JPH09239071A - Frtpラケットフレームの製造方法 - Google Patents

Frtpラケットフレームの製造方法

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JPH09239071A
JPH09239071A JP8052094A JP5209496A JPH09239071A JP H09239071 A JPH09239071 A JP H09239071A JP 8052094 A JP8052094 A JP 8052094A JP 5209496 A JP5209496 A JP 5209496A JP H09239071 A JPH09239071 A JP H09239071A
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frtp
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molding
racket frame
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JP8052094A
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Kunimasa Muroi
國昌 室井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形用素材の巻き付け作業が容易で、強化用
繊維の配向設計自由度が大きく、かつ強化用繊維密度の
粗密がFRTPの小面積分に関しても生じにくく、強化用繊
維の交差部やその近傍に繊維の緩みや樹脂たまりが生じ
ることがなく、強度が優れ、高品質、均質なFRTPを得る
ことができるFRTPラケットフレームの製法の提供。 【解決手段】 テーフ゜状の強化用繊維束をこれより幅広の
マトリックス樹脂供給用熱可塑性樹脂フィルムで挟んでなる積層体
の長手方向に沿った両端部が、それぞれ融着されてなる
テーフ゜状のFRTP成形用素材1、又は該成形用素材の複数枚
が、隣合う成形用素材の強化用繊維束の長手方向に沿っ
た端部同士が近接するように重ねて並べられ、これら成
形用素材の重なり部分がそれぞれ融着され、強化用繊維
の配列方向が一方向に揃えられてなる幅広のFRTP成形用
素材を、芯材12に巻き付けて予備成形品となる巻き付
けチューブを形成する工程を少なくとも備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はテニス・ラケット、
ラケットボール・ラケット、スカッシュ・ラケット、バ
トミントン・ラケット等のようなゲームラケット用フレ
ームの製造方法に係わり、特に、本発明は、テープ状の
強化用繊維束をこれより幅広のマトリックス樹脂供給用
熱可塑性樹脂フィルムで挟んでなる積層体の長手方向に
沿った両端部がそれぞれ融着されてなるテープ状のFR
TP成形用素材、あるいは該FRTP成形用素材の複数
枚が、隣合うFRTP成形用素材の強化用繊維束の長手
方向に沿った端部同士が近接するように重ねて並べら
れ、これらFRTP成形用素材の重なり部分がそれぞれ
融着され、強化用繊維の配列方向が一方向に揃えられて
なる幅広のFRTP成形用素材を、芯材に巻き付けて予
備成型品を形成する工程を少なくとも備えることによっ
て、FRTP成形用素材の巻き付け作業が容易で、強化
用繊維の配向設計自由度が大きく、しかも一束あたりの
強化用繊維数の多いFRTP成形用素材を芯材に繊維束
の中心ピッチを粗く巻き付けた場合でも強化用繊維密度
の粗密がFRTPの小面積分に関しても生じにくく、強
化用繊維の交差部やその近傍に繊維の緩みや樹脂だまり
が生じることがなく、強度が優れ、高品質、均質なFR
TPを得ることができるFRTPラケットフレームの製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の熱可塑性繊維強化プラスチック
(以下、FRTPという。)ラケットフレームの製造方
法として、成形用素材を芯材に巻き付けしてラケットフ
レームの予備成形品を作製し、テニスラケットフレーム
を製造する方法(米国特許第4871491号公報等)
が知られている。この種の製造方法に用いられている成
形用素材としては、 1束あたりの繊維数が多い(12,000本)補強用
炭素繊維とマトリックス樹脂繊維とを混紡した繊維束、 補強用炭素繊維束にマトリックス樹脂粉末を塗布し、
該マトリックス樹脂を一部溶融した成形用素材、 補強用炭素繊維とマトリックス樹脂との引き抜き成形
したテープ状の成形用素材、 前述のの混紡した繊維束を並べて熱圧して溶着した
成形用素材が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが従来のFRT
Pラケットフレームの製造方法おいて、前記の混紡し
た繊維束を用いる場合にあっては、該繊維束の形状が棒
状で、かつ断面形状が略円形状ものであるため、強い張
力をかけて棒状体に巻き付ければ一旦は繊維束が分散し
て平坦なものになるが、熱圧しなければその形態は維持
できないため、芯材に巻き付けたとき、成形されたラケ
ットフレームの小面積部分に関しては補強用炭素繊維の
巻き付け密度の粗密が生じ、すなわち目透きが生じ、そ
