JPH09236263A - 電子レンジ - Google Patents

電子レンジ

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JPH09236263A
JPH09236263A JP8041866A JP4186696A JPH09236263A JP H09236263 A JPH09236263 A JP H09236263A JP 8041866 A JP8041866 A JP 8041866A JP 4186696 A JP4186696 A JP 4186696A JP H09236263 A JPH09236263 A JP H09236263A
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JP
Japan
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voltage
power supply
signal
time
thermistor element
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Application number
JP8041866A
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English (en)
Inventor
Toshiro Akiyama
俊郎 秋山
Keiichi Hasegawa
惠一 長谷川
Tsutomu Arai
勉 新井
Takahiro Kanai
孝博 金井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Home Appliance Co Ltd
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Home Appliance Co Ltd
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B6/00Heating by electric, magnetic or electromagnetic fields
    • H05B6/64Heating using microwaves
    • H05B6/6447Method of operation or details of the microwave heating apparatus related to the use of detectors or sensors
    • H05B6/645Method of operation or details of the microwave heating apparatus related to the use of detectors or sensors using temperature sensors
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B6/00Heating by electric, magnetic or electromagnetic fields
    • H05B6/64Heating using microwaves
    • H05B6/66Circuits

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Electric Ovens (AREA)
  • Control Of High-Frequency Heating Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で食品の加熱状況を効率的かつ高
い信頼性で検出できる手段を提供し、またこの手段を用
いた使い易い各種の制御機能を有する電子レンジを提供
すること。 【解決手段】 被加熱物である食品14を収容する加熱
室13と、加熱室内の被加熱物である食品14を加熱す
るマイクロ波発生手段であるマグネトロン10と、マグ
ネトロンに冷却風を送る冷却ファンであるファンモータ
11と、冷却風の一部を加熱室内に導びく吸気部15
と、加熱室内の気体を加熱室外に排出する排気部18
と、加熱室内の食品より放出される気体に接するように
設けられたサーミスタ素子センサ1と、サーミスタ素子
センサの抵抗値に基づく信号の交流成分の大きさをもと
にマグネトロンに対して電力供給・遮断制御してなる制
御手段9とを備えてなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品の加熱に応じ
て食品から発生する気体の状態を検知して、制御を行う
サーミスタ素子センサ付きの電子レンジに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、電子レンジ内において加熱される
食品の加熱状況を検知して、電子レンジを制御するため
に種々の方法が講じられてきた。食品の加熱状況を知る
最も直接的で正確な方法は、温度計測用の温度プローブ
を食品に挿入して、食品の温度を直接に計測する方法で
ある。しかしながら、温度プローブで直接に食品の温度
を計測する方法は、温度プローブを食品に挿入する行為
そのものが面倒である上に、通常、食品の加熱を均一に
するために食品皿を回転させる構成を持つ電子レンジに
おいては、電子レンジ本体とリード線で接続される温度
プローブを用いることは事実上不可能であるため、電子
レンジにおいて温度プローブを用いた実用例は寡聞にし
て知らない。
【0003】食品に接触せずに食品の表面温度を知る方
法としては、例えば特開平7−91667号公報に開示
された食品の表面輻射を利用して温度を計測する輻射温
度計が有る。しかしながら、輻射温度計で食品の表面温
度を正確に計測するには種々の制約が存在するため、家
庭内で使用する電子レンジにおいて輻射温度計を用いて
も正確な計測を期すことはできないと信ぜられる。制約
の1つは、輻射温度計に入光する輻射光は全て食品から
輻射されたものであることが要求されることである。こ
れは輻射温度計の入光視野の全てを食品が占めるように
食品を正確に配置しなければならないことを意味し、蓋
付きの容器内に食品を入れて電子レンジで加熱するなど
は論外の行為となる。制約の2つ目は、輻射率の問題で
ある。輻射率は全く光を反射しない黒体において1と
し、完全な光の反射体において0とする係数である。な
お、輻射率を1より減じたものを反射率と称している。
輻射温度計には食品の温度に応じた輻射エネルギーに輻
射率を乗じたものと、食品の周囲(実質的には周囲の
壁)の温度に応じた輻射エネルギーに反射率を乗じたも
のとが、全輻射エネルギーとして入光する。輻射温度計
は入光した全輻射エネルギーから食品の温度を算出する
ことになるが、この計算には食品の輻射率と周囲の壁の
温度が概知であることが必要なことは既に明らかであ
る。電子レンジにおいて、食品の輻射率(ないし反射
率)と周囲の壁面の温度ないし温度分布を事前に知るこ
とは事実上不可能と言えるので、電子レンジにおける輻
射温度計による食品の表面温度の計測に正確さを期すこ
とはできない。
【0004】電子レンジの加熱室内の温度や排気温度を
計測することで食品の加熱状況を検知して、電子レンジ
を制御する方法も、例えば特開昭52−11546号公
報や特開昭60−218793号公報に開示されてい
る。しかしながら、かかる方法において、加熱室内温度
や排気温度は食品の温度により一義的に決定されるもの
ではなく、マイクロ波を吸収して加熱される加熱室壁面
温度や加熱室内への吸気温度の影響を強く受けるもので
あることを考慮すれば、加熱室内温度や排気温度が所定
値に達したことや温度上昇値が所定値に達したことで、
食品の温度が所定値に達したと判断できないことは明白
である。例えば、食品の温度が100℃に達したことを
排気温度が70℃に達したことで検知するように構成さ
れた電子レンジにおいて、加熱室が70℃以上の温度に
あるとき食品を加熱室内において加熱すれば、食品の温
度の如何に係わらず短時間で排気温度は70℃に達する
であろうことは明白であることからも察せられるであろ
う。以上の如く、加熱室内の温度や排気温度の計測は、
食品の加熱状況を知る副次的な情報とはなり得ても、電
子レンジを直接に制御するに足る情報とはなり得ないも
のである。
【0005】現在において、食品の加熱状況を検知する
最も適当とされる方法は、食品が水の沸騰点まで加熱さ
れると食品内の水分が沸騰して、多量の水分が食品外に
放出されるのを加熱室内の空気の湿度上昇として検出す
る方法であるとされている。湿度上昇を検出する方法
は、食品が加圧容器の如き気密性の容器に入れられて加
熱されるようなことが生じない限り、食品の温度と湿度
上昇の相関性は保たれるので優れた方法と言える。湿度
を計測するセンサとしては相対湿度センサと絶対湿度セ
ンサの2種のセンサが知られており、これらのセンサを
用いた従来例を以下に述べる。
【0006】例えば特開昭53−77365号公報に開
示されている相対湿度センサを用いた電子レンジは、図
69に示すように、相対湿度センサ52の抵抗値変化を
交流基準電圧源53の電圧を抵抗3とで分圧することに
より検知して電子レンジを制御している。相対湿度セン
サ52は金属酸化物の焼結体にイオン化物質を含浸せし
めたものであり、水分の吸収によりイオンの伝導度が変
化することで抵抗値が変化するものである。したがっ
て、相対湿度センサ52は電解作用による特性変化を生
じせしめないため、交流電圧を印加する必要があり、ま
た、検知素子の結晶粒界現象を利用しているので、検知
精度を確保するためや粒界の目詰まりを防止するため
に、ヒータにより保温したり、定期的にヒータで汚れを
焼き切るなど、保守面で種々の工夫がなされていた。
【0007】また、例えば特開昭59−115918号
公報に開示されている絶対湿度センサを用いた電子レン
ジは、図70に示すように、絶対湿度センサ54の2個
のサーミスタR1 ,R2 と2個の抵抗R3 ,R4 で構成
したブリッジBに制限抵抗R5 を介して直流基準電源2
より電流を供給し、ブリッジBの出力を差動増幅器55
により得て電子レンジを制御している。絶対湿度センサ
55はビード形サーミスタを金属容器内に封止したもの
を2個連接した構成をしており、一方のサーミスタR1
を封止した金属容器には開孔を設けて外気がサーミスタ
1 に触れるようにし、他方のサーミスタR2 を封止し
た金属容器内は乾燥した空気が封止された構成を有す
る。絶対湿度センサ55が湿度を検出する原理は、水分
を含む空気は含まれる水分の量に比例して熱伝導度が大
きくなることを利用したものである。2個のサーミスタ
1 ,R2 は、制限抵抗R5 を介して直流基準電源2よ
り電流を供給されることで200℃程度に自己加熱され
て、この時の温度で定まる抵抗値R1 ,R2を有してい
る。ブリッジBを構成する抵抗R3 ,R4 は、R1 ・R
4 =R2 ・R3 となるように厳密に設定されてブリッジ
Bの出力が零となるようにバランスを保っている。今、
水分を含む空気が一方のサーミスタR1 を封止した金属
容器内に侵入して、一方のサーミスタR1 を封止した金
属容器内の熱伝導度が大きくなったとすると、他方のサ
ーミスタR2 を封止した金属容器内の熱伝導度は変化し
ていないので、一方のサーミスタR1 だけが冷却されて
抵抗値を増加させることになる。したがって、ブリッジ
Bのバランスは崩れて出力電圧を生じることになる。以
上の如く、金属容器内に封止された自己加熱されたサー
ミスタにおいて、金属容器内の熱伝導度が変化すること
で金属容器を介して放熱冷却される度合いが変化すると
いう物理現象を利用しているので、相対湿度センサにお
けるが如き、イオン分極を生じさせないための交流基準
電源を必要とせず、ヒータにより保温したり、定期的に
ヒータで汚れを焼き切るなどの保守作業を必要とはしな
い。しかし、熱伝導度の変化によって生じるサーミスタ
1 の抵抗変化は極めて小さいので、既に述べた如くブ
リッジBの抵抗バランスは極めて厳密に調整されている
ことが必要であり、現実の使用に際しては、自動的にブ
リッジBの抵抗バランスを調整したり、あるいは、絶対
的な出力レベルではなく相対的な出力レベルの増加量に
よって検出するなどのブリッジBの不平衡を除去する工
夫が必要であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の相対
湿度センサを用いる方式においては、電解作用による特
性の変化を生じさせないために複雑な構成を要する交流
基準電圧源を用いざるを得ず、かつ、粒界の目詰まりを
防ぐためにヒータで保温したり定期的にヒータで汚れを
焼き切るなどの保守を行える構成を必要とするなど、セ
ンサの周辺回路構成が複雑化する問題があった。絶対湿
度センサを用いる方式においては上記の問題は生じない
ものの、サーミスタ素子を金属容器内に封止しなければ
ならないなどの製造工程の複雑化が避けられず、また、
極めて厳密性を要求されるブリッジ回路のバランスを保
つためには厳密な調整工程ないし、センサ周辺回路構成
が複雑化する自動バランス調整構成が必要となるなどの
問題があった。
【0009】この発明は上記の問題点を解消するために
なされたもので、簡単な構成で食品の加熱状況を検出で
きる手段を提供することを目的としており、さらに食品
の加熱状況を効率的かつ高い信頼性で検出できる手段を
提供することを目的としており、さらにこの手段を用い
た使い易い各種の制御機能を有する電子レンジを提供す
ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1におい
ては、電子レンジは被加熱物を収容する加熱室と、加熱
室内の被加熱物を加熱するマイクロ波発生手段と、マイ
クロ波発生手段に冷却風を送る冷却ファンと、冷却風の
一部を加熱室内に導びく吸気部と、加熱室内の気体を加
熱室外に排出する排気部と、加熱室内の被加熱物より放
出される気体に接するように設けられたサーミスタ素子
センサと、サーミスタ素子センサの抵抗値に基づく信号
の交流成分の大きさをもとに前記マイクロ波発生手段に
対して電力供給・遮断制御してなる制御手段とを備えて
なるものである。
【0011】本発明の請求項2においては、電子レンジ
の制御手段はサーミスタ素子センサが検出した信号の交
流成分を増幅する交流増幅器と、予め定められた沸騰状
態を検出するための基準電圧を設定する電圧設定手段
と、交流増幅器の出力電圧と電圧設定手段の基準電圧と
を比較し、交流増幅器の出力電圧が基準電圧より大きい
ときに電力供給遮断信号を出力する比較手段と、電力供
給信号を出力する始動スイッチと、始動スイッチの電力
供給信号を受けて前記マイクロ波発生手段に電力を供給
し、比較手段より電力供給遮断信号を受けて前記マイク
ロ波発生手段への電力の供給を遮断する駆動手段とを備
えてなるものである。
【0012】本発明の請求項3においては、サーミスタ
素子センサは、ガラスコートされたビード形サーミスタ
素子であり、ガラスコートされた一端を被加熱物より放
出される気体に加熱室内で又は加熱室から外部に通じる
経路で接触せしめるとともに、ガラスコートされたリー
ド引出部を含む他端を前記加熱室外の空気に晒されるよ
う露出させて取付けられている。本発明の請求項4にお
いては、サーミスタ素子センサは加熱室のマイクロ波発
生手段により生じる電界の強度が弱くなる隅部近傍に配
設されている。本発明の請求項5においては、サーミス
タ素子センサは、加熱室のマイクロ波発生手段が設けら
れた側壁に配設されている。本発明の請求項6において
は、サーミスタ素子センサは、加熱室に設けられ加熱室
内の気体を加熱室外に吸引する吸引部に配設されると共
に、サーミスタ素子センサと吸引部は前記冷却ファンに
より生じる冷却風で冷却されるようにしている。
【0013】本発明の請求項7においては、電子レンジ
の制御手段の交流増幅器は5Hzより低い遮断周波数の
ローパス特性を有している。本発明の請求項8において
は、制御手段の交流増幅器は、繰り返し周期の短い波形
の入力に対して大きい平均出力を出力し、単発的な繰り
返し周期の長い波形の入力に対しては小さい平均出力を
出力する充電時定数より長い放電時定数を持つ積分器を
有するものである。
【0014】本発明の請求項9においては、電子レンジ
の制御手段は、所定の設定時間を設定する時間設定手段
と、始動スイッチにより時間設定手段で設定された設定
時間の計測を開始し、且つ電圧設定手段に基準電圧を被
加熱物の沸騰状態での交流増幅器の最大出力電圧より以
上の電圧に設定させる基準電圧指令を出力し、設定時間
を越えたときに電圧設定手段の基準電圧を被加熱物の沸
騰状態での交流増幅器の最大出力電圧より以上の電圧か
ら所定の設定電圧にする基準電圧指令を出力するタイマ
手段とを有し、電圧設定手段はタイマ手段からの基準電
圧指令に基づき基準電圧を被加熱物の沸騰状態での交流
増幅器の最大出力電圧より以上の電圧又は所定の設定電
圧に設定するものである。
【0015】本発明の請求項10においては、電子レン
ジの制御手段の駆動手段は、所定の設定時間を設定する
時間設定手段と、サーミスタ素子センサと交流増幅器と
の間、交流増幅器と比較手段の間又は比較手段と駆動手
段との間のいずれかに設けられ、開成信号を受けている
ときに開成し、閉成信号を受けているときに閉成するス
イッチ手段と、始動スイッチにより時間設定手段で設定
された設定時間の計測を開始し、且つスイッチ手段に開
成信号を出力し、設定時間を越えたときに閉成信号を出
力するタイマ手段とを有するものである。
【0016】本発明の請求項11においては、電子レン
ジの制御手段の駆動手段は、始動スイッチの電力供給信
号を受けてマイクロ波発生手段に対しては所定時間遅延
してから電力を供給させる遅延手段を有するものであ
る。本発明の請求項12においては、電子レンジの制御
手段の駆動手段は、比較手段より電力供給遮断信号を受
けて冷却ファンに対しては所定時間遅延してから電力の
供給を遮断する遅延手段を有するものである。
【0017】本発明の請求項13においては、電子レン
ジの制御手段は、始動スイッチの電力供給信号を受けて
から比較手段より電力供給遮断信号を受けるまでの被加
熱物の沸騰までの時間を計測し、その計測時間に所定の
倍率を掛けた延長時間を定める時間設定手段と、時間設
定手段により設定された延長時間を取り込み、比較手段
からの電力供給遮断信号を受けたときから該延長時間を
カウントし、該延長時間のカウント終了後に駆動手段に
電力供給遮断信号を出力するタイマ手段を有するもので
ある。
【0018】本発明の請求項14においては、電子レン
ジは更に、加熱室内で被加熱物を収容保持する食品皿
と、食品皿に連接され前記被加熱物の重量を計測する重
量センサとを備え、制御手段は重量センサの計測した重
量に対応した所定の加熱時間を設定する時間設定手段
と、始動スイッチの電力供給信号を受けたときから時間
設定手段により定められた所定の加熱時間をカウント
し、該加熱時間のカウント終了後に駆動手段に電力供給
遮断信号を出力するタイマ手段とを有し、駆動手段は比
較手段からの電力供給遮断信号とタイマ手段からの電力
供給遮断信号のいずれかの信号を受けてマイクロ波発生
手段への電力の供給を遮断するものである。
【0019】本発明の請求項15においては、電子レン
ジの制御手段は、サーミスタ素子センサの抵抗値に基づ
く信号の交流成分を除去し直流成分を通過させる積分器
を備え、電圧設定手段は積分器を介して得られた直流成
分の大きさに基づく所定の基準電圧を設定するものであ
る。
【0020】本発明の請求項16においては、電子レン
ジの制御手段は、サーミスタ素子センサの抵抗値に基づ
く信号の交流成分を除去し直流成分を通過させる積分器
と、所定の高温状態を検出するための所定の高温基準電
圧を設定する高温電圧設定手段と、積分器を介して得ら
れた直流成分の大きさと高温電圧設定手段の高温基準電
圧とを比較し、積分器を介して得られた直流成分の大き
さが高温基準電圧より大きいときに始動禁止信号を出力
する高温比較手段とを有し、駆動手段は始動スイッチの
電力供給信号を受けてマイクロ波発生手段に電力を供給
し、比較手段からの電力供給遮断信号を受けてマイクロ
波発生手段への電力の供給を遮断し、高温比較手段から
の始動禁止信号を受けてその後に始動スイッチの電力供
給信号を受けてもマイクロ波発生手段への電力の供給を
禁止し、始動スイッチの電力供給信号を受けた後に高温
比較手段からの始動禁止信号を受けてもマイクロ波発生
手段への電力の供給を続行するものである。本発明の請
求項17においては、電子レンジの制御手段は、始動ス
イッチの電力供給信号と高温比較手段からの始動禁止信
号とを受けて警報を発する報知手段とを備えてなるもの
である。
【0021】本発明の請求項18においては、電子レン
ジの制御手段は、サーミスタ素子センサの抵抗値に基づ
く信号の交流成分を除去し直流成分を通過させる積分器
と、所定の高温状態を検出するための所定の高温基準電
圧を設定する高温電圧設定手段と、積分器を介して得ら
れる直流成分の大きさと高温電圧設定手段の高温基準電
圧とを比較し、積分器を介して得られる直流成分の大き
さが高温基準電圧より大きいときに切替信号を出力する
高温比較手段とを有し、電圧設定手段は高温比較手段か
らの切替信号を受けたときに基準電圧を所定の設定電圧
から被加熱物の沸騰状態での交流増幅器の最大出力電圧
より以上の電圧に切替えるものである。
【0022】本発明の請求項19においては、電子レン
ジの制御手段は、サーミスタ素子センサの抵抗値に基づ
く信号の交流成分を除去し直流成分を通過させる積分器
と、所定の高温状態を検出するための所定の高温基準電
圧を設定する高温電圧設定手段と、積分器を介して得ら
れる直流成分の大きさと高温電圧設定手段の高温基準電
圧とを比較し、積分器を介して得られる直流成分の大き
さが高温基準電圧より大きいときに切替信号を出力する
高温比較手段と、サーミスタ素子センサと交流増幅器と
の間、交流増幅器と前記比較手段の間、又は比較手段と
駆動手段との間のいずれかに設けられ、常時は閉成し、
切替信号を受けているときのみ開成するスイッチ手段と
を有するものである。
【0023】本発明の請求項20においては、電子レン
ジの制御手段は、サーミスタ素子センサの抵抗値に基づ
く信号の交流成分を除去し直流成分を通過させる積分器
と、少なくとも一つの所定の室温基準電圧を設定する室
温電圧設定手段と、積分器を介して得られた直流成分の
大きさと室温電圧設定手段の少なくとも一つの室温基準
電圧とを比較し、積分器を介して得られた直流成分の大
きさが室温基準電圧より大きいときに各々の切替信号を
出力する室温比較手段とを有し、時間設定手段は室温比
較手段からの各々の切替信号を受けたときに加熱時間を
所定の設定時間から加熱室内の温度に対応した各重量に
応じた各々所定の加熱時間に切替えるものである。
【0024】本発明の請求項21においては、電子レン
ジは更に、加熱室内の気体を加熱するヒータ加熱手段と
ヒータ加熱手段を制御するヒータ加熱制御手段とを備
え、ヒータ加熱制御手段は、サーミスタ素子センサの抵
抗値に基づく信号の交流成分を除去し直流成分を通過さ
せる積分器と、所望の温度基準電圧を設定する温度設定
手段と、積分器を介して得られた直流成分の大きさと温
