JP3098653B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

高周波加熱装置

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JP3098653B2
JP3098653B2 JP05078115A JP7811593A JP3098653B2 JP 3098653 B2 JP3098653 B2 JP 3098653B2 JP 05078115 A JP05078115 A JP 05078115A JP 7811593 A JP7811593 A JP 7811593A JP 3098653 B2 JP3098653 B2 JP 3098653B2
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B40/00Technologies aiming at improving the efficiency of home appliances, e.g. induction cooking or efficient technologies for refrigerators, freezers or dish washers

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高周波加熱装置に関
し、特に、冷凍食品などの解凍機能を有する電子レンジ
のような高周波加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子レンジにおいて、その加熱室
内の冷凍食品を解凍加熱する方法としては、重量センサ
によって冷凍食品の重量値を検出し、その検出値から解
凍必要時間を予測して解凍加熱するものと、加熱室内の
電界強度を電界強度検出手段で検出し、その検出値の変
化で冷凍食品の解凍状態を逐次検出して解凍加熱時間を
決定するものがあった。
【0003】また、この加熱室内の電界強度の検出方法
としては、加熱室内に設けたアンテナを用いその検波電
圧値により直接検出するものと、マイクロ波吸収材に密
着した温度センサを用いその温度上昇値により間接的に
検出するものがあるが、いずれもその解凍加熱時間の決
定方法は、加熱中の検波電圧値またはマイクロ波吸収材
温度の変極点を利用するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】重量検出手段を用いて
その重量値から加熱室内の冷凍食品の解凍必要時間を予
測する方法では、たとえば冷凍食品の初期温度が高い場
合や加熱効率の高いものは解凍し過ぎ、一方初期温度が
低い場合や加熱効率の低いものは解凍不足となるなど、
冷凍食品の状態によりその予測時間に誤差が生じるとい
う不具合があった。
【0005】この不具合を解消する手段として、アンテ
ナまたはマイクロ波吸収材により加熱室内の電界強度を
測定し、その電界強度値により冷凍食品の解凍状態を検
出する方法があるが、この方式の課題は、マイクロ波の
冷凍食品内への浸透深度が解凍加熱に伴う冷凍食品温度
の上昇により0℃付近で極端に浅くなり、得られる電界
強度の測定値が冷凍食品の表面層の解凍状態に依存して
しまう点である。この結果、この解凍検出方式では本来
必要な冷凍食品の内部の解凍状態を検出することができ
ず良好な解凍検出制御は実現できない。
【0006】また、上記の電界強度検出手段のアンテナ
方式とマイクロ波吸収材方式をコスト面で比較すると、
アンテナ方式では高周波検波回路を利用しコスト高であ
るのに対し、マイクロ波吸収材方式は構成がシンプルで
安価であり、そのような高周波加熱装置は特願平4−1
74520号、特願平4−202465号において提案
されている。
【0007】しかし、従来のマイクロ波吸収材を用いる
方法はマイクロ波吸収材を加熱室内の強電界値に設置す
る構造であったため、このマイクロ波吸収材の温度を測
定する温度センサを強電界から保護する目的と、マイク
ロ波吸収材の温度上昇性能をよくする目的から、マイク
ロ波吸収材は必然的にその形状が大きくなり、その熱容
量も不必要に大きくなっていた。
【0008】この熱容量が大きなマイクロ波吸収材を用
いた電界強度検出手段の課題はその熱応答性の悪さであ
