JPH09238688A - ヒトmcp−1レセプタータンパク質の製造法および用途 - Google Patents

ヒトmcp−1レセプタータンパク質の製造法および用途

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JPH09238688A
JPH09238688A JP8053574A JP5357496A JPH09238688A JP H09238688 A JPH09238688 A JP H09238688A JP 8053574 A JP8053574 A JP 8053574A JP 5357496 A JP5357496 A JP 5357496A JP H09238688 A JPH09238688 A JP H09238688A
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JP
Japan
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receptor
human mcp
mcp
cells
cho
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Application number
JP8053574A
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English (en)
Inventor
Susumu Honda
進 本多
Tomoyuki Fujisawa
朋行 藤澤
Yuuko Kioka
夕子 木岡
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】配列番号:1で表されるヒトMCP-1レセプター
をコードするDNAおよびヒトMCP-1レセプターを高発
現するCHO細胞の提供。 【解決手段】ヒトMCP-1レセプターをコードするDN
A、ヒトMCP-1レセプターを高発現するCHO細胞およびヒ
トMCP-1レセプターの製造法に関する。本発明のCHO細胞
を用いて、ヒトMCP-1レセプター親和性化合物またはそ
の塩を効率良く選択することができる。したがって、例
えば、炎症性疾患、ウイルス性疾患、感染性疾患、アレ
ルギー性疾患などの予防・治療剤を早期に提供すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒトMCP-1レセプ
タータンパク質をコードするDNAに関する。
【0002】
【従来の技術】ケモカイン(chemokine, chemotactic c
ytokineの略)は白血球に対する遊走活性を有する一群
のタンパク質である(Critical Reviews in Immunology
12: 17 - 46 (1992); Current Opinion in Immunology
6: 865 - 873 (1994))。近年ケモカインが炎症の急性
期および慢性期においてその病態の発症、進展、および
増悪に関与していることが明らかにされつつある。ケモ
カインはいずれも4個のシステインをもち、1番目と2
番目のシステインの間に1個のアミノ酸が挿入されたCX
Cケモカインサブファミリー(αケモカインサブファミ
リー)と1番目と2番目のシステインが隣接したCCケモ
カインサブファミリー(βケモカインサブファミリー)
に分かれる。CCケモカインサブファミリーにはRANTES(r
egulated on activation, normal T expressed and sec
reted)、MIP-1α(macrophage inflammatory protein 1
α)、MIP-1β、MCP-1 (monocyte chemoattractant prot
ein 1)、MCP-2、MCP-3、I-309などがある。CCケモカイ
ンは単球、リンパ球、好酸球、好塩基球、肥満細胞など
に作用してこれらの細胞を遊走させ、また脱顆粒や種々
の炎症性メディエーターの放出などの作用をもつ。
【0003】CCケモカインのなかで、MIP-1αおよびRAN
TESに高親和性のヒトMIP-1α/RANTESレセプター(CC CK
R-1と略称されることもある)の構造は1993年に明らか
になった(Cell 72: 415 - 425 (1993); J. Exp. Med.
177: 1421 - 1427 (1993))。ついで、1994年にMCP-1
に対するレセプター(CC CKR-2と略称されることもあ
る)がCharoら(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 2752
- 2756 (1994))およびYamagamiら(Biochem. Biophy
s. Res. Commun. 202: 1156 - 1162 (1994))によって
報告された。Charoらによって報告されたレセプターに
はtype Aとtype Bの2種あり、これらはalternative sp
licingによって生じたと考えられた。Yamagamiらのレセ
プターはCharoらのtype Bに一致した。MCP-1 レセプタ
ーtype B(CCCKR-2Bと略称されることもある)にはMCP-
1 のみならずMCP-3も作用する(J. Biol. Chem. 270: 2
9671 - 29675 (1995))。MCP-1は動脈硬化、慢性関節リ
ウマチあるいは腎炎などの疾患の発症や進展に深く関与
していると予想されている。すなわち、酸化LDLにより
血管内皮細胞や平滑筋細胞でのMCP-1産生が誘導され(P
roc. Natl. Acad. Sci. USA 87: 5134 -5138 (199
0))、ヒトおよびウサギでの動脈硬化部位のマクロファ
ージ集積箇所においてMCP-1の発現が亢進した(Proc. N
atl. Acad. Sci. USA 88: 5252 - 5256 (1991))。ま
た、ヒトの動脈硬化部位の平滑筋細胞においてMCP-1の
発現が亢進した(J. Clin. Invest. 88: 1121 - 1127
(1991))。バルーン血管形成術による傷害によりMCP-1
mRNAの発現が上昇した(Circ. Res. 70: 314 - 325 (19
92))。慢性関節リウマチ患者の滑液および滑膜細胞でM
CP-1の発現が認められた(J. Clin. Invest. 90: 772 -
779 (1992))。ラット糸球体腎炎モデルにおいて糸球
体でのMCP-1の発現が亢進した(Kideny Int. 44: 1036
- 1047 (1993))。
【0004】以上のことから、MCP-1レセプターに対す
るアンタゴニストは、慢性関節リウマチ、動脈硬化、腎
炎などの予防・治療につながると考えられる。さらに、
MCP-1レセプターレセプターに対するアゴニストは単球
などの白血球の機能を亢進させるので、抗腫瘍能などを
増進させることが予想される。しかしながら、まだかか
るアンタゴニストやアゴニストの報告はない。レセプタ
ーのアンタゴニストやアゴニストは、レセプターに特異
的に結合する親和性の高い化合物を探索することによっ
て発見できる。ヒトMCP-1レセプターに対するアンタゴ
ニストやアゴニストを見出すことを目的として、該レセ
プターに結合する親和性の高い化合物を探索するために
は、該レセプターを安定に発現する細胞が必須である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】新規DNA、これを含
有する形質転換体及びヒトMCP-1レセプタータンパク質
の実用的な製造法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ヒトMCP-
1レセプタータンパク質をコードする新規なDNAをCHO細
胞に導入し、ヒトMCP-1レセプタータンパク質を高発現
するCHO細胞株を製造することに成功し、さらに鋭意鋭
意研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、(1)配列番号:1で
表される塩基配列を有するDNA、(2)第(1)項記
載のDNAを含有する組換えベクター、(3)第(1)
項記載のDNAまたは第(2)項記載の組換えベクター
を保持する形質転換体、(4)形質転換体がCHO細胞
である第(3)項記載の形質転換体、(5)第(4)項
記載の形質転換体から得られるヒトMCP-1レセプタータ
ンパク質を含有するCHO細胞または該細胞膜画分、
(6)第(3)項記載の形質転換体を培養することを特
徴とするヒトMCP-1レセプタータンパク質の製造法、お
よび
【0008】より具体的には、(7)ヒトMCP-1レセプ
タータンパク質をコードするDNAを保持するpMCR
で標示される第(2)項記載の組換えベクター、(8)
第(5)項記載のCHO細胞がCHO(MCR)で標示
されるCHO細胞または該細胞膜画分、(9)第(5)
項記載のCHO細胞または該細胞膜画分から単離される
ことを特徴とするヒトMCP-1レセプタータンパク質、そ
の部分ペプチドまたはそれらの塩、(10)第(5)項
記載のCHO細胞または該細胞膜画分を含有してなるヒ
トMCP-1レセプター親和性化合物またはその塩のスクリ
ーニング用キット、(11)第(10)項記載のスクリ
ーニング用キットを用いて得られるヒトMCP-1レセプタ
ー親和性化合物またはその塩、(12)ヒトMCP-1レセ
