JPH09234326A - エアーフィルター - Google Patents

エアーフィルター

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JPH09234326A
JPH09234326A JP4190396A JP4190396A JPH09234326A JP H09234326 A JPH09234326 A JP H09234326A JP 4190396 A JP4190396 A JP 4190396A JP 4190396 A JP4190396 A JP 4190396A JP H09234326 A JPH09234326 A JP H09234326A
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filter
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Yatsuhiro Tani
八紘 谷
Masao Yamaguchi
昌男 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極力折り曲げ加工を行わず、平板に近い状態
で使用でき、圧力損失が低く、エアーフィルターとして
充分な粒子捕集効率を有し、人体に優しく、しかも焼却
が容易で廃棄物減容に効果的であるエアーフィルターの
提供を課題として掲げたものである。 【解決手段】 エアーフィルターの通気方向長さの1/
3〜1/10の厚さを有する濾材が、波板状に折り曲げ
られてエアーフィルター枠内に収納されてなり、前記収
納された濾材の濾過面積はエアーフィルターの通気面の
面積の1.3〜4倍であるエアーフィルター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工場設備やビル等
に用いられる空調機器や、OA機器、空気清浄器等の家
電機器に使用されるエアーフィルターに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】主に空気中の塵埃を除去するためのエア
ーフィルターに使用される濾材としては、繊維径10μ
m程度のガラス繊維を用い、嵩密度0.1〜0.3g/
cc、厚さ0.5mm程度の湿式抄紙することにより製
造されるペーパー状のものがあった。このペーパー状の
ガラス繊維製濾材は、嵩密度が大き過ぎて、圧力損失が
極めて高いため、屏風状にひだ折り加工してからエアー
フィルターに組み込まれている。ひだ折り加工によっ
て、略正方形状(あるいは略長方形等)のエアーフィル
ター通気面(空気取り入れ面)の面積に対する濾材の濾
過面積を10〜40倍にしなければ、圧力損失が実用的
な範囲にならないためである。しかしながら、ガラス繊
維製の濾材はもろいためにひだ折り工程が難しく、しか
もひだ折り加工後の形状を保持して圧力損失を低く保つ
にはアルミニウム等のセパレーターをひだとひだの間に
挟む工程も必要であり、これらの点で、ペーパー状ガラ
ス繊維製濾材を使用したエアーフィルターの製造は、煩
雑で、生産効率の悪いものであった。
【0003】一方、同じガラス繊維製濾材でも、嵩密度
が0.04〜0.05g/cc、厚さ25〜150mm
のものもあり、これは前記ペーパー状の濾材に比べ、ひ
だ折り加工をしなければならないほど圧力損失は高くな
い。しかし、平板状のままエアーフィルターに組み込ん
で使用するには、やはり圧力損失が高く実用範囲を超え
るため、袋型に加工して濾過面積をエアーフィルターの
開口面の面積に対して5〜20倍にすることによって、
吹き流し型のエアーフィルターとして利用されている。
しかし、空気漏れのないように袋型に縫製あるいは接着
成形する製法も、煩雑で、生産効率の悪いものであっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の問題を
解決するためには、極力折り曲げ加工を行わず、平板に
近い状態で使用できる高性能な濾材を開発する必要があ
る。現在平板状のまま使用できる濾材としては、粗塵用
エアーフィルター用濾材があるが、これは粗大塵埃を除
去するために使用されるものであって微細な粒子の捕集
効率がかなり低い。エアーフィルターとしての粒子捕集
効率レベルを望めば、この粗塵用の濾材を複数枚積層す
る必要があるが、積層すると圧力損失が顕著に増大する
ため、エアーフィルター用として実用に堪えるものでは
なかった。
【0005】さらに、前述のガラス繊維製の濾材は、取
替の際に人体に刺さり易いという問題があり、加えて、
エアーフィルター当たりの濾材使用量が多いのにアルミ
ニウムのセパレーターと共に焼却性が悪く、環境保護の
観点からも濾材としては不適であった。
【0006】本発明は、以上の様な現状を考慮して、極
力折り曲げ加工を行わず、平板に近い状態で使用でき、
圧力損失が低く、エアーフィルターとして充分な粒子捕
集効率を有し、人体に優しく、しかも焼却が容易で廃棄
物減容に効果的であるエアーフィルターの提供を課題と
して掲げたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のエアーフィルタ
ーは、エアーフィルターの通気方向長さの1/3〜1/
10の厚さを有する濾材が、波板状に折り曲げられてエ
アーフィルター枠内に収納されてなり、前記収納された
濾材の濾過面積がエアーフィルターの通気面の面積の
