JP2003069460A - 適応アレーアンテナ送受信装置および適応アレーアンテナの校正方法 - Google Patents

適応アレーアンテナ送受信装置および適応アレーアンテナの校正方法

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JP2003069460A JP2001258359A JP2001258359A JP2003069460A JP 2003069460 A JP2003069460 A JP 2003069460A JP 2001258359 A JP2001258359 A JP 2001258359A JP 2001258359 A JP2001258359 A JP 2001258359A JP 2003069460 A JP2003069460 A JP 2003069460A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 校正用アンテナを用いることなく校正が可能
なアレーアンテナ送受信装置を提供すること。 【解決手段】 校正時に、スイッチ21(1)、21
(2)により、N本のアンテナ素子の中の2本のアンテ
ナ素子11(1)、11(3)とサーキュレータ12
(1)との間の接続を切り放すと共に、スイッチ23に
より前記2本のアンテナ素子の何れかを選択する。ここ
で、受信部の校正時には、カップラ15により、送信機
13(1)の出力の一部を分岐し、周波数変換器22A
は、この分岐された信号を入力し、これを受信周波数の
信号に変換して出力する。そして、これを各ブランチで
受信した値を用いて校正演算部26により校正する。送
信部の校正時には、スイッチ16により受信機14
(1)に周波数変換器22Bから出力される信号を与え
る。そして、受信機14(1)で受信した値を用いて校
正演算部26により校正を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のアンテナ素
子を配列して構成された適応アレーアンテナ送受信装置
および適応アレーアンテナの校正方法に関し、さらに詳
しくは、FDD(Frequency Division Duplex)方式など
の送信と受信が異なる周波数で行われる通信システムに
おいて、遠方界などの外部の情報を一切用いずに、アン
テナ素子とケーブルを含めたブランチ間の振幅と位相の
ずれを、送信部と受信部に関して個別にかつ自動で校正
する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の携帯電話やPHS(Persona1 Hand
yphone System)などの急激な移動通信の普及に伴って、
限られた周波数帯を用いてできる限り多くの加入者に通
信サービスを提供することが要求されている。その対策
として、現在、携帯電話などの移動通信システムでは、
送信と受信の周波数を異なる周波数に割り付けること
で、送信および受信を同時間に行うことが可能なFDD
(Frequency Division Duplex)方式が採用されている。
【0003】一方、無線区間で周波数の利用効率を高め
るためには、隣接セルからの干渉波の影響を低減するこ
とが必要となる。干渉波を低減するための技術としてア
ダプティブアレーアンテナが知られている。この事実は
例えば文献「Monzingo et. al.,“lntroduction to Ada
ptive Array”,John Willy & Sons NewYork, 1980」
に開示されている。アダプティブアレーアンテナは、複
数のアンテナ素子をアレー状に配列して、アレーアンテ
ナの各ブランチ毎に入力された信号に対して振幅と位相
を重みづけすることにより、干渉波の方向にアレーアン
テナの放射パターンのヌルを形成し、干渉波の影響を低
減する技術である。
【0004】アダプティブアレーアンテナを前述のFD
Dシステムで用いる場合の構成を図9に示す。同図に示
すように、各ブランチには、送信機TXおよび受信機R
Xが配置され、これらはサーキュレータCCを介してア
ンテナ#1〜#Nに接続される。各送信機には、指向性
制御演算回路の演算結果が重みづけ乗算回路(符号な
し)で重み付けされて供給され、各受信機の出力信号は
指向性制御演算回路(符号なし)に入力されて干渉波の
到来方向等が演算される。近年、アダプティブアレーア
ンテナで必要とされる振幅と位相値の制御は、制御の容
易さや柔軟性などを考慮すると、ベースバンドでDSP
(Digital SignalProcessor)などの演算器を用いたディ
ジタル信号処理で実現することが一般的な方法とされて
いる。この事実は例えば文献「T. Ohgane, et. al,“A
Implementation of a CMA adaptive array for high sp
eed GMSK transmission in mobilecommunications”,IE
EE Trans. VT-42, No.3, pp.282-288, August 1993」に
開示されている。したがって、ベースバンドの制御でア
ダプティブアレーアンテナを実現する場合は、図9に示
すように、各ブランチ毎に送信機と受信機が必要にな
る。
【0005】ところで、アダプティブアレーアンテナで
用いるアンテナ素子、送信機、受信機は、それらの振幅
と位相が各ブランチ間で等しいことが理想的であるが、
実際は、電力増幅器などの高周波回路やケーブルの個体
差、設置場所の温度特性の変動などによって異なること
が多く、これらの誤差により理想的な放射パターンに対
してヌル方向のずれやサイドローブの上昇が生じ、アダ
プティブアレーアンテナの本来持つ干渉波抑圧特性を劣
化させる要因となっている。この事実は例えば文献「J.
Litva et. al,“Digital Beamforming in Wireless C
ommunications”, Artech House Publishers, 1996」に
開示されている。
【0006】この現象の一例を図10,11を用いて説
明する。図10は、3素子円形配列のアレーアンテナに
おいて、理想的な振幅・位相条件を与えた場合の放射パ
ターンのヌル深度を表わし、図11は、図10に示す各
素子の振幅・位相条件値に対し、各素子の振幅と位相に
誤差を与えた場合の放射パターンのヌル深度を表わして
いる。図10から理解されるように、理想的な振幅・位
相条件を与えた場合には180゜方向にヌルを有するパタ
ーンを形成するのに対し、図11から理解されるよう
に、アレーアンテナの各素子の振幅と位相が理想的な値
からずれると、著しく放射パターンの劣化を招いてしま
う。したがって、アダプティブアレーアンテナの送信と
受信のパターンを一致させるためには、アレーアンテナ
の各ブランチ間の振幅と位相を校正する技術が必要とな
る。
【0007】また、FDDシステムにおいて、アダプテ
ィブアレーアンテナを適用する場合は、送信と受信の周
波数が異なるため、受信時に求められたアダプティブア
レーアンテナのウェイトをそのまま送信時には適用でき
ない。したがって、通常、アダプティブアレーアンテナ
の送信時のウエイトを形成するためには、受信時になん
らかの到来方向推定技術を用いて所望信号と干渉信号の
方向を推定し、送信時にこれらの情報を用いてウエイト
などの形成を制御する。したがって、FDDシステムに
おいて、アダプティブアレーを適用するためには、受信
時/送信時のそれぞれにおいて校正が必要となる。さら
に、FDDシステムでは、送信周波数と受信周波数とで
