JPH09234827A - 層状成形体 - Google Patents
層状成形体Info
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- JPH09234827A JPH09234827A JP6907096A JP6907096A JPH09234827A JP H09234827 A JPH09234827 A JP H09234827A JP 6907096 A JP6907096 A JP 6907096A JP 6907096 A JP6907096 A JP 6907096A JP H09234827 A JPH09234827 A JP H09234827A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐燃料透過性に優れたポリアミド系樹脂とエ
ピクロルヒドリン系ゴムとを,接着剤を用いることなく
接着させた,層状成形体を提供すること。 【解決手段】 ポリアミド系樹脂の層2とエピクロルヒ
ドリン系ゴムの層3とよりなる層状成形体である。上記
エピクロルヒドリン系ゴムは,有機ホスホニウム塩を含
有している。
ピクロルヒドリン系ゴムとを,接着剤を用いることなく
接着させた,層状成形体を提供すること。 【解決手段】 ポリアミド系樹脂の層2とエピクロルヒ
ドリン系ゴムの層3とよりなる層状成形体である。上記
エピクロルヒドリン系ゴムは,有機ホスホニウム塩を含
有している。
Description
【0001】
【技術分野】本発明は,例えば自動車の燃料ホース等に
用いられる,ポリアミド系樹脂とゴムとの層状成形体に
関する。
用いられる,ポリアミド系樹脂とゴムとの層状成形体に
関する。
【0002】
【従来技術】例えば,ナイロン11,12等のポリアミ
ド系樹脂は,ガソリン等の燃料を透過させにくいという
耐燃料透過性等に優れている。そのため,自動車用の燃
料ホース等に適している。しかしながら,ナイロン1
1,12等のポリアミド系樹脂は,熱可塑性であるた
め,耐炎性に乏しいという欠点がある。
ド系樹脂は,ガソリン等の燃料を透過させにくいという
耐燃料透過性等に優れている。そのため,自動車用の燃
料ホース等に適している。しかしながら,ナイロン1
1,12等のポリアミド系樹脂は,熱可塑性であるた
め,耐炎性に乏しいという欠点がある。
【0003】そのため,例えば自動車の燃料ホースとし
て実際に使用する場合には,耐燃料透過性に優れたポリ
アミド系樹脂を内側層として用い,その外側にはエピク
ロルヒドリン系ゴム等の耐炎性,耐寒性,耐候性等に優
れたゴムを用いた層状成形体を適用することが最適であ
る。
て実際に使用する場合には,耐燃料透過性に優れたポリ
アミド系樹脂を内側層として用い,その外側にはエピク
ロルヒドリン系ゴム等の耐炎性,耐寒性,耐候性等に優
れたゴムを用いた層状成形体を適用することが最適であ
る。
【0004】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の層
状成形体においては,次の問題がある。即ち,上記ポリ
アミド系樹脂は,エピクロルヒドリン系ゴム等の安価な
ゴムとの接着性が悪い。そのため,図2に示すごとく,
従来の燃料ホース9は,ポリアミド系樹脂からなる内管
2とエピクロルヒドリン系ゴムからなる外管3との間
に,接着剤4を使用することが必要不可欠である。さら
に,上記ポリアミド系樹脂においては,接着性を向上さ
せるために,表面処理等を施してその表面を改質するこ
とが必要である。
状成形体においては,次の問題がある。即ち,上記ポリ
アミド系樹脂は,エピクロルヒドリン系ゴム等の安価な
ゴムとの接着性が悪い。そのため,図2に示すごとく,
従来の燃料ホース9は,ポリアミド系樹脂からなる内管
2とエピクロルヒドリン系ゴムからなる外管3との間
に,接着剤4を使用することが必要不可欠である。さら
に,上記ポリアミド系樹脂においては,接着性を向上さ
せるために,表面処理等を施してその表面を改質するこ
とが必要である。
