JP3169875B2 - 寿命の長いイオン−光学システムを有するイオンスラスタ - Google Patents

寿命の長いイオン−光学システムを有するイオンスラスタ

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JP3169875B2
JP3169875B2 JP34787297A JP34787297A JP3169875B2 JP 3169875 B2 JP3169875 B2 JP 3169875B2 JP 34787297 A JP34787297 A JP 34787297A JP 34787297 A JP34787297 A JP 34787297A JP 3169875 B2 JP3169875 B2 JP 3169875B2
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    • F03MACHINES OR ENGINES FOR LIQUIDS; WIND, SPRING, OR WEIGHT MOTORS; PRODUCING MECHANICAL POWER OR A REACTIVE PROPULSIVE THRUST, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F03HPRODUCING A REACTIVE PROPULSIVE THRUST, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F03H1/00Using plasma to produce a reactive propulsive thrust
    • F03H1/0037Electrostatic ion thrusters
    • F03H1/0043Electrostatic ion thrusters characterised by the acceleration grid

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的に宇宙船推
進システムに関し、特に、イオンスラスタに関する。
【0002】
【従来の技術】搭載型推進システムは、種々の宇宙船の
操縦を実現するために使用される。例えば衛星におい
て、これらの操縦は、軌道上昇(例えば、下方の地球軌
道から地球静止軌道への上昇)、ステーションキーピン
グ(例えば、衛星軌道の傾斜、ドリフトおよび偏心等の
補正)、および姿勢制御(例えば、衛星のロール、ピッ
チおよびヨー軸に関する姿勢エラーの補正等)のプロセ
スを含む。
【0003】推進システムのスラスタによって宇宙船に
与えられた力は、スラスタの質量速度とスラスタの噴流
速度の積として次式(1)によって表される。
【0004】
【数1】 式(1)はまた、質量流速度が重量流速度対重力加速度
の比で置換されることができ、噴流の排気速度対重力加
速度の比がスラスタの性能指数である比インパルスIsp
によって表されることを示している。式(1)は、比イ
ンパルスがスラスト対重量流速度の比であることを示す
ために式(2)として書き替えることができる。
【0005】
【数2】
【0006】スラスタが宇宙船の操縦に影響を与えるた
めに使用されたとき、貯蔵された燃料を消費して宇宙船
の速度の増加ΔVが得られる。従って、宇宙船の初期の
質量Mi (操縦の前)と宇宙船の最終的な質量Mf (操
縦の後)には差ができる。この質量の差はスラスタの比
インパルスIspの関数であり、次の“ロケット式”によ
って表され、
【数3】 ここにおいて、ΔVの単位はメートル/秒で表され、I
spの単位は秒で表され、定数gはメートル/秒2 で表さ
れる重力の加速度である。式(3)は、燃料の損失によ
って宇宙船の最終的な質量Mf がΔVの増加と共に指数
的に減少し、この減少が比インパルスIspの増加によっ
て指数的にずれてゆくことを示す。
【0007】比インパルスは、スラスタの燃料効率の重
要な尺度である。典型的な比インパルスは、単一推進ス
ラスタ(例えばヒドラジン等)の場合には230秒であ
り、固体推進スラスタの場合には290秒であり、二元
推進スラスタ(液体水素および液体酸素等)の場合には
445秒であり、電気アークジェットスラスタの場合に
は500秒である。対照的に、イオンスラスタは、25
00秒以上の比インパルスで開発されてきた。
【0008】イオンスラスタの比インパルスが高いた
め、それらは宇宙船の操縦にはとても魅力的なスラスタ
であると言える。それらの燃料効率が高いので、最初の
衛星の質量の減少を容易にし、それによってペイロード
を増加させ、軌道上での寿命が長くなる。初期の質量の
減少によって宇宙船の最初の打ち上げコストが低下さ
れ、ペイロードが増加され、および寿命が長いので、宇
宙船によって生じる利益が増加する。
【0009】イオンスラスタの高い比インパルスは、通
常のスラスタよりも典型的に低いスラストレベル(例え
ば、直径が〜13センチメートルのスラスタにおいて〜
18ミリニュートン程度)によって達成される。しかし
ながら、大抵の宇宙船の操縦の場合、このような低いス
ラストレベルはスラスタの点火時間を増加させることに
よって容易に適応される。実際に、イオンスラスタの低
