JPH09239640A - 工作機械の工具位置補正方法及び装置 - Google Patents

工作機械の工具位置補正方法及び装置

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JPH09239640A
JPH09239640A JP4773496A JP4773496A JPH09239640A JP H09239640 A JPH09239640 A JP H09239640A JP 4773496 A JP4773496 A JP 4773496A JP 4773496 A JP4773496 A JP 4773496A JP H09239640 A JPH09239640 A JP H09239640A
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Harumitsu Senda
治光 千田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 主軸の遠心膨張による主軸自体の収縮量を算
出して、全回転域で工具の刃先位置を正確に補正し、も
って高精度加工を実現する。 【構成】 マシニングセンタの制御系にNC装置9、変
位演算器10、及び変位記憶部11を設ける。変位記憶
部11は、主軸3の回転時における工具6の主軸軸線方
向への変位量を、主軸回転数を変数とした関数式の形態
で、或いは、主軸回転数毎に予め計測した変位データの
形態で記憶する。変位演算器10は記憶部11に記憶さ
れた関数式又は変位データを用いて工具6の変位量を求
める。NC装置9は、主軸3の回転中において、演算器
10で求めた変位量に相当する補正量で主軸送り機構の
モータ8を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械におい
て、工具の主軸軸線方向の位置を補正する方法及び装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の工作機械、特にマシニングセンタ
においては、主軸の回転数がそれまでの数千回転から数
万回転にまで達したことにより、熱変位現象や遠心膨張
による工具の主軸テーパ孔内部への引込現象等が発生し
ている。これらの対策として従来から種々の提案がなさ
れているが、後者の対策技術として、例えば特開平5−
274013号公報に開示された「工作機械の工具長補
正方法及び装置」が知られている。ここでは、工具の回
転数に対応する工具長補正量を補正データ記憶手段から
抽出し、工具装着直後の主軸停止状態で所定のオフセッ
ト量に加味して、工具の刃先位置を補正するようになっ
ている。また、高精度加工が要求される場合は、より簡
単な対応策として、機械を暖機運転したり、引込現象が
発生しない2面拘束工具を用いたりする技術も公知であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、加工精度に
直接影響を及ぼす工具の刃先位置は、工具の引込現象の
みならず、高速回転する主軸の遠心膨張で主軸自体が軸
線方向に収縮することによっても変化する。そのため、
暖機運転後の主軸停止中に工具の位置を補正しても、主
軸回転時の収縮に伴う工具位置の変動要因を取り除くこ
とができない。従って、従来技術によっては、特に高速
回転時に工具位置を正確に補正することができず、加工
精度が不充分になるという問題点があった。
【0004】そこで、本発明の課題は、主軸の遠心膨張
による主軸自体の収縮量を算入して、全回転域で工具の
刃先位置を正確に補正でき、もって高精度加工を実現で
きる工具位置補正方法及び装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の工具位置補正方法は、工具を保持して回
転する主軸を備えた工作機械において、主軸回転時の遠
心膨張に伴う主軸自体の主軸軸線方向の収縮による工具
の主軸軸線方向への変位量を主軸回転数に応じて求め、
前記変位量に相当する補正量で工具の位置を補正するこ
とを特徴とする(請求項1)。ここで、好ましくは、工
具の変位量が主軸回転数を変数とした関数式を用いて求
められる(請求項2)。また、工具の変位量を主軸回転
数毎に予め記憶した変位データから求めてもよい(請求
項3)。
【0006】本発明の工具位置補正装置は、工具を保持
して回転する主軸を備えた工作機械において、主軸を軸
線方向に駆動する手段と、主軸回転時の遠心膨張に伴う
