JPH09237694A - X線断層像撮影装置 - Google Patents
X線断層像撮影装置Info
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Abstract
駆動効率が得られ、且つこの陽極回転駆動電源から発生
する電気的ノイズがX線画像信号処理等に悪影響を及ぼ
さないX線断層像撮影装置を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 この発明は、架台回転部15に搭載され
たX線管装置19の回転陽極型X線管31が回転体及び
固定体の嵌合部の軸受間隙に液体金属潤滑剤が供給され
た動圧式すべり軸受を有するX線管であり、X線管陽極
回転駆動電源装置21がステータコイル36に供給する
平衡3相のパルス状回転駆動電力を出力するインバータ
回路を有するとともに架台回転部に取り付けられてスリ
ップリング17を介して入力電源が供給されて動作する
X線断層像撮影装置である。
Description
装置に係わり、とくに動圧式すべり軸受を有する回転陽
極型X線管が架台回転部に搭載された撮影装置に関す
る。
層像撮影装置には、X線放射源として回転陽極型X線管
が組み込まれている。この回転陽極型X線管は、周知の
ように、円盤状の陽極ターゲットを、相互間に軸受を有
する回転体および固定体で機械的に支え、回転体の位置
に対応する真空容器外に配置したステータの電磁コイル
に回転駆動電力を供給して高速回転させながら、陰極か
ら電子ビームを放出させて陽極ターゲットに当て、X線
を放射する。
うなころがり軸受や、軸受面にらせん溝を形成するとと
もにガリウム(Ga)、又はガリウム−インジウム−錫
(Ga−In−Sn)合金のような、少なくとも動作中
は液状となる液体金属潤滑剤を用いた動圧式すべり軸受
で構成される。後者のすべり軸受を用いた回転陽極型X
線管は、例えば特公昭60−21463号、特開昭60
−97536号、特開昭60−117531号、特開昭
60−160552号、特開昭62−287555号、
特開平2−227947号、或いは特開平2−2279
48号等の各公報に開示されている。
線管の場合は、X線管陽極ターゲットの回転駆動制御に
あたって、玉軸受の潤滑剤等の損耗を防止するためにX
線撮影の前後は回転を極力停止するように制御してい
る。そのため、X線撮影すなわちX線曝射の直前に陽極
ターゲットを急速に回転始動し、X線曝射が終了した後
は制動をかけて極力早期に回転停止させるように制御し
ている。
有するX線管では、例えば1日単位のX線撮影業務の
間、常時、X線管陽極ターゲットを連続回転させること
が、軸受部の液体金属潤滑剤の凍結を防止したり、或い
は迅速で安定なX線撮影に対応できるので推奨されてい
る。
する駆動電力は、これまでは商用周波数の単相であり、
コンデンサによって分相してステータのメインコイルと
サブコイルに供給するのが一般的である。しかしこの方
式は、X線管陽極回転駆動電源が簡略になるとは言え、
回転駆動電力の総合効率が低いという不都合がある。
撮影物を数十秒間にわたって間欠モード或いはヘリカル
スキャンモードで実質的に連続撮影を行うのが普通であ
る。このようなX線断層像撮影装置においては、架台回
転部にX線管装置やX線検出器等を搭載し、これらを架
台回転部と一緒に回転させる構造が採用される。そのた
め、X線管装置への電力供給、或いはX線検出器からの
出力画像信号を、架台回転部に取り付けたスリップリン
グとこれに接触する架台固定部のブラシからなる接触端
子とを介して外部電源装置や画像信号処理装置に電気的
に接続する必要がある。このような構造に関しては、既
に多くの発明がなされている。例えば、特開平5−75
81号公報には、X線管装置とともにそれに供給する高
電圧用のインバータ電源を架台回転部に搭載したCTス
キャナが開示されている。
許公報に開示されている動圧式のすべり軸受を有する回
転陽極型X線管は、軸受損失が玉軸受よりも大きく、ま
た従来の単相コイルでは高い回転駆動効率が得にくい不
都合がある。また、架台回転部に搭載したX線管装置
に、スリップリングを介して駆動電力を供給する構成で
は、X線画像信号に種々の電気的ノイズ成分が混入しや
すい不都合がある。とくに、スリップリングは、直径の
大きい架台回転部の全周にわたって配置されているの
で、一種の無線アンテナの作用をする。そのため、この
スリップリングに高周波ノイズ成分が載ると画像信号系
