準物質を対象とした複数のマトリクスサイズ分の第
2の補正データがそれぞれ個別に準備され、投影データ
と例えば第1の補正データに基づいて撮像部位のサイズ
が求められる。
【0025】例えば、減算手段により投影データから第
1の補正データが各チャンネル毎に減算して補正投影デ
ータが作成され、判断手段により補正投影データの値が
所定の閾値より高いか否かが各チャンネル毎に判断され
る。そして、判断の結果得られた閾値より高いデータ値
を有するチャンネルの位置,チャンネルピッチ,及び当
該各チャンネルと前記被検体との位置関係に基づいて撮
像部位のサイズが求められる。
【0026】この撮像部位のサイズに適合したマトリク
スサイズの第2の補正データが選択手段により選択さ
れ、投影データが第1の補正データ及び選択された第2
の補正データに基づいて再構成手段により再構成されて
撮像部位の画像が作成される。
【0027】例えば、第1の補正投影データから選択さ
れたマトリクスサイズの第2の補正データが減算処理さ
れて第2の補正投影データが作成され、その第2の補正
投影データが再構成されて前記撮像部位の画像が作成さ
れるか、あるいは、補正投影データが再構成されて第1
の補正画像データが作成され、選択されたマトリクスサ
イズの第2の補正データが再構成されて第2の補正画像
データが作成される。そして、第1の補正画像データか
ら第2の補正画像データが減算処理されて撮像部位の画
像が作成される。
【0028】また、請求項9乃至12記載の発明によれ
ば、被検体を透過したX線を受けるX線検出器を備えて
おり、このX線検出器は例えば複数の検出チャンネルを
有している。
【0029】そして、準備手段により、エア等の第1の
基準物質を対象とした補正データ及び水等の第2の基準
物質を対象とした複数のマトリクスサイズ分の補正画像
データがそれぞれ個別に準備され、投影データと例えば
補正データに基づいて撮像部位のサイズが求められる。
【0030】例えば、減算手段により投影データから補
正データが各チャンネル毎に減算して補正投影データが
作成され、判断手段により補正投影データの値が所定の
閾値より高いか否かが各チャンネル毎に判断される。そ
して、判断の結果得られた閾値より高いデータ値を有す
るチャンネルの位置,チャンネルピッチ,及び当該各チ
ャンネルと前記被検体との位置関係に基づいて撮像部位
のサイズが求められる。
【0031】この撮像部位のサイズに適合したマトリク
スサイズの補正画像データが選択手段により選択され、
投影データが補正データ及び選択された補正画像データ
に基づいて再構成手段により再構成されて撮像部位の画
像が作成される。
【0032】例えば、補正投影データが再構成されて第
1の補正画像データが作成され、第1の補正画像データ
から選択されたマトリクスサイズの補正画像データが減
算処理されて撮像部位の画像が作成される。
【0033】そして、請求項13記載の発明によれば、
準備手段により、エア等の第1の基準物質を対象とした
第1の補正データが準備されるとともに、第1の補正デ
ータと水等の第2の基準物質を対象とした複数のマトリ
クスサイズ分の第2の補正データとから作成された複数
のマトリクスサイズ分のキャリブデータが準備される。
そして、少なくとも投影データに基づいて撮像部位のサ
イズがサイズ演算手段により求められ、サイズ演算手段
により求められた当該撮像部位のサイズに適合したマト
リクスサイズのキャリブデータが選択手段により選択さ
れる。そして、投影データが選択されたマトリクスサイ
ズのキャリブデータに基づいて作成手段により再構成さ
れて撮像部位の画像が作成される。
【0034】
【実施例】以下、本発明に係る実施例について、添付図
面を参照して説明する。
【0035】(第1実施例)図1は、本実施例に係わる
X線CTスキャナの概略構成を示すブロック図である。
【0036】X線CTスキャナは、架台、寝台等から構
成されたスキャン本体部と、スキャンの結果得られた投
影データを画像処理してCT画像を作成する画像作成部
とを備えている。
【0037】スキャン本体部は例えばR−R(Rotate/R
otate )タイプであり、X線管及びX線検出器を有し当
該X線管及びX線検出器を一体に回転可能な架台1と、
被検体である患者P載置用の天板2aを有する寝台2と
を備えている。
【0038】架台1内のX線管3は、高電圧制御装置等
を有するX線出力制御装置3Aに接続され、このX線出
力制御装置からの制御に応じて患者Pに向けて広がり角
度α度の扇状X線ビームを曝射するようになっている。
【0039】X線検出器4は患者Pを挟んでX線管3と