【0005】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,耐燃料透過性に優れたポリアミド系樹脂
とエピクロルヒドリン系ゴムとを,接着剤を用いること
なく接着させた,層状成形体を提供しようとするもので
ある。
されたもので,耐燃料透過性に優れたポリアミド系樹脂
とエピクロルヒドリン系ゴムとを,接着剤を用いること
なく接着させた,層状成形体を提供しようとするもので
ある。
【0006】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,ポリアミド系樹
脂の層とエピクロルヒドリン系ゴムの層とよりなる層状
成形体であって,かつ,上記エピクロルヒドリン系ゴム
は,有機ホスホニウム塩を含有していることを特徴とす
る層状成形体にある。
脂の層とエピクロルヒドリン系ゴムの層とよりなる層状
成形体であって,かつ,上記エピクロルヒドリン系ゴム
は,有機ホスホニウム塩を含有していることを特徴とす
る層状成形体にある。
【0007】本発明において最も注目すべきことは,上
記エピクロルヒドリン系ゴムは,有機ホスホニウム塩を
含有していることである。なお,上記ポリアミド系樹脂
は,いわゆるナイロン6,66,11,12等に代表さ
れるものをいい,これらの熱可塑性エラストマーをも含
む。また,特にナイロン11,12は,耐燃料透過性等
に優れているため,燃料ホース等に用いる場合に最適で
ある。
記エピクロルヒドリン系ゴムは,有機ホスホニウム塩を
含有していることである。なお,上記ポリアミド系樹脂
は,いわゆるナイロン6,66,11,12等に代表さ
れるものをいい,これらの熱可塑性エラストマーをも含
む。また,特にナイロン11,12は,耐燃料透過性等
に優れているため,燃料ホース等に用いる場合に最適で
ある。
【0008】次に,上記エピクロルヒドリン系ゴムとし
ては,エピクロルヒドリン単独重合体,エピクロルヒド
リンと他のエポキシドとの共重合体等がある。即ち,エ
ピクロルヒドリン−アルキレンオキシド共重合体ゴム,
エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合
体ゴム,エピクロルヒドリン−アルキレンオキシド−ア
リルグリシジルエーテル三元共重合体ゴム等がある。
ては,エピクロルヒドリン単独重合体,エピクロルヒド
リンと他のエポキシドとの共重合体等がある。即ち,エ
ピクロルヒドリン−アルキレンオキシド共重合体ゴム,
エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合
体ゴム,エピクロルヒドリン−アルキレンオキシド−ア
リルグリシジルエーテル三元共重合体ゴム等がある。
【0009】ここでの共重合体ゴムの組成は,アルキレ
ンオキシドがエチレンオキシドの場合にはエピクロルヒ
ドリン35〜98モル%,エチレンオキシド0〜60モ
ル%,アリルグリシジルエーテル0〜15モル%であ
る。また,アルキレンオキシドがプロピレンオキシドも
しくはエチレンオキシドとプロピレンオキシド併用の場
合には,エピクロルヒドリン10〜60モル%,アルキ
レンオキシド30〜90モル%,アリルグリシジルエー
テル0〜15モル%である。これらの組成は,要求物性
や使用する加硫系に合わせて適宜選択することができ
る。
ンオキシドがエチレンオキシドの場合にはエピクロルヒ
ドリン35〜98モル%,エチレンオキシド0〜60モ
ル%,アリルグリシジルエーテル0〜15モル%であ
る。また,アルキレンオキシドがプロピレンオキシドも
しくはエチレンオキシドとプロピレンオキシド併用の場
合には,エピクロルヒドリン10〜60モル%,アルキ
レンオキシド30〜90モル%,アリルグリシジルエー
テル0〜15モル%である。これらの組成は,要求物性
や使用する加硫系に合わせて適宜選択することができ
る。
【0010】また,上記有機ホスホニウム塩としては,
テトラブチル−,テトラオクチル−,メチルトリオクチ
ル−,ブチルトリオクチル−,フェニルトリブチル−,
