JPH09236076A - イオンエンジン - Google Patents

イオンエンジン

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JPH09236076A
JPH09236076A JP4001696A JP4001696A JPH09236076A JP H09236076 A JPH09236076 A JP H09236076A JP 4001696 A JP4001696 A JP 4001696A JP 4001696 A JP4001696 A JP 4001696A JP H09236076 A JPH09236076 A JP H09236076A
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JP
Japan
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ion
grid
thin
ion engine
ion beam
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JP4001696A
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English (en)
Inventor
Masaharu Kitamura
村 正 治 北
Katsuhiro Miyazaki
崎 勝 弘 宮
Yukio Hayakawa
川 幸 男 早
Hideki Yoshida
田 英 樹 吉
Toshio Maeda
田 敏 雄 前
Kimikazu Akai
井 公 積 赤
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Toshiba Corp
National Aerospace Laboratory of Japan
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Toshiba Corp
National Aerospace Laboratory of Japan
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大口径・厚肉の加速電極を備えた低燃費・長
寿命の大型イオンエンジンを提供する。 【解決手段】 シールドケース(1)内に配設された放
電容器(3)内へ作動ガスを導入し、この作動ガスを電
離させて放電容器(3)内にプラズマを生成するととも
に放電容器の内壁から離れた領域にプラズマを保持し、
加速電極(4)によりプラズマ中のイオンを取り出して
加速しイオンビーム通過孔(5)から放電容器(3)の
外部へ送り出し推力を生成するイオンエンジンにおい
て、加速電極(4)を構成するグリッド板(4b)は、
イオンビーム通過孔(5b)の形成された複数枚の薄い
グリッド板(21a,21b,21c)を張り合わせて
形成されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイオンエンジンに係
り、特に人工衛星等の宇宙構造物に搭載されるイオンエ
ンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】イオンエンジンは、人工衛星等の宇宙構
造物の軌道制御、南北位置保持、主推進等に用いられる
電気ロケットである。
【0003】このようなイオンエンジンのうち電子衝撃
型イオンエンジンの主要部は通常、図8に示すように構
成されている。すなわち、図8において符号1は円筒状
に形成された金属材製のシールドケースを示している。
このシールドケース1の周壁には小孔2が多数形成され
ている。そしてシールドケース1内には磁性材で有底筒
状に形成された放電容器3が同心的に配置されている。
この放電容器3の開口部は2枚または3枚の孔開き電極
板によって形成された加速電極4によって蓋されてい
る。これらの電極板には、それぞれ数千個のイオンビー
ム通過孔5が同軸的に形成されている。放電容器3の底
壁中央部には小径の開口部6が形成されており、この開
口部6は筒体7を介してガス導入系8に通じている。そ
して、筒体7内には主陰極となるホローカソード9が配
置されている。また、放電容器3の内壁面にはN極とS