り、たとえば氷などの解凍状態の顕著な負荷の場合は比
較的容易に解凍状態を検出できるが、肉、魚肉など実際
の調理に使用する負荷ではその解凍状態を検出できない
という不具合があった。
【0009】また、マイクロ波吸収材を加熱室内に設置
する構造であったため食品から発生した不純物がマイク
ロ波吸収材に付着し、検出精度が低下するという不具合
があった。
【0010】さらに、従来の手法ではマイクロ波吸収材
の温度のみを検出していたため、周囲温度の影響を補正
できず検出誤差が大きくなるばかりでなく、検出精度の
悪さからその検出位置を電子レンジの加熱室外などの弱
電界強度箇所とすることができなかった。
【0011】それゆえに、この発明の主たる目的は、
単な構成で加熱室内の電界強度を精度よく検出すること
ができ、冷凍食品を精度よく解凍することができる高周
波加熱装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
被加熱物を収容する加熱室と、加熱室に供給するマイク
ロ波エネルギを発生する高周波発生源と、高周波発生源
を駆動させる駆動手段と、駆動手段を制御する制御手段
とを備えた高周波加熱装置において、加熱室内の電界強
度を検出する電界強度検出手段と、被加熱物の重量を検
出する重量検出手段と、電界強度検出手段および重量検
出手段の検出値に基づいて駆動手段を制御し、被加熱物
の解凍加熱を制御する解凍加熱制御手段とを備える。電
界強度検出手段は、その一方面が加熱室の壁に開口され
た貫通孔に対向するようにして加熱室の外部に設けら
れ、貫通孔から漏洩するマイクロ波を吸収するための箔
状のマイクロ波吸収材と、マイクロ波吸収材の他方面に
密着させて設けられ、マイクロ波吸収材の温度を検出す
るための第1の温度センサと、マイクロ波吸収材の近傍
に設けられ、マイクロ波吸収材の周囲温度を検出するた
めの第2の温度センサと、マイクロ波吸収材とともに貫
通孔を覆うようにして設けられ、第1および第2の温度
センサにマイクロ波が照射されるのを防止するためのシ
ールド手段と、第1および第2の温度センサの検出温度
の差を求め、その差に基づいて加熱室内の電界強度を検
出するための演算手段とを含むことを特徴としている。
【0013】請求項2に係る発明では、請求項1に係る
発明の解凍加熱制御手段は、電界強度検出手段の検出値
から被加熱物の初期解凍状態を検出した後、重量検出手
段の検出値から決定される時間だけさらに追加加熱す
る。
【0014】
【0015】請求項3に係る発明では、請求項1または
2に係る発明のマイクロ波吸収材は、第1の温度センサ
にコーティングされている。
【0016】
【0017】
【作用】請求項1に係る発明では、その一方面が加熱室
の壁の貫通孔に対向するようにして箔状のマイクロ波吸
収材を加熱室の外部に配置し、マイクロ波吸収材の温度
を検出するための第1の温度センサをマイクロ波吸収材
の他方面に密着させて配置し、マイクロ波吸収材の周囲
温度を検出するための第2の温度センサをマイクロ波吸
収材の近傍に設け、第1および第2の温度センサにマイ
クロ波を照射されるのを防止するためのシールド手段を
マイクロ波吸収材とともに貫通孔を覆うようにして
け、第1および第2の温度センサの検出温度の差に基づ
いて加熱室内の電界強度を検出する。そして、加熱室内
の電界強度に加えて被加熱物の重量を検出し、加熱室内
の電界強度と被加熱物の重量との両方の検出値に基づい
て被加熱物の解凍加熱を制御する。したがって、加熱室
内の電界強度および被加熱物の重量のうちのいずれか一
方の検出値のみに基づいて解凍加熱を行なっていた従来
に比べ、冷凍食品を精度よく解凍することができる。ま
た、マイクロ波吸収材を用いて電界強度を検出するの
で、アンテナを用いる場合に比べ、構成の簡単化および
低コスト化を図ることができる。さらに、温度センサを
シールドして温度センサがマイクロ波によって加熱され
るのを防止した上で、マイクロ波吸収材の温度とその周
囲温度の温度差に基づいて電界強度を検出するので、周
囲温度の影響を除去することができ、電界強度を精度よ
く検出することができる。
【0018】請求項2に係る発明では、請求項1に係る
発明の解凍加熱制御手段は、電界強度検出手段の検出値
から被加熱物の初期解凍状態を検出し、その後重量検出