ベンジルトリブチル−,ベンジルトリシクロヘキシル
−,ベンジルトリエクチル−,ブチルトリフェニル−,
オクチルトリフェニル−,ベンジルトリフェニル−,ジ
フェニルジ(ジエチルアミノ)−,フェニルベンジルジ
(ジメチルアミノ)−,トリフルオロメチルベンジル
−,テトラフルオロプロピルトリオクチル−の「ホスホ
ニウムベンゾトリアゾレートまたはトリルトリアゾレー
ト等」がある。
テトラブチル−,テトラオクチル−,メチルトリオクチ
ル−,ブチルトリオクチル−,フェニルトリブチル−,
ベンジルトリブチル−,ベンジルトリシクロヘキシル
−,ベンジルトリエクチル−,ブチルトリフェニル−,
オクチルトリフェニル−,ベンジルトリフェニル−,ジ
フェニルジ(ジエチルアミノ)−,フェニルベンジルジ
(ジメチルアミノ)−,トリフルオロメチルベンジル
−,テトラフルオロプロピルトリオクチル−の「ホスホ
ニウムベンゾトリアゾレートまたはトリルトリアゾレー
ト等」がある。
【0011】上記有機ホスホニウム塩の添加量は,エピ
クロルヒドリン系ゴム100重量部あたり0.5〜10
重量部であることが好ましい。0.5重量部未満では良
好な接着強度を有する該共重合体が得られず,10重量
部を超えるとエピクロルヒドリン系ゴムの加硫速度が速
くなりすぎ実用的でない。
クロルヒドリン系ゴム100重量部あたり0.5〜10
重量部であることが好ましい。0.5重量部未満では良
好な接着強度を有する該共重合体が得られず,10重量
部を超えるとエピクロルヒドリン系ゴムの加硫速度が速
くなりすぎ実用的でない。
【0012】また,本発明において用いられる加硫剤の
うち,有機過酸化物系加硫剤としては,tert−ブチ
ルヒドロパーオキサイド,p−メンタンヒドロパーオキ
サイド,ジクミルパーオキサイド,tert−ブチルパ
ーオキサイド,1,3−ビス(tert−ブチルパーオ
キシイソプロピル)ベンゼン,2,5−ジメチル−2,
5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン,ベン
ゾイルパーオキサイド,tert−ブチルパーオキシベ
ンゾエートなどがある。
うち,有機過酸化物系加硫剤としては,tert−ブチ
ルヒドロパーオキサイド,p−メンタンヒドロパーオキ
サイド,ジクミルパーオキサイド,tert−ブチルパ
ーオキサイド,1,3−ビス(tert−ブチルパーオ
キシイソプロピル)ベンゼン,2,5−ジメチル−2,
5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン,ベン
ゾイルパーオキサイド,tert−ブチルパーオキシベ
ンゾエートなどがある。
【0013】また,アミン系加硫剤としては,エチレン
ジアミン,ヘキサメチレンジアミン,ジエチレントリア
ミン,トリエチレンテトラアミン,ヘキサメチレンテト
ラミンなどの脂肪族ポリアミン類,p−フェニレンジア
ミン,クメンジアミン,N,N’−ジシンナミリデン−
1,6−ヘキサンジアミンなどの芳香族ポリアミン類,
エチレンジアミンカーバメート,ヘキサメチレンジアミ
ンカーバメートなどのアミンカルバミン酸塩類等があ
る。
ジアミン,ヘキサメチレンジアミン,ジエチレントリア
ミン,トリエチレンテトラアミン,ヘキサメチレンテト
ラミンなどの脂肪族ポリアミン類,p−フェニレンジア
ミン,クメンジアミン,N,N’−ジシンナミリデン−
1,6−ヘキサンジアミンなどの芳香族ポリアミン類,
エチレンジアミンカーバメート,ヘキサメチレンジアミ
ンカーバメートなどのアミンカルバミン酸塩類等があ
る。
【0014】また,その他の加硫系として,エピクロル
ヒドリン系ゴムの加硫剤であるエチレンチオウレア系及
びトリアジン系等がある。エチレンチオウレア系加硫剤
としては,2−メルカプトイミダゾリン,トリメチルチ
オウレア,N,N′ジエチルチオウレア等がある。
ヒドリン系ゴムの加硫剤であるエチレンチオウレア系及
びトリアジン系等がある。エチレンチオウレア系加硫剤
としては,2−メルカプトイミダゾリン,トリメチルチ