極とを交互に内側に位置させるように環状の磁石10が
複数固定されている。
【0004】このイオンエンジンでは、ホローカソード
9に対して放電容器3が陽極電位に保たれる。この状態
で推進剤、例えばXeガス(キセノンガス)がガス導入
系8からホローカソード9内を通って放電容器3内に導
入されると、ホローカソード9と放電容器3との間に放
電が生起され、ホローカソード9から放出された電子が
加速される。この電子が放電容器3内のXeガスに衝突
し、放電容器3内に電離プラズマが生成される。
【0005】この電離プラズマは、磁石10の作るカス
プ磁場によって放電容器3の内周面から離れた領域に閉
じ込められる。加速電極4は電離プラズマからXe+ イ
オンを引き出し、1keV程度の運動エネルギーを与え
てイオンビーム通過孔5から宇宙空間に放出する。この
放出に伴う反力が推力となる。中和器11は放出された
Xe+ イオンビームと同じ量の電子eを宇宙空間に放出
して中和し、人工衛星等の宇宙構造物が帯電するのを防
止する。
【0006】ところで、このように構成されたイオンエ
ンジンでは、加速電極4のスパッター粒子の行き先が問
題となる。1個当たりのイオンビーム通過孔5は図9に
示すように構成されている。加速電極4は放電容器3側
から順にスクリーングリッド4aと、加速グリッド4b
と、減速グリッド4cとで構成されている。なお、減速
グリッド4cはない場合もある。電位的にはスクリーン
グリッド4aが1kV程度で、加速グリッド4bが−5
00V程度、減速グリッド4cは0Vである。スクリー
ングリッド4a、加速グリッド4bおよび減速グリッド
4cには、イオンビーム通過孔5a、5bおよび5cが
形成されている。この中でイオンビーム通過孔5bが最
も小さい径である。
【0007】Xe+ イオンビーム径はレンズ効果で絞ら
れて加速グリッド4b近傍で最小となる。加速グリッド
4bのイオンビーム通過孔5bはXeガスの使用量をで
きるだけ少なくするためにXe+ イオンビーム径とほぼ
同じ孔径に設定されている。
【0008】Xeガスの使用量はイオンエンジンの燃費
に関係し、イオンエンジンの燃費は加速グリッド4bの
開口率に依存する。この開口率が小さい程イオンエンジ
ンの燃費は良いことになる。ここで、開口率とは、所定
個数のイオンビーム通過孔5bを形成する場合において
加速グリッド4bの全体表面積に対するイオンビーム通
過孔5bの合計開口面積の割合をいう。
【0009】加速グリッド4bの開口率を小さくするた
めにはスクリーングリッド4aと加速グリッド4bの間
隔を狭くしてレンズ効果を強くすることと、全てのイオ
ンビーム通過孔5で上手く位置合わせをすることが必要
になる。
【0010】一方、イオンエンジンの寿命は加速電極4
のスパッター現象で決まっている。スクリーングリッド
4aと加速グリッド4bの間では高密度のXeガスと高
速のXe+ (H)イオンビームが混在し、荷電交換反応
によって低速のXe+ (L)イオンが多量に生成される
ことになる。
【0011】低速のXe+ (L)イオン13aは加速グ
リッド4bのイオンビーム通過孔5bを通り抜けること
ができず、加速グリッド4bの放電容器3側表面に衝突
することになる。低速のXe+ (L)イオン13aは加
速グリッド4bに衝突するまでに加速を受けるためスパ
ッター現象を引き起こすことになる。このスパッター粒
子14aは放電容器3側に飛んで行くことになる。低速
のXe+ (L)イオンには、上記以外にもイオンビーム
通過孔5b等のイオンビーム軌道上で生成されるもの1
3aや、スクリーングリッド4aのイオンビーム通過孔
5aを通過できなかったもの13b等がある。量的には
少ないがこれらのイオンもスパッター現象を引き起こ
す。スパッター粒子は放電容器3側に飛んで行くもの1
4aと、宇宙空間に飛んで行くもの14bとに分かれ
る。
【0012】何れにしろ、スパッター粒子の放出部分は
痩せることになり、イオンエンジンの燃費に大きな影響
が生じた時をもって寿命としている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】現在、イオンエンジン
は大型化と低燃費・長寿命化が同時に図られている。開
発を遅らせている原因は寸法精度の良い加速電極4を製
作できないことにあることは言うまでもない。特に、グ
リッド板の孔開け加工は位置精度(±数μm程度)と孔
