JPH09236006A - エンジンの潤滑構造 - Google Patents

エンジンの潤滑構造

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JPH09236006A
JPH09236006A JP35805396A JP35805396A JPH09236006A JP H09236006 A JPH09236006 A JP H09236006A JP 35805396 A JP35805396 A JP 35805396A JP 35805396 A JP35805396 A JP 35805396A JP H09236006 A JPH09236006 A JP H09236006A
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JP
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piston
oil passage
oil
cylinder
lubricating oil
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Application number
JP35805396A
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English (en)
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Takeo Yoshida
武雄 吉田
Takahiro Suzuki
隆広 鈴木
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01MLUBRICATING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; LUBRICATING INTERNAL COMBUSTION ENGINES; CRANKCASE VENTILATING
    • F01M1/00Pressure lubrication
    • F01M1/08Lubricating systems characterised by the provision therein of lubricant jetting means
    • F01M2001/086Lubricating systems characterised by the provision therein of lubricant jetting means for lubricating gudgeon pins

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  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 潤滑油の無駄な消費を低減させる。 【解決手段】 シリンダ側油路38の一端部の開口59
をシリンダ孔14の内周面からその内部に向って開口さ
せる。ピストン16および/もしくはピストンピン24
に形成されてその一端部が上記シリンダ孔14の内周面
に向って開口し他端部がピストンピン24と、連接棒2
6の小端部29との連結部30に開口するピストン側油
路61を設ける。上記ピストン16の摺動途中で、上記
シリンダ側油路38の一端部の開口59に上記ピストン
側油路61の一端部の開口62が合致するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関であるエ
ンジンの潤滑構造に関し、より詳しくは、ピストンと、
連接棒の小端部との連結部、および、クランク軸と、同
上連接棒の大端部との連結部についての潤滑構造に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】エンジンは、通常、クランク軸を支承す
るクランクケースを備え、このクランクケースにシリン
ダが突設され、このシリンダのシリンダ孔にその軸方向
に摺動自在にピストンが嵌入され、このピストンにピス
トンピンが取り付けられ、連接棒の大端部が上記クラン
ク軸に連結され、同上連接棒の小端部が上記ピストンピ
ンに連結されている。また、上記クランクケースの外部
をその内部に連通させる吸気通路が設けられている。
【0003】そして、エンジンの駆動時には、エンジン
の外部の新気が上記吸気通路を通って、クランクケース
の内部に吸入され、ここで予圧縮された後、シリンダ孔
内の燃焼室に供給されるようになっている。
【0004】上記構成のエンジンにおける潤滑構造に
は、従来、次のようなものがある。
【0005】即ち、上記シリンダ側に設けられてその一
端部が上記シリンダ孔に開口するシリンダ側油路が設け
られ、このシリンダ側油路に潤滑油を加圧して供給する
油供給手段が設けられている。
【0006】そして、上記油供給手段から供給された潤
滑油は、上記シリンダ側油路を通ってピストンとシリン
ダ孔の間の摺動部を潤滑した後、クランクケース側のシ
リンダ孔内に流出する。一方、上記連接棒の大端部には
クランク軸の内部に形成されたクランク軸側油路を通し
て潤滑油が供給され、この潤滑油が上記大端部を潤滑す
る。また、この後、この潤滑油は上記シリンダ孔内に飛
散させられ、この飛散させられた潤滑油により、上記ピ
ストンピンと、連接棒の小端部との連結部が潤滑される
ようになっている。
【0007】あるいは、上記吸気通路内に潤滑油が吐出
され、この潤滑油が新気と共にクランクケースの内部に
一旦吸入された後、燃焼室に供給されるとき、シリンダ
孔内に飛散させられ、ピストン摺動部が潤滑され、ま
た、上記潤滑油の一部により前記大端部と小端部とが潤
滑されるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記ピスト
ンピンと、連接棒の小端部との連結部の潤滑は、潤滑油
をシリンダ孔内に飛散させることにより行っているた
め、飛散された潤滑油のわずかな一部だけが上記潤滑に
寄与することとなる。そこで、従来、この潤滑を確実に
する上で多量の潤滑油が飛散させられている。
【0009】しかし、このように、潤滑油を多量に供給
すると、その分、より多くの潤滑油がクランクケースの
内部で一旦予圧縮された新気と共に燃焼室に入り込むこ
ととなる。そして、このような燃焼室に入り込んだ潤滑
油のほとんどは燃焼行程で燃焼させられ、その燃焼ガス
は排気管を通し多量の白煙となって排出され、また、未
燃の他の潤滑油も排気管を通し外部に流出させられる。
よって、潤滑油が無駄に消費されるという問題がある。
【0010】本発明は、上記のような事情に注目してな
されたもので、潤滑油の無駄な消費を低減させるように
することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明のエンジンの潤滑構造は、次の如くである。
【0012】請求項1の発明は、クランク軸5を支承す
るクランクケース2にシリンダ13を突設し、このシリ
ンダ13のシリンダ孔14にその軸方向に摺動自在にピ
ストン16を嵌入し、このピストン16にピストンピン
24を取り付け、連接棒26の大端部27を上記クラン
ク軸5に連結させ、同上連接棒26の小端部29を上記
ピストンピン24に連結させ、上記クランクケース2の
内部を経て新気が上記シリンダ孔14内の燃焼室31に
供給されるようにし、一方、上記シリンダ13側に設け
られてその一端部が上記シリンダ孔14に開口するシリ
ンダ側油路38を設け、このシリンダ側油路38に潤滑
油39を加圧して供給する油供給手段40を設けた場合
において、
【0013】上記シリンダ側油路38の一端部の開口5
9を上記シリンダ孔14の内周面からその内部に向って
開口させ、上記ピストン16および/もしくはピストン
ピン24に形成されてその一端部が上記シリンダ孔14
の内周面に向って開口し他端部が上記ピストンピン24
と、上記連接棒26の小端部29との連結部30に開口
するピストン側油路61を設け、上記ピストン16の摺
動途中で、上記シリンダ側油路38の一端部の開口59