オウレア,N,N′ジエチルチオウレア等がある。
【0015】また,上記加硫剤の使用量は,用途によっ
て適宜決めることができるが,通常はゴム100重量部
に対して,0.1〜5重量部の範囲である。また,上記
加硫剤と共に,金属の酸化物,水酸化物を受酸剤として
使用することができる。上記受酸剤としては,エピクロ
ルヒドリン系ゴムに対してはMgO,Ca(OH)2 等
がある。この受酸剤は,ゴム100重量部に対して1〜
50重量部の範囲で使用する。
て適宜決めることができるが,通常はゴム100重量部
に対して,0.1〜5重量部の範囲である。また,上記
加硫剤と共に,金属の酸化物,水酸化物を受酸剤として
使用することができる。上記受酸剤としては,エピクロ
ルヒドリン系ゴムに対してはMgO,Ca(OH)2 等
がある。この受酸剤は,ゴム100重量部に対して1〜
50重量部の範囲で使用する。
【0016】また,本発明の層状成形体を製造する方法
としては,例えば同時押し出し法により,ポリアミド系
樹脂の層とエピクロルヒドリン系ゴムの層とを互いに隣
接させて,2層以上の複層構造に成形し,これを加硫す
る方法がある。上記の加硫方法条件としては,蒸気加硫
(150℃×30〜60分)等がある。また,上記加硫
によって上記ポリアミド系樹脂とエピクロルヒドリン系
ゴムとは,上記有機ホスホニウム塩の架橋作用により,
その接触界面において互いに分子架橋を行ない,強固に
接合する。
としては,例えば同時押し出し法により,ポリアミド系
樹脂の層とエピクロルヒドリン系ゴムの層とを互いに隣
接させて,2層以上の複層構造に成形し,これを加硫す
る方法がある。上記の加硫方法条件としては,蒸気加硫
(150℃×30〜60分)等がある。また,上記加硫
によって上記ポリアミド系樹脂とエピクロルヒドリン系
ゴムとは,上記有機ホスホニウム塩の架橋作用により,
その接触界面において互いに分子架橋を行ない,強固に
接合する。
【0017】次に,請求項2の発明は,ポリアミド系樹
脂の層とエピクロルヒドリン系ゴムの層とよりなる層状
成形体であって,かつ,上記ポリアミド系樹脂又は上記
エピクロルヒドリン系ゴムの少なくとも一方の表面に
は,有機ホスホニウム塩のコーティング層を有すること
を特徴とする層状成形体にある。
脂の層とエピクロルヒドリン系ゴムの層とよりなる層状
成形体であって,かつ,上記ポリアミド系樹脂又は上記
エピクロルヒドリン系ゴムの少なくとも一方の表面に
は,有機ホスホニウム塩のコーティング層を有すること
を特徴とする層状成形体にある。
【0018】本発明において最も注目すべきことは,上
記ポリアミド系樹脂又はエピクロルヒドリン系ゴムの少
なくとも一方の表面には,有機ホスホニウム塩のコーテ
ィング層を有することにある。
記ポリアミド系樹脂又はエピクロルヒドリン系ゴムの少
なくとも一方の表面には,有機ホスホニウム塩のコーテ
ィング層を有することにある。
【0019】また,上記ポリアミド系樹脂,上記エピク
ロルヒドリン系ゴム,上記有機ホスホニウム塩として
は,請求項1の発明の場合と同様のものがある。ただ
し,本発明における上記エピクロルヒドリン系ゴムに
は,上記有機ホスホニウム塩を含有していない。また,
本発明において使用する加硫剤及び受酸剤としては,請
求項1の発明と同様のものがある。
ロルヒドリン系ゴム,上記有機ホスホニウム塩として
は,請求項1の発明の場合と同様のものがある。ただ
し,本発明における上記エピクロルヒドリン系ゴムに
は,上記有機ホスホニウム塩を含有していない。また,
本発明において使用する加硫剤及び受酸剤としては,請
求項1の発明と同様のものがある。
【0020】また,本発明の層状成形体を製造する方法
としては,例えばポリアミド系樹脂を単独で押出成形し
た後,その表面に有機ホスホニウム塩をコーティング
し,次いでそのコーティング層の上にエピクロルヒドリ
ン系ゴムを層状に成形し,加硫する方法がある。また,
逆に,単独で押出成形したエピクロルヒドリン系ゴムの
表面に上記有機ホスホニウム塩をコーティングし,次い
でそのコーティング層の上にポリアミド系樹脂を層状に