プター親和性化合物がヒトMCP-1レセプターアンタゴニ
ストである第(11)項記載のヒトMCP-1レセプター親
和性化合物またはその塩、(13)ヒトMCP-1レセプタ
ー親和性化合物がヒトMCP-1レセプターアゴニストであ
る第(11)項記載のヒトMCP-1レセプター親和性化合
物またはその塩、(14)第(12)項記載のアンタゴ
ニストあるいは第(13)項記載のアゴニストを含有し
てなる医薬、および、(15)炎症性疾患、ウイルス性
疾患、感染性疾患、アレルギー性疾患、腫瘍、糖尿病性
疾患、中枢性疾患、血管形成術後再狭窄、高脂血症、高
コレステロール血症、透析による血小板減少症、脊髄損
傷、骨粗鬆症、潰瘍性大腸炎、消化性潰瘍、敗血症ショ
ック、肺・心臓における再潅流障害、狭心症、心筋梗
塞、一過性脳虚血発作、臓器移植後拒絶反応、心弁膜
症、腎不全、子宮内膜症、肺線維症、成人呼吸逼迫症候
群の予防・治療剤である第(14)項記載の医薬を提供
する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、ヒトMCP-1レセ
プタータンパク質をコードするDNAとしては、配列番
号:1で表される塩基配列を有するDNA〔図1〕が用い
られる。このDNAは、それ自体公知の遺伝子工学的手法
を用いて製造することができる。あるいは、ヌクレオシ
ド合成装置を用いて製造することもできる。より具体的
には本願発明のDNAは、ヒトMCP-1レセプタータンパ
ク質の部分塩基配列を有する合成プライマーを用いてPC
R(polymerase chain reaction)によって、白血球などの
単球あるいは骨髄細胞など由来のゲノムライブラリーあ
るいはcDNAライブラリーから増幅することにより得
ることができる。また、ヒトMCP-1レセプタータンパク
質の一部の領域もしくは全領域をコードするDNA断片
または合成DNAを標識したのち、上記したライブラリ
ー由来のDNAをベクターに組み込み、該DNAとのハ
イブリダイゼーションを行うことによって得ることもで
きる。本願発明のDNAは、上記したCharoらにより報
告されたtype BのレセプターをコードするDNAとは異
なるものであり、ヒトMCP-1レセプターを製造するため
に使用し得る新規なDNAである。また、本願発明のD
NAは、ヒトMCP-1レセプタータンパク質の発現効率が
高い(生産能が高い)。
【0010】発現ベクターとしては、例えばpAKKO-11
1、pAKKO-111H、pXT1、pRC/CMV、pRC/RSV、pcDNA I Neo
などが用いられ、なかでもpAKKO-111Hが好ましい。プロ
モーターとしては、宿主となる細胞で効率よく機能する
ものであれば何でもよく、SV40プロモーター、CMVプロ
モーター、HSV-TKプロモーター、SRαプロモーター、RS
Vプロモーターなどが好ましく、特にSRαプロモーター
が好ましい。発現ベクターには、以上の他にエンハンサ
ー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選
択マーカー等を含有しているものを用いるのが好まし
い。選択マーカーとしては、ジヒドロ葉酸還元酵素(以
下DHFRまたはdhfrと略称する場合がある)遺伝子、ネオ
マイシン耐性遺伝子(G418耐性)などが挙げられ、なか
でもDHFR遺伝子が好ましい。特に、選択マーカーとして
DHFR遺伝子を含有した発現ベクターをDHFR遺伝子を欠損
したCHO細胞に導入した場合には、核酸を含まない培地
で培養することによって形質転換体を選択できる。
【0011】本発明のヒトMCP-1レセプタータンパク質
をコードするDNAを保持する発現ベクターとしては、具
体的には配列番号:1で表される塩基配列を有するDNA
の上流に前記のプロモーター(特に、SRαプロモータ
ー、CMVプロモーター、 RSVプロモーターなど)を挿入
し、配列番号:1で表される塩基配列を有するDNAの下
流にポリA付加シグナルを挿入し、その下流にDHFR遺伝
子やネオマイシン耐性遺伝子などの選択マーカーを挿入
し、さらにその下流にアンピシリン耐性遺伝子を挿入し
たものなどが好ましい。より具体的には、配列番号:1
で表される塩基配列を有するDNAの上流にSRαプロモー
ターを挿入し、配列番号:1で表される塩基配列を有す
るDNAの下流にポリA付加シグナルを挿入し、その下流に
DHFR遺伝子を挿入し、さらにその下流にアンピシリン耐
性遺伝子を挿入したpMCRで標示される発現ベクター(実
施例1)などが好適である。このようにして作製した配
列番号:1で表される塩基配列を有するDNAを保持する
発現ベクターを宿主細胞に導入することによって、配列
番号:1で表される塩基配列を有するDNAを高発現する
細胞を作製することができる。
【0012】宿主細胞としてはCHO細胞(J. Exp. Med.,
108: 945(1958))などが好適である。さらに、CHO細
胞のなかでも、特にDHFR遺伝子を欠損したCHO細胞(以
下、CHO(dhfr-)細胞と略称する場合がある)(Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA, 77: 4216-4220(1980))、CHO K-
1細胞(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 60: 1275(196
8))などが好ましい。特に、発現ベクター中にDHFR遺伝
子を選択マーカーをして挿入する場合はCHO(dhfr-)細胞
が好適である。この場合は、核酸を含まない培地で培養
することによって形質転換体をきわめて容易に選択でき
る。CHO細胞は、配列番号:1で表される塩基配列を有
するDNAを高発現させるだけでなく、著しく安定的に発
現させることができる。発現ベクターと宿主細胞の組み
合せとしては適宜好ましい組み合せを選択できる。例え
ばpMCRで標示される発現ベクター(実施例1)とCHO(dh
fr-)細胞の組み合せなどが好適である。宿主細胞への発
現ベクターの導入方法としては、公知の方法、例えばリ
ン酸カルシウム法(Virology, 52: 456-467(1973))、電
気穿孔法(EMBO J., 1: 841-845 (1982))等が用いられ
る。
【0013】ヒトMCP-1レセプタータンパク質を高発現
する細胞は、まず上記の発現ベクターを導入した細胞を
選択マーカーを指標として形質転換体を選択し、つづい
てクローン選択を行うことにより、得ることができる。
DHFR遺伝子を用いた場合メソトレキセート(MTX)の濃
度を漸次増加して培養を継続することにより耐性細胞を
選択し、これにより導入遺伝子を細胞内で増幅して、よ
り高発現の細胞株を得ることもできる。ここで、宿主細
胞としてたとえばヒトembryonic kidney 293などの細胞
を用いる場合に比べて、CHO細胞を用いる場合は、発現
ベクターの導入が著しく容易であり、また上記した形質
転換体の選択においても非常に容易に行うことができる
ので有利である。なお、宿主としてCHO(dhfr-)細胞を用
いた場合であっても、例えばpMCRで標示される発現ベク
ターはDHFR遺伝子を含むので、pMCRで標示される発現ベ
クターを含有するCHO(dhfr-)細胞は、結果としてDHFR遺
伝子を有している。本願明細書においては、DHFR遺伝子
を含有する発現ベクター(例えばpMCRなど)をCHO(dhfr
-)細胞に導入して得られるCHO細胞を「CHO(dhfr+)」と
表記する場合がある。
【0014】本発明において、配列番号:1で表される
塩基配列を有するDNAを発現できるCHO細胞としては、例
えば後述する実施例1で得られるpMCRで標示される発現
ベクターをCHO(dhfr-)細胞に導入して得られるCHO(dhfr
+)細胞、特にCHO/MCRで標示されるCHO細胞などが好適で
ある。これらのCHO(dhfr+)細胞は、天然のヒトMCP-1レ
セプタータンパク質を含有する細胞(例えばヒト末梢血
単球など)に比べて10〜500倍のリガンド結合部位を有
するものである。
【0015】本発明の配列番号:1で表される塩基配列
を有するDNAを含む発現ベクターを含有する細胞を、配
列番号:1で表される塩基配列を有するDNAの発現が可
能な条件下で培養することによりヒトMCP-1レセプター
タンパク質を製造することができる。配列番号:1で表
される塩基配列を有するDNAを含む発現ベクターを含有
する細胞を培養する際、培地としては0.5〜20%のウシ
胎児血清を含むEMEM、DMEM、RPMI 1640、MEM-αなどが
挙げられる。特に、CHO(dhfr-)細胞および選択マーカー
としてDHFR遺伝子を含む発現ベクターを用いる場合、核
酸を含まない透析ウシ胎児血清を含むDMEM培地あるいは
核酸を含まない透析ウシ胎児血清を含むMEM-α培地を用
いるのが好ましい。pHは約6〜8であるのが好ましい。
培養は通常約30〜40℃で約15〜200時間行い、必要に応
じて培地の交換、通気、撹拌などを加える。
【0016】ヒトMCP-1レセプタータンパク質を含有す
る細胞膜画分とは、上記のヒトMCP-1レセプタータンパ
ク質を含有するCHO細胞をそれ自体公知の方法で破砕し
て得られる細胞膜を多く含む画分をいう。細胞の破砕方
法としては、例えばPotter-Elvehjem型ホモジナイザー
で細胞を押し潰す方法、ワーリングブレンダーやポリト
ロン(Kinematica社製)による破砕、超音波による破