に上記ピストン側油路61の一端部の開口62が合致す
るようにしたものである。
【0014】請求項2の発明は、請求項1の発明に加え
て、ピストン16の上死点および/もしくは下死点近傍
で、シリンダ側油路38の一端部の開口59に、ピスト
ン側油路61の一端部の開口62が合致するようにした
ものである。
【0015】請求項3の発明は、請求項1、もしくは2
の発明に加えて、含油可能な多孔質の油保持体70をピ
ストン側油路61内で、その一端部の開口62の近傍に
設けたものである。
【0016】請求項4の発明は、請求項1から3のうち
いずれか1つの発明に加えて、クランク軸5の外周面
と、この外周面に対面する連接棒26の大端部27の内
周面との間に大端軸受28を介在させ、上記大端部27
の内周面に油溝74を形成し、上記大端軸受28を同上
クランク軸5の軸方向で挟む一対のシール材75,75
を設け、上記大端軸受28に連通するクランク軸側油路
73を設け、このクランク軸側油路73に油供給手段4
0により潤滑油39を供給させるようにしたものであ
る。
【0017】請求項5の発明は、請求項1の発明に加え
て、上記シリンダ側油路38に供給される潤滑油39
に、この潤滑油39よりも低粘度の燃料115を混合可
能としたものである。
【0018】請求項6の発明は、請求項5の発明に加え
て、上記シリンダ側油路38に供給される潤滑油39に
対する燃料115の混合割合を、上記エンジン1の要求
負荷が大きい程、あるいは、エンジン1の回転数が大き
い程、小さくさせるようにするものである。
【0019】請求項7の発明は、請求項1の発明に加え
て、燃料タンク118から燃料115の供給を受ける一
方、この燃料115を上記燃焼室31に噴射する燃料噴
射弁116を設け、この燃料噴射弁116に供給される
燃料115に潤滑油39を混合可能としたものである。
【0020】請求項8の発明は、請求項7の発明に加え
て、上記燃料噴射弁116に供給される燃料115に対
する潤滑油39の混合量を、上記エンジン1の要求負荷
が大きい程、あるいは、エンジン1の回転数が大きい
程、大きくさせるようにするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明する。
【0022】(第1の実施の形態)
【0023】図1〜4は、第1の実施の形態を示してい
る。
【0024】図中符号1は、内燃機関である予圧縮式2
サイクルエンジンで、このエンジン1は船、自動車、自
動二輪車の乗り物等に搭載される。
【0025】上記エンジン1はクランクケース2を有し
ている。このクランクケース2の内部がクランク室3と
され、このクランク室3に軸心4がほぼ水平に延びるク
ランク軸5が内有されている。このクランク軸5はその
軸心4回りに回動自在となるよう一対の軸受7,8によ
り上記クランクケース2に支承されている。
【0026】上記クランク軸5は、上記軸心4上に位置
するクランク主軸9と、このクランク主軸9に一体成形
されるクランクアーム10と、上記軸心4から偏心して
上記クランクアーム10に一体成形されるクランクピン
11とで構成されている。
【0027】上記クランクケース2から上方に向ってシ
リンダ13が突設されている。このシリンダ13の内部
にはシリンダ孔14が形成され、このシリンダ孔14の
軸心15上でこのシリンダ孔14にピストン16が軸方
向摺動自在に嵌入されている。上記ピストン16は上記
軸心15上に位置する円板状のヘッド部18と、このヘ
ッド部18からクランクケース2側に向って一体的に延
びるスカート部19と、このスカート部19の内周面に
一体成形される一対のボス部20,20とを備えてい
る。これらボス部20,20にはピン取付孔21,21
が貫設され、これらピン取付孔21,21は同一の軸心
22上に位置し、この軸心22は前記シリンダ孔14の
軸心15に直交している。
【0028】上記軸心22上で、上記ピン取付孔21,
21に両端部が嵌入されて上記ピストン16に取り付け
られるピストンピン24が設けられている。このピスト
ンピン24は円筒形をなして、その内部に内孔25を有
している。
【0029】上記シリンダ孔14の一端部(下端部)は
上記クランク室3に連通しており、このクランク室3内
から上記シリンダ孔14内にまで延びる連接棒26が設
けられている。この連接棒26の一端部である大端部2
7が大端軸受28を介し上記クランク軸5のクランクピ
ン11に連結され、同上連接棒26の他端部である小端
部29が小端軸受30を介しピストンピン24に連結さ
れている。
【0030】上記シリンダ孔14の他端部(上端部)は
上記ピストン16により閉じられた空間とされており、
これが燃焼室31となっている。上記シリンダ13に
は、上記クランク室3と燃焼室31側とを連通させる掃
気ポート32が形成されている。上記燃焼室31に放電
部が臨む点火プラグ33が上記シリンダ13に取り付け
られている。上記エンジン1用の電子的な制御装置34
が設けられ、この制御装置34に上記点火プラグ33が
電気的に接続されている。
【0031】上記エンジン1が駆動して、クランク軸5
が一方向に回転するとき、これに連接棒26を介しピス
トン16が連動し、このピストン16はシリンダ孔14
内で往動(図1中、矢印A)と、復動(図1中、矢印
B)とを繰り返す。
【0032】そして、上記ピストン16が往動(A)す
るとき、クランク室3に生じる負圧により、エンジン1
の外部から吸気がクランク室3に吸入され、次に、ピス
トン16が復動(B)するとき、上記クランク室3内の
吸気がここで一旦予圧縮され、次に、この予圧縮された
吸気が掃気ポート32を通って燃焼室31側に供給され
る。また、この燃焼室31には燃料も供給される。
【0033】再び、上記ピストン16が往動(A)する
とき、上記燃焼室31内の吸気と燃料が圧縮され、次い
で、制御装置34の制御による点火プラグ33の放電
で、上記燃料が燃焼に供される。この燃焼で、上記ピス
トン16がクランクケース2側に押されて復動(B)
し、このとき、前記したように、クランク室3で予圧縮
されていた吸気が掃気ポート32を通って燃焼室31側
に供給され、この吸気によって燃焼室31内が掃気さ
れ、上記燃焼室31内の燃焼ガスは排気として排気管を
通りエンジン1の外部に排出される。
【0034】以下、上記動作が繰り返されて、クランク
軸5が一方向に回転駆動させられ、このクランク軸5が
動力を外部に出力する。
【0035】上記エンジン1の各部を潤滑する潤滑装置
37が設けられている。
【0036】上記潤滑装置37は、上記シリンダ13側
に設けられて一端部が上記シリンダ孔14の内周面から
その内部に向って開口するシリンダ側油路38と、この
シリンダ側油路38に潤滑油39を加圧して供給する油
供給手段40とを備えている。この油供給手段40は、
潤滑油39を溜める油タンク42、この油タンク42を
吸入して吐出する油ポンプ43、この油ポンプ43から
供給された潤滑油39を更に高圧に加圧して上記シリン
ダ側油路38内に供給する油加圧手段44、上記油ポン
プ43から上記油加圧手段44に供給される潤滑油39
の圧力を所定圧に保つレギュレータ45を備えている。
【0037】図3、4において、上記油加圧手段44は
シリンダ13に取り付けられるケース47、このケース
47内に形成される低圧油室48および作動油室49、
この作動油室49のシリンダ孔14側の端部に連通する
よう上記ケース47に形成される加圧油室50、この加
圧油室50に上記低圧油室48を連通させるケース連通
路51、同上加圧油室50に摺動自在に嵌入される弁体
52、上記ケース47に支承され上記作動油室49内に
向って往動(図3中、矢印C)と、復動(図3中、矢印
D)とをするアーマチュア54、このアーマチュア54
を往動(C)させるよう付勢するばね55、このばね5
5の強弱を調整する調整ハンドル56、上記ケース47
に支持され上記アーマチュア54に対応して設けられる
ソレノイド57を備えている。
【0038】上記低圧油室48に上記油ポンプ43の吐
出口が連通させられて、この油ポンプ43からの潤滑油
39で上記低圧油室48は常に満たされている。また、