成形し,加硫する方法がある。
としては,例えばポリアミド系樹脂を単独で押出成形し
た後,その表面に有機ホスホニウム塩をコーティング
し,次いでそのコーティング層の上にエピクロルヒドリ
ン系ゴムを層状に成形し,加硫する方法がある。また,
逆に,単独で押出成形したエピクロルヒドリン系ゴムの
表面に上記有機ホスホニウム塩をコーティングし,次い
でそのコーティング層の上にポリアミド系樹脂を層状に
成形し,加硫する方法がある。
【0021】この場合の加硫方法条件としては,プレス
加硫,蒸気加硫(150℃×30〜60分)等がある。
そして,この加硫によって,ポリアミド系樹脂とエピク
ロルヒドリン系ゴムとは,両者の間に配置された有機ホ
スホニウム塩の作用によって,その接触界面において互
いに分子架橋を行ない,強固に接合する。
加硫,蒸気加硫(150℃×30〜60分)等がある。
そして,この加硫によって,ポリアミド系樹脂とエピク
ロルヒドリン系ゴムとは,両者の間に配置された有機ホ
スホニウム塩の作用によって,その接触界面において互
いに分子架橋を行ない,強固に接合する。
【0022】
【作用および効果】まず,請求項1の発明の層状成形体
においては,上記有機ホスホニウム塩を含有する特殊な
エピクロルヒドリン系ゴムを用いる。そのため,層状成
形体の製造においては,接着剤を使用することなく,上
記の加硫によって上記両材料を接着することができる。
また,これにより,従来必要としていた接着剤の接着力
向上のための,ポリアミド系樹脂表面の改質処理は省略
することができる。
においては,上記有機ホスホニウム塩を含有する特殊な
エピクロルヒドリン系ゴムを用いる。そのため,層状成
形体の製造においては,接着剤を使用することなく,上
記の加硫によって上記両材料を接着することができる。
また,これにより,従来必要としていた接着剤の接着力
向上のための,ポリアミド系樹脂表面の改質処理は省略
することができる。
【0023】したがって,本発明によれば,耐燃料透過
性に優れたポリアミド系樹脂と,耐炎性等に優れたエピ
クロルヒドリン系ゴムとを,接着剤を用いずに容易に接
着することができ,耐燃料透過性に優れかつ耐炎性等に
も優れた層状成形体を得ることができる。
性に優れたポリアミド系樹脂と,耐炎性等に優れたエピ
クロルヒドリン系ゴムとを,接着剤を用いずに容易に接
着することができ,耐燃料透過性に優れかつ耐炎性等に
も優れた層状成形体を得ることができる。
【0024】次に,請求項2の発明においても上記と同
様の作用が得られる。また,この場合においては上記有
機ホスホニウム塩を単独で使用する。そのため,上記エ
ピクロルヒドリン系ゴムの選択の幅を拡大することがで
きる。
様の作用が得られる。また,この場合においては上記有
機ホスホニウム塩を単独で使用する。そのため,上記エ
ピクロルヒドリン系ゴムの選択の幅を拡大することがで
きる。
【0025】
実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる層状成形体につき,比較例
とともに説明する。本例においては,表1に示した配合
物により調整した試料No.R1,R2の2種類のエピ
クロルヒドリン系ゴム(以下,ゴムという)と,表3に
示した4種のポリアミド系樹脂よりなるシート(以下,
ポリアミドシートという)との接着力を測定した。
とともに説明する。本例においては,表1に示した配合
物により調整した試料No.R1,R2の2種類のエピ
クロルヒドリン系ゴム(以下,ゴムという)と,表3に
示した4種のポリアミド系樹脂よりなるシート(以下,
ポリアミドシートという)との接着力を測定した。
【0026】表1に示した2種類のゴムR1とR2との
違いは,R1が有機ホスホニウム塩(Zeonet P
B,日本ゼオン製)を有するものであるのに対し,R2
がこれを含有していない点にある。また,上記2種類の
ゴムR1,R2の物性を表2に示す。なお常態物性は1
70℃×10分の加硫ゴムの初期性能を表す物性値であ
り,JIS−K6301準拠の試験により得た。TBは