や装置制御信号系に無視できない悪影響を及ぼすことに
なる。
軸受を有する回転陽極型X線管を搭載したX線装置で
は、X線曝射時を含めて陽極ターゲットを常時回転させ
るのが普通であるので、その回転駆動電源から発する電
気的ノイズが画像信号系や装置の動作制御信号系に悪影
響を与える確率が高い。
なされたものであり、高いX線管陽極ターゲット回転駆
動効率が得られ、且つ陽極回転駆動電源から発生する電
気的ノイズがX線画像信号系や装置の動作制御信号系に
悪影響を及ぼすことを抑制することができるX線断層像
撮影装置を提供することを目的とする。
に搭載されたX線管装置の回転陽極型X線管が回転体及
び固定体の嵌合部の軸受間隙に液体金属潤滑剤が供給さ
れた動圧式すべり軸受を有するX線管であり、X線管陽
極回転駆動電源装置がステータコイルに供給する平衡3
相のパルス状回転駆動電力を出力するインバータ回路を
有するとともにこれが架台回転部に取り付けられてスリ
ップリングを介して入力電力が供給されて動作するX線
断層像撮影装置である。
説明する。なお同一部分は同一符号であらわす。概略構
成を示す図1のCTスキャナすなわちX線断層像撮影装
置は、架台11の中央部に形成されたドーム12の内側
に、進退移動可能なベッド13及びその上に載せられた
被撮影物14が入る構造になっている。架台11の内部
には、リング状の枠からなる架台回転部15が配置さ
れ、これはX線撮影時に主電源・制御装置16からの制
御で被撮影物14のまわりを矢印Rのように回転するよ
うになっている。
スリップリング17が取り付けられており、これに接す
る電源用接触端子18を経て主電源・制御装置16から
入力電力が伝達されるようになっている。またこの架台
回転部15には、点線で示すファンビーム状のX線
(X)を被撮影物の方向に放射するX線管装置19、こ
れにX線放射のための陰極加熱電圧及び電子ビーム加速
用高電圧を供給するためのX線管用電源装置20、及び
X線管の陽極ターゲットを回転駆動するためのX線管陽
極回転駆動電源装置21、並びにX線管装置と反対側に
X線検出器22がそれぞれ取り付けられており、X線撮
影時に被撮影物14のまわりを一緒に回わるようになっ
いる。
電源装置20、及びX線管陽極回転駆動電源装置21の
一次入力電力は、スリップリング17を介して主電源・
制御装置16から供給される。また、X線検出器22か
ら得られるX線画像信号は、架台回転部15に搭載され
た画像信号記憶変換処理装置23で適当に信号処理さ
れ、スリップリング17及び画像信号用接触端子24を
介してコンピュータ画像信号処理装置25に供給されて
処理され、その画像出力信号がCRTモニタ26に送ら
れて被撮影物の断層画像が表示されるようになってい
る。なお、X線検出器から出力されるX線画像信号は、
例えば架台回転部の信号処理装置23で光信号に変換し
て図示しない光伝送装置によってコンピュータ画像信号
処理装置25に伝送するように構成してもよい。
を曝射しX線撮影をする間は、高電圧電源から高周波成
分を含む電気的ノイズが発生しやすいので、この期間は
X線画像信号を架台回転部に搭載した画像信号記憶変換
装置に一時的に記憶させ、X線管への高電圧印加が終了
した後にこの画像信号をスリップリング等を介して外部
の画像信号処理装置に転送する構成にしてもよく、それ
によれば、電気的ノイズの混入をいっそう確実に防止す
ることができる。
に、回転陽極型X線管31がX線管収容容器32の内部
に固定され、且つこの容器の内部に絶縁油33が詰めら
れている。またこのX線管装置19は、X線管の回転体
43及び陽極ターゲット42を回転させるためのステー
タ36を備えている。なお、同図の符号37はX線管の
真空容器、45は陰極、39はX線放射ゲート、40は
陽極側接続ケーブル受、41は陰極側接続ケーブル受を
あらわしている。ステータ36は、鉄芯36a及びそれ
に巻かれたステータコイル36bを有し、これにX線管
陽極回転駆動電源装置21から回転駆動電力が供給され
る。
に示すように、真空容器37の内部に重金属からなる円
盤状陽極ターゲット42が円筒状回転体43の一端に突
設された回転シャフト44に一体的に固定されている。
また、陽極ターゲット42の焦点軌道面に対向して、電
子ビームを放出する陰極45が配置されている。
定体46が同軸状に嵌合されており、回転体の開口部に
スラストリング47が固定されている。固定体46の端
部は、陽極端子46aになっており、その一部は真空容
器のガラス円筒容器部37aに気密接合されている。回
