JPH09232848A - アレーアンテナの制御装置 - Google Patents

アレーアンテナの制御装置

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JPH09232848A
JPH09232848A JP8036704A JP3670496A JPH09232848A JP H09232848 A JPH09232848 A JP H09232848A JP 8036704 A JP8036704 A JP 8036704A JP 3670496 A JP3670496 A JP 3670496A JP H09232848 A JPH09232848 A JP H09232848A
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antenna element
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transmission
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Akio Horie
章夫 堀江
Tatsu Miura
龍 三浦
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ATR HIKARI DENPA TSUSHIN KENKY
ATR HIKARI DENPA TSUSHIN KENKYUSHO KK
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ATR HIKARI DENPA TSUSHIN KENKY
ATR HIKARI DENPA TSUSHIN KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 方位センサを用いることなく、複数の多重波
が到来する環境においても、最大受信波の方向に送信ビ
ームを形成することができ、しかも演算が簡単なアレー
アンテナの制御装置を提供する。 【解決手段】 アレーアンテナの各アンテナ素子の受信
信号を2つの直交ベースバンド信号に変換し、各アンテ
ナ素子に対応する受信ウエイトを演算し、受信ウエイト
に基づいてアンテナ素子で受信された受信信号と基準の
アンテナ素子で受信された受信信号との間の受信位相差
を演算し、受信位相差に基づいて基準のアンテナ素子に
対する各アンテナ素子の位相差を、最大受信波に対して
等位相の1次回帰平面に回帰させて、2つのアンテナの
間の位相差から送信位相差を演算して、上記送信位相差
で、送信信号をアンテナ素子から送信することにより、
最大受信波の方向に送信主ビームを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アレーアンテナの
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両等に搭載し静止衛星の方向を
自動的に追尾する衛星通信用のフェーズドアレーアンテ
ナ(以下、第1の従来例という。)が郵政省通信総合研
究所によって試作されている。この第1の従来例のフェ
ーズドアレーアンテナは、19個のマイクロストリップ
アンテナ素子で構成され、1素子を除く各素子毎に計1
8個のマイクロ波移相器を備え、機械駆動せずに電気的
に送信ビームの方向を走査する。ここで、アンテナの指
向性を制御し、到来ビームの方向を追尾するためのセン
サーとして、地磁気の方向を検出し予め既知である車両
から見た静止衛星の方向を計算するための磁気センサ、
並びに車両の回転角速度を検出して精度よくビームの方
向を一定に保つための光ファイバジャイロを備えてい
る。これら2つのセンサを組み合わせることにより、到
来ビームの有無に関らず、ある一定の方向にアンテナの
送信指向性を向け、車両が移動しても常に同じ方向にそ
の指向性を保持するように構成されている。また、マイ
クロ波移相器に周波数特性をもたせることにより、送信
と受信の周波数は異なる場合でも両方で同じ方向に指向
性が形成されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1の従来例のフェーズドアレーアンテナは、到来信号の
有無に関らず信号源の方向が既知であればその方向に送
信ビームを向けることができるが、信号源の方向が未知
の場合または低軌道周回衛星など信号源自体が移動して
しまう場合にはその動きが全て予測可能な場合を除き、
追尾不可能である。また、信号源の方向が既知の場合で
も、磁気センサは、絶対方位を知ることができるが、周
囲の金属による磁界の影響を受けやすく、光ファイバジ
ャイロは、周囲の金属による磁界の影響は受けないが、
角速度を検出してこれを積算して絶対方位を求めるため
誤差の蓄積を受けやすい。これらの特徴を組み合わせ
て、互いに補完しながら正確な追尾を行う方法は、構成
が複雑になるとともに、上記のように性能が限定される
という問題点があった。
【0004】上記の問題点を解決するために、到来波の
方向を知るための特別なセンサを用いることなく到来信
号方向に送信ビームを形成する方法として、受信位相差
をそのまま用いて、あるいは送信と受信の周波数に応じ
てこれを変換して送信位相差とする方法(以下、第2の
従来例という。)が、本出願人によって、特願平7−1
17167号の特許出願において提案されている。第2
の従来例の方法は、互いに近接した各2つのアンテナ素
子間の受信位相差を演算し、当該受信位相差がもつ位相
不確定のすべての候補に対応した等位相の複数の1次回
帰平面を最小2乗法を用いて演算し、さらに最大受信波
に対応した1次回帰平面を1つだけ特定することにより
当該受信位相差を補正して、上記補正された受信位相差
に基づいて最大受信波の方向のみに送信ビームを形成す
るものである。この第2の従来例は、複数の多重波が到
来する環境、もしくは受信位相差に位相不確定が生じる
場合においても、最大受信波の方向のみに単一の送信主
ビームを形成することができるという優れた特徴を有す
る。
【0005】しかしながら、上記第2の従来例の送信ビ
ーム形成方法の場合、所定の基準のアンテナ素子と各ア
ンテナ素子の間の送信位相差を演算する際、最小2乗法
により複数の等位相の1次回帰平面を演算し、条件分岐
により平面を特定する必要があり、演算が複雑であると
いう問題点があった。
【0006】本発明の目的は以上の問題点を解決し、方
位センサ等を用いることなく、また複数の多重波が到来
する環境、もしくは受信位相差に位相不確定が生じる場
合においても、最大受信波の方向のみに単一の送信主ビ
ームを形成することができ、しかも演算が簡単なアレー
アンテナの制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載のアレーアンテナの制御装置は、所定の配置形状で近
接して並置された複数のアンテナ素子からなるアレーア
ンテナを制御するためのアレーアンテナの制御装置にお
いて、上記アレーアンテナの各アンテナ素子でそれぞれ
受信された複数の受信信号をそれぞれ共通の局部発振信
号を用いて互いに直交する各2つの直交ベースバンド信
号に変換する変換手段と、上記変換手段で変換された各
2つの直交ベースバンド信号に基づいて、上記複数のア
ンテナ素子のうちの所定の基準のアンテナ素子で受信さ
れた受信信号と、上記複数のアンテナ素子のうちの任意
のアンテナ素子で受信された受信信号の共役複素数との
複素共役積である当該任意のアンテナ素子に対応する受
信ウエイトを演算する受信ウエイト演算手段と、上記受
信ウエイト演算手段で演算された上記基準のアンテナ素
子に隣接するアンテナ素子に対応する受信ウエイトと、
上記受信ウエイト演算手段で演算された上記基準のアン
テナ素子に対応する受信ウエイトの共役複素数との複素
共役積である第1の複素共役積に基づいて、上記基準の
アンテナ素子に隣接するアンテナ素子で受信された受信
信号と、上記基準アンテナ素子で受信された受信信号と
の間の第1の位相差を演算する第1の位相差演算手段
と、上記受信ウエイト演算手段で演算された各受信ウエ
イトのうち、互いに隣接するアンテナ素子に対応する2
つの受信ウエイトに基づいて、当該2つの受信ウエイト
のうちの一方の受信ウエイトと、他方の受信ウエイトの
共役複素数との複素共役積である第2の複素共役積を演
算して、上記第2の複素共役積と、上記第1の複素共役
積の共役複素数との複素共役積である第3の複素共役積
を演算する複素共役積演算手段と、上記複素共役積演算
手段で演算された第3の複素共役積に基づいて、互いに
隣接するアンテナ素子で受信された受信信号の間の位相
差と、上記第1の位相差との差である第2の位相差を演
算する第2の位相差演算手段と、上記第1の位相差演算
手段で演算された第1の位相差と上記第2の位相差演算
手段で演算された第2の位相差とに基づいて、任意のア
ンテナ素子で受信された受信信号と、上記基準のアンテ
ナ素子で受信された受信信号との間の受信位相差を演算
する受信位相差演算手段と、上記受信位相差演算手段で
演算された上記各受信位相差に基づいて、上記各アンテ
ナ素子の配置に対応しかつ上記基準のアンテナ素子に対
する任意のアンテナ素子の各位相差を、最小2乗法を用
いて、上記複数のアンテナ素子で受信された受信波のう
ちの、電力が最大の受信波である最大受信波に対して等
位相の1次回帰平面に回帰させて当該1次回帰平面を演
算する回帰平面演算手段と、上記回帰平面演算手段で演
算された1次回帰平面の互いに隣接する任意の2つのア
ンテナ素子の間の位相差に、所定の受信周波数に対する
所定の送信周波数の比を乗算することにより送信位相差
を演算する送信位相差演算手段とを備え、上記送信位相
差演算手段で演算された各2つのアンテナ素子間の送信
位相差で、送信信号を上記各アンテナ素子から送信する
ことにより、上記最大受信波の方向に送信主ビームを形
成することを特徴とする。
【0008】また、本発明に係る請求項2記載のアレー
アンテナの制御装置は、等間隔に近接して並置された複
数のアンテナ素子からなるアレーアンテナを制御するた
めのアレーアンテナの制御装置において、上記アレーア
ンテナの各アンテナ素子でそれぞれ受信された複数の受
信信号をそれぞれ共通の局部発振信号を用いて互いに直
交する各2つの直交ベースバンド信号に変換する変換手
段と、上記変換手段で変換された各2つの直交ベースバ
ンド信号に基づいて、所定のビーム形成法を用いて、所
定の複数のビーム方向に対応して複数のビームを形成
し、上記形成された複数のビームに対応する複数のビー
ム受信信号を生成するビーム形成手段と、上記ビーム形
成手段で生成された複数のビーム受信信号のうち、所定
のしきい値以上の電力を有するビーム受信信号を選択し
て少なくとも1つのビーム受信信号を出力するビーム選
択手段と、上記ビーム選択手段で選択されたビーム受信
信号のうちの基準のビーム受信信号と、上記ビーム選択
手段で選択されたビーム受信信号のうちの任意のビーム
受信信号の共役複素数との複素共役積である当該任意の
ビームに対応する受信ビームウエイトを演算する受信ビ
