JPH09234416A - 自動車上塗塗膜の保護方法 - Google Patents

自動車上塗塗膜の保護方法

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JPH09234416A
JPH09234416A JP6891496A JP6891496A JPH09234416A JP H09234416 A JPH09234416 A JP H09234416A JP 6891496 A JP6891496 A JP 6891496A JP 6891496 A JP6891496 A JP 6891496A JP H09234416 A JPH09234416 A JP H09234416A
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JP
Japan
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coating film
automobile
finish coating
protective
film
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Withdrawn
Application number
JP6891496A
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English (en)
Inventor
Masahiro Nojima
雅寛 野島
Koji Yamaki
幸治 山木
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Nihon Tokushu Toryo Co Ltd
Original Assignee
Nihon Tokushu Toryo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生産工場からラインアウトした自動車がユー
ザーの手に渡るまでの間、上塗塗膜を保護する方法の開
発。 【構成】 ホットメルト接着剤を自動車上塗塗膜上に塗
布して冷却することによって、強靱な上塗塗膜の保護膜
を形成し、最終段階でこれを除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の高品質な
上塗塗膜を一時的に各種の外的要因から保護し、ユーザ
ーに美麗な外観の自動車を納車するために有用な自動車
上塗塗膜の保護方法に関する。
【0002】
【従来の技術】注文を受けて生産された自動車はディー
ラーへ輸送されるが、様々な理由により一時的に野外に
保管されたり、充分な養生がないままに輸送されるた
め、風雨や鳥獣の糞、あるいは輸送作業の人為的な接触
により、上塗塗膜が汚損、破損するおそれがある。この
ため従来より、自動車組立て工場をラインアウトした完
成車を、ディーラーの手を経て最終的にユーザーの手に
渡すまでに、高品質な外観を保つために様々な手段が検
討、実施されてきた。
【0003】まず、ワックスタイプの保護材が塗布され
る方法が普及した。しかしながらワックスタイプ保護材
は防錆力はあるものの塗膜としては薄くかつ脆弱である
ため塗膜の保護能力としては低かった。また、保護材を
落すためには有機溶剤によるリムーバーが必要である
が、これは使用後に廃液処理が必要であり、処理施設が
ある場所でないと保護材を落す作業ができないという制
約があった。
【0004】次にサッシやドアといった建材の一時保護
に用いられている、熱可塑性樹脂によるフィルムの貼着
方法が検討された。フィルムはワックス保護材に比較し
て強靭であり、保護能力は高い。その一方で、自動車の
場合は建材に比較して天井部やボンネット部など、広い
曲面から構成される面を保護しなくてはならず、しわが
発生しないようにフィルムを貼着する作業は困難であ
る。そこで剥離可能ないわゆるストリッパブルペイント
による保護方法が検討されているが、塗装の際にスプレ
ーミストが発生するためにガラス部分等の非塗装部分の
養生作業が必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、高い
上塗塗膜保護能力を有し、同時に容易な作業により保護
塗膜を形成及び除去できる保護方法を開発することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決せんと
して、本発明者らは鋭意研究の結果、ホットメルト接着
剤を加熱、塗装して、その後冷却することにより保護膜
を形成する方法により、ことごとく課題を解決できるこ
とを見出したものであり、しかして本発明の要旨は、以
下に存する。
【0007】自動車上塗塗膜を一時的に保護する方法で
あって、ホットメルト接着剤を加熱して、自動車の上塗
塗膜上に塗布し、冷却することによって保護膜を形成す
ることを特徴とする自動車上塗塗膜の保護方法。
【0008】本発明にて使用できるホットメルト接着剤
とは、熱可塑性樹脂、接着付与剤、ワックス成分、可塑
剤、充填剤等からなる。ホットメルト接着剤は有機溶剤
を含まない100%固形分の組成である。専用のアプリ
ケーターによって加熱されることにより、塗布可能な流
動性を示し、塗布後に冷却することによって接着性を示
す。熱可塑性樹脂としては、EVA(エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体)、APP(アタクチックポリプロピレ