径精度(±数十μm程度)が両立せず困難を極めてい
る。この傾向はグリッド板が大口径・厚肉化する程ひど
くなっている。例えば、レーザー加工、放電加工、ドリ
ル加工では十分な位置精度が得られないし、エッチング
加工では十分な孔径精度が得られない。
【0014】このように従来のイオンエンジンでは、大
口径・厚肉のグリッド板を製作しようとする場合に、必
要な位置精度と孔径精度を満たした孔開け加工をできな
いため、加速電極を大型化できないという問題があっ
た。
【0015】そこで本発明の目的は、上記従来技術の有
する問題を解消し、必要な位置精度と孔径精度で孔開け
が可能な大口径・厚肉の加速電極を備えた低燃費・長寿
命の大型イオンエンジンを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係わるイオンエンジンでは、シールドケー
ス内に配設された放電容器内へ作動ガスを導入し、この
作動ガスを電離させて前記放電容器内にプラズマを生成
するとともに前記放電容器の内壁から離れた領域にプラ
ズマを保持し、加速電極により前記プラズマ中のイオン
を取り出して加速しイオンビーム通過孔から前記放電容
器の外部へ送り出し推力を生成するイオンエンジンにお
いて、前記加速電極を構成するグリッド板は、イオンビ
ーム通過孔の形成された複数枚の薄板を張り合わせて形
成されていることを特徴とする。
【0017】好適には、前記薄板は、前記薄板どうしの
張り合わせを容易にする材料、耐スパッター特性の高い
材料、あるいは輻射係数の高い材料からなることを特徴
とする。
【0018】また、前記薄板は、表面の一部または全面
で、前記薄板どうしの張り合わせを容易にする材料、耐
スパッター特性の高い材料、あるいは輻射係数の高い材
料で覆われていることを特徴とする。
【0019】また、前記薄板は、イオンビーム通過孔の
形成された複数個の分割領域が集合されて形成されてい
ることを特徴とする。
【0020】また、前記分割領域を区分する分割線は、
上下にある他の前記薄板における分割線と重ならない位
置に配設されていることを特徴とする。
【0021】グリッド板の孔開け加工、例えばエッチン
グ加工では、大口径化と厚肉化を両立させることが困難
であるが、厚肉化を除き一方の大口径化のみなら±数μ
m程度の位置精度と±数十μm程度の孔径精度を実現す
ることは可能である。例えば直径30cm程度のMo製
グリッド板で、0.2mm程度の厚さまで正確なエッチ
ング孔開け加工が可能である。適当な大きさでエッチン
グ孔開け加工した薄いグリッド板をずらさずに張り合わ
せれば、任意の口径で、任意の厚さのグリッド板が製作
できることになる。本願発明はこのような思想に基づく
ものである。
【0022】なお、ずらさないための位置合わせ孔も同
時にエッチング加工すれば、位置合わせも容易である。
【0023】また、グリッド板を複数の分割領域に分割
することにより、表面処理や材質を分割領域によって変
えることが可能であり、耐スパッター特性や輻射特性等
を部分的に変えることができるようになる。
【0024】本願発明によれば、加速電極の大型化と長
寿命化、高寸法精度化と多機能化が図られることにな
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態例を説明する。図8と同一構成要素には同一
符号をつけ、重複する説明は省略する。
【0026】図1には本発明の第1実施形態例に係わる
イオンエンジンを一部切欠した斜視図が示されている。
【0027】本実施形態例に係わるイオンエンジンが従
来のものと異なる点は、スクリーングリッド4aと加速
グリッド4bが複数の同じ材質・形状の薄いグリッド板
の張り合わせで構成されていることである。スクリーン
グリッド4aも加速グリッド4bもほぼ同じ構造なの
で、加速グリッド4bを例に説明する。
【0028】図2に、本実施形態例の加速グリッド4b
を示す。図2(b)に示すように、加速グリッド4bは
複数枚の薄いグリッド板21a,21b,21cから構
成されている。
【0029】図2(a)は、薄いグリッド板21a,2
1b,21cの各々の表面を示す。図2(a)に示すよ
うに、加速グリッド4bの径方向は、部分20a,20
b,20cと、盲部分20dと、軸方向バネへの取り付
け部分20eとに分かれている。部分20a,20b,
20cには、全面に渡って孔が開けられている。各部分