いスラストレベルで衛星の位置付けの精度を改良するこ
とができ、それはそれらによって頻繁な点火が容易にな
るからである。別のスラスタタイプのスラストレベルが
高い場合、頻繁に点火する必要がなくなり、結果として
位置分解能が減少する。
【0010】しかしながら、それらの点火時間が長くな
ると、イオンスラスタの寿命を長くすることも要求され
る。例えば典型的な衛星の寿命において、最も要求され
る衛星の操縦(北/南のステーションキーピング)の場
合、イオンスラスタの寿命が10,000時間以上であ
ることが要求される。軌道上昇操縦の場合にはこの要求
がさらに増加される。これらの長い寿命は、通常のイオ
ンスラスタのイオン−光学システムにおけるイオン浸蝕
のクロスオーバーのために達成するのが困難である。こ
の浸蝕が発生する原因は、図1の(a)乃至(c)に示
されているように理論付けられる。
【0011】これらの図面には、典型的なイオン−光学
システムにおける開口のアレイのセットによる例示的な
イオンビームレットの形成が示されている。図1の
(a)において、スクリーングリッド22におけるスクリ
ーン開口21と、加速器グリッド24における加速器開口23
と、減速器グリッド26における減速器開口25とを含む開
口のセット20が示されている。同様に、図1の(b)に
おいて、スクリーン開口31、加速器開口33および減速器
開口35の開口のセット30が示されており、図1の(c)
において、スクリーン開口41、加速器開口43および減速
器開口45の開口のセット40が示されている。開口のセッ
ト20,30,40は、開口のセットのアレイの中心から順次位
置されている。
【0012】スクリーン開口21,31,41によって、イオン
ソースのプラズマシース52からイオンビームレット46,4
7,48,50 が流れることが容易になる(ビームレットのそ
れぞれの線は、異なるイオンの軌道を示している)。各
加速器開口はそのそれぞれのスクリーン開口に関して位
置され、加速器グリッド24上の加速器電圧が加速器開口
のそれぞれのイオンビームレットを引き寄せ、それを加
速器開口を通して加速する。各減速器開口はそのそれぞ
れのスクリーン開口に関して位置され、減速器グリッド
26上の減速器電圧は減速器開口のそれぞれのイオンビー
ムレット上にコリメートさせる力を与える。
【0013】プラズマソースのプラズマ密度は典型的に
開口のセットのアレイの周縁部に向かって減少し、それ
故に、プラズマシース52はスクリーングリッド22から離
れて延在し、次第に角度が大きくなるイオン軌道を開始
する。プラズマ密度がこのように半径方向に減少するこ
とによってビームレットのイオン密度も対応して減少
し、従って、半径方向にビームレットを拡大させるそれ
らの正の空間電荷も減少する。
【0014】これらのバリエーションの累加的な効果の
ために、ビームレット46はその開口のセットを通過し、
ビームレット48はそのイオンの軌道においてクロスオー
バーを示し始め、ビームレット50の幾つかのイオンの軌
道は減速器グリッド26上で終端する。これらの後者の軌
道上のイオンは、減速器グリッドから原子をスパッタす
る。
【0015】試験において、上述の寿命の要求よりもは
るかに少ない動作試験時間(例えば、500時間以内)
中にこのスパッタリングがイオン−光学システムの減速
器グリッドを浸蝕するのが観察された。従って、クロス
オーバーしているイオンによる浸蝕は、上述のような寿
命の要求の実現を妨げている。さらに、減速器グリッド
からスパッタリングされた原子は、例えばソーラーセル
等の感応し易い宇宙船表面上に付着される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、現在の宇宙
船の要求と両立する寿命を達成するイオンスラスタに関
する。特に、本発明は、システムの寿命を制限する浸蝕
の影響を減少するイオン−光学システムに関する。
【0017】
【課題を解決するための手段】この目的は、本発明の多
重グリッド・イオン−光学システムによって達成され
る。本発明の多重グリッド・イオン−光学システムは、
スクリーングリッドと、スクリーングリッドから間隔を
隔てて配置された加速器グリッドと、スクリーングリッ
ドと加速器グリッドの対応する開口によってそれぞれ構
成されている開口のセットのアレイとを具備し、開口の
セットのアレイは、アレイ周縁部と、第1のグループの
開口のセットと、この第1のグループの開口のセットを
囲んでアレイ周縁部に近接して位置している第2のグル
ープの開口のセットとより構成され、スクリーングリッ
ドに形成された開口は、プラズマソースからのイオンビ
ームレットのそれぞれの流れを容易にするように構成さ
れ、加速器グリッドのイオン浸蝕を減少させるために第
1のグループに属する開口に比較してアレイの周縁部の
近い第2のグループに属する開口の面積が減少されてお
り、加速器グリッドに形成された開口は、加速器グリッ
ド上の加速器電圧が前記各イオンビームレットを吸引し
てそれを加速器開口を通して加速するように構成され、
第1のグループおよび第2のグループに属する各開口の
面積は同じ大きさであることを特徴とする。
【0018】イオン−光学システムの1実施形態におい
て、スクリーン開口の面積は、アレイの周縁に近い開口