対向配置されている。また、このX線検出器4は、患者
Pの体軸方向(スライス方向)に直交するチャンネル方
向に、円弧状且つ稠密に所定のピッチ(チャンネルピッ
チp)で1列配設されたn個のチャンネルを有する、い
わゆるシングルスライス検出器である。
【0040】架台1において、撮影(スキャン)は次の
ように行われる。すなわち、患者Pの撮像部位が架台1
内のスキャン位置に到達するように、寝台2内に設けら
れた図示しない移動機構により天板2aを患者Pの体軸
方向にスライドさせる。
【0041】そして、初期位置(回転角度θ=0°;以
下、この回転角度θのことをスキャン角度という)にX
線管3(及びX線検出器4)が位置した状態で、当該X
線管3から患者Pに向けて扇状X線ビームBを曝射す
る。扇状X線ビームは、患者Pのスキャン位置に相当す
る断面(スキャン面)を透過した後X線検出器4に入射
する。この結果、初期位置におけるスキャン面の透過X
線データがX線検出器4の各チャンネル毎に検出され
る。以下、架台1内に設けられた回動機構5によりX線
管3及び検出器4を撮影領域の中心を中心として一体に
一定角度Δθ毎に回転させながら、上述したX線爆射を
繰り返し行なう。こうして、X線管3及び検出器4が患
者Pの回りを一回転したら(X線管3及び検出器4の回
転角度の合計が360度となったら)、X線爆射及び回
転(スキャン)を終了する。スキャンが終了した状態で
は、透過X線ビームに基づいてスキャン角度θ=0°〜
360°まで一定角度Δθ毎にスキャン面の透過X線デー
タがX線検出器4の各チャンネル毎に検出されている。
【0042】また、前記スキャンに平行して天板2aを
移動機構により患者Pの体軸方向に所定のピッチで移動
させることにより、前記スキャン面を体軸方向に沿って
移動させることができる。すなわち、体軸方向に亘って
広い範囲の透過X線データが得られるヘリカルスキャン
を行うこともできる。
【0043】一方、架台1は、データ収集システム(D
AS;data acquisition system )6を備えている。こ
のDAS6は増幅器、積分器、A/D変換器等を有し、
X線検出器4の各検出チャンネル(以下、単にチャンネ
ルという)毎に検出された透過X線データを各チャンネ
ル毎の投影データ(ディジタルデータ)に変換するよう
になっている。
【0044】一方、画像作成部は、DAS6により得ら
れた投影データを入力する被検体サイズ測定部7を備え
ている。この被検体サイズ測定部7はCPU、内部メモ
リ等を搭載したコンピュータ回路から構成されている。
また、被検体サイズ測定部7には、磁気ディスク等のメ
モリ8及びメモリ9が接続されている。
【0045】メモリ8には、スキャン対象がなにもない
状態(空気(エア)のみ)において前記スキャンを実行
して得られた各チャンネル毎の投影データ(エア補正デ
ータ)が予め記憶されている。このエア補正データは、
検出器4の各チャンネル間の感度誤差を補正するため等
に用意されている。
【0046】また、メモリ9には、水だけを詰めた円形
のファントム(水ファントム)をスキャンして得られた
投影データ(水補正データ)が予め記憶されている。水
ファントムは、被検体の様々な体型に対応するために複
数のサイズ(直径a1 〜直径an )のものが用意されて
おり、水補正データはその水ファントムの各サイズに応
じたマトリクスサイズ毎(サイズ1(直径a1 )〜サイ
ズn(直径an ))に用意されている。この水補正デー
タは、異なるCT装置間でのCT値を校正するため等に
用いられる。すなわち、異なるCT装置において同一サ
イズの水補正データを用いて補正された投影データを再
構成した場合、互いの再構成画像の水のCT値が「0」
となる。
【0047】被検体サイズ測定部7は、DAS6から送
られた投影データ及びメモリ8に記憶されたエア補正デ
ータに基づいて後述する図2の処理を行い、エア補正デ
ータにより補正された投影データ(エア補正投影デー
タ)を作成するとともに、エア補正投影データに基づい
て患者Pのサイズを測定するようになっている。そし
て、この測定された患者Pのサイズに対応するサイズの
水補正データをメモリ9から読み出し、補正データ演算
部10に送るようになっている。
【0048】補正データ演算部10は、例えば複数のメ
モリ(バッファ)やマイクロプロセッサ等を搭載してお
り、被検体サイズ測定部7により作成されたエア補正投
影データから水補正データを減算することにより、エア
補正データによる補正に加えて水補正データにより補正
された補正投影データを作成するようになっている。
