JPH09232640A - 永久磁石システム - Google Patents
永久磁石システムInfo
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- JPH09232640A JPH09232640A JP9027081A JP2708197A JPH09232640A JP H09232640 A JPH09232640 A JP H09232640A JP 9027081 A JP9027081 A JP 9027081A JP 2708197 A JP2708197 A JP 2708197A JP H09232640 A JPH09232640 A JP H09232640A
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Abstract
いて、直接の冷却無しに長期間にわたる動作を可能にす
る。 【解決手段】 冷却装置66を用いて超伝導磁石58が
その臨界温度以下の温度にまで冷却される。前記磁石5
8は断熱された固体窒素59からなる低温体20に連結
されている。超伝導磁石58が磁場を生成するように励
磁されると、冷却装置66は取り外される。動作温度は
最初の温度約20Kから63K(窒素の融点)まで上昇
することが許され、これにより直接の冷却無しに長期間
にわたる動作を可能にする。超伝導磁石58は周期的に
冷却されて、その温度をほぼ20Kまで低下させる。磁
場は常に維持され、このシステムは再冷却プロセスの間
にも動作する。
Description
永久磁石システムに関し、その冷却方法を改善したもの
である。
温超伝導磁石は、特定の温度で動作するようになってい
た。例えば、超伝導物質の臨界温度(critical tempera
ture)Tc よりも低い、4.2K(大気圧での液体ヘリ
ウムの沸騰温度)である。このような磁石は、液体ヘリ
ウムに浸積されている間、または冷却装置にずっとつな
がっている間に動作する。これらの技術では、クーラ
ー、クライオクーラーまたは冷凍機( refrigerator )
で冷却し続けなければならない。これらの冷却装置が磁
気システムの動作を扱いにくいものにしている。
に連続的な磁場を作る。しかし、超伝導磁石が簡単に実
現する強い磁場や複雑な磁場プロファイルを生成するの
に、永久磁石は実用的ではない。
度(field strength)を持つ永久磁石システムの単純さ
に、超伝導磁石システムの多用途性を結合した、”永
久”超伝導磁石の装置と方法に関するものである。
る。このシステムで動作する磁石は、新規な特徴を持
つ。重要な特徴は、連続的に冷凍機で冷やすことなしに
動作できることである。磁石巻線(magnet winding)と
ほぼ同じ寸法の固体窒素材が高温超伝導磁石を含む冷却
システムに組み込まれる。これは有意義であり、システ
ムの全重量はほんの少し増加して、磁石の質量のみの熱
容量を越えてシステムの熱容量を高める。磁石の動作温
度は、初期値20Kから窒素の融解温度である63Kま
での広範囲で変化させてもよい。これまでは、超伝導磁
石はほぼ一定温度で動作するように設定されていた。さ
らにこのシステムは、冷却システムに入る熱を極力少な
くしている。
強磁性の永久磁石で実現できる磁場よりもかなり大きい
強度・容積比の磁場を提供できる。一旦励磁されると、
この磁石は、冷凍のためのクライオクーラーに絶えず連
結することなく、長時間にわたり磁場を維持する。超伝
導磁石の臨界温度Tc 、または63Kのどちらか低い方
よりも低い温度にシステムを維持するため、定期的な再
冷却が必要である。大きいシステムでは、再冷却サイク
ルは1年を越え得る。
磁石システムは、一定の磁場を提供する軽量または簡易
な磁石が必要な所に応用される。本発明に基づく高温超
伝導磁石の応用は、機上システム、マグレブ(Maglev:
磁気浮上式輸送車両)、宇宙船、海軍船、ヘリコプタ
ー、簡易MRI、およびその他の磁気システムなどであ
る。本発明はまた、芸術展示用浮揚台とエンターテイメ
ントパフォーマンスの浮揚舞台にもまた使用される。こ
れらの応用の大部分において、再冷却の間隔は1時間、
1日、1週間程度と短くなることもあれば、また何年も
のように長くなることもある。
干渉することなしに磁石を再冷却することである。定期