度設定手段の温度基準電圧とを比較し、積分器を介して
得られた直流成分の大きさが温度基準電圧より小さいと
きに第2の電力供給信号を出力する温度比較手段と、第
1の電力供給信号を出力するオーブン始動スイッチと、
所望の加熱時間を設定する時間設定手段と、オーブン始
動スイッチの第1の電力供給信号により時間設定手段で
設定された加熱時間の計測を開始し、加熱時間を越えた
ときに電力供給遮断信号を出力するタイマ手段と、第1
の電力供給信号が出てからタイマ手段の電力供給遮断信
号が出るまでの間は温度比較手段の第2の電力供給信号
を受けているときのみにヒータ加熱手段に電力を供給
し、タイマ手段より電力供給遮断信号を受けるとヒータ
加熱手段への電力の供給を遮断するヒータ駆動手段とを
備えてなるものである。
【0025】
【発明の実施の形態】 実施の形態1.図1は本発明の実施の形態1の電子レン
ジを示す構成図である。図1において、サーミスタ素子
センサ1は温度に対応した抵抗値で直流基準電源2の電
圧Eを抵抗3と分圧することで出力VTHを得ている。サ
ーミスタ素子センサ1の出力VTHは交流成分を増幅する
交流増幅器4と、交流増幅器4の出力と電圧設定手段5
により予め定められた沸騰状態を検出するための基準電
圧ΔVTとの比較をする比較手段6と、始動スイッチ7
と、始動スイッチ7及び比較手段6により電力の供給遮
断を制御する駆動手段8とよりなる制御手段9で処理さ
れる。制御手段9はマグネトロンであるマイクロ波発生
手段10及びファンモータで駆動される冷却ファン11
を電力の供給遮断を行うことで制御する。
【0026】加熱室13内には食品14が配され、マイ
クロ波発生手段10を冷却ファン11で冷却した冷却風
の1部は吸気部15を介して加熱室13内に導びかれ
る。冷却風の一部を実矢線16で、食品14より放出さ
れる水分等を含む気体を点矢線17で示している。冷却
風16と食品14より放出される水分等を含む気体17
は排気部18を通って加熱室13から外部に排出され
る。排気部18にサーミスタ素子センサ1は取付けら
れ、食品14より放出される水分等を含む気体17に接
している。図2は本発明の電子レンジの縦断面図であ
る。マイクロ波発生手段10は電波出力500Wで、マ
イクロ波は加熱室13の側部に設けられた導波部19を
介して加熱室13に供給され、食品皿20がモータ21
で回転駆動される構成をとるものである。
【0027】次に、図1の本発明の実施の形態1の電子
レンジの動作について説明する。始動スイッチ7を押下
すると、電力供給信号が駆動手段8に入力され、駆動手
段8はマイクロ波発生手段10と冷却ファン11を駆動
する。この状態において、電子レンジの制御手段9の交
流増幅器4がサーミスタ素子センサ1の抵抗値に基づく
信号VTHの交流成分を増幅し、比較手段6が交流増幅器
4の出力電圧と電圧設定手段5の基準電圧ΔVT とを比
較し、交流増幅器4の出力電圧が沸騰状態を検出するた
めの基準電圧ΔVT より大きいときに電力供給遮断信号
を駆動手段8に出力し、駆動手段8は比較手段6より電
力供給遮断信号を受けてマイクロ波発生手段10及び冷
却ファン11への電力の供給を遮断する。このように、
制御手段9は加熱室13内の被加熱物である食品の加熱
の進捗に伴いマイクロ波発生手段10等に対して電力供
給・遮断制御する。従って極めて簡易な構成で、食品の
加熱状況検知機能付きの電子レンジが実現できる。
【0028】図3は本発明のサーミスタ素子センサの斜
視図、図4は図3のサーミスタ素子センサの取付状態を
示す断面図である。サーミスタ素子センサ1は2本のリ
ード線22,22に挾持されたサーミスタ素子23がガ
ラスコート部24によりモールドされ、2本のリード線
22,22はガラスコート部24に固着して設けられた
碍石部25を貫通して引出されている。碍石部25は基
板26を貫通して配設され、碍石部25の端部は基板2
6と接着剤27で固着されている。このように構成され
たサーミスタ素子センサ1は基板26に明けられた穴2
8,28を用いて排気部18の壁29を貫通してネジ3
0,30により壁29に取付けられる。
【0029】したがって、サーミスタ素子センサ1は排
気流として排気部18より加熱室13より排出される食
品より放出される水分を含む気体17にサーミスタ素子
23をモールドしたガラスコート部24が接するように
設けられ、リード線22,22は加熱室13の外部の空
気に接するように設けられる構成となるので、サーミス
タ素子センサ1は高温多湿の悪影響に耐えることがで
き、食品より放出される水分等を含む気体17により生
じる温度の変化を鋭敏に検出できると共に、リード線2
2,22は加熱室13内の高温かつ多量の水分等を含む
気体に接することがないので、湿度によるリード線2
2,22間の絶縁の低下も生じることがなく信頼性の高
いセンサを得ることができる。また、リード線22,2
2は加熱室13外の空気に触れて冷却されるために排気
流が高温化しても出力が低下することを防止できる。
【0030】図5、図6は本発明の電子レンジの他のサ
ーミスタ素子センサの斜視図と取付状態を示す断面図で
ある。サーミスタ素子センサ1は基板26に設けられた
突出部31を碍石部25が貫通して配設され、突出部3
1内において碍石部25の端部が基板26に接着剤27
で固着され、突出部31が排気部18の壁29を貫通し
て取付けられる構成である。したがって、碍石部25は
強固に基板26に固着されると共に加熱室18の壁29
に直接に接することがないので取付け時に碍石部25に
応力が加わり破損することがなく、基板26からの突出
高さも高くなるので、排気流の中心にサーミスタ素子2
3をモールドするガラスコート部24を配設することが
できる。
【0031】図7はサーミスタ素子センサの出力信号の
波形図及び周波数分析図で、出力信号と雑音についての
データ例を示したものであり、図7の(a)には加熱室
13内で水が沸騰する直前の信号波形例を示し、図7の
(b)には水が沸騰しているときの信号波形例を示して
いる。図7の(c)には、これらの波形をスペクトラム
分析した結果例を示し、図7の(c)における(イ)は
加熱室13内の水が沸騰した場合、(ロ)は沸騰直前の
場合、(ハ)は加熱を開始した直後の場合である。サー
ミスタ素子センサ1に水分を含む温かい風が当ることに
より10Hz以下の周波数帯で大きな信号が出ているこ
とが判る。(イ)と(ロ)の差は約15dBV2 (約3
0倍)、信号のレベルは数mVの電圧である。雑音レベ
ルである(ハ)との差は約40dBV2 (約1万倍)に
も達しているので電子レンジ内の電磁騒音等の雑音レベ
ルに影響されることなく電子レンジを制御することがで
きる。
【0032】なお、本発明におけるサーミスタ素子セン
サ1により、水の沸騰が検出されるメカニズムは、沸騰
により大量に加熱室13内に放出された水蒸気は加熱室
13内の空気と混ることで加熱室13内の空気を暖める
と共に自身は凝固して、所謂湯気状になり、加熱室13
内の空気は温度と熱量の分布が不均一な状態となってサ
ーミスタ素子センサ1に接することになり、サーミスタ
素子センサ1は温度と熱量の分布が不均一な水蒸気を含
む空気が触れることで時系列的に温度変化を受け、本質
的に温度センサであるサーミスタ素子センサ1は時系列
的な抵抗値変化を生じて出力VTHも時系列的に変化する
ものである。
【0033】以上の如き検出メカニズムから引出される
結論の1つはサーミスタ素子センサ1の温度及びサーミ
スタ素子センサ1の周辺の温度を低く保ってやれば、水
蒸気の凝固が促進されてサーミスタ素子センサ1に触れ
る空気の温度と熱量の分布がより不均一となると共に、
サーミスタ素子センサ1に授与される熱量が大きく、し
たがって、温度変化が大きくなり、水の沸騰を鋭敏に検
出できるようになると言うことである。この結論に従っ
た他の実施の形態は後述する。
【0034】以上の如く、本発明の実施の形態1におい
ては、電子レンジにおける加熱室13内の被加熱物であ
る食品の加熱の進捗に伴いマイクロ波発生手段10に対
して電力供給・遮断制御する制御手段9に加熱室13内
の食品より放出される気体12に接するように設けられ
たサーミスタ素子センサ1の抵抗値に基づく信号の交流
成分が入力されるようにしたので、相対湿度センサを用
いたものにおいての如く、電解作用を避けるために複雑
な回路構成を要する交流基準電圧源を要したり、検知素
子の粒界の目詰まりを防止するために、ヒータにより保
温したり定期的にヒータで汚れを焼き切るなどの保守面
での多くの複雑な工夫を要することが不要となる。ま
た、絶対湿度センサを用いたものにおいての如く、複雑
な製造工程を要する金属容器に封止されたサーミスタ素
子を要したり、極めて厳密性を要する検出ブリッジ回路
のバランス調整工程を要するか、ないしは複雑な回路構
成を要する自動バランス調整回路の構成を要することも
不要となるものである。
【0035】図8は本発明の実施の形態1の電子レンジ
の制御手段の具体的な回路図であり、リレーやトランジ
スタ、演算増幅器A1 〜A3 、フィリップ・フロップ回
路、ダイオード及び抵抗コンデンサ等の組合わせにより
構成されている。交流増幅器4は微分器401と演算増
幅器A1 等からなる積分増幅部402の組合せにより約
3.2Hzの中心周波数と約3.2Hzの帯域幅を周波
数特性として持たせて有る。即ち、交流増幅器4は5H
zより低い遮断周波数のローパス特性を有する。さらに
整流要素403aを有する微分器403を介して演算増
幅器A2 からなる正相増幅部404に接続することで回
路の接地電位より正の出力を得るよう構成している。演
算増幅器A3 の比較手段6は電圧設定手段5により予め
設定された基準電圧ΔVT よりも交流増幅器4の出力が
大きくなったときに演算増幅器A3 の出力の状態を反転
させるよう構成されている。駆動手段8は始動スイッチ
7が押されたことを内含するラッチ手段であるフィリッ
プ・フロップ回路801をセットすることでラッチ記憶
し、比較手段6の出力の状態が反転したときにフィリッ
プ・フロップ回路801をリセットすることで、フィリ
ップ・フロップ回路801がセット状態に有る間だけト
ランジスタ802を介してリレー803の接点を駆動し
てマイクロ波発生手段10及び冷却ファン11に商用電
源32より電力を供給して駆動制御するよう構成されて
いる。
【0036】図9は図8の制御手段中の交流増幅器の出
力信号の波形図及び拡大波形図であり、図9の(a)は
水400ccを加熱した場合の波形であり、図9の
(b)は(a)の波形を時間的に拡大したものである。
図10は図8の制御手段中の交流増幅器に代わる別の第
1の形態を示す回路図で、単電源演算増幅器A1 ,A2
を用い、単電源演算増幅器A1 ,A2 の電源を直流基準
電源2より供給するように交流増幅器4を構成した回路
例を示す。この実施の形態によれば、積分増幅部402
と正相増幅部404を接続する微分器403に整流要素
を与えなくとも、接地電位より負の電位が積分増幅部4
02、正相増幅部404の単電源演算増幅器A1 ,A2
の正相入力に与えられた場合は各々の単電源演算増幅器
1 ,A2 は接地電位で出力が飽和するので、交流増幅
器4の出力は常に接地電位より正の方向の出力が得ら
れ、図8に示した交流増幅器4と同一の特性をダイオー
ドで構成される整流要素403aを用いずに得ることが
できる。
【0037】図11は図10の交流増幅器の他の積分増
幅部402を示す回路図で、積分器402aと正相増幅
器402bの組合せで構成した回路例であり、図10に
おける積分増幅部と全く同一の特性を得ることができ
る。図12は図8の制御手段中の交流増幅器に代わる別
の第2の形態を示す回路図で、直流基準電源2より電源
を供給された単電源演算増幅器A1 ,A2 を用いて、単
電源演算増幅部A1 等からなるアクティブ・ハイパスフ
ィルタ部411と単電源演算増幅器A2 等からなるアク
ティブ・ローパスフィルタ部413を構成し、両者を微
分器412で接続することで、帯域周波数特性を持たし
た交流増幅器4の例であり、この交流増幅器4は遮断特
性が−6dB/OCT(周波数が倍に変化した時に出力
が0.5倍になる)となり、図8及び図10、図11で
の実施の形態における交流増幅器4の遮断特性−3dB
/OCT(周波数が倍に変化した時に出力が0.7倍に
なる)より鋭峻になるため、商用周波数の誘導を除去す
るのにより効果的である。
【0038】図13、図14は本発明の電子レンジの別
の第1の形態を示す縦断面図と横断面図である。図にお
いて、サーミスタ素子センサ1は加熱室13の隅部近傍
に加熱室13の壁面外部に接して設けられた椀状のセン
サホルダ33を外側より貫通して配設されており、セン
サホルダ33は加熱室13の壁面に開けられた通気孔3
4により内側の空気と加熱室13内の空気とが自在に流
通するよう構成されている。
【0039】食品14より放出される水分等を含む気体
17は吸気部15より加熱室13内に導入された冷却風
16と共に、吸気部15と概略水平方向の対角上に設け
られた排気部18より加熱室13外に排出されるが、食
品14より放出される気体の一部35は渦巻き状に生じ
る傍流に乗りセンサホルダ33の近傍まで接近して通気
孔34を通じてサーミスタ素子センサ1に接する。
【0040】図13及び図14に示す加熱室13の隅部
近傍は、導波部19を介してマイクロ波発生手段10よ
り加熱室13内に放射されるマイクロ波の電界強度が低
いため、加熱室13の壁面及び近傍の空気がマイクロ波
により加熱され難くなっており、また、食品14の加熱
に伴う最も高温の空気である排気流に直接に接すること
もないので、サーミスタ素子センサ1及びサーミスタ素
子センサ1の近傍の空気は低い温度に保たれる。従っ
て、より正確に食品の沸騰を検出できることになる。
【0041】さらに、図13及び図14に示す如く、サ
ーミスタ素子センサ1をマイクロ波発生手段10が配設
されている加熱室13の同一の側壁面に配設すれば、導
波部19より加熱室13内に放射されるマイクロ波はサ
ーミスタ素子センサ1の取付部位の近傍には到達し難く
なり、サーミスタ素子センサ1とその近傍の空気はより
低い温度に保たれることになると共に、マイクロ波発生
手段10を冷却する冷却ファン11が生じる冷却風によ
りサーミスタ素子センサ1及びセンサホルダ33を冷却
する構成も容易に成すことができるなどの効果を期すこ
とができる。
【0042】図15は本発明の電子レンジの別の第2の
形態を示す縦断面図である。サーミスタ素子センサ1は
加熱室13内の気体を冷却ファン11の吸引力により吸
引する吸引部36の冷却ファン11に近接した壁を貫通
して配置されている。食品14より放出された水分等を
含む気体の一部は吸引部36を介して吸引されて冷却風
16の一部となるので、サーミスタ素子センサ1は食品
14より放出される水分等を含む気体17に接すること
になる。
【0043】吸引部36は端部及びその近傍を冷却ファ
ン11に近接して設けてあるので、吸引部36の壁面及
び冷却ファン11に近接した吸引部36の壁面に配設さ
れたサーミスタ素子センサ1は冷却ファン11の吸気も
しくは送気により冷却され、低い温度に保たれる。従っ
て、サーミスタ素子1とその周辺の空気温度上昇は極め
て少くなり、より正確な食品の沸騰の検出ができる。
【0044】図16、図17は水100ccを順次取替
えながら沸騰させることを繰返した場合の沸騰時のサー
ミスタ素子センサの出力信号の最大出力波高(相対値)
とサーミスタ素子センサの出力VTHより求まる温度とを
各々、加熱室内の空気温度と対応させた特性を示すデー
タ例であり、図16、図17の(イ)はサーミスタ素子
センサ1を排気部18に配設した場合、(ロ)は加熱室
13の隅部に配設した場合、(ハ)は吸引部36に配設
した場合を示している。サーミスタ素子センサ1の温度
上昇が少いと出力波高の低下が生じ難くなる傾向が明白
に出ており、特に(ハ)の吸引部36に配設した場合で
はサーミスタ素子センサ1の温度が上昇しても波高値の
低下が生じておらず、食品14より放出された水分等を
含む気体を冷却することで水蒸気の凝縮現象が強く現わ
れ、温度と熱量の分布の不均一さがサーミスタ素子セン
サ1の温度上昇によりサーミスタ素子センサ1に授与さ
れる熱量の低下を上回わったものと考えられる。以上の
如く、サーミスタ素子センサ1及びサーミスタ素子セン
サ1の周辺を低い温度に保つために、加熱室13内にお
いてマイクロ波発生手段10により加熱され難い位置に
サーミスタ素子センサ1を配設すれば、サーミスタ素子
センサ1の交流出力が加熱室13の温度上昇に伴って減
少することを防止でき、さらに、サーミスタ素子センサ
1とその周辺を冷却すれば絶大な効果を得られることが
明白である。
【0045】食品を加熱する電子レンジにおいては加熱
された食品から油成分を始めとする様々な物質が放出飛
散し、これがサーミスタ素子センサ1に付着することで
サーミスタ素子センサ1の出力が変化することが予想さ
れるので、サーミスタ素子センサ1のガラスコート部2
4にガラスコート部24と概略同一の体積のシリコング
リスを塗布してサーミスタ素子センサ1の出力をスペク
トル分析した周波数分析図が図18である。図18にお
いて、(イ)は加熱室13内の水が沸騰した場合、
(ロ)は沸騰直前の場合、(ハ)は加熱を開始した直後
の場合である。図18の結果をサーミスタ素子センサ1
の初期状態である図7(c)の結果を比較すると5Hz
以下においては類似出力であるが、それ以上の周波数で
は図18の方が出力値が小さくなっている。
【0046】次に、サーミスタ素子センサ1の水の沸騰
時の出力を図8に示す約5Hzに遮断周波数を有し、5
Hz以下のローパス特性を有する交流増幅器4を用いて
増幅してスペクトル分析した結果を図19に示す。図に
おいて(イ)は初期状態のサーミスタ素子センサ1を用
いた場合、(ロ)はサーミスタ素子センサ1のガラス部
24にシリコングリスを塗布した場合である。図より明
らかなように5Hz以下のローパス特性を持つ交流増幅
器4を用いることにより、サーミスタ素子センサ1の初
期状態とシリコングリス塗布時で殆んど差の無い出力が
得られることになり、長期間の使用に際しての汚れに対
して安定した出力を得ることができる。図20は上記測
定に用いた図8の交流増幅器4の周波数特性を示してお
り、出力レベルを電力で表示しているので1.5dBV
2 だけ出力値が低下した点(出力値が0.7倍になった
点)が遮断周波数を示すことになる。この様な特性を持
つ交流増幅器4が通常商用周波数以上に周波数帯を有す
る電磁気的ノイズに対して有効な除去能力を有すること
は言うまでもないことであろう。
【0047】ところで、サーミスタ素子センサ1の出力
THは交流増幅器4を経て比較手段6で基準電位ΔVT
と比較されるよう構成されているのでノイズの様な偶発
的な出力に対しても応答してしまうことになる。この様
な偶発的な出力に対応するために比較手段6に十分に長
い時定数を持つ積分器を介して入力することが知られて
いる。ところが、十分に長い時定数を持つ積分器を用い
ると水の沸騰によりサーミスタ素子センサ1の出力が増
大しても比較器4が応答するまでに大きな遅れが生じる
ことになる。
【0048】この問題に対応するため図8に示した制御
手段中の整流要素403aを有する微分器403が積分
増幅部402と正相増幅部404の間に介在する交流増
幅器4において、整流要素403aを有する微分器40
3に続けて充電抵抗R1 と放電抵抗R2 を分けて設けた
積分器405を介在させるよう構成した例を図21に示
す。即ち、図21は図8の制御手段中の交流増幅器4に
代わる別の第3の形態を示す回路図である。図21の積
分器405は短い繰返し周期で入力する波形に対しては
大きい平均出力を出力し、単発的な繰返し周期の長い波
形の入力に対しては小さい平均出力を得るよう充電抵抗
1 より放電抵抗R2 は十分に大きく選ばれている。図
22は図21の交流増幅器の動作を説明するタイムチャ
ートであり、図22の(a)は従来の交流増幅器4の出
力波形例、(b)は従来の充放電時定数の等しい積分器
を用いた場合の交流増幅器4の出力波形例、(c)は本
発明の積分器405を用いた場合の交流増幅器4の出力
波形例である。図より明らかなように充電時定数より長
い放電時定数を持つ積分器405を有する交流増幅器4
を用いれば、大きな時間的遅れを伴うことなくノイズ等
の単発的な信号を吸収除去できると共に水の沸騰時に生
じる比較的短い繰返し周期を持つ信号を明確に抽出する
ことができるし、比較手段6がチャタリングを生じるこ
ともない。
【0049】図23は図21の交流増幅器4の微分器4
03と積分器405を組合せた他の形態を示す回路図
で、具体的には図21における微分器403の微分抵抗
1 と積分器405の充電抵抗R1 を共通化して回路構
成した例である。図23の回路は、コンデンサC1 で微
分された信号の正方向成分をコンデンサC2 に蓄積積分
する所謂チャージ・ポンプ回路406と呼ばれる回路で
ある。この回路は、図21における微分器403と積分
器405の組合せと全く等価の動作を行うので、チャー
ジ・ポンプ回路406を有する交流増幅器4を用いれ
ば、大きな時間的遅れを生じることなくノイズ等の単発
的な信号を吸収除去できると共に水の沸騰時に生じる比
較的短い繰返し周期を持つ信号を明確に抽出できるし、
比較手段6がチャタリングを生じることもない。
【0050】実施の形態2.図24は本発明の実施の形
態2の電子レンジを示す構成図である。図において、直
流基準電源2の電圧Eをサーミスタ素子センサ1の抵抗
値と抵抗3で分圧した電圧VTHは交流成分を増幅する交
流増幅器4と、交流増幅器4の出力と電圧設定手段5に
より定められた基準電圧ΔVT との比較をする比較手段
6と、始動スイッチ7と、比較手段6及び始動スイッチ
7により電力の供給遮断を制御する駆動手段8と、始動
スイッチ7により時間設定手段39で予め定めた設定時
間TBの計測を開始し、設定時間TB を越えたときに電
圧設定手段5の基準電圧ΔVTを変更させるタイマ手段
40とからなる制御手段9で処理される。制御手段9は
マイクロ波発生手段10及び冷却ファン11を電力の供
給遮断を行うことで制御する。
【0051】次に、図24の本発明の実施の形態2の電
子レンジの動作について説明する。電子レンジの始動時
において、タイマ手段40により所定の設定時間の間は
電圧設定手段5の基準電圧は食品の沸騰状態における交
流増幅器4の最大出力値以上の電圧値に設定され、所定
の設定時間の経過後は食品の沸騰状態を検出する所定値
に設定される。従って、加熱室13内が高温であって
も、設定時間中は比較手段6が電力供給遮断信号を駆動
手段8に出力することはないため、始動スイッチ7の押
下後に冷却ファン11の動作による急激な温度変化を検
出して誤停止することはなくなり、食品が沸騰して水分
を含む気体を放出して始めて停止制御される操作性のよ
い電子レンジが得られる。
【0052】図25は本発明の実施の形態2の制御手段
の具体的な回路図である。リレーやトランジスタTr1
〜Tr3 、単電源演算増幅器A1 〜A4 、フィリップ・
フロップ回路及び抵抗コンデンサの組合せにより構成さ
れている。交流増幅器4は、直流基準電源2より電源を
供給される単電源演算増幅器A1 ,A2 を用い微分器4
01と積分増幅部402を組合せた構成により、約3.
