JP3827979B2 - 適応アレーアンテナ送受信装置および適応アレーアンテナの校正方法 - Google Patents

適応アレーアンテナ送受信装置および適応アレーアンテナの校正方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のアンテナ素子を配列して構成された適応アレーアンテナ送受信装置および適応アレーアンテナの校正方法に関し、さらに詳しくは、FDD(Frequency Division Duplex)方式などの送信と受信が異なる周波数で行われる通信システムにおいて、遠方界などの外部の情報を一切用いずに、アンテナ素子とケーブルを含めたブランチ間の振幅と位相のずれを、送信部と受信部に関して個別にかつ自動で校正する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の携帯電話やPHS(Persona1 Handyphone System)などの急激な移動通信の普及に伴って、限られた周波数帯を用いてできる限り多くの加入者に通信サービスを提供することが要求されている。その対策として、現在、携帯電話などの移動通信システムでは、送信と受信の周波数を異なる周波数に割り付けることで、送信および受信を同時間に行うことが可能なFDD(Frequency Division Duplex)方式が採用されている。
【0003】
一方、無線区間で周波数の利用効率を高めるためには、隣接セルからの干渉波の影響を低減することが必要となる。干渉波を低減するための技術としてアダプティブアレーアンテナが知られている。この事実は例えば文献「Monzingo et. al.,“lntroduction to Adaptive Array”,John Willy & Sons NewYork, 1980」に開示されている。アダプティブアレーアンテナは、複数のアンテナ素子をアレー状に配列して、アレーアンテナの各ブランチ毎に入力された信号に対して振幅と位相を重みづけすることにより、干渉波の方向にアレーアンテナの放射パターンのヌルを形成し、干渉波の影響を低減する技術である。
【0004】
アダプティブアレーアンテナを前述のFDDシステムで用いる場合の構成を図9に示す。同図に示すように、各ブランチには、送信機TXおよび受信機RXが配置され、これらはサーキュレータCCを介してアンテナ#1〜#Nに接続される。各送信機には、指向性制御演算回路の演算結果が重みづけ乗算回路(符号なし)で重み付けされて供給され、各受信機の出力信号は指向性制御演算回路(符号なし)に入力されて干渉波の到来方向等が演算される。
近年、アダプティブアレーアンテナで必要とされる振幅と位相値の制御は、制御の容易さや柔軟性などを考慮すると、ベースバンドでDSP(Digital SignalProcessor)などの演算器を用いたディジタル信号処理で実現することが一般的な方法とされている。この事実は例えば文献「T. Ohgane, et. al,“A Implementation of a CMA adaptive array for high speed GMSK transmission in mobilecommunications”,IEEE Trans. VT-42, No.3, pp.282-288, August 1993」に開示されている。したがって、ベースバンドの制御でアダプティブアレーアンテナを実現する場合は、図9に示すように、各ブランチ毎に送信機と受信機が必要になる。
【0005】
ところで、アダプティブアレーアンテナで用いるアンテナ素子、送信機、受信機は、それらの振幅と位相が各ブランチ間で等しいことが理想的であるが、実際は、電力増幅器などの高周波回路やケーブルの個体差、設置場所の温度特性の変動などによって異なることが多く、これらの誤差により理想的な放射パターンに対してヌル方向のずれやサイドローブの上昇が生じ、アダプティブアレーアンテナの本来持つ干渉波抑圧特性を劣化させる要因となっている。この事実は例えば文献「J. Litva et. al,“Digital Beamforming in Wireless Communications”, Artech House Publishers, 1996」に開示されている。
【0006】
この現象の一例を図10,11を用いて説明する。図10は、3素子円形配列のアレーアンテナにおいて、理想的な振幅・位相条件を与えた場合の放射パターンのヌル深度を表わし、図11は、図10に示す各素子の振幅・位相条件値に対し、各素子の振幅と位相に誤差を与えた場合の放射パターンのヌル深度を表わしている。図10から理解されるように、理想的な振幅・位相条件を与えた場合には180゜方向にヌルを有するパターンを形成するのに対し、図11から理解されるように、アレーアンテナの各素子の振幅と位相が理想的な値からずれると、著しく放射パターンの劣化を招いてしまう。したがって、アダプティブアレーアンテナの送信と受信のパターンを一致させるためには、アレーアンテナの各ブランチ間の振幅と位相を校正する技術が必要となる。
【0007】
また、FDDシステムにおいて、アダプティブアレーアンテナを適用する場合は、送信と受信の周波数が異なるため、受信時に求められたアダプティブアレーアンテナのウェイトをそのまま送信時には適用できない。したがって、通常、アダプティブアレーアンテナの送信時のウエイトを形成するためには、受信時になんらかの到来方向推定技術を用いて所望信号と干渉信号の方向を推定し、送信時にこれらの情報を用いてウエイトなどの形成を制御する。したがって、FDDシステムにおいて、アダプティブアレーを適用するためには、受信時/送信時のそれぞれにおいて校正が必要となる。さらに、FDDシステムでは、送信周波数と受信周波数とでアンテナ素子の特性も異なるため、送信と受信とでアンテナ素子間の校正が個別に必要となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来から、各送信機と受信機の振幅・位相を校正する手段として、装置内に校正用の基準信号をもち、この基準信号を用いた方法が提案されている。この事実は例えば文献「J. Litva et. a1, “Digital Beamfomrming in Wireless Communications”, Artech House Publishers,1996」に開示されている。この校正回路の構成を図12に示す。図12において、アンテナANTには、スイッチSW1が接続されると共に、カップラCPを介して基準信号発生器SGおよび減衰器ATが接続される。スイッチSW2は、スイッチSW1または減衰器ATの何れかを受信機RXに接続するためのものである。スイッチSW1は、送信機TXの出力先をアンテナANTまたは受信機RXの何れかに切り換えるためのものである。なお、この例では、送信周波数と受信周波数は同じである。