のセットにおいて減少される。この実施形態のプロトタ
イプの試験において、グリッド(例えば減速器グリッ
ド)の浸蝕は、動作の914時間後において観察不可能
な点まで減少された。この観察された浸蝕の減少は、ス
クリーン開口の面積が減少されたことによってスクリー
ングリッドに隣接したプラズマシースの膨らみが減少
し、それによってイオンの軌道の最初の角度も減少する
ために生じるということが理論的に認められる。
【0019】別のイオン−光学システムの実施形態にお
いて、減速器開口の面積はアレイの周縁部に近い開口の
セットにおいて増大される。異なるイオン−光学システ
ムの実施形態において、グリッド開口は円形および六角
形の形状を有している。本発明は、添付図面に関連して
以下の詳細な説明から最良に理解される。
【0020】
【発明の実施の形態】図2において、寿命がイオン−光
学システム62の改良された性能によって増強されるイオ
ンスラスタ60が示されている。イオンスラスタ60はま
た、イオン化チャンバ66を形成するハウジング64と、放
電電子源67と、チャンバ66内に位置された電極システム
68と、チャンバ66内に位置された磁界発生装置70と、イ
オン−光学システム62に隣接して位置された中和装置72
と、イオン化可能なガス(例えばキセノン等)の供給源
を含むように構成された容器74と、種々のスラスタ構造
に適用するためにバイアス電圧を発生する給電システム
76とを含んでいる。
【0021】イオンスラスタ60の基本的な動作におい
て、イオン化可能なガスが容器74からチャンバ66に結合
され、1次電子が放電電子源67からガス中に注入され
る。電極システム68に供給された放電電圧は、これらの
電子をガスの原子と衝突させるように加速させ、これら
の衝突によって自由イオンおよび2次電子が生成され
る。これはチャンバ66内でイオンと電子のプラズマ80を
発生するための反復されるプロセスである。(図面を明
瞭にするために、プラズマ80はチャンバの一部分にのみ
示されている)。磁界発生装置70は、ハウジング64の近
くに磁束線82を生成するように構成されている。磁束線
82のために、電子は電極システム68によって集められる
前に長い通路に沿って移動する。これらの長い電子通路
によってガスの原子との衝突の回数が増加し、それによ
ってプラズマ80の発生が増加される。
【0022】プラズマソース80から、イオン−光学シス
テム62はイオン−光学システム62から加速されて放出さ
れるイオンビーム84として結合する複数のイオンビーム
レットを形成する。イオンビーム84は、イオン−光学シ
ステム62から放出され、そのモーメントによってイオン
スラスタ60およびそのスラスタに取付けられた構造(例
えば宇宙船等)上に力が生成される。補償されていない
場合、イオンビーム84の正の電荷流はイオンスラスタ上
に負の電荷を生成し、それによってスラスタの力が低下
する。従って、中和装置72は、スラスタ60上のその電荷
消耗効果を相殺するために電子流86をイオンビーム84の
付近に注入する。さらに、電子流86は、少なくとも部分
的にイオンビーム84の正の空間電荷を中和し、それによ
ってビームの過剰な発散を防ぐ。
【0023】イオンスラスタ60の基本的な動作が説明さ
れてきたが、イオン−光学システム62は、スクリーング
リッド90、加速器グリッド92および減速器グリッド94を
有している。開口のセット98のアレイ96はこれらのグリ
ッドによって形成される。給電システム76によって生成
された電圧は、各開口のセット98のそれぞれがイオンビ
ーム84のイオンビームレットのそれぞれを発生するよう
にするためにグリッドに与えられる。イオン−光学シス
テム62のグリッドは、ある温度環境の範囲にわたってそ
れらの安定性を増強させるために球状の構成を有してい
ることが好ましい。グリッドは図2においては外側に向
かって膨らみを有して示されているが、反対の構成が使
用されてもよい。
【0024】イオン−光学システム62の構造および動作
は、他のイオンスラスタシステムのその他の部分を詳細
に説明することによってさらに説明される。
【0025】放電電子源67は、陰極101 、キーパー電極
102 およびヒータ103 (抵抗器によって表されている)
を含み、それは給電システム76の放電ヒータ電源104 か
ら電流を受取る。電子源は、典型的に加熱によって酸化
物(例えば酸化バリウム等)に変換され、仕事関数が低
いために電子の放出が容易になるタングステン・ディス
ペンサを被覆する被覆(例えば、バリウム・カルシウム
・アルミネート)を有している。給電システム76の放電
キーパ電源110 は、プラズマ放電を開始し、チャンバ66
に電子を供給するようにキーパ電極102 上に正の電圧を
かける(すなわち、電源110 はチャンバ66に与えられた
陰極101 とキーパ102 との間でプラズマ放電を“維持”
する)。
【0026】一実施形態において、電極システム68は、
陰極101 と、ハウジング64に隣接して位置された(例え
ばステンレス鋼等で形成された)陽極108 とを含んでい
る。
【0027】容器74は、バルブ112 および流動オリフィ
ス114 によってイオン化チャンバ66に結合されている。
バルブ112 がスラスタ制御システムによって開放された
