JP2003128608A - ヒドロキシビアリール化合物の製造方法 - Google Patents

ヒドロキシビアリール化合物の製造方法

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JP2003128608A
JP2003128608A JP2001320762A JP2001320762A JP2003128608A JP 2003128608 A JP2003128608 A JP 2003128608A JP 2001320762 A JP2001320762 A JP 2001320762A JP 2001320762 A JP2001320762 A JP 2001320762A JP 2003128608 A JP2003128608 A JP 2003128608A
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substituent
carbon atoms
catalyst
reaction
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JP2001320762A
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Shunichi Hirao
俊一 平尾
Hidehiro Sakurai
英博 櫻井
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】比較的低温で収率良く、また、触媒は再利用で
きる、工業的に有利なヒドロキシビアリール化合物の製
造方法を提供すること。 【解決手段】 担持型Pd触媒及び塩基の存在下、下
記一般式(1)で表されるハロゲン化ヒドロキシアリー
ル化合物と、 【化1】 下記一般式(2)で表されるアリールボロン酸またはそ
の誘導体を水中で反応させることを特徴とする、 【化2】 下記一般式(3)で表されるヒドロキシビアリール化合
物の製造方法。 【化3】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬や農薬の中間
体として有用なヒドロキシビアリール化合物の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般式(3)で表されるヒドロキシビア
リール化合物は、従来ハロゲン化ヒドロキシアリール化
合物とアリールボロン酸誘導体とを、均一系の触媒を用
いて反応させ、製造されていた。例えば、均一系触媒と
して、ホスフィン化合物のような配位子とPd錯体触媒
の存在下、有機溶媒中で反応させる方法や、テトラブチ
ルアンモニウムブロミドのような四級アンモニウム塩と
酢酸パラジウム触媒の存在下、水溶媒中で反応を行う方
法(D. Badoneら、J. Org. Chem., 1997, 62, 7170)が
知られている。しかしながら、これらの反応は、均一系
触媒反応であることから、反応後の触媒の分離回収再利
用工程に多くの労力がかかるばかりでなく、多大なるコ
ストが発生することが一般的である。
【0003】これらの均一系での反応の欠点を克服する
ために、不均一系の触媒を用いることが提案されてい
る。例えば、ハロゲン化アリール化合物とアリールボロ
ン酸またはその誘導体とを、活性炭にPdを担持させた
もの(Pd/C)を触媒として用い、ジメチルアセトア
ミド/水の混合溶媒系で反応を行う方法(C. R. LeBlon
dら、Org. Lett., 2001, 1555)や、活性炭にPdを担
持させたもの(Pd/C)を触媒とし、トリフェニルホ
スフィンのような配位子の存在下、ジメトキシエタン/
2M炭酸ナトリウム水溶液混合溶媒中で反応を行う方法
(G. Marck ら、Tetrahedron Lett., 1994, 35, 3277)
が知られている。また、Pdコロイドのような微粒子を
触媒として用いる方法(M. T. Reetzら、Angew. Chem.
Int. Ed.,2000, 39, 165)も知られている。
【0004】これらの反応は、反応温度が高く、また、
触媒の回収、再利用に関する記載もない。そこで、温和
な条件下で反応が行え、また、触媒の回収が容易であ
る、工業的に有利な反応系の開発が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、担持
型Pd触媒を用いたヒドロキシビアリール化合物の、安
価で簡便な工業的な製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意研究を行った結果、ハロゲン化ヒド
ロキシアリール化合物をアリールボロン酸とを原料にヒ
ドロキシビアリール化合物を、工業的に製造されている
安価な担持型Pd触媒を用いて製造するにあたり、反応
系に塩基を存在させ、かつ、反応媒体として水を用いる
ことにより、温和な反応条件において、高収率でヒドロ
キシビアリール化合物を製造できることを見いだした。
さらに、反応媒体として水を用いているので、生成物と
触媒の分離回収が非常に簡便に行うことが可能であり、
また、反応後の触媒は再使用可能な状態で回収できるこ
とを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、担持型Pd触媒及び塩基
の存在下、下記一般式(1)で表されるハロゲン化ヒド
