JP2003251266A - 化粧層形成方法 - Google Patents
化粧層形成方法Info
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Abstract
設備を必要とせず、作業性に優れ、環境への影響のない
模様の形成方法の開発。 【構成】 板状建材表面若しくは建築物内外装面に、熱
可塑性樹脂(ホットメルト樹脂)を塗布した後、塗布し
た熱可塑性樹脂の軟化温度より高い温度に加熱した着色
材料を熱可塑性樹脂塗布面に接触させることにより、熱
可塑性樹脂塗布面を熱軟化させ、着色材料を熱可塑性樹
脂塗布面に熱接着することにより、化粧層を形成するこ
とを特徴とする化粧層形成方法。熱可塑性樹脂又はホッ
トメルト樹脂は染料、顔料若しくはそれらのペーストに
より任意の色に着色されてなることを特徴とする、上記
に記載された化粧層形成方法。2色以上に着色された着
色材料、および熱可塑性樹脂又はホットメルト樹脂が組
み合わされることにより多彩模様を形成することを特徴
とする、上記に記載された化粧層形成方法。
Description
面や、無機質の板状建築材料等に、新しい意匠による模
様を形成する方法に関する。
の塗装工事や、コンクリートやモルタル等による建築材
料の工場内のライン塗装では、従来から各種の化粧層形
成のための塗装が行われている。
ローラー塗りなどで均一平滑な塗膜を形成した後、該塗
膜の硬化前に凹凸の表面を有するローラーを転圧するこ
とにより、表面にローラーの凹凸を付ける方法、骨材を
多く含んだ塗料を、リシンガンと呼ばれる塗装機により
塗装することにより、不規則な凹凸を形成する方法等が
ある。
スチャーは、建築物内外装面への現場塗装の場合には、
長時間の乾燥時間が必要であり、このため塗装可能な条
件は天候に左右される。また、板状建材の工場ラインに
おける塗装の場合には加熱若しくは加温強制乾燥のため
の設備が必要であり、多大な設備投資が発生する。ま
た、溶剤系の塗料の場合には、溶剤揮発成分が人体に有
害な場合があるため、作業者は防護マスクを着用する必
要があるなど、作業性に難があるばかりか、塗膜が乾燥
する過程で空気中に揮発する成分は、環境に影響を及ぼ
す虞れがある。
法とは異なり、乾燥時間が大幅に短縮され、特別な加熱
乾燥設備を必要としない、模様の形成方法の開発を目的
とする。
して、本発明者は鋭意研究の結果、熱可塑性樹脂、又は
ホットメルト樹脂を塗布後、該熱可塑性樹脂又はホット
メルト樹脂の軟化点より高い温度に加熱した着色材料を
熱可塑性樹脂塗布面に接触させることにより、熱可塑性
樹脂塗布面を熱軟化させ、着色材料を熱可塑性樹脂塗布
面に熱接着することにより、化粧層を形成することによ
り、乾燥時間の大幅な短縮、及び従来にはなかった模様
を形成することに成功した。しかして本発明の要旨は、
以下に存する。
熱可塑性樹脂を塗布した後、塗布した熱可塑性樹脂の軟
化温度より高い温度に加熱した着色材料を熱可塑性樹脂
塗布面に接触させることにより、熱可塑性樹脂塗布面を
熱軟化させ、着色材料を熱可塑性樹脂塗布面に熱接着す
ることにより、化粧層を形成することを特徴とする化粧
層形成方法。加熱した着色材料を落下により熱可塑性樹
脂塗布面に接触させることを特徴とする、上記に記載さ
れた模様形成方法。加熱した着色材料を加圧して吹き付
けることより熱可塑性樹脂塗布面に接触させることを特
徴とする、上記に記載された模様形成方法。熱可塑性樹
脂は、ホットメルト樹脂を使用することを特徴とする、
上記に記載された化粧層形成方法。熱可塑性樹脂又はホ
ットメルト樹脂は染料、顔料若しくはそれらのペースト
により任意の色に着色されてなることを特徴とする、上
記に記載された化粧層形成方法。2色以上に着色された
着色材料、および熱可塑性樹脂又はホットメルト樹脂が
組み合わされることにより多彩模様を形成することを特
徴とする、上記に記載された化粧層形成方法。着色材料
を熱可塑性樹脂塗布面に熱接着したあと、透明若しくは
着色クリアー塗料を塗布してなることを特徴とする、上