手段の検出値から決定される時間だけさらに追加加熱す
。この場合は、冷凍食品の表面層が0℃付近になる初
期解凍状態まで一旦加熱して冷凍食品の冷凍温度や形状
の違いによる解凍状態のばらつきをなくした後、冷凍食
品の重量値に応じた時間だけ再加熱することができ、冷
凍食品を精度よく解凍することができる。
【0019】
【0020】請求項3に係る発明では、請求項1または
2に係る発明のマイクロ波吸収材は、第1の温度センサ
にコーティングされている。この場合は、マイクロ波吸
収材の熱容量を小さくして熱応答性を向上させることが
でき、電界強度の変化を精度よく検出することができ
る。
【0021】
【0022】
【実施例】まず、この発明の実施例を説明する前に原理
について説明する。電子レンジによる冷凍食品の解凍状
態はその表面層のみが解凍された初期解凍状態と、その
後その内部にまで解凍状態がおよんだ後期解凍状態があ
るが、この発明の電子レンジは加熱室内の電界強度を検
出して初期解凍状態を検出した後、冷凍食品の重量を検
出しその後の後期解凍に要する解凍必要時間を算出し解
凍制御する。
【0023】被加熱物の解凍状態の検出は冷凍食品の解
凍状態が加熱室の電界強度の変化に関連することを利用
したもので、その原理は以下のとおりである。
【0024】食品に吸収されるエネルギPo は、加熱室
に供給される高周波発生源のエネルギをPi 、そのとき
の周波数をf、食品の比誘電率をεr 、食品の誘電体力
率をtanδとすると、 P0 =k1・Pi ・f・εr ・tanδ …(1) k1:定数 となる。
【0025】一方、加熱室の電界強度Eは、上記の高周
波発生源のエネルギPi から食品に供給されるエネルギ
o を差引いた残りのエネルギに比例するから、 E=k2・(Pi −Po ) …(2) k2:定数 となる。
【0026】ここで、高周波発生源のエネルギPi とそ
の周波数fを一定にする条件で冷凍食品を解凍すると、
食品が0℃付近すなわち解凍点になれば、食品に供給さ
れるエネルギPo が変化するので、(2)式より明らか
なように、加熱室の電界強度Eも変化することになる。
【0027】図5は冷凍食品の温度上昇に伴う電界強度
Eおよび冷凍食品に吸収されるエネルギPo の変化の一
例を示す図である。この図に示すように、冷凍食品に吸
収されるエネルギPo は温度上昇にともなって急に増大
し、冷凍食品の温度Tが0℃を越えると逆に緩やかに減
少する。これは、(1)式における冷凍食品の誘電体力
率tanδの変化にともなうものである。一方、電界強
度Eは(2)式から明らかなように、エネルギPo と逆
に変化する。すなわち、電界強度Eは温度上昇にともな
って急に減少し、冷凍食品の温度Tが0℃を越えると緩
やかに増大する。したがって、電界強度Eの増減状態の
0℃付近における急激な変化を検出することで冷凍食品
の初期解凍状態を検出することができる。
【0028】この発明は、この電界強度Eの増減状態の
変化をマイクロ波吸収材とその周囲温度の温度差による
変化として検出するものである。図6は冷凍マグロを解
凍したときのマイクロ波吸収材4Cの温度上昇値Δ
a 、周囲温度の上昇値ΔTb およびその温度差ΔTa
−ΔTb の変化を示すタイムチャートである。マイクロ
波吸収材の温度上昇値ΔTa は図5で示した電界強度E
の変化に対応して解凍加熱時間tの経過に従って増大
し、冷凍食品の温度Tが0℃を越えるとごく僅か減少
し、その後略一定になる。一方、周囲温度の上昇値ΔT
b は、解凍加熱時間tの経過に従い、マイクロ波吸収材
の温度上昇値ΔTa よりも小さな割合で増大し、冷凍食
品の温度Tが0℃を越えてもしばらくの間増大し、その
後略一定になる。したがって、両者の温度差ΔTa −Δ
b は、解凍加熱の初期は増大し、冷凍食品の温度Tが
0℃に達したときにピーク値を持ち、しばらくの間減少
した後略一定になる。したがって、温度差ΔTa −ΔT
b がピーク値を過ぎた時点で冷凍食品の初期解凍状態す
なわち、冷凍食品の表面層のみ解凍した状態を検知する
ことができる。
【0029】この電界強度Eを検出する手段は、加熱室
を形成するキャビネットに設けた小穴の近傍に設置し、
その小穴から漏洩するマイクロ波をマイクロ波吸収材に
吸収させ、その電界強度Eをマイクロ波吸収材の温度上