前記シリンダ側油路38は上記ケース47に形成されて
おり、同上シリンダ側油路38の一端部の開口59はシ
リンダ孔14の内周面からその内部に向って開口し、上
記一端部の開口59の軸心はピストンピン24の軸心2
2とほぼ平行とされている。また、同上シリンダ側油路
38の他端部は上記加圧油室50に連通させられてい
る。また、上記弁体52には弁体連通路58が形成され
ている。
【0039】上記ソレノイド57は前記制御装置34に
電気的に接続されている。この制御装置34の制御によ
り、上記ソレノイド57がOFF(オフ)すると、図
3、4中実線で示すように、ばね55によりアーマチュ
ア54が往動(C)し、このアーマチュア54により加
圧された作動油室49内の潤滑油39により、弁体52
が押されて、この弁体52が同上図3、4中実線で示す
ように、ケース連通路51とシリンダ側油路38との連
通を遮断する。この際、上記弁体連通路58は上記低圧
油室48およびケース連通路51と作動油室49とを連
通させ、この作動油室49は上記低圧油室48とケース
連通路51とを介し油ポンプ43から供給される潤滑油
39で常に満たされる。
【0040】同上制御装置34の制御により、上記ソレ
ノイド57がON(オン)すれば、ばね55に抗して、
上記ソレノイド57の磁力により、アーマチュア54が
復動(D)させられる。これによる作動油室49の負圧
で、弁体52が、図3、4中仮想線で示すように上記ア
ーマチュア54側に引き寄せられて加圧油室50の容積
を拡大するよう摺動する。
【0041】すると、上記ケース連通路51が低圧油室
48を加圧油室50に連通させると共に、上記低圧油室
48内の正圧および加圧油室50内の負圧により、上記
低圧油室48内の潤滑油39が上記ケース連通路51を
通って加圧油室50に供給され、この加圧油室50は潤
滑油39で満たされる。このとき、弁体連通路58は上
記加圧油室50の内周面で閉じられる。
【0042】次に、再び、ソレノイド57がOFFすれ
ば、前記したように、図3、4中実線で示すように、ソ
レノイド57の磁力が解除されて、ばね55によりアー
マチュア54が急速に往動(C)し、これに伴い、弁体
52が加圧油室50の容積を狭めるようにこの加圧油室
50内に急速に入り込み、この入り込みで、直ちに、上
記ケース連通路51とシリンダ側油路38との連通が遮
断される。
【0043】すると、上記弁体52の復動(D)に伴
い、加圧油室50に満たされていた潤滑油39が加圧さ
れて上記シリンダ側油路38の一端部の開口59を通り
ピストンピン24の軸心22にほぼ平行にシリンダ孔1
4内に向って勢いよく噴射され、この潤滑油39がシリ
ンダ孔14内に供給される。この場合、シリンダ孔14
内に噴射状に供給される潤滑油39はほぼ層流とされ
て、直線的な棒形状となる。
【0044】即ち、上記ソレノイド57をON、OFF
させれば、上記加圧油室50内の潤滑油39が加圧され
て、上記シリンダ孔14内に噴射状に供給されるように
なっている。
【0045】図1において、上記ピストンピン24には
ピストン側油路61が形成されている。このピストン側
油路61の一端部側は上記内孔25で構成され、上記ピ
ストン側油路61の一端部の開口62である内孔25の
一端部は上記シリンダ孔14の内周面に向って開口して
いる。上記ピストンピン24にはその径方向に貫通する
多数の貫通孔が形成されている。これら貫通孔が、上記
内孔25を、上記ピストンピン24と、前記連接棒26
の小端部29との連結部である小端軸受30に向って、
かつ、前記ピン取付孔21の内周面と、ピストンピン2
4との接合部に向って開口するピストン側油路61の他
端部の開口63となっている。
【0046】上記ピストン16の往復摺動の途中で、上
記シリンダ側油路38の一端部の開口59に、上記ピス
トン側油路61の一端部の開口62が合致することとさ
れている。
【0047】前記クランク軸5の一端部にはフライホイ
ールマグネト65のロータ66が取り付けられている。
このロータ66は上記クランク軸5と共に回転して、フ
ライホイールマグネト65が発電することとされ、この
フライホイールマグネト65が上記制御装置34に電力
を供給するよう、電気的に接続されている。また、上記
クランク軸5のクランク角を検出する第1センサー67
と、基準クランク角を検出する第2センサー68とが設
けられ、更に、不図示のスロットル弁開度センサーが設
けられ、これらも上記制御装置34に接続されている。
【0048】上記制御装置34の制御により、第1セン
サー67あるいは第2センサー68からの情報に基づ
き、エンジン回転数が算出され、第2センサー68で検
知される基準クランク角から第1の所定クランク角とな
るタイミングでソレノイド57がONされる。更に、第
2の所定クランク角となるタイミングで同ソレノイド5
7がOFFされる。上記した各々のタイミングは、第1
センサー67からのクランク角情報とエンジン回転数情
報から求められる基準クランク角からのクランク角が制
御装置34に記憶されている第1、第2の所定クランク
角と各々一致する時で求められる。
【0049】図1において、上記ピストン16の往動
(A)の途中で、シリンダ側油路38の一端部の開口5
9にピストン側油路61の一端部の開口62の上部が合
致したとき、上記制御装置34はソレノイド57を電気
的にOFFさせるように制御する。この際、前記したよ
うに、弁体52によって加圧油室50内の潤滑油39が
押され、この潤滑油39が上記シリンダ側油路38の一
端部の開口59を通して、上記ピストン側油路61の一
端部の開口62に供給され始める(図1中実線)。
【0050】そして、潤滑油39がシリンダ側油路38
を通過する時の抵抗に抗してばね55がアーマチュア5
4、作動油室49内の潤滑油39及び弁体52を介して
加圧油室50内の潤滑油39を加圧し続け、これによ
り、上記ピストン16の往動が進んで、同上シリンダ側
油路38の一端部の開口59に同上ピストン側油路61
の一端部の開口62の上下方向の中央部が合致したとき
も、同上シリンダ側油路38の一端部の開口59を通し
て同上ピストン側油路61の一端部の開口62に潤滑油
39が供給され続ける(図1中一点鎖線)。
【0051】更に、ばね55が加圧油室50内の潤滑油
39を加圧し続け、弁体52がケース47に突き当たれ
ば、一端部の開口62への潤滑油39の供給が停止する
(図1中二点鎖線)。即ち、エンジン回転数が高い時で
も、ピストン16の往動中において、シリンダ側油路3
8の一端部の開口59とピストン側油路61の一端部の
開口62とが少なくとも重なっている間中に、潤滑油3
9の供給が完了するように、ばね55の強さが設定され
る。
【0052】そして、上記ピストン側油路61の一端部
の開口62を通し、このピストン側油路61内に供給さ
れた潤滑油39は、上記ピストン側油路61の他端部の
開口63を通し、上記小端軸受30や、ピン取付孔21
の内周面とピストンピン24との接合部に供給されて、
これを潤滑する。
【0053】上記構成によれば、シリンダ側油路38の
一端部の開口59にピストン側油路61の一端部の開口
62が合致している間だけ、このピストン側油路61の
一端部の開口62に潤滑油39が供給されるようになっ
ている。このため、上記シリンダ側油路38の一端部の
開口59からシリンダ孔14内への無駄な潤滑油39の
供給が防止される。
【0054】上記の場合、シリンダ孔14の内周面に対
しピストン16が往復摺動する軌跡の範囲内に、上記シ
リンダ側油路38の一端部の開口59が設けられてい
る。このため、仮に、油供給手段40により、上記シリ
ンダ側油路38の一端部の開口59を通しシリンダ孔1
4内に潤滑油39を常に連続的に供給させても、ピスト
ン16の摺動途中で、シリンダ側油路38の一端部の開
口59にピストン側油路61の一端部の開口62が合致
していないときには、上記シリンダ側油路38の一端部
の開口59はピストン16およびピストンピン24によ
って塞がれることとなり、上記シリンダ孔14内への無
駄な潤滑油39の供給が防止される。
【0055】なお、ピストン16とシリンダ孔14との