ロキシアリール化合物と、
【0008】
【化4】
【0009】(式中、Xはハロゲン原子を表し、R
1は、置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル
基、置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルコキシ
基、置換基を有しても良い炭素数2〜20のアルケニル
基、置換基を有しても良い炭素数2〜20のアルキニル
基、置換基を有しても良い炭素数6〜20のアリール
基、置換基を有しても良い炭素数3〜20の複素環残
基、置換基を有しても良い炭素数7〜20のアラルキル
基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、炭素数2〜
20のアシル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニ
ル基、置換基を有しても良いアミノ基、ホルミル基、C
2Na基、SO3Na基を表す。また、nは0から4ま
での整数を表し、nが2〜4の整数の場合には、それぞ
れのR1は同一でも異なっても良い。また、2つのR1
一体となって縮合芳香環又は縮合複素環を形成しても良
い。)
【0010】下記一般式(2)で表されるアリールボロ
ン酸またはその誘導体を水中で反応させることを特徴と
する、
【0011】
【化5】
【0012】(式中、Ar基はアリール基又は複素環残
基を表し、それぞれ置換基を有して良い。) 下記一般式(3)で表されるヒドロキシビアリール化合
物の製造方法に関する。
【0013】
【化6】
【0014】(式中、R1は一般式(1)におけるR1
同じものを示し、また、Ar基は一般式(2)における
Ar基と同じものを示す。)
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用される前記一般式(1)で表されるハロゲ
ン化ヒドロキシアリール化合物において、置換基Xとヒ
ドロキシ置換基の位置関係は、特に限定されるものでは
ない。すなわち、オルト置換、メタ置換、パラ置換の何
れでもかまわない。
【0016】置換基Xで表されるハロゲン原子として
は、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子等が挙げられ、こ
れらのうちヨウ素原子、臭素原子が好ましく、反応速度
の点からヨウ素原子が特に好ましい。
【0017】置換基R1で定義される炭素数1〜20の
アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロ
ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、シクロオクチル
基、ドデシル基等が例示される。置換基R1で定義され
る炭素数1〜20のアルコキシ基の例としては、メトキ
シ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、シ
クロヘキシロキシ基、ベンジロキシ基等が例示される。
【0018】置換基R1で定義される炭素数1〜20の
アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、メタリル
基、2−ブテニル基、イソプレニル基、3−ヘキセニル
基、2−シクロヘキセニル基、4−ヘプテニル基等が例
示される。また、1,3−ブタジエニル基のようなアル
カジエニル基もアルケニル基として例示される。置換基
1で定義される炭素数1〜20のアルキニル基として
は、1−プロピニル基、2−プロピニル基、3−ヘキシ
ニル基等が例示される。
【0019】置換基R1で定義される炭素数6〜20の
アリール基としては、フェニル基、α−ナフチル基、β
−ナフチル基、アンスラリル基等が例示される。置換基
1で定義される炭素数3〜20の複素環残基として
は、ピリジル基、フリル基等が例示される。置換基R1
で定義される炭素数7〜20のアラルキル基としては、
ベンジル基、3−フェニルプロピル基、トリフェニルメ
チル基等が例示される。
【0020】なお、これらの基は、置換基を有していて
も良い。かかる置換基としては、ヒドロキシル基、ハロ
ゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルア
ミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、シ
アノ基、ニトロ基等が例示される。
【0021】置換基R1で定義される炭素数2〜20の
アシル基としては、アセチル基、ベンゾイル基等が例示
される。置換基R1で定義される炭素数2〜20のアル
コキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、
エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ベン
ジロキシカルボニル基等が例示される。置換基R1で定
義される置換基を有しても良いアミノ基としては、アミ
ノ基、メチルアミノ基、アセチルアミノ基、ジエチルア
ミノ基、メチルベンジルアミノ基、エチルシクロヘキシ
ルアミノ基等が例示される。
【0022】nは0から4の整数の中から選ばれる。n
が2〜4の整数の場合には、複数のR1は同一でも異な
っても良く、また、2つのR1が一体となって環状を形