記に記載された化粧層形成方法。以下に詳細に説明す
る。
においては固体であるが、加熱された状態では流動性を
有し、加熱及び加圧によって塗布が可能となる樹脂であ
り、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエチ
レン、ポリスチレン、メラミン、ポリアミド、塩化ビニ
ル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリエチレンテレフタレート等が例示できる。さら
に、広い意味での熱可塑性樹脂として、各種アスファル
ト類、即ちストレートアスファルト、ブローンアスファ
ルト、変性アスファルト、着色が可能な高染色性アスフ
ァルトや、これらを主成分とした瀝青系樹脂を使用する
こともできる。また、熱可塑性樹脂の一部に分類される
が、ホットメルト樹脂とは、主成分として熱可塑性合成
ポリマーを含有し、これに改質剤としてのワックス類、
可塑剤、粘着付与剤、酸化防止剤、充填材などを適宜配
合した、水や溶剤を全く含まない100%固形分の混合
樹脂である。一般には接着剤としての用途が知られてお
り、特に包装工業の分野で広く使用されている。不浸透
性表面、例えばプラスチックフィルム、金属箔の接着に
有利である、などの特徴を持つ。
性合成ポリマーとしては、エチルセルロース、酢酸ビニ
ル樹脂及びその誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、ブチルメタクリル樹脂、ポリスチレン
及び共重合体、ポリイソブチレン、石油樹脂、ポリプロ
ピレン、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等が使用さ
れている。
ト樹脂は、加熱機構を備えた専用のアプリケータと呼ば
れる塗布装置により、接着面へ塗布される。しかし、一
般の接着用途に使用されるアプリケータは、一定の面状
にホットメルト樹脂を塗布する機能の他、特殊なアプリ
ケータは、連続、又は非連続に凹凸状、又は繊維状に塗
布させる機能を有している。
とができるアプリケータの利用の他、熱可塑性樹脂、ま
たはホットメルト樹脂を連続あるいは非連続な凹凸状、
又は繊維状に塗布することによって、従来には無かった
個性的なテクスチャーを表現するものであり、このため
には凹凸状、又は繊維状に塗布することが可能なアプリ
ケータを使用してもよい。こうした目的にむいているも
のとして、ノズル式エアスプレーアプリケータ、又はス
パイラルスプレーアプリケータを例示することができ
る。
布ノズルより吐出する熱可塑性樹脂、またはホットメル
ト樹脂ビートに、塗布ノズルに隣接する空気ノズルより
吐出する加圧空気を接触させて、熱可塑性樹脂、または
ホットメルト樹脂ビートを細長く引き伸ばすことによ
り、繊維状の塗布を実現するものであり、公知の装置で
ある。
塑性樹脂、またはホットメルト樹脂ビートに接触させる
加圧空気を、空気ノズルを回転させることで回動噴流と
し、この噴流により螺旋状の塗布パターンを実現するも
のであり、これも公知の装置である。本来は螺旋状の塗
布パターンにより、塗布範囲を拡大し、塗布幅を広くす
ることを目的に開発された装置である。
み合わせて熱可塑性樹脂、またはホットメルト樹脂を凹
凸状、又は繊維状に塗布することにより、従来にはない
テクスチャーを表現した凹凸模様を形成することが可能
となる。あるいは、熱可塑性樹脂、またはホットメルト
樹脂を塗布直後、表面が平滑なローラー、あるいは任意
の模様を有するローラーを塗布面に転圧することによ
り、更に複雑な模様を形成することができる。複雑なこ
の凹凸模様は、無着色の熱可塑性樹脂、又はホットメル
ト樹脂であっても形成されるが、任意の色に着色するこ
とによってより複雑多彩な模様を形成することができ
る。
着色方法としては、チタンホワイト、チタンイエロー、
カーボンブラック、シアニンブルー、シアニングリーン
等、従来公知の各種の着色顔料や、従来公知の各種の染
料、あるいはこれらのペースト類を使用することができ
る。着色された熱可塑性樹脂、又はホットメルト樹脂
