JPH09239270A - カルボン酸誘導体の合成用触媒およびカルボン酸誘導体の製造方法 - Google Patents

カルボン酸誘導体の合成用触媒およびカルボン酸誘導体の製造方法

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JPH09239270A
JPH09239270A JP8082097A JP8209796A JPH09239270A JP H09239270 A JPH09239270 A JP H09239270A JP 8082097 A JP8082097 A JP 8082097A JP 8209796 A JP8209796 A JP 8209796A JP H09239270 A JPH09239270 A JP H09239270A
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JP
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group
carboxylic acid
compound
catalyst
acid
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JP8082097A
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English (en)
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Yasutaka Ishii
康敬 石井
Tatsuya Nakano
達也 中野
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒を用いた脱離基交換反応により、エステ
ルなどのカルボニル化合物から、対応するカルボン酸誘
導体を高い選択率および収率で得る。 【解決手段】 サマリウム化合物などり周期表3族元素
化合物で構成された触媒の存在下、式(1)で表される
化合物(エステル、カルボン酸など)と式(2)で表さ
れる化合物(アルコール、アミンなど)とを反応させ、
脱離基が交換した式(3)のカルボン酸誘導体(エステ
ル、アミドなど)を得る。 (式中、R1は、アルキル基、アリール基、アルコキシ
基などを示し、X1はヒドロキシル基、アルコキシ基な
どの脱離基を示す。X2は、NH2、アルコール残基又は
アミン残基を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルボニル化合物
(エステル化合物又はアミド化合物)とアルコール又は
アミンとを反応させることにより対応するカルボン酸誘
導体(エステル又はアミド化合物)を生成させる上で有
用な触媒、及びこの触媒を用いたカルボン酸誘導体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、エステル化合物やアミド化合
物は、対応するカルボキシル化合物のエステル化反応や
アミド化反応により製造されている。これらの反応にお
ける触媒種としては、(1)金属化合物触媒を用いるル
イス酸触媒法、(2)プロトン酸触媒を用いるブレンス
テッド酸触媒法が知られている。しかし、(1)の金属
化合物を触媒に用いる手法では、カルボキシル基の活性
化には不十分な場合が多く、また、ルイス酸性の高い金
属化合物では、副反応が進行し易く、着色や重合など反
応後の処理が必要である。そこで、安価でハンドリング
が容易な(2)プロトン酸を用いる方法が工業的に利用
されている。特に、酸性度を低下させた無機酸や、比較
的酸性度の低い有機酸は、副反応を起こしにくい有効な
触媒となることが報告されている。また、製品への触媒
の混入と消失を回避するためイオン交換樹脂を用いる手
法が工業的にはよく利用されている。
【0003】しかし、エステル化反応やアミド化反応は
平衡反応であり、平衡的に有利であればわずかな熱エネ
ルギーを加えるだけで無触媒であっても反応が進行す
る。従って、前記いずれの触媒種を用いても脱離基の交
換速度が速まるだけであり、不可逆な反応結果は得られ
ない。そのため、エステル化やアミド化反応では反応系
からの脱離基の除去方法、反応液の仕込み組成、反応温
度による平衡状態の管理が主に行なわれ、これらの生産
工学的方法により反応成績を大きくコントロールしてい
る。
【0004】一方、エステルのエステル交換反応におい
て、メトキシ>エトキシ>>ブトキシ>>フェノキシの
順序で脱離基の安定性が小さくなり、直鎖状短鎖アルコ
キシ基が安定で、分岐状長鎖アルコキシ基になればなる
ほど脱離しやすくなる。また、フェノキシ基などの電子
吸引性の強い官能基も脱離が容易である。例えば、ジメ
チルカーボネートとジブチルカーボネートではエステル
交換反応の平衡定数を比較すると、室温等モルで約10
0〜200倍の比率でジメチルカーボネートが安定に存
在する。また、ジメチルカーボネートとジフェニルカー
ボネートでは、安定性に関し、約5000倍以上の偏り
がある。
【0005】前記のように平衡関係が圧倒的に偏ってい
る場合には、前記生産工学的方法でも限界があり、大量
の媒体が必要であったり、脱離基の除去を非常に精度よ
く工夫されなければ達成できない。しかし、近年、エス
テル化合物やアミド化合物は良好な高分子モノマーとし
て活用される場合が多く、ポリマーへの重合において
は、脱離能の高いエステルまたはアミドが好まれる。す
なわち、比較的安定に存在するエステル化合物やアミド
化合物に対して、平衡関係に逆行して脱離能の高い官能
基を導入する必要がある。そこで、化学的活性が比較的
低いエステル化合物、カルボン酸やアミド化合物のカル
ボニル基を高く活性化して、脱離基の交換速度を飛躍的
に速める新規な触媒系の開発が切望されている。
【0006】このように、エステル化合物やアミド化合
物、カルボン酸への高活性な脱離基交換技術は工業的に
きわめて重要であり、特に平衡状態に不利な脱離能の高
い官能基を有するエステル化合物やアミド化合物の製造
技術の確立は、高分子素材の開発の大きな課題でありな
がら、その有効な手法が存在していない。また、エステ
ル化合物やアミド化合物の脱離基交換技術の確立は、化
学的に活性の低いカルボキシル基を活性化するための新
しい技術を見いだすことにつながり、学術的にもきわめ
て重要である。このような点からも、反応成績が高く、
多くの関連物質への汎用性の広い、脱離基交換の工業的
技術の確立が要求されている。
【0007】日本化学会69回春季年会予稿集II(3H53
4,3H535 p.1178,1179)には、簡単な構造のエステル
化合物に対して、平衡的に有利なアミド化反応をサマリ
ウム触媒存在下で行なうと、通常のルイス酸触媒よりも
高い成績でアミド化反応が進行することが報告されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、脱離基交換反応によりカルボン酸誘導体を高い選択
率および収率で得る上で有用な触媒、およびこの触媒を
用いたカルボン酸誘導体の製造方法を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、エステル、カルボン酸、カー
ボネート、アミド化合物などのカルボニル基を活性化
し、アルコール、アンモニアやアミンとの脱離基交換反
応により、カルボン酸誘導体を得る上で有用な触媒、お
よびこの触媒を用いたカルボン酸誘導体の製造方法を提
供することにある。本発明のさらに他の目的は、温和な
条件で、カルボン酸又はそのエステル、カーボネートな
どの脱離基を、この脱離基よりも高次の炭素数を有する
置換基で効率よく交換する上で有用な触媒、およびこの
触媒を用いたカルボン酸誘導体の製造方法を提供するこ
とにある。
【0009】本発明の別の目的は、副反応を抑制しつ