ームウエイト演算手段と、上記受信ビームウエイト演算
手段で演算された受信ビームウエイトに基づいて、上記
各アンテナ素子に対応する各受信ウエイトを演算する受
信ウエイト演算手段と、上記受信ウエイト演算手段で演
算された受信ウエイトのうち、上記複数のアンテナ素子
のうちの所定の基準のアンテナ素子に隣接するアンテナ
素子に対応する受信ウエイトと、上記基準のアンテナ素
子に対応する受信ウエイトの共役複素数との複素共役積
である第1の複素共役積に基づいて、上記基準のアンテ
ナ素子に隣接するアンテナ素子で受信された受信信号
と、上記基準アンテナ素子で受信された受信信号との間
の第1の位相差を演算する第1の位相差演算手段と、上
記受信ウエイト演算手段で演算された受信ウエイトのう
ち、互いに隣接するアンテナ素子に対応する2つの受信
ウエイトに基づいて、当該2つの受信ウエイトのうちの
一方の受信ウエイトと、他方の受信ウエイトの共役複素
数との複素共役積である第2の複素共役積を演算して、
上記第2の複素共役積と、上記第1の複素共役積の共役
複素数との複素共役積である第3の複素共役積を演算す
る複素演算積演算手段と、上記複素演算積演算手段で演
算された第3の複素共役積に基づいて、互いに隣接する
アンテナ素子で受信された受信信号の間の位相差と、上
記第1の位相差との差である第2の位相差を演算する第
2の位相差演算手段と、上記第1の位相差演算手段で演
算された第1の位相差と上記第2の位相差演算手段で演
算された第2の位相差とに基づいて、任意のアンテナ素
子で受信された受信信号と、上記基準のアンテナ素子で
受信された受信信号との間の受信位相差を演算する受信
位相差演算手段と、上記受信位相差演算手段で演算され
た上記各受信位相差に基づいて、上記各アンテナ素子の
配置に対応しかつ上記基準のアンテナ素子に対する任意
のアンテナ素子の各位相差を、最小2乗法を用いて、上
記複数のアンテナ素子で受信された受信波のうちの、電
力が最大の受信波である最大受信波に対して等位相の1
次回帰平面に回帰させて当該1次回帰平面を演算する回
帰平面演算手段と、上記回帰平面演算手段で演算された
1次回帰平面の互いに隣接する任意の2つのアンテナ素
子の間の位相差に、所定の受信周波数に対する所定の送
信周波数の比を乗算することにより送信位相差を演算す
る送信位相差演算手段とを備え、上記送信位相差演算手
段で演算された各2つのアンテナ素子間の送信位相差
で、送信信号を上記各アンテナ素子から送信することに
より、上記最大受信波の方向に送信主ビームを形成する
ことを特徴とする。
【0009】さらに、請求項3記載のアレーアンテナの
制御装置は、請求項1又は2記載のアレーアンテナの制
御装置においてさらに、上記回帰平面演算手段で演算さ
れた1次回帰平面上の互いに隣接する任意の2つのアン
テナ素子間の位相差を、−πから+πまでの範囲の値と
なる位相差に変換する位相補正手段を備え、上記送信位
相差演算手段は、上記位相補正手段で変換された位相差
に上記受信周波数に対する上記送信周波数の比を乗算し
て送信位相差を演算することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施形態について説明する。 <第1の実施形態>図1は本発明に係る第1の実施形態
である通信用アレーアンテナの自動ビーム捕捉追尾装置
のブロック図である。第1の実施形態の通信用アレーア
ンテナの自動ビーム捕捉追尾装置は、受信信号の波長の
1/2又は送信信号の波長の1/2、もしくは受信信号
の波長と送信信号の波長の平均値の1/2の長さである
所定の間隔で一直線上に並置された複数N個のアンテナ
素子A1,A2,…,Ak,…,ANからなるアレーア
ンテナ1の指向性を、ディジタル位相変調波又は無変調
波などの無線信号波の到来ビームの方向へ高速で向け、
その追尾を行う。ここで、特に、第1の実施形態の捕捉
追尾装置は、最大比合成回路4と、送信ウエイト演算回
路30とを備えたことを特徴としている。そして、信号
源となる相手局の方位が未知である場合においても、方
位センサ等を用いることなしに、信号源から送信される
到来波から得られる各アンテナ素子毎のベースバンド信
号に基づいて到来波の方向に送信ビームを形成し、ま
た、複数の多重波が到来する環境においても、あるいは
受信位相差に位相不確定が生じる場合においても、1つ
の1次回帰平面を演算するだけで、多重波の影響及び位
相不確定を除去でき、最大受信波の方向のみに単一の送
信主ビームを形成する。
【0011】図1に示すように、アレーアンテナ1は、
N個のアンテナ素子A1乃至ANと、送受分離器である
サーキュレータCI−1乃至CI−Nとを備える。ま
た、受信モジュールRM−1乃至RM−Nはそれぞれ、
低雑音増幅器2と、第1局部発振器11から出力される
共通の第1局部発振信号を用いて、受信された無線周波
数を有する無線信号を所定の中間周波数を有する中間周
波信号に周波数変換するダウンコンバータ(D/C)3
とを備える。
【0012】当該捕捉追尾装置の受信部はさらに、N個
のA/D変換器AD−1乃至AD−Nと、第2局部発振
器12から出力される共通の第2局部発振信号を用い
て、A/D変換後の中間周波信号を準同期検波して、互
いに直交する2つのベースバンド信号(以下、これら2
つのベースバンド信号を直交ベースバンド信号とい
う。)に変換するN個の準同期検波回路QD−1乃至Q
D−Nと、上記変換された直交ベースバンド信号に基づ
いて最大比合成するような各直交ベースバンド信号に対
する受信ウエイトW1 RX,W2 RX,…,WN RXを演算し
て、上記各直交ベースバンド信号に対して演算した受信
ウエイトW1 RX,W2 RX,…,WN RXを乗算した後同相合
成して復調器5に出力する最大比合成回路4と、最大比
合成回路4によって演算された受信ウエイトW1 RX,W2
RX,…,WN RXに基づいて、本発明に係る方法により送
信ウエイトW1 TX,W2 TX,…,WN TXを演算して位相・
振幅補正部13−1乃至13−Nに出力する送信ウエイ
ト演算回路30と、最大比合成回路4から出力されるベ
ースバンド信号から所定のベースバンド復調処理により
同期検波又は遅延検波を行い、所望のディジタルデータ
を抽出して受信データとして出力する復調器5とを備え
る。
【0013】当該受信部において、アレーアンテナ1内
の各アンテナ素子A1乃至ANから最大比合成回路4ま
では、各アンテナ素子の系統毎に、縦続接続されてい
る。当該受信部における各アンテナ素子の系統毎の信号
処理は同様に実行されるので、アンテナ素子Ak(アン
テナ素子A1乃至ANのうちの1つを代表してAkと付
す。)で受信された無線信号波についての処理について
述べる。
【0014】アンテナ素子Akで受信された無線信号波
は、サーキュレータCI−kと、受信モジュールRM−
k内の低雑音増幅器2とを介してダウンコンバータ3に
入力される。受信モジュールRM−k内のダウンコンバ
ータ3は、第1局発振器11から出力される共通の第1
局部発振信号を用いて、入力された無線信号を所定の中
間周波数を有する中間周波信号に周波数変換して、A/
D変換器AD−kを介して準同期検波回路QD−kに出
力する。準同期検波回路QD−kは、第2局部発振器1
2から出力される共通の第2局部発振信号を用いて、入
力されたA/D変換後の中間周波信号を準同期検波して
2つの直交ベースバンド信号Ik,Qkに変換して最大比
合成回路4に出力する。
【0015】最大比合成回路4は、上記変換された直交
ベースバンド信号に基づいて最大比合成するような各直
交ベースバンド信号に対する受信ウエイトW1 RX
2 RX,…,WN RXを演算して、上記各直交ベースバンド
信号に対して演算した受信ウエイトW1 RX,W2 RX,…,
N RXを乗算した後同相合成して復調器5に出力する。
さらに、送信ウエイト演算回路30は、最大比合成回路
4によって演算された受信ウエイトW1 RX,W2 RX,…,
N RXに基づいて、本発明に係る方法により、到来波の
方向に送信ビームを形成し、また、複数の多重波が到来
する環境においても、あるいは受信位相差に位相不確定
が生じる場合においても、それら多重波の影響及び位相
不確定を除去し、最大受信波の方向のみに単一の送信主
ビームを形成するように、送信ウエイトW1 TX,W2 TX
…,WN TXを演算して、送信ウエイトW1 TX,W2 TX
…,WN TXをそれぞれ、位相・振幅補正部13−1乃至
13−Nに出力する。一方、復調器5は、最大比合成回
路4から出力されるベースバンド信号から所定のベース
バンド復調処理により同期検波又は遅延検波を行い、所
望のディジタルデータを抽出して受信データとして出力
する。なお、最大比合成回路4と送信ウエイト演算回路
30の回路処理については詳細後述する。
【0016】次に、図1を参照して、当該捕捉追尾装置
の送信部について説明する。当該送信部は、N個の送信
モジュールTM−1乃至TM−Nと、第1の送信局部発
振器14と、第2の送信局部発振器10と、N個の直交
変調回路6−1乃至6−Nと、位相・振幅補正部13−
1乃至13−Nと、同相分配器9とを備える。ここで、
各送信モジュールTM−1乃至TM−Nはそれぞれ、入
力された中間周波信号と第1の送信局部発振器14から
入力される第1の送信局部発振信号とを混合して、所定
の送信無線周波数を有する送信信号に周波数変換するア
ップコンバータ(U/C)7と、送信電力増幅器8とを
備える。ここで、位相・振幅補正部13−kは、送信ウ
エイト演算回路30から入力される送信ウエイト
1 TX,W2 TX,…,WN TXに基づいて、それらに対応し
た各位相と振幅を有するように各ベースバンド送信信号
TXの位相と振幅を補正して、補正後のベースバンド送
信信号Sk TXを直交変調回路6−kに出力する。
【0017】送信データである送信ベースバンド信号S
TXは同相分配器9に入力された後、同相分配されて、分
配後の各送信ベースバンド信号STXは、各位相・振幅補
正部13−1乃至13−Nによって、送信ウエイトW1
TX,W2 TX,…,WN TXに対応した各振幅及び位相を有す
るように振幅と位相とが補正されて、補正後のベースバ
ンド送信信号Sk TXが直交変調回路6−kに入力され
る。直交変調回路6−kは、第2の送信局部発振器10
で発生された第2の送信局部発振信号を位相・振幅補正
部13−kから入力された送信ベースバンド信号Sk TX
に従って、例えばQPSKなどの直交変調した後、直交
変調後の中間周波信号を、送信モジュールTM−k内の
アップコンバータ7と送信電力増幅器8とを介して、送
信無線信号として、アレーアンテナ1内のサーキュレー
タCI−kに入力する。ここで、直交変調器6−kは入
力される送信ベースバンド信号Sk TXをシリアル/パラ
レル変換して送信直交ベースバンド信号に変換した後、
当該送信直交ベースバンド信号に従って互いに90°の
位相差を有する第2の送信局部発振信号を直交変調して
合成することにより上記中間周波信号を得る。そして、
上記送信無線信号がアンテナ素子A1から送信放射され
る。従って、アンテナ素子A1乃至ANから送信ウエイ