の繊維束の隙間に樹脂だまりが生じてしまう。また、混
紡した繊維束を芯材に巻き付ける際に斜交巻きをして補
強用炭素繊維を交叉させると、補強用炭素繊維の交差部
の厚みが厚く嵩張るので、該混紡した繊維束から作製し
た予備成形品を熱圧すると、補強用炭素繊維が緩んだ
り、補強用炭素繊維の交差部近傍に隙間が生じ易く、こ
れによって得られる予備成形品も厚肉なものとなり、補
強用炭素繊維束の間に樹脂だまりが生じるという問題が
あった。また、この種の混紡した繊維束は、補強用炭素
繊維とマトリックス樹脂繊維とが均等に分散した繊維束
を得るのが困難で、均質なラケットフレームが得られに
くい。また、この種の繊維束を巻き付ける時には、治具
等との摩擦により補強用炭素繊維が部分的に破断して毛
羽立ってしまい、その場合、補強用炭素繊維ダストが発
生したり、補強効果が低下し易いという問題があった。
【0004】また、前記の成形用素材を用いる場合に
あっては、マトリックス樹脂粉末の溶融が多いと硬くな
り、芯材に巻き付けにくく、その上、巻き付けても上層
と下層の束間に隙間ができたり、予備成形品の表面に凸
凹が生じてしまい、高品質なFRTPラケットフレーム
が得られにくい。また、マトリックス樹脂の溶融が少な
いと、芯材に巻き付けるときに樹脂粉末が剥がれて均質
な塗布量で塗布された成形用素材が得られず、均質なラ
ケットフレームが得られにくい。また、前記との成
形用素材を用いる場合にあっては、成形用素材が硬いた
め、常温では巻き付けが困難であるため、巻き付け時に
加熱して軟化させる必要がある。また、巻き付けた後の
予備成形品をラケットフレームの形状を有するキャビテ
ィを備えた成形型に填めるためにフレーム状に曲げる必
要があるが、その巻き付け状態では再加熱は困難であ
る。また、特に、補強用炭素繊維の繊維方向がラケット
フレームの予備成形品の中心線と直交するように巻き付
けて補強するためには、幅広で、繊維長さは短く、柔軟
性があるFRTP成形用素材を必要とするが、の成形
用素材は常温では硬く、加熱すれば補強用炭素繊維がほ
ぐれ分離してしまい、の繊維束との成形用素材で
は繊維束が分離してしまい、幅広の成形用素材は得られ
なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたもので、FRTP成形用素材の巻き付け
作業が容易で、強化用繊維の配向設計自由度が大きく、
しかも一束あたりの強化用繊維数の多いFRTP成形用
素材を芯材に繊維束の中心ピッチを粗く巻き付けた場合
でも強化用繊維密度の粗密がFRTPの小面積分に関し
ても生じにくく、強化用繊維の交差部やその近傍に繊維
の緩みや樹脂だまり生じることがなく、強度が優れ、高
品質、均質なFRTPを得ることができるFRTPラケ
ットフレームの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
テープ状の強化用繊維束をこれより幅広のマトリックス
樹脂供給用熱可塑性樹脂フィルムで挟んでなる積層体の
長手方向に沿った両端部が、それぞれ融着されてなるテ
ープ状のFRTP成形用素材を、芯材に巻き付けて予備
成形品となる巻き付けチューブを形成し、ついで該予備
成形品から前記芯材を取り外し、該予備成形品をラケッ
トフレームの形状を有するキャビティを備えた成形型内
に入れ、該予備成形品の内部から成形型の内壁に向けて
圧力をかけながら熱可塑性樹脂フィルムをなす熱可塑性
樹脂の融点の温度あるいはそれ以上の温度で前記予備成
形品を加熱し、ついで該予備成形品を冷却し硬化させた
後、前記成形型から取り出す工程を備えることを特徴と
するFRTPラケットフレームの製造方法を前記課題の
解決手段とした。
【0007】請求項2記載の発明は、テープ状の強化用
繊維束をこれより幅広のマトリックス樹脂供給用熱可塑
性樹脂フィルムで挟んでなる積層体の長手方向に沿った
両端部が、それぞれ融着されてなるテープ状のFRTP
成形用素材の複数枚が、隣合うFRTP成形用素材の強
化用繊維束の長手方向に沿った端部同士が近接するよう
に重ねて並べられ、これらFRTP成形用素材の重なり
部分がそれぞれ融着され、強化用繊維の配列方向が一方
向に揃えられてなる幅広のFRTP成形用素材を、芯材
に巻き付けて予備成形品となる巻き付けチューブを形成
し、ついで該予備成形品から前記芯材を取り外し、該予
備成形品をラケットフレームの形状を有するキャビティ
を備えた成形型内に入れ、該予備成形品の内部から成形
型の内壁に向けて圧力をかけながら熱可塑性樹脂フィル
ムをなす熱可塑性樹脂の融点の温度あるいはそれ以上の
温度で前記予備成形品を加熱し、ついで該予備成形品を
冷却し硬化させた後、前記成形型から取り出す工程を備
えることを特徴とするFRTPラケットフレームの製造
方法。
【0008】また、請求項3記載の発明は、FRTP成
形用素材を芯材に巻き付ける際に、芯材の長さ方向の軸
に対するFRTP成形用素材の巻き角が斜め方向である
ことを特徴とする請求項1記載のFRTPラケットフレ
ームの製造方法を前記課題の解決手段とした。また、請
求項4記載の発明は、予備成形品を成形型内に入れる前
に、該予備成形品の周囲に、幅広のFRTP成形用素材
をこれの強化繊維の方向が予備成形品の中心線と直交す
るように巻き付ける工程を備えることを特徴とする請求
項1又は2記載のFRTPラケットフレームの製造方法