【0009】
図12に示す校正回路におけるアレーアンテナの校正手順は、以下の通りである。
(手順1) 基準信号発生器SGから分岐手段のカップラCPを介して各ブランチ毎に共通の信号が受信機RXに送られる。振幅・位相校正値計算部CULは、あるブランチの受信機で得られた値を基準値として各ブランチ毎の受信機で得られた値の校正値を求める。
(手順2) 送信機TXから信号をスイッチSWAとアッテネータATとスイッチSWBを介して受信機RXに送り、上述の手順1で基準としたブランチの値を用いて各ブランチ毎に得られた値の校正値を求める。
(手順3) 上述の手順1と手順2で求めた校正値を差し引き、送信機の校正値を求める。
したがって、図12の校正回路を用いることにより、装置内でアレーアンテナの各ブランチ間の振幅と位相を校正できることが可能となる。
【0010】
しかし、FDDシステムでは送信機と受信機の周波数が異なるため、図12に示されるような方法をFDDシステムに適用しようとしても、送信機の校正を行うための送信機から受信機に信号を送る手順2を実現できない。したがって、従来手法では受信機の校正しか実現できないといった問題が生じる。また、上記手法では装置間の校正を実現するものであり、この方法単独では、アンテナ素子間およびアンテナ素子と送受信機の間に接続されるケーブルに関する正を行うことはできない。
【0011】
一方、アンテナ素子の振幅・位相のばらつきも含めた、アレーアンテナ装置の各ブランチ間の振幅と位相値を校正する技術として、遠方界から到来する信号あるいは遠方界でアレーアンテナの送信する信号を受信し、各ブランチごとの位相器を順次回転させる方法が用いられている。この様な方法は素子電界ベクトル回転法とよばれ、例えば文献「真野,片木,“フェーズドアレーアンテナの素子振幅位相測定法”, 電子情報通信学会論文誌(B), Vol.J-65-B, No.5, pp.555-560」に開示されている。しかし、一般に移動通信では、用いられる基地局が必ずしも規則的に設置されるとは限らず、通話エリアの不感地の解消やトラフィックに応じて置局が行われるため、各基地局に対して上記の方法を用いるためには、基地局と基準局が見通しになる条件を見つける必要がある。したがって、移動通信などの環境下ではできる限り、装置内のみでアレーアンテナの各ブランチ間の振幅と位相を校正できることが望まれる。
【0012】
これらの手法に対して、アレーアンテナ間で信号を送受信することで、アンテナとアンテナに接続される送受信機の校正を行う方法が提案されている。この事実は、文献「H.M.Aumann et. al,“Phased Array Antenna Calibration and Pattern Prediction Using Mutua1 Coupling Measurements”,IEEE Trans. on AP-37,No.7,pp844-850,July 1989」に開示されている。この文献に示す方法を図13に示す。まず、図13(a)に示すように、ある基準素子からみて、例えば6角型配列になり、かつ隣接アンテナ素子が基準素子に対して均等位置になるように各アンテナ素子を配列する。この例では、アンテナ素子#mを基準素子とし、これを中心としてアンテナ素子#n〜#n+5を6角形に配列する。このようにアレーを配列することで、基準素子のアンテナ素子#mからみれば、隣接する素子間の相互結合を同一と見なすことができる。この条件のもとで、図13(b)に示すように、アンテナ素子#mから例えば隣接するアンテナ素子#n,#n+1に対して信号を送受信することで、送信機TXと受信機RXとの間の振幅・位相差を補正することができる。
【0013】
しかしながら、実際は、アレーアンテナの配列は直線や円形で配列されることが多く、これらの配列では、使用するアンテナ間の相互結合をすべて等しくすることは困難である。また、この方法を適用するためには、すべての素子に対して、上記の条件を満たすことが必要となり、多数の校正用のアンテナが必要となる。さらに、この方法をFDDシステムに適用する場合は、送受信の周波数が異なるため、単に隣接アンテナ間で信号を送受信することができないといった問題が生じる。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、アンテナ、送信機、受信機、およびこれらを接続するケーブルに対して、校正用アンテナを用いることなく校正が可能な適応アレーアンテナ送受信装置および適応アレーアンテナの校正方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上述の課題は、前記特許請求の範囲に記載した手段によって解決される。
第1の発明は、直線上に配列されたN本(N≧3)のアンテナ素子で構成されたアレーアンテナ(11)と、前記アレーアンテナのアンテナ素子毎に設けられた送信機(13)及び受信機(14)と、前記アンテナ素子を共用すべく該アンテナ素子に前記送信機または前記受信機を接続する第1の送受共用手段(12)と、前記アンテナ素子からそれぞれ入力される信号に対して振幅及び位相の重みづけを行うことにより前記アレーアンテナの放射パターンを制御する指向性制御演算回路(26,27)とを備えて構成され、前記受信機の受信周波数と前記送信機の送信周波数とが異なる適応アレーアンテナ送受信装置において、校正時に、前記N本のアンテナ素子の中の2本のアンテナ素子と該2本のアンテナ素子にそれぞれ設けられた前記第1の送受共用手段との間の接続を切り放すと共に前記2本のアンテナ素子の何れかを選択する第1のスイッチ手段(21,23)と、前記N本のアンテナ素子の何れか1つに設けられた送信機の出力の一部を分岐する分岐手段(15)と、前記分岐手段により分岐された信号を入力し、これを受信周波数の信号に変換して出力する第1の周波