トW1 TX,W2 TX,…,WN TXで重み付けされた送信信号
が放射される。なお、第1の実施形態においては、各ア
ンテナ素子Akから送信される送信信号は、詳細後述す
るように、送信ウエイトW1 TX,W2 TX,…,WN TXで重
み付けされていて、かつ所定の振幅で送信される。
【0018】第1の実施形態においては、例えばN=1
6個のアンテナ素子A1乃至A16が等間隔で1直線上
に並置される。上記間隔は上述のように、送信信号の半
波長、受信信号の半波長又はそれらの平均値の半波長に
設定される。また、アンテナ素子A1乃至ANは例え
ば、円形パッチマイクロストリップアンテナである。
【0019】図2は、最大比合成回路4における信号処
理を示すブロック図である。第1の実施形態の最大比合
成回路4における信号処理においては、各アンテナ素子
A1乃至AN毎にA/D変換されて準同期検波されたI
成分及びQ成分よりなる直交ベースバンド信号に対して
行う。ここで、アレーアンテナ1のアンテナ素子数をN
とすると、位相基準となるアンテナ素子Arと、上記ア
ンテナ素子Arを含む任意のアンテナ素子Ak(1≦r
≦N,1≦k≦N)におけるベースバンド信号Sr,Sk
は、複素数で表現するとそれぞれ次のようになる。ここ
で、ベースバンド信号Srを基準ベースバンド信号とい
い、ベースバンド信号Skを処理ベースバンド信号とい
う。なお、位相基準となるアンテナ素子(以下、これを
アンテナ素子Arという。)はN個のアンテナ素子のう
ちの予め決められた1つである。処理ベースバンド信号
kを受信したアンテナ素子を処理アンテナ素子Akと
いう。
【0020】
【数1】 Sr =Ir+j・Qr =√(Ir 2+Qr 2)exp(jφ0
【数2】 Sk =Ik+j・Qk =√(Ik 2+Qk 2)exp{j(φ0−θk)}
【0021】ここで、φ0は基準のアンテナ素子Arの
ベースバンド信号の位相、θkは基準のアンテナ素子A
rの受信信号とアンテナ素子Akの受信信号との間の位
相差である。各アンテナ素子Akに対する受信ウエイト
k RXは、各2つの直交ベースバンド信号に基づいて、
基準のアンテナ素子Arで受信された基準ベースバンド
信号Srと、アンテナ素子Akで受信された処理ベース
バンド信号Skの共役複素数との複素共役積で表すこと
ができる。すなわち、各アンテナ素子Akに対する受信
ウエイトWk RXは、次の数3のように表わすことができ
る。
【0022】
【数3】 Wk RX =Sr・Sk* =|Sr||Sk|exp[j{φ0−(φ0−θk)}] =|Sr||Sk|exp(jθk
【0023】ここで、数3における|・|は信号の振幅
であり、*は共役複素数であることを表している。数3
から明らかなように、θkは基準のアンテナ素子Arの
受信信号と各アンテナ素子Akの受信信号との間の位相
差であると同時に、受信ウエイトWk RXの位相である。
数3で与えられる各アンテナ素子Akに対する受信ウエ
イトWk RXを当該アンテナ素子Akで受信された処理ベ
ースバンド信号Skに掛け合わせる。これによって、各
処理ベースバンド信号Skは、基準アンテナ素子Arで
受信された基準ベースバンド信号Srに同相化される。
これを全てのアンテナ素子A1乃至ANに対して演算
し、それらの総和(W1 RX1+W2 RX2+…+W
N RXN)を演算する。すなわち、処理ベースバンド信号
kと、処理ベースバンド信号Skの振幅に比例した大き
さで、かつ基準のアンテナ素子Arの基準ベースバンド
信号Srの位相に同相化するための受信ウエイトWk RX
を乗算して、その乗算結果を合成する。このようにし
て、フィードバックループを持たない形でのエレメント
スペースによる最大比合成を実現している。なお、実際
の通信では、雑音などの影響でビームが不安定になるの
を防ぐため、数3で表される受信ウエイトWk RXの実部
及び虚部を、狭帯域な低域通過フィルタ42−kで低域
ろ波して用いる。
【0024】さらに、上記演算された総和(W1 RX1
2 RX2+…+WN RXN)を、全てのアンテナ素子A1
乃至ANについての各受信ウエイトWk RXの大きさの2
乗の総和(│W1 RX2+│W2 RX2+…+│WN RX2
の平方根{√(│W1 RX2+│W2 RX2+…+│WN RX
2)}で割ることにより、規格化された最大比合成出
力信号SRXが得られる。すなわち、規格化された最大比
合成出力信号SRXは、次の数4のように表される。
【0025】
【数4】
【0026】上記規格化された最大比合成出力信号SRX
は、復調器5によって復調される。
【0027】以上の説明した演算を実行する最大比合成
回路4の構成及び動作について図2を参照して説明す
る。以下の説明において、基準ベースバンド信号Sr
アンテナ素子A1で受信された基準ベースバンド信号S
1とする。最大比合成回路4において、基準ベースバン
ド信号S1は、複素共役積演算部41−1の2つの入力
端子を介して複素共役積演算部41−1に入力され、か
つ複素共役積演算部41−2乃至41−Nに入力され
る。処理ベースバンド信号Sk(k=2,3,…,N)
は、複素共役積演算部41−kに入力され、かつ遅延回
路43−kを介して乗算器44−kに入力される。
【0028】複素共役積演算部41−1は、入力される
2つの基準ベースバンド信号S1に基づいて、基準ベー
スバンド信号S1と基準ベースバンド信号S1の複素共役
との積である複素共役積S1・S1*を演算して、複素共
役積S1・S1*である受信ウエイトW1 RXを低域通過フ
ィルタ42−1を介して乗算器44−1と複素共役積演
算部46−1と送信ウエイト演算回路30とに出力す
る。ここで、低域通過フィルタ42−1は、FIRフィ
ルタ又はIIRフィルタなどのディジタルフィルタで構
成され、遮断周波数未満の周波数を有する信号を通過さ
せ、これによって、実際の通信における、受信機雑音や
変調成分、帯域制限などによる同相化の誤差や振幅変動
に応じて最大比合成のウエイトの誤差が大きくなること
を防止する。また、遅延回路43−1は、複素共役積演
算部41−1における演算時間及び低域通過フィルタ4
2−1による遅延を考慮して、乗算器44−1に入力さ
れる2つの信号の遅延時間が等しくなるように、入力さ
れる基準ベースバンド信号S1を遅延して、乗算器44
−1に出力する。乗算器44−1は、入力される受信ウ
エイトW1 RXと基準ベースバンド信号S1とを乗算して、
乗算結果W1 RX1を加算器45に出力する。
【0029】複素共役積演算部41−2は、入力される
基準ベースバンド信号S1と処理ベースバンド信号S2
複素共役との積である複素演算積S1・S2*を演算し
て、複素演算積S1・S2*である受信ウエイトW2 RX
低域通過フィルタ42−2を介して乗算器44−2と複
素共役積演算部46−2と送信ウエイト演算回路30と
に出力する。ここで、低域通過フィルタ42−2は、低
域通過フィルタ42−1と同様、FIRフィルタ又はI
IRフィルタなどのディジタルフィルタで構成され、遮
断周波数未満の周波数を有する信号を通過させ、これに
よって、実際の通信における、受信機雑音や変調成分、
帯域制限などによる同相化の誤差や振幅変動に応じて最
大比合成のウエイトの誤差が大きくなることを防止す
る。また、遅延回路43−2は、複素共役積演算部41
−2における演算時間及び低域通過フィルタ42−2に
よる遅延を考慮して、乗算器44−2に入力される2つ
の信号の遅延時間が等しくなるように、入力される処理
ベースバンド信号S2を遅延して、乗算器44−2に出
力する。乗算器44−2は、入力される受信ウエイトW
2 RXと処理ベースバンド信号S2とを乗算して、乗算結果
2 RX2を加算器45に出力する。
【0030】複素共役積演算部41−k(k=3,4,
…,N)は、入力される基準ベースバンド信号S1と処
理ベースバンド信号Skの複素共役との積である複素演
算積S1・Sk*を演算して、複素演算積S1・Sk*であ
る受信ウエイトWk RXを低域通過フィルタ42−kを介
して乗算器44−kと複素共役積演算部46−kと送信
ウエイト演算回路30とに出力する。ここで、低域通過
フィルタ42−kは、低域通過フィルタ42−1,42
−2と同様、FIRフィルタ又はIIRフィルタなどの
ディジタルフィルタで構成され、遮断周波数未満の周波
数を有する信号を通過させ、これによって、実際の通信
における、受信機雑音や変調成分、帯域制限などによる
同相化の誤差や振幅変動に応じて最大比合成における受
信ウエイトの誤差が大きくなることを防止する。また、
遅延回路43−kは、複素共役積演算部41−kにおけ
る演算時間及び低域通過フィルタ42−kによる遅延を
考慮して、乗算器44−kに入力される2つの信号の遅
延時間が等しくなるように、入力される処理ベースバン
ド信号Skを遅延して、乗算器44−kに出力する。乗
算器44−kは、入力される受信ウエイトWk RXと処理
ベースバンド信号Skとを乗算して、乗算結果Wk RXk
を加算器45に出力する。
【0031】加算器45は、入力されるN個の乗算結果
1 RX1乃至WN RXNを加算して加算結果(W1 RX1
2 RX2+…+WN RXN)を出力する。複素共役積演算
部46−k(k=1,2,…,N)は、入力される受信
ウエイトWk RXに基づいて、受信ウエイトWk RXと受信ウ
エイトWk RXの複素共役との積である受信ウエイト2乗
積│Wk RX2を演算して加算器47に出力する。加算器
47は、入力されるN個の受信ウエイト2乗積│Wk RX
2を加算して、加算結果(│W1 RX2+│W2 RX2
…+│WN RX2)を平方根演算部48に出力する。平方
根演算部48は、入力される加算結果(│W1 RX2+│
2 RX2+…+│WN RX2)の平方根{√(│W1 RX2
+│W2 RX2+…+│WN RX2)}を演算して、除算器
49に出力する。除算器49は、入力される加算結果
(W1 RX1+W2 RX2+…+WN RXN)を平方根{√
(│W1 RX2+│W2 RX2+…+│WN RX2)}で除算
して、除算結果である最大比合成出力信号SRXを復調器
5に出力する。
【0032】次に、最大比合成回路4によって演算され
た各アンテナ素子Akに対する受信ウエイトWk RXを用
いて送信ウエイトWk TXを演算して送信ビームを形成す
る方法について説明する。例えば、TDD(Time
Division Duplex)方式等のように、送
信信号の周波数と受信信号の周波数とが等しい場合、ア
ンテナ素子Akで受信された各受信信号を最大比合成す
るための受信ウエイトをそのまま用いて送信することに
より、受信電力が最大の受信波とマルチパス方向にそれ
ぞれ送信ビームを形成し、ダイバーシチ送信系を構成す
ることができる。ところが、送信信号の周波数と受信信
号の周波数とが異なる場合は、パス間の位相関係が送信
と受信とで違ってくるため、マルチパス方向への送信を
抑える必要がある。そこで、第1の実施形態では、上記
アレーアンテナ1に対する各受信ウエイトWk RXに基づ
いて、以下のようにして送信ウエイトWk TXを演算し
て、受信電力が最大の受信波の到来方向に単一の送信信