ン)、EEA(エチレン−アクリル酸エチル共重合
体)、SBS(スチレン−ブタジエン共重合体)、SI
S(スチレン−イソプレン共重合体)、エチルセルロー
ス、ポリエチレン、ポリプロピレン、酢酸ビニル及びそ
の誘導体、ポリスチレン及びその共重合体、ポリエステ
ル、石油樹脂、ポリアミド樹脂等から選ばれる、少なく
とも1種以上の熱可塑性樹脂が例示できる。これら樹脂
の複数を混合することにより融点を調整する等して使用
することもできる。これらの樹脂は必要な自動車上塗塗
膜上に保護膜を形成する主成分となる。
【0009】本発明にて使用できる接着付与材はロジ
ン、ロジン誘導体、ピネン系樹脂、ブチラール樹脂、ポ
リイソブチレン、アクリロニトリル、石油樹脂から選ば
れる、少なくとも1種以上よりなる接着付与材である。
これらは上塗塗膜に保護膜が付着することを助ける働き
をするが、必要以上に付着した場合、保護膜を除去する
際に上塗を一緒にはがしてしまうため、配合量としては
40重量%以下が望ましい。
【0010】本発明に使用できるワックス成分として
は、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、植物系ワックス等を挙げることができる。これらの
ワックス成分は、保護膜に防錆性能を付与し、上塗塗膜
に錆が発生することを防止する。配合量としては2〜2
0重量%が望ましい。
【0011】本発明に使用できる可塑剤成分としては、
ポリブテン、スルフォンアミド樹脂、石油樹脂、β−ピ
ネン樹脂、DBP、DOP、BBP、塩化パラフィン等
を挙げることができる。これらの可塑剤成分は、保護膜
を形成する際に、ホットメルト接着剤の流動性を改良・
調整し、塗布作業の容易性や均一な保護膜の形成に役立
つ事が出来る。
【0012】本発明に使用できる充填材としては、クレ
ー、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、亜鉛華等
を挙げることができる。これらの充填材成分は、保護膜
がブロッキングするのを防止する、保護膜が形成される
際に収縮する、収縮率を抑える等の働きがある。
【0013】その他必要に応じて、ホットメルト接着剤
の溶融状態での劣化の防止や、接着力の低下・粘度変化
等を防止するために、酸化防止剤を配合する事もでき
る。酸化防止剤としては、ジラウリルチオジプロピオネ
ート、7,6ジ−t−ブチルp−クレゾール、p−オク
チルフェノール、安息香酸ナトリウム、ステアリン酸カ
ルシウム等を挙げることができる。
【0014】さらに着色顔料やこれを予めペースト化し
た着色顔料ペーストを添加して、保護膜を着色させるこ
とも可能である。保護膜が着色されない状態の透明な保
護膜でも、上塗塗膜の保護能力には何ら支障はないが、
透明塗膜の場合には太陽光線を透過するために、自動車
が長期間野外に置かれる場合には、上塗色の色あせとい
った問題を充分に予防することができないおそれがあ
る。また、透明な保護膜であると、実際の保護塗膜形成
作業時に、既塗装部分と未塗装部分のいわゆる見切り部
が判別しずらいという問題が生じるおそれがある。この
ため、太陽光線の熱エネルギーを吸収しやすい黒色、濃
紺色等の色をできれば避け、白色、黄色、空色等の色に
着色することも推奨される。
【0015】以上説明した保護膜形成材を製造するに
は、従来公知の加熱可能な攪拌機、混合機、分散機が使
用でき、特に制限はない。分散機自身に加熱機能があれ
ば分散は容易であるが、加熱機能がない場合であって
も、熱可塑性樹脂成分を予め加熱させ充分な流動性を得
てから、他の配合成分と混合させる方法を取ることもで
きる。使用できる機器類としては、アトライター、ディ
ゾルバー、オープンニーダー、加圧ニーダー、各種のミ
ル類等を挙げることができる。
【0016】保護膜形成材を塗布して形成するには、形
成材を塗布可能な状態まで加熱する必要があるが、通常
は100〜200℃、170℃程度が望ましい。100
℃未満であると多くの樹脂が充分に流動性を示すには至
らず塗布作業が困難となり、一方200℃を超えると塗
膜形成時の高温により自動車の上塗塗膜を劣化させてし
まうおそれがあり好ましくない。
【0017】ホットメルト接着剤を塗布するための塗布
機材は、ホットメルト接着剤を加熱させる電気加熱装
置、流動性を示したホットメルト接着剤を送り出すポン
プ等の加圧装置、耐圧・耐熱ホース、吐出ノズル等から
成る。これらを新規に開発することも可能であるが、使
用条件を満たせば、塗布の原理が近いホットメルト接着
剤の塗布専用アプリケーターを利用する事も可能であ
る。アプリケーターの種類としては、溶融タンク式、バ
ルク式等が例示され、溶融タンク式はさらに通常型、ガ
ス置換型、グリッド型等に分類されている。塗布形態も
ホットメルト接着剤に使用されている各種の方式を応用
する事が可能である。定量定型塗布システム、ホットメ
ルトスロットノズルシステム、ホットメルトハンドガン
システム、ホットメルトロールコーターシステム、ホッ
トメルトスプレーシステム等の塗布形態が例示できる。
保護膜の膜厚は50μm〜200μmが適当である。5
0μm未満であると充分な保護効果を得られないおそれ
があり、200μmを超える膜厚を形成しても、保護膜
形成のための作業が困難になる事と同時に保護能力は向
上せず、コスト的には他の方法と比較して不利になって
しまう。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の理解に供するため、以下
に実施例を記載する。いうまでもなく、本発明は以下の