を前記課題の解決手段とした。また、請求項5記載の発
明は、予備成形品を成形型内に入れる前に、該予備成形
品の周囲に、幅広のFRTP成形用素材をこれの強化繊
維の方向が予備成形品の中心線と平行となるように巻き
付けることを特徴とする請求項1又は2記載のFRTP
ラケットフレームの製造方法を前記課題の解決手段とし
た。本発明での巻き付けとは、芯材にFRTP成形用素
材を螺旋状に巻き付ける方法あるいは、芯材にFRTP
成形用素材を斜交状に連続的に巻いて交叉させて巻き付
ける方法、FRTP成形用素材を芯材の長さ方向の軸と
平行に(巻き角0度)巻き付ける方法などをいう。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に理解しやすく
するため、FRTPラケットフレームの製造方法の一例
について説明する。かかる製造例は、本発明の一態様を
示すものであり、この発明を限定するものではない。本
発明の範囲で任意に変更可能である。まず、本発明のF
RTPラケットフレームの製造方法に用いられるFRT
P成形用素材の例について説明する。図1は、FRTP
成形用素材の第一の例を示すものである。図中符号1
は、テープ状のFRTP成形用素材1である。このテー
プ状のFRTP成形用素材1は、テープ状の強化用繊維
束2をこれより幅広のマトリックス樹脂供給用熱可塑性
樹脂フィルム3,3で挟んでなる積層体4の長手方向に
沿った両端部5,5がそれぞれ融着されてなる厚さが薄
い平坦なものである。
【0010】上記テープ状の強化用繊維束2は、断面形
状が丸型の強化用繊維束、例えば繊維数6,000〜2
4,000のカーボン繊維あるいは繊維束を開繊して得
られる厚さが薄い平坦なもので、その厚みが1mm以
下、好ましくは0.5mm以下であり、幅は厚みの4倍
以上、好ましくは10倍以上のものである。ここでのテ
ープ状の強化用繊維束2をなす強化用繊維としては、ア
ラミド繊維、ガラス繊維、カーボン繊維などが用いられ
る。本発明で用いられる強化用繊維束2には、撚った繊
維が全く含まれないか、あるいは含まれたとしてもその
割合は少ない方が好ましい。
【0011】上記熱可塑性樹脂フィルム3は、その厚み
が100μm以下、好ましくは50μm以下、より好ま
しくは5〜30μmであり、また幅は上記テープ状の強
化用繊維束2を挟んだとき、積層体4の両端部5,5か
ら上記強化用繊維束2がはみ出すことがなく、かつ、積
層体4の両端部5,5を融着可能である程度のものであ
る。この熱可塑性樹脂フィルム3をなす熱可塑性樹脂と
しては、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレ
ンオキサイド、ポリエーテルイミドなどが用いられる。
【0012】また、上記熱可塑性樹脂フィルム3には、
孔(図示略)が多数形成されていることが好ましい。上
記孔の大きさは直径100μm〜1mm程度であり、ま
た、該孔の分布度合いは1〜50個/cm2程度であ
る。このような孔が熱可塑性樹脂フィルム3に形成され
ていると、このテープ状のFRTP成形用素材1をフィ
ラメント巻きして得られる予備成形品を成形型に入れ、
内圧をかけながら加熱する際に、テープ状の強化用繊維
束2中に残留している気泡を上記孔を通してテープ状の
FRTP成形用素材1の外部に排出させることができる
ので、得られるラケットフレームにボイドとして残るこ
とがない。
【0013】このようなテープ状のFRTP成形用素材
1の厚みは1.0mm以下、0.1〜1.0mm、より
好ましくは0.5mm以下であり、幅は5〜35mm程
度ものである。上記テープ状のFRTP成形用素材1の
テープ状の強化用繊維束2と熱可塑性樹脂樹脂フィルム
3との体積比は、強化用繊維の容積比率(Vf)で30
〜60%程度であるが、特に限定されることなく、要求
されるラケットフレーム中の強化用繊維の含有量(V
f)に応じて決められる。さらに、テープ状の強化用繊
維束3のテックス数もVf値に応じて適宜決めることが
できる。
【0014】図2は、FRTP成形用素材の第二の例を
示すものである。図中符号10は、幅広のFRTP成形
用素材10である。この幅広のFRTP成形用素材10
は、図1に示したテープ状のFRTP成形用素材1の複
数枚(図面では6枚)が、隣合うFRTP成形用素材
1,1の強化用繊維束2,2の長手方向に沿った端部2
a,2a同士が近接するように重ねて並べられ、これら
テープ状のFRTP成形用素材1・・・の重なり部分10
a・・・がそれぞれ融着され、強化用繊維の配列方向が一
方向に揃えられてなるものである。
【0015】前記隣合うFRTP成形用素材1,1の強
化用繊維束2,2の長手方向に沿った端部2a,2a間
の幅Wはできるだけ小さい方が好しい。この幅Wが発生
するのを完全に防止するためには、FRTP成形用素材
1,1の強化用繊維束2,2の端部2a,2a同士を重
ねることにより完全に解消できる。隣合う強化用繊維束
2,2の幅Wが大きすぎると、幅広のFRTP成形用素
材10を芯材に巻き付けて作製した予備成形品を熱圧し
たとき、小面積部分に関して強化用繊維の粗密が生じた
り、強化用繊維束2,2との間の隙間に樹脂だまりが生
じるからである。この幅広のFRTP成形用素材10の
厚みは1.0mm以下、0.1〜1.0mm、より好ま
