JPH09239258A - 膜組成物 - Google Patents

膜組成物

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JPH09239258A
JPH09239258A JP8050478A JP5047896A JPH09239258A JP H09239258 A JPH09239258 A JP H09239258A JP 8050478 A JP8050478 A JP 8050478A JP 5047896 A JP5047896 A JP 5047896A JP H09239258 A JPH09239258 A JP H09239258A
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JP
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film
fatty acid
phospholipid
sterol
forming
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Application number
JP8050478A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Sakakibara
敏之 榊原
Yukihiro Nanba
幸弘 難波
Minoru Ueno
實 上野
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Nippon Fine Chemical Co Ltd
Original Assignee
Nippon Fine Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】リン脂質のような膜形成物質によって形成され
た膜に伸縮性を持たせ、該膜を圧縮しても膜構造を壊れ
にくくする。 【解決手段】膜形成物質にステロール脂肪酸エステルの
ような骨格部分と側鎖を有するような構造の物質(膜安
定化物質)を加える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非重合性化合物か
らなる膜形成性組成物、特にリン脂質とステロール脂肪
酸エステルとの複合体膜およびその応用に関する。
【0002】
【従来の技術】リン脂質は、両親媒性の天然界面活性剤
であり、古くより医薬品、化粧品、食料、飼料、塗料、
農薬等の幅広い分野で乳化剤として使用されている。近
年では、高純度リン脂質がリポソーム形成素材に採用さ
れ、医薬品や化粧品の分野で新しい領域をかたち作って
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リン脂
質で形成した乳化粒子やリポソームは、他の化学合成乳
化剤で形成したそれらより物理的に弱く、簡単に破壊さ
れてしまう。その理由は、リン脂質で形成した膜が弱
く、外部圧力による体積変化で簡単に膜構造が破壊され
てしまうからである。
【0004】
【課題を解決するための手段】リン脂質のような膜形成
物質によって形成された膜に伸縮性を持たせ、該膜を圧
縮しても膜構造を壊れにくくすると、該膜は強くなり、
新規な乳化剤やリポソーム形成素材になると推測した。
【0005】我々は鋭意研究し、膜形成物質にステロー
ル脂肪酸エステルのような骨格部分と側鎖を有するよう
な構造の物質(以下膜安定化物質という)を加えると、
膜安定化物質が膜中でクッションのような働きをし、圧
縮力を緩和して壊れ難い膜を形成することが分かった。
更に、乳液、化粧料又はリポソームに膜形成物質と膜安
定化物質を用いると、経時安定性及び肌への感触に優れ
たものを得られることを見出した。即ち、本発明は、 1.非重合性化合物からなる膜形成物質及び膜安定化物
質を必須成分として含む膜形成性組成物であって、該膜
組成物が水表面に単分子膜を形成して膜圧力を変化させ
たときの最小表面積が、最大表面積の10%以上である
膜形成性組成物; 2.該膜形成性組成物を必須成分とする乳化剤; 3.該膜形成性組成物から得られた安定化膜を含む乳化
液; 4.リン脂質とステロール脂肪酸エステルを含むリン脂
質膜を有する乳化液; 5.リン脂質とステロール脂肪酸エステルとを含むリン
脂質膜及び被安定化成分を含む化粧料; 6.リン脂質とステロール脂肪酸エステルを必須成分と
するリポソーム; 7.リン脂質とステロール脂肪酸エステルを必須成分と