砕、フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を細いノズ
ルから噴出させることによる破砕、凍結融解などが挙げ
られる。細胞膜を分画するには、分画遠心分離法や密度
勾配遠心分離法などの方法が主として用いられる。例え
ば細胞破砕液を低速(500〜3000 rpm)で短時間(通常
約1〜10分)遠心し、上清をさらに高速(15000〜30000
rpm)で通常約30分〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画
分とする。該膜画分中には、発現したヒトMCP-1レセプ
タータンパク質と細胞由来のリン脂質や膜タンパク質な
どの膜成分が多く含まれる。本発明のヒトMCP-1レセプ
タータンパク質を含有する細胞やその細胞膜画分中のヒ
トMCP-1レセプタータンパク質の量は、1細胞あたり103
〜107分子であるのが好ましく、104〜106分子であるの
が好適である。
【0017】上記で得られたヒトMCP-1レセプタータン
パク質を含有するCHO細胞からヒトMCP-1レセプタータン
パク質を単離するには、例えば下記の方法により行うこ
とができる。ヒトMCP-1レセプタータンパク質を含有す
るCHO細胞を培養後、公知の方法で細胞を集め、これを
適当な緩衝液に懸濁し、超音波破砕、ホモジナイザー、
凍結融解などによって細胞を破壊したのち、遠心分離や
濾過により組換え型ヒトMCP-1レセプタータンパク質の
粗抽出液を得る。緩衝液の中に、PMSF(phenylmethanesu
lfonyl fluoride)、ペプスタチン、ロイペプチンなどの
タンパク分解酵素阻害剤やCHAPS (3-[(3-cholamidoprop
yl)dimethylammonio]-1-propanesulfonate)、ジギトニ
ン、トリトンX-100などの界面活性剤が含まれていても
よい。得られた抽出液中に含まれるヒトMCP-1レセプタ
ータンパク質を、自体公知の分離・精製方法を適切に組
合わせて精製することができる。これらの公知の分離・
精製方法として、塩析や溶媒沈澱などの溶解度を利用す
る方法、透析、限外濾過、ゲル濾過、あるいはSDS-ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動などの主として分子量の差
を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィーな
どの特異的親和性を利用する方法、疎水クロマトグラフ
ィーや逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の
差を利用する方法、等電点電気泳動法などの等電点の差
を利用する方法などが用いられる。
【0018】かくして得られるヒトMCP-1レセプタータ
ンパク質が遊離体で得られた場合には、自体公知の方法
あるいはそれに準じる方法によって塩に変換することが
でき、逆に塩で得られた場合には自体公知の方法あるい
はそれに準じる方法により、遊離体または他の塩に変換
することができる。なお、ヒトMCP-1レセプタータンパ
ク質を精製前または精製後に適当なタンパク修飾酵素を
作用させることにより、任意に修飾を加えたり部分的に
ペプチドを除去することもできる。タンパク修飾酵素と
しては、トリプシン、キモトリプシン、リシルエンドペ
プチダーゼ、プロテインキナーゼ、グルコシダーゼ、プ
ロテインキナーゼ、グルコシダーゼなどが用いられる。
配列番号:1で表される塩基配列を有するDNAを含む発
現ベクターを含有するCHO細胞を、ヒトMCP-1レセプター
タンパク質の発現が可能な条件下で培養することにより
製造され得るヒトMCP-1レセプタータンパク質は、天然
型のヒトMCP-1レセプタータンパク質と同質の活性を有
するものである。実質的に同質の活性としては、例えば
リガンド結合活性やシグナル伝達活性などが挙げられ
る。リガンド結合活性としては、MCP-1およびMCP-3など
との結合活性が挙げられる。実質的に同質とは、リガン
ド結合活性などが性質的に同質であることを示す。した
がって、レセプタータンパク質の分子量などの量的要素
は異なっていてもよい。
【0019】ヒトMCP-1レセプタータンパク質は、具体
的には配列番号:2で表されるアミノ酸配列を有するヒ
トMCP-1レセプタータンパク質である。また、下記する
ヒトMCP-1レセプター親和性化合物またはその塩のスク
リーニングには、配列番号:2で表されるアミノ酸配列
を有するヒトMCP-1レセプタータンパク質の他、配列番
号:2で表されるアミノ酸配列中の1または2個以上
(好ましくは、2個以上30個以下、より好ましくは2
個以上10個以下)のアミノ酸が欠失したもの、配列番
号:2で表されるアミノ酸配列に1または2個以上(好
ましくは、2個以上30個以下、より好ましくは2個以
上10個以下)のアミノ酸が付加したもの、配列番号:
2で表されるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ま
しくは、2個以上30個以下、より好ましくは2個以上
10個以下)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたも
のなども用いることができる。さらに、これらのヒトMC
P-1レセプタータンパク質は、分子内のアミノ酸の側鎖
が適当な保護基(例えばホルミル基、アセチル基などの
アシル基など)で保護されていてもよいし、糖鎖などが
結合していてもよい。ヒトMCP-1レセプタータンパク質
の塩としては生理学的に許容される塩基(例、アルカル
金属等)や酸(有機酸、無機酸)との塩が用いられる
が、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好まし
い。このような塩としては、例えば無機酸(例えば塩
酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機
酸(例えば酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレ
イン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、シュ
ウ酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸)との塩などが用いられる。
【0020】ヒトMCP-1レセプタータンパク質の部分ペ
プチドとしては、例えばヒトMCP-1レセプタータンパク
質の分子のうち、疎水性プロット解析から推定される疎
水性領域や親水性領域の1つあるいは複数の領域を含む
部分ペプチドを挙げることができる。これらの部分ペプ
チドは1つの疎水性領域の一部あるいは全部を含んでい
てもよいし、1つの親水性領域の一部あるいは全部を含
んでいてもよい。ヒトMCP-1レセプタータンパク質の部
分ペプチドの塩としては、上記したヒトMCP-1レセプタ
ータンパク質の塩と同様のものが用いられる。
【0021】ヒトMCP-1レセプタータンパク質の部分ペ
プチドまたはその塩は、自体公知のペプチド合成法に従
って、あるいは本発明のヒトMCP-1レセプタータンパク
質を適切なペプチダーゼで切断することによって製造す
ることができる。ペプチド合成法としては、たとえば固
相合成法、液相合成法のいずれによっても良い。すなわ
ち、本発明のタンパク質を構成し得る部分ペプチドもし
くはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基
を有する場合は保護基を脱離することにより目的のペプ
チドを製造することができる。公知の縮合方法や保護基
の脱離としては、例えば以下の(a)〜(e)に記載された方
法が挙げられる。 (a)M. Bodanszky およびM. A. Ondetti, ペプチドシン
セシス(Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) (b)Schroederおよび Luebke、ザ ペプチド(The Peptid
e), Academic Press, New York (1965年) (c)泉屋信夫、ペプチド合成の基礎と実験、丸善(1975
年) (d)矢島治明および榊原俊平、生化学実験講座1、タン
パク質の化学IV、東京化学同人 (1977年) (e)矢島治明監修、続医薬品の開発、第14巻、ペプチ
ド合成、廣川書店(1991年) また反応後は通常の精製法、例えば溶媒抽出、蒸留、カ
ラムクロマトグラフィー、高速液体クトマトグラフィ
ー、再結晶などを組合わせて本発明の部分ペプチドを単
離精製することができる。上記の方法で得られる部分ペ
プチドが遊離体である場合は、公知の方法によって適当
な塩に変換できるし、逆に塩で得られた場合は、公知の
方法によって遊離体に変換できる。
【0022】ヒトMCP-1レセプタータンパク質を含有す
るCHO細胞(例えば、CHO(MCR))もしくは該CHO細胞から得
られるヒトMCP-1レセプタータンパク質を含有する細胞
膜画分、またはそれより単離して得られるヒトMCP-1レ
セプタータンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの
塩はヒトMCP-1レセプター親和性化合物またはその塩の
スクリーニングのための試薬として有用である。該スク
リーニングに用いられるヒトMCP-1レセプタータンパク
質は、組換え型、天然型のいずれであっても使用し得
る。上記、ヒトMCP-1レセプター親和性化合物には、ヒ