引張強度,EBは引張破断伸び,M100は100%モ
ジュラス,M300は300%モジュラスである。
違いは,R1が有機ホスホニウム塩(Zeonet P
B,日本ゼオン製)を有するものであるのに対し,R2
がこれを含有していない点にある。また,上記2種類の
ゴムR1,R2の物性を表2に示す。なお常態物性は1
70℃×10分の加硫ゴムの初期性能を表す物性値であ
り,JIS−K6301準拠の試験により得た。TBは
引張強度,EBは引張破断伸び,M100は100%モ
ジュラス,M300は300%モジュラスである。
【0027】次に,準備したポリアミドシートとして
は,表3に示すごとく,2種類のナイロン11(試料N
o.PA11−1,PA11−2),ナイロン12(試
料No.PA12),ナイロン12とポリエーテルのブ
ロック共重合体(試料No.PAT)の4種類である。
は,表3に示すごとく,2種類のナイロン11(試料N
o.PA11−1,PA11−2),ナイロン12(試
料No.PA12),ナイロン12とポリエーテルのブ
ロック共重合体(試料No.PAT)の4種類である。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】次に,接着力測定に際しては,上記ゴム及
びポリアミドシートの各層は,いずれも1mm厚み×2
5mm幅×100mm長さのサイズの短冊片とし,以下
の手順により接着して層状成形体としての試験片を作製
した。
びポリアミドシートの各層は,いずれも1mm厚み×2
5mm幅×100mm長さのサイズの短冊片とし,以下
の手順により接着して層状成形体としての試験片を作製
した。
【0032】まず,上記ポリアミドシート片の表面をエ
タノールを用いて脱脂洗浄する。次いで,ポリアミドシ
ート片の一端に,剥離試験におけるつかみ代を設けるた
めの離型剤を塗布する。次いで,上記ポリアミドシート
片とゴム片を重ね合わせ,ハンドプレス機を用いて,常
温常態にて20kgf/cm2 の圧力をかけ,5秒間圧
着する。次いで,圧着した試料片を,4〜5kgf/c
m2 圧力のスチーム加硫缶内において,60分間スチー
ム加硫して試験片とし,上記試験片をオートグラフのP
eelモードにて50mm/分の速度で引っ張るピーリ
ング試験を行い,その最大荷重に基づいて,剥離強度の
算出及び破壊モードのチェックを行った。その結果を表
4に示す。
タノールを用いて脱脂洗浄する。次いで,ポリアミドシ
ート片の一端に,剥離試験におけるつかみ代を設けるた
めの離型剤を塗布する。次いで,上記ポリアミドシート
片とゴム片を重ね合わせ,ハンドプレス機を用いて,常
温常態にて20kgf/cm2 の圧力をかけ,5秒間圧
着する。次いで,圧着した試料片を,4〜5kgf/c
m2 圧力のスチーム加硫缶内において,60分間スチー
ム加硫して試験片とし,上記試験片をオートグラフのP
eelモードにて50mm/分の速度で引っ張るピーリ
ング試験を行い,その最大荷重に基づいて,剥離強度の
算出及び破壊モードのチェックを行った。その結果を表
4に示す。
【0033】表4には,本実施形態例(E1〜E4)及
び比較例(C1〜C4)に用いたポリアミドシート及び
ゴムの試料No.を示すとともに,有機ホスホニウム塩
を含有させたか否か,有機ホスホニウム塩のコーティン
グ層の有無,及び上記ゴムとポリアミドシートとの接着
強度を示す。
び比較例(C1〜C4)に用いたポリアミドシート及び
ゴムの試料No.を示すとともに,有機ホスホニウム塩
を含有させたか否か,有機ホスホニウム塩のコーティン
グ層の有無,及び上記ゴムとポリアミドシートとの接着
強度を示す。
【0034】表4より知られるごとく,有機ホスホニウ
ム塩を含有したゴムを用いた本発明にかかる実施形態例
(E1〜E4)は,ポリアミドシート層とゴム層とが強
固に加硫接着していた。一方,有機ホスホニウム塩を含
有していないゴムを用いた比較例C1〜C4は,全く接
着しなかった。
ム塩を含有したゴムを用いた本発明にかかる実施形態例
(E1〜E4)は,ポリアミドシート層とゴム層とが強