【0049】補正データ演算部10の出力側には、画像
再構成部11、画像表示部12が備えられている。画像
再構成部11は、補正データ演算部10で作成された補
正投影データに対し、例えばコンボリューションバック
プロジェクション処理等の再構成処理を施して画像を再
構成するようになっている。再構成された画像は、画像
表示部12により表示されるようになっている。
【0050】ここで、被検体サイズ測定部7の処理の一
例を図2に示すフローチャートを用いて説明する。
【0051】被検体サイズ測定部7は、ステップS1に
おいて、予め設定されたパラメータA(i),B(i)
及びkを初期状態にする(A(i)=0、B(i)=
0、k=0)。なお、iは1〜n(チャンネル数)まで
取り得る変数である。そして、ステップS2において被
検体サイズ測定部7は、kを「k=k+1」とし、iを
「i=k」とする。続いて、ステップS3によりDAS
6から送られてきたスキャン角度θの投影データを内部
メモリに格納し、この投影データ中の第k番目のチャン
ネルの投影データ(投影データ(k))を読み込む。そ
して、ステップS4において、メモリ8から第k番目の
チャンネルのエア補正データを読み込み、図3に示すよ
うに第k番目の投影データ(k)から第k番目のチャン
ネルのエア補正データを減算処理し、その結果(差分デ
ータ)をA(k)に代入する(A(k)=投影データ
(k)−エア補正データ(k))。
【0052】そして、被検体サイズ測定部7は、ステッ
プS5においてステップS4の処理により得られた差分
データA(k)を補正データ演算部10に出力する。こ
の差分データA(k)は、補正データ演算部10のメモ
リの所定アドレスに格納される。
【0053】続いて、被検体サイズ測定部7は、ステッ
プS6の処理においてA(k)をB(k)に代入する
(B(k)=A(k))。そして、このデータB(k)
を内部メモリに格納し、ステップS7の処理により全チ
ャンネルの投影データが読み出されたか否か(k==n
?)を判断する。この判断の結果、NOの場合には、ス
テップS8においてkの値をk+1とし(k=k+
1)、ステップS3に戻って上述した処理を繰り返す。
【0054】一方、ステップS7の判断の結果YESの
場合には、全チャンネル(1〜n)の投影データが読み
出されたことになる。つまり、補正データ演算部10の
メモリには、全チャンネルの差分データA(k;k=1
〜n)が格納されており、また、内部メモリには、全チ
ャンネルの差分データB(k;k=1〜n)が格納され
ている。
【0055】この差分データA(k)は、検出器4のチ
ャンネル間相互の感度誤差成分が減算された投影データ
となっている。以下、この投影データをエア補正投影デ
ータという。なお、患者Pを透過したX線ビームが検出
されたチャンネルでは、差分データA(k)(=B
(k))は上記エア補正投影データとなっているが、患
者Pを透過したX線ビームが検出されないチャンネル、
すなわち患者Pの周囲部分(空気)を透過したX線ビー
ムを検出したチャンネルでは、投影データ(エア部分)
からエア補正データを減算したことになり、相殺される
(データ値が略”0”となる)ことになる。
【0056】つまり、図4に示すように、エア補正投影
データが検出された検出器4のチャンネル方向の開口幅
w1 ,寝台2(患者P)〜検出器4間の距離dを用いれ
ば、比例関係等を利用して、患者Pのサイズデータであ
る被検体幅w2 を容易に求めることができる。なお、こ
の被検体幅w2 とは、X線管3から透視した際の当該患
者Pのスライス面内の最大の幅を意味する。
【0057】すなわち、被検体サイズ測定部7は、ステ
ップS9の処理において内部メモリに格納された全ての
B(k)と、予め記憶された閾値hとの大きさを比較
し、図5に示すように、「B(k)>h」となる最大の
位置のk(kmax )及び最小位置のk(kmin )を求め
る。なお、閾値hは、投影データが含む誤差成分を考慮
して、推定される患者Pのサイズに若干余裕を持たせる
ために必要な値を有している。そして、被検体サイズ測
定部7は、ステップS10において検出器4の開口幅デ
ータw1 (θ)を演算式「(kmax −kmin )×チャン
ネルピッチp」より求めて、その値を内部メモリに記憶
する。
【0058】続いて、被検体サイズ測定部7は、ステッ
プS11によりスキャン角度θが360°になっている
か否か(θ==360°?)を判断し、この判断の結果
YESの場合には、患者Pの回りを全てスキャンしたと
判断して処理を終了する。また、NOの場合には、ステ