しくは0.5mm以下である。本発明で用いられるFR
TP成形用素材1,10は、後述する芯材12に巻き付
けることにより予備成形品44を得ることができる。
【0016】つぎに、前述したFRTP成形用素材を用
いてFRTPラケットフレームを製造する例について説
明する。この例では、テニス・ラケットフレームに関し
て説明しているが、ラケットボール・ラケット、スカッ
シュ・ラケット、バドミントン・ラケット等のような他
の型のゲームラケットフレームを製造する場合にも適用
できる。
【0017】まず、図3に示すように膨張式管状プラス
チック空気袋17で覆われた回転している芯材12に図
1のテープ状のFRTP成形用素材1を巻き付ける。こ
の成形用素材巻き付け装置は、回転被駆動の細長い芯材
12と、芯材12の長さだけ前後に軸方向運動するよう
に装架されたFRTP成形用素材供給キャリッジとを有
しているものである。このキャリッジは、一定角度の螺
旋状進路あるいは測地線状進路にFRTP成形用素材1
1を置くために一方向に芯材12に沿って移動し、そし
て前回の進路に対して負角度にFRTP成形用素材11
を置くために反対方向に移動するようになっている。こ
の螺旋状進路は、両方向へのFRTP成形用素材1の横
移動により芯材12の周囲を覆うまで、必要な数の周回
だけ続けられる。このように芯材12の周囲をFRTP
成形用素材1により覆うことにより第1層16の形成が
完了すると、設計者によって選択された同様の方法で、
次層以降の層を巻き付ける。
【0018】図4には、FRTP成形用素材1の第1周
回が、芯材12の長さ方向の軸13に対して、典型的に
約+45度の角度で巻かれているFRTP成形用素材1
aにより示されている。また、FRTP成形用素材の第
2周回は、反対方向に巻き付けられ、芯材12の軸13
に対して約一45度の角度で巻かれているFRTP成形
用素材1bにより示されている。さらに、続けて行うF
RTP成形用素材1の周回は、FRTP成形用素材1
c,1d,1e,1f等により示され、芯材12を覆う
まで同様の方法で巻き付けられる。これらの巻き付けに
より、芯材12の周りに第1層16を形成する。
【0019】図5は、巻き付け芯材12の長さ方向の軸
である中心線13に対して正角重ねと負角重ねの両方を
行う巻き付け方法により形成した第1層16を示す図で
あり、(A)は、最初の層を示す側面図、(B)は芯材
12と第1層16の半分部分断面図である。また、図5
(B)の芯材12と第1層16の半部分断面図は、二つ
の+45,−45度重ねFRTP成形用素材を示してい
る。+α度と一α度の両巻き角により形成された孤14
の長さは、テープ状のFRTP成形用素材1の幅とFR
TP成形用素材1の巻き角に基づく。この例では、巻き
角αは45度で、芯材12の直径は都合9周回で覆われ
るように見積もってある。
【0020】ついで、図6に示すように前述のようにし
て形成した第1層16上にFRTP成形用素材1を巻き
付け第2層(中間層)18を形成する。図6は、芯材1
2の中心線13に対して巻き角βが0度、すなわち平行
に巻き付ける方法により形成した第2層18を示す図で
あり、(A)は第2層18の側面図、(B)は芯材12
と第2層18の半部分断面図である。図6(B)の芯材
12と第2層18の半部分断面図は、この例では、巻き
角βが0度で芯材12上の第1層16の周囲を覆うのに
必要な都合12周回を示している。弧15の長さは、F
RTP成形用素材1の幅に等しくなる。
【0021】ついで、図7に示すように第2層18上に
FRTP成形用素材1を巻き付け第3層(最外層)を形
成する。図7は、芯材12の中心線13に対して巻き角
γが、図5のように正角重ねと負角重ねの両方を行う巻
き付け方法により形成した積層構造の第3層19を示す
図であり、(A)は第3層の側面図、(B)は、膨張式
空気袋17と、この膨張式空気袋17の周面上に+α,
一α度に巻き付けられたFRTP成形用素材1からなる
第1層16と、この第1層16の周面上に+β,−β度
に巻き付けられたFRTP成形用素材1からなる第2層
18と、この第2層18の周面上に十γ,一γ度に巻き
付けられた第3層19とからなる巻き付けチューブ44
を示した断面図である。この例では、巻き角γを45度
になるように選択し、芯材12上の第2層の周囲を覆う
のに9周回必要になる。このようにすると、第1層16
と第2層18と第3層19とからなる図8に示すような
巻き付けチューブ44が得られる。巻き付けチューブ4
4は、ラケットフレーム予備成形品である。図8中符号
44dは、予備成形品44の長さ方向の軸(中心線)で
ある。
【0022】正角重ねを行う場合のFRTP成形用素材
1の巻き角は、+20〜60゜の範囲が好ましく、ま
た、負角重ねを行う場合のFRTP成形用素材1の巻き
角は、−20〜60゜の範囲が好ましい。また、FRT
P成形用素材1を芯材12に巻き付けて層を形成すると
き、目的とするラケットフレームの強度によっても異な
るが、隣合うFRTP成形用素材1,1の間に隙間が空
かないように層を形成するのが好ましく、より好ましく
は隣合うFRTP成形用素材1,1の強化用繊維束2,
2の長手方向に沿った端部同士が略接するように巻き付
けるのが好ましい。また、巻き付けチューブ44には、
後述するラケットフレームの輪状の張弦部となる張弦相