するリポソームを有する化粧料;に係る。
【0006】本発明において、膜形成性組成物とは、平
面状の膜や、水などの溶媒中に分散させたときにミセル
やリポソームを形成する微少膜の組成物を指す。
【0007】また、安定化膜とは、膜安定化物質により
安定化された膜を指す。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において使用される膜形成
性物質はリン脂質である。
【0009】本発明において使用されるリン脂質として
は、例えば、ホスファチジルコリン、ジパルトイルホス
ファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリ
ン、ジオレイルホスファチジルコリン、ホスファチジル
エタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチ
ジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、スフ
ィンゴミエリン等が挙げられる。また、大豆リン脂質や
卵黄リン脂質等の天然リン脂質及びこれらの水素添加物
も挙げられる。さらにこれら天然リン脂質及びこれらの
水素添加物には、本発明の効果を阻害しない範囲の量で
不純物を含有することができる。
【0010】本発明において使用される膜安定化物質と
しては、骨格部分と、構造的に自由度のある側鎖を有す
る物質、例えばステロール脂肪酸エステル、ステロール
エーテル、ステロールグリコシド、ステロールのエチレ
ンオキシド又はプロピレンオキシド付加物及びフェノキ
システロール等が挙げられる。
【0011】ステロールエステル、ステロールエーテ
ル、ステロールグリコシド及びフェノキシステロール
は、通常のエステル及びエーテルの製法に従って製造さ
れる。
【0012】ステロールのエチレンオキシド又はプロピ
レンオキシド付加物は、通常の製法に従って製造され
る。
【0013】本発明のステロール脂肪酸エステルのステ
ロールとは、ステロイド骨格を有するアルコールであれ
ば特に制限はなく、たとえばコレステロール、ラノステ
ロール、ジヒドロラノステロール、デスモステロール、
ジヒドロコレステロールなどの動物由来のステロール、
およびスチグマステロール、シトステロール、カンペス
テロール、ブラシカステロールなどの植物由来のステロ
ール、チモステロール、エルゴステロール等の微生物由
来のステロールが挙げられる。
【0014】ステロイド骨格を有するアルコール(ステ
ロール)とエステルを形成する脂肪酸としては、炭素数
6〜26の飽和または不飽和の分岐を有していてもよい
脂肪酸が挙げられ、具体的にはカプロン酸、カプリル
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、イソステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、
リグノセリン酸、セロチン酸、オレイン酸、リノール
酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン
酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ネルボ
ン酸、カプリン酸などの、直鎖または分岐を有する、飽
和または不飽和の脂肪酸が挙げられ、マカデミアンナッ
ツ油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、ピーナッツ油脂肪酸、魚油
脂肪酸、菜種油脂肪酸、パーム油脂肪酸、綿実油脂肪
酸、大豆油脂肪酸、サンフラワー油脂肪酸、小麦胚芽油
脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、コーン油脂肪酸、月見草種子油
脂肪酸、ラノリン脂肪酸、非ヒドロキシラノリン脂肪
酸、ヒドロキシラノリン脂肪酸、乳脂肪脂肪酸などの天
然の動植物油由来の脂肪酸が挙げられる。
【0015】なお、本発明にいう非ヒドロキシラノリン
脂肪酸およびヒドロキシラノリン脂肪酸は、ラノリン脂
肪酸を分離して得られるものであり、その分離方法につ
いては、特開平6−293614号に記載されている。
【0016】これらステロール類と脂肪酸の組合せとし
ては、ステロールがコレステロール、ラノステロール、
エルゴステロールであり、脂肪酸がミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン
酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン
酸、エイコサペンタエン酸、ヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪
酸、ラノリン脂肪酸、ヒドロキシラノリン脂肪酸である
のが好ましい。
【0017】これらステロール類と脂肪酸の組合せによ
り形成されるステロール脂肪酸エステルとしては、コレ
ステロールパルミチン酸エステル、コレステロールステ
アリン酸エステル、コレステロールオレイン酸エステ
ル、コレステロールヤシ油脂肪酸エステル、コレステロ
ールヒドロキシラノリン脂肪酸エステル、ラノステロー
ルパルミチン酸エステル、ラノステロールステアリン酸
エステル、ラノステロールオレイン酸エステル、ラノス
テロールヤシ油脂肪酸エステル、ラノステロール大豆油
脂肪酸エステル、ラノステロールラノリン脂肪酸エステ
ル、ラノステロールヒドロキシラノリン脂肪酸エステル
がより好ましい。
【0018】また、本発明において、ラノリン等の天然
ステロール脂肪酸エステルも使用することができる。
【0019】ステロールエーテルとしては、好ましく
は、コレステリルヘキシルエーテル、コレステリルオク
チルエーテル、コレステリルラウリルエーテル、コレス
テリルミリスチルエーテル、コレステリルステアリルエ
ーテル、ラノステリルヘキシルエーテル、ラノステリル
オクチルエーテル等が挙げられる。
【0020】ステロールグリコシドとしては、コレステ
リルグルコシド、ラノステリルグルコシド、及びシトス
テリルグルコシド、スチグマステリルグルコシド等が挙
げられる。
【0021】ステロールのエチレンオキシド付加物とし
ては、上記のステロールにエチレンオキシドが3〜50
個付加したものが好ましい。
【0022】ステロールのプロピレンオキシド付加物と
しては、上記のステロールにプロピレンオキシドが3〜
50個付加したものが好ましい。
【0023】フェノキシステロールとしては、好ましく
は、フェノキシコレステロール、o−,m−,p−メチ
ルフェノキシコレステロール、フェノキシラノステロー
ル等が挙げられる。
【0024】本発明の組成物において、膜形成物質と膜
安定化物質の合計量を100重量部としたときの両者の
比率は特に限定されるものではないが、膜形成物質50
〜99.9重量部、膜安定化物質0.1〜50重量部で
あるのが好ましい。
【0025】膜形成物質には、各種ステロール、脂肪
酸、脂肪酸酸エステル、合成界面活性剤及び各種安定化
剤を加えてもよい。
【0026】また、これら添加物を、本発明組成物に含
有させる場合、その含有量は、本発明の効果を阻害しな
い程度であれば特に制限されないが、膜形成物質を10
0重量部としたものに対して1〜70重量部とするのが
よい。
【0027】膜形成性組成物を乳化剤に用いる場合、膜
形成物質と膜安定化物質の合計量を100重量部とした
ときの両者の比率は、特に限定されるものではないが、
膜形成物質50〜99.9重量部、膜安定化物質0.1
〜50重量部であるのが好ましい。
【0028】本発明の乳化剤には、膜形成物質と膜安定
化物質以外に各種の添加剤を加えることができる。この
添加剤としては、コレステロール、シトステロール、エ
ルゴステロール、ジヒドロコレステロール、スチグマス
テロール、カンペステロール等のステロール、ステアリ
ン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、大豆油脂肪酸、ヒド
ロキシラノリン脂肪酸、非ヒドロキシラノリン脂肪酸等
の脂肪酸類、ミリスチルアルコール、ドデシルアルコー
ル、オクチルアルコール、オレイルアルコール、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の
アルコール類、甘草エキス、ビタミンE、パラベン等の
天然物や各種添加剤類を含んでいてもよい。特に、コレ
ステロール、オレイン酸及びミリスチルアルコール等が
好ましい。
【0029】上記の添加剤を乳化剤に含有させる場合、
その含有量は、本発明の効果を阻害しない程度であれば
特に制限されないが、リン脂質100重量部に対して
0.01〜30重量部、より好ましくは、0.1〜15
重量部とするのがよい。
【0030】膜形成物質と膜安定化物質は、使用前に凍
結乾燥法やスプレイドライ法にて均一混合物にした後に
使用してもよいし、使用時に油性成分や有機溶剤に溶か
して使用してもよい。該油性成分としては、例えば、グ