2Hzの中心周波数と約3.2Hzの帯域幅を有する周
波数特性と接地電位に対し正の波形のみを出力する整流
特性とを有している。単電源演算増幅器A3 である比較
手段6は電圧設定手段5により定められた基準電圧ΔV
T よりも交流増幅器4の出力が大きくなったときに単電
源演算増幅器A3 の出力の状態を反転させるよう構成さ
れている。駆動手段8は始動スイッチ7が押下されたこ
とを内含するフィリップ・フロップ回路801をセット
することでラッチ記憶し、比較手段6の出力状態が反転
したときにフィリップ・フロップ回路801をリセット
することで、フィリップ・フロップ回路801がセット
状態に有る間だけトランジスタ802を介してリレー8
03の接点を駆動してマイクロ波発生手段10及び冷却
ファン11に商用電源32より電力を供給して駆動制御
するよう構成されている。
【0053】タイマ手段39はトランジスタ40aと単
電源演算増幅器A4 等で構成され、始動スイッチ7が押
下されたときにトランジスタ40aを介してコンデンサ
Cを放電し、その後抵抗Rを通じて充電される電圧を時
間設定手段39により定められた設定時間TB に相当す
る電圧TB と比較することで始動スイッチ7が押下され
た後の設定時間TB 後にタイマ手段40の単電源演算増
幅器A4 の出力を反転させるよう構成されており、電圧
設定手段5はタイマ手段40が出力を反転させるまでの
間はトランジスタ50aが導通して基準電圧ΔVT を電
源電圧Eまで上昇させており、タイマ手段40が出力を
反転させて以降は所定の基準電圧に戻るよう構成されて
いる。なお、タイマ手段40の設定時間TB は通常30
秒程度が選らばれる。
【0054】図26に図25の制御手段の動作を説明す
るタイムチャートを示す。図26の(a)に示すように
電子レンジを連続して使用して加熱室13内が高温状態
に有る場合や、多量の水分を含む高温の空気が加熱室1
3内に残留している場合には、電子レンジが始動して冷
却ファン11が冷却風16を送り始めると冷却風16に
高温ないし多量の水分を含む高温の空気が混じった温度
分布ないし温度と熱量の分布が不均一な空気がサーミス
タ素子センサ1に接するようになり、あたかも水が沸騰
した時と同じ出力が交流増幅器4より出力され、この状
態は加熱室13内の空気が概略冷却風16と置き替わ
り、サーミスタ素子センサ1が接する排気流の温度と熱
量の分布が均一となるまで継続する。
【0055】図26の(b)は、上記の交流増幅器4の
出力が与えられたときの従来の制御手段9における比較
手段6の出力の状態を示しており、この様な状態におい
ては電子レンジは始動と同時に停止することが明らかで
ある。図26の(c)は、図25の設定手段5により定
められる設定電圧ΔVT を示しており、始動スイッチ7
が押下された後の設定時間TB の間は交流増幅器4の出
力が達し得ない電源電圧Eに保持され、その後、所定の
設定電圧に戻ることを示している。図26の(d)は、
上記の設定電圧を用いた比較手段6の出力状態を示して
おり、食品が沸騰を開始して始めて比較手段6の出力が
反転を繰返すことを示す。図26の(e)は駆動手段8
のリレー接点の状態を示しており、食品が沸騰を開始し
て始めてマイクロ波発生手段10への電力供給が停止す
ることを示している。
【0056】上記各図から理解できるように、連続して
使用される電子レンジの始動時における誤停止は、始動
スイッチ7の押下後の所定期間は比較手段6による駆動
手段8の制御を禁止せしめるタイマ手段40を用いるこ
とで防止でき、食品が沸騰して水分を含む気体を放出し
て始めて停止制御する操作性の良い電子レンジ制御手段
が構成できる。
【0057】図27、図28、図29、図30は、図2
5の制御手段中のタイマ手段に代わる別の第1、第2、
第3、第4の形態を示す回路図をそれぞれ示しており、
既に述べた図25におけるタイマ手段40がアナログ回
路で構成したのに対してディジタル回路で構成したもの
である。図27において、タイマ手段40は積算カウン
タ411、ディジタル比較器412、ラッチ手段である
フィリップ・フロップ回路413より構成され、時間設
定手段39はROMやディジタルスイッチ等のディジタ
ル記憶手段によりディジタル信号TB を記憶保持してい
る。積算カウンタ411は始動スイッチ7が押下される
とそれまでの計数値をリセットして所定のクロック信号
CLOCKの計数を開始し、ディジタル比較器412は
積算カウンタ411の計数値TA が所定の設定時間TB
を越えたときに既に始動スイッチ7を押下することでリ
セットされているフィリップ・フロップ回路413をセ
ットする。したがって、タイマ手段40は始動スイッチ
7が押下された後の所定の設定時間TB であるフィリッ
プ・フロップ回路413のリセット期間だけ電圧設定手
段5を制御して所定の基準電圧ΔVT を交流増幅器4の
出力電圧の達し得ない電圧である電源電圧Eに保持す
る。
【0058】図28は、図27におけるフィリップ・フ
ロップ回路413に替えて、インバートされた制御入力
端子を持つANDゲート回路である禁止ゲート414を
用いたものであり、積算カウンタ411の計数値TA
所定の設定時間TB を越えたときにディジタル比較器4
12が禁止ゲート414を介して積算カウンタへのクロ
ック信号CLOCKの入力を禁止して積算カウンタ41
1の計数を停止保持するよう構成したものである。ディ
ジタル比較器412は直接に電圧設定手段5を制御し
て、始動スイッチ7が押下された後の所定の設定時間T
B だけ基準電圧ΔVT を電源電圧Eに保持する。
【0059】図29は図28におけるディジタル比較器
を除いて構成したタイマ手段40を示しており、図にお
いて積算カウンタ411は時間設定手段39の設定時間
Bを始動スイッチ7が押下されたときに初期値として
取込み減数計数を行うものであり、積算カウンタ411
の内容がゼロ・カウントより減ずるときに出力する桁下
り信号BOにより禁止ゲート414を介してクロック信
号CLOCKの積算カウンタ411への入力を禁止して
積算カウンタ411の計数を停止保持するよう構成した
ものである。積算カウンタ411は桁下り信号BOによ
り直接に電圧設定手段5を制御して、始動スイッチ7が
押下された後の所定の設定時間TB だけ基準電圧ΔVT
を電源電圧Eに保持する。
【0060】図30は図29における積算カウンタ41
1を時間設定手段39の設定時間TB のデータを反転し
た信号即ち補数を初期値として取り込み加数計数させる
ように設定したものであり、積算カウンタ411がフル
・カウントより加数されるときに出力する桁上り信号C
Oにより禁止ゲート414を介してクロック信号CLO
CKの積算カウンタ411への入力を禁止して積算カウ
ンタ411の計数を停止保持させると共に、桁上り信号
COにより電圧設定手段5を制御して始動スイッチ7が
押下された後の所定時間TB だけ基準電圧ΔVT を電源
電圧Eに保持する。なお、補数は、2進化データの0,
1を反転させたものであるので、積算カウンタ411の
フル・カウントをTF とするなら設定時間TB の補数は
(TF −TB )となるので積算カウンタ411の初期値
を設定時間TB の補数(TF −TB)として積算カウン
タ411を加数計数させてフル・カウントTF に達する
に要する計数値はTB となり、図29での減数計数と計
数量における差異は生じない。
【0061】以上の如く、実施の形態2におけるタイマ
手段40は、アナログ的な時間計測手段であってもディ
ジタル的な計数手段で構成されても良く、またディジタ
ル的な計数手段においては加数計数させても減数計数さ
せても良く、その構成は任意に選ぶことができる。要
は、この実施の形態におけるタイマ手段40は始動スイ
ッチ7の押下後の所定時間は、所定の状態を保持し、始
動スイッチ7の押下後の所定時間の経過後は所定の状態
を反転させた状態を保持するものであれば、いかなる手
段で構成されても良いものである。
【0062】図31と図32は本発明の実施の形態2の
制御手段の別の第1、第2の形態をそれぞれ示すブロッ
ク図である。図31においては、交流増幅器4と比較手
段6の間にアナログスイッチなどを用いたスイッチ手段
41を設けてタイマー手段40により制御せしめ、始動
スイッチ7が押下された後の時間設定手段39により定
められた所定時間TB の間は交流増幅器4の出力が比較
手段6に入力されないように構成しており、図32にお
いてはスイッチ手段41を比較手段6と駆動手段8の間
に設けて比較手段8の出力が始動スイッチ7が押下され
た後の所定時間TB の間は駆動手段8に入力されないよ
うに構成してある。
【0063】また、スイッチ手段41を図32のように
交流増幅器4の入力側に設けて交流増幅器4にサーミス
タ素子センサ1の出力電圧VTHが入力されないように構
成することも可能なることも明白であり、タイマ手段4
0がサーミスタ素子センサ1の抵抗値に基づく信号の交
流成分によるマイクロ波発生手段10の停止制御を始動
スイッチ7の押下後の所定期間禁止できる構成であれ
ば、制御手段9の構成は任意に選ぶことができる。
【0064】図33は本発明の実施の形態2の制御手段
中の駆動手段に代わる別の第1の形態を示す回路図であ
り、駆動手段8はフィリップ・フロップ回路801によ
り第1の遅延手段804を介して制御され冷却ファン1
1への電力供給を制御する第1のリレー803aとフィ
リップ・フロップ回路801により第2の遅延手段80
5を介して制御されマイクロ波発生手段10への電力供
給を制御する第2のリレー803bより構成されてい
る。第1の遅延手段804はフィリップ・フロップ回路
801が冷却ファン11を停止制御する方向に動作した
時のみ遅れを生じるようにダイオート及び抵抗コンデン
サで構成されており、第2の遅延手段805はフィリッ
プ・フロップ回路801がマイクロ波発生手段10を始
動制御する方向に動作した時のみ遅れを生じるようにダ
イオード及び抵抗コンデンサで構成されている。
【0065】図33の駆動手段の動作を説明するタイム
チャートが図34であり、図において(a)はフィリッ
プ・フロップ回路801の状態を示しており、(b)は
第1のリレー803aの接点状態を示し、(c)は第2
のリレー803bの接点状態を示す。始動スイッチ7が
押下されるとフィリップ・フロップ回路801はリセッ
ト状態からセット状態に状態を反転させるが、このとき
第1のリレー803aは直ちに接点を閉じて冷却ファン
11は動作を開始する。一方、第2のリレー803bは
第2の遅延手段805により所定の遅れ時間T2 後に接
点を閉じてマイクロ波発生手段10は食品14の加熱を
開始する。食品14の加熱が進み、食品14より水分等
を含む気体が放出されるとサーミスタ素子センサ1の抵
抗値に基づく信号VTHの交流成分が増加して比較手段6
は状態を反転させてフィリップ・フロップ回路801を
リセットするが、このとき第2のリレー803bは直ち
に接点を開きマイクロ波発生手段10を停止して加熱を
終了させる。一方、第1のリレー803aは第1の遅延
手段804により所定の遅れ時間T1 の後に接点を開き
冷却ファン11を停止させる。
【0066】以上の如く、マイクロ波発生手段10によ
る加熱期間の前後にも冷却ファンの動作期間が存在する
ようにマイクロ波発生手段10と冷却ファン11は制御
されることになる。ところで、制御手段9は始動スイッ
チ7が押下された後の所定期間はサーミスタ素子センサ
1の抵抗値に基づく信号の交流成分による制御動作を禁
止するようにタイマ手段40が設けられている構成であ
るため、食品14の初期温度が高く、マイクロ波発生手
段10が加熱を開始した直後に食品14が沸騰状態とな
っても上記所定期間はマイクロ波発生手段10が停止す
ることはなく食品14が過加熱状態となることがあっ
た。
【0067】本実施の形態における駆動手段8は、マイ
クロ波発生手段10の始動する所定期間以前より冷却フ
ァン11を動作せしめて、加熱室13内に残留した高温
ないし多量の水分を含む高温の気体を加熱室13外に排
出しているので、マイクロ波発生手段10の始動直後よ
りサーミスタ素子センサ1の抵抗値に基づく信号の交流
成分による制御動作を行うことが可能となり、初期温度
の高い食品14が過加熱状態となることを防止できる。
【0068】また、駆動手段8は、マイクロ波発生手段
10が停止した後にも所定期間は冷却ファン11を動作
して、加熱室13内の多量の水分を含む気体を加熱室1
3外に排出すると共に、食品14を冷却せしめるので、
食品14を加熱室13より取出す際に食品14が沸騰状
態に有ることもなく、連続的な電子レンジの使用に際し
ても多量の水分を含む高温の気体が加熱室内に残留する
ことを防止できる。従って、繰返して電子レンジを使用
した場合でも残留した水蒸気により誤って食品が沸騰し
たと判断してしまうことが未然に防止できると共に、マ
イクロ波発生手段10が停止後に放熱手段を失って高温
度になることも防止できるので、マイクロ波発生手段1
0の寿命を延ばすことができるという効果を有する。
【0069】図35は図25の制御手段中の駆動手段に
代わる別の第2の形態を示す回路図で、図33の駆動手
段8における遅延手段804,805をディジタル回路
で構成した例である。図において第1の遅延手段804
は減数計数する第1の積算カウンタ811、インバータ
812、ORゲート813、インバートされた制御入力
端子を有するANDゲート814である禁止ゲート及び
ディジタル値である遅れ時間T1 を予め設定する時間設
定手段815よりなり、第2の遅延手段805は減数計
数する第2の積算カウンタ821、ANDゲート82
2、禁止ゲート823及びディジタル値である遅れ時間
2 を予め設定する時間設定手段825よりなってい
る。
【0070】第1の遅延手段804において第1の積算
カウンタ811は始動スイッチ7が押下されると、それ
まで桁下り信号を出力した状態で停止保持されている状
態から脱し、遅れ時間T1 を初期値として取込むが、こ
の時フィリップ・フロップ回路801も同時にセットさ
れているのでORゲート813と禁止ゲート814を介
してクロック信号CLOCKが第1の積算カウンタ81
1に入力されることを禁止しており、第1の積算カウン
タ811は停止したままである。比較手段6が状態を反
転させてフィリップ・フロップ回路801がリセットさ
れると第1の積算カウンタ811にはクロック信号CL
OCKが入力されて減数計数を開始し、ゼロ・カウント
より減ずるときに桁下り信号BOを出力する。桁下り信
号BOが出力されるとORゲート813を介して禁止ゲ
ート814によりクロック信号CLOCKの入力が禁止
されるので第1の積算カウンタ811は桁下り信号BO
が出力された状態で停止する。第1のリレー803aは
反転した桁下り信号BOによりトランジスタ802aを
介して制御されているので、始動スイッチ7が押された
後から比較手段6が反転して遅れ時間T1 が経過するま
での間だけ冷却ファン11に電力を供給する。
【0071】第2の遅延手段805における第2の積算
カウンタ821は始動スイッチ7が押下されると遅れ時
間T2 を初期値として取込み、所定のクロック信号CL
OCKにより減数計数を開始して、ゼロ・カウントより
減ずる時に桁下り信号BOを出力する。桁下り信号BO
が出力されると禁止ゲート824によりクロック信号C
LOCKの入力が禁止されるので、第2の積算カウンタ
821は桁下り信号BOを出力した状態のまま停止す
る。ANDゲート822は始動スイッチ7によりセット
されたフィリップ・フロップ回路801と桁下り信号B
Oの積によりトランジスタ802bを介して第2のリレ
ー803bを駆動しているので、第2のリレー803b
の接点を介して電力を供給されるマイクロ波発生手段1
0は、始動スイッチ7が押下された後の遅れ時間T2
から比較手段6が反転してフィリップ・フロップ回路8
01がリセットされるまでの間だけ動作することにな
る。
【0072】以上の如く遅延手段はアナログ的な積分手
段であってもディジタル的な計数手段であっても良く、
タイマ手段40の説明で既に述べた如く、ディジタル的
な計数手段にあっては、減数計数であっても加数計数で
あっても良く、又、ディジタル比較器の如き比較手段を
用いた構成であっても良いことは明らかであろう。ま
た、第1の実施の形態に示した他の実施の形態を第2の
実施の形態において実施しても同等の効果を奏すること
が明らかである。
【0073】実施の形態3.図36は本発明の実施の形
態3の電子レンジを示す構成図である。図において、直
流基準電源2の電圧Eをサーミスタ素子センサ1の抵抗
値と抵抗3で分圧した電圧VTHは交流成分を電圧増幅す
る交流増幅器4と、電圧設定手段5により予め定められ
た基準電圧ΔVT と交流増幅器4の出力を比較する比較
手段6と、始動スイッチ7によってリセットされ比較手
段6の反転を記憶保持するラッチ手段41と、始動スイ
ッチ7により第2のクロック信号CLOCK2の計数を
開始してラッチ手段41により計数を停止する時間設定
手段39と、時間設定手段39により計数された結果を
設定時間TB として取り込み、第1のクロック信号CL
OCK1による設定時間TB の計数をラッチ手段41に
より開始するタイマ手段40と、第1のクロック信号C
LOCK1を分周して第2のクロック信号CLOCK2
を作る分周手段42と、始動スイッチ7及びタイマ手段
40とにより電力の供給遮断を制御する駆動手段8より
なる制御手段9で処理される。制御手段9はマイクロ波
発生手段10及び冷却ファン11を電力の供給遮断を行
うことで制御する。
【0074】次に、図32の本発明の実施の形態3の電
子レンジの動作について説明する。始動スイッチ7を押
下すると、駆動手段8は電力供給信号を設けて、マイク
ロ波発生手段10及び冷却ファン11を駆動する。そし
て、食品が沸騰状態になると、比較手段6は電力供給遮
断信号をラッチ手段41に出力する。ラッチ手段41は
タイマ手段40と時間設定手段39にも電力供給遮断信
号を出力する。時間設定手段39は、始動スイッチ7の
電力供給信号を受けてから、ラッチ手段41より電力供
給遮断信号を受けるまでの食品の沸騰時間を計測し、そ
の計測時間に分周手段42による所定の分周率をかけた
所定の延長時間をタイマ手段40に出力する。タイマ手
段40はラッチ手段41から電力供給遮断信号を受けた
ときから、時間設定手段39の延長時間をカウントし、
該延長時間のカウント終了後に、駆動手段8に電力供給
遮断信号を出力するので、始動スイッチを押下し、比較
手段6が食品が沸騰状態になって、電力供給遮断信号を
出力してから、時間設定手段39により設定された所定
の延長時間の経過後にタイマ手段40が、駆動手段8に
電力供給遮断信号を出力して加熱を停止するため、例え
ば煮物等の沸騰状態を継続させる必要のある食品の調理
において適切な調理時間を与えることができる。
【0075】図37は本発明の実施の形態3の制御手段
の具体的な回路図である。リレーやトランジスタ、単電
源演算増幅器A1 〜A3 、フィリップ・フロップ回路、