的な再冷却を条件として磁場を文字通り永久にするため
に、定常的な磁場を維持している間にシステムは再冷却
されるようになっている。システムが臨界温度Tc を越
え、その結果、磁場が減少すると、再チャージが可能な
バッテリーのように、超伝導コイルもまた再チャージさ
れる。
温度での持続状態で動作する超伝導磁石を備える。超伝
導磁石は磁場を生成する。磁石に入る熱を最小にするた
めに、断熱材が磁石を囲む。臨界温度Tc よりも低い第
1の温度T1 に磁石の温度が上がると、冷却装置は磁石
に連結される。第2の温度T2 よりも磁石の温度が下が
ると、冷却装置は磁石から離れる。超伝導磁石の温度が
T2 からT1 へ上昇する間、長時間にわたり、超伝導磁
石は磁場を生成し続ける。この間、冷却装置は磁石から
離れている。
超伝導状態で動作する従来の”低温”超伝導と異なり、
本発明は20Kから63K(窒素の融解温度)のよう
な、ある温度範囲で動作可能な高温超伝導体を使用した
永久磁石システムに関するものである。BSSCO−2
223やBSSCO−2212のような超伝導物質のコ
イルを備える超伝導磁石は、断熱された低温体(cold b
ody )の中に設置される。超伝導体は、パワー損失がな
いエンドレスループで連続的に電流が流れる周知の”持
続的な”モードで動作する。
界温度TC よりも低い温度に下げる。臨界温度は、超伝
導体物質がそれ以下で超伝導性を示す温度である。超伝
導体が、磁場を生成するために励磁されると、クライオ
クーラーは取り除かれる。システムのサイズと断熱の効
果に応じて、磁場は長時間持続できる。例えば、再冷却
まで数時間から数年である。
の間、クライオクーラーと独立した動作を可能にする。
システムが冷却器から離れると、永続性を維持するため
の定期的な再冷却のみが必要な、簡易で永続的な磁場の
生成源となる。
超伝導磁石の動作を妨げることなく再冷却できることで
ある。超伝導磁石は、温度が超伝導物質の臨界温度TC
を越えないかぎり、持続的状態で動作し続ける。これを
成し遂げるために、一時的に断熱された低温体に結合さ
れたクライオクーラーは、システムの温度を20Kのよ
うなTC より低い適当な温度まで下げる。クライオクー
ラーが取り外されて、再冷却処理が磁場に影響すること
なく完了する。
続時間について以下に示す。持続時間は次の3つのパラ
ーメータに依存する。動作の温度範囲、磁石システム内
と磁石システムに入る熱散逸(dissipation )、および
動作温度範囲を通しての冷却システム内の全エンタルピ
ー。
する革新的な構成を導入している。例えば、低温体20
は磁石巻線とほぼ同じサイズの固体窒素材を有し、シス
テムの重量は約10%のみの増加で、システムの熱容量
を磁石の質量の熱容量の約3倍に高める。磁石は温度範
囲、例えば、初期値20Kから昇温度63Kまでの範囲
で動作可能である。クライオクーラーはシステムの一時
的な冷却源である。これまで、超伝導磁石は実質的に一
定の温度で動作するように設定されていたので、連続的
な冷却が必要であった。さらに、本発明では、冷却シス
テムへ入る熱を最少化することが、再冷却時間サイクル
を長くする。
図である。低温体20は、超伝導磁石58と、この磁石
にサイズ的に匹敵する固体窒素材59とから成る。窒素
は常温(293K)では気体で、77Kで液体になり、
63Kで固体になる。低温体20は、支持体24によ
り、好ましくカーボンファイバーからできている常温シ
ールド22に連結されている。支持体24は互いにクロ
スして、シールド22と低温体20間に大きな間隔を与
えており、それによって、シールド22から低温体20
に入る熱を最小にしている。常温シールド22は低温体
20とサーマル棒(thermal rod )28を囲む。シール
ド22はアルミニウムまたはステンレススチールで形成
される。
は真空引きされて、対流による熱伝導を最小化する。つ
まり、この真空領域34は断熱体として機能する。加え
て、放射による熱移動を減らすために、領域34には、
好ましくはアルミメッキされたマイラーを有する超断熱
層(layers of superinsulatio)が設けられている。低
温体20とシールド22は支持体24以外の媒体では接
続しない。これによって熱伝導は最少化される。シール
ド22の外の領域36は常温(293K)である。一