1.3〜4倍であるところに要旨を有する。ここで「濾
過面積」とは空気濾過を行い得る濾材面積であり、実質
的には折り曲げる前の濾材表面積と等しい。また「エア
ーフィルターの通気面の面積」とは、エアーフィルター
枠(内枠、押え部材も含む)内の空気取り入れ口面の平
面面積であり、内枠や押え部材によって通気が阻害され
る面積は含まない。そして「波形状」とは、正弦曲線の
様な波形や略U字形の波形状のものから略V字状のいわ
ゆる三角波形状まで含むものとする。
【0008】本発明のエアーフィルターの好ましい実施
態様としては、波板状に折り曲げられてエアーフィルタ
ー枠内に収納された濾材が、該濾材の四周においてエア
ーフィルター枠材に固着されている態様、濾材が、波板
状に折り曲げられた状態でエアーフィルター用の内枠に
固着されてからエアーフィルター枠の中に収納されてい
る態様、濾材が、波板状に形成された多孔面状支持体と
押え部材によって挟持された状態でエアーフィルター枠
内に収納されている態様が挙げられる。内枠に固着する
態様では濾材を内枠毎交換すればよく、多孔面状支持体
と押え部材によって挟持する態様では、濾材のみを交換
することができ、資源節約に役立つ態様となっている。
【0009】本発明のエアーフィルターは、濾過面積が
通気面面積の1.3〜4倍程度と従来例に比べて小さく
て済むので、緻密に折り曲げる必要がなく、しかも濾材
が適当に厚みを有するため折り曲げ加工が容易である。
本発明では、濾材として、(a)熱融着性繊維と(b)
エレクトレットフィルムスプリット繊維からなる濾材を
用いることが推奨される。特に、(a)の熱融着性繊維
の繊度が15〜200デニール、(b)のエレクトレッ
トフィルムスプリット繊維の平均繊度が1〜15デニー
ル、両者の混在比が(a)/(b)=60/40〜95
/5(重量比)であり、(b)が(a)で熱融着されて
いて、かつ嵩密度が0.005〜0.05g/ccであ
る濾材は、エアーフィルターの性能を高める点で、最も
好ましく使用できる。さらに、風速2.7m/秒のとき
の圧力損失が70〜300Paである濾材を使用するこ
とがより好ましく推奨される。これらの濾材の使用によ
って、より一層、圧力損失が低く、しかも低濾過面積で
高い粒子捕集効果を発現し得るエアーフィルターを提供
することができる。なお、エレクトレットフィルムスプ
リット繊維とは、荷電されたフィルム(エレクトレット
フィルム)を開繊カッター等で割繊して(スプリット)
得られる繊維のことである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のエアーフィルターの最大
の特徴は、エアーフィルターの通気方向長さの1/3〜
1/10の厚さを有する濾材が、波形状に折り曲げられ
てエアーフィルター枠内に収納されており、この収納の
結果、得られるフィルターの濾過面積が、エアーフィル
ターの通気面の面積の1.3〜4倍となっている点にあ
る。
【0011】エアーフィルター枠に収納される濾材の厚
さは、エアーフィルターの通気方向長さ、すなわちエア
ーフィルターの枠材の奥行きに相当する長さの1/3〜
1/10でなければならない。濾材の厚さがエアーフィ
ルターの通気方向長さの1/10よりも薄い場合には、
圧力損失は低くなるが、濾過面積を低く抑えているため
に粒子の捕集効率という点では満足する性能は発現しな
い。しかし濾材が厚過ぎると同じ濾過面積における圧力
損失は大きくなるので、本発明ではエアーフィルターの
通気方向長さの1/3以下と規定した。
【0012】一方濾過面積は、エアーフィルターの通気
面面積の1.3〜4倍にすることが必要である。濾過面
積とは、空気濾過を行い得る濾材の面積であり、実質的
には折り曲げる前の濾材表面積と等しい。またエアーフ
ィルターの通気面の面積とは、エアーフィルター枠(内
枠、押え部材も含む)内の空気取り入れ口面の平面面積
である。エアーフィルター枠の通気面が正方形であれ
ば、枠の内側寸法から決定される正方形の面積が「通気
面の面積」である。内枠や押え部材によって通気が阻害
される場合は、その阻害される部分の面積は含まれな
い。
【0013】本発明では、濾材を波形状にしてエアーフ
ィルター枠内に収納することによって濾過面積は1より
大きくなるので下限を1.3倍とした。しかし4倍を超
えて濾過面積を高めようとすると、従来技術の様に、煩
雑な工程を経て吹き流し形にするか、緻密な折り曲げ工
程が必要になるため、本発明では、通気面面積の4倍を
限度とした。
【0014】本発明では、特定厚の濾材を波形状に折り
曲げてエアーフィルター枠に収納して、濾過面積が通気
面面積の1.3〜4倍になっているエアーフィルターで
あれば、特にエアーフィルターとしての形状や大きさ、
通気方向長さ(奥行き)は特に限定されない。現在の標
準的な規格は、外形寸法で縦610mm、横610m
m、奥行き(厚さ)290mmまたは150mmとなっ
ているが、エアーフィルターの薄型化の要求に伴い、奥
行きは小さくなる傾向があるので、要求特性に応じ適宜
設計変更すれば良い。また、エアーフィルター内におけ
る濾材の収納方法や、波形形状の保持方法も、以下に挙
げる3つの態様に限定されることなく採用することがで
きる。
【0015】次に本発明のエアーフィルターの代表的な
例を図面を用いて説明する。まず、図1には請求項2に
記載した態様のエアーフィルター10を示した。濾材2