固に加硫接着していた。一方,有機ホスホニウム塩を含
有していないゴムを用いた比較例C1〜C4は,全く接
着しなかった。
【0035】上述のごとく,本発明によれば,耐燃料透
過性に優れたポリアミド系樹脂とエピクロルヒドリン系
ゴムとを,接着剤を用いずに加硫接着させた層状成形体
を得ることができる。
過性に優れたポリアミド系樹脂とエピクロルヒドリン系
ゴムとを,接着剤を用いずに加硫接着させた層状成形体
を得ることができる。
【0036】
【表4】
【0037】実施形態例2 本例においては,表1に示したゴムのうち,有機ホスホ
ニウム塩を含有しない試料No.R2のエピクロルヒド
リン系ゴムと実施形態例1において用いた上記4種類の
ポリアミドシートとを用いて,有機ホスホニウム塩のコ
ーティング層による接着効果を評価した(E5〜E
8)。
ニウム塩を含有しない試料No.R2のエピクロルヒド
リン系ゴムと実施形態例1において用いた上記4種類の
ポリアミドシートとを用いて,有機ホスホニウム塩のコ
ーティング層による接着効果を評価した(E5〜E
8)。
【0038】各試験片のサイズ及び作製手順は,実施形
態例1と同様とし,上記ゴム片とポリアミドシート片を
重ね合わせる前に,ポリアミドシート片の表面に有機ホ
スホニウム塩(ZeonetPB,日本ゼオン社製)の
コーティング工程を追加した。また,接着力測定も,実
施形態例1と同様に行った。
態例1と同様とし,上記ゴム片とポリアミドシート片を
重ね合わせる前に,ポリアミドシート片の表面に有機ホ
スホニウム塩(ZeonetPB,日本ゼオン社製)の
コーティング工程を追加した。また,接着力測定も,実
施形態例1と同様に行った。
【0039】その結果,表4より知られるごとく,本例
の全ての組み合わせ(E5〜E8)においてエピクロル
ヒドリン系ゴムとポリアミドシートとが加硫接着した。
また,本例(E5〜E8)と上記比較例C1〜C4につ
いては,,それぞれ同一の組成からなるポリアミドシー
ト及びゴムを使用している。しかしながら,有機ホスホ
ニウム塩のコーティング層を有しない比較例C1〜C4
は,ゴムとポリアミドシートが全く接着しない。このこ
とから,有機ホスホニウム塩のコーティング層は,ゴム
とポリアミドシートの加硫接着を発生させる効果を有す
ることがわかる。
の全ての組み合わせ(E5〜E8)においてエピクロル
ヒドリン系ゴムとポリアミドシートとが加硫接着した。
また,本例(E5〜E8)と上記比較例C1〜C4につ
いては,,それぞれ同一の組成からなるポリアミドシー
ト及びゴムを使用している。しかしながら,有機ホスホ
ニウム塩のコーティング層を有しない比較例C1〜C4
は,ゴムとポリアミドシートが全く接着しない。このこ
とから,有機ホスホニウム塩のコーティング層は,ゴム
とポリアミドシートの加硫接着を発生させる効果を有す
ることがわかる。
【0040】実施形態例3 本例の層状成形体は,図1に示すごとく,内腔21を有
するポリアミド系樹脂からなる内管2と,エピクロルヒ
ドリン系ゴムからなる外管3により構成されている燃料
ホース10である。上記ポリアミド系樹脂としては,実
施形態例1にしめした試料No.PA11−1を用い,
上記エピクロルヒドリン系ゴムとしては,表1に示した
試料No.R1を用いた。
するポリアミド系樹脂からなる内管2と,エピクロルヒ
ドリン系ゴムからなる外管3により構成されている燃料
ホース10である。上記ポリアミド系樹脂としては,実
施形態例1にしめした試料No.PA11−1を用い,
上記エピクロルヒドリン系ゴムとしては,表1に示した
試料No.R1を用いた。
【0041】本例の燃料ホースを製造するに当たって
は,同時押し出し法により,上記ポリアミドシートとゴ
ムR1との2層構造の組成物を成形し,これをスチーム
加硫した。本例においては,耐燃料透過性,耐炎性に優
れた燃料ホースが得られた。
は,同時押し出し法により,上記ポリアミドシートとゴ
ムR1との2層構造の組成物を成形し,これをスチーム
加硫した。本例においては,耐燃料透過性,耐炎性に優