方、低温体20は動作中は超伝導温度(63Kより低
い)である。
は、好ましくは銅から成り、低温体20の頂部に取り付
けられている。サーマル棒28は、好ましくは熱伝導物
質、例えば銅から成り、冷却受板26の上方に配置され
る。サーマル棒28はシールド22に対してスライド可
能に装着されており、端部29が冷却受板26から離れ
た位置と、冷却受板26に接触した位置との間をスライ
ドする。サーマル棒28の位置は、好ましくは、負荷の
ない状態で冷却受皿26から離れるように偏位してい
る。
低温伝達(cold delivery )システムにつながった、ね
じ切りされたた孔56を有する。真空チャンバ30は、
好ましくはステンレススチールから成り、サーマル棒2
8の上部に取り付けられている。チャンバ30の中間部
分にはO−リングシール44がある。チャンバ30とO
−リング44はサーマル棒28に連結されており、した
がって、シールド22の上部に対してスライドする。サ
ーマル棒28が冷却受板に接触しているとき、O−リン
グシールはシールド22の壁に接触する。カバープレー
ト32はサーマル棒28とチャンバ30を断熱し、保護
する。
0が温まって気体状態に変化した時に、低温体20から
ガスを抜くものである。真空排気38は、真空ポンプ4
8に接続されるもので、この真空ポンプ48を定期的に
真空排気38に接続することで、真空領域34を高真空
に保ち続ける。
ずに動作中のシステムを再冷却する方法を連続的に図示
している。図2(A)〜(C)では、磁石58と磁場は
水平方向であるが、図1では垂直方向である。方向と配
置は種々に設定できる。
ードで動作し、それによって電流62は電力損失なしに
連続的にコイルに流れ、電磁場が生成される。時間の経
過につれて、対流、伝導および放射によってシステムに
熱が入り込む。その結果、低温体20(超伝導磁石58
と固体窒素材59)の温度は上昇する。磁石58の温度
が超伝導体の臨界温度TC を越えると、超伝導体は抵抗
を持ち、”持続モード”で流れる電流62は小さくなっ
てしまう。
は、超伝導磁石58の動作中、すなわち磁場60を作り
続けている間に再冷却を行う、装置と方法を提供する。
図2(A)では、超伝導体の温度がTC に近づく前に、
冷却装置66が磁石58を再冷却する。磁石のカバープ
レート32(図1)が取り外され、サーマル棒28のね
じ孔56を外部に露出させる。冷却装置66の延長棒5
2には、ねじ孔56に螺合されるねじ部54がある。延
長棒52は、好ましくは、熱伝導率のよい物質、例えば
銅からなり、クライオクーラーのコールドヘッド78に
連結されている。これにより、20Kのような極低温に
まで延長棒52を冷却する。延長棒52は真空囲壁(va
cuum enclosure)の頂部68Aに連結され、真空囲壁の
底部68Bにスライド可能に装着されている。ベローズ
50は真空囲壁68の中間部分に設けられて、先端68
Aと底68Bの間の圧縮を許容する。
28に連結され、冷却装置66は低温体20を再冷却す
る位置にある。この時点で延長棒52は常温で、サーマ
ル棒28は常温に近い。冷却装置フランジ70と磁石フ
ランジ72は、O−リング74を間に挟んで、互いに固
定されている。真空囲壁68内の領域76が真空引きさ
れる。真空ポンプ48は磁石システムにつながり、低温
体20とシールド22の間の領域34を高真空に保つた
めに駆動される。次に、クライオクーラー64が駆動さ
れる。
コールドヘッド78、拡張棒52およびサーマル棒28
が低温体20の温度よりも低くなると、サーマル棒28
の端部29は、低温体を再冷却するために、低温体20
の冷却受板26に接触する。これは、真空囲壁68を矢
印80の向きに押すことで行われる。押されることで、
ベローズ50が縮み、延長棒52、サーマル棒28、真
空チャンバ30とO−リング44が一緒に冷却受板26
の方へ移動する。低温体20が20Kのような目標の温
度まで冷却されたと判断されると、サーマル棒28は冷
却受板26から離され、サーマル棒28、延長棒52お
よび真空チャンバ30は、図2(B)の元の位置に戻さ
れる。クライオクーラー64は停止され、クライオクー
ラーのコールドヘッド78、延長棒52およびサーマル
棒28は常温に戻り得る状態となるる。クライオクーラ
ー64は冷却装置66と共に取り外され、カバープレー