は波形状に折り曲げられてエアーフィルター枠3の中に
収納され、濾材の四周はエアーフィルター枠3に固着部
4によって固着されている。なお、符号Lはエアーフィ
ルター通気面長さである。固着方法は特に限定されない
が、エポキシ系、シリコーン系、ポリウレタン系、フェ
ノール系、ポリエステル系等の接着剤やシアノアクリレ
ート系瞬間接着剤等を用いる接着剤法が簡便である。ま
た、例えば、波形状の濾材の波の頂点(各波の山・谷の
両方の頂点)に、エアーフィルター枠外側から(または
枠材内部)枠の内側へ係止具を貫通させて濾材を係止す
ることによって固着する方法も採用できる。
【0016】図2には、請求項3に記載した態様のエア
ーフィルターを示した。図1におけるエアーフィルター
と略同形状のものを、エアーフィルター内枠材11とし
てエアーフィルター枠3の中に収納する構成である。内
枠材11は、内枠32に濾材2が固着された構成であ
り、図1で説明した方法と同じ様にして作製することが
できる。図2中のエアーフィルター枠31には、鍔部3
1aが形成されていて、内枠材11が抜け落ちるのを防
ぐ。内枠材11とエアーフィルター枠31は固着しない
方が好ましい。濾材を交換すべき時期に、内枠材11の
みを交換することによってエアーフィルター枠を再利用
できるからである。
【0017】図3には、請求項4に記載した態様のエア
ーフィルターを示した。この態様では濾材をエアーフィ
ルター枠あるいは内枠に固着するのではなく、押え部材
5と、予め波形状に形成された多孔面状支持体6とによ
って、波形状に折り曲げられた濾材2を挟持する構成と
なっている。この構成では、濾材を交換すべき時期に
は、押え部材をエアーフィルター枠から取り外し、濾材
のみを交換した後、再び押え部材を枠にはめ込むことに
よって、濾材以外の全ての構成部材の再利用が可能であ
る。
【0018】図3の押え部材5は、断面波形形状の縦板
5a、5bと、断面長方形状の横板5c、5dと、支持
棒5eからなる枠形の押え部材の例である。押え部材5
は図3の例に限られず、エアーフィルター枠3の内側に
溝を付けておき、縦板5a、5bが溝に嵌合する様にす
ることにより、押え部材は、縦板5a、5bのみで構成
することもできる。多孔面状支持体6としては、金属製
や樹脂製、紙製等の網状物や格子状物、パンチングプレ
ート等、適宜選択することができる。
【0019】図1〜3には図示していないが、濾材の波
形形状をより確実に維持するために、補強リブを使用し
てもよい。特に、多孔面状支持体を使用しない図1や図
2において、濾材の厚みが薄いときは補強リブを用いる
方が好ましい場合がある。補強リブは、例えばエアーフ
ィルター枠の横板あるいは縦板に並行に、かつ波の頂点
を通気方向下流側から支えることができる様に形成す
る。例えば、エアーフィルター枠の中に波のピッチに応
じて棚板状の補強リブを設ける方法がある。
【0020】本発明のエアーフィルターは、波形状の濾
材を用いながら濾過面積を小さく押えたところに特徴を
有するが、濾材の性能が優れていることも、エアーフィ
ルターの濾過面積を小さくする上で重要である。本発明
で、最も好ましく使用することのできる濾材を以下説明
する。
【0021】本発明では、濾材として、(a)熱融着性
繊維と(b)エレクトレットフィルムスプリット繊維か
らなる濾材を用いることが推奨される。特に、(a)の
熱融着性繊維の繊度が15〜200デニール、(b)の
エレクトレットフィルムスプリット繊維の平均繊度が1
〜15デニール、両者の混在比が(a)/(b)=60
/40〜95/5(重量比)であり、(b)が(a)で
熱融着されていて、かつ嵩密度が0.005〜0.05
g/ccである濾材は、エアーフィルターの性能を高め
る点で、最も好ましく使用できる。この特定繊度の
(a)と(b)を特定量組合せることにより、高い粒子
捕集効率と低圧力損失を発揮でき、濾過面積の低減に効
果的な濾材とすることができる。
【0022】(a)の熱融着性繊維は、濾材の嵩高な骨
格を形成するための重要成分であり、高風速下での使用
に堪え、かつ圧力損失を低く抑える上で、繊維繊度が1
5〜200デニールであることが望まれる。繊度が15
デニールより小さいと、高風速下で平板状態を保持する
ことができず、200デニールを超えると圧力損失が大
きくなってしまう。より好ましい繊度は、30〜100
デニールである。
【0023】熱融着性繊維の素材としては、例えばポリ
エチレンやポリプロピレン等のα−オレフィン系、エチ
レン−酢酸ビニル共重合系、ポリエチレンテレフフタレ
ートやポリブチレンテレフタレート、共重合ポリエステ
ル等のポリエステル系、ナイロンや芳香族ポリアミド等
のポリアミド系等の公知の熱可塑性ポリマーから製造さ
れる繊維が使用できる。これらのうちの一種類の繊維の
み、あるいは低融点の熱融着性繊維と高融点の熱融着性
繊維の2種以上を混合して用いてもよく、さらには融点
の異なる繊維を複合化したいわゆる複合繊維タイプ等を
使用してもよい。
【0024】特に、嵩高構造を効果的に発現させるため
には、サイドバイサイド型または芯鞘型(または偏心・
芯鞘型)の複合繊維に熱処理を加えて捲縮させた繊維が
好ましく用いられ得る。複合繊維としては、低融点成分
として、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、
共重合ポリエステル、共重合ポリアミド等を1種または