アンテナ素子の特性も異なるため、送信と受信とでアン
テナ素子間の校正が個別に必要となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来から、各送信機と
受信機の振幅・位相を校正する手段として、装置内に校
正用の基準信号をもち、この基準信号を用いた方法が提
案されている。この事実は例えば文献「J. Litva et. a
1, “Digital Beamfomrming in Wireless Communicatio
ns”, Artech House Publishers,1996」に開示されて
いる。この校正回路の構成を図12に示す。図12にお
いて、アンテナANTには、スイッチSW1が接続され
ると共に、カップラCPを介して基準信号発生器SGお
よび減衰器ATが接続される。スイッチSW2は、スイ
ッチSW1または減衰器ATの何れかを受信機RXに接
続するためのものである。スイッチSW1は、送信機T
Xの出力先をアンテナANTまたは受信機RXの何れか
に切り換えるためのものである。なお、この例では、送
信周波数と受信周波数は同じである。
【0009】図12に示す校正回路におけるアレーアン
テナの校正手順は、以下の通りである。 (手順1) 基準信号発生器SGから分岐手段のカップ
ラCPを介して各ブランチ毎に共通の信号が受信機RX
に送られる。振幅・位相校正値計算部CULは、あるブ
ランチの受信機で得られた値を基準値として各ブランチ
毎の受信機で得られた値の校正値を求める。 (手順2) 送信機TXから信号をスイッチSWAとア
ッテネータATとスイッチSWBを介して受信機RXに
送り、上述の手順1で基準としたブランチの値を用いて
各ブランチ毎に得られた値の校正値を求める。 (手順3) 上述の手順1と手順2で求めた校正値を差
し引き、送信機の校正値を求める。 したがって、図12の校正回路を用いることにより、装
置内でアレーアンテナの各ブランチ間の振幅と位相を校
正できることが可能となる。
【0010】しかし、FDDシステムでは送信機と受信
機の周波数が異なるため、図12に示されるような方法
をFDDシステムに適用しようとしても、送信機の校正
を行うための送信機から受信機に信号を送る手順2を実
現できない。したがって、従来手法では受信機の校正し
か実現できないといった問題が生じる。また、上記手法
では装置間の校正を実現するものであり、この方法単独
では、アンテナ素子間およびアンテナ素子と送受信機の
間に接続されるケーブルに関する正を行うことはできな
い。
【0011】一方、アンテナ素子の振幅・位相のばらつ
きも含めた、アレーアンテナ装置の各ブランチ間の振幅
と位相値を校正する技術として、遠方界から到来する信
号あるいは遠方界でアレーアンテナの送信する信号を受
信し、各ブランチごとの位相器を順次回転させる方法が
用いられている。この様な方法は素子電界ベクトル回転
法とよばれ、例えば文献「真野,片木,“フェーズドア
レーアンテナの素子振幅位相測定法”, 電子情報通信
学会論文誌(B), Vol.J-65-B, No.5, pp.555-560」に開
示されている。しかし、一般に移動通信では、用いられ
る基地局が必ずしも規則的に設置されるとは限らず、通
話エリアの不感地の解消やトラフィックに応じて置局が
行われるため、各基地局に対して上記の方法を用いるた
めには、基地局と基準局が見通しになる条件を見つける
必要がある。したがって、移動通信などの環境下ではで
きる限り、装置内のみでアレーアンテナの各ブランチ間
の振幅と位相を校正できることが望まれる。
【0012】これらの手法に対して、アレーアンテナ間
で信号を送受信することで、アンテナとアンテナに接続
される送受信機の校正を行う方法が提案されている。こ
の事実は、文献「H.M.Aumann et. al,“Phased Array
Antenna Calibration and Pattern Prediction Using M
utua1 Coupling Measurements”,IEEE Trans. on AP-3
7,No.7,pp844-850,July 1989」に開示されている。
この文献に示す方法を図13に示す。まず、図13
(a)に示すように、ある基準素子からみて、例えば6
角型配列になり、かつ隣接アンテナ素子が基準素子に対
して均等位置になるように各アンテナ素子を配列する。
この例では、アンテナ素子#mを基準素子とし、これを
中心としてアンテナ素子#n〜#n+5を6角形に配列
する。このようにアレーを配列することで、基準素子の
アンテナ素子#mからみれば、隣接する素子間の相互結
合を同一と見なすことができる。この条件のもとで、図
13(b)に示すように、アンテナ素子#mから例えば
隣接するアンテナ素子#n,#n+1に対して信号を送
受信することで、送信機TXと受信機RXとの間の振幅
・位相差を補正することができる。
【0013】しかしながら、実際は、アレーアンテナの
配列は直線や円形で配列されることが多く、これらの配
列では、使用するアンテナ間の相互結合をすべて等しく
することは困難である。また、この方法を適用するため
には、すべての素子に対して、上記の条件を満たすこと
が必要となり、多数の校正用のアンテナが必要となる。
さらに、この方法をFDDシステムに適用する場合は、
送受信の周波数が異なるため、単に隣接アンテナ間で信
号を送受信することができないといった問題が生じる。
【0014】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、アンテナ、送信機、受信機、およびこれらを接続す
るケーブルに対して、校正用アンテナを用いることなく
校正が可能な適応アレーアンテナ送受信装置および適応
アレーアンテナの校正方法を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上述の
課題は、前記特許請求の範囲に記載した手段によって解
決される。第1の発明は、直線上に配列されたN本(N
≧3)のアンテナ素子で構成されたアレーアンテナ(1
1)と、前記アレーアンテナのアンテナ素子毎に設けら
れた送信機(13)及び受信機(14)と、前記アンテ
ナ素子を共用すべく該アンテナ素子に前記送信機または
前記受信機を接続する第1の送受共用手段(12)と、
前記アンテナ素子からそれぞれ入力される信号に対して
振幅及び位相の重みづけを行うことにより前記アレーア
ンテナの放射パターンを制御する指向性制御演算回路
(26,27)とを備えて構成され、前記受信機の受信
周波数と前記送信機の送信周波数とが異なる適応アレー
アンテナ送受信装置において、校正時に、前記N本のア
ンテナ素子の中の2本のアンテナ素子と該2本のアンテ
ナ素子にそれぞれ設けられた前記第1の送受共用手段と
の間の接続を切り放すと共に前記2本のアンテナ素子の
何れかを選択する第1のスイッチ手段(21,23)
と、前記N本のアンテナ素子の何れか1つに設けられた
送信機の出力の一部を分岐する分岐手段(15)と、前
記分岐手段により分岐された信号を入力し、これを受信
周波数の信号に変換して出力する第1の周波数変換手段
(22A)と、送信周波数の信号を入力し、これを前記
N本のアンテナ素子の何れか1つに設けられた受信機に
与えるべき信号に変換して出力する第2の周波数変換手
段(22B)と、前記2本のアンテナ素子を共用すべく
前記第1のスイッチ手段に前記第1の周波数変換手段の
出力部と前記第2の周波数変換手段の入力部とを接続す
る第2の送受共用手段(24)と、前記N本のアンテナ