トMCP-1レセプターアンタゴニストおよびヒトMCP-1レセ
プターアゴニストが含まれる。すなわち、本発明は、
(1)ヒトMCP-1レセプタータンパク質、その部分ペプ
チドまたはそれらの塩と被験化合物とを接触させること
を特徴とするヒトMCP-1レセプター親和性化合物または
その塩のスクリーニング方法、および(2)ヒトMCP-1
レセプタータンパク質を含有するCHO細胞または該細胞
膜画分と被験化合物とを接触させることを特徴とするヒ
トMCP-1レセプター親和性化合物またはその塩のスクリ
ーニング方法を提供する。具体的には、本発明は、 (1)(i)ヒトMCP-1レセプターに対するリガンドを
ヒトMCP-1レセプタータンパク質、その部分ペプチドま
たはそれらの塩に接触させた場合と、(ii)ヒトMCP-1
レセプターに対するリガンドおよび被験化合物を同時に
ヒトMCP-1レセプタータンパク質、その部分ペプチドま
たはそれらの塩に接触させた場合との比較を行うことを
特徴とするヒトMCP-1レセプター親和性化合物またはそ
の塩のスクリーニング方法、および (2)(i)ヒトMCP-1レセプターに対するリガンド
を、ヒトMCP-1レセプタータンパク質を含有するCHO細胞
または該細胞膜画分と接触させた場合と、(ii)ヒトMC
P-1レセプターに対するリガンドおよび被験化合物を同
時にヒトMCP-1レセプタータンパク質を含有するCHO細胞
または該細胞膜画分と接触させた場合との比較を行うこ
とを特徴とするヒトMCP-1レセプター親和性化合物また
はその塩のスクリーニング方法を提供する。
【0023】より具体的には、本発明のスクリーニング
方法において(i)と(ii)の場合に、ヒトMCP-1レセ
プタータンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの
塩、またはヒトMCP-1レセプタータンパク質を含有するC
HO細胞あるいは該細胞膜画分に対するヒトMCP-1レセプ
ターのリガンドの結合量、もしくはリガンドによる細胞
刺激活性などを測定して、比較することを特徴とする。
すなわち、本発明は、 (1a)(i)ヒトMCP-1レセプターに対する標識した
リガンドを、ヒトMCP-1レセプタータンパク質、その部
分ペプチドまたはそれらの塩に接触させた場合と、(i
i)ヒトMCP-1レセプターに対するリガンドおよび被験化
合物を同時に、ヒトMCP-1レセプタータンパク質、その
部分ペプチドまたはそれらの塩に接触させた場合の、該
レセプタータンパク質、その部分ペプチドまたはそれら
の塩に対する標識したリガンドの結合量を比較すること
を特徴とするヒトMCP-1レセプター親和性化合物または
その塩のスクリーニング方法、 (1b)(i)ヒトMCP-1レセプターに対する標識した
リガンドを、ヒトMCP-1レセプタータンパク質を含有す
るCHO細胞または該細胞膜画分に接触させた場合と、(i
i)ヒトMCP-1レセプターに対する標識したリガンドおよ
び被験化合物を同時に、ヒトMCP-1レセプタータンパク
質を含有するCHO細胞または該細胞膜画分に接触させた
場合の、該CHO細胞または該細胞膜画分に対する標識し
たリガンドの結合量を比較することを特徴とするヒトMC
P-1レセプター親和性化合物またはその塩のスクリーニ
ング方法、
【0024】(2b)(i)ヒトMCP-1レセプターに対
するリガンドを、ヒトMCP-1レセプタータンパク質を含
有するCHO細胞または該細胞膜画分と接触させた場合
と、(ii)ヒトMCP-1レセプターに対するリガンドおよ
び被験化合物を同時に、ヒトMCP-1レセプタータンパク
質を含有するCHO細胞または該細胞膜画分と接触させた
場合の、ヒトMCP-1レセプターを介した細胞刺激活性
(例えば細胞遊走、細胞内Ca2+濃度の変動、Gタンパク
質の活性化、イノシトールリン脂質の産生、アラキドン
酸の遊離、cAMPの生成、ヒスタミンなどの炎症性メディ
エーターの遊離、脱顆粒、細胞膜電位の変動、pHの変
動、膜タンパク質あるいは細胞内タンパク質の活性化、
膜タンパク質あるいは細胞内タンパク質のリン酸化など
を促進あるいは抑制する活性など)を測定することを特
徴とするヒトMCP-1レセプターアンタゴニストのスクリ
ーニング方法、および、 (3b)ヒトMCP-1レセプターに対するリガンドを、ヒ
トMCP-1レセプタータンパク質を含有するCHO細胞または
該細胞膜画分と接触させた場合の、ヒトMCP-1レセプタ
ーを介した細胞刺激活性(例えば細胞遊走、細胞内Ca2+
濃度の変動、Gタンパク質の活性化、イノシトールリン
脂質の産生、アラキドン酸の遊離、cAMPの生成、ヒスタ
ミンなどの炎症性メディエーターの遊離、脱顆粒、細胞
膜電位の変動、pHの変動、膜タンパク質あるいは細胞内
タンパク質の活性化、膜タンパク質あるいは細胞内タン
パク質のリン酸化などを促進あるいは抑制する活性な
ど)を測定することを特徴とするヒトMCP-1レセプター
アゴニストのスクリーニング方法を提供する。
【0025】上記の(1a)または(1b)のスクリー
ニング方法において、ヒトMCP-1レセプタータンパク
質、その部分ペプチドまたはそれらの塩、またはヒトMC
P-1レセプタータンパク質を含有するCHO細胞もしくは該
細胞膜画分と結合することにより、ヒトMCP-1レセプタ
ーに対するリガンドとヒトMCP-1レセプタータンパク
質、その部分ペプチドまたはそれらの塩、またはヒトMC
P-1レセプタータンパク質を含有する該CHO細胞もしくは
該細胞膜画分との結合を阻害する化合物をヒトMCP-1レ
セプター親和性化合物またはその塩の候補化合物として
選択することができる。また、上記の(2b)のスクリ
ーニング方法において、ヒトMCP-1レセプターに対する
リガンドとヒトMCP-1レセプタータンパク質を含有するC
HO細胞または該細胞膜画分との結合を阻害するが、ヒト
MCP-1レセプターを介した細胞刺激活性(例えば細胞遊
走、細胞内Ca2+濃度の変動、Gタンパク質の活性化、イ
ノシトールリン脂質の産生、アラキドン酸の遊離、cAMP
の生成、ヒスタミンなどの炎症性メディエーターの遊
離、脱顆粒、細胞膜電位の変動、pHの変動、膜タンパク
質あるいは細胞内タンパク質の活性化、膜タンパク質あ
るいは細胞内タンパク質のリン酸化などを促進あるいは
抑制する活性など)を有しない化合物をヒトMCP-1レセ
プターアンタゴニストとして選択することができる。さ
らに、上記の(3b)のスクリーニング方法において、
ヒトMCP-1レセプターに結合し、該レセプターを介した
細胞刺激活性(例えば細胞遊走、細胞内Ca2+濃度の変
動、Gタンパク質の活性化、イノシトールリン脂質の産
生、アラキドン酸の遊離、cAMPの生成、ヒスタミンなど
の炎症性メディエーターの遊離、脱顆粒、細胞膜電位の
変動、pHの変動、膜タンパク質あるいは細胞内タンパク
質の活性化、膜タンパク質あるいは細胞内タンパク質の
リン酸化などを促進あるいは抑制する活性など)を有す
る化合物をヒトMCP-1レセプターアゴニストとして選択
することができる。
【0026】本発明のヒトMCP-1レセプタータンパク質
を含有するCHO細胞が得られる以前は、ヒトMCP-1レセプ
タータンパク質を持続的に高発現できる動物細胞がなか
ったため、ヒトMCP-1レセプター親和性化合物またはそ
の塩のスクリーニングを効率よく行うことができなかっ
た。本発明のヒトMCP-1レセプタータンパク質を含有す
るCHO細胞は、ヒトMCP-1レセプタータンパク質を大量に
かつ安定的に発現し、ヒトMCP-1レセプター親和性化合
物またはその塩のスクリーニングに有用である。以下に
本発明のスクリーニング方法を具体的に説明する。本発
明のスクリーニング方法において、ヒトMCP-1レセプタ
ータンパク質を含有するCHO細胞を用いる場合は、該CHO
細胞を生細胞のまま用いることができる。あるいは、該
CHO細胞をそれ自体公知の方法に従ってグルタルアルデ
ヒド、パラホルムアルデヒドなどで固定化した後、用い
ることもできる。
【0027】本発明のスクリーニング方法において使用
されるヒトMCP-1レセプターに対するリガンドとして
は、例えばMCP-1やMCP-3などが挙げられる。ヒトMCP-1
レセプターに対する標識したリガンドとしては、たとえ
ば[125I][35S]、[3H]、[14C]などで標識した上
記のリガンドなどを用いることができる。あるいは、フ
ルオレッセインなどで蛍光標識したリガンド、または西
洋ワサビペルオキシダーゼなどで酵素標識したリガン
ド、あるいはリガンドとアルカリフォスファターゼなど
のタンパク質との遺伝子工学的に作製した融合タンパク
質を用いることもできる。あるいは、MCP-1やMCP-3など
のリガンドの部分アミノ酸配列を有するペプチドを用い
ることもできる。これらの標識体は自体公知の方法に従
って作製することができる。例えば[125I]で標識され
たMCP-1およびMCP-3がDu Pontより市販されているの
で、それらを利用できる。本発明のスクリーニング方法
で使用される被験化合物としては、例えばペプチド、タ
ンパク質、非ペプチド性化合物、合成化合物、微生物発
酵生産物、海洋生物抽出液、植物抽出液、細胞抽出液、
動物組織抽出液などが挙げられる。これらの被験化合物
は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であっ
てもよい。
【0028】具体的には、上記の(1a)または(1
b)のスクリーニング方法を実施するには、まず、本発