号の主ビームを形成するようにした。
【0033】まず、アンテナ素子Akごとの受信ウエイ
トWk RXの位相を考察する。各アンテナ素子Akに対す
る受信ウエイトWk RXと基準のアンテナ素子A1の受信
ウエイトW1 RXの間の位相差θk−θ1は、一般的には、
互いに隣接するアンテナ素子A(i+1),Ai間の各
2つの受信ウエイトの位相差△θi(=θi+1−θi)の
総和を演算することよって求めることができ、次の数5
のように表される。
【0034】
【数5】
【0035】ここで、arg{}は、{}内の複素数W
i+1 RX・(Wi RX)*の角度を表し、−πからπまでの範
囲で示されるものとする。従って、マルチパスなどの影
響により、隣接するアンテナ素子A(i+1),Ai間
の位相差△θiが、△θi>+πの場合又は△θi<−π
の場合には、数5を用いた方法では、位相差△θiが−
πからπまでの範囲の値として演算されるので、それら
の総和を演算することによって演算される位相差θk
θ1を正確に求めることが出来ない場合がある。そこ
で、これを防ぐため、第1の実施形態では基準のアンテ
ナ素子A1と基準のアンテナ素子A1に隣接する隣接ア
ンテナ素子A2との間の位相差△θ1(以下、基準位相
差と呼ぶ。)を用いて、次の数6に従って、(△θi
△θ1)の総和を演算し、当該総和と(k−1)△θ1
を加算することによりθk−θ1を求めることとした。
【0036】
【数6】
【0037】すなわち、第1の実施形態のアレーアンテ
ナ1は、N個のアンテナ素子Akが等間隔で配列されて
いるので、互いに隣接するアンテナ素子A(i+1),
Aiにそれぞれ対応する受信ウエイトWi+1 RX,Wi RX
間の位相差△θiは、マルチパスの影響を受けたとして
も、基準位相差△θ1と大きく異なることはないと考え
られる。従って、数6における(△θi−△θ1)は、+
π>(△θi−△θ1)>−πを常に満足すると考えられ
る。これによって、数6を用いることにより、各アンテ
ナ素子Akと基準アンテナ素子A1との間の受信ウエイ
トの位相差θk−θ1が、総和を演算する計算の途中で−
πあるいはπで、いわゆる折り返えされることなく、一
意的に得られる。従って、第1の実施形態では、各アン
テナ素子Akに対する受信ウエイトWk RXの位相差θk
θ1を数6を用いて演算するように構成した。
【0038】すなわち、第1の実施形態では、 (1)基準のアンテナ素子A1に隣接するアンテナ素子
A2に対応する受信ウエイトW2 RXと、基準のアンテナ
素子A1に対応する受信ウエイトW1 RXの共役複素数と
の複素共役積{W2 RX・(W1 RX)*}に基づいて、上記基準の
アンテナ素子A1に隣接するアンテナ素子A2で受信さ
れた処理ベースバンド信号S2と、基準のアンテナ素子
A1で受信された基準ベースバンド信号S1との間の基
準位相差△θ1を演算する。 (2)次に、各受信ウエイトWi RXのうち、互いに隣接
するアンテナ素子に対応する2つの受信ウエイト
i RX,Wi+1 RXに基づいて、当該2つの受信ウエイトW
i RX,Wi+1 RXのうちの一方の受信ウエイトWi+1 RXと、
他方の受信ウエイトWi RXの共役複素数との複素共役積
{Wi+1 RX・(Wi RX)*}を演算する。 (3)そして、当該複素共役積{Wi+1 RX・(Wi RX)*}と、
複素共役積{W2 RX・(W1 RX)*}の共役複素数との複素共役
積[{Wi+1 RX・(Wi RX)*}・{W2 RX・(W1 RX)*}*]を演算し
て、当該複素共役積[{Wi+1 RX・(Wi RX)*}・{W2 RX・(W1
RX)*}*]に基づいて、互いに隣接するアンテナ素子A
i,A(i+1)で受信された処理ベースバンド信号S
i,Si+1の間の位相差Δθiと、上記基準位相差Δθ1
の差(△θi−△θ1)を演算する。 (4)次に、基準位相差Δθ1と差(△θi−△θ1)と
に基づいて、アンテナ素子Akで受信された処理ベース
バンド信号Skと、基準のアンテナ素子A1で受信され
た基準ベースバンド信号S1との間の位相差(θk
θ1)を演算する。
【0039】このようにして得られる位相差θk−θ1
δθkの位相分布は、マルチパス波が入射する場合に
は、一般に、図5に示すように、まっすぐな直線とはな
らない。そこで、最大の受信電力を有する受信波の到来
方向のみに単一の送信信号の主ビームを形成するため
に、最小2乗法により位相分布を直線に回帰するように
した。すなわち、図5に示すように、4つのアンテナ素
子A1乃至A4からなるアレーアンテナ1について説明
すると、各アンテナ素子Akの配置に対応し、かつ位相
平面上で1直線上に位置する最小2乗回帰位相差δθ1
LSR,δθ2 LSR,δθ3 LSR,δθ4 LSRを、2乗和δθ2
(δθ1−δθ1 LSR2+(δθ2−δθ2 LSR2+(δθ
3−δθ3 LSR2+(δθ4−δθ4 LSR2が最小になるよ
うに演算する。これによって、アンテナ素子Akの各位
相差θk−θ1=δθkを、各アンテナ素子Akで受信さ
れた最大受信波に対して等位相の1次回帰平面に回帰さ
せて1次回帰平面を演算して、当該1次回帰平面から隣
接するアンテナ素子間の最小2乗回帰後の位相差△θ
LSR(=δθi+1 LSR−δθi LSR)を演算する。ここで、
直接波が到来する場合には、一般的に直接波が最大受信
波となる。従って、図5においては、最大受信波として
直接波を用いて示している。しかしながら、直接波が到
来しない環境では、直接波に代えて、受信される信号の
うち、最大の電力を有する最大受信波を用いることにな
る。また、図5においては、4つのアンテナ素子A1乃
至A4からなるアレーアンテナ1について説明したが、
4つ以上の場合についても同様に説明することができ
る。
【0040】この場合において、基準位相差△θ1自体
が、マルチパスなどの影響で−πあるいはπで折り返し
を受けていると、最小2乗法によって回帰された直線か
ら演算される、隣接するアンテナ素子間の最小2乗回帰
後の位相差△θLSR(=δθi+1 LSR−δθi LSR)も上記
位相の折り返しを受けた値となる。そこで、最大受信波
の到来方向は、−90°から90°までの範囲内である
と考え、送信ビームの向きも−90°から90°までの
範囲内となるように、上記回帰によって得られた最小2
乗回帰後の位相差△θLSRを−π<△θ≦πの範囲に変
換する位相補正処理を実行する。
【0041】すなわち、図4のフローチャートに示すよ
うに、ステップS1で最小2乗回帰後の位相差△θLSR
が入力されたかどうかを判断して、入力された場合には
ステップS2に進み、入力されていない場合にはステッ
プS1を繰り返す。ステップS2で、−π<ΔθLSR
πであるか否かを判断して、−π<ΔθLSR≦πである
場合には、ステップS6に進み、−π<ΔLSRθ≦πで
ない場合にはステップS3に進む。ステップS3でπ<
ΔθLSRであるか否かを判断して、π<ΔθLSRである場
合にはステップS4に進み、π<ΔθLSRでない場合に
はステップS5に進む。ステップS4では、(ΔθLSR
−2π)をΔθaに代入してステップS7に進み、ステ
ップS5では、(ΔθLSR+2π)をΔθaに代入して
ステップS7に進む。ステップS6では、ΔθLSRをΔ
θaに代入してステップS7に進む。ステップS7で、
Δθaを後述する乗算器303に出力する。
【0042】送信ビームを形成するための、各アンテナ
素子Akに対する送信ウエイトWk TXは、上記演算によ
って得られた隣接するアンテナ素子間の検出位相差△θ
aを用いて、次の数7で与えられる。
【0043】
【数7】Wk TX=ak・exp[j{(fT/fR)・(k
−1)△θa}]
【0044】ここで、akは任意の励振分布、fTは送信
信号の送信周波数、fRは受信信号の受信周波数を表
す。数7で与えられる送信ウエイトWk TXの位相は、基
準のアンテナ素子A1としている。しかしながら、本発
明はこれに限らず、任意の位置、例えば、アレーアンテ
ナ1の中央の位置にすることも可能である。
【0045】なお、実際の通信では、位相・振幅補正部
13−kで同相分配されたベースバンド信号を上述のよ
うにして得られたアンテナ素子Akごとの送信ウエイト
k TXに基づいて位相補正をし、直交変調器6−kで共
通の第2の送信局部発振器10から入力される第2の送
信局部発振信号を用いて直交変調を行い、送信モジュー
ルTM−kで送信周波数である無線周波数に周波数変換
し、送受分離器であるサーキュレータCI−kを介して
各アンテナ素子Akから送信される。
【0046】以上の説明した演算を実行する送信ウエイ
ト演算回路30の構成及び動作について図3を参照して
説明する。送信ウエイト演算回路30は、複素共役積演
算部31−1乃至31−(N−1),32−1乃至32
−(N−2)と、位相差演算部33−1乃至33−(N
−1)と、加算器34−1乃至34−(N−2),35
−1乃至35−(N−2)と、最小2乗回帰処理部30
1と、位相補正部302と、乗算器303,36−1乃
至36−N,38−1乃至38−Nと、複素数演算部3
7−1乃至37−Nとからなる。
【0047】送信ウエイト演算回路30において、アン
テナ素子A1に対する受信ウエイトW1 RXは、複素共役
積演算部31−1に入力され、アンテナ素子A2に対す
る受信ウエイトW2 RXは、複素共役積演算部31−1と
複素共役積演算部31−2に入力される。アンテナ素子
A3に対する受信ウエイトW3 RXは、複素共役積演算部
31−2と複素共役積演算部31−3に入力され、同様
にアンテナ素子Ak(k=4,5,…,N)に対する受
信ウエイトWk RXは、複素共役積演算部31−(k−
1)と複素共役積演算部31−kとに入力される。
【0048】複素共役積演算部31−1は、入力される
受信ウエイトW1 RX,W2 RXとに基づいて、受信ウエイト
2 RXと受信ウエイトW1 RXの複素共役とを乗算して、乗
算結果である複素共役積W2 RX1 RX*を位相差演算部3
3−1と複素共役積演算部32−1乃至32−(N−
2)に出力する。位相差演算部33−1は、入力される
複素共役積W2 RX1 RX*に基づいて、基準のアンテナ素
子A1に対応する受信ウエイトW1 RXと、基準のアンテ
ナ素子A1に隣接するアンテナ素子A2に対応する受信
ウエイトW2 RXとの間の基準位相差Δθ1を演算して、加
算器34−1乃至34−(N−2)と加算器35−1及
び最小2乗回帰処理部301に出力する。
【0049】複素共役積演算部31−2は、入力される
受信ウエイトW2 RX,W3 RXとに基づいて、受信ウエイト
3 RXと受信ウエイトW2 RXの複素共役とを乗算して、乗
算結果である複素共役積W3 RX2 RX*を複素共役積演算
部32−1に出力する。複素共役積演算部32−1は、
入力される複素共役積W2 RX1 RX*と複素共役積W3 RX
2 RX*とに基づいて、複素共役積W3 RX2 RX*と複素共役
積W2 RX1 RX*の複素共役とを乗算して、乗算結果であ
る複素共役積W3 RX2 RX*・(W2 RX1 RX*)*を位相差
演算部33−2に出力する。位相差演算部33−2は、