数変換手段(22A)と、送信周波数の信号を入力し、これを前記分岐手段により出力の一部が分岐される前記送信機を設けた前記アンテナ素子に設けられた受信機に与えるべき信号に変換して出力する第2の周波数変換手段(22B)と、前記2本のアンテナ素子を共用すべく前記第1のスイッチ手段に前記第1の周波数変換手段の出力部と前記第2の周波数変換手段の入力部とを接続する第2の送受共用手段(24)と、前記分岐手段により出力の一部が分岐される前記送信機を設けた前記アンテナ素子に設けられた受信機に、前記第1の送受共用手段または前記第2の周波数変換手段から出力される信号を切り替えて与える第2のスイッチ手段と、前記第1および第2のスイッチ手段を制御するとともに、前記N本のアンテナ素子にそれぞれ設けられた受信機から得られる信号の振幅・位相値に基づいて、前記アレーアンテナのブランチ間の振幅位相校正値を求める校正制御手段と、を備え、前記第1のスイッチ手段が接続されたアンテナ素子は、アレーアンテナのもっとも中心近くに位置するアンテナ素子の右隣りと左隣りの素子であることを特徴とする適応アレーアンテナ送受信装置である。
【0016】
第2の発明は、第1の発明に係る適応アレーアンテナ送受信装置において、前記校正制御手段は、前記N本のアンテナ素子にそれぞれ設けられた送信機のうち、校正すべき第i番目の送信機から第i番目の第1の送受共用手段を介して第i番目のアンテナ素子に信号を送り、該第i番目のアンテナ素子から放射される信号を、前記第1のスイッチ手段に接続されたアンテナ素子であって第i番目以外のアンテナ素子で受信させ、前記第i番目以外のアンテナ素子で受信された信号を前記第1のスイッチ手段と前記第2の送受共用手段を介して前記第2の周波数変換手段に送り、前記第2の周波数変換手段から出力される信号を前記第2のスイッチ手段を介して該第2のスイッチ手段に接続された受信機に入力させ、それぞれのブランチの校正すべき送信機から前記受信機に入力された測定値とブランチ間の距離に相当する波長に比例した位相に基づいてアレーアンテナのブランチ間の振幅位相校正値を求めることを特徴とする適応アレーアンテナ送受信装置である。
【0017】
第3の発明は、第1の発明に係る適応アレーアンテナ送受信装置において、前記校正制御手段は、前記分岐手段に接続された送信機から送られる送信周波数の信号を前記分岐手段により分岐し、該分岐された信号を前記第1の周波数変換手段に送り、該第1の周波数変換手段から出力される信号を前記第2の送受共用手段と前記第1のスイッチ手段を介して、前記第1のスイッチ手段に接続されたアンテナ素子であって第i番目以外のアンテナ素子に送り、該アンテナ素子で放射された信号を、校正すべき第i番目の受信機が設けられた第i番目のアンテナ素子で受信させ、該受信された信号を第i番目の第1の送受共用手段を介して、校正すべき前記第i番目の受信機に入力させ、それぞれのブランチの受信機で検出した測定値とブランチ間の距離に相当する波長に比例した位相に基づいてアレーアンテナのブランチ間の振幅位相校正値を求めることを特徴とする適応アレーアンテナ送受信装置である。
【0019】
の発明は、第1の発明に係る適応アレーアンテナ送受信装置の校正方法において、前記N本のアンテナ素子にそれぞれ設けられた送信機のうち、校正すべき第i番目の送信機から第i番目の第1の送受共用手段を介して第i番目のアンテナ素子に信号を送らせ、前記第i番目のアンテナ素子から放射される信号を、前記第1のスイッチ手段に接続されたアンテナ素子であって第i番目以外のアンテナ素子で受信させ、前記第i番目以外のアンテナ素子で受信された信号を前記第1のスイッチ手段と前記第2の送受共用手段を介して前記第2の周波数変換手段に送らせ、前記第2の周波数変換手段から出力される信号を前記第2のスイッチ手段を介して該第2のスイッチ手段に接続された受信機に入力させ、それぞれのブランチの校正すべき送信機から前記受信機に入力された測定値とブランチ間の距離に相当する波長に比例した位相に基づいてアレーアンテナのブランチ間の振幅位相校正値を求めることを特徴とする適応アレーアンテナ送受信装置の校正方法である。
【0020】
の発明は、第1の発明に係る適応アレーアンテナ送受信装置の校正方法において、前記分岐手段に接続された送信機から送られる送信周波数の信号を前記分岐手段により分岐させ、該分岐された信号を前記第1の周波数変換手段に送らせ、前記第1の周波数変換手段から出力される信号を前記第2の送受共用手段と前記第1のスイッチ手段を介して、前記第1のスイッチ手段に接続されたアンテナ素子であって第i番目以外のアンテナ素子に送らせ、該アンテナ素子で放射された信号を、校正すべき第i番目の受信機が設けられた第i番目のアンテナ素子で受信させ、該受信された信号を第i番目の第1の送受共用手段を介して、校正すべき前記第i番目の受信機に入力させ、それぞれのブランチの受信機で検出した測定値とブランチ間の距離に相当する波長に比例した位相に基づいてアレーアンテナのブランチ間の振幅位相校正値を求めることを特徴とする適応アレーアンテナ送受信装置の校正方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
本発明の適応アレーアンテナ送受信装置の第1の実施の形態について、図1〜3を参照して説明する。
図1は、この実施の形態のアレーアンテナ送受信装置の概略を示すブロック図である。図2は、この実施の形態の送信部の校正を行うための手順を示すためのフローチャートである。図3は、この実施の形態の受信部の校正を行うための手順を示すためのフローチャートである。
なお、この実施の形態では、送信部は、送信時のアンテナと送信機を含めたものとして定義し、受信部は、受信時のアンテナと受信機を含めたものとして定義する。また、この実施の形態では、1つのアンテナ素子に付随する構成要素の集合を1つのブランチとして定義する。
【0022】
この実施形態の適応アレーアンテナ送受信装置は、送受共用手段の一例となるサーキュレータ12、指向性制御演算回路に対応する指向性制御演算部27、ローカル信号生成部に対応する信号発生部25、分岐手段の一例となるカップラ15、校正制御手段に対応する校正演算部26を含む。