転体43と固定体46との嵌合部分には、前述の各公報
に示されるような各一対のラジアル方向の動圧式すべり
軸受48,49、及びスラスト方向の動圧式すべり軸受
50,51が設けられている。
9は、鉄合金製の固定体46の外周軸受面に形成された
2組のヘリンボンパターンのらせん溝48a,49a
と、回転体の内周軸受面とで構成される。また、一方の
スラスト方向の動圧式すべり軸受50は、固定体46の
先端軸受面に形成されたサークル状のヘリンボンパター
ンらせん溝と回転体の底面とで構成される。また、他方
のスラスト方向動圧式すべり軸受51は、回転体の一部
となるスラストリング47の軸受面に形成されたサーク
ル状のヘリンボンパターンらせん溝と固定体の肩部の軸
受面とで構成される。なお、各動圧軸受を構成する軸受
面に形成されている各らせん溝は、およそ20μmの深
さを有している。
れた各動圧軸受の軸受面は、回転動作中、およそ20μ
mの軸受間隙を保つようになっている。固定体46の中
心部分には、軸方向にくり抜かれた孔からなる潤滑剤収
容室52が形成されている。また、この固定体の中間部
の外周壁がわずかにテーパ状に削られて径小部46bが
形成され、それによって構成される円筒状の空間に潤滑
剤の一部が溜まるようになっている。また、中心部分の
潤滑剤収容室52から径小部46bの空間に通じる4つ
の放射方向通路53が等角度で対称的に形成されてい
る。そして、回転体と固定体との間の隙間や、各軸受の
らせん溝、潤滑剤収容室52、径小部46bの空間、及
び放射方向通路53を含む内部空間には、Ga−In−
Sn合金からなる液体金属潤滑剤が供給されている。こ
の金属潤滑剤の全体積は、上記の内部空間の全容積のお
よそ60%に相当する量である。
り、最内側が鉄合金製の軸受円筒で、その外側が鉄から
なる強磁性体円筒、最外側が銅円筒であり、一体的に結
合されている。これらは、回転体43を取り巻くガラス
円筒容器部37aの外周に配置されたステータ36と協
動して電磁誘導モータの回転子として動作する。
は、図4に示すように、Y結線の3相巻線からなり、X
線管陽極回転駆動電源装置21から平衡3相電力が供給
されるようになっている。回転駆動電源装置21は、ス
リップリングを介して商用の正弦波の一次入力電力が供
給される整流回路21a、インバータ回路21b、電力
検出回路21cを備え、そのパルス波形からなる平衡3
相出力がX線管装置19の内部のステータコイル36b
に供給されるようになっている。なお、この回転駆動電
源装置21は、ステータコイル36bへの供給電力又は
周波数を、主電源・制御装置16からの供給制御信号に
より可変できるようになっている。
21及びその出力ケーブルは、高周波ノイズ成分が外部
に放射されないように、電波シールド材からなるケース
21dで覆われ、出力のシールドケーブルとともに接地
されている。それによって、X線管陽極ターゲットを連
続的に回転させるように回転駆動電力をステータコイル
に連続的又は短い周期で間欠的に供給しても、回転駆動
電源装置で発生する電気的ノイズ成分がX線画像信号系
や装置の種々の制御信号系に悪影響を与えることを防止
することができる。
くとも一部の回路素子を、電波シールド作用を兼ね備え
ているX線管収容容器32の内部に収容した構成にする
こともできる。それによって、よりコンパクトで且つ電
気的ノイズがX線管装置の外部に放射されにくいX線撮
影装置とすることができる。
際、架台回転部を回転させるとともに、X線管の陽極タ
ーゲットを例えば3000rpmで回転させながら陰極
及び陽極に所要の動作電圧を供給してX線を放射させ
る。そして、その日の撮影業務の終了までX線管の陽極
ターゲットが回転を続けるように、ステータコイルに、
常時、回転駆動電源装置から連続的または短い周期で間
欠的に回転駆動電力が供給されるようになっている。そ
れによって、動圧すべり軸受の動作を維持する金属潤滑
剤は、常に液状に保たれて、正常な軸受動作が維持され
るとともに、撮影が必要な時に直ちにX線管に高電圧を
供給してX線曝射を行うように制御することができる。
で潤滑される動圧すべり軸受を有する回転陽極型X線管
を搭載したX線撮影装置において、ステータコイルにイ
ンバータで変換されたパルス状の平衡3相電力を供給す
る構成であるため、高い回転トルクを得ることができる
とともに高い回転駆動効率が得られ、且つ回転数の制御
やステータコイルの消費電力の検出も比較的簡便な回路
構成で可能である。
イルに、常時、X線管陽極回転駆動電力を供給して連続