入力される複素共役積W3 RX2 RX*・(W2 RX1 RX*)*
に基づいて、アンテナ素子A2に対応する受信ウエイト
2 RXとアンテナ素子A2に隣接するアンテナ素子A3
に対応する受信ウエイトW3 RXとの間の位相差Δθ2と、
基準位相差Δθ1との差(Δθ2−Δθ1)を演算して、
加算器34−1に出力する。
【0050】加算器34−1は、入力される基準位相差
Δθ1と差(Δθ2−Δθ1)とを加算して、加算結果
{Δθ1+(Δθ2−Δθ1)}を加算器35−1に出力
する。加算器35−1は、基準位相差Δθ1と位相差
{Δθ1+(Δθ2−Δθ1)}とを加算して、加算結果
{2Δθ1+(Δθ2−Δθ1)}を最小2乗回帰処理部
301と加算器35−2とに出力する。ここで、加算結
果{2Δθ1+(Δθ2−Δθ1)}は、数6で表される
アンテナ素子A3に対応する受信ウエイトW3 RXの位相
と基準のアンテナ素子A1に対応する受信ウエイトW1
RXの位相との間の位相差δθ3である。
【0051】複素共役積演算部31−3は、入力される
受信ウエイトW3 RX,W4 RXとに基づいて、受信ウエイト
4 RXと受信ウエイトW3 RXの複素共役とを乗算して、乗
算結果である複素共役積W4 RX3 RX*を複素共役積演算
部32−2に出力する。複素共役積演算部32−2は、
入力される複素共役積W2 RX1 RX*と複素共役積W4 RX
3 RX*とに基づいて、複素共役積W4 RX3 RX*と複素共役
積W2 RX1 RX*の複素共役とを乗算して、乗算結果であ
る複素共役積W4 RX3 RX*・(W2 RX1 RX*)*を位相差
演算部33−3に出力する。位相差演算部33−3は、
入力される複素共役積W4 RX3 RX*・(W2 RX1 RX*)*
に基づいて、アンテナ素子A3に対応する受信ウエイト
3 RXとアンテナ素子A3に隣接するアンテナ素子A4
に対応する受信ウエイトW4 RXとの間の位相差Δθ3と、
基準位相差Δθ1との差(Δθ3−Δθ1)を演算して、
加算器34−2に出力する。
【0052】加算器34−2は、入力される基準位相差
Δθ1と差(Δθ3−Δθ1)とを加算して、加算結果
{Δθ1+(Δθ3−Δθ1)}を加算器35−2に出力
する。加算器35−2は、加算器35−1から入力され
る加算結果{2Δθ1+(Δθ2−Δθ1)}と加算器3
4−2から入力される加算結果{Δθ1+(Δθ3−Δθ
1)}とを加算して、加算結果{3Δθ1+(Δθ2−Δ
θ1)+(Δθ3−Δθ1)}を最小2乗回帰処理部30
1と加算器35−3とに出力する。ここで、加算結果
{3Δθ1+(Δθ2−Δθ1)+(Δθ3−Δθ1)}
は、数6で表されるアンテナ素子A4に対応する受信ウ
エイトW4 RXの位相と基準のアンテナ素子A1に対応す
る受信ウエイトW1 RTの位相との間の位相差δθ4であ
る。
【0053】同様に、複素共役積演算部31−k(k=
4,5,…,N−1)は、入力される受信ウエイトWk
RX,Wk+1 RXとに基づいて、受信ウエイトWk+1 RXと受信
ウエイトWk RXの複素共役とを乗算して、乗算結果であ
る複素共役積Wk+1 RXk RX*を複素共役積演算部32−
(k−1)に出力する。複素共役積演算部32−(k−
1)は、入力される複素共役積W2 RX1 RX*と複素共役
積Wk+1 RXk RX*とに基づいて、複素共役積Wk+1 RXk
RX*と複素共役積W2 RX1 RX*の複素共役とを乗算して、
乗算結果である複素共役積Wk+1 RXk RX*・(W2 RX1
RX*)*を位相差演算部33−kに出力する。
【0054】位相差演算部33−kは、入力される複素
共役積Wk+1 RXk RX*・(W2 RX1 RX*)*に基づいて、
アンテナ素子Akに対応する受信ウエイトWk RXとアン
テナ素子Akに隣接するアンテナ素子A(k+1)に対
応する受信ウエイトWk+1 RXとの間の位相差Δθkと、基
準位相差Δθ1との差(Δθk−Δθ1)を演算して、加
算器34−(k−1)に出力する。加算器34−(k−
1)は、入力される基準位相差Δθ1と差(Δθk−Δθ
1)とを加算して、加算結果である位相差{Δθ1+(Δ
θk−Δθ1)}を加算器35−(k−1)に出力する。
【0055】加算器35−(k−1)(k=4,5,
…,N−2)は、加算器35−(k−2)から入力され
る加算結果(k−2)Δθ1+{Δθ1+(Δθ2−Δ
θ1)+…+(Δθk-1−Δθ1)}と加算器34−(k
−1)から入力される加算結果{Δθ1+(Δθk−Δθ
1)}とを加算して、加算結果(k−1)Δθ1+{Δθ
1+(Δθ2−Δθ1)+…+(Δθk−Δθ1)}を最小
2乗回帰処理部301と加算器35−kとに出力する。
加算器35−(N−2)は、加算器35−(N−3)か
ら入力される加算結果(N−3)Δθ1+{Δθ1+(Δ
θ2−Δθ1)+…+(ΔθN-2−Δθ1)}と加算器34
−(N−2)から入力される加算結果{Δθ1+(Δθ
N-1−Δθ1)}とを加算して、加算結果(N−2)Δθ
1+{Δθ1+(Δθ2−Δθ1)+…+(ΔθN-1−Δ
θ1)}を最小2乗回帰処理部301に出力する。
【0056】ここで、加算器35−(k−1)(k=
4,5,…,N−1)から出力される加算結果(k−
1)Δθ1+{Δθ1+(Δθ2−Δθ1)+…+(Δθk
−Δθ1)}は、数6で表されるアンテナ素子A(k+
1)に対応する受信ウエイトWk+1 RXの位相と、基準の
アンテナ素子A1に対応する受信ウエイトW1 RXの位相
との間の位相差δθk+1である。
【0057】最小2乗回帰処理部301は、入力される
N個の位相差δθ1乃至δθNとに基づいて、上述した最
小2乗回帰処理を実行して、当該回帰処理によって得ら
れた最小2乗回帰後の位相差△θLSRを位相差補正部3
02に出力する。位相差補正部302は、上述したよう
に最小2乗回帰後の位相差△θLSRを−π<△θLSR≦π
の範囲に変換する位相補正処理を実行して、位相補正処
理後の検出位相差Δθaを乗算器303に出力する。乗
算器303は、入力された検出位相差Δθaと入力され
た受信周波数fRに対する送信周波数fTの送受周波数比
T/fRとを乗算して、乗算結果ΔθafT/fRを乗算
器36−1乃至36−Nに出力する。ここで、送受周波
数比fT/fRは、予め決められた送信周波数fTと予め
決められた受信周波数fRとから決定されて乗算器30
3に入力される。
【0058】乗算器36−k(k=1,2,…,N)
は、予め乗数が(k−1)に設定されていて、乗算器3
03から入力される乗算結果ΔθafT/fRと乗数(k
−1)とを乗算して、その乗算結果(k−1)Δθaf
T/fRを複素数演算部37−kに出力する。複素数演算
部37−kは、乗算器36−kから入力される乗算結果
kΔθafT/fRに基づいて、複素数exp[j{(f
T/fR)・(k−1)△θa}]を演算して、乗算器3
8−kに出力する。乗算器38−kは、予め決められる
送信パターンによって決定される励振分布akと複素数
exp[j{(fT/fR)・(k−1)△θa}]とを
乗算して、乗算結果akexp[j{(fT/fR)・
(k−1)△θa}]をアンテナ素子Akに対応する送
信ウエイトWk TXとして各アンテナ素子Akに出力す
る。
【0059】以上のように構成された自動ビーム捕捉追
尾装置は、到来波から得られる各アンテナ素子Ak毎の
ベースバンド信号Skに基づいて到来波の方向に送信ビ
ームを形成し、また、複数の多重波が到来する環境にお
いても、あるいは受信位相差に位相不確定が生じる場合
においても、それら多重波の影響及び位相不確定を除去
し、最大受信波の方向のみに単一の送信主ビームを形成
できる。
【0060】以上の第1の実施形態の自動ビーム捕捉追
尾装置において、送信ウエイト演算回路30は、数6に
従って、位相差δθkを演算して、当該位相差δθkに基
づいて送信ウエイトしている。これによって、送信ウエ
イト演算回路30は、1つの1次回帰平面を演算するこ
とにより、位相差ΔθLSRを演算することができるの
で、第2の従来例に比較して、少ない演算数で、最大受
信波の方向のみに単一の送信信号の主ビームを形成する
ための送信ウエイトWk TXを演算することができる。
【0061】<第2の実施形態>図6は、本発明に係る
第2の実施形態の自動ビーム捕捉追尾装置の構成を示す
ブロック図である。図6の第2の実施形態の自動ビーム
捕捉追尾装置は、以下の(1)乃至(3)を除いては図
1の第1の実施形態の自動ビーム捕捉追尾装置と同様に
構成される。 (1)最大比合成回路4に代えて最大比合成回路4aを
備える。 (2)準同期検波器QD−1乃至QD−Nと最大比合成
回路4aとの間にディジタルビーム形成回路(以下、D
BF回路という。)50とビーム選択回路60とを備え
る。 (3)最大比合成回路4aと送信ウエイト演算回路30
との間にウエイト分解演算回路70を備える。
【0062】第2の実施形態の自動ビーム捕捉追尾装置
において、DBF回路50は、各アンテナ素子Akによ
って受信され、準同期検波器QD−kから入力されるベ
ースバンド信号Skに対して、アンテナ素子A1の位相
を基準として高速フーリエ変換(以下、FFTとい
う。)を実行して、複数N個のビーム、すなわちマルチ
ビームを同時に形成し、次の数8で表される各ビームB
i(i=1,2,…,N)に対応するベースバンド信号
iをビーム選択回路60に出力する。このように形成
された各ビームにおいて、他のビームが形成される方向
には必ずヌルが形成される。第2の実施形態では、上述
のようにFFTを用いて所定の方向にビームを形成する
ようにしたが、本発明はこれに限らず、各アンテナ素子
Akで受信される信号に対して、複数の移相器を用い
て、所定の複数のビーム方向に対応して複数のビームを
同時に形成し、形成された複数のビームに対応する複数
のビームの各受信信号をデジィタル信号に変換し、ビー
ムごとの受信ベースバンド信号を生成するようにしても
よい。なお、この場合、アンテナ素子ごとの受信ウエイ
トの分解は、上記複数のビームを形成するために移相器
に加えた各アンテナ素子に対する移相量とビームごとの
受信ウエイトとに基づいて演算できる。また、上記移相
器を用いた構成による送信で、振幅を制御する場合は、
例えば、ディジタル的に制御をすることができる減衰器
または増幅器を別途用いる。以上のように他のビーム形
成方法を用いて、所定の複数のビーム方向に対応して複
数のビームを形成し、形成された複数のビームに対応す
る複数ビーム受信信号を生成するようにしてもよい。な
お、第2の実施形態では、FFTの代わりに離散フーリ
エ変換(DFT)を用いることができる。ここで、同じ
入射角度におけるメインローブを持つ各ビームBiのベ
ースバンド信号の位相を同相にするため、アレーアンテ
ナ1の物理的な中央が位相の基準となるように各ビーム
Biのベースバンド信号Siを移相する。数8における
exp{j(−3/4)πi}は、アレーアンテナ1の物理
的な中央が位相の基準となるように各ビームのベースバ
ンド信号Siを移相するための係数である。このように
して、例えば、アンテナの素子数Nが4個の場合、4個