昇値ΔTa とその周囲温度の上昇値ΔTb との差ΔTa
−ΔTb により検出するもので、このマイクロ波吸収材
はその熱応答性を向上させる目的からできるだけ小型に
する必要がある。また、周囲温度を検出する温度センサ
には検出精度を向上させる意味からマイクロ波が照射さ
れないように電磁シールドする。
【0030】一方、冷凍食品の重量を検出する手段はレ
ンジのターンテーブルのシャフトに取付け冷凍食品の重
量を検出する。
【0031】この発明は以上の手段およびその作用によ
り冷凍食品の良好な解凍制御を実現するものである。
【0032】以下、この発明の一実施例による電子レン
ジを詳細に説明する。図1は電子レンジ10の構成を示
すブロック図、図2は電子レンジ10の電界強度検出装
置4の構成を示す一部破断した断面図、図3は電子レン
ジ10の機能を示すブロック図である。この電子レンジ
10は、図1に示すように、冷凍食品6を収容する加熱
室1と、加熱室1に供給するマイクロ波エネルギを発生
する高周波発生源2と、加熱室1の電界強度を検出する
電界強度検出装置4と、冷凍食品6の重量を検出する重
量検出装置5と、電界強度検出装置4および重量検出装
置5の検出値に基づいて冷凍食品6の解凍加熱を制御す
る解凍加熱制御部8と、解凍加熱制御部8によって制御
され、高周波発生源2を駆動させる駆動部9とを含む。
高周波発生源2と加熱室1は導波管3によって接続され
ており、重量検出手段5は冷凍食品6が載置されるター
ンテーブル7のシャフト7aに設けられている。
【0033】電界強度検出装置4は、図2に示すよう
に、加熱室1を形成するキャビネット1aに開口された
小孔1bを覆うようにしてキャビネット1aの外側に設
けられており、小孔1bから漏洩するマイクロ波を吸収
して温度上昇する箔状のマイクロ波吸収材4cと、マイ
クロ波吸収材4cの温度上昇値ΔTa を検出するための
マイクロ波吸収材温度検出用センサ4a(以下、温度セ
ンサ4aと略記する。)と、マイクロ波吸収材4cの周
囲温度の上昇値ΔTb を検出するための周囲温度検出用
センサ4b(以下、温度センサ4bと略記する。)とを
含む。
【0034】マイクロ波吸収材4cは小孔1bに対向さ
せて設けられており、マイクロ波吸収材4cの裏面(小
孔1bと対向している面と反対側の面)に温度センサ4
aが密着している。また、温度センサ4bはマイクロ波
吸収材4cの近傍に設けられており、温度センサ4a,
4bと小孔1bの間はシールド板4dによって電磁シー
ルドされている。電磁シールドしているのは、小孔1b
から漏洩したマイクロ波エネルギが温度センサ4a,4
bやそのリード線に照射されると不必要な発熱を生じ、
電界強度Eの検出精度が悪化するおそれがあるからであ
る。また、加熱室1内で発生した不純物がマイクロ波吸
収材4cに付着するのを防止するため小孔1bをたとえ
ばスポンジ状のカバー1cで覆ってもよい。
【0035】また、解凍加熱制御部8は、温度差演算部
8aと温度差判別部8bと解凍必要時間演算部8cとマ
イコン部8dとを含む。温度差演算部8aは、温度セン
サ4a,4bによってマイクロ波吸収材4cの温度上昇
値ΔTa とマイクロ波吸収材4cの周囲温度の上昇値Δ
b とを検出し、両者の温度差ΔTa −ΔTb を演算す
る。温度差判別部8bは、温度差演算部8aによって演
算された温度差ΔTa−ΔTb の単位時間当りの変化が
正か負か判別する。解凍必要時間演算部8cは、重量検
出装置5によって冷凍食品6の重量値を検出し、重量値
に略比例した解凍必要時間を演算する。マイコン部8d
は、各部8a,8b,8cの動作シーケンスを制御する
とともに、温度差判別部8bおよび解凍必要時間演算部
8cからの信号を処理し、駆動部9を制御する。
【0036】図4は解凍加熱制御部8の動作を示すフロ
ーチャートである。以下、この図に沿って実際の解凍制
御動作を説明する。まず、使用者が冷凍食品6を加熱室
1のターンテーブル7に載せ加熱スイッチ(図示せず)
を押すと、ステップ(図4ではSと略記する)S1にお
いて温度差演算部8aは、電界強度検出装置4の温度セ
ンサ4a,4bによりマイクロ波吸収材4cの温度上昇
値ΔTa と周囲温度の上昇値ΔTb を検出し、これらの
温度差ΔTa −ΔTb を求める。その後、マイコン部8
dは、駆動部9を介して高周波発生源2を駆動させ、マ
