JPH09233674A - ループ系統送電線の保護継電システムと保護継電方法、及び、かかるシステムに使用するループ系統用保護装置 - Google Patents

ループ系統送電線の保護継電システムと保護継電方法、及び、かかるシステムに使用するループ系統用保護装置

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JPH09233674A
JPH09233674A JP8041207A JP4120796A JPH09233674A JP H09233674 A JPH09233674 A JP H09233674A JP 8041207 A JP8041207 A JP 8041207A JP 4120796 A JP4120796 A JP 4120796A JP H09233674 A JPH09233674 A JP H09233674A
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JP
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loop
voltage
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power transmission
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JP8041207A
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English (en)
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Kazuaki Kumagai
和秋 熊谷
Takashi Osumi
隆 大角
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異常を確実に検出してループ系統内の他の電
気所への異常の波及を防止し、異常除去後の遮断器の再
閉路時にも、系統が不安定となることを防止する。 【解決手段】 三相交流電源11と電源端子A、遮断器
26、27等を備えた電気所を複数設置して送電線路2
1、23をループ状に配置したループ系統送電線路にお
いて、当該電源あるいは送電線路の異常からループ系統
送電線路を保護するループ系統用保護装置31が設けら
れ、このループ系統用保護装置は、自端の電流・電圧を
検出して運用データを出力するフィルター(Fil)6
1、サンプルホールド(S/H)回路62、アナログ−
ディジタル変換器(A/D)63と、運用データを基に
異常を判定する異常判定回路65と、異常の除去後に前
記遮断器を再閉路する指令を出力する再閉路回路66を
備え、さらに、運用データを他の電気所へ送受信する伝
送装置64を備え、各電気所においても、ループ系統全
体の状態の把握を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、送電系統を事故か
ら保護するための保護継電システムに関し、特に、ルー
プ形状に形成したループ系統送電線の保護継電システム
と保護継電方法、さらには、かかるシステムに使用する
ループ系統用保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電力を送電するための送電系統
は、その送電系統に短絡や地絡などの事故が生じた時、
その事故を検出してその位置や種類などを識別して遮断
器を動作する保護継電器によって保護されている。かか
る従来の送電線保護方式としては、例えば昭和49年2
月25日電気書院発行の「保護継電システム」の第79
頁乃至第81頁、及び、同書第138頁乃至第139頁
に記載のものが既に知られている。なお、この従来技術
になる送電線保護方式は、各送電線毎に分離独立して保
護を行うものである。
【0003】また、電源と遮断器とを備えた電気所を複
数配置して、これらを送電線によりループ状に結合して
なる、いわゆる、ループ系統の伝送システムも既に知ら
れ、かつ、実施されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来になる保護継電システムでは、ループ系統の伝送シス
テムをも含め、遮断器の遮断や再閉路を行うための保護
装置は、各送電線毎に分離独立して設けられ、また、各
送電線毎に分離独立して保護を行っており、そのため、
送電システム全体の系統の状態を確認せずに運用されて
おり、系統内異常や系統動揺などを生じるなどの問題点
があった。すなわち、送電システム全体のループ系統の
状態を確認せずに運用されることから、送電系統に生じ