即ち、図1において、11はアンテナ素子を、12は第1のサーキュレータを、13は送信機(送信周波数f1)を、14は受信機(受信周波数f2)を、26は校正演算部を、27は指向性制御演算部を、15はカップラを、21はアンテナ素子11に対してサーキュレータ12とサーキュレータ24側のいづれかを接続するスイッチを、24は周波数f2を出力すると共に周波数flを入力する第2のサーキュレータを、25は信号発生部を、22A,22Bは送信周波数f1から受信周波数f2に周波数変換を行う周波数変換器を表す。
【0023】
さらに詳細に構成を説明する。図1に示すように、N本(N≧3)のアンテナ素子11(1)〜11(N)は直線上に配列され、アレーアンテナを構成する。
この実施の形態では、アンテナ素子11(1)が属するブランチを基準ブランチとし、この基準ブランチを基準として各ブランチの校正が行われる。送信機13および受信機14は、アレーアンテナのアンテナ素子毎に設けられており、この例では、全部でN個の送信機と受信機が設けられる。送信機13の送信周波数と受信機の受信周波数は異なる。各アンテナ素子は、同一ブランチ内の送信機13と受信機14とで共用され、第1の共用手段としてのサーキュレータ12によりアンテナ素子11に送信機13または受信機14が接続される。アンテナ素子11からそれぞれ入力される信号に対しては、校正演算部26および指向性制御演算部27において、振幅及び位相の重みづけが行われ、これによりアレーアンテナの放射パターンの制御が行われる。
【0024】
スイッチ21(1),21(2),23は、第1のスイッチ手段を構成し、校正時に、N本のアンテナ素子の中の2本のアンテナ素子11(1),11(3)と該2本のアンテナ素子のブランチにそれぞれ設けられたサーキュレータ12(1),12(3)との間の接続を切り放すと共にこれら2本のアンテナ素子の何れかを選択してサーキュレータ24に接続するものである。カップラ15は、送信機13(1)の出力の一部を分岐する分岐手段ある。このカップラ15は、基準ブランチとなる送信機の出力に設けられ、N本のアンテナ素子の何れか1つの送信機に設けられる。周波数変換器22Aは、カップラ15により分岐された信号を入力し、これを受信周波数の信号に変換して出力する第1の周波数変換手段として機能する。周波数変換器22Bは、送信周波数の信号を入力し、これを受信機14(1)に与えるべき信号に変換して出力する第2の周波数変換手段として機能する。
【0025】
サーキュレータ24は、2本のアンテナ素子11(1),11(3)を共用するために必要とされるものであって、前記第1のスイッチ手段に周波数変換器22Aの出力部と周波数変換器22Bの入力部とを接続する第2の送受共用手段として機能する。スイッチ16は、受信機14(1)にサーキュレータ12(1)または周波数変換器22Bから出力される信号を切り替えて与える第2のスイッチ手段として機能する。このスイッチ16は、基準ブランチとなる受信機の入力部に設けられ、N本のアンテナ素子の何れか1つに設けられる。校正演算部26および指向性制御演算部27は、スイッチ21(1),21(2),23、16を制御すると共に、受信機14(1)〜14(N)から得られる信号の振幅・位相値に基づいてブランチ間の振幅位相校正値を求める校正制御手段として機能する。
【0026】
ここで、本発明による校正法の原理を示すために、図4を用いてFDD用送受信機において各ブランチ間の振幅に誤差が生じる部分を説明する。図4は校正対象の第i番目(iは任意の自然数をとり得る変数)のブランチを示しており、Mi(f1),Ti(f1)は、送信部(送信時におけるアンテナおよび送信機)で生じる振幅と位相をそれぞれ表す。Mi(f2),Ri(f2)は、受信部(受信時におけるアンテナおよび受信機)で生じる振幅と位相をそれぞれ表す。ここで、送信と受信では周波数が異なるのでアンテナの特性が異なり、Mi(f1)≠Mi(f2)となる。したがって、送信時のアンテナと送信機を含めた送信部で生じる振幅・位相は、「Mi(f1)Ti(f1)」で与えられる。
【0027】
一方、受信時のアンテナと受信機を含めた受信部で生じる振幅・位相は「Mi(f2)Ti(f2)」で与えられる。各ブランチ間の校正値は、ブランチ間の相対的な振幅と位相差が求まればよいので、例えば、1番目のブランチを基準とすると、i番目のブランチのFDD用送受信機において必要とされる振幅・位相の校正値は以下の式で与えられる。
i(f1)Ti(f1)/M1(f1)T1(f1)…1番目ブランチに対するi番目の送信部の校正値
i(f2)Ri(f2)/M1(f2)R1(f2)…1番目ブランチに対するi番目の受信部の校正値
以下では、簡略化のため、Ti(f1)=Tiとし、Ri(f2)=Riと表記する。
【0028】
次に、本発明における送信部の校正実現手順を説明する。
この校正手順を概略的に言えば、送信部を校正する場合、各ブランチから送信された信号を特定のブランチの受信機で受信して、ブランチ間の相対的な校正量を算出する。また、受信部を校正する場合、特定のブランチの送信機から送信された信号を各ブランチの受信機で受信して、ブランチ間の相対的な校正量を算出する。図1においては、校正用の基準ブランチの番号iを「1」と定めているが、他の任意のブランチを基準にしてもよく、その基準となるブランチの送信機および受信機にそれぞれカップラ15およびスイッチ16を接続すればよい。また、スイッチ21(1)と21(2)はそれぞれアンテナ素子11(1)、11(3)に接続されているが、これは他のブランチのアンテナ素子に接続されてもよい。
【0029】
まず、図2に示すフローに沿って送信部の校正手順を説明する。
(手順A) 校正対象のブランチの番号を表す変数「i」に「1」を設定し(ステップS1)、校正演算部26からスイッチ16を制御して、受信機14(1)に周波数変換器22Bから出力される校正用の信号を入力させる(ステップS2)。
(手順B) 続いて、iに応じて、校正を行うブランチiとブランチの第1のスイッチ21が接続されている基準ブランチのアンテナ11との間の距離に対する位相値を算出する(ステップS3〜S4A/S4B)。この演算結果は、最後の振幅位相の校正値を求める演算で用いる。基準ブランチである1番目のアンテナ素子11(1)と送信機の振幅と位相特性を求めるためには、1番目以外のアンテナ素子を校正用アンテナとして用いることが必要となる。よって、iの値に応じて以下のアンテナ間(ブランチ間)の距離に相当する位相項A(i)を求める。
【0030】
