JPH09232075A - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法および有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置

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JPH09232075A
JPH09232075A JP8034611A JP3461196A JPH09232075A JP H09232075 A JPH09232075 A JP H09232075A JP 8034611 A JP8034611 A JP 8034611A JP 3461196 A JP3461196 A JP 3461196A JP H09232075 A JPH09232075 A JP H09232075A
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cleaning tank
tank
cleaning
organic
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地潮 細川
Toshio Sakai
俊男 酒井
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass
    • H10K71/10Deposition of organic active material
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    • HELECTRICITY
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  • Manufacturing & Machinery (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板を再汚染することなく基板の洗浄および成
膜を行うことができる有機EL素子の製造方法および有
機EL素子の製造装置を提供すること。 【解決手段】真空槽20とは別に洗浄槽30を設け、洗
浄槽30において基板11に向かう指向性を有する紫外
線またはイオンビームを基板11だけに照射して洗浄し
た後、移送路40のシャッタ41を開放して基板11を
真空槽20へ移送し、真空槽20において基板11上に
有機物層を含む薄膜を形成して有機EL素子を製造す
る。これにより、真空槽20や洗浄槽30に存在する不
純物を基板11に付着させることなく基板11の洗浄お
よび成膜を行えるようになり、発光効率が高く、低電圧
で長寿命な有機EL素子が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機エレクトロル
ミネッセンス素子の製造方法および有機エレクトロルミ
ネッセンス素子の製造装置に関する。
【0002】
【背景技術】近年、有機物層を含む発光デバイスである
有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)が
注目されており、ディスプレイ等への利用に向けて研究
が進められている。この有機EL素子を構成する電極や
発光層等の薄膜は、真空蒸着法やスパッタ法等により、
真空槽内で基板上に積層される。
【0003】通常、有機EL素子に用いられる基板は、
大気中でその表面の汚れを水洗やアルコール洗浄等によ
り取り除いた後、真空槽内に搬入され、その表面に有機
物層や陰極等が積層される。しかし、基板の洗浄が大気
中で行われるため、大気中の有機物やダスト等が基板或
いは基板の表面に形成された陽極等に付着して基板が再
汚染されるという不具合があった。このように、基板や
基板上の陽極が汚染されたままの状態で成膜を行うと、
膜の基板への付着性や薄膜同士の密着性が低下して、発
光効率の低下や高電圧化の原因となるうえに、発光寿命
も短くなってしまう。
【0004】この点の不具合を解消するものとして、特
開平4-32560号公報では、真空槽内で基板をオゾンによ
り洗浄した後に成膜を行う構成が開示されている。ま
た、特開平7-142168号公報では、真空槽内で基板上の陽
極をプラズマ表面処理した後、この陽極上に有機物層を