た異常が他の電気所へ波及し、また、当該異常の除去後
の、特に遮断器の再閉路時において系統が不安定になる
ことによる。
【0005】そこで、本発明の目的は、上記のような問
題点に鑑み、ループ系統伝送路内において異常が発生し
ても、ループ系統内の他の電気所への異常の波及を防止
し、そして、当該異常の除去後の、特に遮断器の再閉路
時においても、系統が不安定となることのないループ系
統送電線の保護継電システムと保護継電方法、及び、か
かるシステムに使用するループ系統用保護装置を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、複数の電気所を介してループ状に形成さ
れたループ状系統送電線において、各伝電気所に設けた
系統用保護装置と、各保護装置をつなぐ伝送路と、より
成ると共に、上記各保護装置は、自己の電気所に接続さ
れた複数の送電線についてそれぞれ電圧及び又は電流を
検出する検出手段と、自己につながる伝送路へ各検出し
た電圧、電流データを送出すると共に、自己につながる
伝送路を介して送られてくる他の検出した電圧、電流を
運用データとして取り込む伝送手段と、該伝送手段から
の運用データである他の検出した電圧、電流でと自己の
検出した電圧、電流データとから送電線の事故評価を行
い、事故であれば自己の電気所につながる事故送電線の
遮断を行い、回復後にはその閉路を行う制御手段と、よ
り成るループ状系統送電線の保護継電システムを提案さ
れる。
【0007】さらに、本発明によれば、やはり上記の目
的を達成するため、電源と遮断器とを備えた電気所を複
数個設置し、これら複数設置された電気所の間に送電線
をループ状に配置してなるループ系統送電線において、
送電系統に生じた異常から送電線を保護するループ系統
送電線の保護継電方法であって、前記ループ系統送電線
内の全ての電気所の状態をして送電系統に生じた異常を
検出し、前記遮断器を切断して当該異常箇所を前記ルー
プ系統送電線から切り離し、上記検出した異常の除去
後、前記ループ系統送電線内の全ての電気所の状態を確
認して前記遮断した遮断器の再閉路を行ってループ系統
送電線を復旧するループ系統送電線の保護継電方法が提
案される。
【0008】さらに、本発明によれば、やはり上記の目
的を達成するため、電源と遮断器とを備えた電気所を複
数個設置し、これら複数設置された電気所の間に送電線
をループ状に配置してなるループ系統送電線において使
用するループ系統用保護装置であって、各電気所におけ
る運用データを検出する手段と、前記運用データ検出手
段からの運用データを基に送電系統に生じた異常を判定
する手段と、前記運用データ検出手段からの運用データ
を他の電気所に伝送し、かつ、前記他の電気所からの運
用データを受信するための手段と、そして、前記運用デ
ータ検出手段からの運用データ及び受信した前記他の電
気所からの運用データを基に遮断した前記遮断器の再閉
路を行う手段とを備えたループ系統用保護装置が提案さ
れる。
【0009】上述のように、本発明によれば、ループ系
統送電線において、系統全体の状態を考慮して異常発生
区間を判定して当該異常を除去し、その後、系統全体の
状態を考慮して遮断器による再閉路を実施するようにし
たことにより、系統内における異常の波及及び系統動揺
を防止するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付の図面を参照しながら、詳細に説明を行う。ま
ず、図2には、本発明の実施の形態になるループ系統用
保護装置を備えたループ系統送電線が、いわゆる単線図
により示されている。かかるループ系統送電線の一例と
して、この図では、いわゆる5端子ループ系統のものが
示されている。同図において、符号11、12、13、
14、15は三相交流電源(例えば発電所からの発電出
力)であり、さらに、符号A、B、C、D、Eはこれら
三相交流電源11、12、13、14、15に対応した
電源端子を示している。そして、これら電源端子A、
B、C、D、Eの間には送電線21、22、23、2
4、25がループ状の結線により配置され、これによ
り、ループ状に囲まれた系統が形成されている。各送電
線21〜25のそれぞれの両端には、遮断器21A、2
1B〜25A、25Bが設置してある。例えば遮断機2
1A、23Aを含む21A−42−41−31−43−
23Aより成る一連部分は変電所内の設備である。21
B、22Aを含む一連部分、22B、25Bを含む一連
部分、24B、25Aを含む一連部分、24A、23B
を含む一連部分も同様にそれぞれ異なる変電所内設備で
ある。
【0011】上記の電源端子A、B、C、D、Eには、
それぞれ、ループ系統用保護装置31、32、33、3
4、35が設置されており、これらループ系統用保護装