当部29や柄部となる柄部相当部30等の様々な位置を
補強するために、FRTP成形用素材1からなる各層の
間に、あるいは最内層又は最外層に短寸法片のFRTP
成形用素材10を巻き角0度又は90度で巻き付けた補
強層を挿入してもよい。
【0023】前述のFRTP成形用素材1,10は、湿
潤しておらず、柔軟性があり、これらFRTP成形用素
材1,10を巻き付けて得られる予備成形品44も、湿
潤しておらず、柔軟性があるので、芯材12が取り外さ
れた後、後述する取り扱いの際もその構造を維持する。
【0024】そして、図8の巻き付けチューブ44とこ
れの内部の空気袋17とから、芯材12を取り外した
後、これら予備成形品44を空気袋17ごと図9に示す
ように中央部を輪状に曲げ、両端部を揃えることにより
テニスラケットフレーム状に曲げる。ここでフレーム状
に曲げられた巻き付けチューブすなわち予備成形品44
は、輪状の張弦部となる張弦部相当部29と、予備成形
品44の両端部が揃えられ、棒状の柄部となる柄部相当
部30とから概略構成され、張弦部相当部29の根元付
近には、ヨーク部を接続するためのヨーク部接続部32
を備えている。
【0025】この後、予備成形品44とこれの内部の空
気袋17を後述する成形型45内に入れる前に、図10
に示すように予備成形品44の張弦部相当部29の周囲
に、前述の幅広のFRTP成形用素材10をこれの強化
繊維の長さ方向が予備成形品44の中心線44dと直交
するように巻き付けることにより、張弦部相当部29を
補強するのが好ましい。ここでの幅広のFRTP成形用
素材10の張弦部相当部29への巻き付け回数は、目的
とする強度によっても異るが、半周ないし2周、好まし
くは1周程度でよい。従って、幅広のFRTP成形用素
材10の長さは、少なくとも張弦部相当部29の周囲を
前述のようにして覆えるだけの長さであればよく、すな
わち、中心線44dを中心とする張弦部相当部29の周
縁の長さの半分ないし2倍程度であり、一方、幅広のF
RTP成形用素材10の幅は、張弦部相当部29の輪状
部の外周縁と同じ程度、あるいはやや短い程度である。
このような巻き付け法に使用される本発明の幅広のFR
TP成形用素材10は、幅は広いものの、繊維方向の長
さは非常に短いが、強化用繊維が少量本ずつマトリック
ス樹脂供給用の熱可塑性樹脂フィルムで挟まれて繊維方
向に沿った両端部がそれぞれ融着されているので、強化
用繊維が分散してしまうことはない。
【0026】また、さらに図10に示すように予備成形
品44の柄部相当部30の周囲に前述の幅広のFRTP
成形用素材10をこれの強化繊維の長さ方向が予備成形
品44の中心線44dと平行となるように巻き付けるこ
とにより、柄部相当部30を補強するのが好ましい。こ
こでの幅広のFRTP成形用素材10の柄部相当部30
への巻き付け回数は、目的とする強度によっても異る
が、半周ないし2周、好ましくは1周程度でよい。従っ
て、幅広のFRTP成形用素材10の長さは、少なくと
も張弦部相当部29の周囲を前述のようにして覆えるだ
けの長さであればよく、すなわち、柄相当部の30の長
さと同じ程度、あるいはやや短い程度であり、一方、幅
広のFRTP成形用素材10の幅は、柄部相当部30の
外周の長さの半分ないし2倍同じ程度である。
【0027】ついで、ラケットフレーム状に曲げられ、
必要により張弦部相当部29、柄部相当部30が幅広の
FRTP成形用素材10により補強された予備成形品4
4を、図11に示すようなテニスラケットフレームの形
状をしたキャビティ45aを有する成形型45内に配置
する。このキャビティ45aは、輪状の張弦部形成部4
9と、予備成形品44の両端部が位置する柄部形成部5
0とを有するものである。また、他の方法としては、空
気袋で覆われていない芯材にFRTP成形用素材1を直
接巻き付けて得られる巻き付けチューブ(予備成形品)
44から芯材を取り外した後、空気袋をこの予備成形品
44内に挿入するようにしてもよい。ついで、分離して
作製したヨーク片の成形用素材(図示略)を、キャビテ
ィ45aのヨーク部51に挿入し、予備成形品44のヨ
ーク部接続部39と接続されるようにする。
【0028】ついで、成形型45の外側にまで伸びてい
る空気袋17の両端部を圧力多枝管52に接続した後、
成形型45を閉じ、空気袋17に圧力をかけることによ
り、予備成形品44をキャビティ45aの表面に対して
強く押し付けながら熱可塑性樹脂フィルム3をなす熱可
塑性樹脂の融点の温度あるいはそれ以上の温度で加熱
し、熱可塑性樹脂を溶融する。ついで、予備成形品44
を冷却して硬化させてFRTPを形成した後、このFR
TPを成形型45から取り外すと、図12に示すような
FRTPラケットフレーム60が得られる。
【0029】このようにして成型されたFRTPラケッ
トフレーム60は、張弦部61、柄部62と、のど部6
3、ヨーク部64を有している。そして、テニスラケッ
トを製造するには、さらに、FRTPラケットフレーム
60の張弦部61にドリル等を用いて弦穴を開け、柄部
62の周りにグリップを巻き、張弦部61に弦を張る
と、テニスラケットが得られる。
【0030】熱可塑性樹脂フィルム3からなる熱可塑性
樹脂プラスチックの使用は、衝撃強さ、圧縮強さ、せん
断強さを向上させることができる。前述のような構成の
FRTP成形用素材1,10を用いると、以下に述べる