形成する構成が提示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、有機物の成膜
を行う真空槽内でオゾンやプラズマ等による基板の洗浄
を行うと、真空槽の壁面に付着していた有機物の蒸発物
が分解されて基板に付着したり、蒸着源の有機物がスパ
ッタされて基板に付着する等して基板が再汚染されると
いう問題がある。さらに、前述したプラズマ表面処理で
は、プラズマ中のイオンや電子等の励起活性種に方向性
がなく四方八方に熱運動するため、基板だけでなくその
周囲の基板ホルダ等も処理されてしまい、これにより発
生した不純物が基板や基板上の陽極に付着して再汚染さ
れるという問題が生じる。
【0006】本発明の目的は、基板の表面を再汚染する
ことなく基板の洗浄および成膜を行うことができる有機
エレクトロルミネッセンス素子の製造方法および有機エ
レクトロルミネッセンス素子の製造装置を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の有機エレクトロ
ルミネッセンス素子の製造方法は、基板上に薄膜を形成
する真空槽とは別に設けられた洗浄槽で、基板に向かう
指向性を有する紫外線、または基板に向かう指向性を有
するイオンビームにより基板を洗浄した後、基板を真空
槽へ移送し、この真空槽で基板上に有機物層を含む薄膜
を形成することを特徴とする。ここで、基板とは、表面
に既に薄膜が形成されている基板も含む。
【0008】本発明では、基板の洗浄を真空槽とは別の
洗浄槽で行うため、壁面や蒸着源等に多くの有機物や不
純物が存在する真空槽とは隔離された空間で基板の洗浄
を行うことになり、真空槽内の有機物等が基板に付着し
て基板が再汚染されるのを防止できる。
【0009】さらに、この洗浄槽の壁面にわずかの不純
物や有機物が付着していても、基板の洗浄には、基板に
向かう指向性を有する紫外線または基板に向かう指向性
を有するイオンビームを用いるため、これらを基板だけ
に照射すれば、基板の表面に付着しているものだけを灰
化して除去できるようになる。従って、従来のプラズマ
による処理のように、基板以外の部分が処理されて発生
した不純物や有機物の分解物等が基板に付着することが
なくなるうえに、洗浄槽の壁面等に存在する不純物がス
パッタされて基板に堆積することもなくなり、基板を再
汚染することなく洗浄でき、基板の表面を確実に清浄化
できる。これにより、前記目的が達成される。
【0010】ここで、紫外線を用いる場合、その波長域
は、350nm以下150nm以上とすることが好ましく、とくに
好ましくは300nm以下150nm以上である。350nmを超えて
大であると、基板の汚染物である有機物の灰化処理を効
果的に行うことができない。また、その放射照度は、1
〜200mJ/cm2とすることが好ましく、とくに好ましく
は、10〜50mJ/cm2である。この範囲であれば、表面に
存在する炭化物を短時間で灰化処理できる。紫外線の照
射時間は、好ましくは 1分〜1時間である。
【0011】また、イオンビームを用いる場合は、その
照射量を100μA/cm2〜100mA/cm2とすることが好まし
く、特に好ましくは500μA/cm2〜10mA/cm2である。そ
して、その運動エネルギは、好ましくは1eV〜10keVであ
り、より好ましくは、100eV〜数keVである。この範囲の
照射量およびエネルギ範囲であれば、基板上の酸化物電
極等に損傷を与えることなく有機物を灰化処理できる。
【0012】さらに、洗浄槽内は、水分、有機物および
ダストを除去した空間とすることが好ましい。洗浄槽内
に有機物の蒸気が存在すると、とくにイオンビームを用
いた場合には、基板の表面に高分子の膜が形成されるこ
とがある。
【0013】また、洗浄槽内の圧力は、10-1Pa以下と
されていることが望ましい。このようにすれば、基板の
洗浄にイオンビームを用いる場合、イオンの気体分子へ
の衝突を少なくしてイオンの平均自由行程を長くできる
ようになり、イオンをイオン源から速度を落とすことな
く基板に衝突させることができるので、基板の洗浄を効
率よく確実に行うことができる。ここで、洗浄槽内の圧
力は、イオンビームを用いて基板の洗浄を効率よく行う
ためには、好ましくは10-3Pa以下であり、紫外線を用い
る場合には10-4Pa以下とすることが好ましい。
