JPH09235175A - 単結晶引上げ装置 - Google Patents

単結晶引上げ装置

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JPH09235175A
JPH09235175A JP7142996A JP7142996A JPH09235175A JP H09235175 A JPH09235175 A JP H09235175A JP 7142996 A JP7142996 A JP 7142996A JP 7142996 A JP7142996 A JP 7142996A JP H09235175 A JPH09235175 A JP H09235175A
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single crystal
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 坩堝4内の固形原料16を溶解する際に、固
形原料16の不均一加熱によって不安定な溶け残りが生
じるのを防ぐ。 【解決手段】 坩堝4内の原料を、坩堝4内の上方に配
置されたトップヒータ9,9により、補助的に加熱す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、棒状単結晶の製造
に使用されるCZ法による単結晶引上げ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ディバイスの製造に使用されるシ
リコンウェーハは棒状のシリコン単結晶より採取され、
その単結晶の製造にはCZ法による引上げが多用されて
いる。CZ法によるシリコン単結晶の引上げでは、周知
の通り、坩堝内の原料融液にワイヤの下端に装着された
種結晶を浸漬し、この状態から種結晶をワイヤにより回
転させながら上昇させることにより、原料融液から単結
晶を引上げる。
【0003】また単結晶を引上げる前には、図3(A)
に示すように、坩堝4内に原料として粒塊状の多結晶シ
リコンをチャージし、その固形原料16を坩堝4の周囲
に配置されたヒータ7により加熱溶解することにより、
坩堝4内に原料融液17を生成する。坩堝4としては、
内側の石英坩堝4aとこれを支持するための外側の黒鉛
坩堝4bとを組み合わせた二重構造のものが通常使用さ
れる。
【0004】このようなCZ法による単結晶の引上げ、
特に引上げ開始前の原料溶解プロセスにおいては、坩堝
内にチャージされた固形原料をできるだけ短時間で溶解
することの他に、その固形原料を均一に溶解することが
必要である。なぜなら、坩堝内の原料が坩堝周囲のヒー
タにより加熱される関係から、中心部の原料の加熱状態
が本質的に悪く、その原料の溶解が遅れることにより、
図3(B)に示すような逆三角錐状の溶け残りを溶解後
期に生じるからである。
【0005】この溶け残りは、幾何学的にも非常に不安
定であり、横倒しになるなどして内側の石英坩堝を破損
させる原因になる。石英坩堝の破損が著しいと、石英坩
堝内の溶融原料が外側の黒鉛坩堝の外に流れ出し、他の
カーボン部材や金属チャンバーまで破損させるおそれが
ある。特に、水冷された金属チャンバーの破損は水蒸気
爆発につながり危険である。
【0006】このような固形原料の不均一な溶解を避け
るために、これまでは溶解時間を長くとっていた。ま
た、固形原料の均一な溶解による溶解時間の短縮を目的
として、坩堝の下方にヒータを追加配置する技術が、特
開平2−22184号公報により提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、溶解時
間の延長は操業効率の低下を招く。一方、坩堝下方への
ヒータの追加配置は、確かに溶解時間の短縮に有効であ
る。しかし、ここにおける溶解時間の短縮は、主に熱量
の純粋な増加によって達成され、逆三角錐状の溶け残り
の解消によるものではない。
【0008】すなわち、坩堝の周囲に配置されているヒ
ータの出力を高めると、図3(A)に破線で示されてい
るように、内側の石英坩堝が変形し、この変形が極端な
場合は単結晶の引上げが困難になるが、坩堝の下方にヒ
ータを追加配置すると、坩堝の周囲のヒータの出力を高
めなくても投入熱量の増加が可能となる。しかし、溶解
後期に生じる逆三角錐状の溶け残りに関して言えば、坩
堝下方へのヒータの追加配置は主に下部の原料の溶解を
促進し、しかも坩堝を支持する軸体が邪魔になって坩堝
の底の中心部を直接加熱できない。このために、逆三角
錐状の不安定な溶け残りの解消には直接つながらず、場
合によってはその溶け残りを増長することにもなりかね
ない。
【0009】このように、坩堝下方へのヒータの追加配
置は、固形原料の不均一加熱による不安定な溶け残りの
解消に対しては必ずしも有効でなく、この点において本
来の機能を十分に発揮しているとは言えない。
【0010】本発明の目的は、坩堝内の固形原料の不安
定な溶け残りの解消に有効な単結晶引上げ装置を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の単結晶引上げ装
置は、CZ法により坩堝内の原料融液から単結晶を引上
げる単結晶引上げ装置において、引上げ前に坩堝内で固
形原料を溶解する際に坩堝内の原料を上方から加熱する
サブヒータを具備することを特徴とする。
【0012】サブヒータとしては、坩堝内の原料に上方
から対向するカーボンヒータ・セラミックヒータ等の輻
射ヒータ、又は水冷銅による高周波加熱等を用いること
ができる。サブヒータが単結晶の引上げを阻害する場合
は、少なくとも引上げ時にはそのサブヒータを坩堝の上
方から実質的に退避させることが必要である。
【0013】サブヒータは又、その種類を問わず、坩堝
の下方に配置されるヒータと組み合わせるのが、その機
能を引出し、溶解時間の短縮を図る上で特に有効であ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の望ましい実施の形
態を図面に基づいて説明する。図1は本発明を実施した