ト32が図1のように再装着される。上記の方法では、
超伝導磁石58は、超伝導磁石58の一定な電磁場60
に干渉することなく、臨界温度TC よりも低い温度まで
再冷却される。
は図2(C)の配置で始まる。磁石58は臨界温度TC
よりも低い適当な温度まで冷却される。この時点で、超
伝導コイルは、それまでに、持続モードで動作していな
かったので、磁石は電磁場を生成していない。したがっ
て、超伝導温度に達した後、磁石は電流62を誘導する
ために充電される。
た超伝導磁石の他の実施形態を示す。図3(A)は、超
伝導巻線材料からなるコイル84を備えた持続モード超
伝導電磁石を示す。コイル84の端子86は、閉回路を
形成するために結合されている。コイル84と端子86
は低温体内に収納されている。端子86は超伝導的に結
合されることが望ましいが、”永久”が1時間、1日ま
たは1週間を意味している多くの応用では、抵抗のある
結合でもよい。実際的な応用では、超伝導的な結合は困
難であるから、システムの磁気時定数(magnetic time
constant)がシステムの再冷却時間間隔よりも実質的に
長くなるように、十分小さい結合抵抗(joint resistan
ce)とすればよい。電流62が流れると、コイル84は
コイルの軸に沿って磁場60を作る。
物質の鋳物88から成る超伝導磁石を示す。電流62が
図示の方向で円筒の壁に流れると、磁場60が作られ
る。
ている。しかしこの場合、円筒体は複数の薄いリング9
0からできていて、それぞれの鋳物リングは積み上げら
れてソレノイドを形成している。電流62がリングに流
れると、リングの集まりが磁場60を生成する。
が、双極形、4極形および鞍形のような他の磁石タイプ
も本発明に応用できる。
されて、上記のシステム内に配置されると、好ましく
は、磁石58に連結された充電用の電磁石によって付加
される磁束変化により励磁される。磁石システムが常温
であるために超伝導性がない場合、充電用電磁石は超伝
導磁石に連結される。超伝導磁石は、ソレノイド形であ
る場合、ソレノイド形の充電用電磁石の中空孔内に配置
される。次に、超伝導磁石は前述のように冷却される。
電磁石は適当な磁場レベルに励磁され、そのレベルで一
定に保持される。超伝導磁石はTc より低い目標温度ま
で冷却され、充電用の電磁石は徐々に放電され、最終的
には完全に放電される。この処理が、超伝導磁石中に電
流を誘起する。超伝導磁石による電磁場の強度は、超伝
導磁石と充電用の磁石システムの両方の電気磁気特性に
よって決まる。例えば、超伝導磁石では、電磁場強度は
電流62の大きさとコイルの巻線84の巻き数(図3
(A))、または円筒88の大きさ(図3(B)、図3
(C))によって決まる。
では、コイル84は常温にさらされる中空孔92を持
つ。これによって、磁束60の集中する領域にアクセス
するのを可能にする。これは特に、生成される磁場60
が弱い場合に適している。この実施形態は、円筒形の低
温体20で取り巻かれた超伝導コイル84A、84Bを
備える。低温体20は円筒形のシールド22の中に収納
される。低温体20とシールド22間の領域34は断熱
層で包まれる。再冷却は、図2に従って先に説明した方
法で行われる。出来上がった構造は図4(B)の形をと
る。なお、図4(B)では、再冷却とポンプの構成部分
は図示されていない。
電流リード線を付けて、超伝導磁石を直接励磁すること
もできる。大きい超伝導磁石のための充電用の磁石は膨
大で、極めて高価になる。大きなシステムは小さなシス
テムよりも、システムへ流入する熱量をより多く許容で
きるので、電流リード線を大きな超伝導磁石システムに
導入しても、電流リード線から流入する熱量がシステム
にとって過大となることはない。電流リード線は使用さ
れていないとき、磁石の端子から分離されて、低温体へ
の熱流入を最小にする。電流リード線を使用して磁石を
励磁した後、この磁石を持続モードへと動作させるため
に、磁石に超伝導スイッチを設ける必要がある。そのス
イッチ部品は図5に示されている。
を励磁する装置の断面図である。各図の磁石システムは
円筒形である。この誘導方法は、図5(C)の等価電気
回路で示される。図5(C)で示されるように、超伝導
巻線58は端子86で連結されている。図5(A)と5
(B)では、本発明に基づいて、超伝導磁石システムが