にある孔の径は同一である。また部分の間では孔の径
は、グリッド板の種類等に応じて、互いに異なるように
あるいは同一であるように開けられている。
【0030】取り付け部分20eには複数の軸方向バネ
取り付け孔15と位置合わせ孔16が開いている。取り
付け部分20e以外の領域は補強のために曲率成形され
ている。
【0031】図2(b)に示すように、加速グリッド4
bは、軸方向には複数枚(ここでは3枚)に分割された
薄いグリッド板21a,21b,21cが張り合わされ
て形成されている。
【0032】薄いグリッド板21a,21b,21cは
±数μm程度の位置精度と±数十μm程度の孔径精度が
実現できる形状とする。例えば、孔開けにエッチング加
工を用いると、直径30cm程度の薄いMo製グリッド
板21a,21b,21cで厚みを0.2mm以下程度
にすれば良い。
【0033】薄いグリッド板21a,21b,21cの
形状が皆同じで良い場合には、エッチング孔開け加工が
特に有利である。薄いグリッド板21a,21b,21
cの張り合わせには接着剤を用いても良いが、曲率成形
のことを考えると圧接する方が良い。
【0034】曲率成形と張り合わせ(孔開け)の順序は
どちらが先でも同じでも良いが、エッチング孔開け加工
後に圧接する場合は張り合わせの後に曲率成形した方が
良い寸法精度を得られる。
【0035】適当な大きさでエッチング孔開け加工した
薄いグリッド板をずらさずに張り合わせれば、任意の口
径で、任意の厚さのグリッド板が製作できることにな
る。ずらさないための位置合わせ孔16も同時にエッチ
ング加工すれば、位置合わせも容易である。
【0036】本実施形態例の構成によれば、加速グリッ
ド4bを複数枚の薄いグリッド板21a,21b,21
cを張り合わせて形成するようにしたので、各々の薄い
グリッド板21a,21b,21cに対して個別に孔開
け加工を行うことが可能になり、従って、高精度な位置
精度および孔径精度で孔開け可能な加工法、例えばエッ
チング加工法を適用して孔開け加工を行うことができ
る。
【0037】次に、図3を参照して本発明の第2実施態
様例に係わる加速グリッド4bについて説明する。
【0038】本実施態様例では、複数の薄いグリッド板
21a,21b,21cの間に、張り合わせを容易にす
る材料もしくは耐スパッター特性の高い材料でできた複
数の薄いグリッド板22a,22bが挿入されている。
【0039】張り合わせを容易にする材料として、Mo
にはTi(チタン)等が有効である。耐スパッター特性
の高い材料として、Xe+イオンにはC(カーボン)等
が有効である。
【0040】本実施形態例の構成によれば、加速グリッ
ド4bを複数枚の薄いグリッド板21a,21b,21
cを張り合わせて形成するとともに、複数の薄いグリッ
ド板21a,21b,21cの間に、張り合わせを容易
にする材料を挿入することにより、高精度な位置精度お
よび孔径精度で孔開け可能な加工法を適用できるととも
に薄いグリッド板21a,21b,21cの間の張り合
わせを確実かつ容易にすることができる。
【0041】また、複数の薄いグリッド板21a,21
b,21cの間に耐スパッター特性の高い材料を挿入す
ることにより、加速グリッド4bの耐スパッター特性を
よくすることができる。
【0042】次に、図4を参照して本発明の第3実施態
様例に係わる加速グリッド4bについて説明する。
【0043】本実施態様例では、複数の薄いグリッド板
21a,21b,21cの外側両面または片面に、耐ス
パッター特性の高い材料もしくは輻射係数の高い材料で
できた複数の薄いグリッド板23a,23bが張り合わ
されている。輻射係数の高い材料として、MoにはC等
が有効である。
【0044】イオンエンジン内ではプラズマを生成する
ために放電電流を流すので発熱し、約三分の一はイオン
ビームとして外部へ放出されるものの残りは内部に貯ま
る。冷却器を備えるイオンエンジンを別にすれば、この
熱は赤外線等の輻射熱として外部へ放出して冷却する必
要がある。
【0045】本実施形態例の構成によれば、複数の薄い
グリッド板21a,21b,21cの外側面に耐スパッ
ター特性の高い材料の部材を張り合わせることにより、
加速グリッド4bの耐スパッター特性をよくすることが
できる。
【0046】また、複数の薄いグリッド板21a,21
b,21cの外側面に輻射係数の高い材料の部材を張り