は、単色のものを使用してもよいが、複数の色の樹脂を
予め用意して、アプリケータをコンピュータ制御して塗
布することにより、より一層複雑な多彩模様を形成する
ことが可能となる。
布された熱可塑性樹脂若しくはホットメルト樹脂の軟化
温度より高い温度に加熱する必要がある。これは、着色
材の熱により、塗布樹脂の表面を熱軟化させることによ
り、接着性を再活性化させ、着色材を接着させるためで
ある。加熱温度の下限は塗布樹脂の軟化温度であるが、
上限については特に制限はない。但し着色材自身の耐熱
温度を超えて加熱してしまうと、着色材が溶融してしま
うため、適当ではない。加熱手段については特に制限は
無く、ガスバーナー、電気炉加熱、その他従来公知の加
熱手段を使うことができる。着色材の耐熱温度が、塗布
樹脂の軟化温度より低い場合には、着色材の使用は困難
である。使用できる着色材としては下記のものが例示で
きる。
ム、炭酸カルシウム、雲母、雲母状酸化鉄、黄土などの
天然無機顔料。鉛白、鉛丹、黄鉛、銀朱、群青、紺青、
酸化コバルト、二酸化チタン、二酸化チタン被覆雲母、
ストロンチウムクロメート、チタニウムイエロー、チタ
ンブラック、カーボンブラック、グラファイト、ジンク
クロメート、鉄黒、モリブデン赤、モリブデンホワイ
ト、リサージ、リトポン、その他公知の合成無機顔料。
アルミニウム、金、銀、銅、亜鉛、鉄などの金属類が挙
げられる。
付けて沈殿剤でレーキとした染色レーキ、溶性アゾ、不
溶性アゾ、縮合アゾ等のアゾ系顔料、フタロシアニン系
顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、塩基性染料系顔
料、酸性染料系顔料、建染染料系顔料、媒染染料系顔料
が挙げられる。
物、砂状物、粉状物の、ガラス、アイオノマー、AS、
ABS、エチレン−塩化ビニルコポリマー、エチレン−
酢酸ビニルコポリマー、ポリアミド、ポリエチレン、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、ポリ
スチレン、ポリブタジエン、ポリプロピレン等の熱可塑
性樹脂(プラスチック)、エポキシ樹脂、キシレン樹
脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイ
ミド、ポリウレタン、マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、
ユリア樹脂等の熱硬化性樹脂で、着色物、非着色物を問
わない。
温に冷却されることにより、塗布面に強固に固着し、塗
布面が形成させるため、塗布後に特別な加熱、乾燥装置
などは必要ではない。塗布面を形成している樹脂の軟化
温度以上に加熱された着色材を、塗布面の樹脂に接触さ
せることにより、着色材の熱により樹脂が熱軟化するこ
とにより、接着性が再活性化して、接触した着色材は速
やかに樹脂表面に接着、一体化する。着色材自身の熱が
失われることにより、樹脂表面が再び強固に固まるた
め、極めて短時間で化粧層が形成される。
要充分な強度を有するが、この化粧層面にクリアー塗料
を塗布することにより、化粧層面の耐候性を向上させ
る、防汚性を付与させるなどの効果を得ることができ
る。クリアー塗料に必要な添加剤を配合することによ
り、抗菌性、防藻性などを付与することも可能となる。
化粧層面の多彩模様や下地の色調を活かす仕上がりとな
るが、クリアー塗料を薄く適当な色に着色した、カラー
クリアー塗料とすることによって、下地の色調及び化粧
層面の多彩模様との組み合わせで、さらに多数の複雑な
多彩模様を形成することも可能となる。
に実施例を記載する。いうまでもなく、本発明は以下の
実施例に限定されるものではない。
布、中塗り塗布の終了した壁面にエチルセルロースを主
成分とするホットメルト樹脂を、ノズル式エアスプレー
アプリケータを使用して塗布し、熱可塑性樹脂塗布面を
形成した。該樹脂の軟化温度は120℃であったため、
130℃に加熱した茶色、黄色、黒色の各色顔料を加圧
吹き付けし、熱可塑性樹脂塗布面に接着させ、化粧層を