【0014】そして、洗浄槽と真空槽との間には、洗浄
槽と真空槽とを連通する移送路と、この移送路を遮断す
る開閉可能なシャッタとが設けられ、このシャッタを閉
塞させて基板の洗浄を行った後、シャッタを開放して、
移送路を通じて基板を洗浄槽から真空槽へ移送すること
が望ましい。ここで、シャッタは、洗浄槽と真空槽とを
完全に遮断し、各々の気密性を確保できるものとするこ
とが好ましい。
【0015】これにより、移送路を通じて基板を搬送す
れば、基板を大気に晒すことなく洗浄槽から真空槽へ移
送できるようになるので、洗浄槽で洗浄した基板が大気
中の有機物等により汚染されることがなくなり、基板の
表面を清浄に保ったまま真空槽内に搬送できる。また、
基板の洗浄を行うときには移送路のシャッタを閉塞させ
るため、洗浄中に真空槽内の有機物や不純物が洗浄槽内
に侵入して基板を汚染するのを確実に防止できる。
【0016】さらに、洗浄槽内の圧力を真空槽内の圧力
よりも低くした状態で、シャッタを開放することが望ま
しい。ここで、洗浄槽の排気は、基板の洗浄前や洗浄後
或いは洗浄中に行うことができる。
【0017】このようにすることで、シャッタを開放し
たときに、洗浄槽内の不純物等が気体分子とともに真空
槽内に流入することがなくなり、真空槽内の汚染を防止
できる。また、シャッタを開放しても真空槽内の圧力が
低下することがないので、シャッタの開放毎に真空槽の
排気を行う手間を省略できる。
【0018】そして、紫外線による基板の洗浄は、酸素
の存在下で行うことが望ましい。このようにすれば、酸
素からのオゾンの発生およびこのオゾンからの活性酸素
の発生を促進できるようになり、活性酸素の酸化作用
で、基板上の有機物を分解除去できるので、基板の洗浄
を一層効率よく行うことができる。
【0019】また、基板の洗浄に用いられるイオンビー
ムには酸素イオンビームを用いることが望ましい。これ
によれば、有機物を効率よく確実に灰化できるようにな
り、とくに、基板の材料に酸化物を用いた場合等には、
その酸化物がイオンビームの照射により還元されること
がないので、基板の変性による損傷を回避できる。
【0020】一方、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の製造装置は、基板上に薄膜を形成する真空槽
と、この真空槽とは別に設けられた洗浄槽と、この洗浄
槽と真空槽とを連通する移送路と、この移送路を遮断す
る開閉可能なシャッタとを有し、洗浄槽には、基板に向
かう指向性を有する紫外線を発生する紫外線発生源、ま
たは基板に向かう指向性を有するイオンビームを発生す
るイオンビーム発生源が設けられていることを特徴とす
る。
【0021】本発明の装置では、成膜を行う真空槽と基
板の洗浄を行う洗浄槽とが個別に設けられているため、
真空槽とは隔離された空間で基板の洗浄を行うことがで
きるようになり、真空槽内の有機物等が基板に付着して
基板が再汚染されるのを防止できる。また、洗浄槽と真
空槽とを連通する移送路を備えているため、この移送路
を通じて基板を大気に晒すことなく搬送できるようにな
り、洗浄した基板を清浄な状態のまま洗浄槽から真空槽
に搬送して成膜できる。さらに、移送路にはシャッタが
設けられているので、基板の洗浄時にこのシャッタを閉
塞させれば、真空槽内の不純物が洗浄槽内に侵入して基
板を汚染するのを確実に防止できる。
【0022】また、洗浄槽には紫外線発生源またはイオ
ンビーム発生源が設けられ、これらから得られる紫外線
またはイオンビームは何れも基板に向かう指向性を有す
るため、基板の表面に付着しているものだけを灰化して
除去できるようになり、基板以外の部分が処理されて発
生した不純物や有機物の分解物等が基板に付着したり、
洗浄槽の壁面等に存在する不純物がスパッタされて基板
に堆積することがなくなり、基板を再汚染することなく
確実に洗浄できる。これにより、前記目的が達成され
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。図1には、有機エレクトロルミネ
ッセンス素子(有機EL素子)製造装置10が示されて
いる。有機EL素子製造装置10は、基板11上に所望
の薄膜を形成する真空槽20と、この真空槽20とは別
に設けられた洗浄槽30と、この洗浄槽30と真空槽2
0とを連通する移送路40とを含んで構成されている。
