JP3783385B2 - リポソーム分散液の製造方法及びそれを用いた化粧料 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リポソーム分散液の製造方法及び該製造方法により得られるリポソーム分散液を配合した化粧料に関し、さらに詳しくは、飽和のリン脂質をリポソームの膜脂質として用いたリポソーム分散液において、イオン性の皮膚細胞賦活剤の配合量が0.1〜10%と高濃度配合されているにも係わらず、使用感に優れ、さらに皮膚細胞賦活剤の効果をより高めたリポソーム分散液の製造方法及び該製造方法により得られるリポソーム分散液を配合した化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
リポソームは、脂質よりなる二分子膜を有し、その内部には水相を有した閉鎖小胞体である。そのため、化粧品分野では、脂質自体のエモリエント効果、リポソームのこのような構造による保水効果、あるいは、皮膚細胞賦活剤をリポソームの内水相、二分子膜間、又は表面に保持させ、皮膚に塗布したときの皮膚細胞賦活剤の効果が高められることを期待し化粧料への配合が試みられている。
【0003】
一方、リポソームの膜脂質としては、主にリン脂質が用いられているが、化粧料は常温で長期間保管されることから、色、におい及び脂質の酸化において、経時的に安定な飽和のリン脂質が一般的に用いられている。
また、リポソーム分散液の工業的規模での生産は、一旦リポソームの粗分散液を調製後、これを微粒子化装置、例えば、ゴーリンタイプの高圧ホモゲナイザーや超音波照射機等で処理する方法で製造されている。
【0004】
しかしながら、化粧品の原料として使用されている皮膚細胞賦活剤はイオン性の物質が多く、これを高濃度配合されたリポソーム分散液を得たくとも、従来の微粒子化装置で得られたものは、使用感が重く、べとつくような感触を有し、そのため、これを化粧料に配合したときもこのリポソーム分散液の使用感の影響が出る傾向にあった。
【0005】
したがって、従来、イオン性の皮膚細胞賦活剤を高濃度配合させたリポソーム分散液を化粧料に配合する場合は、化粧料の重要な要因である使用感に影響しない程度、つまり少量配合する方法が採られている。
しかしながら、このような方法では、使用感は改善されるものの、得られた化粧料は、皮膚細胞賦活剤の効果が期待できる配合量とは言い難いものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、飽和のリン脂質を膜脂質に用いたリポソーム分散液において、イオン性の皮膚細胞賦活剤が高濃度配合されているにも係わらず、使用感に優れ、さらに皮膚細胞賦活剤の効果をより高めたリポソーム分散液の製造方法及び該製造方法により得られるリポソーム分散液を配合した化粧料を提供することを目的とする。
【0007】
本発明者らは、前記の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、飽和のリン脂質をリポソームの膜脂質として用いたリポソーム分散液の製造方法において、イオン性の皮膚細胞賦活剤0.1〜10%で含有する、該リポソームの粗分散液を単一のジェット流として噴射させ、対向して配置された底面で該ジェット流を方向転換させ、該ジェット流を包むように側壁に沿い逆流させることによって、該ジェット流と逆流との界面で発生する剪断力により該リポソーム粗分散液の微粒子化処理を行うに際し、800nm以下の粒子径を有するリポソームの割合が95%以上となるように、微粒子化処理の処理圧力及び/又は処理回数を調整しながら行うことを特徴とするリポソーム分散液の製造方法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。尚、本発明において粒子径はすべて「個数換算」による粒子径であり、その「%」は「個数%」であるが、他はすべて「重量%」である。
本発明において「リン脂質」とは、分子内にリン酸基とアシル基及び/又はアルキル基からなる疎水基を2個以上有するものをいい、例えば、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジルイノシトール(PI)、ホスファチジルグリセロール(PG)、ホスファチジン酸(PA)、スフィンゴミエリン(SPM)、カルジオリピン又はこれらの誘導体の1種又は2種以上の混合物等が挙げられる。
