JPH0827316B2 - マイクロ波電力検出装置 - Google Patents

マイクロ波電力検出装置

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JPH0827316B2
JPH0827316B2 JP4309514A JP30951492A JPH0827316B2 JP H0827316 B2 JPH0827316 B2 JP H0827316B2 JP 4309514 A JP4309514 A JP 4309514A JP 30951492 A JP30951492 A JP 30951492A JP H0827316 B2 JPH0827316 B2 JP H0827316B2
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microwave
temperature
wave absorber
thermistor element
sensor
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昌弘 平間
正己 越村
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Mitsubishi Materials Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子レンジのようなマイ
クロ波加熱装置において被加熱体の加熱状況又は仕上り
状況を検出するに適したマイクロ波センサを用いたマイ
クロ波電力検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子レンジにはマイクロ波加熱による冷
凍食品の解凍機能、冷えた食品の温め機能等各種機能が
装備されている。電子レンジではこの種の食品の加熱状
況又は仕上り状況をセンサにより検出してマイクロ波を
発生するマグネトロンの出力を自動的に制御している。
従来、食品の冷凍状態から解凍状態までの温度変化を追
跡し、解凍サイクルの終りを検出する電子レンジが開示
されている(特開昭64−50385)。この電子レン
ジはマイクロ波を吸収して発熱する検出器とその温度を
測定する素子とその温度から電子レンジの作動を制御す
る計算及び制御装置を備える。検出器は電子レンジ内の
処理すべき製品の近傍に配置され、計算及び制御装置は
時間の関数としての検出器の温度上昇を表わす曲線を求
め、この曲線の二次導関数の値を計算することにより製
品の解凍サイクルの終りを決定し、また二次導関数の値
が所定値よりも小さくなる解凍サイクルの終了時に電子
レンジの作動を制御する。
【0003】また、複数の順次の解凍作業において各解
凍作業の終了を一定の感度で検出できる検出器を備えた
別の電子レンジが開示されている(特開昭64−503
84)。この電子レンジもマイクロ波検出器と温度測定
素子と計算及び制御装置とを備える。この電子レンジで
は、検出器がマイクロ波を透過するが、マイクロ波の吸
収により発熱した検出器の外部への熱放散を防止する熱
絶縁体を含んでいる。この熱絶縁体により外部との熱交
換が減少して温度上昇が増加するので、検出器は各解凍
作業を感度を低下させることなく検出できる。またこの
検出器は外部に対する熱交換面積が大きくかつその厚さ
が薄く形成される。このため検出器は外部との熱交換が
促進され、各解凍作業後に初期特性を急速に回復する熱
的ラグの小さいものになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開昭64−5038
5号公報に示される電子レンジでは、製品が氷の状態か
ら水の状態に移行すると、製品は徐々により多くのマイ
クロ波電力を吸収して徐々に加熱され、検出器に吸収さ
れるエネルギは徐々に減少する。ここで、時間の関数と
して検出器の温度上昇を示す曲線の勾配(一次導関数)
を測定した場合に、この勾配がやや減少し二次導関数の
絶対値が所定値よりも大きくなったとき、電子レンジ内
の製品は解凍し始める。またこの勾配が緩やかになり、
二次導関数の絶対値が所定値よりも小さくなったとき、