置31、32、33、34、35は、それぞれ、その系
統内部の故障判定及び再閉路実施時の条件判定を実施す
る。これらループ系統用保護装置31、32、33、3
4、35は、図からも明らかなように、電圧変成器4
1、44、47、50、53から目的の電圧信号を取り
込み、さらには、電流変成器42、43、45、46、
48、49、51、52からそれぞれ各端の電流信号を
取り込み、もって、故障判定及び再閉路実施時の条件判
定を実施する。なお、後にも詳述するが、これらループ
系統用保護装置31、32、33、34、35は、図に
波線の矢印で示すように、互いにデータの伝送が可能に
接続されており、保護装置31〜35は、ループ状のネ
ットワークを形成している。
【0012】次に、図1には、上記三相交流電源11、
12、13、14、15の当該電源端子A、B、C、
D、Eに対して、それぞれ設けられた一対の遮断器と、
上記ループ系統用保護装置31、32、33、34、3
5とを含んで構成される変電所(電気所)の構成の一例
を示す。この一例としては、電源端子Aがつながる変電
所設備である。図には、上記三相交流電源11を含む電
源端Aと、一対の遮断器(CB)21A、23Aと、ル
ープ系統用保護装置31とから構成されるループ系統送
電線の保護継電システムの一部が示されている。なお、
ループ系統送電線の保護継電システムのその他の電気所
も、この図に示す構成と同様の構成となっている。
【0013】図1の電気所では、当該三相交流電源11
が一対の遮断器21A 、23Aを介して上記の送電線
21と23に接続されている。また、上記三相交流電源
11からの母線には、いわゆる、電圧変成器41が接続
され、さらに、前記母線と上記一対の遮断器21A、2
3Aとの間の送電線には、いわゆる、電流変流器42、
43が設けられている。そして、これら電圧変成器4
1、及び、一対の電流変流器42、43によって検出さ
れた電圧信号及び電流信号は、以下に詳述するループ系
統用保護装置31に入力するようになっている。
【0014】ループ系統用保護装置31は、図1にも示
すように、上記電圧変成器41、及び、一対の電流変流
器42、43からの電圧信号及び電流信号を入力する
(引き込む)フィルター(Fil)61と、その入力し
た電圧信号及び電流信号を、例えば電気角30°ピッチ
の所定のサンプリング間隔でサンプリングホールドして
アナログ量からディジタル量に変換するための、サンプ
ルホールド(S/H)回路62と、アナログ−ディジタ
ル変換器(A/D)63とを備えている。さらに、この
ループ系統用保護装置31は、上記アナログ−ディジタ
ル変換器(A/D)63から出力される電圧・電流のデ
ィジタル信号データ(運用データ)は、伝送装置64A
を介して、他の電源端子B及びEを含む2つの電気所に
データを送信する。伝送装置64Aは、電気/光変換器
(E/O)64a、64cで電気信号を光信号(例えば
PCM化した光信号)に変換し、B及びEへ光ファイバ
ーを通じて送る。また、光/電気変換器(O/E)64
b、64dでB及びEからの光信号を光ファイバーを通
じて受信し、取り込む。
【0015】なお、この電源端子A、B、C、D、Eを
含む各電気所の間のデータのループ形成の伝送システム
構成を図3に示す。図3には、端子A〜E側の各伝送装
置64A〜64Eをつなぐループ形式のネットワークを
示す。伝送装置64A〜64Eの間は、各送電線21、
22、25、24、23に近接して設けた光ファイバー
71〜75で接続する。各光ファイバー71〜75は、
双方向通信できるように、対の光ファイバー線路より成
る。光ファイバー73を予備用として使う伝送システム
の場合と、常時使う伝送システムの場合との2つの例が
ある。常時使うシステムの場合は、A→B→C→D→E
→A…のループ状ネットワークとなる。(常時システム
では図は2重ループ系、又は2本の並列ループ系とな
る)予備用として使うシステムの場合は、通常は光ファ
イバー73は不使用で、たとえば光ファイバー71が故
障した時にこの予備用光ファイバー73を通じてBを折
り返し点とするA→E→D→C→B→C→D…の伝送を
行う。予備として使うシステムでの途中折り返し型のネ
ットワークについて、以下説明する。
【0016】かかるネットワークでは、A〜E側の個々
で、自己が検出した電圧、電流データを一時記憶すると
共に、自己以外の他の端部側で検出した電圧、電流デー
タを、ネットワークを形成する上記各光ファイバーを通
じて取り込み一時記憶する。そして、A〜E側の各保護
装置31A〜31Eは、自己の電圧、電流データと他の
電圧、電流データと対比して、事故評定や事故個所の、
解析、更に、事故を起こした送電線の両側の遮断器(C
B)の遮断等の処置をする。各送電線についての事故評