素子の何れか1つに設けられた受信機に、前記第1の送
受共用手段または前記第2の周波数変換手段から出力さ
れる信号を切り替えて与える第2のスイッチ手段と、前
記第1および第2のスイッチ手段を制御するとともに、
前記N本のアンテナ素子にそれぞれ設けられた受信機か
ら得られる信号の振幅・位相値に基づいて、前記アレー
アンテナのブランチ間の振幅位相校正値を求める校正制
御手段と、を備えたことを特徴とする適応アレーアンテ
ナ送受信装置である。
【0016】第2の発明は、第1の発明に係る適応アレ
ーアンテナ送受信装置において、前記校正制御手段が、
前記N本のアンテナ素子にそれぞれ設けられた送信機の
うち、校正すべき第i番目の送信機から第i番目の第1
の送受共用手段を介して第i番目のアンテナ素子に信号
を送り、該第i番目のアンテナ素子から放射される信号
を、前記第1のスイッチ手段に接続されたアンテナ素子
であって第i番目以外のアンテナ素子で受信させ、前記
第i番目以外のアンテナ素子で受信された信号を前記第
1のスイッチと前記第2の送受共用手段を介して前記第
2の周波数変換手段に送り、前記第2の周波数変換手段
から出力される信号を前記第2のスイッチを介して該第
2のスイッチに接続された受信機に入力させ、それぞれ
のブランチの校正すべき送信機から前記受信機に入力さ
れた測定値とブランチ間の距離に相当する波長に比例し
た位相に基づいてアレーアンテナのブランチ間の振幅位
相校正値を求めることを特徴とする適応アレーアンテナ
送受信装置である。
【0017】第3の発明は、第1の発明に係る適応アレ
ーアンテナ送受信装置において、前記校正制御手段が、
前記分岐手段に接続された送信機から送られる送信周波
数の信号を前記分岐手段により分岐し、該分岐された信
号を前記第1の周波数変換手段に送り、該第1の周波数
変換手段から出力される信号を前記第2の送受共用手段
と前記第1のスイッチ手段を介して、前記第1のスイッ
チ手段に接続されたアンテナ素子であって第i番目以外
のアンテナ素子に送り、該アンテナ素子で放射された信
号を、校正すべき第i番目の受信機が設けられた第i番
目のアンテナ素子で受信させ、該受信された信号を第i
番目の第1の送受共用手段を介して、校正すべき前記第
i番目の受信機に入力させ、それぞれのブランチの受信
機で検出した測定値とブランチ間の距離に相当する波長
に比例した位相に基づいてアレーアンテナのブランチ間
の振幅位相校正値を求めることを特徴とする適応アレー
アンテナ送受信装置である。
【0018】第4の発明は、第1の発明に係る適応アレ
ーアンテナ送受信装置において、前記第1のスイッチが
接続されたアンテナ素子は、アレーアンテナのもっとも
中心近くに位置するアンテナ素子の右隣りと左隣りの素
子であることを特徴とする適応アレーアンテナ送受信装
置である。第5の発明は、第1の発明に係る適応アレー
アンテナ送受信装置において、前記第1のスイッチ手段
が接続されアンテナ素子数は3であり、前記第1のスイ
ッチ手段に接続された3本のアンテナ素子は、アレーア
ンテナのもっとも中心近くに位置するアンテナ素子とそ
の右隣りおよび左隣りのアンテナ素子であることを特徴
とする適応アレーアンテナ送受信装置である。
【0019】第6の発明は、第1の発明に係る適応アレ
ーアンテナ送受信装置の校正方法において、前記N本の
アンテナ素子にそれぞれ設けられた送信機のうち、校正
すべき第i番目の送信機から第i番目の第1の送受共用
手段を介して第i番目のアンテナ素子に信号を送らせ、
前記第i番目のアンテナ素子から放射される信号を、前
記第1のスイッチ手段に接続されたアンテナ素子であっ
て第i番目以外のアンテナ素子で受信させ、前記第i番
目以外のアンテナ素子で受信された信号を前記第1のス
イッチと前記第2の送受共用手段を介して前記第2の周
波数変換手段に送らせ、前記第2の周波数変換手段から
出力される信号を前記第2のスイッチを介して該第2の
スイッチに接続された受信機に入力させ、それぞれのブ
ランチの校正すべき送信機から前記受信機に入力された
測定値とブランチ間の距離に相当する波長に比例した位
相に基づいてアレーアンテナのブランチ間の振幅位相校
正値を求めることを特徴とする適応アレーアンテナ送受
信装置の校正方法である。
【0020】第7の発明は、第1の発明に係る適応アレ
ーアンテナ送受信装置の校正方法において、前記分岐手
段に接続された送信機から送られる送信周波数の信号を
前記分岐手段により分岐させ、該分岐された信号を前記
第1の周波数変換手段に送らせ、前記第1の周波数変換
手段から出力される信号を前記第2の送受共用手段と前
記第1のスイッチ手段を介して、前記第1のスイッチ手
段に接続されたアンテナ素子であって第i番目以外のア
ンテナ素子に送らせ、該アンテナ素子で放射された信号
を、校正すべき第i番目の受信機が設けられた第i番目
のアンテナ素子で受信させ、該受信された信号を第i番
目の第1の送受共用手段を介して、校正すべき前記第i
番目の受信機に入力させ、それぞれのブランチの受信機
で検出した測定値とブランチ間の距離に相当する波長に
比例した位相に基づいてアレーアンテナのブランチ間の
振幅位相校正値を求めることを特徴とする適応アレーア
ンテナ送受信装置の校正方法である。
【0021】第8の発明は、複数のアンテナ素子を配列
してなる適応アレーアンテナ送受信装置の校正方法にお
いて、(a)校正対象ブランチのアンテナと基準ブラン
チのアンテナとの間の距離に応じた位相値を算出するス
テップ(S1〜S4A/S4B)と、(b)校正対象ブ
ランチが基準ブランチであるか否かに応じて、N個のア
ンテナ素子の中の基準ブランチを含む2本のアンテナ素
子の何れかを選択するステップ(S5A/S5B〜S6
A,S6B)と、(c)校正対象ブランチの送信機から
信号を送信するステップ(S7)と、(d)この信号を
選択された前記2本のアンテナ素子の何れかで受信し、
送信周波数の信号を受信周波数の信号に変換し、受信周
波数に変換された信号を基準ブランチの受信機で受信
し、この受信により得られた値に前記位相値を反映させ
て校正対象ブランチの送信機に対する校正値を求めるス
テップ(S8〜S13)と、を含むことを特徴とする適
応アレーアンテナの校正方法である。
【0022】第9の発明は、複数のアンテナ素子を配列
してなる適応アレーアンテナ送受信装置の校正方法にお
いて、(a)校正対象ブランチのアンテナと基準ブラン
チのアンテナとの間の距離に応じた位相値を算出するス
テップ(S101〜S104A/104B)と、(b)
校正対象ブランチが基準ブランチであるか否かに応じ
て、N個のアンテナ素子の中の基準ブランチを含む2本
のアンテナ素子の何れかを選択するステップ(S105
A/S105B〜S106A,S106B)と、(c)
選択された前記2本のアンテナ素子の何れかを用いて、
基準ブランチの送信機の送信周波数の信号を受信周波数
の信号に変換して送信するステップ(S107)と、
(d)基準ブランチから送信された前記信号を校正対象
ブランチの受信機で受信し、この受信機により得られた
値に前記位相値を反映させて校正対象ブランチの受信機
に対する校正値を求めるステップ(S108〜S11
3)と、を含むことを特徴とする適応アレーアンテナの
校正方法である。
【0023】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)本発明の適応
アレーアンテナ送受信装置の第1の実施の形態につい
て、図1〜3を参照して説明する。図1は、この実施の
形態のアレーアンテナ送受信装置の概略を示すブロック