製品は解凍を終了する。上記電子レンジはこの二次導関
数の変化から解凍状態を決定している。しかし、この解
凍状態の決定方法によれば二次導関数の変化をもたらす
のは、検出器に吸収されるマイクロ波電力の変化のみで
なくてはならない。
【0005】一方、一般に熱容量Cを持つ被加熱物質、
例えばマイクロ波センサがマイクロ波電力Eを受けたと
きのt時間後の温度上昇値θは外部への熱放散が全くな
い、完全な断熱状態において、次の式(2)で表わされ
る。この関係は図7に示される。なお、θはマイクロ波
電力Eを受ける前の温度θ 0 からマイクロ波電力Eをt
時間受けた後の温度θ t までの温度上昇値である。 θ = E・t/C (2) しかしながら、実際の被加熱物質では、マイクロ波電力
を受けたときに外部への熱放散を無視することができな
い。この場合、被加熱物質が熱放散定数δを持つ場合、
微小時間dtにこの物質が受取るエネルギE・dtは次
の式(3)で表わされる。 E・dt = C・dθ + δ・θ・dt (3) ただし、dθは微小時間に上昇した温度、C・dθは微
小時間に物質に蓄えられた熱エネルギ、δ・θ・dtは
微小時間に周囲に放散した熱エネルギである。上記式
(3)から温度上昇値θは電力Eが一定のとき次の式
(4)で表わされる。この関係は図8に示される。 θ = (E/δ)・{1−exp(−t/τ)} (4) ただし、τは熱時定数であって、C=τ・δの関係があ
る。図7及び図8から明らかなように、温度上昇値θが
大きくなるに従って、式(1)と式(2)との差が増大
する。
【0006】さて、上記式(4)から特開昭64−50
385号公報に述べられた一次導関数(dθ/dt)及
び二次導関数(d2θ/dt2)を求めると、次の式
(5)及び式(6)がそれぞれ得られる。これらの関係
は図9及び図10に示される。 dθ/dt =(E/δ/τ)・exp(−t/τ) (5) d2θ/dt2=(−E/δ/τ2)・exp(−t/τ) (6) 図10及び式(6)から二次導関数(d2θ/dt2)は
時間tが零から無限大(0〜∞)の範囲において、(−
E/δ/τ2)から0へと変化することを示しており、
熱放散を考慮すると時間に対しエネルギが変化しない場
合でも二次導関数の変化がもたらされる。このことは特
開昭64−50385号公報の電子レンジの解凍状態の
決定方法が温度上昇値θが大きくなった状態では、正確
でないことを示唆している。即ち、上記電子レンジでは
検出器に吸収されるマイクロ波電力の変化のみで二次導
関数の変化をみて、この二次導関数の変化から解凍状態
を決定しているが、実際にはマイクロ波センサの熱放散
を考慮する必要がある。
【0007】また、特開昭64−50384号公報に示
される電子レンジでは、上述したように熱絶縁体を用
い、かつ熱放散し易い構造を採用している。熱絶縁体
はマイクロ波が照射されている間は熱放散を減少させ、
熱放散し易い構造はマイクロ波が照射されない間は熱
放散を大きくし速やかに初期状態に復帰させ、かつ繰返
し加熱する場合の熱の累積による熱破壊の防止をはかっ
ている。しかし、上記とは相反するものであり、そ
れぞれ十分に満足することは不可能である。更に、検出
器の外部への熱放散を考慮する場合には、この放散され
る熱量は周囲の温度により左右される。即ち、周囲の温
度が高いときには放散される熱量は少なく、低いときは
多い。例えば電子レンジではその使用状況によってその
加熱室が高温になった場合には検出誤差が大きくなる。
従来の単一の検出器では周囲の温度は画一的に捉えてい
たため、なお正確にマイクロ波電力を検出できない不具
合があった。
【0008】本発明の目的は、マイクロ波センサの熱放
散を必ずしも減少させる必要がなくこの熱放散を考慮
して、マイクロ波センサの周囲の温度変化に影響されず
より正確にマイクロ波電力を検出できる装置を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】図1に示すように、本発
明は、マイクロ波加熱室17にマイクロ波センサ10と
温度センサ50が並んで設置される。マイクロ波センサ
10はマイクロ波を吸収して発熱する電波吸収体12と