2種以上用いた融点100〜130℃の繊維を使用し、
高融点成分としては、低融点成分として選択した繊維の
融点より30℃以上高い繊維種を選択することが好まし
い。低融点成分繊維と高融点成分繊維の組合せの例とし
ては、ポリエチレン−ポリプロピレン、ポリエチレン−
ポリエステル、共重合ポリエステルまたはその混合物−
ポリエステル、共重合ポリアミド−ポリアミド等が限定
されずに挙げられる。もちろん複合繊維ではない繊維
に、機械的・熱的にスパイラル加工を施して捲縮をつけ
たステープル等も使用できる。なお、熱融着性繊維に紡
績用油剤が付着している場合は、水洗浄、湯洗浄、テト
ラソディウムピロホスフェート水溶液による洗浄等で油
剤を除去してもよい。
【0025】上記(a)の熱融着性繊維と共に用いられ
る(b)のエレクトレットフィルムスプリット繊維は、
エレクトレット化されているので、空気中の塵埃を捕集
することができる。ここでエレクトレットフィルムスプ
リット繊維とは、荷電されたフィルム(エレクトレット
フィルム)を開繊カッター等で割繊して(スプリット)
得られる繊維のことである。
【0026】エレクトレットフィルムスプリット繊維の
好ましい平均繊度は1〜15デニールである。低い圧力
損失を維持しながら、良好な粒子捕集効果を発揮するた
めには、エレクトレットフィルムスプリット繊維の繊度
と前記(a)の熱融着性繊維の繊度とのバランスを、両
者の使用量のバランスの因子を加味して最適化すること
が好ましい。(a)を15〜200デニール、(b)の
エレクトレットフィルムスプリット繊維を1〜15デニ
ールとし、後述する特定量を使用すると、高性能な濾材
が得られ、より一層濾過面積を低く抑えることができ
る。エレクトレットフィルムスプリットの繊度が1〜1
5デニール以外では、圧力損失と粒子捕集効果を両立さ
せることはできない上に、1デニールより小さいとカー
ディング不良が起り易く、15デニールを超えると捕集
効率が悪化する。
【0027】エレクトレットフィルムスプリット繊維の
材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−
4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン系や、テ
フロン等のフッ素系ポリマー、アクリル系、ポリエステ
ル系の他、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化
ビニリデン、ポリサルホン等、特に限定されず使用でき
る。エレクトレットフィルムスプリット繊維を製造する
には、上記ポリマーを用いて溶融押出等の方法で未延伸
フィルムを作製したのち、5〜10倍方向に縦または横
方向に延伸してから、荷電させ、得られたエレクトレッ
トフィルムスプリットを開繊カッターで割繊(スプリッ
ト)する方法が採用できる。
【0028】エレクトレット化は、コロナ放電、電界放
電、電子線照射、摩擦帯電等の荷電法によって、または
これらを組合せて行えば良く、ルーツの式で示される最
大表面電荷密度を有する様に処理することが好ましい。
またスプリットは、針式カッター、ねじ式カッター、ブ
レード式カッター等を用いて行える。スプリット後の小
繊維は、連絡したネット状物あるいはこれを繊維長50
〜100mmに切断したフィブリル化短繊維の形態等で
使用することができる。なおスプリット繊維は、1〜1
5デニールにする必要があるため、好ましいスプリット
幅を10〜500μm、スプリット前のフィルムの厚さ
を3〜30μmとする。より好ましいスプリット幅は2
0〜300μmであり、最も好ましいのは40〜100
μmである。
【0029】本発明では、エレクトレットフィルムスプ
リット繊維が良好な粒子捕集効率を発揮することができ
る様に、(a)と共に加熱処理を受けた後であっても、
高い表面電荷密度を有していることが好ましく、120
℃の雰囲気温度において、初期表面電荷密度の値に対し
70%以上の保持率で表面電荷密度を維持していること
が望まれる。このため、エレクトレットフィルムを構成
するポリマーのうち比較的耐熱性の低いもの、例えばポ
リオレフィン等には、耐熱性付与の目的で添加剤を加え
ることが推奨される。
【0030】添加剤の具体例としては、リン酸ビス(4
−t−ブチルフェニル)ナトリウム、ソディウム−2,
2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスフェート等の樹脂改質剤;トリス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレ
ート、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1−ビス
(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5’−t−ブチル
フェニル)ブタン、2,2−チオ−ジエチレンビス[3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]、3,9−ビス[2−{3−t−
ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピ
オネニルオキシ}ー1,1−ジメチルエチル]−2,
8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、
ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリス
リトーヅルジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホ
スファイト、エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチル
フェニル)オクチルホスファイト、トリス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)ホスファイト等の抗酸化剤;3
−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾ
ール、デカンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド等
の重金属不活性剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メ
チルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒド
ロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−
5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビ
ス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6
−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノー
ル]、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メ
トキシフェニル)メタン、テトラキス(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−
ブタンテトラカルボキシレート、1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−ピペリジル/β,β,β’,β’−
テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオ
キサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエチル(混合物)
−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等の
紫外線吸収剤および紫外線安定剤;ステアリン酸マグネ
シウム、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸アルミ
ニウム等の金属石けん系安定剤等を挙げることができ
る。これらの添加剤の好ましい使用量は、選択した添加
剤の種類に応じて適宜変更可能であるが、一般的にはポ
リマーに対して0.05〜5重量%である。
【0031】濾材中の(a)熱融着性繊維と(b)エレ
クトレットフィルムスプリット繊維の混在比は、(a)
/(b)として60/40〜95/5の範囲が最適であ
る。熱融着性繊維が40重量%より少ないと、加熱処理
後に繊維の融着点が少なくなり、効果的な三次元嵩高骨
格を作ることができないため、濾材としての機械的強度
が不足して高風速下での濾過操作に堪えられなくなる。
しかし95重量%を超えて使用すると、エレクトレット
フィルムスプリット繊維が5重量%より少なくなり、粒
子捕集効果が著しく減少してしまうため好ましくない。
【0032】これらの濾材の代表的製造例について説明
する。(a)の熱融着性繊維と(b)のエレクトレット
フィルムスプリット繊維は、上記混在比の範囲でカード
によって混合されてウエブ化される。このウエブには、
加熱処理を施して(a)の熱融着性繊維の一部または全
部を一旦溶融させることによって、嵩高な三次元骨格を
作る必要があるので、上方から熱風が吹き出し、下方か
らエアーサクションによって吸引するスルーエアー式オ
ーブン中を通過させて、加熱処理を行う。このときのス
ルーエアーの風速は、濾材の厚みにもよるが、0.5〜
5m/秒とすることが好ましい。オーブン中の温度およ
び通過時間は、用いた熱融着性繊維の量と融点に応じて
適宜選択すればよい。
【0033】ウエブ中の繊維の配向は、一般的にはウエ
ブの厚さ方向に垂直となるが、繊維をウエブの厚さ方向
に配列させてもよい。後者の場合は、カードフリースを
濾材厚さ方向に連続して折りたたみながら隣り合う濾材
のひだを熱融着させる方法で製造することができる。
【0034】得られる濾材は、比較的大きい繊度の熱融
着性繊維(a)が上記加熱処理によって、熱融着性繊維
の一部または全部が溶融して、嵩高な三次元構造とな
り、このなかにエレクトレットフィルムスプリット繊維
が単繊維状で分散した構成となるので、充分な機械的強
度と、低い圧力損失、および良好な粒子の捕集効率を発
揮する。図4には、加熱処理後の濾材の三次元嵩高構造
の部分モデル図を示した。図4中、41は熱融着性繊
維、42はエレクトレットフィルムスプリット繊維であ
り、これらの接触部は熱融着されている。
【0035】濾材の嵩密度は0.005〜0.05g/
ccであることが好ましい。嵩密度は、濾材の目付(g
/m2 )を厚さ(m)で除することで求められる。濾材
の厚さは、前田工業社製の圧縮弾性試験機を用いて、面