理由から発明の効果を得ることができる。 1)FRTP成形用素材1,10中の強化用繊維は、長
さ方向に連続的である。 2)FRTP成形用素材中の強化繊維束2は、平坦な状
態で芯材12に巻き付けられる結果、ゆがみが減少し、
機械的強度が改良される。 3)強化用繊維は、角度の制限なしにあるいはより強
く、よリ軽く、そしてより弾力的な設計を生じる厚みの
層に巻き付けられる。 4)巻き付けチューブ44の機械的堅さと強さは、FR
TP成形用素材1,10を用いて作製することにより改
良される。
【0031】本発明のFRTP成形用素材を使用すれ
ば、強化用繊維束2の繊維数が多いテープ状のFRTP
成形用素材1を芯材12に繊維束の中心ピッチを粗く巻
き付けても、テープ状で、幅広であるため隣接したFR
TP成形用素材間に透き間が生じにくく、強化用繊維密
度の粗密がFRTPの小面積分に関しても生じにくく、
すなわち目透きが生にくく、その隙間に樹脂だまりが生
じにくい。また、強化用繊維束2材料として、一束あた
りの繊維数が12,000本の安価なカーボン繊維束を
使用することができるので、成形用材料にコストがかか
らず、よって得られるFRTPラケットフレームのコス
トダウンが可能である。
【0032】また、FRTP成形用素材1は平坦で厚み
が薄くテープ状であるので、斜交巻きしても強化用繊維
束2同士の交差部でも厚みが大きくならず嵩張らないの
で、このFRTP成形用素材1を用いて作製した予備成
形品を熱圧しても強化用繊維が緩んだり樹脂だまりが生
じることを防止でき、またFRTP成形用素材1のマト
リックス樹脂はフィルム状であり、厚みが薄い平坦な強
化用繊維束2の両面にあり、強化用繊維束2の表面繊維
に融着していることが多いので、強化用繊維束2の繊維
数が多くても、繊維全体に容易に含浸し易い。
【0033】さらに、FRTP成形用素材1の長手方向
に沿った両端部5,5に位置する熱可塑性樹脂樹脂フィ
ルム3,3が融着しているが、強化用繊維束2の繊維の
大部分には熱可塑性樹脂樹脂が未含浸であるため成形用
素材は柔軟であり、また、強化用繊維束2は熱可塑性樹
脂樹脂フィルム3,3で覆われているので芯材12への
巻き付け時に成形用素材の長手方向に沿った両端部から
強化用繊維束2がばらけることがない。従って、芯材1
2への巻き付け作業が容易となり、巻き付け時間の短縮
が可能である。例えば、予備成形品44の張弦部相当部
29の周囲に、FRTP成形用素材1をそれに含まれる
強化繊維の方向が予備成形品44の中心線44dと直交
するように巻き付け易く、短い寸法部分にも容易に馴染
む。また、巻き付け時に成形用素材にかける張力が低く
ても、嵩張らず、上層と下層のFRTP成形用素材1,
1の間に隙間ができにくく、よって、強化用繊維を緩め
ず巻き付けられるので、強化用繊維の緩みが生じにく
い。
【0034】また、前記FRTP成形用素材1のマトリ
ックス樹脂は、フィルム状であり、平坦な強化用繊維束
2の両面にあるので、成形用素材1を芯材12に巻き付
けるとき、張力のため治具に強く圧接されても、強化用
繊維束2が保護され、摩擦による強化用繊維の毛羽立ち
が生じることがなく、強化用繊維ダストの発生を防止で
きるうえ、強化用繊維の毛羽立ちに起因する補強効果の
低下を防止することができる。また、一束あたりの強化
用繊維束の繊維数が多くても、マトリックス樹脂を繊維
全体に容易に含浸し易い。
【0035】また、FRTP成形用素材1は、厚みが薄
いので、多層化し易く、強化用繊維の配向設計自由度が
大きく、製品要求に応じて積層数や強化用繊維を配向を
変更することができるので、要求強度に応じたラケット
フレームを提供できる。また、FRTP成形用素材1を
巻き付けて作製した予備成形品44は、柔軟であり、ま
た、嵩張らないので、成形型45に挿入し易いため、成
形作業が容易となり、高度の熟練は不要である。さら
に、FRTP成形用素材1は柔軟であり、上層と下層の
FRTP成形用素材の間に隙間が開かないように巻き付
けることができるので、成型時に内圧が低圧でも型に馴
染む。従って、この例のFRTPラケットフレームの製
造方法によれば、高品質、均質なFRTPを得ることが
でき、さらに、成形品の強度が安定し、臨界的(クラチ
カル)な設計ができ、製品の軽量化、大型化、疲労や張
力に対する耐久性を向上させることができる。なお、前
述したFRTPラケットフレームの製造方法において
は、テープ状のFRTP成形用素材1を芯材12に巻き
付けすることにより予備成形品44を作製した場合につ
いて説明したが、幅広のFRTP成形用素材10を用い
て予備成形品を作製する場合も同様になし得る。
【0036】また、予備成形品44の張弦部相当部29
の周囲に、前述の幅広のFRTP成形用素材10をこれ
の強化繊維の長さ方向が予備成形品44の中心線44d
と直交するように巻き付けることによって、張弦部相当
部29を補強でき、張弦部61の強度が優れたラケット
フレームを提供できる。また、予備成形品44の柄部相
当部30の周囲に前述の幅広のFRTP成形用素材10
をこれの強化繊維の長さ方向が予備成形品44の中心線
44dと平行となるように巻き付けることによって、柄
部相当部30を補強でき、柄部62の強度が優れたラケ
ットフレームを提供できる。
【0037】また、前述のFRTPラケットフレームを