この吸収体12の温度を検出する第1サーミスタ素子1
1とを有する。温度センサ50は電波吸収体12の周囲
の温度を検出する第2サーミスタ素子51を有する。電
波吸収体12はマイクロ波加熱室17を形成する金属壁
15に設けられた取付孔15aに第1金属体28を介し
て電波吸収体12の一方の面12aを加熱室内に向けて
取付けられ、電波吸収体12の他方の面12bにサーミ
スタ素子11の感温部11aがマイクロ波を受けないよ
うに接着され、第2サーミスタ素子51が金属壁15の
背面に第2金属体29を介して取付けられる。
【0010】コントローラ30はマイクロ波センサ10
及び温度センサ50の各検出出力に基づいて下記式
(1)によりマイクロ波電力の値を時間の関数として計
算する。 E = C・dθ/dt + δ・θ (1) ただし、Eは前記電波吸収体が吸収したマイクロ波電
力、θ=(θ t1 −θ 01 )−(θ t2 −θ 02 であって、θ
01 は前記電波吸収体がマイクロ波電力Eを吸収する前の
前記第1サーミスタ素子の検出温度、θ t1 は前記電波吸
収体がマイクロ波電力Eをt時間吸収した後の前記第1
サーミスタ素子の検出温度θ 02 は前記電波吸収体がマ
イクロ波電力Eを吸収する前の前記第2サーミスタ素子
の検出温度θ t2 は前記電波吸収体がマイクロ波電力E
をt時間吸収した後の前記第2サーミスタ素子の検出温
度、Cは前記マイクロ波センサの熱容量、δは前記マイ
クロ波センサの熱放散定数である。
【0011】
【作用】マイクロ波センサ10にマイクロ波が到来する
と、電波吸収体12がこれを吸収して発熱する。温度セ
ンサ50を構成するサーミスタ素子51は金属壁15に
伝わってくる熱により電気抵抗値が変化する。この熱は
被加熱物又は電波吸収体12のいずれか一方又は双方か
ら発せられる熱である。一方、マイクロ波センサ10を
構成するサーミスタ素子11はその周囲の熱に加えてマ
イクロ波電力量に相応した電波吸収体12の発熱により
電気抵抗値が変化する。コントローラ30は、電波吸収
体12がマイクロ波電力を吸収する前の第1サーミスタ
素子11の検出温度θ 01 から電波吸収体12がマイクロ
波電力をt時間吸収した後の第1サーミスタ素子11の
検出温度θ t1 までの温度上昇値(θ t1 −θ 01 )から、電
波吸収体12がマイクロ波電力を吸収する前の第2サー
ミスタ素子51の検出温度θ 02 から電波吸収体12がマ
イクロ波電力をt時間吸収した後の第2サーミスタ素子
51の検出温度θ t2 までの温度上昇値(θ t2 −θ 02
減算して、マイクロ波電力の吸収による発熱分だけを求
める。コントローラ30に予め式(1)の関係とマイク
ロ波センサ10に固有の熱容量C及び熱放散定数δの各
値を記憶させておき、上記θ=(θ t1 −θ 01 )−(θ t2
−θ 02 を前記式(1)に代入すれば、マイクロ波セン
サ10の熱放散と、周囲の温度変化を考慮して被加熱物
が受けるマイクロ波電力量をより正確に求めることがで
きる。
【0012】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳し
く説明する。図1に示すように、電子レンジ13の前面
には扉14が開閉可能に設けられる。電子レンジ13の
加熱室17の天井部にはマイクロ波センサ10と温度セ
ンサ50が並設される。マイクロ波センサ10は天井部
の金属壁15に設けられた取付孔15aに第1金属体2
8を介して電波吸収体12の一方の面12aを加熱室内
に向けて取付けられ、第2サーミスタ素子51が金属壁
15の背面に第2金属体29を介して取付けられる。こ
れによりこのマイクロ波センサ10はマイクロ波が照射
されない間は熱放散し易い構造となる。マイクロ波セン
サ10はマイクロ波を吸収して発熱する電波吸収体12
とこの吸収体12の温度を検出する第1サーミスタ素子
11とを有する。温度センサ50は電波吸収体12の周
囲の温度を検出する第2サーミスタ素子51を有する。
【0013】加熱室17の奥部には2450MHzのマ
イクロ波を発生するマグネトロン18が、またその背後
にはブロアファン19及びファンモータ20がそれぞれ