圧1.25g/cm2 における厚さとする。嵩密度が
0.005g/ccより小さいと、濾材としての機械的
強度が発現せず、粒子の捕集効率が低くなるときがあ
り、逆に0.05g/cc以上では、圧力損失が大きく
なるため好ましくない。より好ましい嵩密度は、0.0
1〜0.03g/ccである。
【0036】本発明で好ましく用いられる濾材は、低圧
力損失であることが望まれる。好ましい圧力損失は、
2.7m/秒の風速のとき70〜300Paの範囲であ
る。本発明では、これまで説明した様に、低い圧力損失
を維持しながら、良好な粒子捕集効果を発揮するため
に、(a)の熱融着性繊維の繊度と(b)のエレクトレ
ットフィルムスプリット繊維の繊度のバランスを、両者
の使用量のバランスの因子を加味して最適化することに
よって、低圧力損失を達成するものであるので、上記範
囲内の圧力損失とすることが推奨される。なお、この圧
力損失はもちろん新品の濾材についての初期値である。
【0037】本発明では、定寸法に裁断した平板濾材
を、またはロール状に巻かれた巻物濾材から切り出して
使用することができる。平板濾材を波板状に賦形するに
は、濾材を波板に沿わした状態でエアーフィルター枠
(または内枠)に固着することで賦形する方法や、金属
製の多孔面状波板状に濾材を沿わせてスルーエアー方式
のオーブン中で加熱することにより賦形する方法等が簡
便である。
【0038】濾材には、補強用シートが予め積層あるい
は重ね合わされていても良い。補強用シートとしては、
圧力損失が大きくならない様に、例えば金属製や、紙製
等の網状物や格子状物等や、寒冷紗、熱可塑性プラスチ
ックのネット状物等が利用できる。熱可塑性プラスチッ
クネットを補強用シートとして用いる場合は、濾材製造
時のウエブの加熱処理工程や、波板状に賦形する前また
は同時に、補強用シートの上に前記ウエブを載置して加
熱処理すれば良い。
【0039】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳述する
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。なお下記実施例で用い
た評価方法は以下の通りである。
【0040】[嵩密度:g/cc]濾材の目付(g/m
2 )を、前田工業社製の圧縮弾性試験機を用いて、1.
25g/cm2 の荷重下における厚さ(m)で除した値
である。
【0041】[比色法捕集効率:%]、[圧力損失:P
a]、[フィルター特性値]、[ダスト保持量:g] これら各種の評価は、図5に示した試験設備を用いて行
った。試験ダクト54内に、評価用エアーフィルター5
3(外寸法:縦610mm、横610mm、通気方向長
さ90mm)を設置し、コンプレッサー55を用いて、
ダスト供給器56(大盛工業社製)からエアーエジェク
ター57を介して、JIS11種試験粉塵をダクト54
内に供給した。試験風速は2.7m/秒である。比色法
捕集効率は、エアーフィルターの上流および下流に設置
したデジタル粉塵計58、58’(柴田化学機械工業社
製:P−5H2)を用いて散乱光量を同時に測定し、
[上流の散乱光量−下流の散乱光量]を[上流の散乱光
量]で除した値の百分率(%)として求めた。エアーフ
ィルターの圧力損失はマノスターゲージ59を用いて測
定した。なお図中の符号510、510’は流量計、5
11、511’はポンプ、512はアブソリュートフィ
ルター、513はブロアである。
【0042】フィルター特性値は、100から比色法捕
集効率を差し引いた値Xの自然対数の絶対値|lnX|
を圧力損失で除した値である。このフィルター特性値が
大きいほど、低圧力損失かつ高捕集効率であり、フィル
ターとしての性能に優れていることを示している。ダス
ト保持量は、試料エアーフィルターの圧力損失が350
Paに達したときに濾材上に堆積した試験粉塵重量を求
め、ダスト保持量(g)とした。
【0043】実験例1〜9および参考例1〜11 (a)の熱融着性繊維として、ポリプロピレンが芯、ポ
リエチレンが鞘の芯鞘型複合繊維を用いた。繊維長は6
4mmであり、繊度は表1〜4に示す様に各種大きさの
ものを用いている。一方、(b)のエレクトレットフィ
ルムスプリット繊維として、ステアリン酸アルミニウム
を0.3重量%添加したポリプロピレン製の厚さ10μ
mのエレクトレットフィルムをねじ式開繊カッターで開
繊した繊維を用いた。繊維長は90mmとし、開繊度を
変化させて、表1に示した様に各種繊度に設定した。
【0044】熱融着性繊維(a)とエレクトレットフィ
ルムスプリット繊維bのそれぞれのラップをローラーカ
ードに同時供給してカードフリースを作製し、ラチスレ
イヤーでフリースの進行方向に直交する方向にフリース
を少しずつずらし、ひだ折りしながら積層して、繊維が
ウエブ厚み方向に配列したタイプのウエブを作製した。
このウエブを130℃のスルーエアー方式オーブンへ通
し、2分間加熱処理を行い、冷却後濾材とした。熱融着
性繊維(a)とエレクトレットフィルムスプリット繊維
(b)の混合比および得られた濾材の目付は、表1に示
した通りに各種変更している。なお、濾材の目付は、比
色法捕集効率が60%前後を示す様に設定した。実験結
果および考察を以下に示す。
【0045】
【表1】
【0046】まず図1に示した構成のエアーフィルター
の評価結果を示した。なお、固着にはエポキシ系接着剤
を用いた。表1の全ての例において、濾材の面積は0.