図である。図2は、この実施の形態の送信部の校正を行
うための手順を示すためのフローチャートである。図3
は、この実施の形態の受信部の校正を行うための手順を
示すためのフローチャートである。なお、この実施の形
態では、送信部は、送信時のアンテナと送信機を含めた
ものとして定義し、受信部は、受信時のアンテナと受信
機を含めたものとして定義する。また、この実施の形態
では、1つのアンテナ素子に付随する構成要素の集合を
1つのブランチとして定義する。
【0024】この実施形態の適応アレーアンテナ送受信
装置は、送受共用手段の一例となるサーキュレータ1
2、指向性制御演算回路に対応する指向性制御演算部2
7、ローカル信号生成部に対応する信号発生部25、分
岐手段の一例となるカップラ15、校正制御手段に対応
する校正演算部26を含む。即ち、図1において、11
はアンテナ素子を、12は第1のサーキュレータを、1
3は送信機(送信周波数f1)を、14は受信機(受信周波
数f2)を、26は校正演算部を、27は指向性制御演算
部を、15はカップラを、21はアンテナ素子11に対
してサーキュレータ12とサーキュレータ24側のいづ
れかを接続するスイッチを、24は周波数f2を出力する
と共に周波数flを入力する第2のサーキュレータを、2
5は信号発生部を、22A,22Bは送信周波数f1から
受信周波数f2に周波数変換を行う周波数変換器を表す。
【0025】さらに詳細に構成を説明する。図1に示す
ように、N本(N≧3)のアンテナ素子11(1)〜1
1(N)は直線上に配列され、アレーアンテナを構成す
る。この実施の形態では、アンテナ素子11(1)が属
するブランチを基準ブランチとし、この基準ブランチを
基準として各ブランチの校正が行われる。送信機13お
よび受信機14は、アレーアンテナのアンテナ素子毎に
設けられており、この例では、全部でN個の送信機と受
信機が設けられる。送信機13の送信周波数と受信機の
受信周波数は異なる。各アンテナ素子は、同一ブランチ
内の送信機13と受信機14とで共用され、第1の共用
手段としてのサーキュレータ12によりアンテナ素子1
1に送信機13または受信機14が接続される。アンテ
ナ素子11からそれぞれ入力される信号に対しては、校
正演算部26および指向性制御演算部27において、振
幅及び位相の重みづけが行われ、これによりアレーアン
テナの放射パターンの制御が行われる。
【0026】スイッチ21(1),21(2),23
は、第1のスイッチ手段を構成し、校正時に、N本のア
ンテナ素子の中の2本のアンテナ素子11(1),11
(3)と該2本のアンテナ素子のブランチにそれぞれ設
けられたサーキュレータ12(1),12(3)との間
の接続を切り放すと共にこれら2本のアンテナ素子の何
れかを選択してサーキュレータ24に接続するものであ
る。カップラ15は、送信機13(1)の出力の一部を
分岐する分岐手段ある。このカップラ15は、基準ブラ
ンチとなる送信機の出力に設けられ、N本のアンテナ素
子の何れか1つの送信機に設けられる。周波数変換器2
2Aは、カップラ15により分岐された信号を入力し、
これを受信周波数の信号に変換して出力する第1の周波
数変換手段として機能する。周波数変換器22Bは、送
信周波数の信号を入力し、これを受信機14(1)に与
えるべき信号に変換して出力する第2の周波数変換手段
として機能する。
【0027】サーキュレータ24は、2本のアンテナ素
子11(1),11(3)を共用するために必要とされ
るものであって、前記第1のスイッチ手段に周波数変換
器22Aの出力部と周波数変換器22Bの入力部とを接
続する第2の送受共用手段として機能する。スイッチ1
6は、受信機14(1)にサーキュレータ12(1)ま
たは周波数変換器22Bから出力される信号を切り替え
て与える第2のスイッチ手段として機能する。このスイ
ッチ16は、基準ブランチとなる受信機の入力部に設け
られ、N本のアンテナ素子の何れか1つに設けられる。
校正演算部26および指向性制御演算部27は、スイッ
チ21(1),21(2),23、16を制御すると共
に、受信機14(1)〜14(N)から得られる信号の
振幅・位相値に基づいてブランチ間の振幅位相校正値を
求める校正制御手段として機能する。
【0028】ここで、本発明による校正法の原理を示す
ために、図4を用いてFDD用送受信機において各ブラ
ンチ間の振幅に誤差が生じる部分を説明する。図4は校
正対象の第i番目(iは任意の自然数をとり得る変数)
のブランチを示しており、M i(f1),Ti(f1)は、送信部
(送信時におけるアンテナおよび送信機)で生じる振幅
と位相をそれぞれ表す。Mi(f2),Ri(f2)は、受信部
(受信時におけるアンテナおよび受信機)で生じる振幅
と位相をそれぞれ表す。ここで、送信と受信では周波数
が異なるのでアンテナの特性が異なり、Mi(f1)≠Mi(f
2)となる。したがって、送信時のアンテナと送信機を含
めた送信部で生じる振幅・位相は、「Mi(f 1)Ti(f1)」で
与えられる。
【0029】一方、受信時のアンテナと受信機を含めた
受信部で生じる振幅・位相は「Mi(f 2)Ri(f2)」で与えら
れる。各ブランチ間の校正値は、ブランチ間の相対的な
振幅と位相差が求まればよいので、例えば、1番目のブ
ランチを基準とすると、i番目のブランチのFDD用送
受信機において必要とされる振幅・位相の校正値は以下
の式で与えられる。 Mi(f1)Ti(f1)/M1(f1)T1(f1)…1番目ブランチに対
するi番目の送信部の校正値 Mi(f2)Ri(f2)/M1(f2)R1(f2)…1番目ブランチに対
するi番目の受信部の校正値 以下では、簡略化のため、Ti(f1)=Tiとし、Ri(f2)
=Riと表記する。
【0030】次に、本発明における送信部の校正実現手
順を説明する。この校正手順を概略的に言えば、送信部
を校正する場合、各ブランチから送信された信号を特定
のブランチの受信機で受信して、ブランチ間の相対的な
校正量を算出する。また、受信部を校正する場合、特定
のブランチの送信機から送信された信号を各ブランチの
受信機で受信して、ブランチ間の相対的な校正量を算出
する。図1においては、校正用の基準ブランチの番号i
を「1」と定めているが、他の任意のブランチを基準に
してもよく、その基準となるブランチの送信機および受
信機にそれぞれカップラ15およびスイッチ16を接続
すればよい。また、スイッチ21(1)と21(2)はそれ
ぞれアンテナ素子11(1)、11(3)に接続されている
が、これは他のブランチのアンテナ素子に接続されても
よい。
【0031】まず、図2に示すフローに沿って送信部の
校正手順を説明する。 (手順A) 校正対象のブランチの番号を表す変数「i」
に「1」を設定し(ステップS1)、校正演算部26か
らスイッチ16を制御して、受信機14(1)に周波数変
換器22Bから出力される校正用の信号を入力させる
(ステップS2)。 (手順B) 続いて、iに応じて、校正を行うブランチi
とブランチの第1のスイッチ21が接続されている基準
ブランチのアンテナ11との間の距離に対する位相値を
算出する(ステップS3〜S4A/S4B)。この演算
結果は、最後の振幅位相の校正値を求める演算で用い
る。基準ブランチである1番目のアンテナ素子11
(1)と送信機の振幅と位相特性を求めるためには、1
番目以外のアンテナ素子を校正用アンテナとして用いる
ことが必要となる。よって、iの値に応じて以下のアン
テナ間(ブランチ間)の距離に相当する位相項A(i)
を求める。
【0032】位相項A(i)は、以下の次式(1),