設けられる。サーミスタ素子11及び51のリード11
c,51cはマグネトロン18からのマイクロ波を受け
ない位置に設けられる。加熱室17の底部には容器21
を載せてモータ23により回転するターンテーブル22
が設けられる。ファンモータ20の近傍には吸気口24
が、また加熱室17の天井部には排気口26がそれぞれ
設けられる。電子レンジ13にはCPU及びメモリを含
むコントローラ30が設けられる。このメモリには前述
した式(1)の関係と前述したマイクロ波センサ10の
熱放散定数δ及び熱時定数τの各値が記憶される。マイ
クロ波センサ10及び温度センサ50の検出出力はコン
トローラ30に接続される。電波吸収体12の発熱によ
る温度上昇値(θ t1 −θ 01 がサーミスタ素子11の電
気信号として、また金属体29を介して伝わる熱による
温度上昇値(θ t2 −θ 02 がサーミスタ素子51の電気
信号としてそれぞれコントローラ30に入力する。この
金属体29を介して伝わる熱としては、電子レンジ13
内の被加熱物の放散熱による金属壁15の発熱と、図1
の符号Tに示すような吸収体12から金属体28を介し
て伝わる金属壁15の発熱がある。またコントローラ3
0の制御出力はマグネトロン18、モータ20及び23
にそれぞれ接続される。なお、θ 01 は電波吸収体12が
マイクロ波電力Eを吸収する前のサーミスタ素子11の
検出温度、θ t1 は電波吸収体12がマイクロ波電力Eを
t時間吸収した後のサーミスタ素子11の検出温度、θ
02 は電波吸収体12がマイクロ波電力Eを吸収する前の
サーミスタ素子51の検出温度、θ t2 は電波吸収体12
がマイクロ波電力Eをt時間吸収した後のサーミスタ素
子51の検出温度である。
【0014】図2はマイクロ波センサ10の製造工程を
示す。予め直径が10〜30mm、厚さが0.5〜5m
mの円板状の電波吸収体12を用意する。厚さが0.2
〜1mmで、電波吸収体12の外径より4〜6mm小さ
な孔径の孔28dが中央に形成され、周縁に3個のねじ
挿通孔28eが形成され、かつ電波吸収体12の外径よ
り5〜20mm大きな外径の円板28bを用意する。ま
た厚さが0.2〜1mmで、電波吸収体12の外径より
4〜6mm小さな孔径の孔28cが中央に形成され、か
つ電波吸収体12を丁度よく収容する円筒体28aを用
意する。円筒体28a及び円板28bはそれぞれ同一の
金属材料からなり、例えばアルミニウム、鉄、銅、ステ
ンレス、真鍮等の金属材料から選ばれる。電波吸収体1
2はSiCの焼結体からなる。
【0015】先ず円板28bの上に電波吸収体12を置
き、この吸収体12の上から円筒体28aを被せて、円
筒体28aを円板28bにスポット溶接28fする。こ
れにより電波吸収体12が円筒体28aと円板28bと
により保持される。円筒体28aと円板28bとは本発
明の第1金属体28を構成する。次いで円筒体28aの
孔28cから露出した電波吸収体12の上面12bの中
央にリード付きサーミスタ素子11の感温部11a(図
1)が接触するようにサーミスタ素子11を有機或いは
無機材料で被覆して固定する。この例ではエポキシ樹脂
10aで固定する。図示しないが、サーミスタ素子11
のリード11cには絶縁カバーを設けることが好まし
い。サーミスタ素子を固定するエポキシ樹脂以外の有機
材料としては、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリ
イミド樹脂等がある。また無機材料による固定方法とし
ては、シリカとアルミナを主成分とする材料を水と混ぜ
てペースト状にし、このペーストでサーミスタ素子をモ
ールドした後、水分を80℃程度で蒸発させ、150℃
程度で熱処理する方法がある。マイクロ波センサ10は
金属体28のフランジ部に相当する円板28bのねじ挿
通孔28eと金属壁15の通孔15aにねじ15cを挿
通しナット15dを螺合することにより金属壁15に取
付けられる。
【0016】図3はマイクロ波センサ10の別の製造工
程を示す。図3において図2の符号と同一の符号は同一
構成部品を示す。この例ではスポット溶接で円筒体28