成しても良い。2つのR1が環状を形成する場合の環と
しては、フェニル環、ナフチル環のような芳香族環、ピ
リジン環、フラン環などのヘテロ原子含有芳香族環のよ
うな複素環、シクロヘキシルのような脂肪族環が例示さ
れる。
【0023】一般式(1)で表されるハロゲン化ヒドロ
キシアリール化合物の具体例としては、4−ヨードフェ
ノール、3−ブロモフェノール、2−クロロフェノー
ル、3−メチル−4−ヨードフェノール、4−トリフル
オロメチル−2−ヨードフェノール、3−ブロモ−4−
エトキシカルボニルフェノール、4−ヨード−1−ナフ
トール、6−ブロモ−2−ナフトール、2−クロロ−4
−シアノフェノール、3−(4−フルオロフェニル)−
4−ヨードフェノール、4−(2−ピリジル)−3−ブ
ロモフェノール等が例示される。
【0024】本発明に使用される前記一般式(2)で表
されるアリールボロン酸またはその誘導体において、A
r基はアリール基または複素環残基を表す。アリール基
としては、フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル
基、アンスラリル基等が例示される。複素環残基として
は、ピリジル基、フリル基、ピロリル基等が例示され
る。
【0025】Arで表されるアリール基および複素環残
基は置換基を有していてもよく、置換基としては、メチ
ル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル
基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘ
キシル基、シクロオクチル基、ドデシル基等の炭素数1
〜20のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、イソプ
ロポキシ基、ブトキシ基、シクロヘキシロキシ基、ベン
ジロキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基;ビニル
基、アリル基、メタリル基、2−ブテニル基、イソプレ
ニル基、3−ヘキセニル基、2−シクロヘキセニル基、
4−ヘプテニル基、1,3−ブタジエニル基等の炭素数
2〜20のアルケニル基;1−プロピニル基、2−プロ
ピニル基、3−ヘキシニル基等の炭素数2〜20のアル
キニル基;フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル
基、アンスラリル基等の炭素数6〜20のアリール基;
ピリジル基、フリル基等の炭素数3〜20の複素環残
基;ベンジル基、3−フェニルプロピル基、トリフェニ
ルメチル基等の炭素数7〜20のアラルキル基;ニトロ
基;シアノ基;カルボキシル基;アセチル基、ベンゾイ
ル基等の炭素数2〜20のアシル基;メトキシカルボニ
ル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル
基、ベンジロキシカルボニル基等の炭素数2〜20のア
ルコキシカルボニル基;アミノ基、メチルアミノ基、ア
セチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルベンジルア
ミノ基、エチルシクロヘキシルアミノ基等の置換もしく
は非置換のアミノ基;ホルミル基;CO2Na基のよう
なカルボン酸塩基;SO3Naのようなスルホン酸塩基
のような水溶性基などが例示される。アリールボロン酸
の誘導体としては、そのエステルが例示される。
【0026】一般式(2)で表されるアリールボロン酸
またはその誘導体の具体例としては、フェニルボロン
酸、フェニルボロン酸ジメチル((C65−B(OCH
32)、4−フルオロフェニルボロン酸、3−オクチル
フェニルボロン酸、4−カルボメトキシフェニルボロン
酸、2−ナフチルボロン酸、4−ニトロフェニルボロン
酸、3−ピリジルボロン酸、1−メチルピロリルボロン
酸、4−(4−トリフルオロメチルフェニル)フェニル
ボロン酸、2−ホルミルナフチル−1−ボロン酸、4−
ジメチルアミノフェニルボロン酸、2,3−ジフルオロ
−4−ペンチルフェニルボロン酸等が挙げられる。
【0027】アリールボロン酸またはその誘導体の使用
量は、ハロゲン化ヒドロキシアリール化合物に対して、
通常0.5等量以上、好ましくは0.8等量以上、特に
好ましくは0.9等量以上、もっとも好ましくは1等量
以上であり、好ましくは2等量以下、特に好ましくは
1.5等量以下の範囲で用いる。アリールボロン酸また
はその誘導体の使用量が多すぎると、経済性の点で好ま
しくない。
【0028】本発明で触媒として用いられる担持型Pd
(パラジウム)触媒は、担体にPd(パラジウム)が固
定化されている触媒を指し、担体としては、活性炭、シ
リカ、アルミナ、シリカアルミナ、マグネシア、ジルコ
ニア、チタニア、ゼオライト等が例示される。好ましく
は、活性炭にPdを担持させた触媒(Pd/C)、シリ
カにPdを担持させた触媒(Pd/SiO2)、アルミ
ナにPdを担持させた触媒(Pd/Al23)等が例示
される。調製・入手のし易さから、活性炭にPdを担持
させた触媒(Pd/C)が好適に用いられる。触媒のP
dの担持量は特に制限されず、活性炭に対して、通常
0.1〜10wt%、好ましくは1〜10wt%であ
る。触媒の使用量は、Pd換算で、ハロゲン化ヒドロキ
シアリール化合物に対して、通常10モル%以下、好ま
しくは5モル%以下、更に好ましくは1モル%以下であ