リセリン及びグリセリンの脂肪酸エステル等が挙げられ
る。また、該有機溶剤としては、エチルアルコール、プ
ロピルアルコール及びシクロヘキサン等が挙げられる。
【0031】本発明の乳化液は、本発明の乳化剤含有溶
液を物理的に攪拌して分散せしめることにより得られ
る。ここで、物理的分散には、例えば、超音波乳化装
置、高圧均一分散装置、ナノマイザー、ホモジナイザ
ー、コロイドミル等を用いるのが好ましい。該装置を用
いた分散は、20〜80℃、好ましくは30〜60℃で
行われる。上記乳化剤含有溶液としては水溶液が好まし
く、その濃度は通常0.1〜20重量%程度である。
【0032】本発明の化粧料としては、例えば、乳液、
ローション、クレンジング剤、保湿クリーム、パウダー
ファンデーション、リキッドファンデーション等が挙げ
られる。本発明化粧料には、本発明の効果を妨げない範
囲内で、水、アルコール類、油成分、界面活性剤、アミ
ノ酸およびその塩、核酸、美白成分、紫外線吸収剤、高
分子物質、防腐剤、香料、色素等を配合することができ
る。
【0033】これら配合物の中で、本発明の膜形成物質
と膜安定化物質によって安定化される物質を被安定化物
質と称する。
【0034】本発明のリポソームの製造法としては、フ
レンチプレス法、超音波法、凍結−融解法、逆相蒸発法
等により製造できる。
【0035】リポソームの剪断圧力への耐性を測定する
には、フレンチプレス法が適している。フレンチプレス
機(SLMインストルメント社製)の直径1インチシリ
ンダーにリポソーム液を入れ、高圧力で押し出したとき
のリポソームの破壊(内封物の漏出割合)より測定す
る。本発明のリポソームは、1000kg/cm2の剪
断圧力をかけても壊れないものである。
【0036】リポソームは、上記のような化粧料にも用
いられる。
【0037】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0038】実施例1 <脂質類の膜形成> 図1の装置を用いて水面上にリン脂質などの脂質類の膜
を作らせ、その挙動を検討した。表1の脂質類をクロロ
ホルムに溶解して水面上に滴下し、クロロホルムを自然
蒸発させた(水面上にリン脂質分子が、図2(A)のよ
うに散在する)後に、可動壁Wをゆっくりと動かして脂
質類分子を水面に並べた。そのときの脂質類の膜形成性
と圧縮に対する挙動を表1に示す。さらに、脂質膜の表
面積−表面圧の関係を図3に示す。
【0039】脂質類分子を水面に並べると、ある種の脂
質類は単分子膜を形成する(図2(B)のようにリン脂
質分子が集合して単分子膜を形成する)。その膜を圧縮
すると表面圧が発生し、図3(1)および(2)のよう
な表面積−表面圧の関係を示す。一方、水面上に膜を作
らず、分子がランダムに存在する脂質であると、表面圧
は発生せず、図3(3)のような表面積−表面圧の関係
挙動になる。
【0040】リン脂質の一種であるジパルミトイルホス
ファチジルコリン(DPPC)は、水面上に単分子膜を
形成し、表面圧を生じるが、コレステロール(Cho)
やコレステロールオレイン酸エステル(Cho−Or
e)は、単分子膜を形成せず、表面圧を生じない。
【0041】DPPCは、水面上に単分子膜を生じる
が、さらに図1の可動壁Wを動かして面積を小さくする
と表面圧が急上昇し、簡単に形成膜が破壊されてしまう
(図2(C))。しかし、DPPC/コレステロール脂
肪酸エステル類やDPPC/ジヒドロコレステロール脂
肪酸エステルは簡単には膜が破壊されず、面積の変化に
耐え、図3−(2)の表面積−表面圧の関係を与える。
これは図2(D)→(E)のように、ステロール脂肪酸
エステルが膜中でクッションの働きをしているためと推
定できる。すなわち、ステロール脂肪酸エステルが膜安
定化物質として膜構造を安定化させている。
【0042】
【表1】
【0043】実施例2 <脂質類膜の伸縮性> 実施例1と同様にして、水面上に脂質類の膜を作らせ、
その伸縮性挙動を検討した。図1の可動壁Wを左右に動
かして、表2の脂質類の膜を伸縮させ、表面積−表面張
力の関係を調べた。結果を図4に示す。
【0044】リン脂質の一種であるジパルミトイルホス
ファチジルコリン(DPPC)は、水面上に単分子膜を
形成し、表面積を縮小、拡大すると図4(a)のループ
を描く。面積を変えると表面張力は変化するが、面積変
化に対する表面張力変化が小さく、衝撃を加えたりする
と膜は簡単に壊れると言える。
【0045】一方、DPPCにコレステロールオレイン