主軸自体の主軸軸線方向の収縮による工具の主軸軸線方
向への変位量を主軸回転数を変数とした関数式を用いて
求める手段と、前記変位量に相当する補正量で前記駆動
手段を制御する手段とから構成される(請求項4)。ま
た、本発明の補正装置は、主軸回転時の遠心膨張に伴う
主軸自体の主軸軸線方向の収縮による工具の主軸軸線方
向への変位量を主軸回転数毎に予め記憶した変位データ
より求める手段を備えて構成される(請求項5)。何れ
の場合も、駆動手段として、好ましくは、工作機械が通
常有する主軸軸線方向の送り機構が用いられる(請求項
6)。なお、補正専用の駆動機構で主軸を軸線方向へ移
動するように構成してもよい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は工作機械として縦型マシニ
ングセンタを例示するものであるが、横型マシニングセ
ンタの場合もこれと同様のシステムを採用できる。周知
のように、マシニングセンタは主軸ヘッド1、コラム
2、主軸3、ベッド4、及び移動テーブル5等から構成
されている。主軸3は工具6を保持し、図示しないモー
タによって垂直軸線の周りで回転される。コラム2のボ
ールネジ7及びモータ8は主軸3の主軸軸線方向の送り
機構であって、ベッド4には図示しないボールネジ及び
モータが設けられ移動テーブル5を主軸軸線と直角方向
に送る機構を構成している。以上はマシニングセンタと
しての一般的な構成である。
【0008】マシニングセンタの制御系にはNC装置
9、変位演算器10、及び変位記憶部11が設けられて
いる。変位記憶部11は、主軸3の回転時における工具
6の主軸軸線方向への変位量を、主軸回転数を変数とし
た関数式(図2参照)の形態で、或いは、主軸回転数毎
に予め計測した変位データ(図3参照)の形態で記憶す
る。変位演算器10は、記憶部11に記憶された関数式
又は変位データを用いて工具6の変位量を求める。そし
て、NC装置9は、主軸3の回転中において、演算器1
0で求められた変位量に相当する補正量で主軸送り機構
のモータ8を制御するように構成されている。
【0009】ここで、記憶部11に記憶される工具6の
変位量とは、主軸回転時の遠心膨張に伴う主軸3自体の
収縮量である。従って、変位データの収集に際しては、
テスト工具を主軸3に取り付け、一旦主軸3を高速回転
させることにより従来技術で述べた主軸テーパ孔内部へ
の引込現象による変位量だけ工具の引込をさせて、その
影響を排除した後、全回転域で工具6の刃先位置が計測
される。非接触センサを用いた計測結果の一例を図2に
示した。これより、工具位置の変位量が主軸回転数を変
数とした一次関数式で近似的に求められることが分か
る。また、収集された変位データは図3に示すように主
軸回転数に対応させて記憶部11のメモりに格納され
る。
【0010】次に、上記のように構成された装置による
工具位置補正方法について説明する。図4に示すよう
に、マシニングセンタの稼動中に主軸3の回転数を変化
させる指令が発生すると、変位記憶部11の関数式を用
いて指令回転数に対応する工具6の変位量が演算され
る。また、記憶部11の変位データを用いる場合は、関
数式による演算処理は不要であるが、指令回転数に対応
する変位データが存在しないときに、その近傍値より変
位量を求める内挿処理が必要である。
【0011】求められた変位量は当該回転数の実行期間
中保持され、主軸3の回転状態において、NC装置9か
ら補正指令が出力され、主軸送りモータ8が変位量に相
当する補正量で制御され、主軸3が軸線方向へ移動され
て、工具6の刃先位置が補正される。そして、この補正
処理は指令回転数が変化するまで当該変位量に従って継
続され、こうすることで、主軸3の遠心膨張に伴う主軸
3自体の収縮を効果的に補正できて、高精度加工が可能
となる。
【0012】なお、前述した方法では、指令回転数に基
づき工具位置を段階的に補正しているが、センサで検出
した主軸回転数に基づいて工具位置を無段階で連続的に
補正する方法を採用することも可能である。その他、本
発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明
の趣旨を逸脱しない範囲で各部の構成並びに手順を適宜
に変更して具体化することも可能である。
【0013】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明に
よれば、工具の主軸軸線方向への変位量を主軸回転数に