間の潤滑のため一端部の開口59と一端部の開口62と
が重なっていない時にも潤滑油39を供給するようにし
てもよい。このようにすれば、ピストン16の摺動部へ
の潤滑油路を別に設ける必要がなく、構成が簡単にな
る。
【0056】上記構成において、シリンダ側油路38の
一端部の開口59にピストン側油路61の一端部の開口
62が合致するのは、ピストン16の下死点近傍とされ
ている。この場合、上記合致するのはピストン16の上
死点近傍であってもよい。
【0057】即ち、ピストン16が下死点の近傍に位置
するとき、このピストン16は、その往復摺動のうちの
いずれか一方の摺動である往動(A)から、他方の摺動
である復動(B)に方向転換するときであって、その摺
動速度は比較的遅くなる。
【0058】このため、上記したように、ピストン16
の下死点近傍で、シリンダ側油路38の一端部の開口5
9にピストン側油路61の一端部の開口62を合致させ
ると、ピストン16の摺動速度が遅い分、シリンダ側油
路38の一端部の開口59からピストン側油路61の一
端部の開口62に向って、潤滑油39が十分に供給され
る。
【0059】なお、潤滑油39の一端部の開口62内へ
の供給は、ピストン16の往動(A)時のみ、あるいは
復動(B)時のみあるいは両方であってもよい。また、
スロットル開度即ちエンジン負荷に応じて、負荷大なる
時1供給回当りのクランク軸5の回転数を小さく(例え
ば、0.5回転、1回転、あるいは2回転)し、負荷小
なる時、大きく(例えば、3回転、5回転あるいは10
回転等)してもよい。また、ソレノイド57を電気的に
ONさせるタイミングは、ピストン16の復動(D)に
より一端部の開口59と一端部の開口62との重なりが
終了した時点で実施する。
【0060】上記ピストン側油路61のピストンピン2
4の内孔25には、その一端部の開口62の近傍で含油
可能な多孔質の油保持体70が設けられている。この油
保持体70は焼結金属等で成形され、この油保持体70
は上記内孔25に嵌入されていて円柱状をなしている。
この油保持体70にはその軸心22上に有底の孔71が
形成され、この孔71の一端は上記ピストン側油路61
の一端部の開口62に向って開口し、上記孔71の内径
は上記孔71の他端に向って漸減している。
【0061】上記したように油保持体70を設けたた
め、上記シリンダ側油路38の一端部の開口59からピ
ストン側油路61の一端部の開口62に向って潤滑油3
9が供給されるとき、この潤滑油39は、毛細管現象に
より、上記油保持体70に直ちに染み込んで一旦保持さ
れ、その後、この油保持体70から上記ピストン側油路
61の他端部の開口63を通して小端軸受30や、ピン
取付孔21の内周面とピストンピン24との接合部に供
給される。
【0062】よって、上記シリンダ側油路38の一端部
の開口59からピストン側油路61の一端部の開口62
に向って潤滑油39が供給されるとき、この潤滑油39
が上記ピストン側油路61の一端部の開口62の内面に
衝突して跳ね返り、これにより、ピストン側油路61へ
の潤滑油39の供給が阻害されることとなって、上記小
端軸受30への潤滑油39の供給が不十分になるという
ことが防止される。
【0063】図2、5において、前記クランク軸5のク
ランクピン11と、連接棒26の大端部27との連結部
である大端軸受28に連通するクランク軸側油路73が
上記クランク軸5に形成されている。上記クランク軸側
油路73には、上記油供給手段40の油ポンプ43によ
り、潤滑油39が供給される。
【0064】上記クランク軸5のクランクピン11の外
周面と、この外周面に対面する連接棒26の大端部27
の内周面との間に前記大端軸受28が介在させられてお
り、上記大端部27の内周面には、多数の油溝74が形
成されている。また、同上大端部27の内周面に接して
いる大端軸受28をクランク軸5の軸方向で挟むように
一対のシール材75が設けられている。上記油溝74
と、両シール材75,75とによって囲まれた大端軸受
28の周りには十分の量の潤滑油39が溜められるよう
になっており、これにより、上記大端軸受28はより確
実に潤滑させられる。
【0065】なお、大端軸受28への潤滑油39の供給
量は、飛散させて小端軸受30等を潤滑する必要がない
分、減らすことができる。更に、両シール材75,75
により、より飛散流出量を減らすことができるので、こ
の潤滑油39供給量をより減らすことができる。
【0066】以下の各図は、第2〜5の実施の形態を示
している。これら各実施の形態は、前記第1の実施の形
態と多くの点で構成と作用が共通しているため、これら
共通のものについては、図面に共通の符号を付してその
説明を省略する。
【0067】(第2の実施の形態)
【0068】図6は、第2の実施の形態を示している。
なお、この図6は図面の簡素化のために、ピストン16
に対しシリンダ13が相対的に移動するものとして示し
ている。
【0069】この第2の実施の形態によれば、ピストン
ピン24の内孔25において、その軸方向で、ピストン
側油路61の一端部の開口62とは反対側の開口は閉じ
板77により閉じられている。また、同上内孔25の軸
方向の中途部は、複数(二枚)の円板状の仕切板78,
79で仕切られている。これら仕切板78,79の軸心
22上には、それぞれ円形の貫通孔80,81が形成さ
れ、これら貫通孔80,81の内径寸法は上記ピストン
側油路61の一端部の開口62に向うに従い大きくされ
ている。
【0070】制御装置34の制御により、上記ピストン
16の復動(B)時の下死点の直前で、シリンダ側油路
38の一端部の開口59にピストン側油路61の一端部
の開口62の上部が達したとき、同上シリンダ側油路3
8の一端部の開口59から上記ピストン側油路61の一
端部の開口62内に潤滑油39が噴射状に供給開始され
る(図6中実線)。
【0071】次に、上記ピストン16が下死点に達した
後、反転してこの下死点近傍の範囲で往動(A)する
間、上記潤滑油39の供給が続けられる。この際、上記
ピストンピン24の内孔25内に供給された潤滑油39
は上記ピストン側油路61の一端部の開口62と、この
一端部の開口62側の仕切板78の貫通孔80とを通過
し、その潤滑油39の先端が閉じ板77側の仕切板79
の貫通孔81の上縁部近傍に達する。このとき、シリン
ダ側油路38の一端部の開口59からの潤滑油39の供
給が停止させられる(図6中一点鎖線)。
【0072】上記ピストン16が更に往動(A)すると
き、閉じ板77側の仕切板79の貫通孔81の下縁部
が、上記ピストンピン24の内孔25の空間を移動する
棒形状の潤滑油39をその長手方向の中途部で分断し始
める(図6中二点鎖線)。
【0073】上記ピストン16が更に往動(A)する
と、ピストン側油路61の一端部の開口62側の仕切板
78の貫通孔80の下縁部が、同上棒形状の潤滑油39
をその長手方向の中途部で分断し始める(図6中破
線)。
【0074】上記のようにして、棒形状の潤滑油39は
その長手方向で三つに分断され、これら分断された各潤
滑油39は上記仕切板78,79で仕切られたピストン
ピン24の内孔25内の三つの空間に分配される。これ
により、各他端部の開口63にほぼ均等に潤滑油39が
供給され、各部がほぼ均等に潤滑される。
【0075】この第2の実施の形態によれば、シリンダ
側油路38の一端部の開口59からピストン側油路61
の一端部の開口62内に潤滑油39が噴射されるのは、
復動(B)時の下死点の近傍から開始されるため、この
復動(B)、下死点、往動(A)開始の間に十分の潤滑
油39が供給される。よって、高速回転時においても、
十分の潤滑油39が供給される。
【0076】(第3の実施の形態)
【0077】図7は、第3の実施の形態を示している。
なお、この図7は図面の簡素化のために、ピストン16
に対しシリンダ13が相対的に移動するものとして示し
ている。
【0078】この第3の実施の形態によれば、前記第2
の実施の形態と同様に、閉じ板77と仕切板78,79
とが設けられ、これら各仕切板78,79には貫通孔8
0,81が形成されている。
【0079】制御装置34の制御により、上記ピストン