回転させても、この回転駆動電源装置が架台回転部に搭
載されるとともにスリップリング等を介さずにX線管装
置にその陽極回転駆動電力を直接的に供給する構成であ
るので、高周波ノイズが画像信号系や装置制御信号系等
に悪影響を与えず、高品位の断層像が再構成される。
X線管陽極ターゲットを回転駆動する回転駆動電源装置
からの電気的ノイズの影響が少なく、且つ高い回転駆動
効率が得られ、高品位の断層像が得られる。
ック回路図。
Claims (3)
- 【請求項1】 被撮影物のまわりを回転できるように設
けられた架台回転部と、この架台回転部に搭載されたX
線管収容容器及びその内部に固定された回転陽極型X線
管並びにステータコイルを備えるX線管装置と、上記架
台回転部に設けられ上記X線管装置に動作電力を伝達す
るスリップリングと、上記X線管装置のステータコイル
に上記X線管の陽極を回転させる駆動電力を供給するよ
うに電気的に接続されたX線管陽極回転駆動電源とを具
備するX線断層像撮影装置において、 上記回転陽極型X線管は、陽極ターゲットが固定された
回転体、この回転体に同軸状に嵌合する固定体、及びこ
れら回転体と固定体との嵌合部の軸受間隙に所定の融点
をもつ液体金属潤滑剤が供給された動圧式すべり軸受を
有するX線管であり、 上記X線管陽極回転駆動電源装置は、上記ステータコイ
ルに供給する平衡3相のパルス状回転駆動電力を出力す
るインバータ回路を有するとともに上記架台回転部に取
り付けられて上記スリップリングを介して入力電力が供
給されて動作することを特徴とするX線断層像撮影装
置。 - 【請求項2】 上記X線管陽極回転駆動電源装置は、そ
の少なくとも一部の回路素子が電波シールド材からなる
ケース内に収容されている請求項1記載のX線断層像撮
影装置。 - 【請求項3】 上記陽極回転駆動電源装置は、その少な
くとも一部の回路素子が上記X線管収容容器の内部に収
容されている請求項1記載のX線断層像撮影装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP8041983A JPH09237694A (ja) | 1996-02-29 | 1996-02-29 | X線断層像撮影装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP8041983A JPH09237694A (ja) | 1996-02-29 | 1996-02-29 | X線断層像撮影装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09237694A true JPH09237694A (ja) | 1997-09-09 |
Family
ID=12623446
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8041983A Pending JPH09237694A (ja) | 1996-02-29 | 1996-02-29 | X線断層像撮影装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH09237694A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2001190537A (ja) * | 2000-01-12 | 2001-07-17 | Toshiba Corp | 医療用画像機器 |
JP2011165673A (ja) * | 2011-04-18 | 2011-08-25 | Toshiba Corp | X線管装置 |
-
1996
- 1996-02-29 JP JP8041983A patent/JPH09237694A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2001190537A (ja) * | 2000-01-12 | 2001-07-17 | Toshiba Corp | 医療用画像機器 |
JP4521081B2 (ja) * | 2000-01-12 | 2010-08-11 | 株式会社東芝 | X線断層画像撮影装置 |
JP2011165673A (ja) * | 2011-04-18 | 2011-08-25 | Toshiba Corp | X線管装置 |
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