ップS12においてスキャン角度θが180°になって
いるか否か(θ==180°?)を判断する。この判断
の結果NOの場合には、スキャン角度θをθ+Δθ(θ
=θ+Δθ)として、このスキャン角度「θ=θ+Δ
θ」でのスキャン実行指令を架台1に送り(ステップS
13A)、ステップS1の処理に戻り上述したステップ
S1〜S13Aの処理を繰り返す。この結果、被検体サ
イズ測定部7の内部メモリには、0°〜180°までの
開口幅データw1 (0°〜180°) が記憶されてい
る。
【0059】一方、スキャン角度θが180°に到達す
る(つまり、スキャン角度θが180°の投影データの
処理が終了する)と、ステップS12の判断はYESと
なり、ステップS14において被検体サイズ測定部7
は、開口幅データw1 (0°〜180°)の中から最大
の値を有するw1 (max )を求める。これは、図6に示
すように、開口幅w1 及び患者Pの被検体幅w2 はスキ
ャン角度により異なる(w1 (θ1 ),w2 (θ1 )、
w1 (θ2 ),w2 (θ2 ))ため、少なくとも180
°分の開口幅データw1 (0°〜180°) を求めれ
ば、患者Pの最大の開口幅w1 (max )を求めることが
できるからである。
【0060】続いて、被検体サイズ測定部7は、ステッ
プS15の処理により最大の開口幅w1 (max )に基づ
いて最大の被検体幅w2 (max )を求める。
【0061】この被検体幅w2 (max )は、上述したよ
うに患者Pのスライス面内の略最大の幅を与えているた
め、この最大幅を直径とした円よりも大きいマトリクス
サイズの水補正データを選択すれば、当該スライス面は
そのマトリクスサイズに含まれることが分かる。すなわ
ち、被検体サイズ測定部7は、ステップS16の処理に
より、被検体幅w2 (max) に基づいてメモリ9から、そ
の被検体幅w2 (max)を直径としたマトリクスサイズ
よりも大きく且つ最も近接したマトリクスサイズの水補
正データを読み出し、補正データ演算部10のメモリに
送る。そして、ステップS13の処理実行前に戻り、以
下上述した処理を繰り返す。
【0062】次に、被検体サイズ測定部7の処理を中心
に本実施例の全体動作を説明する。
【0063】患者Pの撮像部位に対して、上述した架台
1、寝台2の動作によりスキャンが実行されると、最初
にスキャン角度θ=0°での当該患者PのX線データが
X線検出器4の各チャンネル毎に得られる。このX線デ
ータは、DAS5に送られて各チャンネル毎の投影デー
タに変換された後、被検体サイズ測定部7に送られる。
【0064】このとき、被検体サイズ測定部7は、CP
U等の演算・制御に基づいて、図2に示す処理を行って
いる。
【0065】すなわち、スキャン角度θにおける各チャ
ンネル毎の投影データから各チャンネル毎のエア補正デ
ータが減算処理される。この結果得られた各チャンネル
毎の差分データA(k)は、当該各チャンネルの投影デ
ータからエア補正データが減算処理されたエア補正投影
データとなっている(ステップS1〜S4、S7〜S
8)。このθ=0°におけるエア補正投影データA
(k)は、補正データ演算部10のメモリに記憶される
(ステップS5)。
【0066】一方、差分データA(k)は、B(k)と
して内部メモリに格納されており(ステップS9)、こ
の差分データB(k)から患者PのサイズデータSi
(θ)が求められる。すなわち、「B(k)>h」とな
る最大のチャンネルk(kmax)及び最小のチャンネル
k(kmin )が求められるとともに、「(kmax −kmi
n )×チャンネルピッチp」が演算されて開口幅w1
(θ)が求められる(ステップS10)。
【0067】こうして、スキャン角度θをΔθづつ36
0°まで増加させながらスキャンを実行することによ
り、患者Pの周囲からのエア補正投影データA(k)が
補正データ演算部10のメモリに記憶される(ステップ
S1〜ステップS5,ステップS11、S13、S13
A)。
【0068】一方、スキャン角度θが180°に到達す
ると、そのときまでに得られた開口幅データw1 (0°
〜180°) の中から最大の値を有する開口幅データw
1 (max )が求められる(ステップS14)。そして、
この開口幅データw1 (max)に基づいて最大の患者P
の幅である被検体幅w2 (max )が求められる(ステッ
プS15)。つまり、この被検体幅w2 (max )は、患
者Pのスライス面での略最大の径を与えている。したが
って、この被検体幅w2 (max )を直径とした円形サイ
ズよりも大きく且つ最も近接したサイズの水補正データ