定には、最小限、当該送電線の両側の電圧、電流データ
の対比が必要である。例えば送電線21の事故評定のた
めには、A端子側の検出電圧、電流データと、B端子側
の検出電圧、電流データとのつき合わせをすればよい。
これは、A端子側で行ってもよく、B端子側で行っても
よく、より正確にはA端子側及びB端子側の両者でそれ
ぞれ行う評定形式がよい。これにより例えば装置31が
21A、装置32が21Bの遮断を行い送電線21を完
全に系統から切り離す。これらの処理のために、上記各
光ファイバーより相手側へのデータ伝送を行う。
【0017】尚、送電線21の両側としたが、保護装置
31と33との間で互いに自己検出の電圧、電流データ
との相手検出の電圧、電流データとのつき合わせをする
広域評定をやることもある。またつき合わせで位相のつ
き合わせをする場合もある。こうした各保護装置31〜
35間で自己、及び相互つき合わせをするためには、各
保護装置が自己以外の他の全保護装置の検出電圧、電流
データを取り込んでおき、つき合わせまでの間、一時的
に記憶しておき、ソフト的につき合わせをする等のやり
方をとれはよい(例えば図1のラッチ回路65に一時記
憶)。
【0018】さて、光ファイバー73を予備系とした場
合のデータの伝送は以下の通りとなる。光ファイバーよ
り成る伝送路71に、端子A側の変成器41、変流器4
2、43で検出した電圧・電流データをPCMで送信す
る。次に、端子Bでは、端子Aからの受信データと自端
(端子B)のデータ及び自己の検出した電圧、電流デー
タを一時的に格納(例えば図1のラッチ回路64Aに格
納)すると共に、併せてこの自己の検出した電圧、電流
データ及びAから送られてきた電圧、電流データ(図1
のラッチ回路64Aからの点線矢印参照)を光ファイバ
ーより成る伝送路72に送信する。同様に、端子Bから
端子C、端子Cから端子D、端子Dから端子Eへ送信す
ることにより、端子EにはA端子からD端子までのデー
タ及び自端(端子E)データが得られる。なお、端子E
では自端のデータを含めた全端子のデータを、前述とは
逆の手順により端子D、端子C、端子B、端子Aの順に
送信することにより、全ての端子A、B、C、D、Eに
おいて、ループ系統全ての電圧・電流データを知ること
を可能としている。
【0019】ここで、電気所Aを基準にデータ通信開始
した場合、伝送路73は予備ルートであり、例えば伝送
ルート71に異常が発生した場合、端子Bを基準にデー
タ送信を開始するよう変更することにより、予備ルート
(不使用)を71とし、異常伝送路があっても、確実
に、各端子に全端子の運用データを送信して、正規に装
置応動を得ることを可能としている。なお、この実施の
形態では、他電気所へ向けてのデータ送信は、光ファイ
バーを介して行ったが、本発明はかかる方式に限定され
るものではなく、その他、例えばマイクロ回線や電話回
線などを用いることも可能である。
【0020】再び、上記図1に戻り、上記ループ系統用
保護装置31には、さらに、遮断器を開いて遮断する信
号(CBトリップ)を出力する異常判定回路65と、上
記遮断器を投入して再閉路し回路を復旧する信号(CB
トリップ)を出力する再閉路回路66を備えている。こ
の異常判定回路65及び再閉路回路66は、図からも明
らかなように、上記アナログ−ディジタル変換器(A/
D)63から出力された自端(端子A)の運用データと
共に、後者の折り返し型ループ形式では、隣接する端子
Bを介して、(前者のループ形式では端子Eを介し
て)、他の全ての端子B、C、D、Eの運用データが入
力される。これらは一時的にラッチされてつき合わせ等
の処理に利用される。そして、上記異常判定回路65に
より異常送電線あるいは異常電気所と判定された場合、
当該送電線に接続するこの異常判定の個所につながる遮
断器21A又は23Aを各々遮断する。更に、事故回復
後には、再閉路回路66が、入力した運用データから事
故からの回復されたことを判定し、遮断器21A、23
Aを再閉路する。
【0021】このループ系統保護装置31によれば、常
時、他の端子とのサンプリングの同期をとり、自端の電
圧・電流データをそれぞれ他の端子に送信する。そし
て、ループ系統用保護装置31は、送電線に事故が発生
すると、各端子の電圧・電流データを基にして、事故が
発生した送電線が、上記図2に示した送電線21、2
3、のいずれの送電線かを判定し、事故発生と判定され
た送電線をループ系統より切り放し、もって、系統を保
護する。その後、このループ系統保護装置31は、検出
した異常の除去後、再閉路回路66が前記ループ系統送
電線内の全ての電気所の状態を確認して前記遮断した遮
断器の再閉路を行ってループ系統送電線を復旧する。
【0022】上記ループ系統用保護装置31の異常判定