基板11は、例えば、石英ガラス等のガラス製であり、
セラミックス等により形成されていてもよく、その材質
は実施にあたって適宜選択すればよい。
【0024】真空槽20は、その上部に基板11を支持
する基板ホルダ21を有し、この基板ホルダ21は、基
板11の周縁部を支持する枠状の部材であり、真空槽2
0の上面から延びる支持部211により支持されてい
る。また、真空槽20の下部には、基板ホルダ21と対
向配置された蒸着源22が設けられている。蒸着源22
は、タングステンやモリブデン等の高融点金属からなる
ボート221を備え、このボート221上に載置された
有機物や金属等の蒸着材料23をボート221に通電し
て加熱し、蒸発させるようになっている。
【0025】洗浄槽30の上部には、支持部311によ
り支持された真空槽20の基板ホルダ21と略同形状の
基板ホルダ31が設置されており、その下部には基板ホ
ルダ31と対向して紫外線発生源32が設けられてい
る。紫外線発生源32は、350nm以下150nm以上の波長域
の紫外線を発生するように設定されている。この紫外線
発生源32には、例えば、水銀ランプや重水系ランプ、
或いはArF,KrF,XeF,XeCl等のエキシマ
レーザ光を発生するレーザ発生源等を用いることができ
る。
【0026】また、紫外線には基板11に向かう指向性
が付与されており、基板11だけを照射するようになっ
ている。この指向性は、紫外線発生源32に水銀ランプ
や重水系ランプを用いた場合には、基板11とランプを
覆うように反射材を設置したり、レンズを用いて集光さ
せること等により得られる。
【0027】また、エキシマレーザ光を用いた場合に
は、その放射強度は、基板11がレーザアブレーション
による損傷を大きく受けず、その表面が軽くアブレーシ
ョンされる程度とする。すなわち、その放射強度は1〜2
20mJ/cm2が適切であり、220mJ/cm2以上では、基板1
1や基板11上に形成された透明電極(陽極)が損傷を
起こすおそれがあり、1mJ/cm2以下では、紫外線照射の
効果が小さく、照射時間が長くなる。
【0028】移送路40は、真空槽20と洗浄槽30と
の間に設けられ、その途中に移送路40の開閉手段であ
る例えば上下のスライド式のシャッタ41を備えてい
る。シャッタ41は、図示しない駆動手段によりスライ
ドできるようになっており、このシャッタ41を移動さ
せて移送路40の遮断或いは開放を行う。なお、シャッ
タ41を閉塞させた状態においては、シャッタ41と移
送路40の壁面とはバイトン製のシール等の真空用シー
ルにより密着され、真空槽20内の空間と洗浄槽30内
の空間とが完全に遮断されるようになっている。
【0029】なお、有機EL素子製造装置10は、洗浄
槽30内の基板ホルダ31から真空槽20内の基板ホル
ダ21へ基板11を搬送する図示しない基板搬送機構を
備えている。基板搬送機構には、例えば、ベルト上に基
板11を載せて搬送する機構やアームにより基板11を
支持して移動させる機構等、既存の各種搬送機構を用い
ることができる。
【0030】このように構成された本実施形態において
は、次のような手順で有機EL素子の製造を行う。先
ず、シャッタ41を予め閉塞させておき、真空槽20の
ボート211に有機物や金属等の有機EL素子を構成す
る蒸着材料23を載置し、洗浄槽30の基板ホルダ31
に基板11を固定する。そして、真空槽20および洗浄
槽30の排気を行い、有機物、水分、ダスト等の不純物
を完全に除去する。この後、洗浄槽30には、10-4Pa〜
10-1Pa程度の圧力となるように酸素を供給する。
【0031】次に、紫外線発生源32から所定照射量の
紫外線を1分〜1時間の範囲内で基板11だけに照射し、
基板11の洗浄を行う。このとき、洗浄槽30内の圧力
は一定以下に維持するとともに、雰囲気を清浄に保つた
めに排気を行う。紫外線の照射中には、基板11の表面
に付着した有機物等の不純物は、紫外線により灰化され
たり、酸素から発生したオゾンの活性酸素に酸化されて
分解される等して除去される。紫外線照射終了後、洗浄
槽30内の排気を行い、真空槽20よりも真空度を高め
た(真空槽20よりも低圧にした)後に、シャッタ41
を開放する。このとき、洗浄槽30は真空槽20よりも
減圧されているので、洗浄槽30内の不純物が真空槽2
0内へ流入することはない。