合わせることにより、イオンエンジン内の熱を輻射熱と
して効率的に放出することができる。
【0047】次に、図5を参照して本発明の第4実施態
様例に係わる加速グリッド4bについて説明する。
【0048】加速グリッド4bは複数枚の薄いグリッド
板21a,21b,21cから構成されている。図5
に、加速グリッド4bを構成する薄いグリッド板21a
の詳細を示す。他の薄いグリッド板21b,21cも同
様である。
【0049】図5において、薄いグリッド板21aの表
面の一部または全部が、張り合わせを容易にする材料
か、耐スパッター特性の高い材料もしくは輻射係数の高
い材料の部材24a、24bで覆われている。被覆面は
両面でも片面でも良く、材料の選択は場所によって変化
させても良い。被覆の方法は溶射やメッキ等何でも良い
が、厚い時は溶射が有効である。
【0050】本実施形態例の構成によれば、加速グリッ
ド4bを構成する各々の薄いグリッド板21a,21
b,21cを、耐スパッター特性の高い材料もしくは輻
射係数の高い材料の部材24a、24bで被覆するよう
にしたので、たとえ上層の薄いグリッド板21a,21
cが破損した場合においても、加速グリッド4bの耐ス
ッター特性あるいは輻射特性を安全に保持することがで
きる。
【0051】次に、図6を参照して本発明の第5実施態
様例に係わる加速グリッド4bについて説明する。
【0052】加速グリッド4bは複数枚の薄いグリッド
板21a,21b,21cから構成されており、複数の
薄いグリッド板21a,21b,21cの一部(ここで
は、薄いグリッド板21b)に、耐スパッター特性の高
い材料からなる薄いグリッド板25が、例えば蜂の巣状
に挿入されている。
【0053】挿入の方法は板状以外に溶射等で埋め込ん
でも良く、この方法であれば線膨脹率の大きく異なる材
料も採用できる。
【0054】耐スパッター特性の高い材料として、例え
ばXe+イオンに対してCより効果的なEr(エルビウ
ム)等が使用できる。
【0055】本実施形態例の構成によれば、薄いグリッ
ド板21b等に耐スパッター特性の高い材料からなる薄
いグリッド板25を挿入するようにしたので、加速グリ
ッド4bの耐スパッター特性をよくすることができる。
【0056】次に、図7を参照して本発明の第6実施態
様例に係わる加速グリッド4bについて説明する。
【0057】本実施態様例では、複数の薄いグリッド板
21a,21b,21cが多数の分割領域26に分割さ
れている。すなわち、複数の薄いグリッド板21a,2
1b,21cの各々は、イオンビーム通過孔5bが予め
形成された複数個の分割領域を集合して形成されてい
る。
【0058】分割領域26の分割線が接している薄いグ
リッド間で広い範囲で重ならなければ強度上の問題はな
い。
【0059】本実施形態例の構成によれば、薄いグリッ
ド板21a,21b,21cを多数の分割領域26に分
割して構成したので、大口径化が難しい孔開け加工を小
形で行なうことができる。
【0060】以上説明した上述の実施態様例において
は、本発明は加速グリッド4bに関して説明したがスク
リーングリッド4a等の全てのグリッド板に対して適用
できる。また、上述の実施態様例の複数を組み合わせて
適用することも可能である。
【0061】なお、本発明は上述した各実施態様例に限
定されるものではない。すなわち、上述した実施態様例
では推進剤としてXeガスを使用しているが、Xeガス
に限定されるものではない。
【0062】また、加速電極も2枚のMo製グリッド板
を軸方向バネで支持する方式を採用しているが、本枚数
やMo製グリッド板および軸方向バネ支持方式に限定さ
れない。薄いグリッド板の枚数も各実施例に限定されな
い。
【0063】また、上述した実施態様例は本発明をカス
プ磁場型のイオンエンジンに適用したものであるが、カ
スプ磁場型以外の電子衝撃型および高周波型のイオンエ
ンジンにも同様に適用できる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の構成によ
れば、加速電極を構成するグリッド板を、イオンビーム
通過孔の形成された複数枚の薄板を張り合わせて形成す
るようにしたので、大口径・厚肉の加速電極の製作が可
能になり、低燃費・長寿命の大型のイオンエンジンを提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイオンエンジンを一部切欠して示す斜