り、通常0.001モル%以上、好ましくは0.01モ
ル%以上の範囲で用いられる。
【0029】本発明において、反応を塩基の存在下に行
うことが特徴の一つである。塩基として、有機塩基、無
機塩基が挙げられるが、反応は水中で行われることか
ら、無機塩基が好ましく用いられる。有機塩基として
は、アミンなどが例示される。無機塩基としては、水酸
化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、リン
酸ナトリウム、リン酸リチウム、リン酸水素カリウム、
水酸化バリウム、水酸化カルシウム、炭酸セシウムの様
な塩が挙げられる。また、ナトリウムメトキシド、ナト
リウムエトキシド等のアルコールの塩も例示される。
【0030】塩基の使用量は、ハロゲン化ヒドロキシア
リール化合物に対して、通常0.5等量以上、好ましく
は0.8等量以上、特に好ましくは0.9等量以上、も
っとも好ましくは1等量以上であり、通常10等量以
下、好ましくは5等量以下の範囲で用いられる。塩基の
使用量が多すぎると経済性の点で好ましくない。
【0031】本発明のもう一つの特徴は、反応の媒体と
しては、水を用いることである。反応の媒体として水を
用いることにより、生成物および触媒の分離・回収、触
媒の再利用の観点から、煩雑な操作が不要になるという
利点がある。
【0032】次に、本発明の製造方法について説明す
る。反応は、所定量の一般式(1)で表されるハロゲン
化ヒドロキシアリール化合物、一般式(2)で表される
アリールボロン酸またはその誘導体、塩基、触媒および
水を反応器内に供給することにより行われる。
【0033】反応温度は、通常−20℃以上、好ましく
は0℃以上、特に好ましくは15℃以上であり、通常1
00℃以下、好ましくは95℃以下の範囲である。反応
圧力は、特に限定されない。通常は常圧で反応を行う
が、加圧下で反応を行ってもよい。反応時間は、特に限
定されないが、通常1分から1週間の間から選択され
る。好ましくは、10分から3日程度の反応時間で充分
であるが、経済性の点から3日より短くすることも出来
る。反応雰囲気は、特に限定されないが、必要に応じ
て、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気で反応を行
ってもよい。
【0034】反応終了後の処理としては、生成物を有機
溶媒により抽出する等の通常の方法を行うことが出来る
が、次の操作を行うことが好ましい。反応終了後の反応
液は、まず、塩基の使用量によっては、塩基性になって
いることがあるので、反応終了後の反応液に酸を添加し
中和する。さらに、酸を添加して、反応液を酸性にする
と、通常、生成物のヒドロキシビアリール化合物が反応
媒体である水に不溶となり、析出してくる。析出した生
成物は、触媒である担持型Pd触媒と共に濾別する。得
られた生成物と触媒との混合物を有機溶媒で洗浄する
と、生成物は有機溶媒に溶解し、触媒は有機溶媒に溶解
せずそのまま残るので、生成物と触媒とを容易に分離す
ることができる。有機溶媒に抽出した生成物は、その後
再結晶化法等により精製を行うことができる。生成物と
分離された触媒は、再生処理を行なってもよいが、その
ままで触媒活性を有しているので、特に再生処理を行わ
なくても再度反応へ供することができる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、特定の触媒を用い、反
応溶媒として水を用い、塩基の存在下反応させることに
より、比較的低温で収率良く反応を行うことができる。
また、水中で反応を行っているため、反応に使用した触
媒をそのまま、再度触媒として用いることができる。
【0036】
【実施例】以下、具体的に実施例を挙げて本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。 <実施例1>撹拌子を入れた30mlのフラスコに、活
性炭に対して10wt%の割合でPdを担持させた触媒
(和光純薬社製)3mg(ハロゲン化ヒドロキシアリー
ルに対して0.3mol%に相当)、炭酸カリウム(ナ
カライテスク社製)415mg(3mmol)、フェニ
ルボロン酸(アルドリッチ社製)1mmol、3−ヨー
ドフェノール(和光純薬社製)1mmol、および水1
0mlを入れた。
【0037】この混合液を室温(20℃)で12時間激
しく撹拌し、反応させた。反応後、1.5Mの塩酸水溶
液(10ml)を添加したところ、白色の沈殿物が生じ
た。反応液から、沈殿物と触媒とを濾別した。濾別され
た沈殿物と触媒の混合物を酢酸エチルにより抽出した。
酢酸エチルを減圧下に留去した結果、3−フェニル−1
−フェノールを97%の収率で得た。
【0038】触媒は酢酸エチルに溶解しないので、濾過
することに回収された。回収された触媒はほぼ3mgで
あり、回収ロスのないことが確認された。 <実施例2〜4>実施例1において、炭酸カリウムの代
わりに、表−1に示す塩基を、表−1に示す量用いた他
は、実施例1と同様の操作で実験を行った。
【0039】3−フェニル−1−フェノールの収率を表
−1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】<実施例5〜11>実施例1において、表
−2で示したハロゲン化ヒドロキシアリールとアリール
ボロン酸の組み合わせで反応を行う以外は、実施例1と
同様に反応を行った。生成物の収率を表−2に示す。