後、流動オリフィス114 はイオン化可能なガスをチャン
バに計量して供給する。放電電圧は、給電システム76の
放電電源116 によって電子ソース67および陽極ライナ10
8 を横切って与えられる。放電電源116 の正の電位は陽
極108 に結合され、この電子はイオン化可能なガスを通
して1次電子を引き寄せて加速させる。磁界発生装置70
は、ハウジング64に隣接して位置され、上述のようにプ
ラズマの発生を増強するカスプ形の磁力線82を生成する
ように構成された複数の環状の永久磁石112 を含んでい
ることが好ましい。
【0028】中和装置72は、中和陰極120 、キーパ電極
122 およびヒータ124 を含み、それらはチャンバ66中に
位置された陰極101 、キーパ電極102 およびヒータ103
とほぼ同じである。給電システム76の中和ヒータ電源12
6 は、電子の供給を行うためにヒータ124 を横切って結
合され、給電システム76の中和キーパ電源128 は、電子
流86のソースであるプラズマ放電を開始するためにキー
パ電極122 上に正の電圧をかける。
【0029】給電システム76は、下方供給バス130 およ
び上方供給バス132 を有している。下方供給バス130
は、宇宙船の“接地部分”133 を基準電位としており、
供給バス130 および132 の電位は、スクリーン電源134
の電圧差だけ電気的に隔てられている。下方供給バス13
0 は、中和電子ソース120 を中和キーパ電源128 、中和
ヒータ電源126 、加速器電源136 および減速器グリッド
94の基準にする。下方供給バス130 のツェナーダイオー
ド131 によって、下方供給バス130 は電子流86がイオン
ビーム84と等しくなるようにする電位を実現するために
宇宙船の電位に関して負で浮遊した電位である。上方供
給バス132 は、放電電子源67を放電電源116 、放電キー
パ電源110 、放電ヒータ電源104 およびスクリーングリ
ッド90の基準電位にする。
【0030】図2のイオンスラスタ60の他のシステムが
説明されてきたが、再びイオン−光学システム62の構造
および動作が説明される。図3において、給電システム
76の素子(特に、スクリーン電源134 および加速器電源
136 )によってこのシステムに与えられた例示的な電位
が示されている。この図面において、例示的な開口のセ
ット140 (図2の開口のセット98の1つ)は、スクリー
ン開口142 、加速器開口144 および減速器開口146 を含
んでいる。イオンビームレット148 は、スクリーングリ
ッド90の近くに位置しているプラズマ80(図2参照)か
ら開口のセット140 によって発生される。また、図3に
おいて電位のグラフ150 が示されており、このグラフ
は、開口のセット140 を横切って分布している電位を示
すためにその開口のセット140 と整列されている。
【0031】プラズマ80に関して、スクリーングリッド
90は典型的に負にバイアスされる。例示的な電位の分配
において、スクリーングリッド90およびプラズマ80に
は、イオンスラスタに結合されている宇宙船の電位(図
2の133 参照)より大きい720ボルトおよび750ボ
ルトがそれぞれ与えられる。宇宙船の電位は、その宇宙
船を取囲んでいる空間プラズマの電位とほぼ同じであ
る。プラズマ80は、基本的に陽極ライナ(図2の68参
照)の電位を呈する。この例示的な電位分布において、
加速器グリッド92は宇宙船の電位(図2の133 参照)よ
り小さい300ボルトにバイアスされ、減速器グリッド
94は宇宙船の電位より小さい20ボルトにバイアスされ
る。
【0032】グリッドを通るこれらの電位の変化は、グ
ラフ150 において実線152 で示され、開口のセット140
の軸154 に沿った電位の変化は破線156 によって示され
ている。加速器グリッド92の近くの軸上の電位は、幾何
学的な影響およびイオンビームレット148 の空間電荷の
ためにグリッドの電位よりも高い。
【0033】イオンの減少(イオンビームレット148 を
生成するために移動する)によって、プラズマ80は、イ
オン化チャンバ(図2の66参照)内に膨らんで突出する
プラズマ面あるいはシース160 (図1の(a)乃至
(c)のシース52に類似している)を形成する。プラズ
マシース160 はプラズマ80中の電子を反発し、イオンを
引き付け、それはその後スクリーン開口142 を通って流
れる。
【0034】イオンビームレット148 の生成において、
スクリーン開口142 によってプラズマ80からのイオンの
流れが容易にされ、加速器の開口144 における電位によ
ってイオンが加速され、それらはその後加速器グリッド
92と減速器グリッド94との間を通過するときにわずかに
減速される。イオンの加速に加えて、加速器グリッドは
イオンビームレット148 中の電子がプラズマ80へ“逆
流”することを防ぐ。
【0035】減速器開口146 はイオンビームレット148
にコリメートするように影響を与え、減速器グリッド94
は加速器グリッド92からスパッタされる破片を集める。
従って、減速器グリッドは敏感な宇宙船の表面(例えば
ソーラーセル等)に対するイオンビーム(図2の84参
照)の汚染の影響を減少させる。グリッド上の電位は、