視図。
【図2】本発明の第1実施形態例の加速グリッドを示す
平面図(a)と断面図(b)。
【図3】本発明の第2実施形態例の加速グリッドを示す
断面図。
【図4】本発明の第3実施形態例の加速グリッドを示す
断面図。
【図5】本発明の第4実施形態例の加速グリッドを構成
する一枚の薄いグリッド板を示す断面図。
【図6】本発明の第5実施形態例の加速グリッドを示す
断面図。
【図7】本発明の第6実施形態例の加速グリッドを示す
断面図。
【図8】従来のイオンエンジンを一部切欠して示す斜視
図。
【図9】加速電極でスパッター現象の起こることを示す
模式図。
【符号の説明】
1 シールドケース 3 放電容器 4 加速電極 9 主陰極用ホローカソード 10 磁石 11 中和器 12 軸方向バネ支持部 13 低速イオン 14 スパッター粒子 15 軸方向バネ取り付け孔 16 位置合わせ孔 20 グリッド板 21,21a,21b,21c 薄いグリッド板 22,22a,22b,22c 薄いグリッド板 23,23a,23b,23c 薄いグリッド板 24 被覆層 25 薄いグリッド板 26 分割領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早 川 幸 男 東京都調布市深大寺東町7丁目44番地1 科学技術庁航空宇宙技術研究所内 (72)発明者 吉 田 英 樹 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 前 田 敏 雄 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 赤 井 公 積 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝小向工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シールドケース内に配設された放電容器内
    へ作動ガスを導入し、この作動ガスを電離させて前記放
    電容器内にプラズマを生成するとともに前記放電容器の
    内壁から離れた領域にプラズマを保持し、加速電極によ
    り前記プラズマ中のイオンを取り出して加速しイオンビ
    ーム通過孔から前記放電容器の外部へ送り出し推力を生
    成するイオンエンジンにおいて、 前記加速電極を構成するグリッド板は、イオンビーム通
    過孔の形成された複数枚の薄板を張り合わせて形成され
    ていることを特徴とするイオンエンジン。
  2. 【請求項2】前記薄板は、前記薄板どうしの張り合わせ
    を容易にする材料、耐スパッター特性の高い材料、ある
    いは輻射係数の高い材料からなることを特徴とする請求
    項1に記載のイオンエンジン。
  3. 【請求項3】前記薄板は、表面の一部または全面で、前
    記薄板どうしの張り合わせを容易にする材料、耐スパッ
    ター特性の高い材料、あるいは輻射係数の高い材料で覆
    われていることを特徴とする請求項1に記載のイオンエ
    ンジン。
  4. 【請求項4】前記薄板は、イオンビーム通過孔の形成さ
    れた複数個の分割領域が集合されて形成されていること
    を特徴とする請求項1に記載のイオンエンジン。
  5. 【請求項5】前記分割領域を区分する分割線は、上下に
    ある他の前記薄板における分割線と重ならない位置に配
    設されていることを特徴とする請求項4に記載のイオン
    エンジン。
JP4001696A 1996-02-27 1996-02-27 イオンエンジン Pending JPH09236076A (ja)

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JP4001696A JPH09236076A (ja) 1996-02-27 1996-02-27 イオンエンジン

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000073936A (ja) * 1998-08-26 2000-03-07 Mitsubishi Electric Corp イオン源装置
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