【0009】
また、本発明において「飽和のリン脂質」とは、リン脂質の疎水基であるアシル基及び/又はアルキル基が飽和型であるものをいい、粧原基二の一般試験法の「ヨウ素価測定法」に準じリン脂質を分析したとき5以下のものも含まれる。このようなリン脂質としては、例えば、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、卵黄リン脂質や植物由来の例えば、大豆リン脂質等を水素添加により還元したもの等が挙げられる。
【0010】
本発明において「イオン性の皮膚細胞賦活剤」とは、分子内にナトリウムイオンやカリウムイオン等の陽イオン、クロルイオン等の陰イオン、あるいは、カルボキシル基を有し、それ単独で水に透明に溶解するイオン性の物質で、皮膚細胞を活性化する物質、あるいはこれらの混合物をいう。このような物質としては、例えば、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、コラーゲン、プラセンターエキス、各種アミノ酸やペプチド及びこれらの混合物、α−ヒドロキシ酸等の保湿剤、アスコルビン酸リン酸エステル(塩)、アスコルビン酸硫酸エステル(塩)、塩酸ピリドキシン、パントテン酸及びその塩等の水溶性ビタミン類、塩化リゾチーム、グリチルリチン酸ジカリウム等の消炎剤、クエン酸、コハク酸、乳酸及びこれらの塩等の有機酸類等が挙げられる。尚、本発明のイオン性の皮膚細胞賦活剤には、通常界面活性剤として使用されている物質は含まれない。
【0011】
本発明においてイオン性の皮膚細胞賦活剤の配合量は、本発明により得られるリポソーム分散液が化粧料に配合し使用されるものであり、また皮膚細胞賦活剤を高濃度リポソームに保持させたいことより、その配合量は0.1%以上であり、また使用感に優れたリポソーム分散液を得るため、その配合量は10%以下である。皮膚細胞賦活剤の種類にもよるが、特に、配合量が0.1〜6%のものは使用感に優れたリポソーム分散液が得られやすいので好ましい。
【0012】
本発明において「リポソームの粗分散液」とは、微粒子化処理を施す前のリポソーム分散液をいい、その調製方法は特に限定されるものではないが、工業的規模での生産としては、例えば、飽和のリン脂質をイオン性の皮膚細胞賦活剤の水溶液に分散後、相転移温度以上に加温する方法とか、相転移温度以上に加温した水溶液に飽和のリン脂質を分散させる方法等が挙げられる。
【0013】
また、本発明において「リポソームの粗分散液を単一のジェット流として噴射させ、対向して配置された底面で該ジェット流を方向転換させ、該ジェット流を包むように側壁に沿い逆流させることによって、該ジェット流と逆流との界面で発生する剪断力により該リポソーム粗分散液の微粒子化処理を施し」とは、市販の微粒子化装置であるB.E.E.International Ltd.製のDeBEE2000又はこれに準ずる装置によりリポソームの粗分散液を処理することをいう。
以下、この微粒子化原理を図1及び図2に従って説明する。
リポソームの粗分散液1をノズル2より単一のジェット流3として噴射させ、対向して配置された底面4で該ジェット流3を方向転換させ、該ジェット流3を包むように側壁5に沿い逆流させることによって、該ジェット流3と逆流6との界面7で発生する剪断力により該リポソーム粗分散液の微粒子化処理を施す。
【0014】
本発明において「800nm以下の粒子径を有するリポソームが約95%以上」とは、本発明のリポソーム分散液のリポソームの粒子径を、市販の粒度分布分析装置であるPacific Scientific製のNICOMP Model370 又はこれに準ずる装置により測定したとき、800nm以下の粒子径を有するリポソームが約95%以上のものをいう。特に、800nm以下の粒子径を有するリポソームが約98%以上のものは、よりその使用感に優れ、さらに、皮膚細胞賦活剤の効果が高られたリポソーム分散液が得られるため好ましい。
尚、粒子径が20nmより小さいリポソームは、本発明の製造方法を含め実際には工業的規模で生産することは難しいので、本発明のリポソームは、20〜800nmの粒子径を有するリポソームが約95%以上である。