のビームBiが形成され、各ビームはそれぞれ0°、±
30°、90°の方向で最大の電力となる。
【0063】
【数8】
【0064】また、ビーム選択回路60は、形成される
N個のビームBiに対応するN個のベースバンド信号S
iのうち、受信電力の大きい方から複数M個のベースバ
ンド信号を選択して、選択したM個のベースバンド信号
SBi(i=1,2,…,M)を最大比合成回路4aに
出力する。ここで、選択されたM個のベースバンド信号
SBiのうち、最大の電力を有するベースバンド信号S
iを基準のベースバンド信号とし、SBrで表す。な
お、実際の通信では、雑音などの影響で選択されるビー
ムが頻繁に切替わるのを防ぐため、各ビームBiのベー
スバンド信号Siを狭帯域の低域通過フィルタで低域ろ
波して、低域ろ波後の信号を比較し、上記のビーム選択
を行う。
【0065】最大比合成回路4aは、図7に示すよう
に、最大比合成回路4における、N個のアンテナ素子A
k(k=1,2,…,N)にそれぞれ対応する、N個の
複素共役積演算部41−kと、N個の低域通過フィルタ
42−kと、N個の遅延回路43−kと、N個の乗算器
44−kと、N個の複素共役積演算部46−kとに代え
て、M個のビームBi(i=1,2,…,M)にそれぞ
れ対応する、M個の複素共役積演算部41−iと、M個
の低域通過フィルタ42−iと、M個の遅延回路43−
iと、M個の乗算器44−iと、M個の複素共役積演算
部46−iとを備える。そして、最大比合成回路4a
は、N個のベースバンド信号Skに代えて、M個のベー
スバンド信号SBiに基づいて、N個のベースバンド信
号Skに対して行った演算と同様の演算をM個のベース
バンド信号SBiに対して実行して、後述する合成信号
を復調器5に出力し、後述する受信ビームウエイトWi
RBをウエイト分解演算回路70に出力する。ここで、受
信ビームウエイトWi RBは、基準のビームBrに対応す
るベースバンド信号SBrと、ビームBiに対応するベー
スバンド信号SBiの共役複素数との複素共役積で表す
ことができ、次の数9で表わすことができる。ここで、
本発明においては、好ましくは、上述のように最大の電
力を有するベースバンド信号を基準のベースバンド信号
SBrとするが、本発明はこれに限らず、最大の電力を
有するベースバンド信号以外のベースバンド信号を基準
にしてもよい。
【0066】
【数9】 Wi RB =SBr・SBi* =|SBr||SBi|exp{j(φr−φi)}
【0067】ここで、φr、φiはそれぞれ基準とするビ
ームBrとビームBiのベースバンド信号の位相であ
り、|・|は信号の振幅、また、*は共役複素数である
ことを表している。数9で与えられる各ビームBiに対
する受信ビームウエイトWi RBをそのビームBiのベー
スバンド信号Siに掛け合わせ、これをビーム選択回路
60で選択された全てのビームについて演算し、それら
の総和を演算する。その結果、ベースバンド信号SBi
は、ベースバンド信号SBiの振幅に比例した大きさ
で、かつ、基準のビームBrのベースバンド信号SBr
の位相に同相化するための受信ビームウエイトWi RB
掛けられて、合成されていることになり、すなわち、フ
ィードバックループを持たない形でのビームスペースに
よる最大比合成を実現している。なお、実際の通信で
は、雑音などの影響でビームが不安定になるのを防ぐた
め、狭帯域なローパスフィルタを用いて数9で表される
受信ビームウエイトWi RBの実部及び虚部を低域ろ波す
る。
【0068】さらに、上記演算された総和を、ビーム選
択器60で選択される全てのビームについての各受信ビ
ームウエイトの大きさの2乗の総和の平方根で割ること
により、規格化された合成信号SBNが得られる。ビー
ム選択器60でM個のビームを選択した場合、合成信号
SBNは数10のように表される。
【0069】
【数10】
【0070】上記規格化された最大比合成出力信号SB
Nは、復調器5に入力され、復調器5によって復調され
る。
【0071】次に、上記演算によってビームBiに対応
する受信ビームウエイトWi RBを使って最大の電力を有
する受信波の到来方向に単一の送信ビームを形成する方
法について説明する。送受の周波数が等しい場合(TD
D方式等)、ビームに対応するビーム受信信号を最大比
合成するときの受信ウエイトをそのまま用いて送信する
ことにより、最大受信波とマルチパス方向にそれぞれ送
信ビームを形成し、ダイバーシチ送信系を構成すること
ができる。ところが、送受周波数が異なる場合は、パス
間の位相関係が送受で違ってくるため、マルチパス方向
への送信を抑える必要がある。
【0072】まず、ウエイト分解演算回路70で、受信
信号の各ビームBiに対して得られる最大比合成をする
ための受信ビームウエイトWi RBを、DBF回路50で
実行するDFT(またはFFT)の係数exp{j(i/
2)・πk}とベースバンド信号Siを移相するための係
数exp{j(−3/4)πi}とを用いて、各アンテナ素
子Akに対応する受信ウエイトWk RXに分解する。例え
ばアンテナの素子数Nが4個の場合、各アンテナ素子A
kの受信ウエイトWk RXは、ビームBiごとの受信ウエ
イトWi RBを用いて、数11のように表わすことができ
る。
【0073】
【数11】
【0074】ここで、上記得られた各アンテナ素子Ak
の受信ウエイトWk RXの位相は、アレーアンテナ1の中
央を基準として、当該基準に対する各アンテナ素子Ak
における受信信号の位相差となっている。なお、ここで
は形成される全てのビームを用いて、アンテナ素子Ak
ごとの受信ウエイトWk RXを演算しているが、ビーム選
択回路60で選択されたM個のビームだけを使って演算
することも可能である。
【0075】以上のようにして演算された受信ウエイト
k RXに基づいて、第1の実施形態と同様にして、送信
ウエイトWk TXを演算して、当該送信ウエイトWk TXを用
いて、最大の電力を有する受信波の到来方向に送信ビー
ムを形成して送信信号を送信する。
【0076】以上のように構成された第2の実施形態の
自動ビーム捕捉追尾装置は、所定の方向にビームを形成
して、ビームに対応した受信波を受信して受信データを
出力することができるとともに、第1の実施形態と同様
の効果を有する。
【0077】<変形例>以上の第1と第2の実施形態の
自動ビーム捕捉追尾装置では、1直線上に配列されたア
レーアンテナ1を用いて構成したが、本発明はこれに限
らず、図8に示すように、アンテナ素子が所定の間隔λ
/2で2次元的に並置されて構成されたアレーアンテナ
100を用いて構成してもよい。以下、アンテナ素子が
2次元的に並置されたアレーアンテナ100を用いて、
自動ビーム捕捉追尾装置を構成した場合の、受信ウエイ
トと送信ウエイトの演算方法について説明する。
【0078】アレーアンテナ100は、図8に示すよう
に、u,vの方向にそれぞれ受信周波数λの半波長の間隔
λ/2で4つずつ平面上に配置された、16個のアンテ
ナ素子A(0,0)乃至A(3,3)から構成される。
ここで、各アンテナ素子A(0,0)乃至A(3,3)
の符号におけるAの後ろの()内の数字は、uv平面上
におけるλ/2で規格化した座標(u,v)に対応させ
て付している。また、以下の説明において、各アンテナ
素子A(u,v)に対応する受信ウェイトをWRX(u,
v)とし、受信ウェイトWRX(u,v)の位相をθ
(u,v)とする。いま、座標(0,0)のアンテナ素
子A(0,0)を基準とし、基準のアンテナ素子A
(0,0)とそれにu方向に隣接する座標(1,0)の
アンテナ素子A(1,0)との間の受信ウェイトの位相
差をΔθu(0,0)、基準のアンテナ素子A(0,
0)とそれにv方向に隣接する座標(0,1)のアンテ
ナ素子A(0,1)との間の受信ウェイトの位相差をΔ
θv(0,0)とする。
【0079】まず、1次元(直線上に配列されたアレー
アンテナ)の場合の位相差は、上述のuv平面における
座標(u,v)を用いると、数6を変形して、次の数1
2で表すことができる。
【0080】
【数12】
【0081】ここで、u=1,2,3であり、数12
は、v=0の位置においてu方向に直線上に並ぶ座標
(u,0)の各アンテナ素子A(1,0),A(2,
0),A(3,0)について、各アンテナ素子A(u,
0)に対応する受信ウエイトWRX(u,0)と基準のア
ンテナ素子A(0,0)に対応する受信ウエイトW
RX(0,0)との間の位相差θ(u,0)−θ(0,
0)を示している。また、数12において、Δθ
u(u,0){=θ(u+1,0)−θ(u,0)}
は、互いにu方向に隣接するアンテナ素子A(u+1,
0),A(u,0)に対応する受信ウェイトWRX(u+
1,0),WRX(u,0)の間の位相差であり、arg
()は−πからπまでの範囲で表わすものとする。
【0082】以上のように数12により、v=0の位置
においてu方向に直線上に並ぶ各アンテナ素子の受信ウ
ェイトの位相差θ(u,0)−θ(0,0)(u=1,
2,3)が求まった。次に、同様にして、v軸方向に直
線上に並ぶアンテナ素子、例えば、u=0においてv方
向に直線上に並ぶ座標(0,v)の各アンテナ素子A
(0,v)について、基準アンテナ素子A(0,0)と
それにv方向に隣接するアンテナ素子A(0,1)との
間の受信ウェイトの位相差Δθv(0,0)を用いる
と、各アンテナ素子A(0,v)と基準のアンテナ素子
A(0,0)との間の各2つの受信ウェイトの位相差θ
(0,v)−θ(0,0)は、次の数13で表すことが
できる。
【0083】
【数13】
【0084】ここで、Δθv(0,v)(=θ(0,v
+1)−θ(0,v))は、互いにv方向に隣接するア
ンテナ素子A(0,v+1),A(0,v)の各受信ウ
ェイトWRX(0,v+1),WRX(0,v)の位相差で
ある。
【0085】さらに、任意のu(u=0,1,2,3)
におけるv方向に直線上に並ぶ座標(u,v)の各アン
テナ素子A(u,v)について、基準アンテナ素子A
(0,0)とそれにv方向に隣接する座標(0,1)の
アンテナ素子A(0,1)との間の受信ウェイトの位相
差Δθv(0,0)を用いると、各アンテナ素子A
(u,v)と座標(u,0)のアンテナ素子A(u,
0)との間の各2つの受信ウェイトの位相差θ(u,
v)−θ(u,0)は次の数14で表すことができる。
【0086】
【数14】
【0087】ここで、Δθv(u,v)(=θ(u,v
+1)−θ(u,v))は、互いにv方向に隣接するア
ンテナ素子A(u,v+1),A(u,v)に対応する
各受信ウェイトWRX(u,v+1),WRX(u,v)の
間の位相差である。以上の数12と数14から、任意の
座標(u,v)の各アンテナ素子A(u,v)につい
て、基準位相差Δθu(0,0)と基準位相差Δθ
v(0,0)とを用いて、各座標(u,v)の各アンテ
ナ素子A(u,v)に対応する受信ウエイトWRX(u,
v)と基準のアンテナ素子A(0,0)に対応する受信
ウエイトWRX(0,0)の間の位相差θ(u,v)−θ
(0,0)は数15で表すことができる。
【0088】
【数15】
【0089】数15より、各アンテナ素子A(u,v)