回路65及び再閉路回路66は、例えば、1個のマイク
ロプロセッサにより構成されており、その動作を、添付
の図4のフローチャートを参照しながら詳細に説明す
る。
【0023】まず、異常判定回路65は、その動作を開
始すると、系統異常が有るか否かを判定する(ステップ
90)。すなわち、各電気所の自端では、伝送装置64
からの他の端子のデータと自端データとを基に、異常判
定回路65により、系統における異常の有無を判定す
る。
【0024】続いて、異常判定回路65は、自端子及び
他端子のデータを基に、さらに、異常の発生した箇所を
判定する(ステップ91)。ここでは、各送電線毎に各
端子より送信されている電流信号によって、どの線路に
事故があったのか判定したり、各端子より送信されてい
る電圧信号により、どの電気所で異常が発生したのかを
判定する。なお、送電線では、通常、送電事故が無けれ
ば送電線に流れる両端子の電流の大きさは同じであり、
これに対して、同じでない場合には当該送電線の異常と
判別ができる。例えば、図2において、電気所Aの電流
変流器42と電気所Bの電流変流器45で電流を比較
し、これらが同じでない場合には、送電線21の異常と
判断できる。また、全端子の電圧信号を比較し、これら
電圧データ(その大きさや位相)が不一致の場合に当該
電気所異常と判別ができる。例えば、図2において、全
電気所の電圧変成器41、44、47、50、53の全
電圧情報を比較し、電圧変成器44の電圧データのみが
異常(不一致)の場合には、電気所Bの異常を判別でき
る。
【0025】このようにして、上記のステップ91にお
いて、異常が送電線に発生していると判定された場合に
は、当該送電線を切り放すため、CB遮断指令を出力す
る。その後、ループ系統状態が回復した(すなわち、O
Kとなった)ことを確認し(ステップ94)、これがO
Kとなった時点で当該遮断したCBを投入して再閉路
し、ループ系統送電線を回復して(ステップ96)終了
する。
【0026】他方、上記のステップ91において、異常
が電圧において判定された場合には、当該電気所を切り
放すため、CB遮断指令を出力する。その後、当該電気
所の電圧が正常に復旧したことを確認し(ステップ9
5)、復旧した時点で当該遮断したCBを投入して再閉
路して(ステップ97)終了する。
【0027】添付の図5には、上記図2に説明したルー
プ系統送電線において送電線異常発生した場合の応動を
示す。まず、図5(a)に示すように、送電線21に系
統異常(短絡・地絡事故)Fが発生した場合、変流器4
2及び45の電流情報により、送電線21の異常と判断
し、図5(b)に示すように、遮断器26、28を開放
する。これにより、系統異常を除去し、図5(c)に示
すように、一定時間経過の後、他の遮断器が全て閉じて
いることを条件に、遮断器26及び28を再閉路する。
これは、従来、端子Aと端子Bの電圧位相の一致を検出
して再閉路実施することが条件であったが(位相が一致
していない場合、系統動揺となる)、上記の本発明にな
る装置では、上述のように、伝送される運用データによ
り、各端子においてループ系統の他の遮断器が全て閉じ
ているのを確認できるため、端子Aと端子Bは同一電圧
位相であると推定でき、そのため、その電圧位相を確認
をしなくとも、再閉路の実施が可能となる。
【0028】また、図6には、電気所電圧異常発生した
場合の応動を示す。ここでは、図6(a)に示すよう
に、各端子の変成器からの電圧データに対して、端子C
の変成器47からの電圧データのみが異常(不一致)と
なった場合、当該端子Cの電源13を含む電気所に異常
Fが発生したと判定される。そこで、図6(b)に示す
ように、遮断器29、30を開放することにより、電気
所Cを当該ループ系統より切り離し、異常箇所を除去す
る。そして、異常除去後は、端子Cの電圧が正常か否か
を、他の端子の電圧データと比較して待機し、図6
(c)に示すように、当該端子Cの電圧データが正常
(他の端子電圧に一致)となった場合に、遮断器29、
30を再閉路し、ループ系統を復旧する。
【0029】このように、本実施の形態によれば、ルー
プ系統全体の状態を把握し、ひとたび系統に異常が発生
した場合、どの送電線、あるいは、どの電気所で異常が
発生したか判定し、速やかに当該異常区間を遮断して切
り離し、事故波及を防止することができる。そして、所
定の時間経過した異常除去後、ループ系統全体の状態を
把握し、系統の運用状態に合わせた適切な再閉路を実施
することが可能になることから、異常除去後の系統動揺
などの発生を防止して、異常除去後の安定運用を実現す
る。更に、本実施の形態によれば、各電気所につながる
2つの送電線について、1個の異常判定回路65、1個
の再閉路回路66で開路、閉路が可能となる。