2つの要素で示されている。巻線58とシールド22で
ある。
は、電源(図示せず)に接続するための端子202を持
つ、充電用の磁石201の常温の中空部内に置かれる。
この段階での超伝導磁石210は臨界温度より高い。磁
石210が超伝導性でない間に、充電用の磁石201は
所定の磁場レベルまで励磁される。超伝導磁石210が
約20Kの初期動作温度までさげられると、充電用の磁
石201は徐々に放電し、超伝導磁石210に電流が流
れ、所望の磁場が作られる。
1は平坦なディスクを備える。この場合、磁石システム
211は平坦な表面203上に設置される。表面203
の下には、電源(図示せず)に接続される端子202を
持つ大型の充電用コイル201が設置されている。充電
用コイル201の底部は、スチールの磁気飽和を防止す
るのに十分厚いスチールディスク204に磁気的にショ
ートされている。ディスク204は充電用コイル201
が超伝導磁石システム211の中空部内に十分な磁場を
作るのに必要な総アンペアターン値を減少させるのに役
立つ。このシステムの充電シーケンスは上述のシステム
と同じである。
揚台やエンターテイメントパフォーマンスの浮揚舞台の
作成に利用される。この場合、超伝導磁石は初期動作温
度20Kまで冷却される。冷却中、充電コイル201は
作動していない。充電用コイル201は徐々に励磁さ
れ、超伝導コイル58に電流を流して、充電コイル20
1による磁場と逆の磁場を作る。逆磁束により超伝導磁
石211は浮揚力を持ち、表面203からディスク21
1を持ち上げる。ディスク203の上方でサポートでき
る重さは、充電コイル201により作られる磁束の大き
さによる。充電用コイル201が励磁され、かつ、超伝
導磁石が超伝導性を持つ間、ディスク211は表面20
3の上方に浮揚し続ける。ディスク211の横方向の安
定性は、充電用コイル201の平均直径を超伝導磁石2
11の平均直径よりも大きくすることにより、実現でき
る。
ステムを直接励磁する電気回路図を示す。破線は室温シ
−ルド22を示す。磁石システムの端子86の間を分路
で接続する超伝導スイッチ206は、磁石が励磁されて
いる間、通常の抵抗値を有する状態に保たれ(例えばヒ
ーターによって)、電源205からの電流の大部分を巻
線58に流す。動作モードにおいて、スイッチ206は
超伝導となり、超伝導回路の一部となって、持続電流を
巻線58に流す。回路の常温の端部を磁石端子86に接
続するリード線207は、切り離し可能なジョイント2
08を有しており、これによって、磁石が励磁された後
リード線207が切り離されて、低温体への熱の流入を
最少にする。
ップル温度センサーとを備えるのが好ましい。磁場セン
サーは室温領域に取り付けられ、サームカップル温度セ
ンサーは低温体に取り付けられている。前記サーモカッ
プルを計器類に接続するワイヤーは、熱伝導による熱の
流入を最小限に抑えるため、極めて細い径で極めて大き
な長さになっている。
説明する。巻線の形を持ち室温の中空部を有しない磁石
システムが、上で述べた革新的な概念に沿った熱解析の
基本として使用される。
おける熱の散逸(dissipation) には4つの要因がある。
1)電気磁気効果によって磁石巻線内で発生する電気磁
気的散逸、2)熱放射、3)熱対流、4)熱伝導。これ
ら要因のそれぞれを定量するに当たり、理想的な球面の
巻線形状を仮定する。実際の磁石は強い磁場の領域への
アクセスのために中央部に孔が通常必要ではあるけれど
も、理論的な球面形状が、磁石システムの重要なパラメ
ーターを強調するのに適しており、円筒形またはコイル
形の持つ二次効果によって分析が泥沼に陥ることはな
い。
条件のもとでは、コンダクターとコンダクターの接合部
で発生する損失を除いて、超伝導磁石内で電気磁気効果
による熱散逸はない。本件システムにおける持続モード
の超伝導磁石については、先ず、それぞれの接合が実質
的に超伝導であり、したがって散逸は無視できると仮定
する。
ボルツマンの式で始まる。 qr =er σSBT4 (1)
らの放射熱フラックスを1m2 当たりのワット数で表し
たもの(W/m2 )であり、er は温度Tでの全熱放射
率であり、σSBはステファン・ボルツマン定数5.67
×10-8W/m2 K4 である。
板構造において、第1と第2の表面がそれぞれ、放射率
〔er 〕CLと〔er 〕wmを持ち、第1の表面が低い温度