製造例においては、予備成形品44の張弦部相当部29
の周囲に、前幅広のFRTP成形用素材10をこれの強
化繊維の長さ方向が予備成形品44の中心線44dと直
交するように巻き付ける場合について説明したが、幅広
のFRTP成形用素材10を巻き付ける位置は張弦部相
当部29の周囲に限らず、目的とするラケットフレーム
の強度に応じて予備成形品44の補強したい部分の周囲
に幅広のFRTP成形用素材10をこれの強化繊維の方
向が予備成形品44の中心線44dと直交するように巻
き付けてもよい。また、予備成形品44の柄部相当部3
0の周囲に、前述の幅広のFRTP成形用素材10をこ
れの強化繊維の長さ方向が予備成形品44の中心線44
dと平行となるように巻き付ける場合について説明した
が、目的とするラケットフレームの強度に応じて予備成
形品44の補強したい部分の周囲に幅広のFRTP成形
用素材をこれの強化繊維の方向が予備成形品44の中心
線44dと平行となるように巻き付けてもよい。
【0038】また、前述のFRTPラケットフレームを
製造例においては、FRTP成形用素材1を芯材12に
巻き付けて層を形成するとき、隣合うFRTP成形用素
材1,1の間に隙間が空かないように層を形成した場合
について説明したが、目的とするラケットフレームによ
っては、隣合うFRTP成形用素材1,1の間に隙間が
空くようにFRTP成形用素材を芯材に巻き付けて予備
成形品を作製してもよい。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明のFRTPラ
ケットフレームの製造方法にあっては、特に、長手方向
に沿った両端部から強化用繊維束がばらけることがな
く、厚みが薄く、柔軟で、かつ平坦なテープ状のFRT
P成形用素材あるいは幅広のFRTP成形用素材を芯材
に巻き付けて予備成形品を形成する工程を少なくとも備
えるようにしたことによって、FRTP成形用素材の巻
き付け作業が容易で、巻き付け時間の短縮が可能であ
り、そのうえ強化用繊維の配向設計自由度が大きく、多
層化し易く、しかも一束あたりの繊維数の多い強化用繊
維束が用いられたFRTP成形用素材を芯材に繊維束の
中心ピッチを粗く巻き付けた場合でも強化用繊維密度の
粗密がFRTPの小面積分に関しても生じにくく、強化
用繊維の交差部が嵩張らず、交差部やその近傍に繊維の
緩みや樹脂だまりが生じることが少ない。 また、前記
FRTP成形用素材のマトリックス樹脂は、フィルム状
であり、平坦な強化用繊維束の両面にあるので、成形用
素材を芯材に巻き付けるとき、張力のため治具に強く圧
接されても、強化用繊維束が保護され、摩擦による強化
用繊維の毛羽立ちが生じることがなく、強化用繊維ダス
トの発生を防止できるうえ、強化用繊維の毛羽立ちに起
因する補強効果の低下を防止することができる。また、
一束あたりの強化用繊維束の繊維数が多くても、マトリ
ックス樹脂を繊維全体に容易に含浸し易い。従って、本
発明のFRTPラケットフレームの製造方法によれば、
高品質、均質なFRTPを得ることができ、さらに、成
形品の強度が安定し、臨界的(クラチカル)な設計がで
き、製品の軽量化、大型化、疲労や張力に対する耐久性
を向上させることができるという利点がある。
【0040】また、前記FRTP成形用素材を巻き付け
て作製した予備成形品は、柔軟であり、また嵩張らない
ので、成形型に挿入し易く、成型作業が容易となり、高
度熟練は不要である。また、FRTP成形用素材は柔軟
であり、上層と下層のFRTP成形用素材の間に隙間が
開かないように巻き付けることができるので、成型時に
内圧が低圧でも型に馴染む。さらに、強化用繊維束材料
として、一束あたりの繊維数が12,000本などの安
価な炭素繊維束等を使用することができるので、成形用
材料にコストがかからず、よって得られるFRTPラケ
ットフレームのコストダウンが可能である。
【0041】また、予備成形品の周囲に、前記幅広のF
RTP成形用素材をこれの強化繊維の方向が予備成形品
の中心線と直交するように巻き付ける工程を備えるよう
にした場合にあっては、幅広のFRTP成形用素材を巻
き付けた部分を補強でき、強度が優れたラケットフレー
ムを提供できるという利点がある。また、予備成形品の
周囲に、前記幅広のFRTP成形用素材をこれの強化繊
維の方向が予備成形品の中心線と平行となるように巻き
付ける工程を備えるようにした場合にあっては、幅広の
FRTP成形用素材を巻き付けた部分を補強でき、強度
が優れたラケットフレームを提供できるという利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のFRTPラケットフレームの製造方
法に用いられるテープ状のFRTP成形用素材を示す断
面図である。
【図2】 本発明のFRTPラケットフレームの製造方
法に用いられる幅広のFRTP成形用素材を示す断面図
である。
【図3】 芯材の周囲に図1のテープ状のFRTP成形
用素材を巻き付けた側面図である。
【図4】 テープ状のFRTP成形用素材の巻き付け方
法を詳説するための側面図である。
【図5】 芯材の長さ方向の軸に対して正角重ねと負角
重ねの両方を行う巻き付け方法により形成した第1層を
示す図であり、(A)は、最初の層を示す側面図、
(B)は芯材と第1層の半分部分断面図である。
【図6】 芯材の中心線に対して巻き角βが0度で巻き