尚、それぞれの実施例における生成物は、実施例5は2
−フェニルフェノール、実施例6は4−フェニルフェノ
ール、実施例7は4−(4−フルオロフェニル)フェノ
ール、実施例8は4−(4−メトキシフェニル)フェノ
ール、実施例9は4−(4−メチルフェニル)フェノー
ル、実施例10は4−(2−メチルフェニル)フェノー
ル、実施例11は4−(2−メトキシフェニル)フェノ
ールである。
【0042】
【表2】
【0043】<実施例12>実施例1において、3−ヨ
ードフェノールの代わりに4−ブロモフェノールを用
い、反応温度を50℃とした以外は、実施例1と同様に
実験を行った。その結果、4−フェニル−1−フェノー
ルを76%の収率で得た。 <実施例13〜18>実施例6で反応終了後に回収した
触媒を再使用する実験を行った。
【0044】実施例6において、酢酸エチルを用いて、
反応生成物からなる沈殿物と分離された触媒を乾燥し
た。分離、回収した触媒の全量をフラスコに入れ、さら
に、実施例6の反応に用いたのと同量の4−ヨードフェ
ノール、フェニルボロン酸、炭酸カリウムをフラスコに
入れ、室温(20℃)で12時間反応させた。反応後、
実施例6と同様に、塩酸水溶液を添加したところ、白色
の沈殿物が生じた。反応液から、沈殿物と触媒とを濾別
した。濾別された沈殿物と触媒の混合物を酢酸エチルに
より抽出した。酢酸エチルを減圧下に留去し、生成物の
収率を算出した。触媒は回収し、乾燥し、実施例14で
用いた。
【0045】触媒回収−回収触媒を用いた反応の作業を
繰り返し、触媒を5回再利用した。触媒を再使用した場
合の結果を、新しい触媒を用いた場合の結果(実施例
6)とともに表−3に示す。
【0046】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AC22 BA02 BA25 BA32 BA55 BA69 BB31 FC52 FE13 GP03 GP12 4H039 CA41 CD20 CD90

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担持型Pd触媒及び塩基の存在下、下記
    一般式(1)で表されるハロゲン化ヒドロキシアリール
    化合物と、 【化1】 (式中、Xはハロゲン原子を表し、R1は、置換基を有
    しても良い炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有し
    ても良い炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有し
    ても良い炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有し
    ても良い炭素数2〜20のアルキニル基、置換基を有し
    ても良い炭素数6〜20のアリール基、置換基を有して
    も良い炭素数3〜20の複素環残基、置換基を有しても
    良い炭素数7〜20のアラルキル基、ニトロ基、シアノ
    基、カルボキシル基、炭素数2〜20のアシル基、炭素
    数2〜20のアルコキシカルボニル基、置換基を有して
    も良いアミノ基、ホルミル基、CO2Na基、SO3Na
    基を表す。また、nは0から4までの整数を表し、nが
    2〜4の整数の場合には、それぞれのR1は同一でも異
    なっても良い。また、2つのR1が一体となって縮合芳
    香環又は縮合複素環を形成しても良い。) 下記一般式(2)で表されるアリールボロン酸またはそ
    の誘導体を水中で反応させることを特徴とする、 【化2】 (式中、Ar基はアリール基又は複素環残基を表し、そ
    れぞれ置換基を有して良い。) 下記一般式(3)で表されるヒドロキシビアリール化合
    物の製造方法。 【化3】 (式中、R1は一般式(1)におけるR1と同じものを示
    し、また、Ar基は一般式(2)におけるAr基と同じ
    ものを示す。)
  2. 【請求項2】 担持型Pd触媒が活性炭にPdを担持し
    た触媒であることを特徴とする、請求項1に記載のヒド
    ロキシビアリール化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 塩基が無機塩基であることを特徴とす
    る、請求項1又は2に記載のヒドロキシビアリール化合
    物の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004113258A1 (ja) * 2003-06-20 2004-12-29 Shionogi & Co., Ltd. 炭素−炭素結合生成反応
JP2006151946A (ja) * 2004-04-30 2006-06-15 Konishi Kagaku Ind Co Ltd ジアリール誘導体の製造方法
JP2008184418A (ja) * 2007-01-30 2008-08-14 Niigata Univ パラジウム触媒及びそれを用いたビアリール系化合物又はヘテロビアリール系化合物の製造方法
JP2009298727A (ja) * 2008-06-13 2009-12-24 Shiratori Pharmaceutical Co Ltd ビアリール化合物の製造方法

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