グラフ150 において示されている全加速電圧166 および
正味の加速電圧168 を形成する。
【0036】開口のセット140 の開口の機能は、一般的
にスクリーン開口142 の面積を大きく、加速器開口144
の面積を小さく形成することによって増強される。さら
に、イオンビームレット148 の流れは、開口の面積が減
少したときでもほぼ一定のままであることが一般的にわ
かっている。従って、図2のアレイ96の開口のセット98
の数が増加すると、一般的に図2のイオンビーム84の流
れも増加する。この開口のセットの増加は、構造的に実
現可能な限り開口の面積を減少することによって典型的
に達成できる。
【0037】図4において、さらにイオン−光学システ
ム(図2の62参照)の構造が示されており、それは図2
の面4−4に沿って切取られた開口のセットのアレイ96
を示している。図面を明瞭にするために、アレイ96の1
/4だけが図4において示されている。この図面におい
てはスクリーン開口だけが示されているが、各スクリー
ン開口が図2の開口のセットの1つの構成要素であるこ
とは明らかである。
【0038】図4において、アレイ96は周縁部178 と、
スクリーン開口が第1の開口面積を有している第1のグ
ループの開口のセット180 と、スクリーン開口が第1の
開口面積よりも減少された第2の開口面積を有している
第2のグループの開口のセット182 とを有している。第
2のグループの開口のセット182 はアレイの周縁部178
に近接しており、第1のグループの開口のセット180 を
取囲んでいる。プロトタイプの試験において、アレイの
周縁部178 の近くでこのスクリーン開口の面積を減少さ
せると、(図1の(c)に示されているような)通常の
イオンスラスタの減速器グリッドの浸蝕が大幅に減少さ
れる。
【0039】図4の開口のセットのアレイ96の理論化さ
れた動作が図5の(a)乃至(c)に示されており、そ
こにおいて、図2の曲線3/5内の代表的な開口が示さ
れている。特に、図5の(a)において図4のアレイ96
の中心に近い開口のセット184 を通る断面図が示されて
おり、図5の(c)において図4のアレイの周縁部178
に近い開口のセット188 を通る断面図が示されており、
図5の(b)において開口のセット184 と188 との間の
開口のセット186 を通る断面図が示されている。
【0040】イオンビームレット190,192,194 は、それ
ぞれ開口のセット184,186,188 を通って流れる。開口の
セット184,186 は、図4の第1のグループの開口のセッ
ト180 の構成要素であり、従ってそれらのスクリーン開
口185 および187 はその図に示された第1の開口の面積
を有している。対照的に、開口のセット188 は第2のグ
ループの開口のセット182 の構成要素であり、そのスク
リーン開口191 は、第1の開口の面積よりも減少された
図4の第2の開口面積を有している構成要素である。
【0041】プラズマソース(図2の80参照)の密度
は、密度が最大であるアレイ96の中心から最小であるア
レイの周縁部178 に向かって減少する。従って、図5
(a)乃至(c)において、プラズマシース160 が膨ら
んでスクリーングリッド90から次第に離れ、アレイの周
縁部178 の非常に近くでイオンの軌道の傾斜角度が増加
し始める様子が示されている。同時に、ビームレット19
0,192 および194 のイオン密度が対応して減少し、それ
によってそれらの正の空間電荷も減少する。
【0042】開口のセット184,186 のスクリーン開口の
面積は図1の(a)および(b)に示されたものと類似
しているので、イオンビームレット184 および186 の形
は図1の(a)および(b)のビームレット46および48
に類似している。しかしながら、図1の(c)との比較
において、図5の(c)のスクリーン開口191 の開口の
面積が減少されているため、プラズマシース160 の膨ら
みが減少されており、また、イオンビームレット194 が
減速器グリッド94と当たらないようにイオンの軌道の最
初の角度が減少されている。
【0043】プロトタイプのイオン−光学システム、す
なわち、開口のセットのアレイの周縁領域でスクリーン
開口の大きさが減少されているイオン−光学システムが
図4および図5の(a)乃至(c)に示された着想に従
って構成された。次に、このプロトタイプは914時間
にわたって動作された。その後分解してイオン−光学シ
ステムは注意深く検査され、観察可能な浸蝕がないこと
がわかった。
【0044】プロトタイプの試験の結果として、13セ
ンチメートルの公称的な直径を有するイオンスラスタに
対して例示的なイオン−光学システムが決定された。こ
の例示的なシステムは3145個の開口のセットのアレ
イを有しており、その738個の第2のグループの開口
のセット(図4の182 参照)は、2407個の第1のグ
ループの開口のセット(図4の180 参照)を取囲み、ア
レイの周縁部(図4の178 参照)の近くに位置されてい
る。
【0045】第1のグループのスクリーン開口は、約
1.91ミリメートルの直径を有し、第2のグループの
スクリーン開口は約0.76ミリメートルの直径を有し
ている。グリッド材料はモリブデンであり、スクリーン