Tclにあり、第2の表面が高い温度Twmにある場合、両
表面間の有効全放射率〔er〕cwは次の式で与えられ
る。
一の面積を持つと仮定している。
よって異なるが、大部分の低温状態のアプリケーション
においては、平行板近似が平行でない構造についても十
分成り立つ。これは、大部分の低温状態において、2つ
の表面を隔てる距離が特性表面長さよりも一般に十分小
さいからである。さらに、この平行という幾何学的な近
似によって放射熱の見積もりに入り込むエラーは、問題
の表面の放射率についての不確定要素によって持ち込ま
れるエラーに比べて、十分小さいと考えられるからであ
る。したがって、式2は次のように修正される。 qrd=[er ]CWσSB(Twm 4 −Tcl 4 ) (3)
テムに入り込む全放射熱Qrdは、次式で与えられる。 Qrd=4πR2 [er ]CWσSB(Twm 4 −Tcl 4 ) (4)
ートが高温Twmである平行板構造について、10-4トー
ル又はそれ以下の真空圧Pg のもとで圧力Pg (単位P
a)にある余分のヘリウムガスによる対流熱伝導によっ
て高温のプレートから低温のプレートへ向かう熱フラッ
クス(qg W/m2 )は、次の式で与えられる。 qcv=ηg Pg (Twm−Tcl) (5)
及びTclばかりでなく、いわゆる容器効率(accommodati
on coefficient) にも依存する。この容器効率は、ヘリ
ウムについて、室温での0.3から4.2Kでの1に変
化する。ここで取り扱う温度領域Twm=300K及びT
cl≒80Kに対しては、qcvは圧力Pg =10-5トール
で、11mW/m2 である。したがって、外径Rの球面
磁石システムについて、このシステムに入り込む全対流
熱Qcv(W)は、Pg =10-5トールの圧力で次のよう
になる。 Qcv=4π(1.1×10-2)R2 (6)
は2つある。第1の熱流入源は支持構造体24(図1参
照)であり、第2の熱流入源は固体窒素がガス化すると
きの圧力を逃がす圧力解放チューブ40(図1参照)で
ある。支持構造体24による全伝導熱流入量Qspは次の
式で与えられる。 Qsp=2kspAsp(Twm−Tcl)/R (7)
の物体とを連結する支持構造体の全断面積である。式
(7)において、右辺の係数2は、前記支持を無方向性
とするのに必要な別の支持構造体を考慮に入れるためで
ある。TwmとTclとを連結する長さは、最短で、低温物
体の半径Rに等しい。支持構造体24の断面積Aspは、
磁石システムの重量Msyに関連している。したがって、 Asp=Msyg/σUsp (8)
の極限強さである。前記磁石システムの重量Msyは、シ
ステムの体積でもって次のように表される。 Msy=(2πR3 /3)(δAg+δN2 ) (9)
は銀で代表される巻線の材料によって占められ、他の半
分は固体窒素によって占められる。また、δAg及びδ
N2はそれぞれ、銀と固体窒素の密度である。
支持構造体による全伝導熱流入量は次のように表され
る。 Qsp=(4πgksp/3σUsp)(δAg+δN2)(Twm−Tcl)R2 (10)
量Qrfは次の式で表される。 Qrf=kssAss(Twm−Tcl)/Lss (11)
ス抜きチューブに使用されているステンレスの熱伝達
率、横断面積及び長さである。例えば、図1に示すよう
にサーマル棒28の回りにガス抜きチューブ40を巻き
付けることによってAssを十分小さく、かつLssを十分
長く設定すると、QrfはQspに比べて小さくなる。この
システムにおいて固体窒素が液体になり、液体窒素がガ
スになったとしても、これらの相変化は長い時間の間に
起こるので、大きな開口を持つガス抜きバルブを設ける
必要は無く、したがって、低温超伝導磁石を有するクラ
イオシステムにおいて通常使用されるような大きな断面
積Assは必要でない。
せて、外径Rを有する球面システムに流入する全熱量Q
inは次の式で表される。 Qin−Qrd+Qcv+Qsp =4π{[er ]cwσSB(Twm 4 −Tcl 4 )+1.1×10-2 +(gksp/3σU )(δAg+δN2 )(Twm−Tcl)}R (12) なお、QinはR2 に直接的に比例している。
0Kと、システムが温まることによって上昇した温度4
0K,50K及び60Kとの間で生じる銀と固体窒素の