【0032】続いて、図示しない基板搬送機構により、
基板11を洗浄槽30から移送路40を通じて真空槽2
0へ搬送して基板ホルダ21に固定し、再びシャッタ4
1を閉塞させる。そして、蒸着源21のボート211に
通電して蒸着材料23を加熱し、基板11に堆積させて
有機EL素子を製造する。
【0033】このような本実施形態によれば、以下のよ
うな効果がある。すなわち、真空槽20には、今回の処
理以前の蒸着等による多くの有機物や不純物が壁面や蒸
着源21等に存在するが、本実施形態では、基板11の
洗浄を真空槽20とは別の洗浄槽30で行うため、真空
槽20内の有機物や不純物が洗浄槽30内に侵入するこ
とがなく、従って、この有機物等により基板11が汚染
されることがなくなる。
【0034】さらに、洗浄槽30に紫外線発生源を設
け、基板11に向かう指向性を有する紫外線を基板11
だけに照射して洗浄するので、洗浄槽30の壁面にわず
かの不純物や有機物が付着していても、基板11の表面
に付着しているものだけを灰化して除去できるようにな
る。従って、従来のプラズマによる処理のように、基板
11以外の部分が処理されて不純物が発生したり有機物
が分解する等して基板11に付着することがなくなるう
えに、洗浄槽30の壁面等に存在する不純物がスパッタ
される等して基板11に堆積することもなくなり、基板
11を再汚染することなく基板11の表面を清浄化でき
る。
【0035】また、紫外線の照射を酸素の存在下で行う
ので、オゾンおよび活性酸素の発生を促進でき、その活
性酸素の酸化作用によっても基板11表面の不純物を分
解除去できるようになる。従って、紫外線照射での灰化
処理による洗浄効果に加えてオゾンでの処理による洗浄
効果が得られ、基板11の洗浄を効率よく確実に行うこ
とができる。
【0036】そして、移送路40を通じて基板11を搬
送したので、基板11を大気に晒すことなく洗浄槽30
から真空槽20へ移送でき、洗浄槽30で洗浄した基板
11が大気中の有機物等により汚染されることがなくな
り、基板11の表面を清浄に保ったまま真空槽20内に
搬送できる。また、移送路40のシャッタ41を閉塞さ
せた状態で基板11の洗浄を行うので、洗浄中に真空槽
20内の有機物や不純物が洗浄槽30内に侵入して基板
11が汚染されるのを回避できる。
【0037】また、シャッタ41は、洗浄槽30と真空
槽20とを完全に遮断するものであるため、各々の気密
性を確保でき、不純物の分子レベルでの侵入を確実に防
止できる。さらに、洗浄槽30内の圧力を真空槽20内
の圧力よりも低くした状態で、シャッタ41を開放する
ので、シャッタ41を開放しても洗浄槽30内の不純物
等が気体分子とともに真空槽20内に流入することがな
く、真空槽20の汚染を防止できる。また、シャッタ4
1を開放しても真空槽20内の圧力が低下することがな
いので、シャッタ41の開放毎に真空槽20の排気を行
う手間を省略できる。
【0038】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を
含み、以下に示すような変形なども本発明に含まれる。
すなわち、前記実施形態では、基板11の洗浄に紫外線
を用いたが、イオンビームを用いてもよい。例えば、洗
浄槽30に紫外線発生源32の代わりにイオンをイオン
源から引き出してビーム化するイオンガン等を設け、こ
のイオンガンからイオンビームを照射して基板11の洗
浄を行ってもよい。この際、イオンビームが洗浄槽30
の壁面や基板ホルダ31等の基板11以外の部分に照射
されないように指向性を付与することが必須であり、イ
オンをレンズで集束させること等により照射部分を任意
に設定できる既存のイオンガンを用いればよい。
【0039】イオンビームの種類は、例えば、酸素イオ
ンビームを用いることができ、これによれば、基板11
に付着した有機物を効率よく確実に灰化でき、とくに、
基板11の材料に酸化物を用いた場合等には、その酸化
物がイオンビームの照射により還元されることがないの
で、基板11が変性して損傷するのを回避できる。
【0040】また、イオンビームとして、Ar,He等
の不活性気体のイオン、ないしはCCl4,CHCl3
の活性ラジカルまたはイオンのビームを用いてもよく、
これらのビームを適宜組み合わせて併用してもよい。ま
た、これらの混合気体をイオン化、ラジカル化した後に