グリッドおよび減速器グリッドは約0.25ミリメート
ルの厚さを有しており、加速器グリットは約0.50ミ
リメートルの厚さを有している。
【0046】図6のグラフ200 において、図4のアレイ
96の半径距離の関数としてスクリーン開口の面積の曲線
202 が示されている。図4の第1のグループのスクリー
ン開口180 および第2のグループのスクリーン開口182
に従って、曲線202 は階段関数の形状を有している。し
かしながら、本発明の技術は、スクリーン開口の面積が
減少されている別の分布にも拡張されることができる。
例えば、スクリーン開口の面積は、図6の変更された曲
線204 によって示されているようにアレイの周縁部の近
くで単調に減少するように変更されることができる。
【0047】図4のアレイ96は円形の開口に関して説明
されてきたが、本発明の技術は、種々の形状の開口でも
実行されることができる。例えば、図7の(a)および
(b)において、図4の曲線7 内の第1および第2のグ
ループの開口(180 および182 )のアレイの構成要素が
示されている。図7の(a)において、スクリーン開口
は円形の形状206 を有しており、図7の(b)におい
て、それらは六角形の形状208 を有している。上述のよ
うに、イオンビーム(図2の84参照)の電流は、所定の
面積内に多数の開口のセットを詰め込むことによって典
型的に増加される。図7の(b)の六角形の構造は、開
口の間のウェブ198 の構造上の完全さを維持しながらこ
の詰め込み動作を行うのに特に適している。六角形の構
造はまた、ウェブ198 が少量のイオンビーム84しか入射
しないようにウェブの面積を比較的小さくすることもで
きる。開口のセットの数は、図4、図7の(a)および
(b)に示されているように一般的に開口のセットを交
互に重ねられてオフセットされた列に配置することによ
って増加される。この配置において、各開口は6個の隣
接した開口によって取囲まれている。
【0048】本発明の技術はまた、開口の面積が減少さ
れた別の実施形態にも拡張することができる。図8は、
図7の(a)に類似しているが、図4の曲線7 の周縁領
域に減衰器開口があるという点(すなわち、これはイオ
ン−光学システムの反対の面の図である)で異なってい
る図である。この実施形態において、減衰器開口が第1
の開口面積221 を有している第1のグループの開口のセ
ット220 と、減衰器開口が第1の減衰器開口の面積から
増加された第2の開口面積223 を有している第2のグル
ープの開口のセット222 とが存在する。第2のグループ
の開口のセット222 はアレイの周縁部178 に近く、第1
のグループ200 を取囲んでいる。
【0049】第2のグループ222 の例示的な減衰器開口
は、図1の(c)において破線224で示されている。こ
の開口の面積は、図1の(c)のイオンビームレット50
の衝撃によって生じたイオン浸蝕を減少するために選択
されることができる。
【0050】図2のイオン−光学システム62はグリッド
が3個のシステムとして示されているが、本発明の概念
は、任意の複数のグリッドのイオン−光学システムにお
いてイオンによる浸蝕を減少し、宇宙船の表面を保護す
るために使用されることができる。例えば、グリッドが
2個(スクリーングリッドおよび加速器グリッド)のシ
ステムにおいて、図4のものに類似した開口のパターン
をスクリーングリッドに適用することができる。
【0051】本発明の幾つかの実施形態が図示および説
明されてきたが、多数の変更および修正が当業者によっ
て行われる。そのような変更および修正された実施形態
は、添付された特許請求の範囲の請求項に記載された本
発明の意図および技術的範囲から逸脱せずに行われるこ
とが意図され、実際に行われることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】開口のセットにおける典型的なイオンの軌道を
示す通常のイオン−光学システム中の異なる開口のセッ
トの断面図。
【図2】本発明に従ったイオンスラスタシステムの側面
図。
【図3】例示的な電位のグラフと共に並べられた、図2
の曲線3/5内の例示的な開口のセットの拡大断面図。
【図4】図2の断面4−4に沿って切取られた開口のセ
ットのアレイの1/4を示す拡大図。
【図5】開口のセットにおけるイオンの軌道を示す図2
の曲線3/5内の代表的な開口のセットの拡大断面図。
【図6】図4のアレイの半径の距離の関数として表した
スクリーン開口の面積のグラフ図。
【図7】スクリーン開口の構造の一実施形態を示す図4
の曲線7 内の構造の拡大図と、それに類似したスクリー
ン開口の構造の別の実施形態を示す図。
【図8】図7の構造に類似した一実施形態を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョン・ディー・ウイリアムス アメリカ合衆国、カリフォルニア州 91301、アゴーラ・ヒルズ、コットンウ ッド・グローブ 3846 (72)発明者 ジェッシー・エヌ・マットシャン アメリカ合衆国、カリフォルニア州 91306、カノガ・パーク、チェイス・ス トリート 20439 (56)参考文献 特公 平7−59940(JP,B2) 特公 平7−103844(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F03H 1/00 B64G 1/24