が最適なマトリクスサイズの水補正データと推定でき
る。この理由から、当該被検体幅w2 (max )を直径と
した円形サイズよりも大きく且つ最も近接したマトリク
スサイズの水補正データがメモリ9から読み出され、補
正データ演算部10のメモリに送られる(ステップS1
6)。そして、補正データ演算部10によりエア補正投
影データから水補正データが減算され、その結果得られ
た補正投影データは、画像再構成部11により画像再構
成処理された後画像表示部12に表示される。
【0069】以上述べたように、本実施例によれば、患
者Pの被検体幅が自動的に求められ、さらに、その結果
に基づいて当該患者Pのサイズ適合したマトリクスサイ
ズの水補正データが自動的に求められるため、上記水補
正データのサイズ選択の際オペレータが介在する必要が
なくなり、オペレータの負担が軽減される。また、マニ
ュアル動作に付随して懸念されていたオペレータの不注
意により発生する撮像部位のサイズと水補正データのマ
トリクスサイズとの不適合を防止し、ノイズの発生を抑
制することができる。
【0070】さらに、上述したヘリカルスキャンのよう
に、撮像部位にサイズが変化する場合でも、常にスキャ
ンされた撮像部位に伴う投影データに基づいて水補正デ
ータのマトリクスサイズが得られているため、撮像部位
のサイズとキャリブデータのサイズとの不適合を防止
し、ノイズの発生を抑制することができる。
【0071】なお、本実施例では、従来例で述べたキャ
リブデータを複数のマトリクスサイズ分用意しておき、
このキャリブデータに基づいて補正を行なうこともでき
る。すなわち、エア補正データ及び複数のマトリクスサ
イズの水補正データに基づいて作成された複数マトリク
スサイズ分のキャリブデータをメモリに記憶しておく。
そして、図2の処理によって得られた患者Pの被検体幅
w1 (max )に基づいて最適なマトリクスサイズのキャ
リブデータをメモリから読み出し、この読み出されたキ
ャリブデータにより投影データを直接補正して画像再構
成部11に送ることもできる。
【0072】(第2実施例)図7は、本実施例に係わる
X線CTスキャナの概略構成を示すブロック図である。
なお、X線CTスキャナは、第1実施例の図1の構成と
同様な構成要素が多いため、そのような構成要素の説明
は省略又は簡略化する。
【0073】図7に示すX線CTスキャナでは、メモリ
13には、複数サイズの水補正データを予め再構成して
形成された複数サイズの水補正画像データが記憶されて
いる。
【0074】また、被検体サイズ測定部7Aの出力側に
は画像再構成部11Aが備えられ、さらに、メモリ13
及び画像再構成部11Aの出力側には、補正画像演算部
14が備えられている。
【0075】被検体サイズ測定部7Aは、第1実施例と
同様に図2に示す処理を行なうが、ステップS5の処理
で作成されたエア補正投影データA(k)は、画像再構
成部11Aに送られるようになっている。また、ステッ
プS16の処理では、被検体幅w2 (max )を直径とし
たサイズよりも大きく且つ最も近接したマトリクスサイ
ズの水補正画像データをメモリ13から読み出し、補正
画像演算部14に送るようになっている。
【0076】画像再構成部11Aは、被検体サイズ測定
部7Aで作成されたエア補正投影データに対し、例えば
コンボリューションバックプロジェクション処理等の処
理を施して画像を再構成し、エア補正画像データを作成
するようになっている。
【0077】補正画像演算部14は、例えば複数のメモ
リ(バッファ)やマイクロプロセッサ等を搭載してお
り、画像再構成部11Aで再構成されたエア補正画像デ
ータから水補正画像データを減算することにより、エア
補正に加えて水補正された補正画像データを作成するよ
うになっている。補正された画像データは、画像表示部
により表示されるようになっている。
【0078】次に第2実施例の全体動作を説明する。な
お、第1実施例と略同様の動作については、その説明を
省略又は簡略化する。
【0079】本構成では、被検体サイズ測定部7Aのス
テップS1〜S8、S11〜S13Aの処理で作成され
たエア補正投影データA(θ)は、順次画像再構成部1
1Aにより画像再構成処理されてエア補正画像データp
(i,j){i,jは、1〜画像再構成マトリクスサイ
ズ}となり、補正画像演算部14に送られる。
【0080】一方、被検体サイズ測定部7Aのステップ
S9〜S10、ステップS12〜S16の処理で作成さ
れた被検体幅w2 (max )を直径としたサイズよりも大
きく且つ最も近接したマトリクスサイズの水補正画像デ