明のヒトMCP-1レセプタータンパク質、その部分ペプチ
ドまたはそれらの塩、またはヒトMCP-1レセプタータン
パク質を含有するCHO細胞あるいは該細胞膜画分を、ス
クリーニングに適した緩衝液に懸濁することによりレセ
プター標品を調製する。緩衝液としては、リガンドとレ
セプターとの結合を阻害しないものであれば何でもよ
く、例えばpH 6〜8のリン酸緩衝液、トリス-塩酸緩衝
液、PBS、HBSSなどが用いられる。また、非特異的結合
を低減させる目的で、ウシ血清アルブミンなどのタンパ
ク質、CHAPSやTween 80TM(花王−アトラス社)、ジギ
トニンなどの界面活性剤を加えることもできる。さら
に、タンパク質分解酵素によるヒトMCP-1レセプタータ
ンパク質の分解を抑えるために、PMSF、ペプスタチン、
ロイペプチンなどのタンパク質分解酵素阻害剤を添加す
ることもできる。また、組換え型ヒトMCP-1レセプター
タンパク質を含有するCHO細胞を培養器に接着させたま
まスクリーニングに用いることもできる。約0.01〜10 m
lの該レセプター発現細胞または該レセプター標品に、
一定量(約5,000〜 1,000,000 cpm)の標識体と約10-3
〜10-10 Mの濃度の合成化合物などの被験化合物あるい
は適宜に希釈した微生物発酵生産物などの被験化合物と
を同時に添加し、約0〜50℃(望ましくは約4〜37℃)
で、約0.5〜24時間(望ましくは約0.5〜3時間)反応さ
せる。反応後、適量の緩衝液で洗浄したのち該レセプタ
ー発現細胞または該レセプター標品に残存する放射線量
をガンマカウンター、液体シンチレーションカウンター
などで測定する。反応時に大過剰の非標識リガンドを共
存させたときの残存放射線量を非特異的結合量とする。
あるいは、ヒトMCP-1レセプタータンパク質を含有しな
いコントロールのCHO細胞または該細胞膜画分を用いた
ときの残存放射線量を非特異的結合量とすることもでき
る。共存物のないときの残存放射線量を総結合量とする
とき、総結合量から非特異的結合量を差し引いた値が特
異的結合量である。反応液に添加することにより、この
特異的結合量を低下させる被験化合物をヒトMCP-1レセ
プター親和性化合物またはその塩の候補化合物として選
択することができる。
【0029】また、上記(2b)または(3b)のスク
リーニング方法を実施するためには、ヒトMCP-1レセプ
ターを介した細胞刺激活性(例えば細胞遊走、細胞内Ca
2+濃度の変動、Gタンパク質の活性化、イノシトールリ
ン脂質の産生、アラキドン酸の遊離、cAMPの生成、ヒス
タミンなどの炎症性メディエーターの遊離、脱顆粒、細
胞膜電位の変動、pHの変動、膜タンパク質あるいは細胞
内タンパク質の活性化、膜タンパク質あるいは細胞内タ
ンパク質のリン酸化などを促進あるいは抑制する活性な
ど)を公知の方法または市販の測定用キットを用いて測
定することができる。具体的には、本発明のヒトMCP-1
レセプタータンパク質を含有するCHO細胞を培養後、細
胞懸濁液を調製し、ケモタキシスチャンバーを用いてリ
ガンドに応答した該CHO細胞の遊走活性を測定できる。
あるいは、該CHO細胞懸濁液にfura-2やfura-PE3などの
蛍光指示薬を添加することによりCHO細胞にこれらの蛍
光指示薬を負荷し、蛍光分光光度計などを用いてリガン
ドの刺激による細胞内Ca2+濃度の変動を測定できる。
【0030】本発明のスクリーニング用キットは、ヒト
MCP-1レセプタータンパク質、その部分ペプチドまたは
それらの塩、または本発明のヒトMCP-1レセプタータン
パク質を含有するCHO細胞もしくは該細胞膜画分を含有
するものである。本発明のスクリーニング用キットの例
としては、次のものが挙げられる。 〔スクリーニング用試薬〕 (a)測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 DMEM(GIBCO BRL)に、0.5%のウシ血清アルブミン(BS
A)(Sigma)を加えたもの。孔径0.2μmのフィルター
で濾過滅菌し、4℃で保存するか、あるいは用時調製し
ても良い。 (b)ヒトMCP-1レセプタータンパク質標品 (c)ヒトMCP-1レセプタータンパク質を含有するCHO細胞
を、96ウェルマイクロプレートに5 x 104個/ウェルで
継代し、37℃、5% CO2、95%airで1日間培養したもの。 (d)ヒトMCP-1レセプターに対する標識したリガンド 〔125I〕などで標識した市販のMCP-1や MCP-3などのリ
ガンド。溶液の状態のものを4℃あるいは−20℃にて保
存し、用時に測定用緩衝液にて0.2〜2.0 nMに希釈す
る。 (e)ヒトMCP-1レセプターに対するリガンドの標準液 ヒトMCP-1レセプターに対するリガンド(例えばMCP-1や
MCP-3など)をDMEM/0.5% BSAで10μMになるように溶解
し、−80 〜 − 20℃で保存する。
【0031】〔測定法〕 (a)96ウェルマイクロプレートにてヒトMCP-1レセプター
タンパク質を含有するCHO細胞を培養し、培地を除いた
後、35μl/wellのDMEM/0.5% BSAを添加する。 (b)10-10〜10-3Mの被験化合物溶液を5μl/well加えた
後、0.2〜2.0 nM標識リガンドを10μl/well加え、室温
にて30〜60分間反応させる。非特異的結合量を知るため
には被験化合物のかわりに0.2〜2.0 μMの非標識リガン
ドを10μl/well添加する。 (c)反応液を除去し、200μl/wellのPBSで2回洗浄し、25
μl/wellのエタノールを添加して撹拌し、さらに200μl
/wellのシンチレーター(MicroScint-20, Packard Instr
ument Company, Meriden, CT, USA)を添加して撹拌す
る。 (d)細胞に結合した放射活性をTopCount (Packard)で測
定し、percent of binding(PB)を次の式〔数1〕で求
める。
【0032】
【数1】 PB:被験化合物非存在下での特異的結合量に対する被験
化合物存在下での特異的結合量の割合(%) B:被験化合物存在下での結合量 NSB:非特異的結合量 Bo:被験化合物非存在下での結合量
【0033】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られるヒトMCP-1レセプタ
ー親和性化合物またはその塩は、該スクリーニング方法
または該スクリーニング用キットを用いて被験化合物
(例えばペプチド、タンパク質、非ペプチド性化合物、
合成化合物、微生物発酵生産物、海洋生物抽出液、植物
抽出液、細胞抽出液、動物組織抽出液などが挙げられ
る。これらの被験化合物は新規な化合物であってもよい
し、公知の化合物であってもよい。)の中から選択され
る化合物またはその塩である。被験化合物は、例えばペ
プチド、タンパク質、非ペプチド性化合物、合成化合
物、微生物発酵生産物、海洋生物抽出液、植物抽出液、
細胞抽出液、動物組織抽出液などが挙げられ、新規な化
合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
これらのヒトMCP-1レセプター親和性化合物またはその
塩は、ヒトMCP-1レセプターに対するリガンドとヒトMCP
-1レセプタータンパク質との結合を阻害する化合物であ
る。該化合物には、ヒトMCP-1レセプターを介した細胞
刺激活性を有しない化合物(ヒトMCP-1レセプターアン
タゴニスト)と該細胞刺激活性を有する化合物(ヒトMC
P-1レセプターアゴニスト)またはそれらの塩が含まれ
る。本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング
用キットを用いて得られる該ヒトMCP-1レセプター親和
性化合物の構造式の一部を、付加、欠失あるいは置換な
どにより変換される化合物なども本発明のスクリーニン
グ方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる
ヒトMCP-1レセプター親和性化合物に含まれる。該ヒトM
CP-1レセプター親和性化合物の塩としては、生理学的に
許容される塩基塩又は酸付加塩が用いられるが、とりわ
け生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。このよう
な塩としては、例えば無機酸(例えば塩酸、リン酸、臭
化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば酢
酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハ
ク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸、安息香
酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩な
どが用いられる。
【0034】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られるヒトMCP-1レセプタ
ー親和性化合物またはその塩、すなわち、ヒトMCP-1レ
セプターアンタゴニストあるいはヒトMCP-1レセプター
アゴニストは、安全で毒性のない化合物であり、種々の
炎症性疾患(例えば、動脈硬化症、心臓移植後に発症す
る動脈硬化、(慢性)関節リウマチ、腎炎など)、ウイ
ルス性疾患あるいは感染性疾患(例えば、急性ウイルス
性脳炎、急性バクテリア性髄膜炎、ヘリコバクター・ピ