16の下死点直後の往動(A)時に、シリンダ側油路3
8の一端部の開口59にピストン側油路61の一端部の
開口62の上部が達したとき、同上シリンダ側油路38
の一端部の開口59から上記ピストン側油路61の一端
部の開口62内に潤滑油39が噴射状に供給開始される
(図6中実線)。
【0080】上記ピストン16が更に往動(A)する
と、閉じ板77側の仕切板79の貫通孔81の下縁部
が、上記ピストンピン24の内孔25の空間を移動する
棒形状の潤滑油39をその長手方向で分断し始める(図
7中一点鎖線)。
【0081】上記ピストン16が更に往動(A)する
と、ピストン側油路61の一端部の開口62側の仕切板
78の貫通孔80の下縁部が、同上棒形状の潤滑油39
をその長手方向の中途部で分断し始める(図7中二点鎖
線)。
【0082】他の構成や作用は、前記第2の実施の形態
と同様である。
【0083】(第4の実施の形態)
【0084】図8、9は、第4の実施の形態を示してい
る。なお、図9では、掃気ポート32は省略している。
【0085】図中、101はスロットル弁、102,1
03はリード弁式逆止弁、104は蓄圧室である。クラ
ンク軸5の1回転毎に新気がクランク室3に吸込まれる
と共に蓄圧室104に送られ、クランク軸5の2回転毎
に新気が蓄圧室104から燃焼室31に供給され、爆発
燃焼が実施される。
【0086】これによれば、エンジン1はクランク室3
過給式の4サイクルエンジンであり、クランク室3内の
潤滑油39は燃焼室31へ流入するので、前記2サイク
ルエンジンにおける各実施の形態と同様、小端部29、
大端部27、およびピストン16の摺動部への少量の潤
滑油39の供給が実施される。
【0087】シリンダ側油路38は、シリンダ13の周
壁をその径方向に貫通する油路孔84と、シリンダ13
のシリンダ孔14の内周面に形成される油路溝85とを
備えている。この油路溝85はシリンダ孔14の周方向
に延び、上記油路溝85の一端部内に、上記油路孔84
が開口し、上記油路溝85の他端部がシリンダ側油路3
8の一端部の開口59となっている。
【0088】上記ピストン16と、ピストンピン24と
に形成されてその一端部が上記シリンダ孔14の内周面
に向って開口し他端部が上記ピストンピン24と、小端
部29との連結部である小端軸受30に開口するピスト
ン側油路61が設けられている。このピストン側油路6
1の一端部の開口62は上記ピストン16のボス部20
に形成されている。油供給手段40の油加圧手段44
は、上記油路孔84に潤滑油39を供給する。
【0089】上記油路溝85は、シリンダ孔14の内周
面に対するピストン16の往復摺動の軌跡の範囲内に設
けられている。また、上記油路孔84には、油路溝85
側に向ってのみ潤滑油39を流動させる一方向弁86が
設けられ、シリンダ側油路38側から油加圧手段44側
へ向っての潤滑油39の逆流が防止されている。
【0090】この実施の形態によれば、上記油加圧手段
44から供給された潤滑油39はシリンダ孔14の内周
面とピストン16との摺動部を潤滑する。また、上記油
路溝85はシリンダ孔14の周方向に長く延びているた
め、上記油路溝85に潤滑油39を供給する油加圧手段
44の配置の自由度が向上する。
【0091】なお、ピストン16が下死点の近傍にまで
摺動したときに、上記油路溝85がシリンダ孔14内の
燃焼室31に露出するようになっているとしても、この
際、上記燃焼室31内の燃焼ガスの圧力が上記油加圧手
段44に作用することは上記一方向弁86により防止さ
れる。よって、この一方向弁86を設けたことにより、
上記油路溝85は、シリンダ孔14の内周面に対するピ
ストン16の往復摺動の軌跡の範囲内に設けなくてもよ
い。
【0092】(第5の実施の形態)
【0093】図10は、第5の実施の形態を示してい
る。
【0094】これによれば、シリンダ13は、シリンダ
本体88と、軸心15上でこのシリンダ本体88に形成
された円形孔89と、この円形孔89に内嵌されて固着
されたスリーブ90とで構成され、このスリーブ90の
内孔がシリンダ孔14となっている。
【0095】シリンダ側油路38は、シリンダ本体88
の周壁をその径方向に貫通する第1油路孔91と、上記
円形孔89とスリーブ90との接合面間に形成される第
2油路孔92と、上記スリーブ90をその径方向に貫通
する第3油路孔とを備えている。上記第2油路孔92は
シリンダ孔14の周方向に延び、この第2油路孔92の
一端部内に、上記第1油路孔91が開口し、上記第2油
路孔92の他端部に上記第3油路孔が開口し、この第3
油路孔が上記シリンダ側油路38の一端部の開口59と
なっている。
【0096】他の構成や作用は、前記第4の実施の形態
と同様である。
【0097】(第6の実施の形態)
【0098】図11、12は、第6の実施の形態を示し
ている。
【0099】なお、図11の符号のO1 〜O3 、Fの部
分は、図12の同じ符号の部分と互いに連通するもので
ある。
【0100】図12において、上記クランクケース2に
は、このクランクケース2の内外を連通させる吸気通路
110が形成されている。この吸気通路110には、リ
ード弁111とスロットル弁112とが取り付けられて
いる。一方、上記シリンダ13は上記クランクケース2
に突設されるシリンダ本体13aと、上記シリンダ孔1
4を有して上記シリンダ本体13aの突出端に取り付け
られるシリンダヘッド13bとを有し、上記シリンダ本
体13aに、上記シリンダ孔14の内外を連通させる排
気通路114が形成されている。
【0101】上記燃焼室31に向って燃料115を噴射
可能とする燃料噴射弁116が設けられ、この燃料噴射
弁116は上記シリンダヘッド13bに取り付けられて
いる。上記燃料噴射弁116の燃料115を噴射する方
向は、上記シリンダ孔14に対する排気通路114の開
口部のうち、特に、燃焼室31側の縁部(上縁部)に向
わされている。
【0102】上記燃料115を溜める燃料タンク118
が設けられている。この燃料タンク118の燃料115
を加圧して上記燃料噴射弁116に調圧弁117を通し
供給する燃料ポンプ119が設けられている。120は
フィルタである。
【0103】図11、12において、上記燃料タンク1
18の燃料115は、上記潤滑油39よりも低粘度のガ
ソリンなどとされており、上記燃料115は上記燃料ポ
ンプ119により、流量調整弁123と逆止弁124と
を通して前記油供給手段40に供給可能とされている。
【0104】より具体的には、上記潤滑油39は、上記
油供給手段40において、シリンダ側油路38に供給さ
れる潤滑油39に、上記燃料115が供給されて混合可
能とされている。そして、上記油供給手段40により、
潤滑油39と燃料115との混合液が上記シリンダ側油
路38からピストン側油路61内に向って噴射供給さ
れ、このピストン側油路61を通して、連結部である上
記小端軸受30や、ピン取付孔21の内周面とピストン
ピン24との接合部に供給可能とされている。この場
合、上記燃料ポンプ119から上記流量調整弁123や
逆止弁124を通して油供給手段40に供給される燃料
115が、上記油ポンプ43やレギュレータ45側に逆
流しないように他の逆止弁125が設けられている。
【0105】また、126はフィルタ、127はパイロ
ット油路である。
【0106】なお、エンジン1がディーゼルエンジンの
場合には、燃料115は上記潤滑油39よりも低粘度の
軽油とされる。また、この場合には、点火プラグ33は
不要となる。
【0107】図12において、上記油ポンプ43から吐
出される潤滑油39は、リニア三方弁130を通し、上
記燃料噴射弁116に供給される燃料115にも供給さ
れて混合可能とされている。そして、上記燃料噴射弁1
16により、潤滑油39と燃料115との混合液が燃焼
室31に噴射供給可能とされている。また、上記油ポン
プ43からリニア三方弁130に達した潤滑油39の一
部は、上記リニア三方弁130の作動に応じて上記油タ
ンク42に戻されるようになっている。
【0108】上記スロットル弁112の作動による吸気
通路110の開度、つまり、スロットル開度を検出する
スロットル開度検出センサー132が設けられている。