位相項A(i)は、以下の次式(1),(2)で与えられる。
A(i)=exp(2πd1i/λ) (i≠1) ・・・(1)
=exp(2π i /λ) (i=1) ・・・(2)
ここで、λは波長、d1id i はそれぞれアンテナ素子11(1),11 (3)と11(i)との間の実際の距離を表す。
以上の手順A,Bにより、校正対象ブランチのアンテナと基準ブランチのアンテナとの間の距離に応じた位相値A(i)を得る。
【0031】
(手順C) 続いて、iの値に応じて、スイッチ21(1)もしくはスイッチ21(2)を制御してアンテナ素子11(1)またはアンテナ素子11(3)を選択し、これらアンテナ素子11(1)もしくは11(3)の出力とスイッチ23の入力を接続する。さらに、スイッチ23を制御してスイッチ21(1)もしくは21(2)の出力を第2のサーキュレータ24に接続する(ステップS5A/S5B〜S6A/S6B)。この手順Cにより、校正対象ブランチが基準ブランチであるか否かに応じて、N個のアンテナ素子の中の基準ブランチを含む2本のアンテナ素子の何れかを選択する。
【0032】
(手順D) 続いて、送信機13(i)から信号を送信する(ステップS7)。この信号をiの値に応じてアンテナ11(1)もしくは11(3)で受信する。この信号は、第2のサーキュレータ24を介して周波数変換器22Bに入力される。ここで、送信周波数f1の信号を受信周波数f2の信号に変換する。信号発振器25の発信周波数は|f1−f2|に相当する。
【0033】
この信号発振器25の信号は、受信機14のローカル信号と送信機13のローカル信号を用いて生成することが可能である。この信号発振器25の例として、図5にベースバンド帯と通信周波数帯の周波数を直接変換する方式(ダイレクトコンバージョン方式)を、図6にベースバンド帯と通信周波数帯の周波数変換の間の別の周波数(中間周波数)に変換した後に所望の周波数に変換する方式(スーパーヘテロダイン方式)における構成を示す。
【0034】
図5から明らかなように、ダイレクトコンバージョン方式の場合は、送信機の周波数変換に周波数f1の発振器を用い、受信機の周波数変換に周波数f2の発振器をそれぞれ用いるため、これらの出力をミキサでミキシングすることで、送信周波数と受信周波数の差分周波数f1-f2の信号を直接抽出することができる。なお、この例では、ミキシングされた信号から低域通過フィルタにより高周波成分を除去している。図6の場合、中間周波数をfIFとすると、中間周波数と通信周波数の間に必要とされる発振周波数は、送信機では「f1-fIF」、受信機では「f2-fIF」となる。
【0035】
これらの信号発振器の出力をミキシングすると、周波数差(f1-fIF)−(f2-fIF)=f1-f2の信号成分を抽出することが可能となる。すなわち、図6の場合も送信機と受信機の発振器出力を用いて送信周波数と受信周波数の差分周波数f1-f2の信号を抽出することができる。よって、図5,6に示すように、送信機と受信機で用いる発振器を用いれば、校正時において発振器の違いによる周波数偏差の影響を無視することができるとともに、新たな発振源を設ける必要がなく、ハードウエアを実現する上でも有効である。
この手順Dにより、校正対象ブランチの送信機13()から信号を送信し、これを2本のアンテナ素子11(1),11(3)の何れかで受信し、送信周波数の信号を受信周波数の信号に変換する。
【0036】
(手順E) 続いて、周波数変換器22Bから出力された信号をスイッチ16を介して、1番目の受信機14(1)で受信する。そして、この受信機14(1)で得られる信号の値K(i)を校正演算部26で測定する(ステップS8)。
i=1,2の場合のK(i)を次式(3),(4)に示す。
(1)=T11(f1)L13 1 (f 2 )QR1 ・・・(3)
(2)=T22(f1) 12 1 (f 2 )QR1 ・・・(4)
ここで、Lは送受信を行うアンテナ間における伝搬ロスを表す。Qは周波数変換器で生じる振幅・位相の変動である。
振幅・位相の校正値は各ブランチ間の相対差として求まればよく、次式(5)により与えられる。
(2)/K(1)=T22(f1) 12 1 (f 2 )QR1/T11(f1)L13 1 (f 2 )QR1
=T22(f1) 12 /T11(f1)L13 ・・・(5)
【0037】
式(3)において、R1、Q、 1 (f 2 )の項は校正値を求めるには余分な項となるが、各校正ループにおいて常に通過するので、これらの影響は除去できる。すなわち、式(3),(4)においてL13 12 を満たせばよい。本発明では、L13 12 を満たすかわりに、手順Bで求めた位相項A(i)を用いる。位相項A(i)は、アンテナ間の距離の位相差に相当するので、Lと位相項A(i)の関係は、次式(6)で与えることができる。
12 /L13=A(2)/A(1) ・・・(6)
【0038】
次に、1番目のブランチに対するi番目のブランチの送信部の校正値Hi,1を求める(ステップS9;No〜S14)。
1番目のブランチに対する2番目のブランチの送信部の校正値H2,1は、式(3)と式(4)を用いて以下の次式(7)で与えられる。
2,1={K(2)/K(1)}×{A(1)/A(2)}
=T22(f1)/T11(f1) ・・・(7)
3番目のブランチを求めるためには、まず、2番目と3番目との間の校正値H3,2を式(7)と同様に求め、次式(8)を得る。
3,2={ (3) (2) }×{A(2)/A(3)}
=T33(f1)/T22(f1) ・・・(8)
【0039】
式(7),(8)で得られた値H2,1とH3,2より、1番目のブランチに対する3番目のブランチの送信部の校正値H3,1は以下の次式(9)で求められる。
3,1=H2,1・H3,2
={T22(f1)/T11(f1)}・{T33(f1)/T22(f1)}
=T33(f1)/T11(f1) ・・・(9)
同様に、1番目のブランチに対するi番目(i≧3)の校正値Hi,1の校正値は、次式(10)で求められる。
i,1=Hi-1,1・Hi,i-1
=Tii(f1)/T11(f1) ・・・(10)
この手順Eにより、受信周波数に変換された信号を基準ブランチの受信機で受信し、この受信により得られた値に位相値A(i)を反映させて校正対象ブランチの送信機に対する校正値を求める。
【0040】