ビーム化したものを用いてもよい。しかし、基板11に
酸化物を用いる際は、還元されないイオン種を選定すべ
きである。なお、イオンを強く照射すると酸化物が還元
される場合が多いが、酸素イオンビームはこのようなこ
とがなく好ましい。
【0041】さらに、イオンビームを用いる場合は洗浄
槽30内の圧力を10-3Pa以下として照射を行えば、洗浄
槽30内の気体分子へのイオンの衝突を少なくしてイオ
ンの平均自由行程を長くできるようになり、イオンをイ
オン源から速度を落とすことなく基板11に衝突させる
ことができるので、基板11の洗浄を効率よく確実に行
うことができる。
【0042】一方、前記実施形態では、洗浄槽30内の
酸素の圧力を10-4Pa〜10-1Paとして紫外線を照射した
が、洗浄槽30の水分、有機物、ダスト等を除去すれ
ば、その圧力は大気圧程度であってもよい。また、前記
実施形態では、紫外線照射中に排気を行ったが、行わな
くてもよい。しかし、基板11から除去された不純物を
洗浄槽30外へ排出するためには排気することが好まし
い。
【0043】また、前記実施形態では、真空槽20と洗
浄槽30の間に移送路40が設けられていたが、この移
送路40はなくてもよく、洗浄後の基板11を洗浄槽3
0から一旦取り出して真空槽20に移送してもよい。し
かし、基板11を洗浄後に大気に晒すことになるため、
大気中の有機物等による汚染を防止するためには移送路
40を設けることが好ましい。
【0044】さらに、移送路40には、開閉手段として
スライド式のシャッタ41が設けられていたが、このシ
ャッタ41を設けずに移送路40により真空槽20と洗
浄槽30が連通された状態で洗浄および成膜を行って
も、ある程度の不純物の混入は防止できる。しかし、洗
浄中における真空槽20内の不純物の洗浄槽30への侵
入や、成膜中の洗浄槽30内の不純物の真空槽20への
侵入等による基板11の汚染を回避するためには、開閉
手段を設けることが好ましい。
【0045】この開閉手段としては、例えば、既存のバ
ルブ等を設けて移送路40の開閉を行ってもよく、移送
路40を確実に閉塞できるものであれば、各種開閉手段
を用いることができる。さらには、移送路40の真空槽
20側と洗浄槽30側とに各々開閉手段を設け、洗浄槽
30側の開閉手段を開放して移送路40内に基板11を
移送した後、再び洗浄槽30側の開閉手段を閉塞し、基
板11の存在した状態で移送路40内を排気し、この
後、真空槽20側の開閉手段を開放して基板11を真空
槽20内へ移送してもよい。
【0046】また、前記実施形態では、紫外線の基板1
1への照射後、真空槽20よりも低圧となるように洗浄
槽30の排気を行ったが、この排気は行わなくてもよ
い。しかし、この排気を行わないと、洗浄槽30内の不
純物が真空槽20へ流入することがある。この排気を行
う場合は、洗浄槽30を減圧して真空槽20よりも低圧
としてから紫外線を照射してもよく、これによれば、照
射後にそのままシャッタ41を開放しても前述した不純
物の流入を防止できる。
【0047】前記実施形態では、蒸着源22のボート2
21は一つであったが、複数設けられていてもよく、こ
れによれば、発光層等の有機物層や金属等による電極等
を真空槽内の真空を破ることなく順次積層できる。ま
た、蒸着材料23を入れる容器はボート221に限ら
ず、一般に用いられるるつぼや線状のヒータ等を用いて
もよく、蒸着源の種類は実施にあたって適宜選択すれば
よい。そして、前記実施形態では、成膜前の基板11を
洗浄したが、透明電極等による陽極等を成膜した後に、
洗浄槽30での洗浄を行ってもよい。
【0048】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
基板の洗浄を真空槽とは別の洗浄槽で行うため、真空槽
とは隔離された空間で基板の洗浄を行うことになり、真
空槽内の有機物や不純物が基板に付着して汚染されるの
を防止できる。さらに、基板に向かう指向性を有するイ
オンビームまたは基板に向かう指向性を有する紫外線を
用いて基板の洗浄を行うため、これらを基板だけに照射
すれば、基板の表面に付着しているものだけを灰化或い
は分解して除去できるようになる。従って、従来のプラ
ズマによる処理のように、基板以外の部分が処理されて
発生した不純物や有機物の分解物等が基板に付着するこ