また、上記クランク軸5の回転数、つまり、エンジン1
の回転数を検出する回転数検出センサー133が設けら
れている。
【0109】上記点火プラグ33、油供給手段40の油
加圧手段44、燃料噴射弁116、流量調整弁123、
リニア三方弁130、スロットル開度検出センサー13
2、および回転数検出センサー133はいずれも、上記
制御装置34に電気的に接続されており、上記流量調整
弁123やリニア三方弁130等は、上記各センサー1
32,133の検出信号に基づき、上記制御装置34に
より電子的に自動制御されるようになっている。
【0110】エンジン1が駆動してピストン16が昇降
摺動するとき、これに伴い、まず、エンジン1の外部の
空気134が上記吸気通路110を通り上記クランク室
3に吸入されて、ここで予圧縮され、次に、この予圧縮
された空気134が掃気ポート32を通り、燃焼室31
に供給される。
【0111】次に、上記燃焼室31で加圧された空気1
34に対し、上記制御装置34で制御された燃料噴射弁
116から燃料115が噴射されると共に、これが点火
プラグ33により点火、燃焼させられ、このときの熱エ
ネルギーが動力に変換されて、上記クランク軸5から出
力される。
【0112】上記燃焼後の燃焼ガスは排気135とし
て、上記排気通路114を通り、エンジン1の外部に検
出される。
【0113】以下、上記動作が繰り返されて、エンジン
1が上記クランク軸5を介し動力を出力する。
【0114】上記構成において、ピストンピン24と、
連接棒26の小端部29との連結部である小端軸受30
に対し、潤滑に必要とされる潤滑油39の量が少なくて
足りる場合において、上記シリンダ側油路38からピス
トン側油路61への潤滑油39の供給量を上記した必要
量まで少なくすると、上記シリンダ側油路38からピス
トン側油路61へ潤滑油39を供給したとき、この潤滑
油39はその粘性によってピストン側油路61の各部に
広くは分散せず、このため、このピストン側油路61の
一部を通して小端軸受30や、ピン取付孔21の内周面
とピストンピン24との接合部のそれぞれの一部だけは
潤滑されるが、この小端軸受30等の他部には潤滑油3
9が十分には供給されず、つまり、小端軸受30等の潤
滑が不十分になるおそれを生じる。
【0115】そこで、上記したように、潤滑油39に低
粘度の燃料115を混合可能とさせてあり、この混合に
より、上記潤滑油39の粘度が下げられると共に、燃料
115との混合で希釈はされるが、見掛け上で増量され
ることから、この潤滑油39が燃料115と共に、上記
油供給手段40により、シリンダ側油路38からピスト
ン側油路61に噴射供給されたときには、この潤滑油3
9は上記ピストン側油路61に広く分散させられてこの
ピストン側油路61を通し、上記小端軸受30や、ピン
取付孔21の内周面とピストンピン24との接合部によ
り均一に供給され、この小端軸受30等の各部が確実に
潤滑されることとなる。
【0116】よって、上記小端軸受30の潤滑が少量の
潤滑油39で足りる場合には、この必要量に、より近い
量の潤滑油39を燃料115と共にシリンダ側油路38
に供給してやれば足り、もって、潤滑油39の無駄な消
費が低減させられる。
【0117】また、上記シリンダ側油路38に供給され
る潤滑油39に対する燃料115の混合割合は、上記エ
ンジン1の要求負荷が大きい程、あるいは、エンジン1
の回転数が大きい程、小さくなることとされている。
【0118】上記潤滑油39に対する燃料115の混合
割合の調整は、具体的には次のようにしてなされる。
【0119】即ち、上記レギュレータ45による調圧圧
力を、調圧弁117による調圧圧力と同じとなるよう設
定する。一方、上記流量調整弁123をソレノイド等に
より開閉駆動される開度調整式のものとする。
【0120】そして、上記エンジン1の要求負荷が大き
いとき、つまり、上記スロットル弁112のスロットル
開度が大きくされているというスロットル開度検出セン
サー132からの検出信号を上記制御装置34が入力し
たとき、もしくは、同上エンジン1の回転数が大きいと
いう回転数検出センサー133からの検出信号を上記制
御装置34が入力したとき、この制御装置34により、
上記流量調整弁123の開度が小さくなるよう制御され
る。すると、この流量調整弁123を通り、上記油供給
手段40における潤滑油39に供給されて混合される燃
料115の量が、より少なくされ、これによって、上記
油供給手段40を通し、シリンダ側油路38に供給され
る潤滑油39への燃料115の混合割合が小さくされ
る。
【0121】なお、上記レギュレータ45による潤滑油
39の調圧圧力よりも、上記調圧弁117による燃料1
15の調圧圧力が高い場合には、上記パイロット油路1
27と、前記した流量調整弁123の代わりに、減圧機
能付きの流量調整弁123を設ければよい。
【0122】このようにすれば、上記パイロット油路1
27により潤滑油39の圧力が上記流量調整弁123に
伝達される。すると、この流量調整弁123は、燃料1
15の圧力を上記潤滑油39の調圧圧力とほぼ同じにな
るまで自動的に減圧し、その後は、上記したと同様に、
制御装置34により、油供給手段40における潤滑油3
9に供給される燃料115の量が制御され、上記混合割
合が調整される。
【0123】ところで、上記したように、エンジン1の
要求負荷が大きい程、あるいは、エンジン1の回転数が
大きい程、上記小端軸受30での負荷が大きくなること
から、この小端軸受30に対し、上記油供給手段40に
よって、より多量の潤滑油39を供給させることとな
る。
【0124】そして、この場合には、上記油供給手段4
0を通し、上記シリンダ側油路38からピストン側油路
61に向って、勢いよく噴射されて供給された潤滑油3
9は、これが多量であるため、この潤滑油39は、粘性
が高くても、その慣性力で、上記ピストン側油路61に
広く分散させられることとなり、よって、このピストン
側油路61を通し小端軸受30の各部に不足なく潤滑油
39が供給され、上記小端軸受30の潤滑が十分になさ
れることとなる。
【0125】この場合において、上記したように、潤滑
油39への燃料115の混合割合を小さくさせたため、
潤滑油39の粘性が低くなることが防止されて、上記小
端軸受30に供給された潤滑油39がここから容易に流
れ落ちるということが防止される。
【0126】よって、上記小端軸受30における潤滑油
39の潤滑作用の期間が長くなり、その分、潤滑油39
の無駄な消費が低減させられる。
【0127】また、上記したように、燃料噴射弁116
に供給される燃料115に潤滑油39が混合可能とされ
ている。
【0128】このため、上記燃焼室31を通してシリン
ダ孔14の内周面とピストン16との摺接部に潤滑油3
9が供給されて、この摺接部が潤滑されることとなる。
【0129】上記の場合、燃焼室31は、上記シリンダ
孔14の内周面とピストン16との摺接部に直接的に連
なるものであるため、上記燃料噴射弁116から燃料1
15と共に噴射された潤滑油39は上記摺接部に直接向
うこととなって、ここを効果的に潤滑し、もって、上記
潤滑油39の無駄な消費が防止される。
【0130】また、上記燃料噴射弁116に供給される
燃料115に対する潤滑油39の混合量は、上記エンジ
ン1の要求負荷が大きい程、あるいは、エンジン1の回
転数が大きい程、大きくなることとされている。
【0131】上記燃料115に対する潤滑油39の混合
量の増量は、具体的には次のようにしてなされる。
【0132】即ち、上記エンジン1の要求負荷が大きい
とき、つまり、上記スロットル弁112のスロットル開
度が大きくされているというスロットル開度検出センサ
ー132からの検出信号を上記制御装置34が入力した
とき、もしくは、同上エンジン1の回転数が大きいとい
う回転数検出センサー133からの検出信号を上記制御
装置34が入力したとき、この制御装置34により、上
記燃料噴射弁116によるエンジン1への燃料115の
噴射供給量が多くなるよう制御される。また、これと共
に、ソレノイド等により駆動される上記リニア三方弁1
30の作動が制御されて、上記油ポンプ43から上記リ