容積増大エンタルピー(ΔHAg),(ΔHN2)を示して
いる。比エンタルピーデータから容積エンタルピーへの
変換の際、銀の密度10,500kg/m3 及び固体窒素
の密度900kg/m3 を使用した。
巻線)であり、他の半分が固体窒素(余分の熱蓄積)で
ある球面システムについて、作動に利用できる全エンタ
ルピーΔHsyは、次の式で表される。 ΔHsy=(2π/3)(ΔhAg+ΔhN2)R3 (13)
て、動作持続時間τopに関する表現が次のように得られ
る。 Qinτop=ΔHsy (14)
の値を日の単位(秒から換算したもの)で示している。
パラメータ:常温体の温度Twmが293K、または室
温;低温体の温度Tclが20K(低温体の温度は実際に
は20Kから最終温度にまで上昇するが、ここでは一定
温度と仮定している。控えめな仮定。);kspが0.1
W/mK(ステンレスに近い値。やはり控えめな仮
定);σUspが2×109 Pa(カーボンフィラメント
を主成分とする複合体に対応した値)。〔er 〕cw及び
Rの値は変化しており、これが表2に示されている。
のなかで表面積・体積比が最も小さい球面としてモデル
化された磁石システムについてのものである。実際の磁
石の前記表面積・体積比は球面のそれよりも大きいか
ら、その動作持続時間(日数)τopは表2で与えられた
ものよりも短くなり、恐らく2分の1ほどにまでは短く
なる。
さに大きく依存している。したがって、システムが過渡
状態でない場合、真空ポンプに接続することが好まし
い。
いての特定のパラメータ及び形状は、それぞれのコンポ
ーネントの基本的な動作を示すために例示されたものに
過ぎない。例えば、固体窒素の体積比率は、先の定量解
析で使用されたようなほぼ50%である必要はない。こ
の値は、具体的なシステムの要求に応じて、50%以上
またはそれ以下に成りうる。先に説明した種々の図面に
表された特定のコンポーネントの形状についても同様で
ある。実際のシステムにおいては、サーマル棒と延長棒
を熱的に連結しているねじ連結部は、他の機構で置き換
えることもできる。
上分野に適用することができる。これらの適用におい
て、常設のクライオクーラーがないことによるシステム
の携帯性の良さが極めて大きな利点となる。例えば、列
車の磁気浮上に適用する場合、列車は朝の間に、端子に
おかれたクライオクーラーで冷却しておくことが出来
る。クライオクーラー無しに一日中稼働したのち、列車
は夜に端子に戻って、その磁石をクライオクーラーのあ
る場所で再び冷却する。このようにして、列車はクライ
オクーラーから独立して運転することができる。
れたが、添付のクレームで示された発明の精神及び範囲
から離れないかぎり、形状及び詳細について種々の変更
が可能であることは当業者にとって自明である。
断熱体によって超伝導磁石への熱の流入を最小限に抑
え、冷却装置によって、前記磁石が臨界温度Tc よりも
低い第1の温度T1 にまで温度上昇したときに前記磁石
を冷却し、磁石の温度が第2の温度T2 に達するまで前
記磁石を冷却して、前記超伝導磁石に、再冷却が必要に
なるまでの長い時間幅にわたり、かつ、T2 とT1 の間
の温度領域にわたって磁場を生成させるから、超伝導磁
石は間欠的な冷却で済む。したがって、冷却装置無しで
かなりの時間作動させることができ、これがシステムの
利便性を高める。
間の、磁石の再冷却のシーケンスを示す概略図である。
を示す概略図である。
つ磁石を図示した本発明のさらに他の実施形態の側断面
図と斜視図である。
置の概略図である。
路を示す回路図である。
熱体)、58…超伝導磁石、59…固体窒素材、64…
クライオクーラー、66…冷却装置
Claims (20)
- 【請求項1】 臨界温度Tc 以下の温度で持続状態で作
動して磁場を生成する超伝導磁石と、 前記磁石への熱の流入を最小限にするために前記磁石を
取り囲む断熱体と、 前記磁石が臨界温度Tc よりも低い第1の温度T1 にま
で温度上昇したときに前記磁石を冷却し、磁石の温度が
第2の温度T2 に達するまで前記磁石を冷却して、前記
超伝導磁石に、再冷却が必要になるまでの長い時間幅に
わたり、かつ、T2 とT1 の間の温度領域にわたって磁
場を生成させる冷却装置とを備えた磁場を生成する装
置。 - 【請求項2】 請求項1において、前記時間幅は、前記
磁石の温度がT2 からT1 まで上昇するのに要する時間