つ、ビニルエステルなどの不飽和結合を有するエステル
から、高い収率でカルボン酸誘導体を得る上で有用な触
媒、およびこの触媒を用いたカルボン酸誘導体の製造方
法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討の結果、エステル又はアミド化
合物と、アルコール又はアミンとの反応において、周期
表3族元素化合物を触媒として用いると、温和な条件で
あっても、対応するカルボン酸誘導体が高い収率で得ら
れることを見いだした。すなわち、本発明者は、サマリ
ウムなどの希土類金属化合物は、酸化還元電位の大きな
金属種であることに着目し、比較的活性の低いエステル
化合物やカルボン酸、アミド化合物のカルボキシル基の
活性化に希土類金属化合物が活用できると予想し、上記
のアミド化反応について検討した。その結果、エステル
化合物とアミン化合物とのアミド化反応において、電子
供与性の高いペンタメチルシクロペンタジエニル配位子
を有する2価のサマロセン型錯体[(C5 Me5 2
m;(PMSm)]などを触媒として用いると、通常の
ルイス酸触媒よりも良好な成績でアミド化が進行するこ
とを見いだした。例えば、酢酸エチルと等モル量のオク
チルアミンとを0.1モル%の触媒PMSmの存在下、
室温で3時間撹拌すると、N−オクチルアセトアミドが
収率91%で得られた。一方、同様の反応を典型的なル
イス酸触媒であるアルミニウム化合物で行なうと、N−
オクチルアセトアミドが収率66%で得られたものの、
反応液は黄色に着色し、複数の副生成物の存在が確認さ
れた。このような大きな触媒活性の差は、カーボネート
化合物や他のエステル化合物のアミド化反応においても
認められ、PMSmがカルボン酸誘導体のアミド化反応
における高活性な触媒であることを見いだした。
【0011】このように、サマリウム化合物はカルボキ
シル化合物のカルボニル基をよく活性化する金属種であ
ることが認められたが、適用範囲がアミド化反応のよう
な平衡的に有利な場合に限られ、しかも、触媒PMSm
が特殊な配位子を有する錯体であるため、カルボン酸誘
導体全般に対する脱離交換反応において汎用性および経
済性の高い触媒であるとはいえない。
【0012】そこで、本発明者らは、工業的に最も価値
のある脱離基交換反応であるエステル化合物、カルボン
酸、カーボネート化合物、アミド化合物と、アルコール
類または一級、二級アミン化合物との脱離基交換反応に
ついて検討した。その結果、触媒PMSmはもとより、
比較的安価で操作性も容易なサマリウムのハロゲン化合
物、アルコキシド、ヒドロキシドなどであっても、極め
て良好な触媒となることを見いだした。さらに、通常の
ルイス酸触媒やプロトン酸触媒でビニルエステルを基質
に用いると、カルボニル基の活性化が弱く、ビニル部位
への付加や重合が進行し、期待する脱離基交換反応は低
選択率でしか進行しない。これに対して、脱離基交換反
応においてきわめて不利な平衡状態である反応でも、基
質化合物としてビニルエステル化合物を用いると、脱離
能の高い官能基を導入できることも見いだした。このこ
とは、化学的に活性の乏しいカルボン酸誘導体のカルボ
ニル基を前記触媒により高度に活性化できることによ
る。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものであ
る。
【0013】すなわち、カルボン酸誘導体を合成するた
めの本発明の触媒は、下記式(1) R1−CO−X1 (1) [式中、R1 は、非反応性原子又は有機基を示し、X1
は脱離基を示す。R1およびX1 は互いに結合して環を
形成してもよく、R1はさらに少なくとも1つの脱離基
1を有していてもよい]で表されるカルボニル化合物
と、下記式(2) X2−H (2) (式中、X2は、−NH2、アルコール残基又はアミン残
基を示す)で表される化合物との反応により、下記式
(3) R1−CO−X2 (3) (式中、R1,X2は前記に同じ)で表されるカルボン酸
誘導体を生成させるための触媒であって、周期表3族元
素化合物で構成されている。前記周期表3族元素化合物
には、希土類元素化合物、例えば、スカンジウム、イッ
テリビウム、ガドリニウムおよびサマリウムから選ばれ
た少くとも一種の元素化合物が含まれる。本発明の方法
では、前記周期表3族元素化合物で構成されている触媒
の存在下、前記式(1)で表されるカルボニル化合物
と、前記式(2)で表される化合物とを反応させ、前記
式(3)で表されるカルボン酸誘導体を製造する。な
お、本明細書において、「カルボン酸誘導体」とは、カ
ルボン酸、エステル、アミドなどのカルボン酸から誘導
される化合物に限らず、カーボネート(炭酸エステル)
から誘導される化合物も含む意味に用いる。また、「脱
離基交換反応」を単に「エステル交換反応」などという
場合もある。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の触媒は、周期表3族化合
物で構成されている。周期表3族元素には、例えば、希
土類元素[例えば、スカンジウム、イットリウム、ラン
タノイド系列元素(ランタン、セリウム、プラセオジ
ム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウ
ム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホル
ミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテ
チウム)]、アクチノイド系列元素(例えば、アクチニ
ウムなど)などが含まれる。好ましい周期表3族元素に
は、希土類元素、例えば、スカンジウム、イットリウ
ム、ランタノイド系列元素(サマリウム、ガドリニウ
ム、イッテリビウムなど)が含まれる。特にサマリウム
は触媒活性が高い。
【0015】周期表3族元素化合物において、周期表3
族元素の原子価は特に制限されず、2価〜4価程度、特
に2価又は3価である場合が多い。前記周期表3族元素
化合物は、触媒活性能を有する限り特に制限されず、金
属単体、無機化合物(ハロゲン化物,酸化物,複酸化
物、リン化合物,窒素化合物など)や有機化合物(有機
酸など)との化合物や錯体である場合が多く、通常、前
記元素を含む水酸化物または酸素酸塩、有機酸塩、無機
酸塩、ハロゲン化物、前記金属元素を含む配位化合物
(錯体)などである場合が多い。錯体はメタロセン化合
物のようなπ錯体であってもよい。さらに、周期表3族
元素化合物は他の金属との複合金属化合物であってもよ
い。これらの触媒は一種又は二種以上使用できる。
【0016】以下に、サマリウム化合物を例にとって触
媒成分を具体的に説明するが、サマリウム化合物に対応
する他の周期表3族元素化合物も有効に使用できる。水
酸化物には、例えば、水酸化サマリウム(II),水酸化
サマリウム(III)などが含まれる。金属酸化物には、
例えば、酸化サマリウム(II),酸化サマリウム(II
I)などが含まれる。有機酸塩としては、例えば、有機
カルボン酸(ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオ
ロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ナフテン酸、ス
テアリン酸などのモノカルボン酸、シュウ酸、マレイン
酸などの多価カルボン酸)、オキシカルボン酸(グリコ
ール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸など)、チ
オシアン酸、スルホン酸(メタンスルホン酸、トリクロ
ロメタンスルホン酸、トリフルロメタンスルホン酸、エ
タンスルホン酸などのアルキルスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのアリールスル
ホン酸など)などの有機酸との塩が例示され、無機酸塩
としては、例えば、硝酸塩、硫酸塩,リン酸塩、炭酸
塩、過塩素酸塩など挙げられる。有機酸塩又は無機酸塩
の具体例としては、例えば、酢酸サマリウム(II),酢
酸サマリウム(III),トリクロロ酢酸サマリウム(I
I),トリクロロ酢酸サマリウム(III),トリフルオロ
酢酸サマリウム(II),トリフルオロ酢酸サマリウム
(III),トリフルオロメタンスルホン酸サマリウム(I
I)(すなわち、サマリウム(II)トリフラート),ト
リフルオロメタンスルホン酸サマリウム(III)(すな
わち、サマリウム(III)トリフラート),硝酸サマリ
ウム(II),硫酸サマリウム(II),リン酸サマリウム
(II),炭酸サマリウム(II)などが例示できる。ハロ
ゲン化物としては、フッ化物、塩化物、臭化物およびヨ
ウ化物が含まれ、例えば、ヨウ化サマリウム(II),ヨ
ウ化サマリウム(III),臭化サマリウム(II),臭化
サマリウム(III),塩化サマリウム(II),塩化サマ
リウム(III)などが例示できる。
【0017】錯体を形成する配位子としては、OH(ヒ
ドロキソ)、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキ
シ基などのアルコキシ基、アセチル、プロピオニルなど
のアシル基、メトキシカルボニル(アセタト)、エトキ
シカルボニルなどのアルコキシカルボニル基、アセチル
アセトナト、シクロペンタジエニル、C1-4 アルキル置
換シクロペンタジエニル(ペンタメチルシクロペンタジ
エニルなど)、塩素、臭素などハロゲン原子、CO、C
N、酸素原子、H2 O(アコ)、ホスフィン(例えば、
トリフェニルホスフィンなどのトリアリールホスフィ
ン)などのリン化合物、NH3 (アンミン)、NO、N
2 (ニトロ)、NO3 (ニトラト)、エチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェナントロリ
ンなどの窒素含有化合物などが挙げられる。錯体又は錯
塩において、同種又は異種の配位子は一種又は二種以上
配位していてもよい。好ましい錯体における配位子は、
例えば、OH、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカ
ルボニル基、アセチルアセトナト、シクロペンタジエニ
ル、C1-2 アルキル置換シクロペンタジエニル、ハロゲ
ン原子、CO、CN、H2 O(アコ)、トリフェニルホ
スフィンなどのリン化合物や、NH3 、NO2 、NO3
を含めて窒素含有化合物である場合が多く、例えば、サ
マロセン型錯体としては、ジアセチルアセトナトサマリ
ウム(II),トリアセチルアセトナトサマリウム(II
I)、ジシクロペンタジエニルサマリウム(II)、トリ
シクロペンタジエニルサマリウム(III)、ジペンタメ
チルシクロペンタジエニルサマリウム(II),トリペン
タメチルシクロペンタジエニルサマリウム(III)など
が例示できる。
【0018】前記周期表3族化合物で構成された触媒
は、均一系であってもよく、不均一系であってもよい。
また、触媒は、担体に周期表3族化合物で構成された触
媒成分が担持された固体触媒であってもよい。担体とし
ては、活性炭、ゼオライト、シリカ、シリカ−アルミ
ナ、ベントナイトなどの多孔質担体を用いる場合が多
い。固体触媒における触媒成分の担持量は、担体100
重量部に対して、周期表3族化合物0.1〜50重量部
好ましくは0.5〜30重量部、さらに好ましくは1〜
20重量部程度である。
【0019】本発明の触媒は、エステル交換反応などの
脱離基交換反応、例えば、前記式(1)で表されるカル
ボニル化合物(特に、エステル化合物、カルボン酸、カ
ーボネート、アミド化合物など)と、前記式(2)で表
される活性水素原子を有する化合物(例えば、アルコー
ル、アンモニア、アミン)との反応により、前記式
(3)で表されるカルボン酸誘導体を生成させる上で有
用である。式(1)のカルボニル化合物において、R1
は非反応性原子又は非反応性有機基であり、非脱離性基
である場合が多いものの、カルボニル化合物(1)が多
価カルボン酸又はその誘導体などである場合、R1 は、
置換基として、さらに少くとも1つの反応性原子又は反
応性有機基の脱離基X1 を有していてもよい。R1に置
換する脱離基X1 の数は、例えば、1〜4(例えば、1
〜3)程度、特に1又は2程度である。
【0020】非反応性原子又は非反応性有機基R1
は、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
リール基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール
オキシ基、シクロアルキルオキシ基、複素環基、アシル
基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリー
ルオキシカルボニル基などが含まれる。R1 で表される
ハロゲン原子には、ヨウ素、臭素、塩素およびフッ素が
含まれる。アルキル基には、例えば、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−
ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、
オクチル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシ
ル、オクタデシル基などの炭素数1〜20程度の直鎖状
又は分岐鎖状アルキル基(好ましくは炭素数1〜10程
度のアルキル基)が含まれる。好ましいアルキル基とし
ては、例えば、炭素数1〜6程度、特に炭素数1〜4程
度の低級アルキル基が挙げられる。
【0021】アリール基には、フェニル基、ナフチル基
などの炭素数6〜14程度のアリール基が含まれ、シク
ロアルキル基には、シクロペンチル、シクロヘキシル、
シクロヘプチル、シクロオクチル基などの炭素数3〜1
0程度のシクロアルキル基が含まれる。アルコキシ基に
は、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプ
ロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペ
ンチルオキシ、ヘキシルオキシ基などの炭素数1〜20
(好ましくは1〜10)程度、好ましくは炭素数1〜6
程度、特に炭素数1〜4程度の低級アルコキシ基が含ま
れる。アリールオキシ基には、フェノキシ基、ナフトキ
シ基などの炭素数6〜14程度のアリールオキシ基が含
まれ、シクロアルキルオキシ基には、シクロペンチルオ
キシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、
シクロオクチルオキシ基などの炭素数3〜10程度のシ
クロアルキルオキシ基が含まれる。複素環基に対応する
複素環には、例えば、ヘテロ原子として酸素原子を含む
複素環(例えば、フラン、オキサゾール、イソオキサゾ
ール、テトラヒドロフランなどの5員環、ピランなどの
6員環、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフ
ラン、キサントン、キサンテン、クロマン、イソクロマ
ン、クロメンなどの縮合環)、ヘテロ原子として硫黄原
子を含む複素環(例えば、チオフェン、チアゾール、イ
ソチアゾール、チアジアゾール、ベンゾチオフェンな
ど)、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環(例え
ば、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾー
ル、ピロリジンなどの5員環、ピリジン、ピリダジン、
ピリミジン、ピラジン、ピペリジン、モルホリンなどの