分周カウンタ、積算カウンタ、ディジタル比較器、イン
バートされた制御入力端子を持つANDゲートである禁
止ゲート及び抵抗コンデンサなどの組合せにより構成さ
れている。交流増幅器4は直流基準電源2より電源を供
給される単電源演算増幅器A1 ,A2 を用い、微分器と
積分増幅部を組合せた構成により約3.2Hzの中心周
波数と約3.2Hzの帯域幅を有する周波数特性と接地
電位に対して正の波形のみを出力する整流特性を有して
いる。単電源演算増幅器A3 の比較手段6は電圧設定手
段5により定められた基準電圧ΔVT よりも交流増幅器
4の出力が大きくなったときに単電源演算増幅器A3
出力の状態を反転させるよう構成されている。フリップ
・フロップ回路であるラッチ手段41は始動スイッチ7
が押下されたときフィリップ・フロップ回路がリセット
され、比較手段6の出力が反転したときにフィリップ・
フロップ回路をセットして比較手段6の比較結果を保持
記憶するよう構成されている。
【0076】時間設定手段39は始動スイッチ7が押下
されると積算カウンタ329の内容をリセットし、ラッ
チ手段41がリセット状態にある間だけ禁止ゲート31
9を介して第2のクロック信号CLOCK2を積算カウ
ンタで計数することで始動スイッチ7が押されて加熱室
13内に配された食品14が沸騰するまでの時間に対応
する延長時間TB を定める。なお、食品14が沸騰して
交流増幅器4の出力が基準電圧ΔVT より大きくなり比
較手段6が反転してラッチ手段41がセット状態になる
と禁止ゲート319を介して第2のクロック信号CLO
CK2の入力が停止するので積算カウンタ329は計数
を停止し計数値は保持される。この保持された積算カウ
ンタ329の計数値が、延長時間TB となる。タイマ手
段40は、内含する積算カウンタ411をラッチ手段4
1がセットされることでリセット状態から開放して第1
のクロック信号CLOCK1による計数を開始させ、こ
の積算カウンタ411の計数値TA と延長時間TB とを
ディジタル比較器412で比較し、TA がTB を越える
ときに出力を出す。
【0077】一方、駆動手段8は内含するフィリップ・
フロップ回路801が始動スイッチ7の押下でセットさ
れ、タイマ手段40の出力によってリセットされてフィ
リップ・フロップ回路801がセットされている間だけ
リレー803の接点をトランジスタ802を介して駆動
してマイクロ波発生手段10及び冷却ファン11に商用
電源32より電力を供給するよう構成されている。ま
た、第2のクロック信号CLOCK2は分周カウンタよ
りなる分周手段42で第1のクロック信号CLOCK1
を所定の分周率で分周して得ている。なお、分周率は1
/4〜1/5程度が適当である。
【0078】以上の如く制御手段9は構成されているの
で、加熱室13内に配された食品14は沸騰するまでの
時間に所定の倍率を掛けた延長時間だけ加熱時間が延長
されるので、煮物等の沸騰状態を継続させる必要のある
調理において適切な調理時間を与えることができる電子
レンジが提供できる。
【0079】図38は図37の制御手段中の時間設定手
段に代わる別の形態を示す回路図である。図ではラッチ
手段41がセットされたときに第2のクロック信号CL
OCK2を計数する積算カウンタ329を停止させる替
わりに、積算カウンタ329の計数内容をD−TYPフ
ィリップ・フロップ339回路を用いて記憶保持させる
構成としており、同等の効果を得ることができる。
【0080】図39は図37の制御手段中の時間設定手
段に代わる別の第2の形態を示す回路図、図40は図3
9の時間設定手段の出力特性図であり、図39において
積算カウンタ329は始動スイッチ7が押下された時に
リセットされる替りにROMもしくはディジタル・スイ
ッチなどのディジタル記憶手段からなる初期値設定手段
349で与えられた所定の初期値TC を始動スイッチ7
が押下されたときに取込み、ラッチ手段41がセットさ
れるまで第2のクロック信号CLOCK2を計数するよ
うに構成している。
【0081】このように構成されているので、始動スイ
ッチ7が押下されたときに積算カウンタがリセットされ
る構成では図40の(イ)の如くなる時間設定値は
(ロ)に示す如くバイアスTC を持つことになり、沸騰
までの時間が短い場合に延長される沸騰時間が短く煮物
が十分に煮えないという問題を生じることもなくなる。
【0082】図41、図42は図37の制御手段中のタ
イマ手段に代わる別の第1、第2の形態を示す回路図で
あり、図41では積算カウンタ411はラッチ手段41
がセットされたときに時間設定手段39により設定され
た延長時間TB を初期値として第1のクロック信号CL
OCK1による減数計数を開始し、積算カウンタの内容
がゼロ・カウントより減ずるときに出力される桁下り信
号BOにより駆動手段8を制御するよう構成しており、
図42では積算カウンタ411はラッチ手段41がセッ
トされたときに時間設定手段39により設定された延長
時間TB を初期値として第1のクロック信号CLOCK
1による加数計数を開始し、積算カウンタ411の内容
がフル・カウントより増えるときに出力される桁上り信
号COにより駆動手段8を制御するよう構成されてい
る。このような構成によりディジタル比較器412を用
いることなく同等の機能を行える。なお、内含する遅延
手段はラッチ手段41がセットされたときに確定する時
間設定手段39の延長時間TB を同一のラッチ手段41
がセットされた信号により積算カウンタ411が取込む
ときに確実に延長時間TB が定まった後に取込めるよう
ラッチ手段41の出力を微少時間遅らせるために設けた
ものである。
【0083】実施の形態4.図43は本発明の実施の形
態4の電子レンジを示す構成図である。図において、直
流基準電源2の電圧Eをサーミスタ素子センサ1の抵抗
値と抵抗3で分圧した電圧VTHは交流成分を電圧増幅す
る交流増幅器4と、電圧設定手段5により予め定められ
た基準電圧ΔVT と交流増幅器4の出力を比較する比較
手段6と、加熱室13内に配された食品14の重量を計
測する重量センサ43の出力より所定の加熱時間TB
定める時間設定手段39と、加熱時間TB の第1のクロ
ック信号CLOCK1による計数を始動スイッチ7が押
下された後に開始するタイマ手段40と、始動スイッチ
7と、タイマ手段40及び比較手段6とにより電力の供
給遮断を制御する駆動手段8とよりなる制御手段9で処
理される。制御手段9はマイクロ波発生手段10及び冷
却ファン11を電力の供給遮断を行うことで制御する。
食品14は食品皿20上に収容保持されており、重量セ
ンサ43は食品皿20に連結して設けられている。な
お、重量センサ43は重量に応じた周波数のデューティ
ー比が50%(パルスのHIの期間とLOの期間が等し
い)のパルス出力を出すものとしている。
【0084】次に、図43の本発明の実施の形態4の電
子レンジの動作について説明する。始動スイッチ7を押
下すると、駆動手段8は電力供給信号を受けてマイクロ
波発生手段10及び冷却ファン11を駆動する。そし
て、食品が沸騰状態になると、サーミスタ素子センサ1
の抵抗値に基づく信号VTHの交流成分が増大し、比較手
段6は電力供給遮断信号を駆動手段8に出力して加熱を
停止させる。一方、時間設定手段39による重量センサ
43の計測した重量に対応した所定の加熱時間TB の終
了後にタイマ手段40が駆動手段8に電力供給遮断信号
を出力するので、駆動手段8はサーミスタ素子センサ1
による沸騰検出と重量センサ43による加熱時間TB
経過とのいずれか早い時点で加熱を停止することにな
る。従って、重量が大きい食品14においてサーミスタ
素子センサ1による沸騰検出が遅れて加熱し過ぎによる
食品14の乾燥等が生じることはない。
【0085】図44は、本発明の実施の形態4の制御手
段9の具体的な回路図である。図45は図44の制御手
段9中の時間設定手段39の出力特性図で、時間設定手
段39で得られる設定時間TB の食品重量に対する特性
を示す。制御手段9はリレーやトランジスタ、単電源演
算増幅器A1 〜A3 、フィリップ・フロップ回路、OR
ゲート、積算カウンタ、ディジタル比較器、D−TYP
フィリップ・フロップ回路及び抵抗コンデンサなどの組
合せにより構成されている。交流増幅器4は直流基準電
源2より電源を供給される単電源演算増幅器A1 ,A2
を用い、微分器と積分増幅部を組合せた構成により約
3.2Hzの中心周波数と約3.2Hzの帯域幅を有す
る周波数特性と接地電位に対して正の波形のみを出力す
る整流特性とを有している。単電源演算増幅器A3 の比
較手段6は電圧設定手段5により定められた基準電圧Δ
T よりも交流増幅器4の出力が大きくなったときに単
電源演算増幅器A3 の出力の状態を反転させるように構
成されている。
【0086】時間設定手段39は図45に示す如き食品
重量に対応する加熱時間TB の特性が得られるように、
重量センサ43のパルス出力がHIの時にROM等のデ
ィジタル記憶手段によりなる初期値設定手段349より
初期値TC を取込み重量センサ43のパルス出力がLO
の期間に所定のクロック信号CLOCK2を計数する積
算カウンタ329を設け、重量センサ43のパルス出力
がHIになる時に積算カウンタ329の内容をD−TY
Pフィリップ・フロップ回路339で記憶保持するよう
構成している。なお加熱時間TB の傾きは100g当り
30〜40秒が適当である。タイマ手段40は時間設定
手段39により定められた設定時間TBを始動スイッチ
7が押下されたときにD−TYPフィリップ・フロップ
回路413により記憶保持し、同時にクロック信号CL
OCK1による時間計数を内含する積算カウンタ411
にて行なわしめ、この積算カウンタ411の内容TA
D−TYPフィリップ・フロップ回路413に記憶保持
してある設定時間TB をディジタル比較器412で比較
してTA がTB を越えるときに出力を出すよう構成して
いる。
【0087】駆動手段8は内含するフィリップ・フロッ
プ回路801が始動スイッチ7が押下されてセットさ
れ、ORゲート806を介して比較手段6が反転するな
いし、タイマ手段40が出力を出してフィリップ・フロ
ップ回路801がリセットされるまでの間リレー803
の接点をトランジスタ802を介して駆動することで商
用電源32よりマイクロ波発生手段10及び冷却ファン
11に電力を供給するよう構成されている。したがっ
て、制御手段9は重量センサ43により定まる所定の加
熱時間TB によりマイクロ波発生手段10を停止制御す
る以前においてのみサーミスタ素子センサ1の抵抗値に
基づく信号の交流成分の大きさによりマイクロ波発生手
段10を停止制御することになる。
【0088】図46は図44の制御手段の動作を説明す
る加熱時間の特性図である。図中、O2 を原点とする直
線Cは図45に示した重量センサ43により定まる食品
重量に対応する加熱時間の特性を示しており、O1 を原
点とする直線Aは食品の重量に対応する沸騰するに要す
る加熱時間を示している。概略電子レンジで加熱できる
最大重量点である交点P1 より以下において直線Cが直
線Aより上に来るのは食品を入れる容器の重量が種々一
定しないため、重量センサ43により計測される食品の
重量は食品の重量が軽い範囲においては容器の重量を加
算したものとせざるを得ないためである。サーミスタ素
子センサ1による食品の沸騰の検出は加熱室13内の温
度が加熱時間が短い故に高くならない食品重量の小さい
範囲においては概略食品の沸騰に要する加熱時間と一致
するが、食品重量が大きくなり加熱時間が長くなると加
熱室13内の温度が高くなり、サーミスタ素子センサ1
による食品の沸騰検出は時間的な遅れを生じ始める。
【0089】したがって、サーミスタ素子センサ1によ
る食品重量に対応する加熱時間はO1 を原点とする曲線
Bの如くなり、食品重量が大きい範囲では食品の加熱の
しすぎによる乾燥等の問題が生じることになる。ところ
で、第4の実施の形態の如く、重量センサ43により定
まる所定の加熱時間TB によりマイクロ波発生手段10
が停止制御される以前にのみサーミスタ素子センサ1の
交流成分の大きさによりマイクロ波発生手段10を停止
制御させる制御手段9を用いれば、食品重量に対応する
加熱時間は、食品重量が軽い範囲では加熱時間は曲線B
に従い、食品重量が増えて曲線Bが直線Cと交わる交点
2 以降は直線Cに従うため、食品の沸騰に要する加熱
時間である直線Aより大きく離れることがなく、したが
って加熱のしすぎによる食品の乾燥などの生じない使い
易い電子レンジを提供できる。
【0090】図47は図44の制御手段中の時間設定手
段39に代わる別の第1の形態を示す回路図であり、積
算カウンタ329は重量センサ43の出力パルスを所定
のクロック信号CLOCK2のLOの間計数するよう構
成されており、図44に示した時間設定手段39と同一
の機能を果すものである。図48は図44の制御手段中
の時間設定手段に代わる別の第2の形態を示す回路図で
あり、重量センサ43の出力パルスは加数計数する第2
の積算カウンタ359に入力され、第2の積算カウンタ
359の桁上り信号COがLOの間にクロックCLOC
K2を第1の積算カウンタ329が計数するように構成
したものである。
【0091】図49は図48の時間設定手段の動作を説
明するタイムチャートであり、第2の積算カウンタ35
9は2桁で構成されているものとしている。図49にお
いて重量センサ43の出力パルスが入力すると第2の積
算カウンタ359は1の位、2の位の内容を各々パルス
数に応じて加数して、フル・カウント(内容は3)に達
した次の重量センサ43の出力パルスがLOの期間に桁
上り信号COを出力する。したがって、桁上り信号CO
のLOの期間は、重量センサ43の出力パルスが3パル
ス分に出力パルスがHIの期間を加えたものとなる。し
たがって、重量センサ43の出力パルスの変動を受けに
くくなると共にクロック信号CLOCK2の計数量も多
くなるので重量センサ43により定まる設定時間TB
設定精度が向上する。
【0092】図50、図51は図44の制御手段中のタ
イマ手段に代わる別の第1、第2の形態をそれぞれ示す
回路図であり、図44において用いたディジタル比較器
412を用いずに各々、積算カウンタ411でクロック
信号CLOCK1を初期値から減数計数して桁下り信号
BOを出力させる構成と積算カウンタ411でクロック
信号CLOCK1を初期値から加数計数して桁上り信号
COを出力させる構成を示している。図50、図51に
示したタイマ手段40は図44に示したタイマ手段40
と実質的に同一の機能を果す。
【0093】実施の形態5.図52は本発明の実施の形
態5の電子レンジを示す構成図である。図において、直
流基準電源2の電圧Eをサーミスタ素子センサ1の抵抗
値と抵抗3で分圧した電圧VTHは交流成分を電圧増幅す
る交流増幅器4と、電圧VTHの直流成分を積分器44を
介して得て所定の基準電圧ΔVT を定める電圧設定手段
5と、前記基準電圧ΔVT と交流増幅器4の出力を比較
する比較手段6と、比較手段6と始動スイッチ7とによ
り電力の供給を制御する駆動手段8とよりなる制御手段
9で処理される。制御手段9はマイクロ波発生手段10
及び冷却ファン11を電力の供給遮断を行うことで制御
する。
【0094】次に、図52の本発明の実施の形態5の電
子レンジの動作について説明する。サーミスタ素子セン
サ1の温度上昇に伴いサーミスタ素子センサ1の出力電
圧VTHの交流成分を増幅する交流増幅器4の出力電圧が
減少するが、電圧設定手段5は積分器44からの直流成
分に基づき交流成分の大きさに比例した基準電圧ΔVT
を設定するため、相対的に同一レベルでサーミスタ素子
センサ1の交流成分を増幅した交流増幅器4の出力電圧
と基準電圧ΔVT とを比較することになり、比較手段6
が判定する時点に遅れが生じず、加熱室13内の温度に
係わらず食品の沸騰を安定して検出し、食品を加熱しす
ぎることがない。
【0095】図53は本発明の実施の形態5の制御手段
9の具体的な回路図であり、図54は図53の制御手段
中の電圧設定手段5の出力特性図で、電圧設定手段9で
定められた基準電圧ΔVT を示している。図53におい
て制御手段9はリレーやトランジスタ、単電源演算増幅
器A1 〜A5 、フィリップ・フロップ回路及び抵抗コン
デンサなどの組合せにより構成されている。交流増幅器
4は直流基準電源2より電源を供給される単電源演算増
幅器A1 ,A2 を用いて、微分器と積分増幅部を組合せ
た構成により約3.2Hzの中心周波数と約3.2Hz
の帯域幅を有する周波数特性と接地電位に対して正の波
形のみを出力する整流特性とを有している。単電源演算
増幅器A1 の比較手段6は電圧設定手段5により定めら
れた基準電圧ΔVT よりも交流増幅器4の出力が大きく
なったときに単電源演算増幅器A3 の出力の状態を反転
させるように構成されている。
【0096】電圧設定手段5には電圧VTHの交流成分を
積分器44で除いた電圧VTHの直流成分が入力され、電
圧設定手段5は単電源演算増幅器A4 ,A5 を用いた高
入力インピーダンスのバッファアンプとバイアス電圧V
B を持つ逆相増幅部の組合せにより、図54に示す如き
電圧VTHに反比例した出力特性を有している。駆動手段
8は内含するフィリップ・フロップ回路801が始動ス
イッチ7が押下されてセットされ、比較手段6が反転し
てフィリップ・フロップ回路801がリセットされるま
での間、リレー803の接点をトランジスタ802を介
して駆動することで商用電源32よりマイクロ波発生手
段10及び冷却ファン11に電力を供給するよう構成さ
れている。
【0097】電圧VTHはサーミスタ素子センサ1の温度
に応じて定まる抵抗値と抵抗3とで直流基準電圧Eを分
圧した電圧である故に電圧VTHはサーミスタ素子センサ
1の温度に比例した電圧であり、ひいては、サーミスタ
素子センサ1の近傍の空気温度に比例している。ところ
で、水の沸騰時のサーミスタ素子センサ1の交流成分の
大きさは加熱室13内の空気温度の上昇に伴うサーミス
タ素子センサ1の温度上昇に反比例する現象の有ること
は既に実施の形態1の図16中で述べているが、この様
にサーミスタ素子センサ1の温度上昇に伴い減少するサ
ーミスタ素子センサ1の交流成分の大きさを比較手段6
により一定値である基準電圧ΔVT で比較すれば、サー
ミスタ素子センサ1の温度が上昇するに従って比較手段
6が反転する時点に遅れが生じることは容易に推定され
るであろう。
【0098】実施の形態5の制御手段9における電圧設
定手段5は、電圧VTHに反比例した基準電圧ΔVT を電
圧VTHの直流成分より定めるよう構成されているので、
サーミスタ素子センサ1の温度が上昇して、電圧VTH
交流成分の大きさが減少しても相対的に同一のレベル
(例えば、水の沸騰時における電圧VTHの交流成分の大
きさの1/5といった)で電圧VTHの交流成分の大きさ
を比較弁別することになり、比較手段6が反転する時点
に遅れが生じず、したがって食品を加熱しすぎることが
ないという効果を奏す。なお、電圧設定手段5により定