ータw(i,j){i,jは、1〜画像再構成マトリク
スサイズ}は、メモリ13から読み出されて補正画像演
算部14に送られる。
【0081】補正画像演算部14では、エア補正画像デ
ータp(i,j)から水補正画像データw(i,j)が
次式に示すように減算され、補正画像データP(i,
j)が作成される。
【0082】
【数1】P(i,j)=p(i,j)−w(i,j) この補正画像データP(i,j)は、画像表示部14に
より表示されるようになっている。
【0083】本実施例の特長は、被検体サイズ測定部7
Aで作成されたスキャン角度毎のエア補正投影データA
(θ)を順次画像再構成処理して補正画像演算部14の
メモリに記憶しておくことができることである。すなわ
ち、第1実施例では、水補正投影データのサイズが決ま
るまで、つまり、スキャン角度θが合計180°になる
までは、補正データ演算部10の処理及び画像再構成部
11による画像再構成処理が実行できない。
【0084】しかしながら、本実施例では、上述したよ
うに、スキャン角度毎に順次画像再構成処理を実行する
ことができるため、全体処理時間を短縮することができ
るという新たな効果が得られる。なお、その他の効果は
第1実施例と同様である。
【0085】ところで、第1及び第2実施例では、全チ
ャンネルの差分データに基づいて患者Pのサイズデータ
を求めたが、本発明はこれに限定されるものではなく、
検出器4の各チャンネル毎に得られた投影データを例え
ばある閾値と比較して、その結果、「投影データのデー
タ値>閾値」となる最大のチャンネル及び最小のチャン
ネルを求める。そして、「(最大チャンネル)−(最小
チャンネル)×チャンネルピッチ」により、開口幅デー
タw1 ′を求め、この開口幅w1 ′を用いて上述した被
検体幅w2 を求めてもよい。
【0086】また、第1及び第2実施例において、例え
ば、図8に示すように、患者Pが中心(X線管3の放射
面中心と検出器4の中心に位置するチャンネルとを結ぶ
ライン)から例えばチャンネル方向にずれていたときに
は、検出器4の中心に位置するチャンネルk(kcet )
と最大のチャンネルk(kmax )との差から求まる「開
口幅データw1a(θ1 )=(kmax −kcet )×チャン
ネルピッチp」,及びkcet と最小のチャンネルkmin
との差から求まる「開口幅データw1b(θ1 )=(kmi
n −kcet )×チャンネルピッチp」の内大きい値を2
倍して開口幅w1 (θ1 )と補正することが考えられ
る。例えば、今、開口幅データw1a(θ1)>開口幅デ
ータw1b(θ1 )の場合、 開口幅w1 (θ1 )=開口幅データw1a(θ1 )×2 として、以下、上述した処理を行なう。このように補正
すれば、患者Pの体動等に伴う中心ずれにも対応可能に
なる。
【0087】
【発明の効果】以上述べたように請求項1乃至13記載
の発明によれば、サイズデータ演算手段により被検体の
撮像部位のサイズが求められ、複数サイズ分の水補正デ
ータあるいはキャリブデータの中から、その撮像部位の
サイズに適合したサイズの水補正データあるいはキャリ
ブデータが選択される。そして、その水補正データある
いはキャリブデータを用いて当該撮像部位の画像を作成
することができる。
【0088】すなわち、本発明では、水補正データある
いはキャリブデータのサイズを設定する際にオペレータ
を介在させる必要がないため、オペレータの負担が軽減
される。また、水補正データ(キャリブデータ)のサイ
ズは、撮像部位のサイズの変化に応じて最適なサイズの
ものが設定されるため、サイズの不適合に伴う補正後の
投影データへのノイズ発生が抑制され、画質の向上した
画像が得られる。
【0089】また、請求項8又は12記載の発明によれ
ば、第2の補正データのマトリクスサイズの選択に関係
なく、補正投影データを再構成して第1の補正画像デー
タが作成されるため、第2の補正データのマトリクスサ
イズを選択するまで補正投影データの再構成を行なえな
い場合と比べて処理時間が短縮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るX線CTスキャナの
概略構成を示すブロック図。
【図2】被検体サイズ測定部の処理の一例を示す概略フ
ローチャート。
【図3】図2のステップS4の減算処理をプロファイル
の形で説明する図。
【図4】被検体サイズ測定部の処理の一例を示す概略フ
ローチャート。
【図5】開口幅、被検体幅について説明するための図。
【図6】スキャン角度における開口幅の違いを表す図。
【図7】本発明の第2実施例に係わるX線CTスキャナ