また、本発明の製造方法により得られるリポソーム分散液は、イオン性の皮膚細胞賦活剤を高濃度配合されているいるため、リポソームの最大粒子径が300nm以下の分散液は得られ難い。
【0015】
本発明において「化粧料」とは、頭皮及び粘膜も含めた皮膚に塗布するもので水相を連続相とするものであれば特に限定するものではないが、例えば、化粧水、乳液、クリーム等が挙げられる。
また、本発明において「リポソーム分散液を配合してある化粧料」とは、リポソーム分散液をそのまま化粧料として用いるか、あるいは化粧料の一成分として配合することをいい、その配合量は、特に制限するものではないが、化粧料に通常配合されている皮膚細胞賦活剤の相当量を配合したほうが皮膚細胞賦活剤の効果が高められ望ましい。例えば、美白剤として使用されているアスコルビン酸リン酸エステル塩の場合は、約0.5〜3%相当量であり、また保湿剤として使用されているヒアルロン酸ナトリウムの場合は、約0.001〜0.5%相当量である。
【0016】
本発明の製造方法により得られるリポソーム分散液には、特に制限はないが、イオン性の皮膚細胞賦活剤の他に化粧料に用いられる成分、例えば、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB及びその誘導体、アスコルビン酸脂肪酸エステル、ビタミンD類、ビタミンE及びその誘導体、ニコチン酸アミド等のビタミン類、ソルビトール、キシリトール、マルチトール等の保湿剤、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール等の多価アルコール、月見草、アボガド油、オリーブ油、ミンク油、脂肪酸類、リゾリン脂質、スフィンゴ脂質、スクワレン、スクワラン、ステロール類及びその誘導体等の油脂類、ポリビニルアルコール、メチルセルロース等の増粘剤、エタノール等の有機溶剤、DNA、RNAの核酸類、ブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤、pH調整剤、防腐剤、消炎剤、天然エキス、キレート剤、香料、色素等を配合することができる。
【0017】
本発明の製造方法により得られるリポソーム分散液は、如何なる理由により使用感に優れ、さらに皮膚細胞賦活剤の効果が高められるかは定かではないが、本発明の微粒子化原理でリポソームの粒子径をある水準以下にコントロールすることにより、皮膚との親和性が改善され、このような効果を生じたのではないかと推察される。
【0018】
以下に、本発明の代表的な製造方法を説明するが、特に、この製造方法に限定するものではない。
▲1▼リポソームの粗分散液の調製
飽和のリン脂質を相転移温度以上に加温したイオン性の皮膚細胞賦活剤の水溶液に添加しホモミキサー等の攪拌機を用いて分散させるか、あるいは、飽和のリン脂質をイオン性の皮膚細胞賦活剤の水溶液に添加しホモミキサー等の攪拌機を用い分散後、相転移温度以上に加温する。
また、さらにその他の成分もリポソームに保持させたリポソーム分散液を得たい場合、その他の成分が水溶性成分のときは、イオン性の皮膚細胞賦活剤と共に溶解させた水溶液をリポソームの溶媒として用いるか、あるいは、多価アルコールのように水溶性成分であっても、飽和のリン脂質を溶解させるような成分は、飽和のリン脂質をその成分で溶解させた溶液をイオン性の皮膚細胞賦活剤の水溶液に添加し、上記の方法でリポソームの粗分散液を調製するとよい。
さらに、その他の成分が脂溶性成分のときは、その成分を飽和のリン脂質と一緒に有機溶媒に溶解し、次に溶媒を除去させたものをイオン性の皮膚細胞賦活剤の水溶液に添加し、上記の方法によりリポソームの粗分散液を調製するか、あるいは、多価アルコールのように飽和のリン脂質及び脂溶性成分を溶解させる成分を有機溶媒として用いたときは、飽和のリン脂質及び脂溶性成分をその成分で溶解させた溶液をイオン性の皮膚細胞賦活剤の水溶液に添加し、上記の方法によりリポソームの粗分散液を調製してもよい。
尚、飽和のリン脂質の相転移温度は、予め示差走査熱量計(DSC)で測定しておく。
【0019】
▲2▼微粒子化処理によるリポソーム分散液の調製