515m2 であり、エアーフィルター通気面の面積
(0.343m2 )の1.50倍である。表1では、熱
融着性繊維(a)とエレクトレットフィルムスプリット
繊維(b)(なお各表では単に、aおよびbと表示して
いる。)の混合比を80/20(重量比)に、(b)の
エレクトレットフィルムスプリット繊維繊度を5デニー
ルに固定し、熱融着性繊維(a)の繊度を変化させた実
験結果を示した。実施例1〜3は、高捕集効率かつ低圧
力損失であり、両特性のバランスに優れているので、フ
ィルター特性値の大きいことがわかる。一方参考例1で
は、熱融着性繊維の繊度が小さいため熱融着点が多くな
り、結果的に圧力損失が増大している。(a)の繊度を
10デニールとした参考例2では、圧力損失は改善され
たが、捕集効率とのバランスからみるとフィルター特性
値は実施例より劣っている。逆に、熱融着性繊維の繊度
が大き過ぎる参考例3では、捕集効率が低過ぎるためフ
ィルター特性が低くなっていることがわかる。
【0047】
【表2】
【0048】次に図2に示した構成のエアーフィルター
の評価結果を示した。表2においても、全ての例におい
て、濾材の面積は0.515m2 である。エアーフィル
ター通気面の面積は、内枠があるため若干減少して0.
332m2 であったので、濾過面積は通気面面積の1.
55倍になった。表2は、熱融着性繊維(a)とエレク
トレットフィルムスプリット繊維(b)の混合比を80
/20(重量比)に、熱融着性繊維(a)の繊度を65
デニールに固定し、エレクトレットフィルムスプリット
繊維(b)の繊度を変化させている。実施例2と4は、
高捕集効率かつ低圧力損失であり、フィルター特性値の
大きいことがわかる。一方、エレクトレットフィルムス
プリット繊維(b)の繊度が小さい参考例4では、製造
中にローラーカードでのカーディングが悪くなりネップ
の発生が見られた。このため得られた濾材中のエレクト
レットフィルムスプリット繊維の分散性が悪くなったこ
とと、濾材の厚さが小さすぎて捕集効率が低くなったも
のである。また、濾材の厚さが逆に大き過ぎ、かつエレ
クトレットフィルムスプリット繊維の繊度が20デニー
ルと大きい参考例5では、捕集効率が低く、フィルター
特性値が低くなっていることがわかる。
【0049】
【表3】
【0050】表3には、図3の構成のエアーフィルター
を用いて、各繊維の混合比と繊度を固定して、濾材製造
時に嵩密度を変化させた実験結果を示した。この例にお
いても濾材の面積は0.515m2 である。エアーフィ
ルター通気面の面積は図1のものより押え部材の分だけ
若干減少して0.332m2 であったので、濾材面積は
通気面面積の1.55倍であった。本発明実施例は、高
捕集効率かつ低圧力損失であり、フィルター特性値が大
きい。しかし参考例6では、濾材の厚さは大きいが嵩密
度が小さく、結果的に伸縮変形が大きくなって2.7m
/秒の風速に堪えらず、測定データは得られなかった。
また嵩密度が大きい参考例7では、圧力損失が大きく実
用範囲外であった。
【0051】
【表4】
【0052】表4には、図3の構成のエアーフィルター
を用いて、熱融着性繊維(a)とエレクトレットフィル
ムスプリット繊維(b)の混合比を変化させた実験結果
を示した。この例においても濾材の面積は0.515m
2 であり、エアーフィルター通気面の面積(0.332
2 )の1.55倍である。本発明実施例は、高捕集効
率かつ低圧力損失であり、フィルター特性値が大きい。
しかし濾材の厚さが小さいが、エレクトレットフィルム
スプリット繊維が多い参考例8は、嵩密度がエレクトレ
ットフィルムスプリット繊維支配となって圧力損失が大
きくなり、フィルター特性として見た場合には実施例よ
り劣っている。エレクトレットフィルムスプリット繊維
のない参考例9は、目付を大きくしても捕集効率が増大
せずフィルター特性値は低かった。
【0053】
【表5】
【0054】表5には図2の構成のエアーフィルターを
用いて、濾材の面積を変えることにより濾過面積を変化
させた結果を示した。用いた濾材は実施例2と同じもの
である。濾過面積が通気面面積の1.2倍しかない参考
例10では捕集効率が低く、また、濾過面積が4.6倍
の参考例11では圧力損失が大き過ぎ、いずれもダスト
保持量が200g以下の低い値となっており、エアーフ
ィルターとして満足できる性能ではなかった。
【0055】
【発明の効果】本発明のエアーフィルターは、エアーフ
ィルターの通気方向長さの1/3〜1/10の厚さを有