められる基準電圧ΔVT は実施の形態に示した如き一次
関数である必要は必ずしもなく、電圧VTHの交流成分の
大きさが、温度上昇により減少する状態に合わせて適時
折れ線の組合せで構成することも、対数特性を持たせる
ことも可能である。
【0099】実施の形態6.図55は本発明の実施の形
態6の電子レンジを示す構成図である。図において、直
流基準電源2の電圧Eをサーミスタ素子センサ1の抵抗
値と抵抗3で分圧した電圧VTHは交流成分を電圧増幅す
る交流増幅器4と、第1の電圧設定手段により予め定め
られた基準電圧ΔVT と交流増幅器4の出力を比較する
第1の比較手段6と、積分器44を介して得た前記電圧
THの直流成分と高温電圧設定手段である第2の電圧設
定手段45により予め定められた高温基準電圧ΔVTH
を比較する高温比較手段である第2の比較手段46と、
第2の比較手段46の出力により始動スイッチ7の入力
を制御されると共に始動スイッチ7と第1の比較手段6
とにより電力の供給を制御する駆動手段8とよりなる制
御手段9で処理される。制御手段9はマイクロ波発生手
段10及び冷却ファン11を電力の供給遮断を行うこと
で制御する。
【0100】次に、図55の本発明の実施の形態6の電
子レンジの動作について説明する。加熱室13が通常の
状態にあるときは、始動スイッチ7が押下され電力供給
信号が駆動手段8に与えられて加熱を開始し、第1の比
較手段6は交流増幅器4の出力が第1の電圧設定手段5
の基準電圧ΔVT より大きくなると電力供給遮断信号を
駆動手段8に出力し、加熱を停止するが、加熱室13が
高温状態にあり、積分器44の直流成分の電圧が高温基
準電圧ΔVTHより大きいときには高温比較手段46は始
動禁止信号を出力し、駆動手段8は高温比較手段46か
らの始動禁止信号を受けてマイクロ波発生手段10及び
冷却ファン11への電力の供給を開始する始動スイッチ
4からの電力供給信号を無効とするため、サーミスタ素
子センサ1の抵抗値に基づく交流成分による電子レンジ
の自動運転の開始を阻止でき、高温雰囲気中における加
熱による食品の表面の乾燥や加熱不足を未然に防止でき
る。なお、駆動手段8は高温比較手段46からの始動禁
止信号を受けてその後に始動スイッチの電力供給信号を
受けてもマイクロ波発生手段10及び制御ファン11へ
の電力の供給を禁止し、始動スイッチ7の電力供給信号
を受けた後に高温比較手段46からの始動禁止信号を受
けてもマイクロ波発生手段10等への電力の供給を続行
する。
【0101】図56は本発明の実施の形態6の制御手段
9の具体的な回路図である。図において、制御手段9は
リレーやトランジスタ、単電源演算増幅器A1 〜A4
フィリップ・フロップ回路、ANDゲート、インバート
された制御端子を持つANDゲートである禁止ゲート、
報知手段としてのブザー及び抵抗コンデンサなどの組合
せにより構成されている。交流増幅器4は直流基準電源
2より電源を供給される単電源演算増幅器A1 ,A2
用いて、微分器と積分増幅部を組合せた構成により約
3.2Hzの中心周波数と約3.2Hzの帯域幅を有す
る周波数特性と接地電位に対して正の波形のみを出力す
る整流特性とを有している。単電源演算増幅器A3 の第
1の比較手段6は第1の電圧設定手段5により予め定め
られた基準電圧ΔVT よりも交流増幅器4の出力が大き
くなったときに単電源演算増幅器A3 の出力状態を反転
するよう構成されている。単電源演算増幅器A4 の第2
の比較手段46は第2の電圧設定手段45により予め定
められた基準電圧ΔVTHよりも積分器44を介して得ら
れた電圧VTHの直流成分が大きくなったときに単電源演
算増幅器A4 の出力の状態を反転させるように構成され
ている。
【0102】駆動手段8は始動スイッチ7の信号を第2
の比較手段46の出力で制御する禁止ゲート806を介
して得て、フィリップ・フロップ回路801をセット
し、第1の比較手段6が反転してフィリップ・フロップ
回路801がリセットされるまでの間、リレー803の
接点をトランジスタ802を介して駆動することで商用
電源32よりマイクロ波発生手段10及び冷却ファン1
1に電力を供給するよう構成されている。したがって、
駆動手段8は第2の比較手段46が反転しているときに
始動スイッチ7が押されてもフィリップ・フロップ回路
801がセットされないので、マイクロ波発生手段10
を駆動することはない。さらに、駆動手段8はANDゲ
ート807を介して第2の比較手段46と始動スイッチ
7により報知手段808であるブザーを駆動させるよう
に構成されているので、第2の比較手段46が反転して
いるときにのみ始動スイッチ7が押下されると報知手段
808による報知動作がなされる。
【0103】電子レンジを連続して使用したり、多量の
食品を加熱した直後においては加熱室13及び加熱室1
3内の空気が高温の状態になる場合が有る。この様な高
温状態での電子レンジで食品を加熱すると食品はマイク
ロ波発生手段10で加熱されるだけでなく加熱室13の
壁面輻射や加熱室13内の空気からの熱伝導により加熱
されるため食品の表面の温度が食品内部の温度より先に
沸騰点に達して食品表面から大量の水分が蒸発して食品
表面が乾燥してしまうし、食品の表面のみが沸騰してい
る状態を検出して食品内部の温度が低い状態で加熱を停
止してしまうなどの問題を生じる。
【0104】実施の形態6における制御手段9では加熱
室13が高温の状態に有るときにはサーミスタ素子セン
サ1も高温状態に有り、したがって電圧VTHは高い値を
持っているので、別個に温度センサを用いることなく加
熱室13が高温状態にあるときにはサーミスタ素子セン
サ1の抵抗値に基づく信号の交流成分による電子レンジ
の自動運転の開始を阻止でき、食品の表面の乾燥や加熱
不足を未然に防止できる。さらに、加熱室13が高温に
有るときには始動スイッチ7が押下されると報知手段8
08が動作するよう構成されているので、使用者に電子
レンジが高温状態に有ることを知らしめ、電子レンジが
冷却されてから再び使用するべきことを指示できる。
【0105】実施の形態7.図57は本発明の実施の形
態7の電子レンジを示す構成図である。図において、直
流基準電源2の電圧Eをサーミスタ素子センサ1の抵抗
値と抵抗3で分圧した電圧VTHは交流成分を電圧増幅す
る交流増幅器4と、高温比較手段である第2の比較手段
46の出力に基づき第1の電圧設定手段5により定めら
れた基準電圧ΔVT と交流増幅器4の出力とを比較する
第1の比較手段6と、電圧VTHの交流成分を除去する積
分器44を介して得た電圧VTHの直流成分と高温電圧設
定手段である第2の電圧設定手段45により予め定めら
れた基準電圧ΔVTHとを比較する第2の比較手段46
と、加熱室13内に配された食品14の重量を計測する
重量センサ43の出力に基づき所定の加熱時間TB を定
める時間設定手段39と、加熱時間TB の第1のクロッ
ク信号CLOCK1による計数を始動スイッチ7が押下
された後に開始するタイマ手段40と、始動スイッチ7
とタイマ手段40と第1の比較手段6とにより電力の供
給遮断を制御する駆動手段8よりなる制御手段9で処理
される。制御手段9はマイクロ波発生手段10及び冷却
ファン11を電力の供給遮断を行うことで制御する。食
品14は食品皿20上に収容保持されており、重量セン
サ43は食品皿20に連結して設けられている。なお、
重量センサ43は重量に応じた周波数のデューティー比
が50%(パルスのHIの期間とLOの期間が相等し
い)のパルス出力を出すものとしている。
【0106】次に、図57の本発明の実施の形態7の電
子レンジの動作を説明する。加熱室13が通常の状態に
あるときは、第1の比較手段6が交流増幅器4の出力が
第1の電圧設定手段5の基準電圧ΔVT より大きいとき
に電力供給遮断信号を駆動手段8に出力し、加熱を停止
する。なお、実施の形態4の如く、タイマ手段40から
駆動手段8にサーミスタ素子センサ1による食品の沸騰
検出より早く、駆動手段8に電力供給遮断信号を出力す
ることもあることはいうまでもない。加熱室13が高温
の範囲にある場合にはサーミスタ素子センサ1の抵抗値
に基づく信号VTHの交流成分が熱的ノイズや、食品の表
面からのみ蒸発する水分の影響を受けて増加するために
食品が全体的な沸騰状態に至る以前に誤って沸騰状態に
あると判断してしまい加熱不足になることがあるが、こ
の場合に、第2の比較手段である高温比較手段46が積
分器44を介して得られる信号VTHの直流成分の大きさ
が高温基準電圧ΔVTHより大きいと判断して第1の電圧
設定手段5に切替信号を出力し、第1の電圧設定手段5
は高温比較手段46からの切替信号を受けて基準電圧Δ
T を所定の設定電圧から沸騰状態での交流増幅器4の
最大出力の大きさ以上の電源電圧に切替えるため、第1
の比較手段6から電力供給遮断信号が出力されることは
なく、時間設定手段39による重量センサ43の計測し
た重量に対応した所定の加熱時間TB の終了後にタイマ
手段40が駆動手段8に電力供給遮断信号を出力するた
め、重量センサ43の計測した重量に対応した所定の加
熱時間TB で食品が加熱されることとなり、加熱室13
内が高温の状態で運転しても食品の加熱不足のない自動
運転を行うことができる。
【0107】図58は本発明の実施の形態7の制御手段
9の具体的な回路図である。リレーやトランジスタ、単
電源演算増幅器A1 〜A4 、フィリップ・フロップ回
路、ORゲート、積算カウンタ、ディジタル比較器、D
−TYPフィリップ・フロップ回路及び抵抗コンデンサ
などの組合せにより構成している。交流増幅器4は直流
基準電源2より電源を供給される単電源演算増幅器
1 ,A2 を用い、微分器と積分増幅部とを組合わせた
構成により約3.2Hzの中心周波数と約3.2Hzの
帯域幅を有する周波数特性と接地電位に対して正の波形
のみを出力する整流特性とを有している。単電源演算増
幅器A3 の第1の比較手段6は第1の電圧設定手段5に
より定められた基準電圧ΔVT よりも交流増幅器4の出
力が大きくなったときに単電源演算増幅器A3 の出力の
状態を反転させるよう構成されている。高温比較手段で
ある第2の比較手段46は高温電圧設定手段である第2
の電圧設定手段45により予め定められた基準電圧ΔV
THよりも積分器44を介して得られた電圧VTHの直流成
分が大きくなったときに単電源演算増幅器A4 の出力の
状態を反転させるよう構成されている。なお、第2の比
較手段46の反転方向は第1の比較手段6の反転方向と
は逆の方向に反転するよう構成されている。
【0108】また、第1の電圧設定手段5は第2の比較
手段46が反転状態に有るときトランジスタにより電源
に導通して電源電圧Eを基準電圧ΔVT とするよう構成
されているので、電源電圧Eに達することのない交流増
幅器4の出力と第1の設定手段5により定められた基準
電圧ΔVT を比較する第1の比較手段6は第2の比較手
段46が反転状態に有る間には反転することはない。
【0109】時間設定手段39は重量センサ43のパル
ス出力がHIの時に、ROM等のディジタル記憶手段よ
りなる初期値設定手段349より初期値TC を取込み、
重量センサ43のパルス出力がLOの期間に所定のクロ
ック信号CLOCK2を計数する積算カウンタ329を
設けており、重量センサ43のパルス出力が再びHIと
なる時に上記積算カウンタ329の内容をD−TYPフ
ィリップ・フロップ回路339で記憶保持して設定時間
B とするよう構成している。この様にして時間設定手
段39は食品14の重量に対応して概略30秒程度のバ
イアスと100g当り30〜40秒の傾きを有する出力
特性を得ている。
【0110】タイマ手段40は時間設定手段39により
定められた設定時間TB を始動スイッチ7が押下された
時に内含するD−TYPフィリップ・フロップ回路41
3により記憶保持し、同時に内含する積算カウンタ41
1の内容をリセットして新らたにクロック信号CLOC
K1による時間計数を開始し、この積算カウンタ411
の内容TA とD−TYPフィリップ・フロップ回路41
3に記憶保持してある設定時間TB とをディジタル比較
器412で比較してTA がTB を越えるときに出力を出
すよう構成している。
【0111】駆動手段8は内含するフィリップ・フロッ
プ回路801が始動スイッチ7が押下されてセットさ
れ、ORゲート806を介して入力される比較手段6の
出力とタイマ手段40の出力とのいずれか一方によりフ
ィリップ・フロップ回路801がリセットされるまでの
フィリップ・フロップ回路801がセット状態に有る間
にリレー803aの接点をトランジスタ802を介して
駆動することで商用電源32よりマイクロ波発生手段1
0及び冷却ファン11に電力を供給するよう構成されて
いる。したがって、制御手段9は重量センサ43により
定まる所定の加熱時間TB によりマイクロ波発生手段1
0を停止制御する以前においてのみ、サーミスタ素子セ
ンサ1の抵抗値に基づく信号の交流成分の大きさにより
マイクロ波発生手段10を停止制御することになり、か
つサーミスタ素子センサ1の抵抗値に基づく信号の交流
成分の大きさによりマイクロ波発生手段10を停止制御
することはサーミスタ素子センサ1の抵抗値に基づく信
号の直流成分の大きさが所定値を越えるときには禁止さ
れることになる。
【0112】図59は実施の形態7の制御手段9の動作
を説明する加熱時間の温度特性図である。図において、
Aは重量センサ43により設定された加熱時間の特性で
あり、温度により変化しないことを示している。Bはサ
ーミスタ素子センサ1の抵抗値に基づく信号の交流成分
の大きさにより加熱時間を制御したときの特性であり、
加熱室13内の温度が上昇すると食品14の沸騰の検出
が遅れることを示している。Cはサーミスタ素子センサ
1の抵抗値に基づく信号の交流成分がより高温の範囲に
おいては熱的なノイズや、食品の表面からのみ蒸発する
水分の影響を受けて増加するため、食品が全体的な沸騰
状態に到る以前に誤って沸騰状態に有ると判断してしま
う状況を示している。なお、特性Aと特性Bが交わる温
度をT1 、特性Aと特性Cが交わる温度をT2 としてい
る。
【0113】したがって、重量センサ43により設定さ
れた加熱時間TB と、サーミスタ素子センサ1の抵抗値
に基づく信号の交流成分の大きさによる加熱時間のいず
れか短い方で加熱時間が決定された場合には、加熱時間
は温度の上昇に伴い、温度T1 までは特性Bに従い温度
1 と温度T2 の間は特性Aに従うが、温度T2 以上で
は特性Cに従ってしまい明白に食品14の加熱が不足し
てしまうことになる。そこで、本実施の形態における制
御手段9ではサーミスタ素子センサ1の抵抗値に基づく
信号の直流成分(これはサーミスタ素子センサ1の温度
に相当する)が所定の値を越えるときにはサーミスタ素
子センサ1の抵抗値に基づく信号の交流成分の大きさに
よるマイクロ波発生手段の停止制御を禁止するよう構成
しているので、上記の所定の値を図56における温度T
1 と温度T2 の中間の温度T3に相当するように定めて
おけば、図56において加熱室13の温度が温度T1
り低い時は特性Bに従い、温度T1 より高くなれば特性
Aに従うので、加熱室13の温度が高い範囲での食品1
4の加熱が不足することはない。
【0114】図60、図61は、実施の形態7の制御手
段の別の第1、第2の形態をそれぞれ示すブロック図で
ある。図60は交流増幅器4と第1の比較手段6との間
にアナログスイッチで構成されたスイッチ手段41を挿
入して第2の比較手段46でスイッチ手段を制御するよ
う構成しており、図61は第1の比較手段6と駆動手段
8との間にアナログスイッチで構成されたスイッチ手段
41を挿入して第2の比較手段46でスイッチ手段を制
御するよう構成したものであり、いずれもサーミスタ素
子センサ1の抵抗値に基づく信号の直流成分の大きさが
所定値を越えるときには第1の比較手段6によるマイク
ロ波発生手段10を停止制御する動作は禁止されるので
第7の実施の形態と同等の効果を得ることができる。
【0115】実施の形態8.図62は本発明の実施の形
態8の電子レンジを示す構成図である。図において、直
流基準電源2の電圧Eをサーミスタ素子センサ1の抵抗
値と抵抗3で分圧した電圧VTHは交流成分を電圧増幅す
る交流増幅器4と、第1の設定手段5により予め定めら
れた基準電圧ΔVT は交流増幅器4の出力とを比較する
第1の比較手段6と、電圧VTHの交流成分を除去する積
分器44を介して得た電圧VTHの直流成分と室温電圧設
定手段である第2の電圧設定手段45により予め定めら
れた基準電圧ΔVTHとを比較する室温比較手段である第
2の比較手段46と、加熱室13内に配された食品14
の重量を計測する重量センサ43の出力に基づくと共に
第2の比較手段46の出力の状態に従って所定の加熱時
間TB を定める時間設定手段39と、加熱時間TB の第
1のクロック信号CLOCK1による計数を始動スイッ
チ7が押下された後に開始するタイマ手段40と、始動
スイッチ7とタイマ手段40と第1の比較手段6とによ
り電力の供給遮断を制御する駆動手段8よりなる制御手
段9で処理される。制御手段9はマイクロ波発生手段1
0及び冷却ファン11を電力の供給遮断を行うことで制
御する。食品14は食品皿20上に収容保持されてお
り、重量センサ43は食品皿20に連結して設けられて
いる。なお、重量センサ43は重量に応じた周波数のデ
ューティー比が50%(パルスHIの期間とLOの期間
が相等しい)のパルス出力を出すものとしている。
【0116】次に、図62の本発明の実施の形態8の電
子レンジの動作について説明する。加熱室13が通常の
状態にあるときは、第1の比較手段6交流増幅器4の電
圧が第1の電圧設定手段5の基準電圧より大きいときに
電力供給遮断信号を駆動手段8に出力し、加熱を停止す
る。なお、実施の形態4の如く、タイマ手段40から駆
動手段8にサーミスタ素子センサ1による食品の沸騰検
出より早く、駆動手段8に電力供給遮断信号を出力する
こともあることはいうまでない。加熱室13がある所定
の室温にある場合においては、室温比較手段46が積分
器44を介して得られる電圧VTHの直流成分の大きさが
室温電圧設定手段45の室温基準電圧ΔVTHより大きい
ときに切替信号を時間設定手段39に出力し、時間設定
手段39は重量センサ43により定められた加熱時間T
B を加熱室内温度に応じて変更し、その変更された加熱
時間TB で加熱し、その加熱時間の終了後にタイマ手段
40が駆動手段8に電力供給遮断信号を出力するため、
加熱室13内の温度が上昇しても食品を加熱しすぎるこ
とがない。
【0117】図63は本発明の実施の形態8の制御手段
9の具体的な回路図である。リレーやトランジスタ、単
電源演算増幅器A1 〜A4 、フィリップ・フロップ回
路、ORゲート、積算カウンタ、ディジタル比較器、D
−TYPフィリップ・フロップ回路、スイッチ手段及び
抵抗コンデンサなどの組合せにより構成している。交流
増幅器4は直流基準電源2より電源を供給される単電源
演算増幅器A1 ,A2 を用い、微分器と積分増幅部とを
組合せた構成により約3.2Hzの中心周波数と約3.