6員環、インドール、インドレン、イソインドール、イ
ンダゾール、インドリン、イソインドリン、キノリン、
イソキノリン、キノリンキノリン、キノキサリン、キナ
ゾリン、フタラジン、プリン、カルバゾール、アクリジ
ン、ナフトキノリン、フェナントロジン、フェナントロ
リン、ナフチリジン、ベンゾキノリン、フェノキサジ
ン、フタロシアニン、アントラシアニンなどの縮合環)
などが含まれる。
【0022】アシル基としては、例えば、ホルミル、ア
セチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレ
リル、イソバレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜1
8(好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜6)程
度の脂肪族アシル基、ベンゾイル、ナフトイル、トルオ
イル基などの炭素数7〜15程度の芳香族アシル基など
が例示できる。
【0023】アルコキシカルボニル基には、例えば、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカ
ルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボ
ニル、イソブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニ
ル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボ
ニル基などのアルコキシ部分の炭素数が1〜20(好ま
しくは1〜10)程度のアルコキシカルボニル基が含ま
れる。好ましいアルコキシカルボニル基にはアルコキシ
部分の炭素数が1〜6(特に1〜4)程度の低級アルコ
キシカルボニル基が含まれる。アリールオキシカルボニ
ル基には、例えば、フェニルオキシカルボニル基等が含
まれる。
【0024】好ましい基R1 には、アルキル基(例え
ば、C1-10 アルキル基、特にC1-6アルキル基など)、
アリール基(例えば、フェニル基など)、シクロアルキ
ル基(例えば、C5-8 シクロアルキル基など)、アルコ
キシ基(例えば、C1-10 アルコキシ基、特にC1-6
ルコキシ基など)、アリールオキシ基(例えば、フェノ
キシ基など)、シクロアルキルオキシ基(例えば、C
5-8 シクロアルキルオキシ基など)、複素環基などが含
まれる。基R1 は非脱離性基である場合が多い。前記カ
ルボニル化合物(1)が多価カルボン酸又はその誘導体
(例えば、酸無水物、エステルなど)などである場合、
非反応性有機基R1 は、さらに脱離基X1を備えていて
もよい。
【0025】脱離基X1 としては、種々の脱離基が利用
でき、例えば、式−OR2aまたは式−NR3a4aで表さ
れる脱離基が含まれる。脱離基としてのR2a、R3aおよ
びR4aは、例えば、同一又は異なって、水素原子、ハロ
ゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキル
基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル
基などであってもよい。好ましい脱離基には、水素原
子、アルキル基(前記例示のC1-6 低級アルキル基な
ど)、アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、1−プ
ロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニ
ル、3−ブテニル、2−ペンテニルなどのC2-10アルケ
ニル基など)、アルキニル基(例えば、エチニル、プロ
ピニル基などのC2-10アルキニル基など)、アリール基
(前記例示のフェニル基など)、シクロアルキル基(前
記例示のシクロヘキシル基など)などが含まれる。好ま
しい脱離基には、式−OR2a[R2aは水素原子、C1-6
低級アルキル基(特にC1-4 アルキル基)、C2-6アル
ケニル基(特にC2-4 アルケニル基)、C2-6アルキニ
ル基(特にC2-4 アルキニル基)を示す]が含まれる。
特に、R2aがアルケニル基(ビニル基など)などの不飽
和結合を有するエステル(ビニルエステル、プロペニル
エステル、イソプロペニルエステルなど)を用いると、
付加重合などの副反応を抑制しつつ、脱離基−OR2a
交換反応により、高い選択率および収率で対応するカル
ボン酸誘導体を生成させることができる。
【0026】R1 およびX1 は互いに結合して環を形成
してもよい。なお、脱離基が前記式−OR2aまたは式−
NR3a4aで表される基である場合、R1は脱離基の酸
素原子又は窒素原子と結合して非芳香族性環(すなわ
ち、ラクトン環又はラクタム環)を形成する場合が多
い。ラクトン環又はラクタム環には、4〜20員環(例
えば、5〜12員環)などが含まれる。R3aおよびR4a
も互いに結合して環(すなわち、非芳香族性窒素含有複
素環)を形成してもよい。R3aおよびR4aで形成される
環としては、例えば、ヘテロ原子として1個の窒素原子
を有し、さらに窒素原子、酸素原子および硫黄原子から
選択された少くとも1種のヘテロ原子を有していてもよ
い3〜12員複素環(例えば、3〜6員複素環)などが
含まれる。
【0027】前記式(1)で表される好ましいカルボニ
ル化合物には、有機カルボン酸、エステル化合物、カー
ボネート化合物およびアミド化合物が含まれる。有機カ
ルボン酸としては、例えば、モノカルボン酸(例えは、
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、
イソ吉草酸、2−メチル酪酸、ピバル酸、ヘキサン酸、
ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデ
カン酸、ラウリン酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸などの脂肪族C1-20カルボン酸、シクロヘキ
サン酸などの脂環族カルボン酸、安息香酸、ナフタレン
カルボン酸などの芳香族カルボン酸、アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、オレイン酸、エライジン酸、リ
ノール酸、リノレイン酸、リシノール酸などの不飽和カ
ルボン酸、乳酸、サリチル酸などのオキシカルボン酸な
ど)、多価カルボン酸(例えば、シュウ酸、マロン酸、
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベ
リン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの飽和脂肪族C
2-16多価カルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸などの不飽和脂肪族多価カルボン酸、シクロヘキサン
ジカルボン酸などの脂環族多価カルボン酸、フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、アトロパ酸、ピロメリット酸、トリメリット酸など
の芳香族多価カルボン酸、酒石酸、リンゴ酸などのオキ
シ多価カルボン酸など)およびこれらの酸無水物が挙げ
られる。
【0028】エステル化合物としては、例えば、前記有
機カルボン酸のアルキルエステル(例えば、C1-6 アル
キルエステルなど)、アルケニルエステル(例えば、ビ
ニルエステル、アリルエステルなどのC2-6 アルケニル
エステル)、アルキニルエステル(例えば、エチニルエ
ステル、プロピニルエステルなどのC2-6 アルキニルエ
ステルなど)、アリールエステル(例えば、フェニルエ
ステルなど)、シクロアルキルエステル(例えば、シク