ロリ感染症、肺炎、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、単
純ヘルペスウイルス感染症、水痘−帯状疱疹ウイルス感
染症、エイズ感染症、インフルエンザ感染症、侵襲性ブ
ドウ状球菌感染症、結核など)、アレルギー性疾患(例
えば、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻
炎など)、腫瘍(例えば、膀胱ガン、乳ガン、子宮けい
ガン、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、大腸ガ
ン、多発性骨髄腫、悪性骨髄腫、前立腺ガン、肺ガン、
胃ガン、ホジキン病など)、糖尿病性疾患(例えば、糖
尿病、糖尿病性腎症、糖尿病性合併症、糖尿病性網膜
症、糖尿病性網膜炎、糖尿病性細小血管症など)、中枢
性疾患(例えば、アルツハイマー病、てんかん、発熱、
疼痛、痴呆など)、血管形成術後再狭窄、高脂血症、高
コレステロール血症、透析による血小板減少症、脊髄損
傷、骨粗鬆症、潰瘍性大腸炎、消化性潰瘍、敗血症(シ
ョック)、肺・心臓における再潅流障害、狭心症、心筋
梗塞、一過性脳虚血発作、臓器移植後拒絶反応、心弁膜
症、腎不全、子宮内膜症、肺線維症、成人呼吸逼迫症候
群などの予防・治療剤として有用である。 また、本発
明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キット
を用いて得られるヒトMCP-1レセプター親和性化合物ま
たはその塩は、ヒトMCP-1レセプターに結合することが
できるので、レセプター発現細胞や生体内におけるヒト
MCP-1レセプタータンパク質の検出または定量用の試薬
としても有用である。
【0035】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られるヒトMCP-1レセプタ
ー親和性化合物またはその塩をヒトや哺乳動物(マウ
ス、ラット、モルモット、ウサギ、ニワトリ、ネコ、イ
ヌ、ヒツジ、ブタ、ウシ、サル、マントヒヒ、チンパン
ジーなど)の医薬として使用する場合、常套手段に従っ
て実施することができる。例えば必要に応じて糖衣を施
した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセ
ル剤などとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以外
の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液
剤などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば該
化合物またはその塩を生理学的に認められる単体、香味
剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などと
ともに一般に認められた製薬実施に要求される単位用量
形態で混和することによって製造することができる。こ
れら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な
容量がえられるようにするものである。錠剤、カプセル
剤などに混和することができる添加剤としては、例えば
ゼラチン、コーンスターチ、トラガントガム、アラビア
ゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦形
剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などのよう
な膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、
ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペパー
ミント、アカモノ油またはチェリーのような香味剤など
が用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合に
は、上記の材料にさらに油脂のような液状単体を含有す
ることができる。注射のための無菌組成物は注射用蒸留
水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油など
のような天然産出植物油などを溶解または懸濁させるな
どの通常の製剤実施に従って処方することができる。
【0036】注射用の水溶液としては、例えば生理食塩
水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えばD-
ソルビトール、D-マンノース、D-マンニトール、塩化ナ
トリウムなど)などがあげられ、適当な溶解補助剤、例
えばアルコール(例えばエタノール)、ポリアルコール
(例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル)、非イオン性界面活性剤(例えばポリソルベート8
0(TM)、HCO-50)などと併用してもよい。油性液として
はゴマ油、大豆油などがあげられ、溶解補助剤として安
息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用しても
よい。また、緩衝剤(例えばリン酸塩緩衝液、酢酸ナト
リウム緩衝液)、無痛化剤(例えば塩化ベンザルコニウ
ム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えばベンジルア
ルコール、フェノールなど)、酸化防止剤などと配合し
てもよい。調製された注射液は通常、適当なアンプルに
充填させる。このようにして得られる製剤は安全で低毒
性であるので、例えばヒトや哺乳動物(例えばマウス、
ラット、モルモット、ウサギ、ニワトリ、ネコ、イヌ、
ヒツジ、ブタ、ウシ、サル、マントヒヒ、チンパンジ
ー、ヒトなど)に対して投与することができる。該ヒト
MCP-1レセプター親和性化合物またはその塩の投与量
は、症状などにより差異はあるが、経口投与の場合、一
般的に成人(体重60 kgとして)においては、1日あた
り約0.1〜100 mg、好ましくは約1.0〜50 mg、より好ま
しくは約1.0〜20 mgである。非経口的に投与する場合
は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与
方法などによっても異なるが、例えば注射剤の形では通
常成人(体重60 kgとして)においては、1日あたり約
0.01〜30 mg、好ましくは約0.1〜20 mg、より好ましく
は約0.1〜10 mg程度を静脈注射により投与するのが好都
合である。他の動物の場合も、体重60 kg当たりに換算
した量を投与することができる。
【0037】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC-IUB Commission
on Biochemistry Nomenclatureによる略号あるいは当
該分野における慣用略号に基づくものであり、その例を
以下に示す。またアミノ酸に関して光学異性体があり得
る場合は、特に明示しなければL体を示すものとする。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャ−リボ核酸
【0038】GあるいはGly:グリシン AあるいはAla:アラニン VあるいはVal:バリン LあるいはLeu:ロイシン IあるいはIle:イソロイシン SあるいはSer:セリン
【0039】TあるいはThr:スレオニン CあるいはCys:システイン MあるいはMet:メチオニン EあるいはGlu:グルタミン酸 DあるいはAsp:アスパラギン酸 KあるいはLys:リシン RあるいはArg:アルギニン HあるいはHis:ヒスチジン FあるいはPhe:フェニルアラニン YあるいはTyr:チロシン WあるいはTrp:トリプトファン PあるいはPro:プロリン NあるいはAsn:アスパラギン QあるいはGln:グルタミン BSA:ウシ血清アルブミン FBS:ウシ胎児血清 SDS:ドデシル硫酸ナトリウム CHO:チャイニーズハムスター卵巣 DMEM:ダルベッコ変法イーグル培地 PBS:リン酸緩衝生理食塩水
【0040】後述の実施例1で得られたプラスミドpMCR
を保持する形質転換体エシェリヒアコリ(Escherichia c
oli)JM109/pMCRは、平成8年3月6日に通商産業省工
業技術院生命工学工業技術研究所(NIBH)に寄託番号FE
RM BP−5447として寄託されていおり、また平
成8年2月29日から財団法人発酵研究所(IFO)に
IFO 15931として寄託されている。また、後述
の実施例2で得られたCHO(MCR)は平成8年3月
6日に通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(N
IBH)に寄託番号FERM BP−5446として寄託さ
れており、また平成8年2月29日から財団法人発酵研
究所(IFO)にIFO 50461として寄託されて
いる。
【0041】本願明細書の配列表における各配列番号に
ついて以下に説明する。 〔配列番号:1〕ヒトMCP-1レセプタータンパク質をコ
ードするDNAの塩基配列を表す。 〔配列番号:2〕ヒトMCP-1レセプタータンパク質のア
ミノ酸配列を表す。
【0042】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はそれに限定されるものではな