応じて求め、主軸回転中に変位量に相当する補正量で主
軸を軸線方向へ移動して工具位置を補正するので、主軸
の遠心膨張による主軸自体の収縮量を算入して、全回転
域で工具の刃先位置を正確に補正でき、もって高精度加
工を実現できるという優れた効果を奏する。
【0014】請求項2又は4の発明によれば、工具の変
位量を主軸回転数を変数とした関数式を用いて求めるの
で、特に、オペレータによる随時かつ任意の回転数設定
に対しても、工具位置を適正に補正できる効果がある。
【0015】請求項3又は5の発明によれば、工具の変
位量を主軸回転数毎に予め記憶した変位データを用いて
求めるので、特に、演算処理を簡略化できる効果があ
る。
【0016】請求項6の発明によれば、加工時の送り機
構を用いて主軸を補正移動するので、補正専用の駆動手
段が不要で、かつNC装置に既存の補正機能を利用する
こともでき、装置を安価に構成できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による工具位置補正装置の一実施形態を
示すマシニングセンタの構成図である。
【図2】工具位置の変位量と主軸の回転数との関係を例
示する特性図である。
【図3】変位データの一記憶形態を例示する説明図であ
る。
【図4】本発明による工具位置補正方法の一実施形態を
示すフローチャートである。
【符号の説明】
1・・主軸ヘッド、2・・コラム、3・・主軸、4・・
ベッド、5・・移動テーブル、6・・工具、7・・ボー
ルネジ、8・・モータ、9・・NC装置、10・・変位
演算器、11・・変位記憶部。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具を保持して回転する主軸を備えた工
    作機械において、主軸回転時の遠心膨張に伴う主軸自体
    の主軸軸線方向の収縮による工具の主軸軸線方向への変
    位量を主軸回転数に応じて求め、前記変位量に相当する
    補正量で工具の位置を補正することを特徴とする工具位
    置補正方法。
  2. 【請求項2】 前記変位量を、主軸回転数を変数とした
    関数式を用いて求める請求項1記載の工作機械の工具位
    置補正方法。
  3. 【請求項3】 前記変位量を、主軸回転数毎に予め記憶
    した変位データから求める請求項1記載の工作機械の工
    具位置補正方法。
  4. 【請求項4】 工具を保持して回転する主軸を備えた工
    作機械において、主軸を軸線方向に駆動する手段と、主
    軸回転時の遠心膨張に伴う主軸自体の主軸軸線方向の収
    縮による工具の主軸軸線方向への変位量を主軸回転数を
    変数とした関数式を用いて求める手段と、前記変位量に
    相当する補正量で前記駆動手段を制御する手段とからな
    る工具位置補正装置。
  5. 【請求項5】 工具を保持して回転する主軸を備えた工
    作機械において、主軸を軸線方向へ駆動する手段と、主
    軸回転時の遠心膨張に伴う主軸自体の主軸軸線方向の収
    縮による工具の主軸軸線方向への変位量を主軸回転数毎
    に予め記憶した変位データより求める手段と、前記変位
    量に相当する補正量で前記駆動手段を制御する手段とか
    らなる工具位置補正装置。
  6. 【請求項6】 前記駆動手段として、工作機械の主軸軸
    線方向の送り機構を用いた請求項4又は5記載の工作機
    械の工具位置補正装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20050098207A (ko) * 2004-04-06 2005-10-11 화천기공 주식회사 공작기계의 공구 변위 보정방법
KR20190102793A (ko) * 2018-02-27 2019-09-04 주식회사 콜러노비타 구동체의 회전 변위 보정 제어방법
CN111992744A (zh) * 2020-08-31 2020-11-27 重庆纳川重工设备制造有限公司 一种回转定位系统及其定位方法

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CN111992744A (zh) * 2020-08-31 2020-11-27 重庆纳川重工设备制造有限公司 一种回转定位系统及其定位方法

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