ロヘキシルエステルなどのC5-8 シクロアルキルエステ
ルなど)、アラルキルエステル(例えば、ベンジルエス
テル、フェネチルエステルなど)、アシルエステル(例
えば、脂肪族又は芳香族C1-6 アシルエステル)などが
挙げられる。エステルとしては、有機カルボン酸のC
1-4 低級アルキルエステル、有機カルボン酸のC2-4
ルケニルエステルなどを用いる場合が多い。特に脱離基
としては、アルケニル基などのビニル性官能基が有効で
あり、例えば、脂肪族C1-6 カルボン酸(例えば、酢
酸)や芳香族カルボン酸(例えば、安息香酸)の場合、
ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル,安息香酸ビニル
など)、プロペニルエステル又はイソプロペニルエステ
ル(例えば、酢酸プロペニル,酢酸イプロペニル、安息
香酸プロペニルなど)などのアルケニルエステルが挙げ
られる。
【0029】カーボネート化合物には、例えば、ジアル
キルカーボネート(ジメチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボ
ネートなどのC1-6 ジアルキルカーボネートなど)、ア
ルキルアリールカーボネート(例えば、メチルフェニル
カーボネート、エチルフェニルカーボネートなどのC
1-6 アルキル−フェニル−カーボネートなど)、アルキ
ルアリルカーボネート(例えば、C1-6 アルキルアリル
カーボネートなど)、ジアリールカーボネート(例え
ば、ジフェニルカーボネートなど)、ジアリルカーボネ
ート、アリールアリルカーボネート(例えば、フェニル
アリルカーボネートなど)、アルキレンカーボネートな
どが含まれる。カーボネートとしては、ジC1-4 アルキ
ルカーボネートなどを用いる場合が多い。
【0030】アミド化合物には、前記有機カルボン酸か
ら誘導されるアミド、例えば、モノアルキルアミド(例
えば、モノC1-6 アルキルアミドなど)、モノアリール
アミド(例えば、モノフェニルアミドなど)、モノアリ
ルアミド、モノアシルアミド(例えば、モノC1-6 アシ
ルアミドなど)、ジアルキルアミド(例えば、ジC1-6
アルキルアミドなど)、ジアリールアミド(例えば、ジ
フェニルアミドなど)、ジアリルアミド、アルキルアリ
ールアミド(例えば、C1-6 アルキルフェニルアミドな
ど)、アルキルアリルアミド(例えば、C1-6 アルキル
アリルアミドなど)など他、さらにカルボニル基にアル
コキシ基とアミノ基が結合したハーフアミド化合物も良
好な基質となる。
【0031】なお、前記カルボニル化合物は、分岐構造
や環状構造を有していてもよく、シアノ基、ヒドロキシ
ル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、ア
ミノ基、スルフィニル基、スルフォニル基、ハロゲン原
子などの一般的な官能基によって修飾されていてもよ
い。
【0032】前記式(2)で表される化合物には、X2
が−NH2 であるアンモニア、X2がアルコール残基で
あるアルコール、X2 がアミン残基である第一級アミン
および第に級アミンが含まれる。アルコールとしては、
例えば、一級アルコール、二級アルコール、三級アルコ
ールのいずれも使用でき、例えば、直鎖状、分岐鎖状又
は環状の脂肪族アルコール[脂肪族飽和アルコール(例
えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピル
アルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコー
ル、イソブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t
−ブチルアルコール、ペンチルアルコール、イソペンチ
ルアルコール、ネオペンチルアルコール、t−ペンチル
アルコール、ヘキシルアルコール、イソヘキシルアルコ
ール、2−メチル−ヘキシルアルコール、ヘプチルアル
コール、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアル
コール、ノニルアルコール、デシルアルコールなどのC
1-20アルコールなど)、脂肪族不飽和アルコール(例え
ば、アリルアルコール、2−ヘキセン−1−オール、ゲ
ラニオール、プロパルギルアルコールなどのC3-12アル
コールなど)、脂環族アルコール(例えば、シクロペン
チルアルコール、シクロヘキシルアルコールなど)]、
芳香族アルコール(例えば、ベンジルアルコール、ベン
ズヒドロール、フェネチルアルコール、フェノールな
ど)、多価アルコール(例えば、エチレングリコール、
プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ブタ
ンジオール、ヘキサンジオールなどのC2-10アルキレン
グリコール、シクロヘキサンジオールなどの脂環族ジオ
ール、ジベンジルアルコール、ビスフェノールなどの芳
香族ジオール、グリセリン、ペンタエリスリトールや糖
類などの多価アルコール、ポリエチレングリコール類な
どのポリオキシアルキレングリコールなど)、分子内に
複素原子を含むアルカノールアミン類などが挙げられ
る。これらのアルコールは、一般的な置換基、例えば、
シアノ基、アシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子な
どを含んでいてもよい。
【0033】第1級又は第2級アミンとしては、少なく
とも1個の活性水素原子を有していればよく、特に限定
するものではないが、例えば、脂肪族第1級アミン(例
えば、メチルアミン、エチルミン、プロピルアミン、イ
ソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、
s−ブチルアミン、t−ブチルアミン、ペンチルアミ
ン、イソペンチルアミン、ネオペンチルアミン、t−ペ
ンチルアミン、ヘキシルアミン、イソヘキシルアミン、
ヘプチルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシル
アミン、ノニルアミン、デシルアミンなどのモノC1-20
アルキルアミンなど、アリルアミン、ブテニルアミンな
どのC2-10不飽和アミン、モノメタノールアミン、モノ
エタノールアミン、モノブタノールアミンなどのC1-10
第1級アルカノールアミンなど)、脂環族第1級アミン
(例えば、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミ
ン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミンなど
のC3-10シクロアルキルアミン)、芳香族第1級アミン
(例えば、アニリン、トルイシン、キシリジン、ナフチ
ルアミンなどのC6-14アリールアミンなど)、アラルキ
ルアミン(例えば、ベンジルアミン、フェネチルアミ
ン、3−フェニルプロピルアミン、4−フェニルブチル
アミンなどのC7-15アラルキルアミンなど)、複素環式
第1級アミン(例えば、2−アミノフラン、2−アミノ
チオフェン、3−アミノピリジンなどの、酸素原子,硫
黄原子および窒素原子から選択された少くとも1種のヘ
テロ原子を含む5又は6員複素環又はベンゼン環などが
縮合した縮合複素環式アミン)、脂肪族第2級アミン
(例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピ
ルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジ
イソブチルアミン、ジ−s−ブチルアミン、ジ−t−ブ
チルアミン、ジペンチルアミン、ジイソペンチルアミ
ン、ジネオペンチルアミン、ジ−t−ペンチルアミン、
ジヘキシルアミン、ジイソヘキシルアミン、ジヘプチル
アミン、ジオクチルアミン、メチルエチルアミン、エチ