(2)で与えられる。 A(i)=exp(2πd1i/λ) (i≠1) ・・・(1) =exp(2πd2i/λ) (i=1) ・・・(2) ここで、λは波長、dli、d2iはそれぞれアンテナ素子1
1(1),11(2)と11(i)との間の実際の距離を表す。
以上の手順A,Bにより、校正対象ブランチのアンテナ
と基準ブランチのアンテナとの間の距離に応じた位相値
A(i)を得る。
【0033】(手順C) 続いて、iの値に応じて、スイ
ッチ21(1)もしくはスイッチ21(2)を制御してアン
テナ素子11(1)またはアンテナ素子11(2)を選
択し、これらアンテナ素子11(1)もしくは11(2)の
出力とスイッチ23の入力を接続する。さらに、スイッ
チ23を制御してスイッチ21(1)もしくは21(2)
の出力を第2のサーキュレータ24に接続する(ステッ
プS5A/S5B〜S6A/S6B)。この手順Cによ
り、校正対象ブランチが基準ブランチであるか否かに応
じて、N個のアンテナ素子の中の基準ブランチを含む2
本のアンテナ素子の何れかを選択する。
【0034】(手順D) 続いて、送信機13(i)から信
号を送信する(ステップS7)。この信号をiの値に応
じてアンテナ11(1)もしくは11(2)で受信する。こ
の信号は、第2のサーキュレータ24を介して周波数変
換器22Aに入力される。ここで、送信周波数f1の信号
を受信周波数f2の信号に変換する。信号発振器25の発
信周波数は|f1−f2|に相当する。
【0035】この信号発振器25の信号は、受信機14
のローカル信号と送信機13のローカル信号を用いて生
成することが可能である。この信号発振器25の例とし
て、図5にベースバンド帯と通信周波数帯の周波数を直
接変換する方式 (ダイレクトコンバージョン方式)を、
図6にベースバンド帯と通信周波数帯の周波数変換の間
の別の周波数(中間周波数)に変換した後に所望の周波数
に変換する方式 (スーパーヘテロダイン方式)における
構成を示す。
【0036】図5から明らかなように、ダイレクトコン
バージョン方式の場合は、送信機の周波数変換に周波数
f1の発振器を用い、受信機の周波数変換に周波数f2の発
振器をそれぞれ用いるため、これらの出力をミキサでミ
キシングすることで、送信周波数と受信周波数の差分周
波数f1-f2の信号を直接抽出することができる。なお、
この例では、ミキシングされた信号から低域通過フィル
タにより高周波成分を除去している。図6の場合、中間
周波数をfIFとすると、中間周波数と通信周波数の間に
必要とされる発振周波数は、送信機では「f1-fIF」、受
信機では「f2-f IF」となる。
【0037】これらの信号発振器の出力をミキシングす
ると、周波数差(f1-fIF)−(f2-fIF)=f1-f2 の信号成分
を抽出することが可能となる。すなわち、図6の場合も
送信機と受信機の発振器出力を用いて送信周波数と受信
周波数の差分周波数f1-f2の信号を抽出することができ
る。よって、図5,6に示すように、送信機と受信機で
用いる発振器を用いれば、校正時において発振器の違い
による周波数偏差の影響を無視することができるととも
に、新たな発振源を設ける必要がなく、ハードウエアを
実現する上でも有効である。この手順Dにより、校正対
象ブランチの送信機13(1)から信号を送信し、これ
を2本のアンテナ素子11(1),11(3)の何れか
で受信し、送信周波数の信号を受信周波数の信号に変換
する。
【0038】(手順E) 続いて、周波数変換器22B
から出力された信号をスイッチ16を介して、1番目の
受信機14(1)で受信する。そして、この受信機14
(1)で得られる信号の値K(i)を校正演算部26で測
定する(ステップS8)。i=1,2の場合のK(i)を
次式(3),(4)に示す。 K(1)=T11(f1)L133(f1)QR1 ・・・(3) K(2)=T22(f1)L233(f1)QR1 ・・・(4) ここで、Lは送受信を行うアンテナ間における伝搬ロス
を表す。Qは周波数変換器で生じる振幅・位相の変動で
ある。振幅・位相の校正値は各ブランチ間の相対差とし
て求まればよく、次式(5)により与えられる。 K(2)/K(1)=T22(fl)L133(fl)QR1/T11(f1)L133(f1)QR1 =T22(f1)L23/T11(f1)L13 ・・・(5)
【0039】式(3)において、R1、Q、M3(fl)の項
は校正値を求めるには余分な項となるが、各校正ループ
において常に通過するので、これらの影響は除去でき
る。すなわち、式(3),(4)においてL13=L23
満たせばよい。本発明では、L 13=L23を満たすかわり
に、手順Bで求めた位相項A(i)を用いる。位相項A
(i)は、アンテナ間の距離の位相差に相当するので、
Lと位相項A(i)の関係は、次式(6)で与えること
ができる。 L23/L13=A(2)/A(1) ・・・(6)
【0040】次に、1番目のブランチに対するi番目の
ブランチの送信部の校正値Hi,1を求める(ステップS
9;No〜S14)。1番目のブランチに対する2番目
のブランチの送信部の校正値H2,1は、式(3)と式
(4)を用いて以下の次式(7)で与えられる。 H2,1={K(2)/K(1)}×{A(1)/A(2)} =T22(f1)/T11(f1) ・・・(7) 3番目のブランチを求めるためには、まず、2番目と3
番目との間の校正値H 3,2を式(7)と同様に求め、次
式(8)を得る。 H3,2={K(3)/K(2)}×{A(2)/A(3)} =T33(f1)/T22(f1) ・・・(8)
【0041】式(7),(8)で得られた値H2,1とH
3,2より、1番目のブランチに対する3番目のブランチ
の送信部の校正値H3,1は以下の次式(9)で求められ
る。 H3,1=H2,1・H3,2 ={T22(f1)/T11(fl)}・{T33(f1)/T22(fl)} =T33(f1)/T11(f1) ・・・(9) 同様に、1番目のブランチに対するi番目(i≧3)の校
正値Hi,1の校正値は、次式(10)で求められる。 Hi,1=Hi-1,1・Hi,i-1 =Tii(f1)/T11(f1) ・・・(10) この手順Eにより、受信周波数に変換された信号を基準
ブランチの受信機で受信し、この受信により得られた値
に位相値A(i)を反映させて校正対象ブランチの送信
機に対する校正値を求める。
【0042】ここで、2素子のアンテナ間のみのループ
では、「M1・Mi」を求めることができるが、アンテナ間
の振幅・位相差「Mi/M1」を求めることができない。こ
れに対し本発明では、校正に用いるアンテナ以外のアン
テナを用いることで、等価的に「Mi/M1」を求めること
ができる。また、従来校正では、多数のダミー用アンテ
ナを必要としたが、本構成ではダミー用アンテナを用い
ずに校正が実現できる。
【0043】次に、図3に示すフローに沿って、受信部
の校正手順を具体的に説明する。 (手順A') 校正対象のブランチを表す変数「i」に
「1」を設定し(ステップS101)、校正演算部26
からスイッチ16を制御して、受信機14(1)に周波数
変換器22Bから出力される校正用の信号を入力させ
る。 (手順B') 校正を行うブランチiと第1のスイッチが
接続されているアンテナ間の距離に対する位相値A
(i)を算出する(ステップS103〜S104A/S
104B)。この演算は、送信部の上述の手順Bと同じ
である。 以上の手順A',B'により、校正対象ブランチのアンテ
ナと基準ブランチのアンテナとの間の距離に応じた位相
値A(i)を算出する。