イクロ波エネルギPi を発生させる。マイクロ波エネル
ギPi は導波管3を通じて加熱室1に送られ、一部のエ
ネルギPo は冷凍食品6に吸収され加熱を開始する。冷
凍食品6に吸収されなかったエネルギPi −Po は、加
熱室1外に設置された電界強度検出装置4のマイクロ波
吸収材4cに吸収され、これを加熱する。
【0037】この加熱中に温度差演算部8aは、一定時
間毎にマイクロ波吸収材4cの温度上昇値ΔTa とその
周囲温度の上昇値ΔTb を検出し、温度差ΔTa −ΔT
b を演算する。温度差判別部8bは、その温度差ΔTa
−ΔTb を記憶するとともにステップS2において前回
の温度差ΔTa −ΔTb と今回の温度差ΔTa −ΔT b
の差を演算し、ステップS3においてその温度差ΔTa
−ΔTb の単位時間当りの変化が正か負かを判別する。
ステップS3において温度差ΔTa −ΔTb の変化が負
でないときは、再びステップS1に戻って温度差ΔTa
−ΔTb を演算する。ステップS3において温度差ΔT
a −ΔTb の変化が負であるときは、温度差判別部8b
は、ステップS4において冷凍食品6が初期解凍状態に
達したと判別する。つまり、温度差ΔTa −ΔTb は、
図6に示したように、冷凍食品6の解凍点すなわち0℃
付近でピーク値を持つので、この温度差ΔTa −ΔTb
の単位時間当りの変化が正から負になったときをもって
冷凍食品6が初期解凍状態に達したと判別するのであ
る。
【0038】この後、解凍必要時間演算部8cは、ステ
ップS5において重量検出装置5によって冷凍食品6の
重量を検出し、ステップS6においてこの検出値をもと
にその後の加熱に要する解凍必要時間を算出する。マイ
コン部8dは、その解凍必要時間を読取り、ステップS
7において解凍加熱時間tが解凍必要時間に達したか否
かを判別し、達したときは駆動部9を介して高周波発生
源2を停止させ、解凍加熱を終了する。
【0039】なお、この実施例では、マイクロ波吸収材
4cは、その温度応答性を向上させる目的から温度セン
サ4aに密着させ、またできるだけ小型化するため箔状
としたが、さらに応答性をよくするためにマイクロ波吸
収材4cを温度センサ4aにコーティングしてもよい。
【0040】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係る発明で
は、その一方面が加熱室の壁の貫通孔に対向するように
して箔状のマイクロ波吸収材を加熱室の外部に配置し、
マイクロ波吸収材の温度を検出するための第1の温度セ
ンサをマイクロ波吸収材の他方面に密着させて配置し、
マイクロ波吸収材の周囲温度を検出するための第2の温
度センサをマイクロ波吸収材の近傍に設け、第1および
第2の温度センサにマイクロ波が照射されるのを防止す
るためのシールド手段をマイクロ波吸収材とともに貫通
孔を覆うようにして設け、第1および第2の温度センサ
の検出温度の差に基づいて加熱室内の電界強度を検出す
る。そして、加熱室内の電界強度に加えて被加熱物の重
量を検出し、加熱室内の電界強度と被加熱物の重量との
両方の検出値に基づいて被加熱物の解凍加熱を制御す
る。したがって、加熱室内の電界強度および被加熱物の
重量のうちのいずれか一方の検出値のみに基づいて解凍
加熱を行なっていた従来に比べ、冷凍食品を精度よく解
凍することができる。また、マイクロ波吸収材を用いて
電界強度を検出するので、アンテナを用いる場合に比
べ、構成の簡単化および低コスト化を図ることができ
る。さらに、温度センサをシールドして温度センサがマ
イクロ波によって加熱されるのを防止した上で、マイク
ロ波吸収材の温度とその周囲温度の温度差に基づいて電
界強度を検出するので、周囲温度の影響を除去すること
ができ、電界強度を精度よく検出することができる。
【0041】請求項2に係る発明では、請求項1に係る
発明の解凍加熱制御手段は、電界強度検出手段の検出値
から被加熱物の初期解凍状態を検出し、その後重量検出
手段の検出値から決定される時間だけさらに追加加熱す
る。この場合は、冷凍食品の表面層が0℃付近になる初
期解凍状態まで一旦加熱して冷凍食品の冷凍温度や形状
の違いによる解凍状態のばらつきをなくした後、冷凍
重量値に応じた時間だけ再加熱することができ、
凍食品を精度よく解凍することができる。