酸エステル(Cho−Ore)を加えたり、コレステロ
ール脂肪酸エステルを大量に含有するラノリンとヘキサ
デシルアルコール(C16−OH)を加えると、その膜の
面積変化(圧縮−拡大)時に描く表面積−表面張力カー
ブが、図4(b)及び(c)のように大きくなる。言い
換えると、面積変化に対しても自らの表面張力変化で対
応し、衝撃を受けても壊れにくい膜が形成されていると
言える。
【0046】
【表2】
【0047】実施例3 <乳化液1> ホスファチジルコリン30重量部、ホスファチジルエタ
ノールアミン25重量部及びホスファチジルイニシトー
ル20重量部を含有するツル−レシチン工業(株)製の
水添大豆レシチン(PCSH)9g、コレステロール
(Cho)4.5gとコレステロールオレイン酸エステ
ル(Cho−Ore)1gをt−ブタノール100ml
に溶解させた後、FTS−System 社製凍結乾燥装置 FLXI
−DRY で凍結乾燥して白色粉末を得た。この白色粉末は
PCSH、Cho及びCho−Oreが均一混合してい
た。
【0048】この白色粉末7gを水500gに加え、5
0℃水浴中で24時間攪拌して水和させた後ホモミキサ
ーを用いて3,000rpmにて10分、10,000r
pmにて3時間乳化した。さらに、マイクロフルイダイ
ザーを用い、800気圧で3パスにて微細乳化を行っ
た。PCSHのみ、PCSHとコレステロール(Ch
o)の組合せ、PCSHとCho−Ore、ヘキサデカ
ノール、オレイン酸の組合せも同様に凍結乾燥して白色
粉末を得、同じ条件にて乳化させたときの平均粒径、経
時安定性、皮膚感触等を比較した。結果を表3に示す。
【0049】Cho−Oreを加えた液は、ホモミキサ
ーやマイクロフルイダイザーによって乳化し易く、乳化
液の粒径分布は狭く、かつ平均粒径が小さかった。さら
に、Cho−Oreを加えた乳化液は経時安定性良好で
その保湿感触が良好だった。
【0050】
【表3】
【0051】実施例4 <乳化液2> 実施例3で得られた水添大豆レシチン9g、コレステロ
ール4.5gとコレステロールオレイン酸エステル1g
の混合白色粉末0.4gに流動パラフィン3gと水7m
lを加え、ボルテックスミキサーで振とうして乳化液を
得た。
【0052】乳化液は非常に安定で、レシチン層と水
層、流動パラフィン層と水層が分離することなく、室温
では1年後、50℃では6ヶ月後でも均一層であった。
【0053】実施例5 <化粧クリーム> 実施例3で得られた水添大豆レシチン9g、コレステロ
ール4.5gとコレステロールオレイン酸エステル1g
の混合白色粉末を用いて下記組成の化粧クリームを作成
した。
【0054】 得られた化粧クリームは、混合白色粉末脂質の代わりに
水添大豆レシチンを用いた一般的な化粧クリームに比べ
て感触が滑らかで、特に皮膚への延び及び保湿感に優れ
たものであった。
【0055】また、得られた化粧クリームは、50℃で
3ヶ月間放置後も、その性状や感触に全く変化が認めら
れなかった。一方、上記一般的な化粧クリームは、50
℃で3ヶ月間放置後には性状及び感触に劣化が見られ、
しかも臭気がした。
【0056】実施例6<化粧ローション> 実施例3で得られた水添大豆レシチン9g、コレステロ
ール4.5gとコレステロールオレイン酸エステル1g
の混合白色粉末を用いて下記組成の化粧ローションを作
成した。
【0057】 得られた化粧ローションは、混合白色粉末脂質の代わり
に水添大豆レシチンを用いた一般的な化粧ローションに
比べて感触が滑らかで、特に皮膚への延び及びしっとり
感に優れたものであった。
【0058】また、得られた化粧ローションは、50℃
で3ヶ月間放置後も、その性状や感触に全く変化が認め
られなかった。一方、上記一般的な化粧ローションは、
50℃で3ヶ月間放置後には性状及び感触に劣化が見ら
れ、使用できない状態となった。
【0059】実施例7 <リポソーム> 実施例3と同様にして作成したジミリストイルホスファ
チジルコリン(DMPC)9g、ジミリストイルホスフ
ァチジルグリセロール(DMPG)4.5gとコレステ
ロールオレイン酸エステル1gの混合白色粉末1g、
0.3Mグルコース9.5ml、20mMカルボキシフ
ルオレッセン0.5mlを加え(脂質濃度165mM)
45℃に加温しながら、高温ホモジナイザー(20,0
00〜25,000rpm)で6分間攪拌する。
【0060】ゲル濾過[SephadexG-50、0.15MNa
Clにて流出させる]によりリポソームを分離する。得
られたリポソームのトラップ率(内封率)は、45.7