とがなくなるうえに、洗浄槽の壁面等に存在する不純物
がスパッタされる等して基板に堆積することもなくな
り、基板を再汚染することなく確実に清浄化できる。こ
れにより、膜の基板への付着性や薄膜同士の密着性を高
めることができ、発光効率が高く長寿命な有機EL素子
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図。
【符号の説明】
11 基板 20 真空槽 30 洗浄槽 40 移送路 41 シャッタ 32 紫外線発生源

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に薄膜を形成する真空槽とは別に
    設けられた洗浄槽で、前記基板に向かう指向性を有する
    紫外線または前記基板に向かう指向性を有するイオンビ
    ームにより前記基板を洗浄した後、前記基板を前記真空
    槽へ移送し、この真空槽で前記基板上に有機物層を含む
    薄膜を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネ
    ッセンス素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した有機エレクトロルミ
    ネッセンス素子の製造方法において、前記洗浄槽内の圧
    力が10-1Pa以下とされていることを特徴とする有機エ
    レクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載した有機
    エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、前
    記洗浄槽と前記真空槽との間には、前記洗浄槽と前記真
    空槽とを連通する移送路と、この移送路を遮断する開閉
    可能なシャッタとが設けられ、このシャッタを閉塞させ
    て前記基板の洗浄を行った後、前記シャッタを開放し
    て、前記移送路を通じて前記基板を前記洗浄槽から前記
    真空槽へ移送することを特徴とする有機エレクトロルミ
    ネッセンス素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載した有機エレクトロルミ
    ネッセンス素子の製造方法において、前記洗浄槽内の圧
    力を前記真空槽内の圧力よりも低くした状態で、前記シ
    ャッタを開放することを特徴とする有機エレクトロルミ
    ネッセンス素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4までの何れかに記
    載した有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に
    おいて、前記紫外線による基板の洗浄を酸素の存在下で
    行うことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素
    子の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項4までの何れかに記
    載した有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に
    おいて、前記基板の洗浄に用いられるイオンビームは酸
    素イオンビームであることを特徴とする有機エレクトロ
    ルミネッセンス素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 基板上に薄膜を形成する真空槽と、この
    真空槽とは別に設けられた洗浄槽と、この洗浄槽と前記
    真空槽とを連通する移送路と、この移送路を遮断する開
    閉可能なシャッタとを有し、前記洗浄槽には、前記基板
    に向かう指向性を有する紫外線を発生する紫外線発生
    源、または前記基板に向かう指向性を有するイオンビー
    ムを発生するイオンビーム発生源が設けられていること
    を特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造
    装置。
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