の概略構成を示すブロック図。
【図8】被検体が移動した場合の開口幅の補正について
説明するための図。
【図9】(a)は、キャリブデータのサイズを被検体の
サイズと比べて大きく設定した状態を示す図であり、
(b)は、キャリブデータのサイズを被検体のサイズに
対応して設定した状態を示す図。
【図10】ヘリカルスキャン実行時における撮像部位の
変化を示す図。
【符号の説明】
1 架台 2 寝台 2a 天板 3 X線管 3A X線出力制御装置 4 X線検出器 5 回動機構 6 データ収集装置 7 被検体サイズ測定部 8 メモリ 9 メモリ 10 補正データ演算部 11 画像再構成部 12 画像表示部 14 補正画像演算部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体の撮像部位を透過したX線により
    得られた投影データを準備する第1の準備手段と、エア
    等の第1の基準物質を対象とした第1の補正データ及び
    水等の第2の基準物質を対象とした複数のマトリクスサ
    イズ分の第2の補正データをそれぞれ個別に準備する第
    2の準備手段と、少なくとも前記投影データに基づいて
    前記撮像部位のサイズを求めるサイズ演算手段と、前記
    サイズ演算手段により求められた当該撮像部位のサイズ
    に適合したマトリクスサイズの第2の補正データを選択
    する選択手段と、前記投影データを前記第1の補正デー
    タ及び前記選択された第2の補正データに基づいて再構
    成して前記撮像部位の画像を作成する作成手段とを備え
    たことを特徴とするX線画像作成装置。
  2. 【請求項2】 前記サイズ演算手段は前記投影データ及
    び前記第1の補正データに基づいて前記撮像部位のサイ
    ズを求めるようにした請求項1記載のX線画像作成装
    置。
  3. 【請求項3】 被検体の撮像部位を透過したX線により
    得られた投影データを準備するとともに、エア等の第1
    の基準物質を対象とした第1の補正データ及び水等の第
    2の基準物質を対象とした複数のマトリクスサイズ分の
    第2の補正データを準備したX線画像作成装置のX線画
    像作成方法において、 少なくとも前記投影データに基づいて前記撮像部位のサ
    イズを求めるステップと、前記ステップにより求められ
    た当該撮像部位のサイズに適合したマトリクスサイズの
    第2の補正データを選択するステップと、前記投影デー
    タを前記第1の補正データ及び前記選択された第2の補
    正データに基づいて再構成して前記撮像部位の画像を作
    成するステップとを備えたことを特徴とするX線画像作
    成装置のX線画像作成方法。
  4. 【請求項4】 被検体を透過したX線を受けるX線検出
    器を備え、前記X線検出器の出力に基づいて投影データ
    を得るX線CTスキャナにおいて、 エア等の第1の基準物質を対象とした第1の補正データ
    及び水等の第2の基準物質を対象とした複数のマトリク
    スサイズ分の第2の補正データをそれぞれ個別に準備す
    る準備手段と、少なくとも前記投影データに基づいて前
    記撮像部位のサイズを求めるサイズ演算手段と、前記サ
    イズ演算手段により求められた当該撮像部位のサイズに
    適合したマトリクスサイズの第2の補正データを選択す
    る選択手段と、前記投影データを前記第1の補正データ
    及び前記選択された第2の補正データに基づいて再構成
    して前記撮像部位の画像を作成する作成手段とを備えた
    ことを特徴とするX線CTスキャナ。
  5. 【請求項5】 前記サイズ演算手段は前記投影データ及
    び前記第1の補正データに基づいて前記撮像部位のサイ
    ズを求めるようにした請求項1記載のX線CTスキャ
    ナ。
  6. 【請求項6】 前記X線検出器は複数の検出チャンネル
    を有するとともに、前記サイズデータ演算手段は、前記
    投影データから前記第1の補正データを各チャンネル毎
    に減算して第1の補正投影データを作成する減算手段
    と、前記第1の補正投影データの値が所定の閾値より高
    いか否かを各チャンネル毎に判断する判断手段と、前記
    判断の結果得られた前記閾値より高いデータ値を有する
    チャンネルの位置,チャンネルピッチ,及び当該各チャ
    ンネルと前記被検体との位置関係に基づいて前記サイズ
    を求める手段とを備えた請求項5記載のX線CTスキャ
    ナ。