【0030】なお、上記に説明した本発明になる実施の
形態では、ループ系統用保護装置を備えたループ系統送
電線は、上記図1〜図3のように構成されているが、し
かしながら、本発明はこれらの構成例に限定されること
なく、本発明の趣旨を変更しない範囲において、種々の
変更・変形が可能であることは言うまでもない。また、
図2により示した送電線の保護には、電流作動方式の原
理に基づいて事故判定をするものとして説明したが、こ
れのみに限られることなく、例えば、距離継電方式のよ
うな、自端電圧・電流から事故判定するものであっても
よく、その他の種々の事故判定原理のものも採用が可能
である。さらに、他の変形例としては、図2では、ルー
プ系統送電線は、いわゆる、ループ5端子系統を用いて
説明したが、それ以外にも、例えば3端子以上のループ
及び1つの端子側から3個(図2は2個の例)以上の分
岐系統のあるループ系統であっても、やはり、本発明は
適用可能である。
【0031】図7には他の伝送ネットワーク例を示す。
図7(イ)がクローズループ伝送路50を有し、及び該
伝送路に保護装置31〜35を並列に接続した例であ
る。ループ伝送路50には、データ送信源としての保護
装置31〜35のID番号を付した運用データを流し、
それぞれの保護装置の運用データを自在に取り込めるよ
うにしたものである。図7(ロ)は保護装置31〜35
とループ伝送ロ50との間で、入力線Iと出力線Oとを
介してデータの受け渡しを行うようにしたものである。
また、ループ伝送路の故障を考慮して、ループ伝送路5
0を2重系などの多重系にすれば信頼性は高くなる。
尚、送電線以外にループ形式の配電線にも適用可能であ
る。
【0032】
【発明の効果】以上の詳細な説明からも明らかなよう
に、本発明になるループ系統送電線の保護継電システム
と保護継電方法、さらには、かかるシステムに使用する
ループ系統用保護装置によれば、各端子側の各電気所で
検出した電圧・電流データにより、その電気所につなが
る系統内の異常部位を的確に判定して遮断することが可
能であり、さらに、かかる異常の除去後においても、各
端子の検出した電圧・電流データによりループ系統全体
の状態を把握して再閉路することにより、系統の安定化
を図ることが可能になるという効果がある。すなわち、
電気所における電圧異常時においても、各端子の検出し
た電圧・電流データにより、当該異常送電線あるいは異
常電気所を確実に判別して遮断し(切離し)することが
可能であり、これにより、異常電気所によるループ系統
内の他の電気所への異常波及を防止でき、異常の除去後
は、各端子の検出した電圧・電流データにより、系統の
運用状態に合わせ適切な再閉路を実施することにより、
系統動揺を未然に防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態になるループ系統用保護装
置の一構成例を示す回路図である。
【図2】上記ループ系統用保護装置を備えた本発明のル
ープ系統送電線の単線図による回路構成図である。
【図3】上記本発明のループ系統送電線におけるデータ
の伝送システムの構成の一例を示す図である。
【図4】上記ループ系統用保護装置における異常検出及
び再閉路の動作手順を示すフローチャートである。
【図5】上記ループ系統用保護装置を備えたループ系統
送電線における送電線異常時の装置応動を説明する動作
説明図である。
【図6】やはり、上記ループ系統用保護装置を備えたル
ープ系統送電線における電気所電圧異常時の装置応動を
説明する動作説明図である。
【図7】他の伝送ループ例を示す図である。
【符号の説明】
11、12、13、14、15 三相交流電源 A、B、C、D、E 電源端子 21、22、23、24、25 送電線 26、27 遮断器(CB) 31、32、33、34、35 ループ系統用保護装置 41、44、47、50、53 電圧変成器 42、43、45、46、48、49、51、52 電
流変流器 61 フィルター(Fil) 62 サンプルホールド(S/H)回路 63 アナログ−ディジタル変換器(A/D) 64 伝送装置 65 異常判定回路 66 再閉路回路 71、72、73、74 伝送路

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の電気所を介してループ状に形成さ
    れたループ状系統送電線において、各電気所に設けた系
    統用保護装置と、各保護装置をつなぐ伝送路と、より成
    ると共に、上記各保護装置は、 自己の電気所に接続された複数の送電線についてそれぞ
    れ電圧及び又は電流を検出する検出手段と、 自己につながる伝送路へ各検出した電圧、電流データを
    送出すると共に、自己につながる伝送路を介して送られ