【0044】(手順C')iの値に応じて、スイッチ21
(1)もしくはスイッチ21(2)を制御してアンテナ
素子11(1)もしくはアンテナ素子11(2)の出力
とスイッチ23の入力を接続する。さらに、スイッチ2
3を制御してスイッチ21(1)もしくは21(2)の
出力を第2のサーキュレータ24に接続する(ステップ
S105A/S105B〜S106A/S106B)。
この手順により、校正対象ブランチが基準ブランチであ
るか否かに応じて、N個のアンテナ素子の中の基準ブラ
ンチを含む2本のアンテナ素子の何れかを選択する。
【0045】(手順D')送信機13(1)から信号を
カップラ15で分離し、分離された信号を周波数変換器
22Aに入力する。ここで、送信周波数f1の信号を受信
周波数Qの信号に変換する。変換された信号を第2のサ
ーキュレータ24を介して、スイッチ23に接続される
アンテナより信号を送信する(ステップS107)。即
ち、この手順D'により、選択された前記2本のアンテ
ナ素子の何れかを用いて、基準ブランチの送信機の送信
周波数の信号を受信周波数の信号に変換して送信する。 (手順E') 手順D'で送信された信号をi番目の受信
機14(i)で受信する。受信機14(i)で得られる
値S(i)を校正演算部26で測定する(ステップS10
8)。
【0046】i=1,2場合のS(i)を次式(11),
(12)に示す。 S(1)=T13(f1)L311(fl)QR1 ・・・(11) S(2)=T13(f1)L322(fl)QR2 ・・・(12) ここで、Lは送受信を行うアンテナ間における伝搬ロス
を表す。Qは周波数変換器で生じる振幅・位相変動であ
る。振幅・位相の校正値は各ブランチ間の相対差として
求まればよく、次式(13)により与えられる。 S(2)/S(1)=T13(f2)L322(f2)QR2/T13(f2)L311(f2)QR1 =L322(f2)R2/L311(f2)R1 ・・・(13)
【0047】式(3)において、T1Q、M(f1)の項は
校正値を求めるには余分な項となるが、各校正ループに
おいて常に通過するので、これらの影響は除去できる。
すなわち、L31=L32を満たせばよい。本発明では、L
31=L32を満たすかわりに、手順B'で求めた位相項A
(i)を用いる。位相項A(i)は、アンテナ間の距離の位相
差に相当するので、Lと位相項A(i)の関係は、次式
(14)で与えることができる。 L31/L32 =A(2)/A(1) ・・・(14)
【0048】続いて、1番目のブランチに対するi番目
のブランチの受信部の校正値Pi,1を求める(ステップ
S109;No〜S113)。即ち、 上記の式を用い
て、1番目のブランチに対する2番目のブランチの送信
部の校正値をP2,1とすると、式(13)と式(14)
を用いてP2,1は、次式(15)で与えられる。 P2,1={S(2)/S(1)}×{A(1)/A(2)} =M2(f2)R2/M1(f2)R1 ・・・(15) 3番目のブランチの校正値を求めるためには、まず、2
番目と3番目の間の校正値P3,2を式(7)と同様に求
める。 P3,2={S(3)/S(2)}×{A(2)/A(3)} =M3(f2)R3/M2(f2)R2 ・・・(16)
【0049】式(7)で得られた値P2,1とP3,2より1
番目のブランチに対する3番目のブラチの送信部の校正
値P3,1は、次式(17)で求められる。 P3,1=P2,1・P3,2 ={M2(f2)R2/M1(f2)R1}・{M3(f2)R3/M2(f2)R2} =M3(f2)R3/M1(f2)R1 ・・・(17) 同様に、1番目のブランチに対するj番目(i≧3)の校
正値Pi,1は、次式(18)で求められる。 Pi,1=Pi-1,1・Pi,i-1 =Mi(f2)Ri/M1(f2)R1 ・・・(18)
【0050】この手順E'により、基準ブランチから送
信された前記信号を校正対象ブランチの受信機で受信
し、この受信機により得られた値に前記位相値を反映さ
せて校正対象ブランチの受信機に対する校正値を求め
る。以上、説明したように、手順A'〜E'によれば、1
番目のブランチに対するi番目のブランチの受信部の校
正値Pi,1が求まり、従って受信でも送信と同様にダミ
ー用アンテナを用いずに校正が実現できる。
【0051】(第2の実施の形態)本発明の適応アレーア
ンテナ送受信装置の第2の実施の形態について、図7を
参照して説明する。図7の例では、アンテナ素子11と
第2のサーキュレータ24に接続される第2のスイッチ
23は、直線配列アレーアンテナの中心素子11(1)
の右隣りと左隣りに位置するアンテナ素子11(2),
11(3)に接続される点が図1の例と異なる。
【0052】第1の実施の形態で説明したように、本発
明では、アンテナ間で信号を送受信することで送受信機
とアンテナ間の振幅/位相の誤差を検出する。そのため
に、アンテナ間の伝達関数をアンテナ間の距離に相当す
る位相項Aの値を用いて近似している。この値Aは、実
際に設置されるアンテナ間の距離と設定した距離の誤差
が大きくなると、誤差が生じることになる。そこで、図
7では、基準とするアンテナ素子11(1)を中央付近
に設置することで、各アンテナ間と基準素子の距離を図
1の場合に対し、等距離となる場合が多くなり、アンテ
ナ間の距離に相当する位相Aの値と実際に求められるア
ンテナ間の伝達関数の誤差が少なくしている。
【0053】具体的な校正値を得る手段を以下に示す。
まず、アンテナ11(1)〜11(3)の間で校正値を
求める。アンテナ11(4)に関しては、アンテナ11
(2)を基準として校正値を求めることができる。アン
テナ11(5)に関しては、アンテナ11(3)を基準
として校正値を求めることができる。以下、偶数番目の
素子i=2m(m≧3)に関しては、アンテナ11(2)
を基準として、偶数番目の素子i=2m+1(m≧3)に
関しては、アンテナ11(3)を基準として、以下の式
(19a)〜(20b)から送信部の校正値Hおよび受
信部の校正値Pを求めることができる。
【0054】 Hi,1=Hi,i-3・Hi-3,1(i=2m,m≧3,基準アンテナ2) ・・・(19a) Hi,1=Hi,i-5・Hi-5,1(i=2m+1,m≧3,基準アンテナ3) ・・・(19b) Pi,1=Pi,i-3・Pi-3,1(i=2m,m≧3,基準アンテナ2) ・・・(20a) Pi,1=Pi,i-5・Pi-5,1(i=2m+1,m≧3,基準アンテナ3) ・・・(20b)
【0055】(第3の実施の形態)本発明の適応アレー
アンテナ送受信装置の1つの実施の形態について、図8
を参照して説明する。図8例では、アンテナ素子と第2
のサーキュレータに接続される第2のスイッチを3個設
けることで、3本のアンテナ素子が基準アンテナ素子と
して構成できるようになっており、具体的には、直線配
列アレーアンテナの中心に位置するアンテナ素子11
(1)とその左右隣りのアンテナ素子11(2),11
(3)にスイッチ21(1)〜21(3)がそれぞれ接
続されている点が図1の例と異なる。
【0056】図8の構成を適用すると、1番目と2番目
のブランチ間以外は、校正の際に必要となる基準アンテ
ナ素子と、校正の対象となる2ブランチのアンテナ素子
との距離は必ず等距離にすることができる。この2ブラ
ンチ間の校正値を求める際に用いるアンテナと基準アン
テナの距離が等しくなるための条件は以下のように与え
ることができる。 i=2の場合 ; 基準アンテナ=3 i=3の場合 ; 基準アンテナ=1 i=2k(k≧2)の場合 ; 基準アンテナ=2 i=2k+1(k≧2)の場合 ; 基準アンテナ=3