ニア三方弁130を通り上記燃料噴射弁116における
燃料115に供給される潤滑油39の量が多くされる。
その一方、上記油ポンプ43から上記リニア三方弁13
0を通り、上記油タンク42に戻される潤滑油39の量
が少なくされる。
【0133】上記の場合、燃料噴射弁116での燃料1
15に対する潤滑油39の混合割合も、上記エンジン1
の要求負荷が大きい程、あるいは、エンジン1の回転数
が大きい程、大きくさせられるようになっており、これ
も、上記制御装置34による上記リニア三方弁130の
制御により達成される。
【0134】そして、上記したように、エンジン1の要
求負荷が大きい程、あるいは、エンジン1の回転数が大
きい程、上記シリンダ孔14の内周面とピストン16と
の摺接部の負荷も大きくなることから、この摺接部に対
し、より多量の潤滑油39が供給される。
【0135】よって、負荷に応じた量の潤滑油39が供
給されて、上記摺動部が効果的に潤滑され、このため、
潤滑油39の無駄な消費が防止される。
【0136】また、前記したように、燃料噴射弁116
による燃料115と潤滑油39の噴射方向は、排気通路
114の開口縁に向っているため、高温になり易くて、
潤滑条件の厳しい上記排気通路114の開口縁周りが、
上記燃料115と潤滑油39により、効果的に冷却され
ると共に、潤滑され、この部分の消耗が防止されてい
る。
【0137】
【発明の効果】本発明による効果は、次の如くである。
【0138】請求項1の発明によれば、クランク軸を支
承するクランクケースにシリンダを突設し、このシリン
ダのシリンダ孔にその軸方向に摺動自在にピストンを嵌
入し、このピストンにピストンピンを取り付け、連接棒
の大端部を上記クランク軸に連結させ、同上連接棒の小
端部を上記ピストンピンに連結させ、上記クランクケー
スの内部を経て新気が上記シリンダ孔内の燃焼室に供給
されるようにし、一方、上記シリンダ側に設けられてそ
の一端部が上記シリンダ孔に開口するシリンダ側油路を
設け、このシリンダ側油路に潤滑油を加圧して供給する
油供給手段を設けたエンジンの潤滑構造において、上記
シリンダ側油路の一端部の開口を上記シリンダ孔の内周
面からその内部に向って開口させ、上記ピストンおよび
/もしくはピストンピンに形成されてその一端部が上記
シリンダ孔の内周面に向って開口し他端部が上記ピスト
ンピンと、上記連接棒の小端部との連結部に開口するピ
ストン側油路を設け、上記ピストンの摺動途中で、上記
シリンダ側油路の一端部の開口に上記ピストン側油路の
一端部の開口が合致するようにしてある。
【0139】このため、エンジンの駆動時におけるピス
トンの摺動途中で、シリンダ側油路の一端部の開口にピ
ストン側油路の一端部の開口が合致したとき、上記油供
給手段からシリンダ側油路に供給された潤滑油は、上記
シリンダ側油路を通してピストン側油路に供給され、こ
のピストン側油路の他端部の開口を通ってピストンピン
と連接棒の小端部との連結部に供給され、この連結部が
潤滑される。
【0140】この場合、ピストンの摺動途中で、シリン
ダ側油路の一端部の開口にピストン側油路の一端部の開
口が合致していないときには、上記シリンダ側油路の一
端部の開口はピストンおよび/もしくはピストンピンに
よって塞がれているため、上記シリンダ孔内への無用な
潤滑油の供給が抑制される。
【0141】よって、上記ピストンピンと連結棒の小端
部との連結部への潤滑油の供給は無駄なく少量で行わ
れ、その分、上記潤滑油が燃焼室側に入り込む量が少な
く抑えられる。この結果、エンジンからの白煙の排出が
防止されると共に、未燃の潤滑油の排出が抑制されて、
潤滑油の無駄な消費を低減させることができる。
【0142】請求項2の発明によれば、ピストンの上死
点および/もしくは下死点近傍で、シリンダ側油路の一
端部の開口に、ピストン側油路の一端部の開口が合致す
るようにしてあり、次の効果がある。
【0143】即ち、ピストンが上死点や下死点の近傍に
位置するとき、このピストンは、その往復摺動のうちの
いずれか一方の摺動から他方の摺動に方向転換するとき
であって、その摺動速度は比較的遅くなる。
【0144】このため、上記したように、ピストンの上
死点および/もしくは下死点近傍で、シリンダ側油路の
一端部の開口にピストン側油路の一端部の開口を合致さ
せると、ピストンの摺動速度が遅い分、両開口が長い時
間合致し、シリンダ側油路の一端部の開口からピストン
側油路の一端部の開口に向って、潤滑油が十分に供給さ
れる。
【0145】よって、上記ピストンピンと、連結棒の小
端部との連結部の潤滑がより確実になされると共に、そ
の分、潤滑油の消費量を少なくできる。
【0146】請求項3の発明によれば、含油可能な多孔
質の油保持体をピストン側油路内で、その一端部の開口
の近傍に設けてある。
【0147】このため、シリンダ側油路の一端部の開口
からピストン側油路の一端部の開口に向って潤滑油が供
給されるとき、この潤滑油は、毛細管現象により、上記
油保持体に直ちに染み込んで一旦保持され、その後、こ
の油保持体から上記ピストン側油路の他端部の開口を通
してピストンピンと、連接棒の小端部との連結部に供給
される。
【0148】よって、上記シリンダ側油路の一端部の開
口からピストン側油路の一端部の開口に向って潤滑油が
供給されるとき、この潤滑油が上記ピストン側油路の一
端部の開口の内面に衝突して跳ね返り、これにより、ピ
ストン側油路への潤滑油の供給が阻害されることとなっ
て、上記連結部への潤滑油の供給が不十分になるという
ことが防止され、その潤滑が十分になされる。
【0149】請求項4の発明によれば、クランク軸の外
周面と、この外周面に対面する連接棒の大端部の内周面
との間に大端軸受を介在させ、上記大端部の内周面に油
溝を形成し、上記大端軸受を同上クランク軸の軸方向で
挟む一対のシール材を設け、上記大端軸受に連通するク
ランク軸側油路を設け、このクランク軸側油路に油供給
手段により潤滑油を供給させるようにしてある。
【0150】このため、クランク軸と連接棒の大端部と
の連結部における大端軸受へ、一旦、潤滑油を供給すれ
ば、ここに長く保持されることとなり、その分、潤滑油
供給量を減らすことができると共に、上記大端軸受へ向
っての潤滑油の飛散量を減らすことができる。
【0151】請求項5の発明によれば、上記シリンダ側
油路に供給される潤滑油に、この潤滑油よりも低粘度の
燃料を混合可能としてあり、次の効果がある。
【0152】即ち、ピストンピンと、連接棒の小端部と
の連結部に対し、潤滑に必要とされる潤滑油の量が少な
くて足りる場合において、上記シリンダ側油路からピス
トン側油路への潤滑油の供給量を上記した必要量まで少
なくすると、上記シリンダ側油路からピストン側油路へ
潤滑油を供給したとき、この潤滑油はその粘性によって
ピストン側油路の各部に広くは分散せず、このため、こ
のピストン側油路の一部を通して連結部の一部だけは潤
滑されるが、この連結部の他部には潤滑油が十分には供
給されず、つまり、連結部の潤滑が不十分になるおそれ
を生じる。
【0153】そこで、上記したように、潤滑油に低粘度
の燃料を混合可能とさせたのであり、このため、この混
合により、上記潤滑油の粘度が下げられると共に、燃料
との混合で希釈はされるが増量されることから、この潤
滑油が燃料と共にシリンダ側油路からピストン側油路に
供給されたときには、この潤滑油は上記ピストン側油路
に広く分散させられてこのピストン側油路を通し、上記
連結部により均一に供給され、この連結部の各部が確実
に潤滑されることとなる。
【0154】よって、上記連結部の潤滑が少量の潤滑油
で足りる場合には、この必要量に、より近い量の潤滑油
を燃料と共にシリンダ側油路に供給してやれば足り、も
って、潤滑油の無駄な消費が低減させられる。
【0155】請求項6の発明によれば、上記シリンダ側
油路に供給される潤滑油に対する燃料の混合割合を、上
記エンジンの要求負荷が大きい程、あるいは、エンジン
の回転数が大きい程、小さくさせるようにしてあり、次
の効果がある。
【0156】即ち、エンジンの要求負荷が大きい程、あ
るいは、エンジンの回転数が大きい程、上記連結部での