い。
【0043】
【実施例1】ヒトMCP-1レセプター発現ベクターの構築 Charoら(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 2752 - 2756
(1994))によって報告されたヒトMCP-1レセプターの塩
基配列をもとにしてPCR (polymerase chain reaction)
を行い、human bone marrow cDNA library (Clontech L
aboratories Inc., Palo Alto, CA, USA)からヒトMCP-
1レセプターcDNAを増幅した。得られたMCP-1レセプター
cDNAを動物細胞発現用ベクターであるpAKKO-111HのSal
IおよびSpeI部位に導入しプラスミドpMCRを得た。蛍光D
NAシークエンサー(Model 373A, Applied Biosystems I
nc., Foster City, CA, USA)により塩基配列を決定
し、MCP-1レセプターtype Bと一致することを確認し
た。3ヶ所で塩基の置換があったが、アミノ酸の置換は
見られなかった。MCP-1レセプター発現プラスミドpMCR
を、CellPhect transfection kit(Pharmacia Biotech,
Uppsala, Sweden)を用いてリン酸カルシウム法によ
り、以下のようにCHO(dhfr-)細胞へ導入した。CHO(dhfr
-)細胞を直径10 cmのシャーレで核酸を含有する非選択
培地(MEM-α with RNA and DNA (GIBCO BRL, Life Tec
hnologies Inc., Grand Island, NY, USA) / 10%透析FB
S (GIBCO BRL))にて24時間培養した。このCHO(dhfr-)
細胞にpMCR DNAとリン酸カルシウムの共沈懸濁物と滴下
し、6時間培養した。非選択培地で2回洗浄し非選択培
地を加えて2日間さらに培養し、核酸不含の選択培地で
4倍に拡大して培養を継続した。3〜4日ごとに新しい
選択培地と交換しながら培養を続け、出現したコロニー
(dhfr+形質転換した細胞)を得た。これらの細胞に対
する125I-MCP-1(Du Pont Company, Wilmington, DE, US
A)の結合量を調べ、結合量の大きいクローンを限外希釈
法により再クローン化し、MCP-1レセプター発現CHO細胞
株(CHO(MCR))を得た。
【0044】
【実施例2】結合アッセイによるヒトMCP-1レセプター
発現の確認 96 ウェルマイクロプレート(Nunc, Roskilde, Denmar
k)に 5 x 104/100μl/well の実施例1で記述したCHO
(MCR)細胞またはベクタープラスミドpAKKO-111Hをトラ
ンスフェクトしたCHO細胞(mock transfectants)をま
き24 時間培養した。培地を除き、DMEM/0.5 % BSA で希
釈した200 pMの125I-MCP-1を50 μl/well加え、室温で4
0分間インキュベートした。その後200μl /well のPBS
で2 回洗浄し、100 μl/wellの0.1 N NaOH/1% SDSを加
えて細胞に結合したリガンドを溶出した。結合量の測定
はγ−カウンター(Cobra II, Packard Instrument Com
pany, Meriden, CT, USA )で行った。図2はCHO(MC
R)細胞に対する125I-MCP-1の結合を示す。これに対し
て、mock transfectantsに対する結合量は低値であっ
た。
【0045】
【実施例3】種々のCC ケモカインに対するヒトMCP-1レ
セプター発現CHO細胞(CHO(MCR)細胞)の遊走 96ウェルマイクロケモタキシスチャンバー(NeuroProb
e, Inc., Cabin John,MD, USA)を用いて実施例1で記
述したCHO(MCR)細胞の遊走アッセイを行った。ポアサイ
ズ 5 μm のポリカーボネートフレームフィルター(Neu
roProbe)を、PBSで希釈した10 μg/mlのウシフィブロ
ネクチン溶液に室温で10分間浸漬したのち風乾すること
により前処理を施した。下室にDMEM/0.5% BSAに溶解し
た 37 μlの 種々の濃度の CC ケモカイン(MCP-1、RAN
TES、MIP-1α、MIP-1β(いずれもPepro Tech))を添
加し、上室に1 x 106 cells/mlのCHO(MCR)細胞を200 μ
l 添加して、37℃で4時間インキュベートした。フィル
ター下面に遊走したCHO(MCR)細胞をDiff-Quick (国際試
薬,神戸)で固定染色し、プレートリーダー(Bio-RadLa
boratories, Richmond, CA, USA)で595 nm の吸光度を
測定した。いずれの測定値も2ウェルの平均値を示し
た。図3に示すように、CHO(MCR)細胞はmock transfect
antsに比較して 50 nM MCP-1に応答して明らかに遊走す
ることがわかった。MCP-1に応答したCHO(MCR)細胞の遊
走はMCP-1の濃度に依存した。しかしながら、RANTES、M
IP-1αあるいはMIP-1βに対しては遊走しなかった(図
4)。また、CHO(MCR)細胞はMCP-3(Pepro Tech)に対
しても遊走した。
【0046】
【実施例4】CHO(MCR)細胞による細胞内Ca2+アッセイ 実施例1で記述したCHO(MCR)細胞をmodified Gey's buf
fer(MGB)(5 mM KCl, 147 mM NaCl, 0.22 mM KH2PO4, 1.
1 mM Na2HPO4, 5.5 mM glucose, 0.3 mM MgSO4, 1 mM M
gCl2, 10 mM HEPES, pH 7.4)で2回洗浄したのち、5 x
106/ml になるようにMGBに懸濁した。蛍光指示薬である
fura-PE3/AM(Teflabs, Austin, TX, USA) を終濃度2μM
になるように添加して室温で30分間放置することにより
細胞内に取り込ませた。1 mM CaCl2を含むMGBで2回洗
浄したのち、5 x 106/mlになるように1 mM CaCl2を含む
MGBに懸濁した。細胞内Ca2+濃度の測定はF-2000分光蛍
光光度計(日立製作所、東京)で行った。CHO(MCR)細胞
を100 nM MCP-1で刺激することにより、細胞内Ca2+濃度
の一過性の上昇が観察された。この上昇はmock transfe
ctantsではみられなかった(図5)。また、100 nM RANTE
S、MIP-1αあるいはMIP-1βによっては細胞内Ca2+濃度
の一過性の上昇はほとんど見られなかった。CHO(MCR)細
胞はMCP-3に対しても応答して、細胞内Ca2+濃度の一過
性の上昇が生じた。
【0047】
【発明の効果】本発明のヒトMCP-1レセプタータンパク
質またはその部分ペプチドもしくはそれらの塩、または
ヒトMCP-1レセプターを有するCHO細胞もしくは該細胞膜
画分を用いて、ヒトMCP-1レセプター親和性化合物また
はその塩のスクリーニングを行うことができ、それによ
り、該化合物を効率よく選択することができる。したが
って、種々の炎症性疾患(例えば、動脈硬化症、心臓移
植後に発症する動脈硬化、(慢性)関節リウマチ、腎炎
など)、ウイルス性疾患あるいは感染性疾患(例えば、
急性ウイルス性脳炎、急性バクテリア性髄膜炎、ヘリコ
バクター・ピロリ感染症、肺炎、A型肝炎、B型肝炎、
C型肝炎、単純ヘルペスウイルス感染症、水痘−帯状疱
疹ウイルス感染症、エイズ感染症、インフルエンザ感染
症、侵襲性ブドウ状球菌感染症、結核など)、アレルギ
ー性疾患(例えば、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、ア
レルギー性鼻炎など)、腫瘍(例えば、膀胱ガン、乳ガ
ン、子宮けいガン、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白
血病、大腸ガン、多発性骨髄腫、悪性骨髄腫、前立腺ガ
ン、肺ガン、胃ガン、ホジキン病など)、糖尿病性疾患
(例えば、糖尿病、糖尿病性腎症、糖尿病性合併症、糖
尿病性網膜症、糖尿病性網膜炎、糖尿病性細小血管症な
ど)、中枢性疾患(例えば、アルツハイマー病、てんか
ん、発熱、疼痛、痴呆など)、血管形成術後再狭窄、高
脂血症、高コレステロール血症、透析による血小板減少
症、脊髄損傷、骨粗鬆症、潰瘍性大腸炎、消化性潰瘍、
敗血症(ショック)、肺・心臓における再潅流障害、狭
心症、心筋梗塞、一過性脳虚血発作、臓器移植後拒絶反
応、心弁膜症、腎不全、子宮内膜症、肺線維症、成人呼
吸逼迫症候群などの予防・治療剤を早期に提供できる。
また、本発明のヒトMCP-1レセプターを含有するCHO細胞
(CHO(MCR)細胞)は、ヒトMCP-1レセプターを安定的に高
発現できる細胞である。
【0048】
【配列表】
【配列番号:1】 配列の長さ:1083 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 ATGCTGTCCA CATCTCGTTC TCGGTTTATC AGA
AATACCA ACGAGAGCGG TGAAGAAGTC 60 ACCACCTTTT TTGATTATGA TTACGGTGCT CCC