2Hzの帯域幅を有する周波数特性と接地電位より正の
波形のみを出力する整流特性とを有している。単電源演
算増幅器A3 の第1の比較手段6は第1の設定手段5に
より定められた基準電圧ΔVT よりも交流増幅器4の出
力が大きくなったときに単電源演算増幅器A3 の出力の
状態を反転させるよう構成されている。
【0118】第2の比較手段46は第2の設定手段45
により予め定められた基準電圧ΔVTHよりも積分器44
を介して得た電圧VTHの直流成分が大きくなったときに
単電源演算増幅器A4 の出力の状態を反転させるよう構
成されている。時間設定手段39は重量センサ43のパ
ルス出力がHIの時にROM等のディジタル記憶手段よ
りなる第1及び第2の初期値設定手段349,350の
いずれか一方を第2の比較手段46の出力状態に応じて
チャンネル・セレクタ回路よりなるスイッチ手段351
で選んで積算カウンタ329の初期値として取込み、重
量センサ43のパルス出力がLOの間に第2の比較手段
46の出力状態に応じて上記スイッチ手段251で選ん
だ第2のクロック信号CLOCK2及び第3のクロック
信号CLOCK3のいずれか一方を積算カウンタ329
で計数し、重量センサ43のパルス出力が再びHIにな
るとき積算カウンタ329の内容をD−TYPフィリッ
プ・フロップ回路339に記憶保持させて設定時間TB
とするよう構成されている。
【0119】タイマ手段40は時間設定手段39により
定められた設定時間TB を始動スイッチ7が押下された
時にD−TYPフィリップ・フロップ回路413に記憶
保持し、同時に積算カウンタ411の内容をリセットし
て新らたに第1のクロック信号CLOCK1による時間
計数を開始して上記積算カウンタ411の内容TA とD
−TYPフィリップ・フロップ回路413に記憶保持し
てある設定時間TB とをディジタル比較器412で比較
してTA がTB を越えるときに出力を出すよう構成して
いる。
【0120】駆動手段8は内含するフィリップ・フロッ
プ回路801が始動スイッチ7が押下されてセットさ
れ、ORゲート806を介して入力される比較手段6の
出力とタイマ手段40の出力とのいずれか一方によりフ
ィリップ・フロップ回路801がリセットされるまでの
フィリップ・フロップ回路801がセット状態にある間
にリレー803の接点をトランジスタ802を介して駆
動することで商用電源32よりマイクロ波発生手段10
及び冷却ファン11に電力を供給するよう構成されてい
る。
【0121】サーミスタ素子センサ1の抵抗値に基づく
信号VTHの直流成分はサーミスタ素子センサ1の配され
た位置の平均温度に相関する信号であるから、加熱室1
3内の温度とも相関する。図64は図63の制御手段中
の時間設定手段の出力特性図である。したがって、図6
4に示す実施の形態8における時間設定手段40で定め
られる2種の食品重量に対応する設定時間TB の特性C
1 ,C2 は各々、始動スイッチ7が押下されたときに加
熱室13の温度が低い場合と加熱室13の温度が高い場
合に与えられる設定時間TB の食品重量特性に相当す
る。したがって、実施の形態8の制御手段9は加熱室1
3の温度に応じて重量センサ43の計測に基づき定めら
れた加熱時間TB が経過してマイクロ波発生手段10が
停止制御される以前においてのみ、サーミスタ素子セン
サ1の抵抗値に基づく信号の交流成分の大きにより前記
マイクロ波発生手段10が停止制御するよう構成されて
いることになる。
【0122】図65は実施の形態8の制御手段の動作を
説明する食品重量に対応する加熱時間特性を示す特性図
である。食品14が加熱室13内でマイクロ波発生手段
10により加熱されるとき、加熱室13の壁面及び加熱
室13内の空気の温度が高いと、食品14はマイクロ波
の吸収による加熱だけではなく加熱室13の壁面からの
輻射や空気からの熱伝導により加熱されるので、明らか
に加熱室13内の温度が低い時と比べて短い加熱時間で
食品14は沸騰することになる。この様な状況を表わし
たのが図65におけるO1 を原点とする直線A1 とO3
を原点とする直線A2 であり、各々、加熱室13の温度
が低い場合と加熱室13の温度が高い場合の食品重量に
対応した食品が沸騰するに要する加熱時間を示してい
る。
【0123】次ぎにO2 を原点とする直線C1 とO4
原点とする直線C2 は図64で示した加熱室13内の温
度が低い場合と温度が高い場合の重量センサ43の計測
に基づく設定時間である。曲線B1 及び曲線B2 は各々
加熱室13内の温度が低い場合と温度が高い場合のサー
ミスタ素子センサ1の抵抗値に基づく信号の交流成分に
よりマイクロ波発生手段10を制御したときの加熱時間
を示している。
【0124】したがって、第8の実施の形態における制
御手段9を用いてマイクロ波発生手段10を制御したと
きの加熱時間は、加熱室13内の温度が低いときに食品
重量の増加に従って点O1 から曲線B1 上を移動して直
線C1 との交点P2 以降は直線C1 上を移動し、加熱室
13内の温度が高いときには点O3 から曲線B2 上を移
動して直線C2 との交点P4 以降は直線C2 上を移動す
ることになり、最適な加熱時間を示す直線A1 及び直線
2 から大きく離れることがないので、加熱室13内の
温度が上昇しても食品を加熱しすぎることがない使い易
い電子レンジを提供できる。
【0125】なお、第2の設定手段45及び第2の比較
手段46を多数設けて加熱室13内の温度上昇に細かく
対応することも可能であり、さらにタイマ手段39内で
設定時間TB を記憶保持するD−TYPフィリップ・フ
ロップ回路を取り外せば、マイクロ波発生手段10で加
熱中の加熱室13内の温度上昇にも対応できることにな
り、より優れた効果を期待できるものである。
【0126】実施の形態9.図66は本発明の実施の形
態9の電子レンジを示す構成図である。図において、直
流基準電源2の電圧Eをサーミスタ素子センサ1の抵抗
値と抵抗3で分圧した電圧VTHは交流成分を電圧増幅す
る交流増幅器4と、第1の設定手段5により予め定めら
れた基準電圧ΔVT と交流増幅器4の出力とを比較する
第1の比較手段6と、第1の始動スイッチ7及び第1の
比較手段6とにより電力の供給遮断を制御する第1の駆
動手段8よりなる第1の制御手段9で処理される。第1
の制御手段9はマイクロ波発生手段10及び冷却ファン
11を電力の供給遮断を行うことで制御する。
【0127】直流基準電源2の電圧Eをサーミスタ素子
センサ1の抵抗値と抵抗3で分圧した電圧VTHはさらに
交流成分を除去する積分器44と、積分器44を経た電
圧VTHの直流成分と温度設定手段である第2の電圧設定
手段45により設定された温度基準電圧ΔVTHとを比較
する温度比較手段である第2の比較手段46と、加熱時
間TB を設定する時間設定手段39と、時間設定手段3
9により設定された加熱時間TB をオーブン始動スイッ
チである第2の始動スイッチ48が押下されると計測し
始めるタイマ手段40と、第2の始動スイッチ48とタ
イマ手段40と第2の比較手段46とにより電力の供給
遮断を制御するヒータ駆動手段である第2の駆動手段4
9よりなる第2の制御手段50で処理される。第2の制
御手段50は加熱室13内を加熱するヒータ加熱手段5
1を電力の供給遮断を行うことで、所定の加熱時間TB
の間加熱室13内を所定の温度に保つ如く制御する。
【0128】次に、図66の本発明の実施の形態9の電
子レンジの動作について説明する。第1の制御手段9は
図1の実施の形態1と同様に動作するので、その説明は
省略する。第2の制御手段50の動作は以下の如くであ
る。第2の始動スイッチ48は押下すると第1の電力供
給信号を出し第2の始動スイッチ48の第1の電力供給
信号が出されるとタイマ手段40は時間設定手段39で
設定された加熱時間の計測を開始し、時間設定手段39
で設定された加熱時間TB の間は加熱室13内の温度が
第2の電圧設定手段45の温度基準電圧ΔVTHに相当す
る温度より小さいときには第2の比較手段46は第2の
電力供給信号を出力し、タイマ手段40は加熱時間TB
を越えると電力供給遮断信号を出力し、ヒータ駆動手段
である第2の駆動手段49は第1の電力供給信号が出て
タイマ手段40の電力供給遮断信号が出されるまでの間
は第2の比較手段46の第2の電力供給信号を受けてい
るときにヒータ加熱手段51に電力を供給する。従っ
て、ただ1個のサーミスタ素子センサ1のみを用いて、
ヒータ加熱制御手段50は、所定の加熱時間TB の間は
加熱室13を所定の温度に保つオーブンとして機能する
ことができヒータ付き電子レンジを実現できる。
【0129】図67、図68は本発明の実施の形態9の
第1の制御手段と第2の制御手段50の具体的な回路図
をそれぞれ示す。図67における第1の制御手段9は第
1のリレーやトランジスタTr1 、フィリップ・フロッ
プ回路、単電源演算増幅器A1 〜A3 及び抵抗コンデン
サなどの組合せにより構成されている。交流増幅器4は
直流基準電源2より電源を供給される単電源演算増幅器
1 ,A2 を用い、微分器と積分増幅部とを組合わせた
構成により約3.2Hzの中心周波数と約3.2Hzの
帯域幅を有する周波数特性と接地電位より正の波形のみ
を出力する整流特性とを有している。単電源演算増幅器
3 の第1の比較手段6は第1の設定手段5により予め
定められた基準電圧ΔVT よりも交流増幅器4の出力が
大きくなったときに単電源演算増幅器A3 の出力状態を
反転させるように構成されている。第1の駆動手段8は
内含するフィリップ・フロップ回路801aが第1の始
動スイッチ7が押下されてセットされ、第1の比較手段
6が反転してリセットされるまでの間にリレー803a
の接点をトランジスタ802aを介して駆動すること
で、商用電源32よりマイクロ波発生手段10及び冷却
ファン11に電力を供給するよう構成されている。
【0130】したがって、第1の制御手段9は食品14
をマイクロ波発生手段10で加熱して、サーミスタ素子
センサ1の抵抗値に基づく信号の交流成分が急増する食
品14の沸騰状態を検知して、マイクロ波発生手段10
を停止させる電子レンジの自動運転を行うことができ
る。
【0131】図68における第2の制御手段50は第2
のリレーやトランジスタTr2 、ANDゲート、フィリ
ップ・フロップ回路、単電源演算増幅器A4 、ディジタ
ル・スイッチやディジタル・スイッチとフィリップ・フ
ロップ回路などのディジタル記憶手段で構成される時間
設定手段、積算カウンタ、ディジタル比較器及び抵抗コ
ンデンサなどの組合せにより構成されている。積分器4
4を介して得られた電圧VTHの直流成分は、使用者が任
意に設定した第2の設定手段45の基準電圧ΔVTHと第
2の比較手段46である単電源演算増幅器A4 で比較さ
れ、第2の比較手段46は電圧VTHの直流成分が基準電
圧ΔVTHより大なるときはLO、電圧VTHの直流成分が
基準電圧ΔVTHより小なるときはHIとなるように出力
を反転させる。時間設定手段39は使用者により任意に
加熱時間TB を設定されており、タイマ手段40は第2
の始動スイッチ48が押下されると積算カウンタ411
の内容をリセットして新らたにクロック信号CLOCK
による時間計数を開始し、ディジタル比較器412によ
り加熱時間TB と上記積算カウンタ411の計数内容T
A を比較して計数内容TA が加熱時間TB を越えるとき
出力を出す。第2の駆動手段49は内含するフィリップ
・フロップ回路801bが第2の始動スイッチ48によ
りセットされてタイマ手段40の出力によりリセットさ
れるよう構成され、フィリップ・フロップ回路801b
の出力は第2の比較手段46の出力と共にANDゲート
805に入力され、ANDゲート805は第2のリレー
803bの接点をトランジスタ802bを介して駆動す
ることで商用電源32よりヒータ加熱手段51に電力を
供給するよう構成されている。
【0132】したがって、第2の制御手段50は任意に
設定された加熱時間TB の間、サーミスタ素子センサ1
の平均温度に相関するサーミスタ素子センサ1の抵抗値
に基づく信号の直流成分の大きさを一定に保つようにヒ
ータ加熱手段51に断続的に電力を供給するように制御
することになる。サーミスタ素子センサ1の温度は明白
に加熱室13内の気体温度と相関するので、加熱室13
内の気体温度を加熱時間TB の間は一定に保つように第
2の制御手段50が制御するオーブンを構成したことに
なる。以上の如く、本発明の実施の形態9では1個のサ
ーミスタ素子センサ1を用いて自動運転できる電子レン
ジと、一定温度に制御できるオーブンの両機能を持つヒ
ータ付き電子レンジを安価に提供できる。
【0133】なお、以上に述べた各実施形態を組合せる
ことで、より優れた性能を有する電子レンジを実現でき
ることは明らかであり、組合せは任意自在に選ぶことが
できる。また、本発明の特徴とする所は、ただ1個のサ
ーミスタ素子やセンサを用いて、比較的に速く変化する
加熱室内空気の温度変化から食品の沸騰することを検出
し、サーミスタ素子センサの直流出力からサーミスタ素
子の温度、ひいては加熱室内の空気温度を得て、この2
種の情報の組合せにより、条件に係わらずに常に一定し
た仕上り状態が得られる自動運転を行う電子レンジを構
成したことに有る。
【0134】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1におい
ては、電子レンジにおける加熱室内の被加熱物の加熱の
進捗に伴って発生する蒸気の存在を加熱室内の被加熱物
より放出される気体に接するように設けられたサーミス
タ素子センサの抵抗値に基づく信号の交流成分の大きさ
により検出してマイクロ波発生手段に対して電力供給・
遮断制御するように制御手段を構成したので、相対湿度
センサを用いたものにおいて、電解作用を避けるために
複雑な回路構成を要する交流基準電圧源を要したり、検
知素子の粒界の目詰まりを防止するために、ヒータによ
り保温したり定期的にヒータで汚れを焼き切るなどの保
守面での多くの複雑な工夫を要することが不要となると
いう効果を有する。また、絶対湿度センサを用いたもの
において、複雑な製造工程を要する金属容器に封止され
たサーミスタ素子を要したり、極めて厳密性を要する検
出ブリッジ回路のバランス調整工程を要するか、ないし
は複雑な回路構成を要する自動バランス調整回路の構成
を要することも不要となるという効果を有する。
【0135】本発明の請求項2においては、電子レンジ
の制御手段の交流増幅器がサーミスタ素子センサの抵抗
値に基づく信号の交流成分の出力電圧を増幅し、比較手
段が交流増幅器の出力電圧と電圧設定手段の基準電圧と
を比較し、交流増幅器の出力電圧が沸騰状態を検出する
ための基準電圧より大きいときに電力供給遮断信号を駆
動手段に出力し、駆動手段は比較手段より電力供給遮断
信号を受けてマイクロ波発生手段への電力の供給を遮断
するというように、制御御手段が加熱室内の被加熱物の
加熱の進捗に伴いマイクロ波発生手段をオン・オフ制御
するので、極めて簡易な構成で、食品の加熱状況検知機
能付きの電子レンジが実現できるという効果を有する。
【0136】本発明の請求項3においては、サーミスタ
素子センサがガラスコートされたビード形サーミスタ素
子であり、ガラスコート部のみ被加熱物から放出される
気体に接触するように配しているので、高温多湿の悪影
響に耐えることができ、かつサーミスタ素子のリード引
出し部は加熱室外の空気に晒されるよう露出しているの
で、リード引出し部は加熱室外の空気に触れて冷却され
るために高温下でも出力が低下することを防止できると
いう効果を有する。
【0137】本発明の請求項4においては、サーミスタ
素子センサが、加熱室のマイクロ波発生手段により生じ
る電界の強度が弱くなる隅部近傍に配設されているの
で、サーミスタ素子及びサーミスタ素子周辺の空気の温
度上昇が少なく、より正確に被加熱物である食品の沸騰
を検出できるという効果を有する。本発明の請求項5に
おいては、サーミスタ素子センサは、加熱室のマイクロ
波発生手段が設けられた側壁に配設されているので、マ
イクロ波の電界強度はさらに弱くなり、サーミスタ素子
及びサーミスタ素子の周辺の空気の温度上昇はさらに少
なく、より正確に被加熱物である食品の沸騰を検出でき
るという効果を有する。
【0138】本発明の請求項6においては、サーミスタ
素子センサは、加熱室に設けられ加熱室内の気体を加熱
室外に吸引する吸引部に配設されると共に、サーミスタ
素子センサと吸引部は冷却ファンにより生じる冷却風で
冷却されるようにしたので、サーミスタ素子センサとサ
ーミスタ素子センサの配された近傍の吸引部は冷却ファ
ンにより冷却されるため、サーミスタ素子センサとその
周辺の空気の温度上昇は極めて少なくなり、より正確な
被加熱物である食品の沸騰の検出ができるという効果を
有する。
【0139】本発明の請求項7においては、電子レンジ
の制御手段の交流増幅器は、5Hzより低い遮断周波数
のローパス特性を有するので、長期間に亘る使用におい
ても汚れによる検出特性の変化を生じることもないし、
電磁気的な誘導ノイズに対しても十分な除去能力を持つ
という効果を有する。本発明の請求項8においては、電
子レンジの制御手段の交流増幅器は、繰り返し周期の短
い波形の入力に対して大きい平均出力を出力し、単発的
な繰り返し周期の長い波形の入力に対しては小さい平均
出力を出力する充電時定数よりも大きい放電時定数を有
する積分器を有するので、十分に長い時定数を有してい
たとしても大きな時間的な遅れを伴うことなくノイズ等
の単発的な信号を吸収除去できると共に沸騰時に生じる
比較的短い繰り返し周期をもつ信号を明確に抽出するこ
とができ、比較手段がチャタリングを生じることもない
という効果を有する。
【0140】本発明の請求項9においては、電子レンジ
の制御手段が、所定の設定時間を設定する時間設定手段
と、始動スイッチにより時間設定手段で設定された設定
時間の計測を開始し、且つ電圧設定手段に基準電圧を被
加熱物の沸騰状態での交流増幅器の最大出力電圧より以
上の電圧に設定させる基準電圧指令を出力し、設定時間
を越えたときに電圧設定手段の基準電圧を被加熱物の沸
騰状態での交流増幅器の最大出力電圧より以上の電圧か
ら所定の設定電圧にする基準電圧指令を出力するタイマ
手段とを有し、電圧設定手段はタイマ手段からの基準電
圧指令に基づき基準電圧を被加熱物の沸騰状態での交流