ルプロピルミン、メチルプロピルアミン、メチルイソプ
ロピルアミン、メチルブチルアミン、メチルイソブチル
アミン、メチル−s−ブチルアミン、メチル−t−ブチ
ルアミン、メチルペンチルアミン、メチルオクチルアミ
ンなどのジC1-20アルキルアミン(好ましくはジC1-10
アルキルアミン)など、ジアリルアミン、ブテニルアミ
ンなどの不飽和アミン、ジメタノールアミン、ジエタノ
ールアミンなどの第2級アルカノールアミンなど)、脂
環族第2級アミン(例えば、ジシクロヘキシルアミンな
ど)、芳香族第2級アミン(例えば、ジベンジルアミン
など)、複素環式第2級アミン(例えば、ピロリジン、
ピロール、イミダゾール、ピペリジン、モルホリンな
ど)などが挙げられる。これらのアミン化合物は、分岐
構造や環状構造を有していてもよく、シアノ基、ヒドロ
キシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル
基、アミノ基、スルフィニル基、スルフォニル基、ハロ
ゲン原子などの一般的な官能基によって修飾されていて
もよい。
【0034】本発明の好ましい方法では、式(1)で表
されるカルボニル化合物として、有機カルボン酸又はそ
の酸無水物、有機カルボン酸のC1-4 低級アルキルエス
テル(例えば、C1-2 アルキルエステル)、有機カルボ
ン酸のC2-4 アルケニルエステル(例えば、C2-3 アル
ケニルエステル)およびジC1-4 アルキルカーボネート
(例えば、ジC1-2 アルキルカーボネート)から選択さ
れた少くとも一種を使用する場合が多い。特に、希土類
元素化合物の存在下、有機カルボン酸又はその酸無水
物、有機カルボン酸のC1-4 低級アルキルエステル、有
機カルボン酸のC2-4 アルケニルエステル、およびジC
1-4 アルキルカーボネートから選択された少くとも一種
の化合物と、前記エステル又はカーボネートのアルキル
基又はアルケニル基よりも炭素数の多いアルコール(す
なわち高次の炭素数を有するのアルコール、例えば、脂
肪族C6-20アルコール、芳香族アルコールなど)、高次
の第1級アミン(例えば、モノC6-20アルキルアミンや
芳香族第1級アミンなど)又は第2級アミン(例えば、
ジC6-20アルキルアミン、芳香族第2級アミンなど)と
を反応させる方法が含まれる。さらに、アミド化合物を
生成させる場合、有機カルボン酸のC2-4 アルケニルエ
ステルと、第1級又は第2級アミンとを反応させる方法
が含まれる。
【0035】好ましい脱離基交換反応は、下記の反応式
で表すことができる。
【0036】 R1−CO−OR2a + R2b−OH → R1−CO−OR2b1−CO−OR2a + R3b4b−NH → R1−CO−NR3b4b [式中、R2bはアルコール残基、R3bおよびR4bは水素
原子又はアミン残基を示し、R3bおよびR4bは互いに結
合して環を形成してもよい。R1、R2a、R3aおよびR
4aは前記に同じ)R3bおよびR4bが互いに結合して形成
する環には、前記R3aおよびR4aが形成する環よりも員
数が多く、ヘテロ原子として1個の窒素原子を有すると
ともに、さらに窒素原子、酸素原子および硫黄原子から
選択された少くとも1種のヘテロ原子を有していてもよ
い4〜16員複素環(例えば、5〜8員複素環)などが
含まれる。
【0037】カルボニル化合物(1)と化合物(2)と
の使用割合は、反応生成物(3)の生成効率を損なわな
い限り特に制限されず、カルボニル化合物(1)1当量
に対して化合物(2)0.5〜5当量(又はモル)程度
の範囲から選択できるが、通常、1分子中の脱離基の数
に応じて、カルボニル化合物(1)1当量に対して、化
合物(2)0.8モル以上(例えば、0.8〜5モ
ル)、特に1モル以上(例えば、1〜3モル、特に1〜
1.5モル)程度である場合が多い。なお、前記反応が
平衡反応であるため、化合物(2)の使用量が多い程、
反応を進行させる上で有利であるが、本発明の触媒は触
媒活性が極めて高いため、化合物(2)を大過剰量で使
用する必要はない。特に、反応平衡の点から極めて不利
な組合わせの反応において、化合物(2)としてビニル
性脱離基を有する前記アルケニルエステル(ビニルエス
テルなど)を用いる場合には、むしろ、カルボニル化合
物(1)の脱離基1当量に対して化合物(2)を1モル
以下の量(例えば、カルボニル化合物(1)1当量に対
して化合物(2)0.4〜1モル、好ましくは0.5〜
1モル)で使用すると、反応が速やかに完結し好成績が
得られる場合が多い。
【0038】前記周期表3族元素化合物が構成される触
媒の使用量は、広い範囲で選択でき、例えば、前記カル
ボニル化合物(1)に対して0.1モル%〜1当量、好
ましくは0.5〜50モル%、さらに好ましくは1〜2
5モル%(例えば、5〜20モル%)程度の範囲から適
当に選択できる。反応は、反応に不活性な溶媒の存在下
又は非存在下で行なうことができ、反応溶媒としては、
例えば、ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類、
シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類、ベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、アセトン、
メチルエチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリ
ドン、アセトニトリルなどの非プロトン性極性溶媒、お
よびこれらの混合溶媒などが例示できる。好ましい溶媒
には、脂肪族、脂環族又は芳香族炭化水素類が含まれ
る。なお、前記反応が平衡反応であるため、反応を促進
するためには、脱離成分などの反応阻害成分を反応系外
へ速やかに除去するのが有利である。脱離成分を除去す
るためには、高沸点溶媒(例えば、沸点50〜120
℃、特に60〜115℃程度の有機溶媒)又は共沸性溶
媒(例えば、前記炭化水素類など)を用いるのが有利で
ある。また、必要に応じて、化合物(2)(すなわち、
前記アルコールや第1級又は第2級アミン)を溶媒とし
て使用してもよい。
【0039】前記触媒を用いると、温和な条件であって
も高い効率でカルボン損誘導体が生成する。前記式
(1)で表されるカルボニル化合物と、前記式(2)で
表される化合物との反応温度は、カルボニル化合物
(1)や脱離基の種類などに応じて選択でき、例えば、
0〜150℃、好ましくは10〜100℃、好ましくは
20〜80℃程度である。前記カルボニル化合物(1)
として前記有機カルボン酸のアルケニルエステルなどを
用いると、20〜50℃程度の温和な条件でも反応を円
滑に進行させることができる。反応は常圧、減圧又は加
圧下で行なうことができるが、反応は常圧又は加圧下で
行なうのが有利である。反応は、回分式、半回分式、連
続式などの慣用の方法により行なうことができる。反応
終了後、反応生成物は、慣用の方法、例えば、濾過、濃
縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフ
ィーなどの分離手段や、これらを組合せた分離手段によ
り、容易に分離精製できる。本発明の方法は、脱離基交
換反応を利用して、有機カルボン酸又はそのエステルな
どのカルボニル化合物から、エステル、アミドなどのカ
ルボン酸誘導体を製造する上で極めて有用である。
【0040】本発明の方法では、最も重要な化学反応の
一つであるカルボキシル化合物の脱離基交換反応が前記
触媒の存在下できわめて良好な成績で進行する。特に、
本発明の触媒を用いることにより、ルイス酸やプロトン
酸を使用する従来の方法では困難であった、化学的に活
性の低い構造を有するエステルやカルボン酸の脱離基交
換反応を良好に行なうことができ、化学平衡的に不利な
組み合せの反応成分を用いても、脱離基の除去と連動さ