引上げ装置の1例についてその主要部の構造を示す縦断
面図、図2は図1のA−A線矢視図である。
【0015】本引上げ装置は、CZ法によりチャンバー
内でシリコン単結晶を製造するものであり、そのチャン
バーとしてメインチャンバー1、メインチャンバー1の
上面開口部を塞ぐ鍔状のトップチャンバー2、及びトッ
プチャンバー2の内縁部上に設置されるプルチャンバー
3などを具備する。
【0016】メインチャンバー1内には坩堝4が配置さ
れている。坩堝4は内側の石英坩堝4aと外側の黒鉛坩
堝4bとからなり、昇降および回転が可能な支持軸6の
上に設置されている。坩堝4の周囲には環状のサイドヒ
ータ7が配置されている。一方、坩堝4の下方には半円
形状をした一対のボトムヒータ8,8が支持軸6を挟ん
で配置されている。また、坩堝4の上方には半円形状を
した一対のトップヒータ9,9が設けられている。
【0017】一対のトップヒータ9,9は、上方に向か
って外側へ対称的に傾斜した各2本の電極棒10,10
の下端に水平に取り付けられている。各トップヒータ9
を支持する2本の電極棒10,10は、トップチャンバ
ー2に取り付けた傾斜ガイド11により軸方向に移動自
在に支持されている。従って、一対のトップヒータ9,
9は、下方の加熱位置と上方の退避位置との間を往復移
動し、下方の加熱位置では坩堝4の真上において僅かの
隙間をあけて円板状に組み合わされる。また、上方の退
避位置では両側に離反して単結晶の引上げに支障を生じ
ない状態となる。なお、18は気密保持のために傾斜ガ
イド11に取り付けたベローズである。
【0018】各トップヒータ9は又、図2に示されるよ
うに、中心部に半円形の切り欠きを有する半円形のカー
ボンヒータであり、内周縁から外周側へ延びる第1の半
径方向のスリット13と外周縁から内周側へ延びる第2
の半径方向のスリット14とを周方向に交互に設けて形
成した蛇行状の通電路を持つ。各トップヒータ9を支持
する2本の電極棒10,10はこの通電路の両端部に電
気的に接続されている。坩堝4の下方に配置されるボト
ムヒータ8,8も基本的にトップヒータ9,9と同じ構
造である。
【0019】一対のトップヒータ9,9を組み合わせて
形成される円板の外径は、坩堝4の内径の0.5〜1.0倍
が望ましい。これが小さいと均熱効果が弱くなり、必要
以上に大きくしても、効果は強くならない。
【0020】加熱位置でのトップヒータ9,9の高さ
は、坩堝4までの距離で表わして20〜50mmが望ま
しい。これが小さいと原料の膨張により接触、放電の恐
れがあり、大きいと均熱効果が弱くなる。
【0021】次に、本引上げ装置における原料溶解操作
について説明する。
【0022】トップヒータ9,9を上方の退避位置に固
定した状態で引上げ装置を組み立てる。このとき、坩堝
4に固形原料16をチャージする。チャンバー内を真空
引きした後、トップヒータ9,9を下方の加熱位置まで
下降させる。これによりトップヒータ9,9は円板状に
組み合わされて坩堝4内の固形原料16に上方から対向
する。サイドヒータ7、ボトムヒータ8,8およびトッ
プヒータ9,9に通電を行う。各トップヒータ9に対す
る通電は、2本の電極棒10,10を通して行われる。
【0023】これらの通電により、坩堝4内の固形原料
16がサイドヒータ7により坩堝4の周壁部を介して外
周側から加熱される。またボトムヒータ8,8により坩
堝4の底部を介して下方から加熱される。更にトップヒ
ータ9,9により上方から直接加熱される。これらの加
熱の結果、坩堝4内の固形原料16は逆三角錐状の不安
定な溶け残りを生じることなく、また内側の石英坩堝4
aの変形を生じることなく、短時間で安定に溶解され得
る。
【0024】ヒータの出力については、サイドヒータ7
の出力を100として、ボトムヒータ8,8は20〜4
0、トップヒータ9,9は15〜30が望ましい。ボト
ムヒータ8,8の出力が不足すると、下部の溶け残りや
石英坩堝の変形をまねき、過大になると逆三角錐状の溶
け残りを生ずる。トップヒータ9,9の出力が不足する
と、逆三角錐状の溶け残りを生じさせ、過大になると下
部の溶け残りや石英坩堝の変形をまねく。
【0025】トップヒータによる効果を表1に示す。不
安定な溶け残りの発生頻度比は溶け残りの転倒による微
小な損傷まで含めた坩堝損傷の発生頻度を、サイドヒー
タのみの場合を100として示したものである。トップ
ヒータを使用することにより、不安定な溶け残りが解消
され、且つ溶解時間が短縮される。この短縮にはヒータ
の増設による単なる熱量の増大だけでなく、トップヒー
タによる不安定な溶け残りの解消により、ヒータの全体
的な出力を坩堝の変形限界近くまで増大できたことによ
る。そして、トップヒータとボトムヒータの組み合わせ
が特に有効なことは表1からも明らかである。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】以上に説明した通り、本発明の単結晶引
上げ装置は、原料溶解の際にその原料を上方から加熱す
るサブヒータを具備するので、坩堝内の固形原料の不安
定な溶け残りを解消することができ、これにより溶解時
間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した引上げ装置の1例についてそ
の主要部の構造を示す縦断面図である。
【図2】図1のA−A線矢視図である。
【図3】CZ法での原料溶解プロセスを示す模式図であ
る。
【符号の説明】
4 坩堝 7 サイドヒータ 8 ボトムヒータ 9 トップヒータ(サブヒータ) 10 電極棒 11 ガイド 16 固形原料

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CZ法により坩堝内の原料融液から単結
    晶を引上げる単結晶引上げ装置において、引上げ前に坩
    堝内で固形原料を溶解する際に坩堝内の原料を上方から
    加熱するサブヒータを具備することを特徴とする単結晶
    引上げ装置。
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