ここで、2素子のアンテナ間のみのループでは、「M1・Mi」を求めることができるが、アンテナ間の振幅・位相差「Mi/M1」を求めることができない。これに対し本発明では、校正に用いるアンテナ以外のアンテナを用いることで、等価的に「Mi/M1」を求めることができる。また、従来校正では、多数のダミー用アンテナを必要としたが、本構成ではダミー用アンテナを用いずに校正が実現できる。
【0041】
次に、図3に示すフローに沿って、受信部の校正手順を具体的に説明する。
(手順A') 校正対象のブランチを表す変数「i」に「1」を設定し(ステップS101)、校正演算部26からスイッチ16を制御して、受信機14(1)に周波数変換器22Bから出力される校正用の信号を入力させる。
(手順B') 校正を行うブランチiと第1のスイッチが接続されているアンテナ間の距離に対する位相値A(i)を算出する(ステップS103〜S104A/S104B)。この演算は、送信部の上述の手順Bと同じである。
以上の手順A',B'により、校正対象ブランチのアンテナと基準ブランチのアンテナとの間の距離に応じた位相値A(i)を算出する。
【0042】
(手順C')iの値に応じて、スイッチ21(1)もしくはスイッチ21(2)を制御してアンテナ素子11(1)もしくはアンテナ素子11(3)の出力とスイッチ23の入力を接続する。さらに、スイッチ23を制御してスイッチ21(1)もしくは21(2)の出力を第2のサーキュレータ24に接続する(ステップS105A/S105B〜S106A/S106B)。この手順により、校正対象ブランチが基準ブランチであるか否かに応じて、N個のアンテナ素子の中の基準ブランチを含む2本のアンテナ素子の何れかを選択する。
【0043】
(手順D')送信機13(1)から信号をカップラ15で分離し、分離された信号を周波数変換器22Aに入力する。ここで、送信周波数f1の信号を受信周波数f の信号に変換する。変換された信号を第2のサーキュレータ24を介して、スイッチ23に接続されるアンテナより信号を送信する(ステップS107)。即ち、この手順D'により、選択された前記2本のアンテナ素子の何れかを用いて、基準ブランチの送信機の送信周波数の信号を受信周波数の信号に変換して送信する。
(手順E') 手順D'で送信された信号をi番目の受信機14(i)で受信する。受信機14(i)で得られる値S(i)を校正演算部26で測定する(ステップS108)。
【0044】
i=1,2場合のS(i)を次式(11),(12)に示す。
(1)=T1 1 (f 1 )31 1 (f 2 )QR1 ・・・(11)
(2)=T1 1 (f 1 ) 12 2 (f 2 )QR2 ・・・(12)
ここで、Lは送受信を行うアンテナ間における伝搬ロスを表す。Qは周波数変換器で生じる振幅・位相変動である。振幅・位相の校正値は各ブランチ間の相対差として求まればよく、次式(13)により与えられる。
(2)/S(1)=T1 1 (f 1 ) 12 2(f2)QR2/T1 1 (f 1 )311(f2)QR1
12 2(f2)R2/L311(f2)R1 ・・・(13)
【0045】
式(3)において、T1、Q、 1 (f 1 )の項は校正値を求めるには余分な項となるが、各校正ループにおいて常に通過するので、これらの影響は除去できる。すなわち、L31 12 を満たせばよい。
本発明では、L31 12 を満たすかわりに、手順B'で求めた位相項A(i)を用いる。位相項A(i)は、アンテナ間の距離の位相差に相当するので、Lと位相項A(i)の関係は、次式(14)で与えることができる。
31 12 =A(2)/A(1) ・・・(14)
【0046】
続いて、1番目のブランチに対するi番目のブランチの受信部の校正値Pi,1を求める(ステップS109;No〜S113)。
即ち、 上記の式を用いて、1番目のブランチに対する2番目のブランチの送信部の校正値をP2,1とすると、式(13)と式(14)を用いてP2,1は、次式(15)で与えられる。
2,1={S(2)/S(1)}×{A(1)/A(2)}
=M2(f2)R2/M1(f2)R1 ・・・(15)
3番目のブランチの校正値を求めるためには、まず、2番目と3番目の間の校正値P3,2を式(7)と同様に求める。
3,2={S(3)/S(2)}×{A(2)/A(3)}
=M3(f2)R3/M2(f2)R2 ・・・(16)
【0047】
式(7)で得られた値P2,1とP3,2より1番目のブランチに対する3番目のブラチの送信部の校正値P3,1は、次式(17)で求められる。
3,1=P2,1・P3,2
={M2(f2)R2/M1(f2)R1}・{M3(f2)R3/M2(f2)R2}
=M3(f2)R3/M1(f2)R1 ・・・(17)
同様に、1番目のブランチに対する番目(i≧3)の校正値Pi,1は、次式(18)で求められる。
i,1=Pi-1,1・Pi,i-1
=Mi(f2)Ri/M1(f2)R1 ・・・(18)
【0048】
この手順E'により、基準ブランチから送信された前記信号を校正対象ブランチの受信機で受信し、この受信機により得られた値に前記位相値を反映させて校正対象ブランチの受信機に対する校正値を求める。
以上、説明したように、手順A'〜E'によれば、1番目のブランチに対するi番目のブランチの受信部の校正値Pi,1が求まり、従って受信でも送信と同様にダミー用アンテナを用いずに校正が実現できる。
【0049】
(第2の実施の形態)
本発明の適応アレーアンテナ送受信装置の第2の実施の形態について、図7を参照して説明する。図7の例では、アンテナ素子11と第2のサーキュレータ24に接続される第2のスイッチ23は、直線配列アレーアンテナの中心素子11(1)の右隣りと左隣りに位置するアンテナ素子11(2),11(3)に接続される点が図1の例と異なる。
【0050】
第1の実施の形態で説明したように、本発明では、アンテナ間で信号を送受信することで送受信機とアンテナ間の振幅/位相の誤差を検出する。そのために、アンテナ間の伝達関数をアンテナ間の距離に相当する位相項Aの値を用いて近似している。この値Aは、実際に設置されるアンテナ間の距離と設定した距離の誤差が大きくなると、誤差が生じることになる。そこで、図7では、基準とするアンテナ素子11(1)を中央付近に設置することで、各アンテナ間と基準素子の距離を図1の場合に対し、等距離となる場合が多くなり、アンテナ間の距離に相当する位相Aの値と実際に求められるアンテナ間の伝達関数の誤差が少なくしている。