せることにより良好な成績が得られる。また、ビニル性
脱離基を有するカルボニル化合物を基質として使用する
と、脱離基交換反応が飛躍的に進行する。そのため、通
常困難であった脱離基の導入が可能である。また、本発
明の方法は、工業的な用途開発が望まれているの周期表
3族元素(希土類金属化合物など)を利用した有効な方
法でもあり、学術的な意味でもその意義がきわめて大き
い。
【0041】
【発明の効果】本発明では、周期表3族元素化合物を触
媒として使用するため、脱離基交換反応によりカルボン
酸誘導体を高い選択率および収率で得ることができる。
また、エステル、カルボン酸、カーボネート、アミド化
合物などのカルボニル基を活性化し、アルコール、アン
モニアやアミンとの脱離基交換反応により、カルボン酸
誘導体を効率よく得ることができる。また、温和な条件
で、カルボン酸又はそのエステル、カーボネートなどの
脱離基を、この脱離基よりも高次の炭素数を有する置換
基で効率よく交換でき、カルボン酸誘導体の生成効率が
高い。さらに、ビニルエステルなどの不飽和結合を有す
るエステルを用いても、副反応を抑制しつつ高い収率で
カルボン酸誘導体を得ることができる。
【0042】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。 実施例1 酢酸ビニル1.72g(20ミリモル)、ヨウ化サマリ
ウム(II)0.81g(2ミリモル)、n−オクチルア
ルコール1.3g(10ミリモル)の混合物をトルエン
5mlとともに25℃で3時間撹拌した。反応混合液を
ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、酢酸−
n−オクチルが収率77%(n−オクチルアルコール基
準)で得られた。
【0043】実施例2 酢酸ビニル1.72g(20ミリモル)、ジ(η5 −ペ
ンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウム[CP
2 Sm(thf)2 ]0.81g(2ミリモル)、n−
オクチルアルコール1.3g(10ミリモル)の混合物
をトルエン5mlとともに25℃で3時間撹拌した。反
応混合液をガスクロマトグラフィーにより分析したとこ
ろ、酢酸−n−オクチルが収率99%(n−オクチルア
ルコール基準)で得られた。
【0044】実施例3 酢酸ビニル1.72g(20ミリモル)、ジ(η5 −ペ
ンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウム[CP
2 Sm(thf)2 ]0.81g(2ミリモル)、2−
オクチルアルコール1.3g(10ミリモル)の混合物
をトルエン5mlとともに25℃で3時間撹拌した。反
応混合液をガスクロマトグラフィーにより分析したとこ
ろ、酢酸−2−オクチルが収率54%(2−オクチルア
ルコール基準)で得られた。
【0045】実施例4 酢酸イソプロペニル2.0g(20ミリモル)、ジ(η
5 −ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウム
[CP 2 Sm(thf)2 ]0.81g(2ミリモ
ル)、2−オクチルアルコール1.3g(10ミリモ
ル)の混合物をトルエン5mlとともに25℃で3時間
撹拌した。反応混合液をガスクロマトグラフィーにより
分析したところ、酢酸−2−オクチルが収率94%(2
−オクチルアルコール基準)で得られた。
【0046】実施例5 酢酸ビニル1.72g(20ミリモル)、ジ(η5 −ペ
ンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウム[CP
2 Sm(thf)2 ]0.81g(2ミリモル)、2−
ヘキセン−1−オール1.0g(10ミリモル)の混合
物をトルエン5mlとともに25℃で3時間撹拌した。
反応混合液をガスクロマトグラフィーにより分析したと
ころ、酢酸−2−ヘキセニルが収率88%(2−ヘキセ
ン−1−オール基準)で得られた。
【0047】実施例6 酢酸ビニル1.72g(20ミリモル)、ジ(η5 −ペ
ンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウム[CP
2 Sm(thf)2 ]0.81g(2ミリモル)、n−
オクチルアミン1.29g(10ミリモル)の混合物を
トルエン5mlとともに25℃で3時間撹拌した。反応
混合液をガスクロマトグラフィーにより分析したとこ
ろ、n−オクチルアセトアミドが収率99%(n−オク
チルアミン基準)で得られた。
【0048】実施例7 酢酸イソプロペニル2.0g(20ミリモル)、ジ(η
5 −ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウム
[CP 2 Sm(thf)2 ]0.81g(2ミリモ
ル)、2−メチル−2−ヘキシルアルコール1.3g
(10ミリモル)の混合物をトルエン5mlとともに2
5℃で3時間撹拌した。反応混合液をガスクロマトグラ
フィーにより分析したところ、酢酸−(2−メチル−2
−ヘキシル)が収率51%(2−メチル−2−ヘキシル
アルコール基準)で得られた。
【0049】実施例8 無水酢酸1.02g(10ミリモル)、ヨウ化サマリウ
ム(II)0.81g(2ミリモル)、n−オクチルアル
コール1.3g(10ミリモル)の混合物をテトラヒド
ロフラン(THF)5mlとともに25℃で3時間撹拌
した。反応混合液をガスクロマトグラフィーにより分析
したところ、酢酸−n−オクチルが収率91%(n−オ
クチルアルコール基準)で得られた。
【0050】実施例9 無水酢酸1.02g(10ミリモル)、ヨウ化サマリウ
ム(III)1.06g(2ミリモル)、n−オクチルア
ルコール1.3g(10ミリモル)の混合物をTHF
5mlとともに25℃で3時間撹拌した。反応混合液を
ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、酢酸−
n−オクチルが収率90%(n−オクチルアルコール基
準)で得られた。
【0051】実施例10 無水酢酸1.02g(10ミリモル)、イッテリビウム
トリフラート(III)1.02g(2ミリモル)、n−
オクチルアルコール1.3g(10ミリモル)の混合物
をTHF 5mlとともに25℃で3時間撹拌した。反
応混合液をガスクロマトグラフィーにより分析したとこ
ろ、酢酸−n−オクチルが収率93%(n−オクチルア
ルコール基準)で得られた。
【0052】実施例11 無水酢酸1.02g(10ミリモル)、サマリウムトリ
フラート(III)0.98g(2ミリモル)、n−オク
チルアルコール1.3g(10ミリモル)の混合物をT
HF 5mlとともに25℃で3時間撹拌した。反応混
合液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、
酢酸−n−オクチルが収率92%(n−オクチルアルコ
ール基準)で得られた。
【0053】実施例12 無水酢酸1.02g(10ミリモル)、スカンジウムト
リフラート(III)0.77g(2ミリモル)、n−オ
クチルアルコール1.3g(10ミリモル)の混合物を
THF 5mlとともに25℃で3時間撹拌した。反応
混合液をガスクロマトグラフィーにより分析したとこ
ろ、酢酸−n−オクチルが収率88%(n−オクチルア
ルコール基準)で得られた。
【0054】実施例13 ジエチルカーボネート1.18g(10ミリモル)、ヨ
ウ化サマリウム(II)0.81g(2ミリモル)、n−
オクチルアルコール1.3g(10ミリモル)の混合物
をTHF 5mlとともに40℃で3時間撹拌した。反
応混合液をガスクロマトグラフィーにより分析したとこ
ろ、炭酸モノn−オクチルが収率46%(ジエチルカー
ボネート基準)、炭酸ジn−オクチルが収率22%(ジ
エチルカーボネート基準)で得られた。