【0042】
【0043】請求項3に係る発明では、請求項1または
2に係る発明のマイクロ波吸収材は、第1の温度センサ
にコーティングされている。この場合は、マイクロ波吸
収材の熱容量を小さくして熱応答性を向上させることが
でき、電界強度の変化を精度よく検出することができ
る。
【0044】
【0045】また、加熱室の電界強度を検出するマイク
ロ波吸収材の小型化によるその熱応答性の向上と、周囲
温度との差温検出方式による検出精度の向上により、従
来解凍検出が困難であった冷凍食品の量が多いとき(加
熱室内のマイクロ波電界強度が低くなる)などにおける
解凍検出が容易になり、解凍検出制御の適応範囲を大幅
に拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による電子レンジの構成を
示すブロック図である。
【図2】図1に示した電子レンジの電界強度検出装置を
示す一部破断した断面図である。
【図3】図1に示した電子レンジの機能を示すブロック
図である。
【図4】図1に示した電子レンジの解凍加熱制御部の動
作を示すフローチャートである。
【図5】冷凍食品温度の上昇に伴う加熱室内の電界強度
Eおよび冷凍食品に吸収されるエネルギP0 の変化を示
す図である。
【図6】解凍加熱時におけるマイクロ波吸収材の温度上
昇値ΔTa 、その周囲温度の上昇値ΔTb およびこれら
の温度差ΔTa −ΔTb の変化を示すタイムチャートで
ある。
【符号の説明】
1 加熱室 2 高周波発生源 4 電界強度検出装置 4a,4b 温度センサ 4c マイクロ波吸収材 5 重量検出装置 6 冷凍食品(被加熱物) 8 解凍加熱制御部 9 駆動部 10 電子レンジ(高周波加熱装置)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24C 7/02 340 F24C 7/02 315 H05B 6/68 320

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加熱物を収容する加熱室と、前記加熱
    室に供給するマイクロ波エネルギを発生する高周波発生
    源と、前記高周波発生源を駆動させる駆動手段と、前記
    駆動手段を制御する制御手段とを備えた高周波加熱装置
    において、 前記加熱室の電界強度を検出する電界強度検出手段と、 前記被加熱物の重量を検出する重量検出手段と、 前記電界強度検出手段および前記重量検出手段の検出値
    に基づいて前記駆動手段を制御し、被加熱物の解凍加熱
    を制御する解凍加熱制御手段とを備え、 前記電界強度検出手段は、その一方面が 前記加熱室の壁に開口された貫通孔に対向
    するようにして前記加熱室の外部に設けられ、前記貫通
    孔から漏洩するマイクロ波を吸収するための箔状のマイ
    クロ波吸収材、 前記マイクロ波吸収材の他方面に密着させて設けられ、
    前記マイクロ波吸収材の温度を検出するための第1の温
    度センサ、 前記マイクロ波吸収材の近傍に設けられ、前記マイクロ
    波吸収材の周囲温度を検出するための第2の温度セン
    サ、前記マイクロ波吸収材とともに前記貫通孔を覆うように
    して設けられ、 前記第1および第2の温度センサにマイ
    クロ波が照射されるのを防止するためのシールド手段、
    および前記第1および第2の温度センサの検出温度の差
    を求め、その差に基づいて前記加熱室内の電界強度を検
    出するための演算手段を含むことを特徴とする高周波加
    熱装置。
  2. 【請求項2】 前記解凍加熱制御手段は、前記電界強度
    検出手段の検出値から被加熱物の初期解凍状態を検出し
    た後、前記重量検出手段の検出値から決定される時間だ
    けさらについ加熱することを特徴とする請求項1に記載
    の高周波加熱装置。
  3. 【請求項3】 前記マイクロ波吸収材は、前記第1の温
    度センサにコーティングされていることを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載の高周波加熱装置。
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