に対する受信ウェイトWRX(u,v)の、基準のアンテ
ナ素子A(0,0)に対応する受信ウエイトWRX(0,
0)に対する位相差の分布を求め、さらに、最小2乗法
により位相分布を平面に回帰して、2乗回帰後の位相差
を演算して、当該位相差に基づいて、第1及び第2の実
施形態と同様にして、最大の受信電力を有する受信波の
到来方向のみに単一の送信信号の主ビームを形成するた
めの送信ウェイトを演算することができる。
【0090】次に、アンテナ素子が2次元的に並置され
たアレーアンテナ100を用いて構成した場合の、2次
元の高速フーリエ変換の方法について以下に説明する。
ここで、上述のように、アレーアンテナの複数N個(本
変形例ではN=16)のアンテナ素子が互いに等間隔d
で2次元のマトリックス形状で並置されており、各アン
テナ素子の入力信号をSkm(θ)(k=0,1,…,
N−1;m=0,1,…,N−1)とすると、1次元目
のフーリエ変換の結果は数16のように表される。ここ
でkは1次元目のフーリエ変換における座標であり、m
は2次元目のフーリエ変換の座標である。合成ビーム出
力Bkm(k=0,1,…,N−1;m=0,1,…,
N−1)は2次元目のフーリエ変換の結果であり、1次
元目のフーリエ変換の結果を使用して数17のように表
される。
【0091】
【数16】
【0092】
【数17】
【0093】ここで、マルチビームの方向θkmとフー
リエ変換によって得られたビームの関係を示せば、次の
数18で表される。数18において、マルチビームの方
向θkmは、(x,y)の形式で表され、ここで、xは
XZ平面でZ軸を基準とした角度であり、yはYZ平面
でZ軸を基準とした角度である。
【0094】
【数18】θkm=[sin-1{sin(−2π・k/N)},sin
-1{sin(−2π・m/N)}], k=0,1,2,3,…,N−1;m=0,1,2,
3,…,N−1
【0095】上記数16及び数17から明らかなよう
に、アンテナビームBkmは、受信機の信号出力Skm
の離散フーリエ変換である。従って、本発明によれば、
第1及び第2の実施形態の自動ビーム捕捉追尾装置の原
理を用いて、アンテナ素子が2次元的に並置されたアレ
ーアンテナ100を用いて、自動ビーム捕捉追尾装置を
構成することができる。
【0096】<他の変形例>以上の第1の実施形態で
は、アンテナ素子A1を基準のアンテナ素子にしたが、
本発明はこれに限らず、他のアンテナ素子を基準にして
もよい。以上のように構成しても第1の実施形態と同様
に動作して同様の効果を有する。
【0097】以上の第2の実施形態では、ビーム選択回
路60によって選択された信号のうち電力の最大の信号
を基準の信号にしたが、本発明はこれに限らず、他の信
号を基準の信号にしてもよい。以上のように構成しても
第2の実施形態と同様に動作して同様の効果を有する。
【0098】
【発明の効果】本発明に係る請求項1記載のアレーアン
テナの制御装置は、所定の配置形状で近接して並置され
た複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナを制御す
るためのアレーアンテナの制御装置において、上記アレ
ーアンテナの各アンテナ素子でそれぞれ受信された複数
の受信信号をそれぞれ共通の局部発振信号を用いて互い
に直交する各2つの直交ベースバンド信号に変換する変
換手段と、上記変換手段で変換された各2つの直交ベー
スバンド信号に基づいて、上記複数のアンテナ素子のう
ちの所定の基準のアンテナ素子で受信された受信信号
と、上記複数のアンテナ素子のうちの任意のアンテナ素
子で受信された受信信号の共役複素数との複素共役積で
ある当該任意のアンテナ素子に対応する受信ウエイトを
演算する受信ウエイト演算手段と、上記受信ウエイト演
算手段で演算された上記基準のアンテナ素子に隣接する
アンテナ素子に対応する受信ウエイトと、上記受信ウエ
イト演算手段で演算された上記基準のアンテナ素子に対
応する受信ウエイトの共役複素数との複素共役積である
第1の複素共役積に基づいて、上記基準のアンテナ素子
に隣接するアンテナ素子で受信された受信信号と、上記
基準アンテナ素子で受信された受信信号との間の第1の
位相差を演算する第1の位相差演算手段と、上記受信ウ
エイト演算手段で演算された各受信ウエイトのうち、互
いに隣接するアンテナ素子に対応する2つの受信ウエイ
トに基づいて、当該2つの受信ウエイトのうちの一方の
受信ウエイトと、他方の受信ウエイトの共役複素数との
複素共役積である第2の複素共役積を演算して、上記第
2の複素共役積と、上記第1の複素共役積の共役複素数
との複素共役積である第3の複素共役積を演算する複素
共役積演算手段と、上記複素共役積演算手段で演算され
た第3の複素共役積に基づいて、互いに隣接するアンテ
ナ素子で受信された受信信号の間の位相差と、上記第1
の位相差との差である第2の位相差を演算する第2の位
相差演算手段と、上記第1の位相差演算手段で演算され
た第1の位相差と上記第2の位相差演算手段で演算され
た第2の位相差とに基づいて、任意のアンテナ素子で受
信された受信信号と、上記基準のアンテナ素子で受信さ
れた受信信号との間の受信位相差を演算する受信位相差
演算手段と、上記受信位相差演算手段で演算された上記
各受信位相差に基づいて、上記各アンテナ素子の配置に
対応しかつ上記基準のアンテナ素子に対する任意のアン
テナ素子の各位相差を、最小2乗法を用いて、上記複数
のアンテナ素子で受信された受信波のうちの、電力が最
大の受信波である最大受信波に対して等位相の1次回帰
平面に回帰させて当該1次回帰平面を演算する回帰平面
演算手段と、上記回帰平面演算手段で演算された1次回
帰平面の互いに隣接する任意の2つのアンテナ素子の間
の位相差に、所定の受信周波数に対する所定の送信周波
数の比を乗算することにより送信位相差を演算する送信
位相差演算手段とを備えている。これによって、方位セ
ンサを用いることなく、また複数の多重波が到来する環
境、もしくは受信位相差に位相不確定が生じる場合にお
いても、最大の電力で受信された受信波の方向に送信主
ビームを形成することができ、しかも演算が簡単なアレ
ーアンテナの制御装置を提供できる。
【0099】本発明に係る請求項2記載のアレーアンテ
ナの制御装置は、等間隔に近接して並置された複数のア
ンテナ素子からなるアレーアンテナを制御するためのア
レーアンテナの制御装置において、上記アレーアンテナ
の各アンテナ素子でそれぞれ受信された複数の受信信号
をそれぞれ共通の局部発振信号を用いて互いに直交する
各2つの直交ベースバンド信号に変換する変換手段と、
上記変換手段で変換された各2つの直交ベースバンド信
号に基づいて、所定のビーム形成法を用いて、所定の複
数のビーム方向に対応して複数のビームを形成し、上記
形成された複数のビームに対応する複数のビーム受信信
号を生成するビーム形成手段と、上記ビーム形成手段で
生成された複数のビーム受信信号のうち、所定のしきい
値以上の電力を有するビーム受信信号を選択して少なく
とも1つのビーム受信信号を出力するビーム選択手段
と、上記ビーム選択手段で選択されたビーム受信信号の
うちの基準のビーム受信信号と、上記ビーム選択手段で
選択されたビーム受信信号のうちの任意のビーム受信信
号の共役複素数との複素共役積である当該任意のビーム
に対応する受信ビームウエイトを演算する受信ビームウ
エイト演算手段と、上記受信ビームウエイト演算手段で
演算された受信ビームウエイトに基づいて、上記各アン
テナ素子に対応する各受信ウエイトを演算する受信ウエ
イト演算手段と、上記受信ウエイト演算手段で演算され
た受信ウエイトのうち、上記複数のアンテナ素子のうち
の所定の基準のアンテナ素子に隣接するアンテナ素子に
対応する受信ウエイトと、上記基準のアンテナ素子に対
応する受信ウエイトの共役複素数との複素共役積である
第1の複素共役積に基づいて、上記基準のアンテナ素子
に隣接するアンテナ素子で受信された受信信号と、上記
基準アンテナ素子で受信された受信信号との間の第1の
位相差を演算する第1の位相差演算手段と、上記受信ウ
エイト演算手段で演算された受信ウエイトのうち、互い
に隣接するアンテナ素子に対応する2つの受信ウエイト
に基づいて、当該2つの受信ウエイトのうちの一方の受
信ウエイトと、他方の受信ウエイトの共役複素数との複
素共役積である第2の複素共役積を演算して、上記第2
の複素共役積と、上記第1の複素共役積の共役複素数と
の複素共役積である第3の複素共役積を演算する複素演
算積演算手段と、上記複素演算積演算手段で演算された
第3の複素共役積に基づいて、互いに隣接するアンテナ
素子で受信された受信信号の間の位相差と、上記第1の
位相差との差である第2の位相差を演算する第2の位相
差演算手段と、上記第1の位相差演算手段で演算された
第1の位相差と上記第2の位相差演算手段で演算された
第2の位相差とに基づいて、任意のアンテナ素子で受信
された受信信号と、上記基準のアンテナ素子で受信され
た受信信号との間の受信位相差を演算する受信位相差演
算手段と、上記受信位相差演算手段で演算された上記各
受信位相差に基づいて、上記各アンテナ素子の配置に対
応しかつ上記基準のアンテナ素子に対する任意のアンテ
ナ素子の各位相差を、最小2乗法を用いて、上記複数の
アンテナ素子で受信された受信波のうちの、電力が最大
の受信波である最大受信波に対して等位相の1次回帰平
面に回帰させて当該1次回帰平面を演算する回帰平面演
算手段と、上記回帰平面演算手段で演算された1次回帰
平面の互いに隣接する任意の2つのアンテナ素子の間の
位相差に、所定の受信周波数に対する所定の送信周波数
の比を乗算することにより送信位相差を演算する送信位
相差演算手段とを備えている。これによって、所定の複
数のビーム方向に対応して複数のビームを形成し、上記
形成された複数のビームに対応する複数のビーム受信信
号を受信することができ、かつ方位センサを用いること
なく、また複数の多重波が到来する環境、もしくは受信
位相差に位相不確定が生じる場合においても、最大の電
力で受信された受信波の方向に送信主ビームを形成する
ことができ、しかも演算が簡単なアレーアンテナの制御
装置を提供できる。
【0100】また、請求項3記載のアレーアンテナの制
御装置は、請求項1又は2記載のアレーアンテナの制御
装置においてさらに、上記回帰平面演算手段で演算され
た1次回帰平面上の互いに隣接する任意の2つのアンテ
ナ素子間の位相差を、−πから+πまでの範囲の値とな
る位相差に変換する位相補正手段を備え、上記送信位相
差演算手段は、上記位相補正手段で変換された位相差に
上記受信周波数に対する上記送信周波数の比を乗算して
送信位相差を演算している。 これによって、隣接する
アンテナ素子間の位相差がπ又は−πの近傍の値の場合
でも、方位センサを用いることなく、また複数の多重波
が到来する環境、もしくは受信位相差に位相不確定が生
じる場合においても、最大の電力で受信された受信波の
方向に送信主ビームを形成することができ、しかも演算
が簡単なアレーアンテナの制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施形態である通信用ア