aと円板28bを一体化する代わりに、円筒体28aの
下端の3箇所に爪28gを設け、円板28bに爪28g
が挿通される通孔28hを形成し、爪28gを通孔28
hに挿通した後、折り曲げることにより一体化する。
【0017】図4は温度センサ50の製造工程を示す。
予め厚さが0.2〜1mmで、直径が6〜20mmの円
板29bを用意する。また厚さが3〜5mmで、外径が
4〜10mmの円筒体29aを用意する。先ずリード5
1cの付いた第2サーミスタ素子51の感温部51aを
筒体29aの内底部に接触させた状態でエポキシ樹脂5
0aを筒体29a内に充填し固定する。次いでこの筒体
29aの外底部を円板29bにスポット溶接29cす
る。温度センサ50は円板29bの底面をスポット溶接
することにより金属壁15の背面に取付けられる。筒体
29a及び円板29bはマイクロ波センサ10の円筒体
28a及び円板28bと同一材料からなる。筒体29a
と円板29bとは本発明の第2金属体29を構成する。
【0018】サーミスタ素子11及び51の感温部11
a及び51aはそれぞれMn,Co,Niを主成分とす
る金属酸化物の焼結体からなりその両端にリード11c
及び51cをはんだ付けして作られる。両サーミスタ素
子11,51の25℃における抵抗値はそれぞれ100
kΩであって、B定数はそれぞれ3965Kである。図
1に示すように、電波吸収体12の一方の面12aはマ
イクロ波吸収面であり、その他方の面12bは上述した
ように、サーミスタ素子11の感温部11aが固着され
る。サーミスタ素子11、電波吸収体12及びエポキシ
樹脂10aを含むマイクロ波センサ10の熱放散定数δ
は6mW/℃であり、その熱時定数τは40秒である。
【0019】次に、このように構成された電子レンジを
用いて、ターンテーブル22上には何も被加熱物を載せ
ない状態でマイクロ波電力検出試験を行った。加熱室1
7に照射されたマイクロ波電力量を調べるためにコント
ローラ30に記録装置27を接続した。 <試験A>最初にマイクロ波出力は200W相当のレン
ジ弱の状態に設定してコントローラ30によりマグネト
ロン18からマイクロ波を加熱室17に照射した。な
お、比較のため温度センサをコントローラ30に接続し
ない状態でも同様にマイクロ波を照射した。コントロー
ラ30が計算した電力量を記録装置27により記録し
た。その結果を図5に示す。温度センサ50を用いない
で、即ち温度補正しない場合には時間の経過とともに電
力量が微増するのに対して、温度センサ50を用いて温
度補正した場合には、照射時間の長短によらず電力量が
一定であった。 <試験B>次にマイクロ波出力を150W、200W、
250W及び300Wの4段階に切換え、それぞれにつ
いてコントローラ30が計算した電力量を記録装置27
により記録した。その結果を図6に示す。図6から明ら
かなように、温度センサにより温度補正した場合には、
マイクロ波出力を変え、照射時間が長くなっても、電力
量は一定であった。これらのことから、周囲温度の補正
を行うことによりマイクロ波電力をより正確に検出でき
ることが判った。
【0020】なお、本発明のマイクロ波センサ10及び
温度センサ50により、本出願人が提案した特願平3−
357058号のマイクロ波検出器に示されるマグネト
ロン制御用のブリッジ回路を構成してもよい。
【0021】
【発明の効果】以上述べたように、本発明では、マイク
ロ波センサによりマイクロ波の吸収に伴う熱エネルギを
検出し、かつ温度センサにより周囲の温度補正をするよ
うに構成したので、正確に電力量を検出することができ
る。特に前記式(1)の関係及びマイクロ波センサの熱
放散定数δとその熱時定数τを予めコントローラに入力
しておき、このδとτでマイクロ波センサの熱放散を考
慮するようにして、マイクロ波センサによりマイクロ波
の吸収に伴う熱エネルギを検出すれば、マイクロ波セン
サに熱放散を防止する熱絶縁体を設けずに済む。また、
コントローラが時間の経過に従ってマイクロ波電力を求
めるため、その変化に基づきマイクロ波源の出力を制御
すれば、被加熱物を所望の解凍状態又は加熱状態に的確