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオンスラスタにおけるプラズマソース
    からイオンビームレットを発生させるための多重グリッ
    ド・イオン−光学システムにおいて、 スクリーングリッドと、 前記スクリーングリッドから間隔を隔てて配置された加
    速器グリッドと、スクリーングリッドと加速器グリッドの対応する開口に
    よってそれぞれ構成されている 開口のセットのアレイと
    を具備し、 前記開口のセットのアレイは、アレイ周縁部と、第1の
    グループの開口のセットと、この第1のグループの開口
    のセットを囲んで前記アレイ周縁部に近接して位置して
    いる第2のグループの開口のセットとより構成され、 前記スクリーングリッドに形成された開口は、前記プラ
    ズマソースからの前記イオンビームレットのそれぞれの
    流れを容易にするように構成され、前記加速器グリッド
    のイオン浸蝕を減少させるために前記第1のグループに
    属する開口に比較してアレイの周縁部の近い前記第2の
    グループに属する開口の面積が減少されており、 前記加速器グリッドに形成された開口は、前記加速器グ
    リッドに印加された加速器電圧が前記各イオンビームレ
    ットを吸引しそれを前記加速器グリッドの開口を通し
    て加速するように構成され、前記第1のグループおよび
    第2のグループに属する各開口の面積は同じ大きさであ
    ることを特徴とする多重グリッド・イオン−光学システ
    ム。
  2. 【請求項2】 さらに、前記加速器グリッドから間隔を
    隔てて配置された減速器グリッドを含んでおり、この減
    速器グリッドは前記加速器グリッドが前記スクリーング
    リッドとこの減速器グリッドとの間に位置するように配
    置されており、この減速器グリッドはそれに印加された
    電圧によって各イオンビームレットを少なくとも部分的
    にコリメートし、 前記開口のセットはスクリーングリッドと加速器グリッ
    ドの対応する開口と対応しているいる減速器グリッドの
    開口を含み、減速器グリッドの開口の面積は前記第1の
    グループおよび第2のグループのいずれに属する開口も
    その面積は同じであ る請求項1記載の多重グリッド・イ
    オン−光学システム。
  3. 【請求項3】 前記第2のグループの開口のセットは、
    スクリーングリッドの開口の面積が前記周縁部に近付く
    に従って単調に減少するN個のサブグループを含んでい
    る請求項記載の多重グリッド・イオン−光学システ
    ム。
  4. 【請求項4】 イオンスラスタにおけるプラズマソース
    からイオンビームレットを発生させるための多重グリッ
    ド・イオン−光学システムにおいて、 スクリーングリッドと、 前記スクリーングリッドから間隔を隔てて配置された加
    速器グリッドと、 前記加速器グリッドから間隔を隔てられ、前記加速器グ
    リッドが前記スクリーングリッドと減速器グリッドとの
    間になるように位置されている減速器グリッドと、スクリーングリッドと加速器グリッドと減速器グリッド
    との対応する開口により構成された 開口のセットのアレ
    イとを具備し、 前記開口のセットのそれぞれにおいて、 前記スクリーングリッドのスクリーン開口は、前記プラ
    ズマソースからの前記イオンビームレットのそれぞれの
    流れを容易にするように構成され、 前記加速器グリッドの開口は、加速器グリッドに印加さ
    れた電圧によって前記各イオンビームレットを吸引し、
    それを加速器グリッドの開口を通して加速するように
    成され、 前記速器グリッドの開口は、減速器グリッドに印加さ
    れた電圧によって前記各イオンビームレットを少なくと
    も部分的にコリメートするように構成され、 前記減速器グリッドの開口は、前記減速器グリッドのイ
    オン浸蝕を減少させるために前記アレイ周縁部の近くの
    開口のセットに属する減速器グリッドの開口の面積が減
    速器グリッドの中央部の開口の面積に比較して大きく
    れていることを特徴とする多重グリッド・イオン−光学
    システム。
  5. 【請求項5】 複数のイオンビームレットから形成され
    たイオンビームを生成するためのイオンスラスタにおい
    て、 ハウジングと、 前記ハウジングによって形成され、開放端部を有し、イ
    オン化可能なガスを収容しているチャンバと、 1次電子を前記チャンバに注入するように配置された
    電子源と、 前記チャンバ中に位置され、電極電圧を供給されて前記
    1次電子を加速し、前記ガスをイオン化してプラズマソ
    ースを形成する電極システムと、 前記チャンバ中に位置され、前記イオン化を増強するた
    めに前記ハウジングの近くに磁力線を生成するように構
    成された磁石システムと、 前記開放端部を横切って設けられた多重グリッド・イオ