  7. 【請求項7】 前記作成手段は、前記第1の補正投影デ
    ータから前記選択されたマトリクスサイズの第2の補正
    データを減算処理して第2の補正投影データを作成する
    手段と、前記第2の補正投影データを再構成して前記撮
    像部位の画像を作成する手段とを備えた請求項6記載の
    X線CTスキャナ。
  8. 【請求項8】 前記作成手段は、前記補正投影データを
    再構成して第1の補正画像データを作成する手段と、前
    記選択されたマトリクスサイズの第2の補正データを再
    構成して第2の補正画像データを作成する手段と、前記
    第1の補正画像データから前記第2の補正画像データを
    減算処理して前記撮像部位の画像を作成する手段とを備
    えた請求項6記載のX線CTスキャナ。
  9. 【請求項9】 被検体を透過したX線を受けるX線検出
    器を備え、前記X線検出器の出力に基づいて投影データ
    を得るX線CTスキャナにおいて、 エア等の第1の基準物質を対象とした補正データ及び水
    等の第2の基準物質を対象とした複数のマトリクスサイ
    ズ分の補正画像データをそれぞれ個別に準備する準備手
    段と、少なくとも前記投影データに基づいて前記撮像部
    位のサイズを求めるサイズ演算手段と、前記サイズ演算
    手段により求められた当該撮像部位のサイズに適合した
    マトリクスサイズの補正画像データを選択する選択手段
    と、前記投影データを前記補正データ及び前記選択され
    た補正画像データに基づいて再構成して前記撮像部位の
    画像を作成する作成手段とを備えたことを特徴とするX
    線CTスキャナ。
  10. 【請求項10】 前記サイズ演算手段は前記投影データ
    及び前記補正データに基づいて前記撮像部位のサイズを
    求めるようにした請求項9記載のX線CTスキャナ。
  11. 【請求項11】 前記X線検出器は複数の検出チャンネ
    ルを有するとともに、前記サイズデータ演算手段は、前
    記投影データから前記補正データを各チャンネル毎に減
    算して補正投影データを作成する減算手段と、前記補正
    投影データの値が所定の閾値より高いか否かを各チャン
    ネル毎に判断する判断手段と、前記判断の結果得られた
    前記閾値より高いデータ値を有するチャンネルの位置,
    チャンネルピッチ,及び当該各チャンネルと前記被検体
    との位置関係に基づいて前記サイズを求める手段とを備
    えた請求項10記載のX線CTスキャナ。
  12. 【請求項12】 前記作成手段は、前記補正投影データ
    を再構成して第1の補正画像データを作成する手段と、
    前記第1の補正画像データから前記選択されたマトリク
    スサイズの補正画像データを減算処理して前記撮像部位
    の画像を作成する手段とを備えた請求項11記載のX線
    CTスキャナ。
  13. 【請求項13】 被検体を透過したX線を受けるX線検
    出器を備え、前記X線検出器の出力に基づいて投影デー
    タを得るX線CTスキャナにおいて、 エア等の第1の基準物質を対象とした第1の補正データ
    を準備するとともに、前記第1の補正データと水等の第
    2の基準物質を対象とした複数のマトリクスサイズ分の
    第2の補正データとから作成された複数のマトリクスサ
    イズ分のキャリブデータを準備する準備手段と、少なく
    とも前記投影データに基づいて前記撮像部位のサイズを
    求めるサイズ演算手段と、前記サイズ演算手段により求
    められた当該撮像部位のサイズに適合したマトリクスサ
    イズのキャリブデータを選択する選択手段と、前記投影
    データを前記選択されたマトリクスサイズのキャリブデ
    ータに基づいて再構成して前記撮像部位の画像を作成す
    る作成手段とを備えたことを特徴とするX線CTスキャ
    ナ。
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JP2002119504A (ja) * 2000-10-16 2002-04-23 Toshiba Corp X線コンピュータ断層撮影装置
CN111436963A (zh) * 2020-06-17 2020-07-24 南京安科医疗科技有限公司 一种头部移动ct探测器的自校准方法及扫描系统

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