負荷が大きくなることから、この連結部に対し、より多
量の潤滑油を供給させることが望まれる。
【0157】そして、上記シリンダ側油路からピストン
側油路に供給された潤滑油が多量である場合には、この
潤滑油は、上記ピストン側油路に広く分散させられるこ
ととなって、このピストン側油路を通し連結部の各部に
不足なく潤滑油が供給され、上記連結部の潤滑が十分に
なされることとなる。
【0158】この場合において、上記したように、潤滑
油への燃料の混合割合を小さくさせたため、潤滑油の粘
性が低くなることが防止されて、上記連結部に供給され
た潤滑油がここから容易に流れ落ちるということが防止
される。
【0159】よって、上記連結部における潤滑油の潤滑
作用の期間が長くなり、その分、潤滑油の無駄な消費が
低減させられる。
【0160】請求項7の発明によれば、燃料タンクから
燃料の供給を受ける一方、この燃料を上記燃焼室に噴射
する燃料噴射弁を設け、この燃料噴射弁に供給される燃
料に潤滑油を混合可能としてある。
【0161】このため、上記燃焼室を通してシリンダ孔
の内周面とピストンとの摺接部に潤滑油が供給されて、
この摺接部が潤滑されることとなる。
【0162】上記の場合、燃焼室は、上記シリンダ孔の
内周面とピストンとの摺接部に直接的に連なるものであ
るため、上記燃料噴射弁から燃料と共に噴射された潤滑
油は上記摺接部に直接向うこととなって、ここを効果的
に潤滑し、もって、上記潤滑油の無駄な消費が防止され
る。
【0163】請求項8の発明によれば、上記燃料噴射弁
に供給される燃料に対する潤滑油の混合量を、上記エン
ジンの要求負荷が大きい程、あるいは、エンジンの回転
数が大きい程、大きくさせるようにしてあり、次の効果
がある。
【0164】即ち、エンジンの要求負荷が大きい程、あ
るいは、エンジンの回転数が大きい程、上記シリンダ孔
の内周面とピストンとの摺接部の負荷も大きくなること
から、この摺接部に対し、より多量の潤滑油が供給され
るようになっている。
【0165】よって、負荷に応じた量の潤滑油が供給さ
れて、上記摺動部が効果的に潤滑され、このため、潤滑
油の無駄な消費が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態で、図2の部分拡大作用説明
図である。
【図2】第1の実施の形態で、エンジンの正面断面図
と、これに関連する部品の線図である。
【図3】第1の実施の形態で、図2の部分拡大断面図で
ある。
【図4】第1の実施の形態で、図3の部分拡大断面作用
説明図である。
【図5】第1の実施の形態で、クランク軸と、連接棒の
大端部との連結部における軸受の部分斜視図である。
【図6】第2の実施の形態で、図1に相当する図であ
る。
【図7】第3の実施の形態で、図1に相当する図であ
る。
【図8】第4の実施の形態で、全体側面断面図である。
【図9】第4の実施の形態で、図8の9‐9線矢視断面
図である。
【図10】第5の実施の形態で、図9に相当する図であ
る。
【図11】第6の実施の形態で、図2に相当する図であ
る。
【図12】第6の実施の形態で、エンジンの側面断面図
と、これに関連する部品の線図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 クランクケース 3 クランク室 4 軸心 5 クランク軸 13 シリンダ 14 シリンダ孔 15 軸心 16 ピストン 24 ピストンピン 26 連接棒 27 大端部 28 大端軸受(連結部) 29 小端部 30 小端軸受(連結部) 31 燃焼室 34 制御装置 37 潤滑装置 38 シリンダ側油路 39 潤滑油 40 油供給手段 59,62 一端部の開口 61 ピストン側油路 63 他端部の開口 70 油保持体 73 クランク軸側油路 74 油溝 75 シール材 115 燃料 116 燃料噴射弁 118 燃料タンク 119 燃料ポンプ 132 スロットル開度検出センサー 133 回転数検出センサー 134 空気 135 排気

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク軸を支承するクランクケースに
    シリンダを突設し、このシリンダのシリンダ孔にその軸
    方向に摺動自在にピストンを嵌入し、このピストンにピ
    ストンピンを取り付け、連接棒の大端部を上記クランク
    軸に連結させ、同上連接棒の小端部を上記ピストンピン
    に連結させ、上記クランクケースの内部を経て新気が上
    記シリンダ孔内の燃焼室に供給されるようにし、一方、
    上記シリンダ側に設けられてその一端部が上記シリンダ
    孔に開口するシリンダ側油路を設け、このシリンダ側油
    路に潤滑油を加圧して供給する油供給手段を設けたエン
    ジンの潤滑構造において、 上記シリンダ側油路の一端部の開口を上記シリンダ孔の
    内周面からその内部に向って開口させ、上記ピストンお
    よび/もしくはピストンピンに形成されてその一端部が
    上記シリンダ孔の内周面に向って開口し他端部が上記ピ
    ストンピンと、上記連接棒の小端部との連結部に開口す
    るピストン側油路を設け、上記ピストンの摺動途中で、
    上記シリンダ側油路の一端部の開口に上記ピストン側油
    路の一端部の開口が合致するようにしたエンジンの潤滑
    構造。
  2. 【請求項2】 ピストンの上死点および/もしくは下死
    点近傍で、シリンダ側油路の一端部の開口に、ピストン
    側油路の一端部の開口が合致するようにした請求項1に
    記載のエンジンの潤滑構造。
  3. 【請求項3】 含油可能な多孔質の油保持体をピストン
    側油路内で、その一端部の開口の近傍に設けた請求項
    1、もしくは2に記載のエンジンの潤滑構造。
  4. 【請求項4】 クランク軸の外周面と、この外周面に対
    面する連接棒の大端部の内周面との間に大端軸受を介在
    させ、上記大端部の内周面に油溝を形成し、上記大端軸
    受を同上クランク軸の軸方向で挟む一対のシール材を設
    け、上記大端軸受に連通するクランク軸側油路を設け、
    このクランク軸側油路に油供給手段により潤滑油を供給
    させるようにした請求項1から3のうちいずれか1つに
    記載のエンジンの潤滑構造。
  5. 【請求項5】 上記シリンダ側油路に供給される潤滑油
    に、この潤滑油よりも低粘度の燃料を混合可能とした請
    求項1に記載のエンジンの潤滑構造。
  6. 【請求項6】 上記シリンダ側油路に供給される潤滑油
    に対する燃料の混合割合を、上記エンジンの要求負荷が
    大きい程、あるいは、エンジンの回転数が大きい程、小
    さくさせるようにする請求項5に記載のエンジンの潤滑
    構造。
  7. 【請求項7】 燃料タンクから燃料の供給を受ける一
    方、この燃料を上記燃焼室に噴射する燃料噴射弁を設
    け、この燃料噴射弁に供給される燃料に潤滑油を混合可
    能とした請求項1に記載のエンジンの潤滑構造。
  8. 【請求項8】 上記燃料噴射弁に供給される燃料に対す
    る潤滑油の混合量を、上記エンジンの要求負荷が大きい
    程、あるいは、エンジンの回転数が大きい程、大きくさ
    せるようにする請求項7に記載のエンジンの潤滑構造。
JP35805396A 1995-12-29 1996-12-27 エンジンの潤滑構造 Pending JPH09236006A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008286133A (ja) * 2007-05-18 2008-11-27 Ihi Corp 舶用内燃機関のスカッフィング防止方法及び装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008286133A (ja) * 2007-05-18 2008-11-27 Ihi Corp 舶用内燃機関のスカッフィング防止方法及び装置
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