【0051】
具体的な校正値を得る手段を以下に示す。まず、アンテナ11(1)〜11(3)の間で校正値を求める。アンテナ11(4)に関しては、アンテナ11(2)を基準として校正値を求めることができる。アンテナ11(5)に関しては、アンテナ11(3)を基準として校正値を求めることができる。以下、偶数番目の素子i=2m(m≧3)に関しては、アンテナ11(2)を基準として、偶数番目の素子i=2m+1(m≧3)に関しては、アンテナ11(3)を基準として、以下の式(19a)〜(20b)から送信部の校正値Hおよび受信部の校正値Pを求めることができる。
【0052】
i,1=Hi,i-3・Hi-3,1(i=2m,m≧3,基準アンテナ2)
・・・(19a)
i,1=Hi,i-5・Hi-5,1(i=2m+1,m≧3,基準アンテナ3)
・・・(19b)
i,1=Pi,i-3・Pi-3,1(i=2m,m≧3,基準アンテナ2)
・・・(20a)
i,1=Pi,i-5・Pi-5,1(i=2m+1,m≧3,基準アンテナ3)
・・・(20b)
【0053】
(第3の実施の形態)
本発明の適応アレーアンテナ送受信装置の1つの実施の形態について、図8を参照して説明する。図8例では、アンテナ素子と第2のサーキュレータに接続される第2のスイッチを3個設けることで、3本のアンテナ素子が基準アンテナ素子として構成できるようになっており、具体的には、直線配列アレーアンテナの中心に位置するアンテナ素子11(1)とその左右隣りのアンテナ素子11(2),11(3)にスイッチ21(1)〜21(3)がそれぞれ接続されている点が図1の例と異なる。
【0054】
図8の構成を適用すると、1番目と2番目のブランチ間以外は、校正の際に必要となる基準アンテナ素子と、校正の対象となる2ブランチのアンテナ素子との距離は必ず等距離にすることができる。この2ブランチ間の校正値を求める際に用いるアンテナと基準アンテナの距離が等しくなるための条件は以下のように与えることができる。
i=2の場合 ; 基準アンテナ=3
i=3の場合 ; 基準アンテナ=1
i=2k(k≧2)の場合 ; 基準アンテナ=2
i=2k+1(k≧2)の場合 ; 基準アンテナ=3
【0055】
上記より、送信部の校正値Hとその際に基準となるアンテナ素子は、以下の式(21)により与えられる。
2,1(基準アンテナ3)
3,1=H2,1・H3,2(基準アンテナ1)
4,1(基準アンテナ2)
5,1(基準アンテナ3)
i,1=Hi,i-3・Hi-3,1(i=2m,m≧3、基準アンテナi−3)
i,1=Hi,i-4・Hi-4,1(i=2m+1,m≧3、基準アンテナi-4)
・・・(21)
【0056】
受信部の校正値Pとその際に基準となるアンテナ素子は、以下の式(22a)〜(22f)より与えられる。
2,1(基準アンテナ3) ・・・(22a)
3,1=P2,1・P3,2(基準アンテナ1) ・・・(22b)
4,1(基準アンテナ2) ・・・(22c)
5,1(基準アンテナ3) ・・・(22d)
i,1=Pi,i-3・Pi-3,1(i=2m,m≧3、基準アンテナi-3)
・・・(22e)
i,1=Pi,i-4・Pi-4,1(i=2m+1,m≧3,基準アンテナi-4)
・・・(22f)
式(19a),(19b)と式(20a),(20b)を求めることで、必要とする校正値を得ることができる。
【0057】
以上、この発明の実施の形態を説明したが、この発明は、これらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0058】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明を用いると、FDDのような送信と受信の周波数が異なったシステムにおいても、各ブランチ間のアンテナ/送信部/受信部の振幅・位相値を、外部の情報や校正用アンテナを別途設けることなく得ることが可能となり、基地局の設置場所の違いによる環境変動や通信中の温度特性の変化により生じる各ブランチ間の振幅・位相誤差を補償することが可能となる。従って、送信周波数と受信周波数とが異なっていても、アンテナ、送信機、受信機、およびこれらを接続するケーブルに対して、校正用アンテナを用いることなく校正が可能なアレーアンテナ送受信装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る適応アレーアンテナ送受信装置の構成図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態に係る送信部の校正のためのフローチャートである。
【図3】 本発明の第1の実施の形態に係る受信部の校正のためのフローチャートである。
【図4】 FDD送受信機およびアンテナにおいて振幅・位相誤差が生じる部分を表す図である。
【図5】 周波数変換器に入力するローカル周波数(f1-f2)の発振器の発振源を得るための手段の一例を表す。
【図6】 周波数変換器に入力するローカル周波数(f1-f2)の発振器の発振源を得るための手段の他の例を表す。
【図7】 本発明の第2の実施の形態に係る適応アレーアンテナ送受信装置の構成図である。
【図8】 本発明の第3の実施の形態に係る適応アレーアンテナ送受信装置の構成図である。
【図9】 従来の適応アレーアンテナをFDDシステムに適用した場合の構成を表わす図である。
【図10】 アレーアンテナの放射パターンの一例を表す図である。
【図11】 アレーアンテナに対して各ブランチ間で振幅・位相に誤差を与えたときのヌル深度の例を表わした特性図である。
【図12】 従来装置内での校正方法の一例を説明するための図である。
【図13】 従来装置内での校正方法の他の例を説明するための図である。
【符号の説明】
11,11(1)〜11(N);アンテナ素子
12,12(1)〜12(N);サーキュレータ
13,13(1)〜13(N);送信機
14,14(1)〜14(N);受信機
15;カップラ
16;スイッチ
22A,22B;周波数変換器
23,230;スイッチ
24;サーキュレータ
25;信号発生部
26;校正演算部
27;指向性制御演算部

Claims (5)