増幅器の最大出力電圧より以上の電圧又は所定の設定電
圧に設定するので、連続して使用される電子レンジの加
熱室が高温な始動時において、タイマ手段により所定の
設定時間の間は電圧設定手段の基準電圧は被加熱物の沸
騰状態での交流増幅器の最大出力電圧より以上の電圧に
設定され、比較手段が駆動手段に電力供給遮断信号が入
力されることはなく、設定時間後に通常の設定電圧に設
定されるために、始動スイッチの押下後に誤停止するこ
とはなくなり、食品が沸騰して水分を含む気体を放出し
て始めて停止制御される操作性のよい電子レンジが得ら
れるという効果を有する。
【0141】本発明の請求項10においては、電子レン
ジの制御手段の駆動手段が、所定の設定時間を設定する
時間設定手段と、サーミスタ素子センサと交流増幅器と
の間、交流増幅器と比較手段の間又は比較手段と駆動手
段との間のいずれかに設けられ、開成信号を受けている
ときに開成し、閉成信号を受けているときに閉成するス
イッチ手段と、始動スイッチにより時間設定手段で設定
された設定時間の計測を開始し、且つスイッチ手段に開
成信号を出力し、設定時間を越えたときに閉成信号を出
力するタイマ手段とを有するので、連続して使用される
電子レンジの加熱室が高温な始動時において、タイマ手
段の開成信号により所定の設定時間の間はスイッチ手段
は開成して駆動手段に電力供給遮断信号が入力されるこ
とはなく、設定時間後にスイッチ手段は閉成して駆動手
段に電力供給遮断信号が入力される状態となるために、
始動スイッチの押下後に誤停止することはなくなり、食
品が沸騰して水分を含む気体を放出して始めて停止制御
される操作性のよい簡単な構成の電子レンジが得られる
という効果を有する。
【0142】本発明の請求項11においては、電子レン
ジの制御手段の駆動手段が、始動スイッチの電力供給信
号を受けてマイクロ波発生手段に対しては所定時間遅延
してから電力を供給させる遅延手段を有するので、その
制御手段はマイクロ波発生手段を始動させるより所定時
間以前に冷却ファンを始動させるため、加熱室内に残留
した高温の気体を加熱室外に排出できた後にマイクロ波
発生手段の始動と食品の沸騰の検出とを同時に行うこと
ができ、初期温度の高い食品が過加熱状態となることを
防止できるという効果を有する。
【0143】本発明の請求項12においては、電子レン
ジの制御手段の駆動手段は、比較手段より電力供給遮断
信号を受けて冷却ファンに対しては所定時間遅延してか
ら電力の供給を遮断する遅延手段を有するので、その制
御手段はマイクロ波発生手段が停止した後にも冷却ファ
ンを所定時間だけ動作させるため、食品から放出された
気体を速やかに排出でき、繰返して電子レンジを使用し
た場合でも残留した水蒸気により誤って食品が沸騰した
と判断してしまうことが防止できると共に、マイクロ波
発生手段が停止後に放熱手段を失って高温度になること
も防止できるのでマイクロ波発生手段の寿命を延ばすこ
とができるという効果を有する。
【0144】本発明の請求項13においては、電子レン
ジの制御手段は、始動スイッチの電力供給信号を受けて
から比較手段より電力供給遮断信号を受けるまでの被加
熱物の沸騰までの時間を計測し、その計測時間に所定の
倍率を掛けた延長時間を定める時間設定手段と、時間設
定手段により設定された延長時間を取り込み、比較手段
から電力供給遮断信号を受けたときから該延長時間をカ
ウントし、該延長時間のカウント終了後に駆動手段に電
力供給遮断信号を出力するタイマ手段を有するので、始
動スイッチを押下し、その後に制御手段の比較手段が食
品が沸騰状態になって電力供給遮断信号を出力してか
ら、時間設定手段により設定された所定の延長時間経過
後にタイマ手段が駆動手段に電力供給遮断信号を出力し
て加熱を停止するため、例えば煮物等の沸騰状態を継続
させる必要のある食品の調理において適切な調理時間を
与えることができるという効果を有する。
【0145】本発明の請求項14においては、電子レン
ジが更に、加熱室内で被加熱物を収容保持する食品皿
と、食品皿に連接され被加熱物の重量を計測する重量セ
ンサとを備え、制御手段は重量センサの計測した重量に
対応した所定の加熱時間を設定する時間設定手段と、始
動スイッチの電力供給信号を受けたときから時間設定手
段により定められた所定の加熱時間をカウントし、該加
熱時間のカウント終了後に駆動手段に電力供給遮断信号
を出力するタイマ手段とを有し、駆動手段は比較手段か
らの電力供給遮断信号とタイマ手段からの電力供給遮断
信号のいずれかの信号を受けてマイクロ波発生手段への
電力の供給を遮断するので、例えば、食品重量が大きく
て加熱時間が長く加熱室内の温度上昇が大きくなり、サ
ーミスタ素子センサによる食品の沸騰検出に時間的な遅
れが生じるときには、時間設定手段による重量センサの
計測した重量に対応した所定の加熱時間の終了後にタイ
マ手段が駆動手段にサーミスタ素子センサによる食品の
沸騰検出より早く電力供給遮断信号を出力するため、加
熱のし過ぎによる食品の乾燥等が生じない使い易い電子
レンジを提供できるという効果を有する。
【0146】本発明の請求項15においては、電子レン
ジの制御手段は、サーミスタ素子センサの抵抗値に基づ
く信号の交流成分を除去し直流成分を通過させる積分器
を備え、電圧設定手段は積分器を介して得られた直流成
分に基づく所定の基準電圧を設定するので、サーミスタ
素子センサの温度上昇に伴い食品の沸騰時におけるサー
ミスタ素子センサの抵抗値に基づく信号の交流成分の大
きさが減少しても、電圧設定手段は積分器を介して得ら
れた直流成分に基づき交流成分の大きさに比例した基準
電圧を設定できるため、相対的に同一レベルでサーミス
タ素子センサの抵抗値に基づく信号の交流成分の大きさ
と基準電圧とを比較することになり、比較手段が判定す
る時点に遅れが生じず、加熱室内の温度に係わらずに食
品の沸騰を安定して検出し、食品を加熱しすぎることが
ないという効果を有する。
【0147】本発明の請求項16においては、電子レン
ジの制御手段は、サーミスタ素子センサの抵抗値に基づ
く信号の交流成分を除去し直流成分を通過させる積分器
と、所定の高温状態を検出するための所定の高温基準電
圧を設定する高温電圧設定手段と、積分器を介して得ら
れた直流成分の大きさと高温電圧設定手段の高温基準電
圧とを比較し、積分器を介して得られた直流成分の大き
さが高温基準電圧より大きいときに始動禁止信号を出力
する高温比較手段とを有し、駆動手段は始動スイッチの
電力供給信号を受けてマイクロ波発生手段に電力を供給
し、比較手段からの電力供給遮断信号を受けてマイクロ
波発生手段への電力の供給を遮断し、高温比較手段から
の始動禁止信号を受けてその後に始動スイッチの電力供
給信号を受けてもマイクロ波発生手段への電力の供給を
禁止し、始動スイッチの電力供給信号を受けた後に高温
比較手段からの始動禁止信号を受けてもマイクロ波発生
手段への電力の供給を続行するようにしたので、加熱室
が高温状態にあるときには、制御手段の高温比較手段が
積分器を介して得られたの直流成分の大きさが高温基準
電圧より大きいときに始動禁止信号を出力し、駆動手段
は高温比較手段からの始動禁止信号を受けてマイクロ波
発生手段への電力の供給を遮断するため、サーミスタ素
子センサの抵抗値に基づく信号の交流成分の大きさによ
る電子レンジの自動運転の開始を阻止でき、食品の表面
の乾燥や加熱不足を未然に防止できるという効果を有す
る。
【0148】本発明の請求項17においては、電子レン
ジの制御手段は、始動スイッチの電力供給信号と高温比
較手段からの始動禁止信号とを受けて警報を発する報知
手段とを備えているので、報知手段により警報を発する
ことで、加熱室が高温状態にあるために電子レンジの自
動運転が禁止されていることを使用者に予め認識させ、
納得させることができるという効果を有する。
【0149】本発明の請求項18においては、電子レン
ジの制御手段は、サーミスタ素子センサの抵抗値に基づ
く信号の交流成分を除去し直流成分を通過させる積分器
と、所定の高温状態を検出するための所定の高温基準電
圧を設定する高温電圧設定手段と、積分器を介して得ら
れる直流成分の大きさと高温電圧設定手段の高温基準電
圧とを比較し、積分器を介して得られる直流成分の大き
さが高温基準電圧より大きいときに切替信号を出力する
高温比較手段とを有し、電圧設定手段は高温比較手段か
らの切替信号を受けたときに基準電圧を所定の設定電圧
から被加熱物の沸騰状態での交流増幅器の最大出力電圧
より以上の電圧に切替えるので、加熱室が高温の範囲に
ある場合にはサーミスタ素子センサの抵抗値に基づく信
号の交流成分が熱的ノイズや、食品の表面からのみ蒸発
する水分の影響を受けて増加するために食品が全体的な
沸騰状態に至る以前に誤って沸騰状態にあると判断して
しまい加熱不足になることがあるが、この場合に高温比
較手段が積分器を介して得られた直流成分の大きさが高
温基準電圧より大きいと判断して基準電圧設定手段に切
替信号を出力し、基準電圧設定手段は高温比較手段から
の切替信号を受けて基準電圧を所定の設定電圧から被加
熱物の沸騰状態での交流増幅器の最大出力電圧より以上
の電圧に切替えるため、比較手段からの電力供給遮断信
号が駆動手段に出力されることはなく、時間設定手段に
よる重量センサの計測した重量に対応した所定の加熱時
間の終了後にタイマ手段が駆動手段に電力供給遮断信号
を出力するため、重量センサの計測した重量に対応した
所定の加熱時間で食品が加熱されることとなり、加熱室
内が高温の状態で運転しても食品の加熱不足のない自動
運転を行うことができるという効果を有する。
【0150】本発明の請求項19においては、電子レン
ジの制御手段は、サーミスタ素子センサの抵抗値に基づ
く信号の交流成分を除去し直流成分を通過させる積分器
と、所定の高温状態を検出するための所定の高温基準電
圧を設定する高温電圧設定手段と、積分器を介して得ら
れる直流成分の大きさと高温電圧設定手段の高温基準電
圧とを比較し、積分器を介して得られる直流成分の大き
さが高温基準電圧より大きいときに切替信号を出力する
高温比較手段と、サーミスタ素子センサと交流増幅器と
の間、交流増幅器と比較手段の間、又は比較手段と駆動
手段との間のいずれかに設けられ、常時は閉成し、切替
信号を受けているときのみ開成するスイッチ手段とを有
し、加熱室が高温の範囲にある場合には高温比較手段が
積分器を介して得られた直流成分の大きさが高温基準電
圧より大きいと判断してスイッチ手段に切替信号を出力
し、スイッチ手段は高温比較手段からの切替信号を受け
て開成するため、駆動手段に電力供給遮断信号が入力さ
れることはなく、時間設定手段による重量センサの計測
した重量に対応した所定の加熱時間の終了後にタイマ手
段が駆動手段に電力供給遮断信号を出力するため、重量
センサの計測した重量に対応した所定の加熱時間で食品
が加熱されることとなり、加熱室内が高温の状態で運転
しても食品の加熱不足のない自動運転を行うことができ
る簡単な構成の電子レンジが得られるという効果を有す
る。
【0151】本発明の請求項20においては、電子レン
ジの制御手段は、サーミスタ素子センサの抵抗値に基づ
く信号の交流成分を除去し直流成分を通過させる積分器
と、少なくとも一つの所定の室温基準電圧を設定する室
温電圧設定手段と、積分器を介して得られる直流成分の
大きさと室温電圧設定手段の少なくとも一つの室温基準
電圧とを比較し、積分器を介して得られる直流成分の大
きさが室温基準電圧より大きいときに各々の切替信号を
出力する室温比較手段とを有し、時間設定手段は室温比
較手段からの各々の切替信号を受けたときに加熱時間を
所定の設定時間から加熱室内の温度に対応した各重量に
応じた各々所定の加熱時間に切替えるので、室温比較手
段が積分器を介して得られた直流成分の大きさが室温電
圧設定手段の少なくとも一つの室温基準電圧より大きい
ときに切替信号を時間設定手段に出力し、時間設定手段
は重量センサにより定められた加熱時間を加熱室内温度
に応じて変更し、その変更された加熱時間で加熱し、そ
の加熱時間の終了後にタイマ手段が駆動手段に電力供給
遮断信号を出力するため、加熱室内の温度が上昇しても
食品を加熱しすぎることがないという効果を有する。
【0152】本発明の請求項21においては、電子レン
ジに更に、加熱室内の気体を加熱するヒータ加熱手段と
ヒータ加熱手段を制御するヒータ加熱制御手段とを設
け、ヒータ加熱制御手段はその温度比較手段が積分器を
介して得られたサーミスタ素子センサの抵抗値に基づく
信号の直流成分の大きさが温度設定手段の温度基準電圧
より小さいときに第2の電力供給信号を出力し、タイマ
手段がオーブン始動スイッチの第1の電力供給信号によ
り時間設定手段で設定された加熱時間の計測を開始し、
加熱時間を越えたときに電力供給遮断信号を出力し、ヒ
ータ駆動手段は第1の電力供給信号が出てからタイマ手
段の電力供給遮断信号が出るまでの間は温度比較手段の
第2の電力供給信号を受けているときにのみヒータ加熱
手段に電力を供給し、タイマ手段より電力供給遮断信号
を受けるとヒータ加熱手段への電力の供給を遮断するよ
うにしたので、オーブン始動スイッチの押下後に、時間
設定手段で設定された加熱時間の間は加熱室内の温度が
温度設定手段の温度基準電圧に相当する温度より小さい
ときには温度比較手段が第2の電力供給信号を出力し、
タイマ手段が加熱時間を越えて電力供給遮断信号を出力
するまでは、ヒータ駆動手段は温度比較手段の第2の電
力供給信号を受けているときにのみヒータ加熱手段に電
力を供給するため、ただ1個のサーミスタ素子センサの
みを用いて、ヒータ加熱制御手段は、所定の加熱時間の
間は加熱室を所定の温度に保つオーブンとして機能する
ことができ、ヒータ付き電子レンジを実現できるという
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1の電子レンジを示す構成
図。
【図2】 同電子レンジの縦断面図。
【図3】 同電子レンジのサーミスタ素子センサの斜視
図。
【図4】 図3のサーミスタ素子センサの取付状態を示
す断面図。
【図5】 同電子レンジの他のサーミスタ素子センサの
斜視図。
【図6】 図5のサーミスタ素子センサの取付状態を示
す断面図。
【図7】 サーミスタ素子センサの出力信号の波形図及
び周波数分析図。
【図8】 同電子レンジの制御手段の具体的な回路図。
【図9】 図8の制御手段中の交流増幅器の出力信号の
波形図及び拡大波形図。
【図10】 図8の制御手段中の交流増幅器に代わる別
の第1の形態を示す回路図。
【図11】 図10の交流増幅器の他の積分増幅部を示
す回路図。
【図12】 図8の制御手段中の交流増幅器に代わる別
の第2の形態を示す回路図。
【図13】 同電子レンジの別の第1の形態を示す縦断
面図。
【図14】 同電子レンジの別の第1の形態を示す横断
面図。
【図15】 同電子レンジの別の第2の形態を示す縦断
面図。
【図16】 サーミスタ素子センサの出力信号の出力波
高値を示すグラフ。
【図17】サーミスタ素子センサ温度の加熱室内温度に
対応する特性を示すグラフ。
【図18】 サーミスタ素子センサにシリコングリスを
塗布した場合の周波数分析図。
【図19】 サーミスタ素子センサにシリコングリスを
塗布した場合と塗布しない場合の交流増幅器の出力の周
波数分析図。
【図20】 図19の交流増幅器の周波数特性図。
【図21】 図8の制御手段中の交流増幅器に代わる別
の第3の形態を示す回路図。
【図22】 図21の交流増幅器の動作を説明するタイ
ムチャート。
【図23】 図21の交流増幅器の微分器と積分器を組
合せた他の形態を示す回路図。
【図24】 本発明の実施形態2の電子レンジを示す構
成図。
【図25】 同電子レンジの制御手段の具体的な回路
図。
【図26】 図25の制御手段の動作を説明するタイム
チャート。
【図27】 図25の制御手段中のタイマ手段に代わる
別の第1の形態を示す回路図。
【図28】 図25の制御手段中のタイマ手段に代わる
別の第2の形態を示す回路図。
【図29】 図25の制御手段中のタイマ手段に代わる
別の第3の形態を示す回路図。
【図30】 図25の制御手段中のタイマ手段に代わる
別の第4の形態を示す回路図。
【図31】 同電子レンジの制御手段の別の第1の形態
を示すブロック図。
【図32】 同電子レンジの制御手段の別の第2の形態
を示すブロック図。
【図33】 図25の制御手段中の駆動手段に代わる別
の第1の形態を示す回路図。
【図34】 図33の駆動手段の動作を説明するタイム
チャート。
【図35】 図25の制御手段中の駆動手段に代わる別
の第2の形態を示す回路図。
【図36】 本発明の実施形態3の電子レンジを示す構
成図。
【図37】 同電子レンジの制御手段の具体的な回路
図。
【図38】 図37の制御手段中の時間設定手段に代わ
る別の第1の形態を示す回路図。
【図39】 図37の制御手段中の時間設定手段に代わ
る別の第2の形態を示す回路図。
【図40】 図39の時間設定手段の出力特性図。
【図41】 図37の制御手段中のタイマ手段に代わる
別の第1の形態を示す回路図。
【図42】 図37の制御手段中のタイマ手段に代わる
別の第2の形態を示す回路図。
【図43】 本発明の実施形態4の電子レンジを示す構
成図。
【図44】 同電子レンジの制御手段の具体的な回路
図。
【図45】 図44の制御手段中の時間設定手段の出力
特性図。
【図46】 図44の制御手段の動作を説明する加熱時
間の特性図。
【図47】 図44の制御手段中の時間設定手段に代わ
る別の第1の形態を示す回路図。
【図48】 図44の制御手段中の時間設定手段に代わ
る別の第2の形態を示す回路図。
【図49】 図48の時間設定手段の動作を説明するタ
イムチャート。
【図50】 図44の制御手段中のタイマ手段に代わる
別の第1の形態を示す回路図。
【図51】 図44の制御手段中のタイマ手段に代わる
別の第2の形態を示す回路図。
【図52】 本発明の実施形態5の電子レンジを示す構
成図。
【図53】 同電子レンジの制御手段の具体的な回路
図。
【図54】 図53の制御手段中の電圧設定手段の出力
特性図。
【図55】 本発明の実施形態6の電子レンジを示す構
成図。
【図56】 同電子レンジの制御手段の具体的な回路
図。
【図57】 本発明の実施形態7の電子レンジを示す構
成図。
【図58】 同電子レンジの制御手段の具体的回路図。