に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例のマイクロ波電力検出装置の構成
図。
【図2】そのマイクロ波センサの組立状況を示す斜視
図。
【図3】別のマイクロ波センサの組立状況を示す斜視
図。
【図4】その温度センサの組立状況を示す斜視図。
【図5】温度補正した場合としない場合の被加熱物のな
いときに検出装置が検出した電力量の変化を示す図。
【図6】マイクロ波出力を4段階に変え、被加熱物のな
いときに検出装置が検出した電力量の変化を示す図。
【図7】断熱状態において物質がマイクロ波電力を受け
たときの温度変化図。
【図8】熱放散がある状態において物質がマイクロ波電
力を受けたときの温度変化図。
【図9】このときの時間に対する温度の一次導関数を示
す図。
【図10】このときの時間に対する温度の二次導関数を
示す図。
【符号の説明】
10 マイクロ波センサ 11,51 サーミスタ素子 11a,51a 感温部 11c,51c リード 12 電波吸収体 12a 電波吸収体の一方の面 12b 電波吸収体の他方の面 15 金属壁 15a 取付孔 28,29 金属体 28b フランジ部 30 コントローラ 50 温度センサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロ波加熱室(17)に設置され、マイ
    クロ波を吸収して発熱する電波吸収体(12)と前記吸収体
    (12)の温度を検出する第1サーミスタ素子(11)とを有す
    るマイクロ波センサ(10)と、前記マイクロ波加熱室(17)に前記マイクロ波センサ(10)
    と並んで設置され、 前記電波吸収体(12)の周囲の温度を
    検出する第2サーミスタ素子(51)を有する温度センサ(5
    0)と、 前記マイクロ波センサ(10)及び前記温度センサ(50)の各
    検出出力に基づいてマイクロ波電力の値を求めるコント
    ローラ(30)とを備えたマイクロ波電力検出装置であっ
    て、 前記電波吸収体(12)が前記マイクロ波加熱室(17)を形成
    する金属壁(15)に設けられた取付孔(15a)に第1金属体
    (28)を介して前記電波吸収体(12)の一方の面(12a)を前
    記加熱室内に向けて取付けられ、 前記電波吸収体(12)の他方の面(12b)に前記サーミスタ
    素子(11)の感温部(11a)がマイクロ波を受けないように
    接着され、 前記第2サーミスタ素子(51)が前記金属壁(15)の背面に
    第2金属体(29)を介して取付けられ 前記コントローラ(30)は、下記式(1)によりマイクロ
    波電力の値を時間の関数として計算することを特徴とす
    るマイクロ波電力検出装置。 E = C・dθ/dt + δ・θ (1) ただし、Eは前記電波吸収体が吸収したマイクロ波電
    力、θ=(θ t1 −θ 01 )−(θ t2 −θ 02 )であって、θ
    01 は前記電波吸収体がマイクロ波電力Eを吸収する前の
    前記第1サーミスタ素子の検出温度、θ t1 は前記電波吸
    収体がマイクロ波電力Eをt時間吸収した後の前記第1
    サーミスタ素子の検出温度θ 02 は前記電波吸収体がマ
    イクロ波電力Eを吸収する前の前記第2サーミスタ素子
    の検出温度θ t2 は前記電波吸収体がマイクロ波電力E
    をt時間吸収した後の前記第2サーミスタ素子の検出温
    度、Cは前記マイクロ波センサの熱容量、δは前記マイ
    クロ波センサの熱放散定数である。
  2. 【請求項2】 電波吸収体(12)は少なくとも第1サーミ
    スタ素子(11)の感温部(11a)より広い面積を有する平板
    状に形成され、第1金属体(28)は少なくとも前記電波吸
    収体(12)のマイクロ波吸収面である一方の面(12a)を露
    出して保持しかつ前記取付孔(15a)の孔周縁に取付けら
    れるフランジ部(28b)を有する請求項1記載のマイクロ
    波電力検出装置。
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