れた燃料ホースが得られた。
【0042】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,耐燃料
透過性に優れたポリアミド系樹脂とエピクロルヒドリン
系ゴムとを,接着剤を用いることなく接着させた,層状
成形体を得ることができる。
透過性に優れたポリアミド系樹脂とエピクロルヒドリン
系ゴムとを,接着剤を用いることなく接着させた,層状
成形体を得ることができる。
【図1】実施形態例3にかかる燃料ホースの斜視図。
【図2】従来例にかかる燃料ホースの斜視図。
10,9...燃料ホース, 2...ポリアミド系樹脂, 3...エピクロルヒドリン系ゴム, 4...接着剤,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/49 KDU C08K 5/49 KDU C08L 71/03 LQF C08L 71/03 LQF // B29K 19:00 77:00 B29L 9:00 23:00 C08L 77:00 (72)発明者 竹内 勝政 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 市川 昌好 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリアミド系樹脂の層とエピクロルヒド
リン系ゴムの層とよりなる層状成形体であって,かつ,
上記エピクロルヒドリン系ゴムは,有機ホスホニウム塩
を含有していることを特徴とする層状成形体。 - 【請求項2】 ポリアミド系樹脂の層とエピクロルヒド
リン系ゴムの層とよりなる層状成形体であって,かつ,
上記ポリアミド系樹脂又は上記エピクロルヒドリン系ゴ
ムの少なくとも一方の表面には,有機ホスホニウム塩の
コーティング層を有することを特徴とする層状成形体。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6907096A JPH09234827A (ja) | 1996-02-28 | 1996-02-28 | 層状成形体 |
US08/816,398 US6037062A (en) | 1994-10-28 | 1997-02-28 | Layered molding |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6907096A JPH09234827A (ja) | 1996-02-28 | 1996-02-28 | 層状成形体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09234827A true JPH09234827A (ja) | 1997-09-09 |
Family
ID=13391960
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6907096A Pending JPH09234827A (ja) | 1994-10-28 | 1996-02-28 | 層状成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09234827A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004076729A (ja) * | 2002-08-13 | 2004-03-11 | Nobel Plastiques | 始動用ポンプ |
-
1996
- 1996-02-28 JP JP6907096A patent/JPH09234827A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004076729A (ja) * | 2002-08-13 | 2004-03-11 | Nobel Plastiques | 始動用ポンプ |
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