レーアンテナの自動ビーム捕捉追尾装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図2】 図1の最大比合成回路4の構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】 図1の送信ウエイト演算回路30の構成を示
すブロック図である。
【図4】 図3の位相差補正部302で実行する位相補
正処理のフローチャートである。
【図5】 図3の最小2乗回帰処理部における受信位相
の最小2乗法による1次平面への回帰処理を示す説明図
である。
【図6】 本発明に係る第2の実施形態である通信用ア
レーアンテナの自動ビーム捕捉追尾装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図7】 図6の最大比合成回路4aの構成を示すブロ
ック図である。
【図8】 本発明に係る変形例の通信用アレーアンテナ
の自動ビーム捕捉追尾装置のアレーアンテナ100にお
けるアンテナ素子の配置を示す平面図である。
【符号の説明】
1…アレーアンテナ、 2…低雑音増幅器、 3…ダウンコンバータ、 4,4a…最大比合成回路、 5…復調器、 6,6−1乃至6−N…直交変調器、 7…アップコンータ、 8…送信電力増幅器、 9…同相分配器、 10…第2の送信局部発振器、 11…第1局部発振器、 12…第2局部発振器、 13−1乃至13−N…位相・振幅補正部、 14…第1の送信局部発振器、 31−1乃至31−(N−1),32−1乃至32−
(N−2),41−1乃至33−1乃至33−(N−
1)…位相差演算部、 34−1乃至34−(N−2),35−1乃至35−
(N−2),45,47…加算器、 36−1乃至36−N,38−1乃至38−N,44−
1乃至44−N,303…乗算器、 37−1乃至37−N…複素数演算部、 41−N,46−1乃至46−N…複素共役積演算部、 42−1乃至42−N…低域通過フィルタ、 43−1乃至43−N…遅延回路、 48…平方根演算部、 49…除算器、 30…送信ウエイト演算回路、 50…DBF回路、 60…ビーム選択回路、 70…ウエイト分解回路、 301…最小2乗回帰処理部、 302…位相差補正部、 A1乃至AN…アンテナ素子、 CI−1乃至CI−N…サーキュレータ、 RM−1乃至RM−N…受信モジュール、 AD−1乃至AD−N…A/D変換器、 QD−1乃至QD−N…準同期検波回路、 QM−1乃至QM−N…直交変調回路、 TM−1乃至TM−N…送信モジュール。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の配置形状で近接して並置された複
    数のアンテナ素子からなるアレーアンテナを制御するた
    めのアレーアンテナの制御装置において、 上記アレーアンテナの各アンテナ素子でそれぞれ受信さ
    れた複数の受信信号をそれぞれ共通の局部発振信号を用
    いて互いに直交する各2つの直交ベースバンド信号に変
    換する変換手段と、 上記変換手段で変換された各2つの直交ベースバンド信
    号に基づいて、上記複数のアンテナ素子のうちの所定の
    基準のアンテナ素子で受信された受信信号と、上記複数
    のアンテナ素子のうちの任意のアンテナ素子で受信され
    た受信信号の共役複素数との複素共役積である当該任意
    のアンテナ素子に対応する受信ウエイトを演算する受信
    ウエイト演算手段と、 上記受信ウエイト演算手段で演算された上記基準のアン
    テナ素子に隣接するアンテナ素子に対応する受信ウエイ
    トと、上記受信ウエイト演算手段で演算された上記基準
    のアンテナ素子に対応する受信ウエイトの共役複素数と
    の複素共役積である第1の複素共役積に基づいて、上記
    基準のアンテナ素子に隣接するアンテナ素子で受信され
    た受信信号と、上記基準アンテナ素子で受信された受信
    信号との間の第1の位相差を演算する第1の位相差演算
    手段と、 上記受信ウエイト演算手段で演算された各受信ウエイト
    のうち、互いに隣接するアンテナ素子に対応する2つの
    受信ウエイトに基づいて、当該2つの受信ウエイトのう
    ちの一方の受信ウエイトと、他方の受信ウエイトの共役
    複素数との複素共役積である第2の複素共役積を演算し
    て、上記第2の複素共役積と、上記第1の複素共役積の
    共役複素数との複素共役積である第3の複素共役積を演
    算する複素共役積演算手段と、 上記複素共役積演算手段で演算された第3の複素共役積
    に基づいて、互いに隣接するアンテナ素子で受信された
    受信信号の間の位相差と、上記第1の位相差との差であ
    る第2の位相差を演算する第2の位相差演算手段と、 上記第1の位相差演算手段で演算された第1の位相差と
    上記第2の位相差演算手段で演算された第2の位相差と
    に基づいて、任意のアンテナ素子で受信された受信信号
    と、上記基準のアンテナ素子で受信された受信信号との
    間の受信位相差を演算する受信位相差演算手段と、 上記受信位相差演算手段で演算された上記各受信位相差
    に基づいて、上記各アンテナ素子の配置に対応しかつ上
    記基準のアンテナ素子に対する任意のアンテナ素子の各
    位相差を、最小2乗法を用いて、上記複数のアンテナ素
    子で受信された受信波のうちの、電力が最大の受信波で
    ある最大受信波に対して等位相の1次回帰平面に回帰さ
    せて当該1次回帰平面を演算する回帰平面演算手段と、 上記回帰平面演算手段で演算された1次回帰平面の互い
    に隣接する任意の2つのアンテナ素子の間の位相差に、
    所定の受信周波数に対する所定の送信周波数の比を乗算
    することにより送信位相差を演算する送信位相差演算手
    段とを備え、 上記送信位相差演算手段で演算された各2つのアンテナ
    素子間の送信位相差で、送信信号を上記各アンテナ素子
    から送信することにより、上記最大受信波の方向に送信
    主ビームを形成することを特徴とするアレーアンテナの
    制御装置。
  2. 【請求項2】 等間隔に近接して並置された複数のアン
    テナ素子からなるアレーアンテナを制御するためのアレ
    ーアンテナの制御装置において、 上記アレーアンテナの各アンテナ素子でそれぞれ受信さ
    れた複数の受信信号をそれぞれ共通の局部発振信号を用
    いて互いに直交する各2つの直交ベースバンド信号に変
    換する変換手段と、 上記変換手段で変換された各2つの直交ベースバンド信
    号に基づいて、所定のビーム形成法を用いて、所定の複
    数のビーム方向に対応して複数のビームを形成し、上記
    形成された複数のビームに対応する複数のビーム受信信
    号を生成するビーム形成手段と、 上記ビーム形成手段で生成された複数のビーム受信信号
    のうち、所定のしきい値以上の電力を有するビーム受信
    信号を選択して少なくとも1つのビーム受信信号を出力
    するビーム選択手段と、 上記ビーム選択手段で選択されたビーム受信信号のうち
    の基準のビーム受信信号と、上記ビーム選択手段で選択
    されたビーム受信信号のうちの任意のビーム受信信号の
    共役複素数との複素共役積である当該任意のビームに対
    応する受信ビームウエイトを演算する受信ビームウエイ
    ト演算手段と、 上記受信ビームウエイト演算手段で演算された受信ビー
    ムウエイトに基づいて、上記各アンテナ素子に対応する
    各受信ウエイトを演算する受信ウエイト演算手段と、 上記受信ウエイト演算手段で演算された受信ウエイトの
    うち、上記複数のアンテナ素子のうちの所定の基準のア
    ンテナ素子に隣接するアンテナ素子に対応する受信ウエ
    イトと、上記基準のアンテナ素子に対応する受信ウエイ
    トの共役複素数との複素共役積である第1の複素共役積
    に基づいて、上記基準のアンテナ素子に隣接するアンテ
    ナ素子で受信された受信信号と、上記基準アンテナ素子
    で受信された受信信号との間の第1の位相差を演算する
    第1の位相差演算手段と、 上記受信ウエイト演算手段で演算された受信ウエイトの
    うち、互いに隣接するアンテナ素子に対応する2つの受
    信ウエイトに基づいて、当該2つの受信ウエイトのうち
    の一方の受信ウエイトと、他方の受信ウエイトの共役複
    素数との複素共役積である第2の複素共役積を演算し
    て、上記第2の複素共役積と、上記第1の複素共役積の
    共役複素数との複素共役積である第3の複素共役積を演
    算する複素演算積演算手段と、 上記複素演算積演算手段で演算された第3の複素共役積
    に基づいて、互いに隣接するアンテナ素子で受信された
    受信信号の間の位相差と、上記第1の位相差との差であ
    る第2の位相差を演算する第2の位相差演算手段と、 上記第1の位相差演算手段で演算された第1の位相差と
    上記第2の位相差演算手段で演算された第2の位相差と
    に基づいて、任意のアンテナ素子で受信された受信信号
    と、上記基準のアンテナ素子で受信された受信信号との
    間の受信位相差を演算する受信位相差演算手段と、 上記受信位相差演算手段で演算された上記各受信位相差
    に基づいて、上記各アンテナ素子の配置に対応しかつ上
    記基準のアンテナ素子に対する任意のアンテナ素子の各
    位相差を、最小2乗法を用いて、上記複数のアンテナ素
    子で受信された受信波のうちの、電力が最大の受信波で
    ある最大受信波に対して等位相の1次回帰平面に回帰さ
    せて当該1次回帰平面を演算する回帰平面演算手段と、 上記回帰平面演算手段で演算された1次回帰平面の互い
    に隣接する任意の2つのアンテナ素子の間の位相差に、
    所定の受信周波数に対する所定の送信周波数の比を乗算
    することにより送信位相差を演算する送信位相差演算手
    段とを備え、 上記送信位相差演算手段で演算された各2つのアンテナ
    素子間の送信位相差で、送信信号を上記各アンテナ素子
    から送信することにより、上記最大受信波の方向に送信
    主ビームを形成することを特徴とするアレーアンテナの
    制御装置。
  3. 【請求項3】 上記アレーアンテナの制御装置はさら
    に、上記回帰平面演算手段で演算された1次回帰平面上
    の互いに隣接する任意の2つのアンテナ素子間の位相差
    を、−πから+πまでの範囲の値となる位相差に変換す
    る位相補正手段を備え、 上記送信位相差演算手段は、上記位相補正手段で変換さ
    れた位相差に上記受信周波数に対する上記送信周波数の
    比を乗算して送信位相差を演算することを特徴とする請
    求項1又は2記載のアレーアンテナの制御装置。
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