TGTCATA AATTTGACGT GAAGCAAATT 120 GGGGCCCAAC TCCTGCCTCC ACTCTACTCG CTG
GTGTTCA TCTTTGGTTT TGTGGGCAAC 180 ATGCTGGTCG TCCTCATCTT AATAAACTGC AAA
AAGCTGA AGTGCTTGAC TGACATTTAC 240 CTGCTCAACC TGGCCATCTC TGATCTGCTT TTT
CTTATTA CTCTCCCATT GTGGGCTCAC 300 TCTGCTGCAA ATGAGTGGGT CTTTGGGAAT GCA
ATGTGCA AATTATTCAC AGGGCTGTAT 360 CACATCGGTT ATTTTGGCGG AATCTTCTTC ATC
ATCCTCC TGACAATCGA TAGATACCTG 420 GCTATTGTCC ATGCTGTGTT TGCTTTAAAA GCC
AGGACGG TCACCTTTGG GGTGGTGACA 480 AGTGTGATCA CCTGGTTGGT GGCTGTGTTT GCT
TCTGTCC CAGGAATCAT CTTTACTAAA 540 TGCCAGAAAG AAGATTCTGT TTATGTCTGT GGC
CCTTATT TTCCACGAGG ATGGAATAAT 600 TTCCACACAA TAATGAGGAA CATTTTGGGG CTG
GTCCTGC CGCTGCTCAT CATGGTCATC 660 TGCTACTCGG GAATCCTGAA AACCCTGCTT CGG
TGTCGAA ACGAGAAGAA GAGGCATAGG 720 GCAGTGAGAG TCATCTTCAC CATCATGATT GTT
TACTTTC TCTTCTGGAC TCCCTATAAT 780 ATTGTCATTC TCCTGAACAC CTTCCAGGAA TTC
TTCGGCC TGAGTAACTG TGAAAGCACC 840 AGTCAACTGG ACCAAGCCAC GCAGGTGACA GAG
ACTCTTG GGATGACTCA CTGCTGCATC 900 AATCCCATCA TCTATGCCTT CGTTGGGGAG AAG
TTCAGAA GGTATCTCTC GGTGTTCTTC 960 CGAAAGCACA TCACCAAGCG CTTCTGCAAA CAA
TGTCCAG TTTTCTACAG GGAGACAGTG 1020 GATGGAGTGA CTTCAACAAA CACACCTTCC ACT
GGGGAGC AGGAAGTCTC GGCTGGTTTA 1080 TAA
1083
【0049】
【配列番号:2】 配列の長さ:360 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Leu Ser Thr Ser Arg Ser Arg Phe
Ile Arg Asn Thr Asn Glu Ser 1 5
10 15 Gly Glu Glu Val Thr Thr Phe Phe Asp
Tyr Asp Tyr Gly Ala Pro Cys 20 25
30 His Lys Phe Asp Val Lys Gln Ile Gly
Ala Gln Leu Leu Pro Pro Leu 35 40
45 Tyr Ser Leu Val Phe Ile Phe Gly Phe
Val Gly Asn Met Leu Val Val 50 55
60 Leu Ile Leu Ile Asn Cys Lys Lys Leu
Lys Cys Leu Thr Asp Ile Tyr 65 70
75 80 Leu Leu Asn Leu Ala Ile Ser Asp Leu
Leu Phe Leu Ile Thr Leu Pro 85
90 95 Leu Trp Ala His Ser Ala Ala Asn Glu
Trp Val Phe Gly Asn Ala Met 100 105
110 Cys Lys Leu Phe Thr Gly Leu Tyr His
Ile Gly Tyr Phe Gly Gly Ile 115 120
125 Phe Phe Ile Ile Leu Leu Thr Ile Asp
Arg Tyr Leu Ala Ile Val His 130 135
140 Ala Val Phe Ala Leu Lys Ala Arg Thr
Val Thr Phe Gly Val Val Thr 145 150
155 160 Ser Val Ile Thr Trp Leu Val Ala Val
Phe Ala Ser Val Pro Gly Ile 165
170 175 Ile Phe Thr Lys Cys Gln Lys Glu Asp
Ser Val Tyr Val Cys Gly Pro 180 185
190 Tyr Phe Pro Arg Gly Trp Asn Asn Phe
His Thr Ile Met Arg Asn Ile 195 200
205 Leu Gly Leu Val Leu Pro Leu Leu Ile
Met Val Ile Cys Tyr Ser Gly 210 215
220 Ile Leu Lys Thr Leu Leu Arg Cys Arg
Asn Glu Lys Lys Arg His Arg 225 230
235 240 Ala Val Arg Val Ile Phe Thr Ile Met
Ile Val Tyr Phe Leu Phe Trp 245
250 255 Thr Pro Tyr Asn Ile Val Ile Leu Leu
Asn Thr Phe Gln Glu Phe Phe 260 265
270 Gly Leu Ser Asn Cys Glu Ser Thr Ser
Gln Leu Asp Gln Ala Thr Gln 275 280
285 Val Thr Glu Thr Leu Gly Met Thr His
Cys Cys Ile Asn Pro Ile Ile 290 295
300 Tyr Ala Phe Val Gly Glu Lys Phe Arg
Arg Tyr Leu Ser Val Phe Phe 305 310
315 320 Arg Lys His Ile Thr Lys Arg Phe Cys
Lys Gln Cys Pro Val Phe Tyr 325
330 335 Arg Glu Thr Val Asp Gly Val Thr Ser
Thr Asn Thr Pro Ser Thr Gly 340 345
350 Glu Gln Glu Val Ser Ala Gly Leu 355 360
【0050】
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒトMCP-1レセプターのopen reading frameの
塩基配列を示す。
【図2】ヒトMCP-1レセプター発現CHO細胞(CHO(MCR)細
胞)に対する125I-MCP-1の結合。96 ウェルプレートで
培養した CHO(MCR)細胞および mock transfectants に
200 pMの125I-MCP-1を添加して室温で40分間反応させ細
胞への結合を調べた。
【図3】CC ケモカインによるヒトMCP-1レセプター発現
CHO細胞(CHO(MCR)細胞)の遊走。50 nM MCP-1によるCH
O(MCR)細胞およびmock transfectantsの遊走を示す。
【図4】CC ケモカインによるヒトMCP-1レセプター発現
CHO細胞(CHO(MCR)細胞)の遊走。種々の CC ケモカイ
ンによるCHO(MCR)細胞の遊走を示す。
【図5】ヒトMCP-1レセプター発現CHO細胞(CHO(MCR)細
胞)におけるCC ケモカインに応答した細胞内Ca2+濃度
の一過性の上昇。CHO(MCR)細胞を種々の CC ケモカイン
で、またmock transfectantsをMCP-1で刺激したときの
細胞内Ca2+濃度の変動を示す。MCP-1、RANTES、MIP-1α
あるいはMIP-1βを100秒の時点で終濃度100 nMとなるよ
うに添加した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A61K 38/00 ABF C12N 5/00 B ADX A61K 37/02 ABF ADY ADX 48/00 ABE ADY (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:91)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号:1で表される塩基配列を有する
    DNA。
  2. 【請求項2】請求項1記載のDNAを含有する組換えベ
    クター。
  3. 【請求項3】請求項1記載のDNAまたは請求項2記載
    の組換えベクターを保持する形質転換体。
  4. 【請求項4】形質転換体がCHO細胞である請求項3記
    載の形質転換体。
  5. 【請求項5】請求項4記載の形質転換体から得られるヒ
    トMCP-1レセプタータンパク質を含有するCHO細胞ま
    たは該細胞膜画分。
  6. 【請求項6】請求項3記載の形質転換体を培養すること
    を特徴とするヒトMCP-1レセプタータンパク質の製造
    法。
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