する濾材を波形状に折り曲げてエアーフィルター枠内に
収納することにより、濾過面積をエアーフィルターの通
気面の面積の1.3〜4倍程度と小さく抑えても、エア
ーフィルターとして優れた性能を示すものである。
【0056】本発明のエアーフィルターは、極力折り曲
げ加工を行わず、平板に近い状態で使用できるため、緻
密な折り畳み加工は必要なく、製造効率が上り、コスト
低減に役立つものである。
【0057】また、図2(請求項3)や図3(請求項
4)に示した構成のエアーフィルターは、濾材の交換時
に、エアーフィルター枠や、支持体・押え部材等を再利
用することができるので資源保護および廃棄物減容の点
からも有用なものである。
【0058】特に請求項5および6に記載した様に、濾
材として、比較的大きい繊度の熱融着性繊維と、繊度の
小さいエレクトレットフィルムスプリット繊維を特定比
で混合して加熱処理したものを用いると、粒子の捕集効
率と圧力損失の機能をバランスよく両立させることがで
き、濾過面積を小さく抑えても、高性能なエアーフィル
ターを提供することができた。しかもこの濾材の使用に
より、本発明のエアーフィルターは人体に優しく、焼却
が容易なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアーフィルターの一例を示す分解斜
視図である。
【図2】本発明のエアーフィルターの一例を示す分解斜
視図である。
【図3】本発明のエアーフィルターの一例を示す分解斜
視図である。
【図4】本発明の加熱処理後の濾材の三次元嵩高構造の
部分モデル図である。
【図5】実施例におけるフィルター性能試験のための工
程系統図である。
【符号の説明】
2 濾材 3 エアーフィルター枠 4 固着部 5 押え部材 6 多孔面状支持体 10 エアーフィルター 11 エアーフィルター内枠材 31 エアーフィルター外枠 31a 鍔部 32 エアーフィルター内枠 41 熱融着性繊維 42 エレクトレットフィルムスプリット繊維 53 試料エアーフィルター 54 試験ダクト 55 コンプレッサー 56 ダスト供給器 57 エアーエジェクター 58,58’ デジタル粉塵計 59 マノスターゲージ 510,510’ 流量計 511,511’ ポンプ 512 アブソリュートフィルター 513 ブロア

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアーフィルターの通気方向長さの1/
    3〜1/10の厚さを有する濾材が、波板状に折り曲げ
    られてエアーフィルター枠内に収納されてなり、前記収
    納された濾材の濾過面積がエアーフィルターの通気面の
    面積の1.3〜4倍であることを特徴とするエアーフィ
    ルター。
  2. 【請求項2】 波板状に折り曲げられてエアーフィルタ
    ー枠内に収納された濾材は、該濾材の四周においてエア
    ーフィルター枠に固着されている請求項1に記載のエア
    ーフィルター。
  3. 【請求項3】 濾材が、波板状に折り曲げられた状態で
    エアーフィルター用の内枠に固着されてからエアーフィ
    ルター枠の中に収納されている請求項1に記載のエアー
    フィルター。
  4. 【請求項4】 濾材が、波板状に形成された多孔面状支
    持体と、押え部材によって挟持された状態でエアーフィ
    ルター枠内に収納されている請求項1に記載のエアーフ
    ィルター。
  5. 【請求項5】 (a)熱融着性繊維と(b)エレクトレ
    ットフィルムスプリット繊維からなる濾材を用いるもの
    である請求項1〜4のいずれかに記載のエアーフィルタ
    ー。
  6. 【請求項6】 上記(a)の熱融着性繊維の繊度が15
    〜200デニール、(b)のエレクトレットフィルムス
    プリット繊維の平均繊度が1〜15デニール、両者の混
    在比が(a)/(b)=60/40〜95/5(重量
    比)であり、(b)が(a)で熱融着されていて、かつ
    嵩密度が0.005〜0.05g/ccである濾材を用
    いるものである請求項5に記載のエアーフィルター。
  7. 【請求項7】 風速2.7m/秒のときの圧力損失が7
    0〜300Paである濾材を用いるものである請求項1
    〜6のいずれかに記載のエアーフィルター。
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