%、トラップボリューム(trap volume)(内封容積)
は、2.77 l/molであった。また、リポソーム
の平均粒径は90nmと大変小さく、かつその40℃で
の安定性は良好で、1ヶ月しても粒径変化はなかった。
リポソームの剪断圧力への耐性を、フレンチプレス機
(SLMインストルメント社製)の直径1インチシリン
ダーにリポソーム液を入れ、高圧力で押し出したときの
リポソームの破壊(内封物の漏出割合)より測定した。
その結果、リポソームは1000kg/cm2の剪断圧
力を受けても壊れないものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】水面上に作った脂質単分子膜の表面圧測定装置
の概略図である。
【図2】水面上の脂質単分子膜の圧力による構造変化の
模式図である。
【図3】リン脂質膜を圧縮したときの表面積−表面圧の
関係を表した模式図である。
【図4】脂質膜の表面積−表面張力の関係を表したもの
である。
【符号の説明】
1. 圧力センサー 2. 圧力記録装置 3. 固定壁 4. 水面 5. 水面に浮かんだ脂質類のクロロホルム溶液 6. 可動壁W
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 13/00 B01J 13/00 Z

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非重合性化合物からなる膜形成物質及び膜
    安定化物質を必須成分として含む膜形成性組成物であっ
    て、該膜組成物が水表面に単分子膜を形成して膜圧力を
    変化させたときの最小表面積が、最大表面積の10%以
    上である膜形成性組成物。
  2. 【請求項2】膜形成物質が、リン脂質である請求項1に
    記載の膜形成性組成物。
  3. 【請求項3】前記膜安定化物質が、ステロールエステ
    ル、ステロールエーテル、ステロールグリコシド、ステ
    ロールのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加
    物及びフェノキシステロールからなる群から選ばれる少
    なくとも1種である請求項1に記載の膜形成性組成物。
  4. 【請求項4】膜形成物質と膜安定化物質の合計量を10
    0重量部としたときの両者の比率が、膜形成物質50〜
    99.9重量部、膜安定化物質0.1〜50重量部であ
    る請求項1に記載の膜形成性組成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の膜形成性
    組成物を必須成分とする乳化剤。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれかに記載の膜形成性
    組成物から得られた安定化膜を含む乳化液。
  7. 【請求項7】リン脂質とステロール脂肪酸エステルを含
    むリン脂質膜を有する乳化液。
  8. 【請求項8】リン脂質とステロール脂肪酸エステルを含
    むリン脂質膜及び被安定化成分を含む化粧料。
  9. 【請求項9】リン脂質とステロール脂肪酸エステルを必
    須成分とするリポソーム。
  10. 【請求項10】リン脂質とステロール脂肪酸エステルを
    必須成分とするリポソームであって、1000kg/c
    2の剪断圧力を受けても壊れないリポソーム。
  11. 【請求項11】被安定化成分を内包し、リン脂質とステ
    ロール脂肪酸エステルを必須成分とするリポソームを有
    する化粧料。
JP8050478A 1996-03-07 1996-03-07 膜組成物 Pending JPH09239258A (ja)

Priority Applications (1)

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JP8050478A JPH09239258A (ja) 1996-03-07 1996-03-07 膜組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009062308A (ja) * 2007-09-05 2009-03-26 Cosmo Shokuhin Kk リポソーム安定剤及びこれを含むリポソーム並びに食品

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