【0057】上記より、送信部の校正値Hとその際に基
準となるアンテナ素子は、以下の式(21)により与え
られる。 H2,1(基準アンテナ3) H3,1=H2,1・H3,2(基準アンテナ1) H4,1(基準アンテナ2) H5,1(基準アンテナ3) Hi,1=Hi,i-3・Hi-3,1(i=2m,m≧3、基準アンテナi−3) Hi,1=Hi,i-4・Hi-4,1(i=2m+1,m≧3、基準アンテナi-4) ・・・(21)
【0058】受信部の校正値Pとその際に基準となるア
ンテナ素子は、以下の式(22a)〜(22f)より与
えられる。 P2,1(基準アンテナ3) ・・・(22a) P3,1=P2,1・P3,2(基準アンテナ1) ・・・(22b) P4,1(基準アンテナ2) ・・・(22c) P5,1(基準アンテナ3) ・・・(22d) Pi,1=Pi,i-3・Pi-3,1(i=2m,m≧3、基準アンテナi-3) ・・・(22e) Pi,1=Pi,i-4・Pi-4,1(i=2m+1,m≧3,基準アンテナi-4) ・・・(22f) 式(19a),(19b)と式(20a),(20b)
を求めることで、必要とする校正値を得ることができ
る。
【0059】以上、この発明の実施の形態を説明した
が、この発明は、これらの実施の形態に限られるもので
はなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更等
があっても本発明に含まれる。
【0060】
【発明の効果】以上述べたように、本発明を用いると、
FDDのような送信と受信の周波数が異なったシステム
においても、各ブランチ間のアンテナ/送信部/受信部
の振幅・位相値を、外部の情報や校正用アンテナを別途
設けることなく得ることが可能となり、基地局の設置場
所の違いによる環境変動や通信中の温度特性の変化によ
り生じる各ブランチ間の振幅・位相誤差を補償すること
が可能となる。従って、送信周波数と受信周波数とが異
なっていても、アンテナ、送信機、受信機、およびこれ
らを接続するケーブルに対して、校正用アンテナを用い
ることなく校正が可能なアレーアンテナ送受信装置を実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る適応アレー
アンテナ送受信装置の構成図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態に係る送信部の校
正のためのフローチャートである。
【図3】 本発明の第1の実施の形態に係る受信部の校
正のためのフローチャートである。
【図4】 FDD送受信機およびアンテナにおいて振幅
・位相誤差が生じる部分を表す図である。
【図5】 周波数変換器に入力するローカル周波数(f1
-f2)の発振器の発振源を得るための手段の一例を表
す。
【図6】 周波数変換器に入力するローカル周波数(f1
-f2)の発振器の発振源を得るための手段の他の例を表
す。
【図7】 本発明の第2の実施の形態に係る適応アレー
アンテナ送受信装置の構成図である。
【図8】 本発明の第3の実施の形態に係る適応アレー
アンテナ送受信装置の構成図である。
【図9】 従来の適応アレーアンテナをFDDシステム
に適用した場合の構成を表わす図である。
【図10】 アレーアンテナの放射パターンの一例を表
す図である。
【図11】 アレーアンテナに対して各ブランチ間で振
幅・位相に誤差を与えたときのヌル深度の例を表わした
特性図である。
【図12】 従来装置内での校正方法の一例を説明する
ための図である。
【図13】 従来装置内での校正方法の他の例を説明す
るための図である。
【符号の説明】
11,11(1)〜11(N);アンテナ素子 12,12(1)〜12(N);サーキュレータ 13,13(1)〜13(N);送信機 14,14(1)〜14(N);受信機 15;カップラ 16;スイッチ 22A,22B;周波数変換器 23,230;スイッチ 24;サーキュレータ 25;信号発生部 26;校正演算部 27;指向性制御演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 俊和 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 5J021 AA05 AA07 CA06 DB02 DB03 DB04 EA04 FA14 FA15 FA16 FA17 FA20 FA31 FA32 GA02 HA05 HA10 JA10 5K059 CC04 DD31 DD41

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直線上に配列されたN本(N≧3)のア
    ンテナ素子で構成されたアレーアンテナ(11)と、前
    記アレーアンテナのアンテナ素子毎に設けられた送信機
    (13)及び受信機(14)と、前記アンテナ素子を共
    用すべく該アンテナ素子に前記送信機または前記受信機
    を接続する第1の送受共用手段(12)と、前記アンテ
    ナ素子からそれぞれ入力される信号に対して振幅及び位
    相の重みづけを行うことにより前記アレーアンテナの放
    射パターンを制御する指向性制御演算回路(26,2
    7)とを備えて構成され、前記受信機の受信周波数と前
    記送信機の送信周波数とが異なる適応アレーアンテナ送
    受信装置において、 校正時に、前記N本のアンテナ素子の中の2本のアンテ
    ナ素子と該2本のアンテナ素子にそれぞれ設けられた前
    記第1の送受共用手段との間の接続を切り放すと共に前
    記2本のアンテナ素子の何れかを選択する第1のスイッ
    チ手段(21,23)と、 前記N本のアンテナ素子の何れか1つに設けられた送信
    機の出力の一部を分岐する分岐手段(15)と、 前記分岐手段により分岐された信号を入力し、これを受
    信周波数の信号に変換して出力する第1の周波数変換手
    段(22A)と、 送信周波数の信号を入力し、これを前記N本のアンテナ
    素子の何れか1つに設けられた受信機に与えるべき信号
    に変換して出力する第2の周波数変換手段(22B)
    と、 前記2本のアンテナ素子を共用すべく前記第1のスイッ
    チ手段に前記第1の周波数変換手段の出力部と前記第2
    の周波数変換手段の入力部とを接続する第2の送受共用
    手段(24)と、 前記N本のアンテナ素子の何れか1つに設けられた受信
    機に、前記第1の送受共用手段または前記第2の周波数
    変換手段から出力される信号を切り替えて与える第2の
    スイッチ手段と、 前記第1および第2のスイッチ手段を制御するととも
    に、前記N本のアンテナ素子にそれぞれ設けられた受信
    機から得られる信号の振幅・位相値に基づいて、前記ア
    レーアンテナのブランチ間の振幅位相校正値を求める校
    正制御手段と、 を備えたことを特徴とする適応アレーアンテナ送受信装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された適応アレーアンテ
    ナ送受信装置において、前記校正制御手段は、 前記N本のアンテナ素子にそれぞれ設けられた送信機の
    うち、校正すべき第i番目の送信機から第i番目の第1
    の送受共用手段を介して第i番目のアンテナ素子に信号
    を送り、該第i番目のアンテナ素子から放射される信号
    を、前記第1のスイッチ手段に接続されたアンテナ素子
    であって第i番目以外のアンテナ素子で受信させ、前記