【0055】実施例14 マロン酸ジエチル1.6g(10ミリモル)、ヨウ化サ
マリウム(II)0.81g(2ミリモル)、n−オクチ
ルアルコール2.6g(20ミリモル)の混合物をTH
F 5mlとともに40℃で3時間撹拌した。反応混合
液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、マ
ロン酸モノn−オクチルが収率51%(マロン酸ジエチ
ル基準)、マロン酸ジn−オクチルが収率24%(マロ
ン酸ジエチル基準)で得られた。
【0056】実施例15 ジメチルカーボネート0.9g(10ミリモル)、ヨウ
化サマリウム(II)0.81g(2ミリモル)、フェノ
ール1.86g(20ミリモル)の混合物をTHF 5
mlとともに60℃で3時間撹拌した。反応混合液をガ
スクロマトグラフィーにより分析したところ、メチルフ
ェニルカーボネートが収率46%(ジメチルカーボネー
ト基準)、ジフェニルカーボネートが収率37%(ジメ
チルカーボネート基準)で得られた。
【0057】比較例1 無水酢酸1.02g(10ミリモル)、アルミニウムト
リイソプロポキシド(III)0.4g(2ミリモル)、
n−オクチルアルコール1.3g(10ミリモル)の混
合物をTHF 5mlとともに25℃で3時間撹拌し
た。反応混合液をガスクロマトグラフィーにより分析し
たところ、酢酸−n−オクチルが収率22%(n−オク
チルアルコール基準)で得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 69/145 C07C 69/145 69/38 69/38 69/96 69/96 Z 231/02 9547−4H 231/02 233/05 9547−4H 233/05 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 R1−CO−X1 (式中、R1は、非反応性原子又は有機基を示し、X1
    脱離基を示す。R1およびX1 は互いに結合して環を形
    成してもよく、R1はさらに少くとも1つの脱離基X1
    有していてもよい)で表されるカルボニル化合物と、式
    2−H(式中、X2 は、−NH2 、アルコール残基
    又はアミン残基を示す)で表される化合物との反応によ
    り、式 R1−CO−X2(式中、R1 ,X2 は前記に同
    じ)で表されるカルボン酸誘導体を生成させるための触
    媒であって、周期表3族元素化合物で構成されているカ
    ルボン酸誘導体の合成用触媒。
  2. 【請求項2】 周期表3族元素化合物が希土類元素化合
    物である請求項1記載のカルボン酸誘導体の合成用触
    媒。
  3. 【請求項3】 希土類元素化合物が、スカンジウム化合
    物、イッテリビウム化合物、ガドリニウム化合物および
    サマリウム化合物から選ばれた少くとも一種である請求
    項2記載のカルボン酸誘導体の合成用触媒。
  4. 【請求項4】 希土類元素化合物が二価又は三価のサマ
    リウム化合物である請求項2記載のカルボン酸誘導体の
    合成用触媒。
  5. 【請求項5】 周期表3族元素化合物で構成された触媒
    の存在下、式(1) R1−CO−X1 (式中、R1は、非反応性原子又は有機基示し、X1は脱
    離基を示す。R1およびX1は互いに結合して環を形成し
    てもよく、R1 はさらに少くとも1つの脱離基X1を有
    していてもよい)で表されるカルボニル化合物と、式
    (2) X2−H (式中、X2は、−NH2、アルコール残基又はアミン残
    基を示す)で表される化合物とを反応させ、式(3) R1−CO−X2 (式中、R1,X2は前記に同じ)で表されるカルボン酸
    誘導体を生成させるカルボン酸誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 R1 が、アルキル基、アリール基、シク
    ロアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シク
    ロアルキルオキシ基、複素環基であり、脱離基X1 が、
    −OR2a又は−NR3a4a(式中、R2a、R3aおよびR
    4aは、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アル
    ケニル基、アルキニル基、アリール基、シクロアルキル
    基を示す。R3aおよびR4aは互いに結合して環を形成し
    てもよい)である請求項5記載のカルボン酸誘導体の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 R1 が、アルキル基、アリール基、シク
    ロアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シク
    ロアルキルオキシ基および複素環基から選ばれた非脱離
    性基であり、脱離基X1 が、−OR2a(式中、R2aは、
    水素原子、C1-6 アルキル基、C2-6 アルケニル基又は
    2-6アルキニル基を示す)である請求項5記載のカル
    ボン酸誘導体の製造方法。
  8. 【請求項8】 式(1)で表されるカルボニル化合物
    が、有機カルボン酸又はその酸無水物、有機カルボン酸
    のC1-4 低級アルキルエステル、有機カルボン酸のC
    2-4 アルケニルエステルおよびジC1-4 アルキルカーボ
    ネートから選択された少くとも一種である請求項5記載
    のカルボン酸誘導体の製造方法。
  9. 【請求項9】 希土類元素化合物の存在下、有機カルボ
    ン酸又はその酸無水物、有機カルボン酸のC1-4 低級ア
    ルキルエステル、有機カルボン酸のC2-4 アルケニルエ
    ステル、およびジC1-4 アルキルカーボネートから選択
    された少くとも一種の化合物と、前記アルキル基又はア
    ルケニル基よりも多い炭素数のアルコールとを反応させ
    る請求項5記載のカルボン酸誘導体の製造方法。
  10. 【請求項10】 有機カルボン酸のC2-4 アルケニルエ
    ステルと、第1級又は第2級アミンとを反応させる請求
    項5記載のカルボン酸誘導体の製造方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6441220B1 (en) 1999-06-16 2002-08-27 Sumitomo Chemical Company, Limited Methods for producing cyclopropane carboxylates
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JP2007091665A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Mitsubishi Rayon Co Ltd (メタ)アクリル酸エステルを製造する方法
US7541459B2 (en) 2004-09-27 2009-06-02 Fujifilm Corporation Method of producing amide compound
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JP2016520584A (ja) * 2013-05-08 2016-07-14 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. デヒドロリナリルアセテートの製造方法(i)

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