  1. 直線上に配列されたN本(N≧3)のアンテナ素子で構成されたアレーアンテナ(11)と、前記アレーアンテナのアンテナ素子毎に設けられた送信機(13)及び受信機(14)と、前記アンテナ素子を共用すべく該アンテナ素子に前記送信機または前記受信機を接続する第1の送受共用手段(12)と、前記アンテナ素子からそれぞれ入力される信号に対して振幅及び位相の重みづけを行うことにより前記アレーアンテナの放射パターンを制御する指向性制御演算回路(26,27)とを備えて構成され、前記受信機の受信周波数と前記送信機の送信周波数とが異なる適応アレーアンテナ送受信装置において、
    校正時に、前記N本のアンテナ素子の中の2本のアンテナ素子と該2本のアンテナ素子にそれぞれ設けられた前記第1の送受共用手段との間の接続を切り放すと共に前記2本のアンテナ素子の何れかを選択する第1のスイッチ手段(21,23)と、
    前記N本のアンテナ素子の何れか1つに設けられた送信機の出力の一部を分岐する分岐手段(15)と、
    前記分岐手段により分岐された信号を入力し、これを受信周波数の信号に変換して出力する第1の周波数変換手段(22A)と、
    送信周波数の信号を入力し、これを前記分岐手段により出力の一部が分岐される前記送信機を設けた前記アンテナ素子に設けられた受信機に与えるべき信号に変換して出力する第2の周波数変換手段(22B)と、
    前記2本のアンテナ素子を共用すべく前記第1のスイッチ手段に前記第1の周波数変換手段の出力部と前記第2の周波数変換手段の入力部とを接続する第2の送受共用手段(24)と、
    前記分岐手段により出力の一部が分岐される前記送信機を設けた前記アンテナ素子に設けられた受信機に、前記第1の送受共用手段または前記第2の周波数変換手段から出力される信号を切り替えて与える第2のスイッチ手段と、
    前記第1および第2のスイッチ手段を制御するとともに、前記N本のアンテナ素子にそれぞれ設けられた受信機から得られる信号の振幅・位相値に基づいて、前記アレーアンテナのブランチ間の振幅位相校正値を求める校正制御手段と、
    を備え、
    前記第1のスイッチ手段が接続されたアンテナ素子は、アレーアンテナのもっとも中心近くに位置するアンテナ素子の右隣りと左隣りの素子である
    ことを特徴とする適応アレーアンテナ送受信装置。
  2. 請求項1に記載された適応アレーアンテナ送受信装置において、前記校正制御手段は、
    前記N本のアンテナ素子にそれぞれ設けられた送信機のうち、校正すべき第i番目の送信機から第i番目の第1の送受共用手段を介して第i番目のアンテナ素子に信号を送り、該第i番目のアンテナ素子から放射される信号を、前記第1のスイッチ手段に接続されたアンテナ素子であって第i番目以外のアンテナ素子で受信させ、前記第i番目以外のアンテナ素子で受信された信号を前記第1のスイッチ手段と前記第2の送受共用手段を介して前記第2の周波数変換手段に送り、前記第2の周波数変換手段から出力される信号を前記第2のスイッチ手段を介して該第2のスイッチ手段に接続された受信機に入力させ、それぞれのブランチの校正すべき送信機から前記受信機に入力された測定値とブランチ間の距離に相当する波長に比例した位相に基づいてアレーアンテナのブランチ間の振幅位相校正値を求める
    ことを特徴とする適応アレーアンテナ送受信装置。
  3. 請求項1に記載された適応アレーアンテナ送受信装置において、前記校正制御手段は、
    前記分岐手段に接続された送信機から送られる送信周波数の信号を前記分岐手段により分岐し、該分岐された信号を前記第1の周波数変換手段に送り、該第1の周波数変換手段から出力される信号を前記第2の送受共用手段と前記第1のスイッチ手段を介して、前記第1のスイッチ手段に接続されたアンテナ素子であって第i番目以外のアンテナ素子に送り、該アンテナ素子で放射された信号を、校正すべき第i番目の受信機が設けられた第i番目のアンテナ素子で受信させ、該受信された信号を第i番目の第1の送受共用手段を介して、校正すべき前記第i番目の受信機に入力させ、それぞれのブランチの受信機で検出した測定値とブランチ間の距離に相当する波長に比例した位相に基づいてアレーアンテナのブランチ間の振幅位相校正値を求める
    ことを特徴とする適応アレーアンテナ送受信装置。
  4. 請求項1に記載された適応アレーアンテナ送受信装置の校正方法において、
    前記N本のアンテナ素子にそれぞれ設けられた送信機のうち、校正すべき第i番目の送信機から第i番目の第1の送受共用手段を介して第i番目のアンテナ素子に信号を送らせ、
    前記第i番目のアンテナ素子から放射される信号を、前記第1のスイッチ手段に接続されたアンテナ素子であって第i番目以外のアンテナ素子で受信させ、
    前記第i番目以外のアンテナ素子で受信された信号を前記第1のスイッチ手段と前記第2の送受共用手段を介して前記第2の周波数変換手段に送らせ、
    前記第2の周波数変換手段から出力される信号を前記第2のスイッチ手段を介して該第2のスイッチ手段に接続された受信機に入力させ、
    それぞれのブランチの校正すべき送信機から前記受信機に入力された測定値とブランチ間の距離に相当する波長に比例した位相に基づいてアレーアンテナのブランチ間の振幅位相校正値を求める
    ことを特徴とする適応アレーアンテナ送受信装置の校正方法。
  5. 請求項1に記載された適応アレーアンテナ送受信装置の校正方法において、
    前記分岐手段に接続された送信機から送られる送信周波数の信号を前記分岐手段により分岐させ、該分岐された信号を前記第1の周波数変換手段に送らせ、
    前記第1の周波数変換手段から出力される信号を前記第2の送受共用手段と前記第1のスイッチ手段を介して、前記第1のスイッチ手段に接続されたアンテナ素子であって第i番目以外のアンテナ素子に送らせ、
    該アンテナ素子で放射された信号を、校正すべき第i番目の受信機が設けられた第i番目のアンテナ素子で受信させ、
    該受信された信号を第i番目の第1の送受共用手段を介して、校正すべき前記第i番目の受信機に入力させ、
    それぞれのブランチの受信機で検出した測定値とブランチ間の距離に相当する波長に比例した位相に基づいてアレーアンテナのブランチ間の振幅位相校正値を求める
    ことを特徴とする適応アレーアンテナ送受信装置の校正方法。
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