付ける方法により形成した第2層を示す図であり、
(A)は第2層の側面図、(B)は芯材と第2層の半部
分断面図である。
【図7】 芯材12の中心線13に対して巻き角γが、
図5のように正角重ねと負角重ねの両方を行う螺旋状巻
き付け方法により形成した積層構造の第3層(最外層)
を示す図であり、(A)は側面図、(B)断面図であ
る。
【図8】 FRTP成形用素材を巻き付けして得られる
巻き付けチューブを示す側面図である。
【図9】 巻き付けチューブをテニスラケットフレーム
状に曲げた状態を示す斜視図である。
【図10】 予備成形品の張弦部相当部の周囲に幅広の
FRTP成形用素材をこれの強化繊維の長さ方向が予備
成形品の中心線と直交するように巻き付けた状態と、予
備成形品の柄部相当部の周囲に前述の幅広のFRTP成
形用素材をこれの強化繊維の長さ方向が予備成形品の中
心線と平行となるように巻き付けた状態を示す斜視図で
ある。
【図11】 テニスラケットフレーム用成形型の平面図
である。
【図12】 本発明のラケットフレームの製造方法によ
り得られたFRTPラケットフレームを示す平面図であ
る。
【符号の説明】
1、1a〜1f・・・テープ状のFRTP成形用素材、2・
・・テープ状の強化繊維束、2a・・・端部、3・・・マトリッ
クス樹脂供給用熱可塑性樹脂フィルム、4・・・積層体、
5・・・端部、6・・・中間部、10・・・幅広のFRTP成形
用素材、10a・・・重なり部分、12・・・芯材、13・・・
長さ方向の軸(中心線)、α,β,γ・・・巻き角、29・
・・張弦部相当部、30・・・柄部相当部、44・・・巻き付け
チューブ(予備成形品)、44d・・・長さ方向の軸、4
5・・・成形型、45a・・・キャビティ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テープ状の強化用繊維束をこれより幅広
    のマトリックス樹脂供給用熱可塑性樹脂フィルムで挟ん
    でなる積層体の長手方向に沿った両端部が、それぞれ融
    着されてなるテープ状のFRTP成形用素材を、芯材に
    巻き付けて予備成形品となる巻き付けチューブを形成
    し、 ついで該予備成形品から前記芯材を取り外し、該予備成
    形品をラケットフレームの形状を有するキャビティを備
    えた成形型内に入れ、該予備成形品の内部から成形型の
    内壁に向けて圧力をかけながら熱可塑性樹脂フィルムを
    なす熱可塑性樹脂の融点の温度あるいはそれ以上の温度
    で前記予備成形品を加熱し、ついで該予備成形品を冷却
    し硬化させた後、前記成形型から取り出す工程を備える
    ことを特徴とするFRTPラケットフレームの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 テープ状の強化用繊維束をこれより幅広
    のマトリックス樹脂供給用熱可塑性樹脂フィルムで挟ん
    でなる積層体の長手方向に沿った両端部が、それぞれ融
    着されてなるテープ状のFRTP成形用素材の複数枚
    が、隣合うFRTP成形用素材の強化用繊維束の長手方
    向に沿った端部同士が近接するように重ねて並べられ、
    これらFRTP成形用素材の重なり部分がそれぞれ融着
    され、強化用繊維の配列方向が一方向に揃えられてなる
    幅広のFRTP成形用素材を、芯材に巻き付けて予備成
    形品となる巻き付けチューブを形成し、 ついで該予備成形品から前記芯材を取り外し、該予備成
    形品をラケットフレームの形状を有するキャビティを備
    えた成形型内に入れ、該予備成形品の内部から成形型の
    内壁に向けて圧力をかけながら熱可塑性樹脂フィルムを
    なす熱可塑性樹脂の融点の温度あるいはそれ以上の温度
    で前記予備成形品を加熱し、ついで該予備成形品を冷却
    し硬化させた後、前記成形型から取り出す工程を備える
    ことを特徴とするFRTPラケットフレームの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 FRTP成形用素材を芯材に巻き付ける
    際に、芯材の長さ方向の軸に対するFRTP成形用素材
    の巻き角が斜め方向であることを特徴とする請求項1記
    載のFRTPラケットフレームの製造方法。
  4. 【請求項4】 予備成形品を成形型内に入れる前に、該
    予備成形品の周囲に、幅広のFRTP成形用素材をこれ
    の強化繊維の方向が予備成形品の中心線と直交するよう
    に巻き付ける工程を備えることを特徴とする請求項1又
    は2記載のFRTPラケットフレームの製造方法。
  5. 【請求項5】 予備成形品を成形型内に入れる前に、該
    予備成形品の周囲に、幅広のFRTP成形用素材をこれ
    の強化繊維の方向が予備成形品の中心線と平行となるよ
    うに巻き付けることを特徴とする請求項1又は2記載の
    FRTPラケットフレームの製造方法。
JP8052094A 1996-03-08 1996-03-08 Frtpラケットフレームの製造方法 Withdrawn JPH09239071A (ja)

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