【図59】 同電子レンジの制御手段の動作を説明する
加熱時間の温度特性図。
【図60】 同電子レンジの制御手段の別の第1の形態
を示すブロック図。
【図61】 同電子レンジの制御手段の別の第2の形態
を示すブロック図。
【図62】 本発明の実施形態8の電子レンジを示す構
成図。
【図63】 同電子レンジの制御手段の具体的な回路
図。
【図64】 図63の制御手段中の時間設定手段の出力
特性図。
【図65】 図63の制御手段の動作を説明する食品重
量に対応する加熱時間の特性を示す特性図。
【図66】 本発明のの実施形態9の電子レンジを示す
構成図。
【図67】 同電子レンジの第1の制御手段の具体的な
回路図。
【図68】 同電子レンジの第2の制御手段の具体的な
回路図。
【図69】 従来の電子レンジを示すブロック図。
【図70】 従来の別の電子レンジを示すブロック図。
【符号の説明】
1 サーミスタ素子センサ、4 交流増幅器、6 比較
手段、9 制御手段、10 マイクロ波発生手段、11
冷却ファン、13 加熱室、14 被加熱物(食
品)、15 吸気部、17 被加熱物より放出される気
体、18 排気部。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正内容】
【0063】また、スイッチ手段41を交流増幅器4の
入力側に設けて交流増幅器4にサーミスタ素子センサ1
の出力電圧VTHが入力されないように構成することも可
能なることも明白であり、タイマ手段40がサーミスタ
素子センサ1の抵抗値に基づく信号の交流成分によるマ
イクロ波発生手段10の停止制御を始動スイッチ7の押
下後の所定期間禁止できる構成であれば、制御手段9の
構成は任意に選ぶことができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0113
【補正方法】変更
【補正内容】
【0113】したがって、重量センサ43により設定さ
れた加熱時間TB と、サーミスタ素子センサ1の抵抗値
に基づく信号の交流成分の大きさによる加熱時間のいず
れか短い方で加熱時間が決定された場合には、加熱時間
は温度の上昇に伴い、温度T1 までは特性Bに従い温度
1 と温度T2 の間は特性Aに従うが、温度T2 以上で
は特性Cに従ってしまい明白に食品14の加熱が不足し
てしまうことになる。そこで、本実施の形態における制
御手段9ではサーミスタ素子センサ1の抵抗値に基づく
信号の直流成分(これはサーミスタ素子センサ1の温度
に相当する)が所定の値を越えるときにはサーミスタ素
子センサ1の抵抗値に基づく信号の交流成分の大きさに
よるマイクロ波発生手段の停止制御を禁止するよう構成
しているので、上記の所定の値を図59における温度T
1 と温度T2 の中間の温度T3に相当するように定めて
おけば、図59において加熱室13の温度が温度T1
り低い時は特性Bに従い、温度T1 より高くなれば特性
Aに従うので、加熱室13の温度が高い範囲での食品1
4の加熱が不足することはない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0114
【補正方法】変更
【補正内容】
【0114】図60、図61は、実施の形態7の制御手
段の別の第1、第2の形態をそれぞれ示すブロック図で
ある。図60は交流増幅器4と第1の比較手段6との間
にアナログスイッチなどで構成されたスイッチ手段41
を挿入して第2の比較手段46でスイッチ手段を制御す
るよう構成しており、図61は第1の比較手段6と駆動
手段8との間にアナログスイッチなどで構成されたスイ
ッチ手段41を挿入して第2の比較手段46でスイッチ
手段を制御するよう構成したものであり、いずれもサー
ミスタ素子センサ1の抵抗値に基づく信号の直流成分の
大きさが所定値を越えるときには第1の比較手段6によ
るマイクロ波発生手段10を停止制御する動作は禁止さ
れるので第7の実施の形態と同等の効果を得ることがで
きる。また、スイッチ手段41を交流増幅器4の入力側
に設けてサーミスタ素子センサ1の出力電圧VTHが交流
増幅器4に入力されることを阻止しても同等の効果が得
られることは明白である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05B 6/68 320 H05B 6/68 320S (72)発明者 新井 勉 埼玉県大里郡花園町大字小前田1728番地1 三菱電機ホーム機器株式会社内 (72)発明者 金井 孝博 埼玉県大里郡花園町大字小前田1728番地1 三菱電機ホーム機器株式会社内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加熱物を収容する加熱室と、加熱室内
    の被加熱物を加熱するマイクロ波発生手段と、マイクロ
    波発生手段に冷却風を送る冷却ファンと、冷却風の一部
    を加熱室内に導びく吸気部と、加熱室内の気体を加熱室
    外に排出する排気部と、加熱室内の被加熱物より放出さ
    れる気体に接するように設けられたサーミスタ素子セン
    サと、サーミスタ素子センサの抵抗値に基づく信号の交
    流成分の大きさをもとに前記マイクロ波発生手段に対し
    て電力供給・遮断制御してなる制御手段とを備えたこと
    を特徴とする電子レンジ。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は前記サーミスタ素子セン
    サが検出した信号の交流成分を増幅する交流増幅器と、
    予め定められた沸騰状態を検出するための基準電圧を設
    定する電圧設定手段と、交流増幅器の出力電圧と電圧設
    定手段の基準電圧とを比較し、交流増幅器の出力電圧が
    基準電圧より大きいときに電力供給遮断信号を出力する
    比較手段と、電力供給信号を出力する始動スイッチと、
    始動スイッチの電力供給信号を受けて前記マイクロ波発
    生手段に電力を供給し、比較手段より電力供給遮断信号
    を受けて前記マイクロ波発生手段への電力の供給を遮断
    する駆動手段とを備えてなることを特徴とする請求項1
    記載の電子レンジ。
  3. 【請求項3】 前記サーミスタ素子センサは、ガラスコ
    ートされたビード形サーミスタ素子であり、ガラスコー
    トされた一端を被加熱物より放出される気体に前記加熱
    室内で又は前記加熱室から外部に通じる経路で接触せし
    めるとともに、ガラスコートされたリード引出部を含む
    他端を前記加熱室外の空気に晒されるよう露出させて取
    付けたことを特徴とする請求項1項記載の電子レンジ。
  4. 【請求項4】 前記サーミスタ素子センサは加熱室のマ
    イクロ波発生手段により生じる電界の強度が弱くなる隅
    部近傍に配設されていることを特徴とする請求項1、2
    又は3のいずれか記載の電子レンジ。
  5. 【請求項5】 前記サーミスタ素子センサは、加熱室の
    マイクロ波発生手段が設けられた側壁に配設されている
    ことを特徴とする請求項4記載の電子レンジ。
  6. 【請求項6】 前記サーミスタ素子センサは、加熱室に
    設けられ、加熱室内の気体を加熱室外に吸引する吸引部
    に配設されると共に、サーミスタ素子センサと吸引部は
    前記冷却ファンにより生じる冷却風で冷却されるように
    したことを特徴とする請求項1、2又は3のいずれか記
    載の電子レンジ。
  7. 【請求項7】 前記制御手段の交流増幅器は5Hzより
    低い遮断周波数のローパス特性を有することを特徴とす
    る請求項2、又は3のいずれか記載の電子レンジ。
  8. 【請求項8】 前記制御手段の交流増幅器は、繰り返し
    周期の短い波形の入力に対して大きい平均出力を出力
    し、単発的な繰り返し周期の長い波形の入力に対しては
    小さい平均出力を出力する充電時定数より長い放電時定
    数を持つ積分器を有することを特徴とする請求項2、
    3、又は7のいずれか記載の電子レンジ。
  9. 【請求項9】 前記制御手段は、所定の設定時間を設定
    する時間設定手段と、前記始動スイッチにより時間設定
    手段で設定された設定時間の計測を開始し、且つ前記電
    圧設定手段に基準電圧を被加熱物の沸騰状態での前記交
    流増幅器の最大出力電圧より以上の電圧に設定させる基
    準電圧指令を出力し、設定時間を越えたときに電圧設定
    手段の基準電圧を被加熱物の沸騰状態での交流増幅器の
    最大出力電圧より以上の電圧から所定の設定電圧にする
    基準電圧指令を出力するタイマ手段とを有し、 前記電圧設定手段はタイマ手段からの基準電圧指令に基
    づき基準電圧を被加熱物の沸騰状態での前記交流増幅器
    の最大出力電圧より以上の電圧又は所定の設定電圧に設
    定することを特徴とする請求項2、3、7又は8のいず
    れか記載の電子レンジ。
  10. 【請求項10】 前記制御手段は、所定の設定時間を設
    定する時間設定手段と、前記サーミスタ素子センサと前
    記交流増幅器との間、前記交流増幅器と前記比較手段の
    間又は前記比較手段と前記駆動手段との間のいずれかに
    設けられ、開成信号を受けているときに開成し、閉成信
    号を受けているときに閉成するスイッチ手段と、前記始
    動スイッチにより時間設定手段で設定された設定時間の
    計測を開始し、且つ前記スイッチ手段に開成信号を出力
    し、設定時間を越えたときに閉成信号を出力するタイマ
    手段とを有することを特徴とする請求項2、3、7又は
    8のいずれか記載の電子レンジ。
  11. 【請求項11】 前記制御手段の駆動手段は、前記始動
    スイッチの電力供給信号を受けて前記マイクロ波発生手
    段に対しては所定時間遅延してから電力を供給させる遅
    延手段を有することを特徴とする請求項2、3、7、
    8、9又は10のいずれか記載の電子レンジ。
  12. 【請求項12】 前記制御手段の駆動手段は、前記比較
    手段より電力供給遮断信号を受けて前記冷却ファンに対
    しては所定時間遅延してから電力の供給を遮断する遅延
    手段を有することを特徴とする請求項2、3、7、8、
    9、10又は11のいずれか記載の電子レンジ。
  13. 【請求項13】 前記制御手段は、始動スイッチの電力
    供給信号を受けてから比較手段より電力供給遮断信号を
    受けるまでの被加熱物の沸騰までの時間を計測し、その
    計測時間に所定の倍率を掛けた延長時間を定める時間設
    定手段と、時間設定手段により設定された延長時間を取
    り込み、前記比較手段からの電力供給遮断信号を受けた
    ときから該延長時間をカウントし、該延長時間のカウン
    ト終了後に前記駆動手段に電力供給遮断信号を出力する
    タイマ手段を有することを特徴とする請求項2、3、
    7、又は8のいずれか記載の電子レンジ。
  14. 【請求項14】 前記加熱室内で被加熱物を収容保持す
    る食品皿と、食品皿に連接され前記被加熱物の重量を計
    測する重量センサとを備え、 前記制御手段は重量センサの計測した重量に対応した所
    定の加熱時間を設定する時間設定手段と、始動スイッチ
    の電力供給信号を受けたときから時間設定手段により定
    められた所定の加熱時間をカウントし、該加熱時間のカ
    ウント終了後に前記駆動手段に電力供給遮断信号を出力
    するタイマ手段とを有し、 前記駆動手段は前記比較手段からの電力供給遮断信号と
    前記タイマ手段からの電力供給遮断信号のいずれかの信
    号を受けて前記マイクロ波発生手段への電力の供給を遮
    断することを特徴とする請求項2、3、7又は8のいず
    れか記載の電子レンジ。
  15. 【請求項15】 前記制御手段は、前記サーミスタ素子
    センサの抵抗値に基づく信号の交流成分を除去し直流成
    分を通過させる積分器を備え、前記電圧設定手段は積分
    器を介して得られた直流成分の大きさに基づく所定の基
    準電圧を設定することを特徴とする請求項2、3、7又
    は8のいずれか記載の電子レンジ。
  16. 【請求項16】 前記制御手段は、前記サーミスタ素子
    センサの抵抗値に基づく信号の交流成分を除去し直流成
    分を通過させる積分器と、所定の高温状態を検出するた
    めの所定の高温基準電圧を設定する高温電圧設定手段
    と、積分器を介して得られた直流成分の大きさと前記高
    温電圧設定手段の高温基準電圧とを比較し、積分器を介
    して得られた直流成分の大きさが高温基準電圧より大き
    いときに始動禁止信号を出力する高温比較手段とを有
    し、 前記駆動手段は前記始動スイッチの電力供給信号を受け
    て前記マイクロ波発生手段に電力を供給し、前記比較手
    段からの電力供給遮断信号を受けて前記マイクロ波発生
    手段への電力の供給を遮断し、前記高温比較手段からの
    始動禁止信号を受けてその後に始動スイッチの電力供給
    信号を受けてもマイクロ波発生手段への電力の供給を禁
    止し、始動スイッチの電力供給信号を受けた後に高温比
    較手段からの始動禁止信号を受けてもマイクロ波発生手
    段への電力の供給を続行することを特徴とする請求項
    2、3、7又は8記載の電子レンジ。
  17. 【請求項17】 前記制御手段は、前記始動スイッチの
    電力供給信号と前記高温比較手段からの始動禁止信号と
    を受けて警報を発する報知手段とを備えてなることを特
    徴とする請求項16記載の電子レンジ。
  18. 【請求項18】 前記制御手段は、前記サーミスタ素子
    センサの抵抗値に基づく信号の交流成分を除去し直流成
    分を通過させる積分器と、所定の高温状態を検出するた
    めの所定の高温基準電圧を設定する高温電圧設定手段
    と、前記積分器を介して得られる直流成分の大きさと前
    記高温電圧設定手段の高温基準電圧とを比較し、積分器
    を介して得られる直流成分の大きさが高温基準電圧より
    大きいときに切替信号を出力する高温比較手段とを有
    し、 前記電圧設定手段は高温比較手段からの切替信号を受け
    たときに基準電圧を所定の設定電圧から被加熱物の沸騰
    状態での前記交流増幅器の最大出力電圧より以上の電圧
    に切替えることを特徴とする請求項14記載の電子レン
    ジ。
  19. 【請求項19】 前記制御手段は、前記サーミスタ素子
    センサの抵抗値に基づく信号の交流成分を除去し直流成
    分を通過させる積分器と、所定の高温状態を検出するた
    めの所定の高温基準電圧を設定する高温電圧設定手段
    と、前記積分器を介して得られる直流成分の大きさと前
    記高温電圧設定手段の高温基準電圧とを比較し、積分器
    を介して得られる直流成分の大きさが高温基準電圧より
    大きいときに切替信号を出力する高温比較手段と、前記
    サーミスタ素子センサと前記交流増幅器との間、前記交
    流増幅器と前記比較手段の間、又は前記比較手段と前記
    駆動手段との間のいずれかに設けられ、常時は閉成し、
    切替信号を受けているときのみ開成するスイッチ手段と
    を有することを特徴とする請求項14記載の電子レン
    ジ。
  20. 【請求項20】 前記制御手段は、前記サーミスタ素子
    センサの抵抗値に基づく信号の交流成分を除去し直流成
    分を通過させる積分器と、少なくとも一つの所定の室温
    基準電圧を設定する室温電圧設定手段と、積分器を介し
    て得られた直流成分の大きさと室温電圧設定手段の少な
    くとも一つの室温基準電圧とを比較し、積分器を介して
    得られた直流成分の大きさが室温基準電圧より大きいと
    きに各々の切替信号を出力する室温比較手段とを有し、 前記時間設定手段は前記室温比較手段からの各々の切替
    信号を受けたときに加熱時間を所定の設定時間から加熱
    室内の温度に対応した各重量に応じた各々所定の加熱時
    間に切替えることを特徴とする請求項14記載の電子レ
    ンジ。
  21. 【請求項21】 前記加熱室内の気体を加熱するヒータ
    加熱手段とヒータ加熱手段を制御するヒータ加熱制御手
    段とを備え、 前記ヒータ加熱制御手段は、前記サーミスタ素子センサ
    の抵抗値に基づく信号の交流成分を除去し直流成分を通
    過させる積分器と、所望の温度基準電圧を設定する温度
    設定手段と、積分器を介して得られた直流成分の大きさ
    と温度設定手段の温度基準電圧とを比較し、積分器を介
    して得られた直流成分の大きさが温度基準電圧より小さ
    いときに第2の電力供給信号を出力する温度比較手段
    と、第1の電力供給信号を出力するオーブン始動スイッ
    チと、所望の加熱時間を設定する時間設定手段と、オー
    ブン始動スイッチの第1の電力供給信号により時間設定
    手段で設定された加熱時間の計測を開始し、加熱時間を
    越えたときに電力供給遮断信号を出力するタイマ手段
    と、第1の電力供給信号が出てからタイマ手段の電力供
    給遮断信号が出るまでの間は温度比較手段の第2の電力
    供給信号を受けているときのみに前記ヒータ加熱手段に
    電力を供給し、タイマ手段より電力供給遮断信号を受け
    ると前記ヒータ加熱手段への電力の供給を遮断するヒー
    タ駆動手段とを備えてなることを特徴とする請求項1、
    2、3、7又は8のいずれか記載の電子レンジ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010144961A (ja) * 2008-12-17 2010-07-01 Rinnai Corp 加熱機器
CN105996736A (zh) * 2016-07-29 2016-10-12 广东美的厨房电器制造有限公司 控制方法、控制装置及烹饪装置

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