実施例に限定されるものではない。
【0019】
【実施例1】エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂50重
量%、ブチラール樹脂15重量%、マイクロクリスタリ
ンワックス5重量%、スルフォンアミド樹脂15重量
%、タルク14.5重量%、ステアリン酸カルシウム
0.5重量%の配合からなるホットメルト接着剤を、専
用アプリケーターにて170℃に溶融し自動車の天井外
板部、ボンネット部、トランク部に塗布した。常温に冷
却後、上記塗布部分には、平均50μmの保護塗膜1が
形成されていた。
【0020】
【実施例2】ポリアミド樹脂52重量%、石油樹脂15
重量%、マイクロクリスタリンワックス5重量%、スル
フォンアミド樹脂15重量%、クレー12.5重量%、
ステアリン酸カルシウム0.5重量%の配合からなるホ
ットメルト接着剤を、専用アプリケーターにて170℃
に溶融し自動車の天井外板部、ボンネット部、トランク
部に塗布した。常温に冷却後、上記塗布部分には、平均
50μmの保護塗膜2が形成されていた。
【0021】
【実施例3】エチルセルロース樹脂50重量%、ロジン
15重量%、パラフィンワックス5重量%、スルフォン
アミド樹脂15重量%、炭酸カルシウム14.5重量
%、ステアリン酸カルシウム0.5重量%の配合からな
るホットメルト接着剤を、専用アプリケーターにて17
0℃に溶融し自動車の天井外板部、ボンネット部、トラ
ンク部に塗布した。常温に冷却後、上記塗布部分には、
平均50μmの保護塗膜3が形成されていた。
【0022】
【試験方法】保護塗膜1〜3を形成した自動車を野外の
駐車場に置き、比較例として同じ形式、同じ外板色の自
動車を10台同じ駐車場に置いて、180日間経過させ
た。その後、保護塗膜を除去して、ボンネット部、天井
外板部、トランク部の光沢度、塗膜鮮映性を測定し、試
験開始前に予め測定しておいた同じ項目の測定値と比較
した。
【0023】
【結果】比較例とした自動車10台のボンネット部、天
井外板部、トランク部は雨水の乾燥跡、埃で白く汚れて
いたため、水道水により洗車した後、保護塗膜を形成し
た自動車と略同じ位置の光沢度、塗膜鮮映性を測定した
が、両者とも試験前の数値よりわずかづつ劣化が認めら
れた。一方、保護塗膜1〜3は切れることなく連続塗膜
として剥離する事ができ、剥離後の光沢度、塗膜鮮映性
はほとんど試験前の数値と変化が無かった。
【0024】
【発明の効果】本発明になる保護方法によれば、自動車
の製造組立最終段階で、塗布部分を予めプログラムした
塗装ロボットを利用すれば、自動的に保護塗膜を形成す
ることが可能であるため、保護膜形成のために熟練した
要員は不要であり、また、常温に冷却するだけで保護膜
を形成するため塗膜の乾燥設備等も不要である。しかも
有機溶剤を全く含まない100%固形分からなる保護膜
であるので、塗布作業時や自動車保管時にも空気中への
有機溶剤揮発成分はなく、環境に対して非常に優れた保
護方法である。しかも、保護期間が終了して、自動車を
ユーザーへ納車する段階で、保護膜を除去する際にも、
特別な有機溶剤等のリムーバーは不要であり、その除去
作業は極めて容易である。保護膜の適切な回収が行われ
れば、除去した保護膜はリサイクルして使用できる可能
性も高く、省資源の観点からも優れた保護方法である。
保護膜は強靭であるため、屋外に自動車を一時保管して
いたとしても風雨、鳥獣の糞などから高品質の自動車の
上塗塗膜の鮮映性、光沢などを劣化させずに、塗装直後
の品質を保つことが可能である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車上塗塗膜を一時的に保護する方法
    であって、ホットメルト接着剤を加熱して、自動車の上
    塗塗膜上に塗布し、冷却することによって保護膜を形成
    することを特徴とする自動車上塗塗膜の保護方法。
JP6891496A 1996-03-01 1996-03-01 自動車上塗塗膜の保護方法 Withdrawn JPH09234416A (ja)

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JP6891496A JPH09234416A (ja) 1996-03-01 1996-03-01 自動車上塗塗膜の保護方法

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JPH09234416A true JPH09234416A (ja) 1997-09-09

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ID=13387406

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115703104A (zh) * 2021-08-11 2023-02-17 丰田自动车株式会社 车辆以及涂装方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115703104A (zh) * 2021-08-11 2023-02-17 丰田自动车株式会社 车辆以及涂装方法
CN115703104B (zh) * 2021-08-11 2024-01-12 丰田自动车株式会社 车辆以及涂装方法

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Effective date: 20030506