    てくる他の検出した電圧、電流データを運用データとし
    て取り込む伝送手段と、 該伝送手段からの運用データである他の検出した電圧、
    電流データと自己の検出した電圧、電流データとから送
    電線の事故評定を行い、事故であれば自己の電気所につ
    ながる事故送電線の遮断を行い、回復後にはその閉路を
    行う制御手段と、 より成るループ状系統送電線の保護継電システム。
  2. 【請求項2】 上記電気所は3個以上とする請求項1の
    ループ状系統送電線の保護継電システム。
  3. 【請求項3】 前記請求項1に記載したループ系統送電
    線の保護継電システムにおいて、前記系統保護装置は、
    接続された前記送電線の電流及び又は電圧に加え、さら
    に、前記電源の位相の少なくとも一を検出して前記運用
    データとしていることを特徴とするループ系統送電線の
    保護継電システム。
  4. 【請求項4】 前記請求項1に記載したループ系統送電
    線の保護継電システムにおいて、前記複数の電気所に設
    けられた前記複数の保護装置は、伝送路によりループ状
    に接続されていることを特徴とするループ系統送電線の
    保護継電システム。
  5. 【請求項5】 前記請求項4に記載したループ系統送電
    線の保護継電システムにおいて、前記複数の電気所に設
    けられた前記複数の系統保護装置をループ状に接続する
    前記伝送路は、さらに、予備伝送路を備えていることを
    特徴とするループ系統送電線の保護継電システム。
  6. 【請求項6】 電源と遮断器とを備えた電気所を複数個
    設置し、これら複数設置された電気所の間に送電線をル
    ープ状に配置してなるループ系統送電線において、送電
    系統に生じた異常から送電線を保護するループ系統送電
    線の保護継電方法であって、前記ループ系統送電線内の
    全ての電気所の状態をして送電系統に生じた異常を検出
    し、前記遮断器を切断して当該異常箇所を前記ループ系
    統送電線から切り離し、上記検出した異常の除去後、前
    記ループ系統送電線内の全ての電気所の状態を確認して
    前記遮断した遮断器の再閉路を行ってループ系統送電線
    を復旧することを特徴とするループ系統送電線の保護継
    電方法。
  7. 【請求項7】 前記請求項6に記載したループ系統送電
    線の保護継電方法において、前記送電系統の異常の検出
    あるいは前記電気所の状態の確認を、前記送電線の電
    流、電圧、及び、前記電源の位相の少なくとも一を検出
    して行うことを特徴とするループ系統送電線の保護継電
    方法。
  8. 【請求項8】 前記請求項6に記載したループ系統送電
    線の保護継電方法において、上記検出した異常の除去
    後、前記切断した遮断器を、その他の遮断器全て閉じて
    いることを条件にして再閉路することを特徴とするルー
    プ系統送電線の保護継電方法。
  9. 【請求項9】 電源と遮断器とを備えた電気所を少なく
    とも複数個設置し、これら複数設置された電気所の間に
    送電線をループ状に配置してなるループ系統送電線にお
    いて使用するループ系統用保護装置であって、各電気所
    における運用データを検出する手段と、前記運用データ
    検出手段からの運用データを基に送電系統に生じた異常
    を判定する手段と、前記運用データ検出手段からの運用
    データを他の電気所に伝送し、かつ、前記他の電気所か
    らの運用データを受信するための手段と、そして、前記
    運用データ検出手段からの運用データ及び受信した前記
    他の電気所からの運用データを基に遮断した前記遮断器
    の再閉路を行う手段とを備えたことを特徴とするループ
    系統用保護装置。
  10. 【請求項10】 前記請求項9に記載したループ系統用
    保護装置において、前記運用データ検出手段は、前記各
    電気所における電流あるいは電圧を検出する変成器と、
    前記変成器で検出された検出値をディジタルデータに変
    換する変換手段を備えていることを特徴とするループ系
    統用保護装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2390768A (en) * 2000-07-18 2004-01-14 Univ Sungkyunkwan Power transmission line recloser with variable dead time
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