形成した。
おいて、着色染料により茶色に着色したエチレン−酢酸
ビニル共重合体を主成分とするホットメルト樹脂を、ス
リットノズルアプリケータを使用して塗布し、熱可塑性
樹脂塗布面を形成した。該樹脂の軟化温度は110℃で
あったため、120℃に加熱した茶色、黄色、黒色の各
色顔料を加圧吹き付けし、熱可塑性樹脂塗布面に接着さ
せ、化粧層を形成した。
材が冷却すると同時に硬化して、強固な外壁化粧層を形
成した。
要なため塗装が天候に左右される現場建築内外装塗装
や、加熱乾燥設備を必要としていた板状建材への化粧層
の塗装において、極めて短時間で模様形成が可能となる
ため、塗装現場においては天候に左右されることが大幅
に減り、また工場における塗装においても、加熱乾燥等
の設備が不要になるなど、時間や費用の点において従来
の方法より大幅な優れた点を有するものである。かつ、
従来にはなかった立体凹凸のテクスチャーが実現され、
個性的な建築物壁面化粧や、建材の模様が可能となっ
た。また、本発明による化粧層の形成方法によれば、従
来溶剤型の塗料の塗布・乾燥時に発生する溶剤揮発分が
全くないため、塗装作業者が溶剤揮発分を吸引すること
がなく安全で、空気を汚染せず環境に優しい方法であ
る。
Claims (7)
- 【請求項1】板状建材表面若しくは建築物内外装面に、
熱可塑性樹脂を塗布した後、塗布した熱可塑性樹脂の軟
化温度より高い温度に加熱した着色材料を熱可塑性樹脂
塗布面に接触させることにより、熱可塑性樹脂塗布面を
熱軟化させ、着色材料を熱可塑性樹脂塗布面に熱接着す
ることにより、化粧層を形成することを特徴とする化粧
層形成方法。 - 【請求項2】加熱した着色材料を落下により熱可塑性樹
脂塗布面に接触させることを特徴とする、請求項1に記
載された模様形成方法。 - 【請求項3】加熱した着色材料を加圧して吹き付けるこ
とより熱可塑性樹脂塗布面に接触させることを特徴とす
る、請求項1に記載された模様形成方法。 - 【請求項4】熱可塑性樹脂は、ホットメルト樹脂を使用
することを特徴とする、請求項1〜請求項3に記載され
た化粧層形成方法。 - 【請求項5】熱可塑性樹脂又はホットメルト樹脂は染
料、顔料若しくはそれらのペーストにより任意の色に着
色されてなることを特徴とする、請求項1〜請求項4に
記載された化粧層形成方法。 - 【請求項6】2色以上に着色された着色材料、および熱
可塑性樹脂又はホットメルト樹脂が組み合わされること
により多彩模様を形成することを特徴とする、請求項1
〜請求項5に記載された化粧層形成方法。 - 【請求項7】着色材料を熱可塑性樹脂塗布面に熱接着し
たあと、透明若しくは着色クリアー塗料を塗布してなる
ことを特徴とする、請求項1〜請求項6に記載された化
粧層形成方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010037826A (ja) * | 2008-08-06 | 2010-02-18 | Shinkoshu Kk | 遮熱シート及び通気路層確保部材 |
JP2010048024A (ja) * | 2008-08-22 | 2010-03-04 | Dainippon Printing Co Ltd | 化粧板 |
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CN102926512B (zh) * | 2012-11-02 | 2017-04-19 | 田卓 | 一种外墙装饰技术 |
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2002
- 2002-03-06 JP JP2002060144A patent/JP4107853B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP4107853B2 (ja) | 2008-06-25 |
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