によって決まるものである磁場を生成する装置。 - 【請求項3】 請求項1において、前記冷却装置は、前
記磁場の生成を中断させること無く、冷却期間において
前記磁石に連結され、前記磁石が前記第2の温度T2 に
達したときに前記磁石から分離するように構成されてい
る磁場を生成する装置。 - 【請求項4】 請求項1において、前記磁石は固体窒素
材に連結されている磁場を生成する装置。 - 【請求項5】 請求項4において、前記固体窒素材は前
記磁石とほぼ同一の寸法である磁場を生成する装置。 - 【請求項6】 請求項1において、前記第1の温度T1
はほぼ63Kであり、第2の温度T2 はほぼ20Kであ
る磁場を生成する装置。 - 【請求項7】 請求項1において、前記超伝導磁石は、
ソレノイド形、双極形、4極形及び鞍形からなるグルー
プから選ばれている磁場を生成する装置。 - 【請求項8】 請求項1において、前記超伝導磁石は室
温にある中空部を有している磁場を生成する装置。 - 【請求項9】 請求項1において、前記超伝導体は高温
超伝導体である磁場を生成する装置。 - 【請求項10】 超伝導磁石をその臨界温度Tc 以下の
温度で持続状態で磁場を生成するように作動させる工程
と、 前記磁石へ流入する熱量を最小限にするよう前記磁石を
断熱する工程と、 前記磁石の温度がその臨界温度Tc よりも低い第1の温
度T1 に上昇したとき前記磁石を冷却する工程とを備
え、 前記磁石に、再度の冷却が必要となる前に長い時間幅に
わたり、かつ、T2 とT1 の温度範囲にわたり磁場を発
生させる磁場を生成する方法。 - 【請求項11】 請求項10において、前記時間幅は前
記磁石の温度がT2からT1 に上昇するまでの時間によ
って定まる磁場を生成する方法。 - 【請求項12】 請求項10において、前記冷却する工
程は、前記磁場の生成を中断させること無く、前記冷却
中に前記磁石に冷却装置を連結し、前記第2の温度T2
にまで冷却されたとき前記磁石から前記冷却装置を分離
する工程を含む磁場を生成する方法。 - 【請求項13】 請求項10において、さらに前記磁石
を固体窒素材に連結する工程を含む磁場を生成する方
法。 - 【請求項14】 請求項13において、さらに、前記固
体窒素材を前記磁石とほぼ同一のサイズに形成する工程
を含む磁場を生成する方法。 - 【請求項15】 請求項10において、前記第1の温度
T1 はほぼ63Kであり、前記第2の温度T2 はほぼ2
0Kである磁場を生成する方法。 - 【請求項16】 請求項10において、さらに、前記超
伝導磁石をソレノイド形、双極形、4極形及び鞍形から
なる一群から選ばれた工程を含む磁場を生成する方法。 - 【請求項17】 請求項10において、さらに、前記磁
石を常温にある中空部を持つように形成する工程を含む
磁場を生成する方法。 - 【請求項18】 請求項10において、さらに、前記超
伝導磁石を高温超伝導体で形成する工程を含む磁場を生
成する方法。 - 【請求項19】 臨界温度Tc 以下の温度で持続状態で
作動して磁場を生成する超伝導磁石と、 前記磁石への熱の流入を最小限にするために前記磁石を
取り囲む断熱体と、 前記磁石に連結されて、前記磁石が臨界温度Tc よりも
低い第1の温度T1 にまで温度上昇したときに前記磁石
を冷却し、磁石の温度が第2の温度T2 に達するまで前
記磁石を冷却して、前記超伝導磁石に、再冷却が必要に
なるまでの長い時間幅にわたり、かつ、T2 とT1 の間
の温度領域にわたって磁場を生成させる冷却装置とを備
えた磁場を生成する装置。 - 【請求項20】 超伝導磁石をその臨界温度Tc 以下の
温度で持続状態で磁場を生成するように作動させる工程
と、 前記磁石へ流入する熱量を最小限にするよう前記磁石を
断熱する工程と、 前記磁石の温度が臨界温度Tc よりも低い第1の温度T
1 に上昇したとき前記磁石を冷却するよう前記磁石に冷
却装置を連結する工程と、 前記磁石が第2の温度T2 にまで低下したときに前記磁
石から前記冷却装置を分離する工程とを備え、 前記磁石に、再度の冷却を要する前に長時間にわたり、
かつ、第2の温度T2と第1の温度T1 の温度範囲にわ
たり磁場を生成させる磁場を生成する方法。
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