    ン−光学システムと、 前記イオンビームレットの近くの領域に中和用の電子を
    注入するように構成されて位置された中和装置とを具備
    し、 前記多重グリッド・イオン−光学システムは、 スクリーングリッドと、 前記スクリーングリッドから間隔を隔てて配置された加
    速器グリッドと、スクリーングリッドと加速器グリッドの対応する各開口
    によってそれぞれ構成されている 開口のセットのアレイ
    とを具備し、、 前記開口のセットのアレイは、アレイ周縁部と、第1の
    グループの開口のセットと、この第1のグループの開口
    のセットを囲んで前記アレイ周縁部に近接して位置して
    いる第2のグループの開口のセットとより構成され、 前記スクリーングリッドに形成された開口は、前記プラ
    ズマソースからの前記イオンビームレットのそれぞれの
    流れを容易にするように構成され、前記加速器グリッド
    のイオン浸蝕を減少させるために前記第1のグループに
    属する開口に比較してアレイの周縁部い前記第2の
    グループに属する開口の面積が減少されており、 前記加速器グリッドに形成された開口は、前記加速器グ
    リッドに印加された電圧によって前記各イオンビームレ
    ットを吸引しそれを加速器グリッドの開口を通して加
    速するように構成され、前記第1のグループおよび第2
    のグループに属する各開口の面積は同じ大きさであるこ
    とを特徴とするイオンスラスタ。
  6. 【請求項6】 さらに、前記加速器グリッドから間隔を
    隔てて配置された減速器グリッドを具備し、前記加速器
    グリッド前記スクリーングリッドとこの減速器グリッ
    ドとの間に位置されており、この減速器グリッドは、そ
    れに印加された電圧によって前記各イオンビームレット
    を少なくとも部分的にコリメーするよ うに構成され、 前記開口のセットはさらに、スクリーングリッドと加速
    器グリッドの対応する開口と対応しているいる減速器グ
    リッドの開口を含み、減速器グリッドの開口の面積は前
    記第1のグループおよび第2のグループのいずれに属す
    る開口もその面積は同じ大きさである請求項記載のイ
    オンスラスタ。
  7. 【請求項7】 前記電極システムは、 前記チャンバ中に位置された陰極と、 前記ハウジングに近接して位置された陽極とを含んでい
    る請求項記載のイオンスラスタ。
  8. 【請求項8】 さらに、前記加速器グリッドの電圧と前
    記減速器グリッドの電圧とを供給するように構成された
    給電システムを含んでいる請求項記載のイオンスラス
    タ。
  9. 【請求項9】 複数のイオンビームレットから形成され
    たイオンビームを生成するためのイオンスラスタにおい
    て、 ハウジングと、 前記ハウジングによって形成され、開放端部を有し、イ
    オン化可能なガスを収容しているチャンバと、 1次電子を前記チャンバ中に注入するように配置された
    電子源と、 前記チャンバ中に位置され、電極電圧を供給されて前記
    1次電子を加速し、前記ガスをイオン化してプラズマソ
    ースを形成する電極システムと、 前記チャンバ中に位置され、前記イオン化を増強するた
    めに前記ハウジングの近くに磁力線を発生するように構
    成された磁石システムと、 前記開放端部を横切って 設けられた多重グリッド・イオ
    ン−光学システムと前記イオンビームレットの近くの領域に中和用の電子を
    注入するように構成されて位置された中和装置を具備
    し、 前記多重グリッド・イオン−光学システムは、 スクリーングリッドと、 前記スクリーングリッドから間隔を隔てて配置された加
    速器グリッドと、 前記加速器グリッドから間隔を隔てられ、前記加速器グ
    リッドが前記スクリ ーングリッドと減速器グリッドとの
    間になるように位置されている減速器グリッドと、 スクリーングリッドと加速器グリッドと減速器グリッド
    との対応する開口により構成された開口セットのアレイ
    とを具備し、 前記スクリーングリッドに形成された開口は、前記プラ
    ズマソースからの前記イオンビームレットのそれぞれの
    流れを容易にし、 前記加速器グリッドに形成された開口は、前記加速器グ
    リッドに印加された電圧によって前記各イオンビームレ
    ットを吸引してそれを前記加速器開口を通して加速する
    ように構成され、 前記減速器開口は、それに印加された電圧によって各イ
    オンビームレットを少なくとも部分的にコリメートし、
    前記減速器グリッドのイオン浸蝕を減少させるために前
    記アレイ周縁部の近くの開口セットに属する減速器グリ
    ッドの開口の面積は中央部の減速器グリッドの開口の面
    積に比較して大きくされていることを特徴とするイオン
    スラスタ。
  10. 【請求項10】 前記電極システムは、 前記チャンバ中に位置された陰極と、 前記ハウジングに近接して位置された陽極とを含んでい
    る請求項9記載のイオンスラスタ。
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