上記のリポソームの粗分散液を本発明の微粒子化原理を利用した微粒子化装置、例えば、市販品であるDeBEE2000を用い圧力25000psi以上で処理し、800nm以下の粒子径を有するリポソームが95%以上とする。
【0020】
次に、本発明を実施例・試験例に基づき、さらに詳細に説明する。
尚、粒子径の測定は下記の条件で行った。
粒度分布分析装置:NICOMP Model370(Pacific Scientific製)
測定モード :Solid Particles (個数換算)
積算時間 :10分以上
Residual :2.0以下
また、リポソーム分散液、あるいはこれを配合した化粧料の使用感及びイオン性の皮膚細胞賦活剤の効果が高くなったか否かの評価は、女性パネル20名で行った。イオン性の皮膚細胞賦活剤の効果が高くなった否かの評価は、1ヵ月間使用テストを行いリポソーム化していない場合と比較し評価した。
【実施例】
実施例1
▲1▼リポソームの粗分散液の調製
水素添加卵黄リン脂質(IV=4、脂質組成:PC=85%、PE=12%、SPM=1%、LPC=1%、その他=1%)10gを約75℃に加温したプロピレングリコール50gに溶解させる。一方、メチルパラベン1g及びヒアルロン酸ナトリウム1gを溶解させた精製水940gを約75℃に加温し、ホモミキサー(特殊機化工業:T.K.ホモミクサー)を用い10000rpmで攪拌させながら先の溶液を徐々に添加し、さらに、10分間攪拌し、リポソームの粗分散液を調製した。
▲2▼微粒子化処理によるリポソーム分散液の調製
上記のリポソームの粗分散液をDeBEE2000を用い圧力35000psiで1回微粒子化処理を施し、800nm以下の粒子径を有するリポソームが約98%であるリポソーム分散液を得た。
【0021】
実施例2
▲1▼リポソームの粗分散液の調製
水素添加卵黄リン脂質(IV=4、脂質組成:PC=85%、PE=12%、SPM=1%、LPC=1%、その他=1%)10gを約75℃に加温したプロピレングリコール50gに溶解させる。一方、メチルパラベン1g及びリン酸アスコルビルマグネシウム20gを溶解させた精製水940gを約75℃に加温し、ホモミキサー(特殊機化工業:T.K.ホモミクサー)を用い10000rpmで攪拌させながら先の溶液を徐々に添加し、さらに、10分間攪拌し、リポソームの粗分散液を調製した。
▲2▼微粒子化処理によるリポソーム分散液の調製
上記のリポソームの粗分散液をDeBEE2000を用い圧力35000psiで1回微粒子化処理を施し、800nm以下の粒子径を有するリポソームが約99%であるリポソーム分散液を得た。
【0022】
実施例3
▲1▼リポソームの粗分散液の調製
メチルパラベン1g及びリン酸アスコルビルマグネシウム20gを溶解させた精製水980gを約75℃に加温し、ホモミキサー(特殊機化工業:T.K.ホモミクサー)を用い10000rpmで攪拌させながら水素添加卵黄リン脂質(IV=1、脂質組成:PC=88%、PE=10%、SPM=0.5%、LPC=0.5%、その他=1%)20gを徐々に添加し、さらに、10分間攪拌し、リポソームの粗分散液を調製した。
▲2▼微粒子化処理によるリポソーム分散液の調製
上記のリポソームの粗分散液をDeBEE2000を用い圧力40000psiで2回微粒子化処理を施し、800nm以下の粒子径を有するリポソームが約99%であるリポソーム分散液を得た。
得られたリポソーム分散液について殆どのパネラーが、使用感が良い、またリポソーム化していない場合と比較しリン酸アスコルビルマグネシウムによる皮膚の美白改善効果が高くなっているとの評価であった。
【0023】
実施例4
下記の乳液を常法により調製した。尚、リポソーム分散液は、乳液の調製工程の内、乳化後の冷却途中の品温約50℃のとき添加した。
乳液
実施例1のリポソーム分散液 10.0
ステアリン酸 1.0
セタノール 2.0
ワセリン 2.5
スクワラン 4.0
L−アルギニン 1.0
親油型モノステアリン酸グリセリル 1.0
グリセリン 2.0
水酸化カリウム 0.1
香料 微量
精製水で 100.0%
得られた乳液について殆どのパネラーが、使用感が良い、またリポソーム化していない場合と比較し皮膚の潤いが高くなっているとの評価であった。
【0024】
【試験例】
試験例1