    第i番目以外のアンテナ素子で受信された信号を前記第
    1のスイッチと前記第2の送受共用手段を介して前記第
    2の周波数変換手段に送り、前記第2の周波数変換手段
    から出力される信号を前記第2のスイッチを介して該第
    2のスイッチに接続された受信機に入力させ、それぞれ
    のブランチの校正すべき送信機から前記受信機に入力さ
    れた測定値とブランチ間の距離に相当する波長に比例し
    た位相に基づいてアレーアンテナのブランチ間の振幅位
    相校正値を求めることを特徴とする適応アレーアンテナ
    送受信装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載された適応アレーアンテ
    ナ送受信装置において、前記校正制御手段は、 前記分岐手段に接続された送信機から送られる送信周波
    数の信号を前記分岐手段により分岐し、該分岐された信
    号を前記第1の周波数変換手段に送り、該第1の周波数
    変換手段から出力される信号を前記第2の送受共用手段
    と前記第1のスイッチ手段を介して、前記第1のスイッ
    チ手段に接続されたアンテナ素子であって第i番目以外
    のアンテナ素子に送り、該アンテナ素子で放射された信
    号を、校正すべき第i番目の受信機が設けられた第i番
    目のアンテナ素子で受信させ、該受信された信号を第i
    番目の第1の送受共用手段を介して、校正すべき前記第
    i番目の受信機に入力させ、それぞれのブランチの受信
    機で検出した測定値とブランチ間の距離に相当する波長
    に比例した位相に基づいてアレーアンテナのブランチ間
    の振幅位相校正値を求めることを特徴とする適応アレー
    アンテナ送受信装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載された適応アレーアンテ
    ナ送受信装置において、前記第1のスイッチが接続され
    たアンテナ素子は、アレーアンテナのもっとも中心近く
    に位置するアンテナ素子の右隣りと左隣りの素子である
    ことを特徴とする適応アレーアンテナ送受信装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載された適応アレーアンテ
    ナ送受信装置において、前記第1のスイッチ手段が接続
    されアンテナ素子数は3であり、前記第1のスイッチ手
    段に接続された3本のアンテナ素子は、アレーアンテナ
    のもっとも中心近くに位置するアンテナ素子とその右隣
    りおよび左隣りのアンテナ素子であることを特徴とする
    適応アレーアンテナ送受信装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載された適応アレーアンテ
    ナ送受信装置の校正方法において、 前記N本のアンテナ素子にそれぞれ設けられた送信機の
    うち、校正すべき第i番目の送信機から第i番目の第1
    の送受共用手段を介して第i番目のアンテナ素子に信号
    を送らせ、 前記第i番目のアンテナ素子から放射される信号を、前
    記第1のスイッチ手段に接続されたアンテナ素子であっ
    て第i番目以外のアンテナ素子で受信させ、 前記第i番目以外のアンテナ素子で受信された信号を前
    記第1のスイッチと前記第2の送受共用手段を介して前
    記第2の周波数変換手段に送らせ、 前記第2の周波数変換手段から出力される信号を前記第
    2のスイッチを介して該第2のスイッチに接続された受
    信機に入力させ、 それぞれのブランチの校正すべき送信機から前記受信機
    に入力された測定値とブランチ間の距離に相当する波長
    に比例した位相に基づいてアレーアンテナのブランチ間
    の振幅位相校正値を求めることを特徴とする適応アレー
    アンテナ送受信装置の校正方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載された適応アレーアンテ
    ナ送受信装置の校正方法において、 前記分岐手段に接続された送信機から送られる送信周波
    数の信号を前記分岐手段により分岐させ、該分岐された
    信号を前記第1の周波数変換手段に送らせ、 前記第1の周波数変換手段から出力される信号を前記第
    2の送受共用手段と前記第1のスイッチ手段を介して、
    前記第1のスイッチ手段に接続されたアンテナ素子であ
    って第i番目以外のアンテナ素子に送らせ、 該アンテナ素子で放射された信号を、校正すべき第i番
    目の受信機が設けられた第i番目のアンテナ素子で受信
    させ、 該受信された信号を第i番目の第1の送受共用手段を介
    して、校正すべき前記第i番目の受信機に入力させ、 それぞれのブランチの受信機で検出した測定値とブラン
    チ間の距離に相当する波長に比例した位相に基づいてア
    レーアンテナのブランチ間の振幅位相校正値を求めるこ
    とを特徴とする適応アレーアンテナ送受信装置の校正方
    法。
  8. 【請求項8】 複数のアンテナ素子を配列してなる適応
    アレーアンテナ送受信装置の校正方法において、 (a)校正対象ブランチのアンテナと基準ブランチのア
    ンテナとの間の距離に応じた位相値を算出するステップ
    (S1〜S4A/S4B)と、 (b)校正対象ブランチが基準ブランチであるか否かに
    応じて、N個のアンテナ素子の中の基準ブランチを含む
    2本のアンテナ素子の何れかを選択するステップ(S5
    A/S5B〜S6A,S6B)と、 (c)校正対象ブランチの送信機から信号を送信するス
    テップ(S7)と、 (d)この信号を選択された前記2本のアンテナ素子の
    何れかで受信し、送信周波数の信号を受信周波数の信号
    に変換し、受信周波数に変換された信号を基準ブランチ
    の受信機で受信し、この受信により得られた値に前記位
    相値を反映させて校正対象ブランチの送信機に対する校
    正値を求めるステップ(S8〜S13)と、 を含むことを特徴とする適応アレーアンテナの校正方
    法。
  9. 【請求項9】 複数のアンテナ素子を配列してなる適応
    アレーアンテナ送受信装置の校正方法において、 (a)校正対象ブランチのアンテナと基準ブランチのア
    ンテナとの間の距離に応じた位相値を算出するステップ
    (S101〜S104A/104B)と、 (b)校正対象ブランチが基準ブランチであるか否かに
    応じて、N個のアンテナ素子の中の基準ブランチを含む
    2本のアンテナ素子の何れかを選択するステップ(S1
    05A/S105B〜S106A,S106B)と、
    (c)選択された前記2本のアンテナ素子の何れかを用
    いて、基準ブランチの 送信機の送信周波数の信号を受信周波数の信号に変換し
    て送信するステップ(S107)と、 (d)基準ブランチから送信された前記信号を校正対象
    ブランチの受信機で受信し、この受信機により得られた
    値に前記位相値を反映させて校正対象ブランチの受信機
    に対する校正値を求めるステップ(S108〜S11
    3)と、 を含むことを特徴とする適応アレーアンテナの校正方
    法。
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