実施例2のリポソーム粗分散液を用い、その後の微粒子化処理において、処理圧力、処理回数及び微粒子化装置を代え800nm以下の粒子径を有するリポソームの割合が表1に示すリポソーム分散液を調製し、評価した。
【0025】
【表1】
Figure 0003783385
【0026】
試験結果を表1に示す。
本発明の微粒子化原理で調製し、かつ800nm以下の粒子径を有するリポソームが95%以上の本発明品No.1〜6は、本発明の微粒子化原理で調製し、かつ800nm以下の粒子径を有するリポソームが95%未満の対照品No.1、2及び従来の微粒子化装置で調製した対照品No.3、4と比較し、殆どのパネラーが使用感が良い、あるいはやや良いと評価していた。また、得られたリポソーム分散液を用いた化粧水でも、殆どのパネラーがリポソーム化していない場合と比較しリン酸アスコルビルマグネシウムによる皮膚の美白改善効果が高くなっている、あるいはやや高くなっているとの評価であった。
これより、本発明で得られるリポソーム分散液は、使用感に優れ、さらに皮膚細胞賦活剤の効果を高めることが理解できる。
特に、本発明の微粒子化原理で調製し、かつ800nm以下の粒子径を有するリポソームが98%以上の本発明品No.4〜6は、殆どのパネラーが使用感が良いと評価しており、また、化粧水においても、半数以上のパネラーが美白改善効果が高くなっているとの評価であった。
【0027】
試験例2
実施例2においてリン酸アスコルビルマグネシウムの配合量を種々代え、他の条件は同様としてリポソーム分散液を調製し使用感を評価した。尚、実施例1のリポソーム分散液そのまま用いた。
【0028】
【表2】
Figure 0003783385
【0029】
試験結果を表2に示す。
リポソーム分散液中のイオン性の皮膚細胞賦活剤の配合量が10%を越える対照品No.5は、800nm以下の粒子径を有するリポソームが95%未満となり、殆どのパネラーが使用感が悪い、あるいはやや悪いとの評価であったのに対し、皮膚細胞賦活剤の配合量が10%以下の本発明品No.7〜12は、800nm以下の粒子径を有するリポソームが95%以上となり、殆どのパネラーが使用感が良い、あるいはやや良いと評価しており、特に、皮膚細胞賦活剤の配合量が6%以下の本発明品No.7〜10は、使用感が良いとの評価であった。
これより、本発明の微粒子化原理であっても、イオン性の皮膚細胞賦活剤の配合量が10%を越えるリポソーム分散液では、使用感の良いものは得られ難く、配合量が6%以下のものでは、使用感の良いものが比較的得られ易いことが理解される。
【0030】
【発明の効果】
以上述べたように、従来の製造方法では得られなかった使用感に優れ、さらにイオン性の皮膚細胞賦活剤の効果を高めたリポソーム分散液が本発明の製造方法により得られることから、化粧品分野において、さらにその用途拡大が期待される。
【0031】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の微粒子化原理を説明するための側断面図である。
【図2】図1のA−A矢視の横断面図である。
【符号の説明】
1 リポソームの粗分散液
2 ノズル
3 ジェット流
4 底面
5 側壁
6 逆流
7 界面

Claims (2)

  1. 飽和のリン脂質をリポソームの膜脂質として用いたリポソーム分散液の製造方法において、イオン性の皮膚細胞賦活剤0.1〜10%で含有する、該リポソームの粗分散液を単一のジェット流として噴射させ、対向して配置された底面で該ジェット流を方向転換させ、該ジェット流を包むように側壁に沿い逆流させることによって、該ジェット流と逆流との界面で発生する剪断力により該リポソーム粗分散液の微粒子化処理を行うに際し、800nm以下の粒子径を有するリポソームの割合が95%以上となるように、微粒子化処理の処理圧力及び/又は処理回数を調整しながら行うことを特徴とするリポソーム分散液の製造方法。
  2. 微粒子化処理を行うに際し、20〜800nmの粒子径を有するリポソームの割合が95%以上となるように、微粒子化処理の処理圧力及び/又は処理回数を調整しながら行う請求項1記載のリポソーム分散液の製造方法。
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