JPH09231985A - 非水電解液電池 - Google Patents

非水電解液電池

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JPH09231985A
JPH09231985A JP3245896A JP3245896A JPH09231985A JP H09231985 A JPH09231985 A JP H09231985A JP 3245896 A JP3245896 A JP 3245896A JP 3245896 A JP3245896 A JP 3245896A JP H09231985 A JPH09231985 A JP H09231985A
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JP
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positive electrode
battery
electrode
current collector
electrode body
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JP3245896A
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Masayuki Endo
正幸 遠藤
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極体の缶挿入不良、正極作製工程不良、電
極体の反応面積の減少を回避しながら正極切断による放
電不良が防止できる、1.5V系の非水電解液電池を実
現する。 【解決手段】 FeS2が正極集電体3の両面に保持さ
れてなる正極2と負極1をセパレータ4を介して積層
し、巻回することで構成される渦巻型電極体が、円筒状
の電池缶5内に収納されてなる非水電解液電池におい
て、正極集電体3の破断伸びを1.3%〜3.1%、渦
巻型電極体の外径を電池缶内径の97%以上に規制す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非水電解液電池に関
し、特にFeS2を正極活物質として使用する非水電解
液電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子技術の進歩により、電子機器
の高性能化、小型化、ポータブル化が進み、これら電子
機器に使用される電池に対しても、小型、軽量でありな
がら、長時間駆動が可能であることが求められるように
なっている。
【0003】ここで、電池としては、これまでアルカリ
乾電池やマンガン乾電池等が主流である。しかし、これ
らの電池では、電子機器の負荷が以前よりも重負荷にな
っていることもあって、十分な駆動時間を得ることがで
きなくなっている。その上、これらの乾電池はエネルギ
ー密度が低いため、小型化、軽量化を図るのも困難であ
る。このため、アルカリ乾電池やマンガン乾電池に代わ
る電池の検討が進められている。
【0004】比較的高いエネルギー密度が得られ、小型
化、軽量化が可能な電池としては、二酸化マンガンリチ
ウム電池が知られている。しかし、アルカリ乾電池やマ
ンガン乾電池は1.5V系の電池であり、二酸化マンガ
ンリチウム電池とは電池電圧が異なる。したがって、二
酸化マンガンリチウム電池は、これら乾電池と互換がと
れず、実用的であるとは言えない。
【0005】このような状況から、1.5V系であっ
て、高いエネルギー密度が得られる電池として、FeS
2等を正極活物質とし、金属リチウムを負極活物質とし
て用いる非水電解液電池が提案されている。
【0006】この非水電解液電池は、具体的には、Fe
2を帯状アルミニウム箔からなる正極集電体の両面に
保持させてなる正極と金属リチウム箔よりなる負極を用
いて構成される。すなわち、この正極と負極をセパレー
タを介して、正極、セパレータ、負極、セパレータの順
で積層し、さらに多数回巻回することで渦巻型電極体を
形成し、この渦巻型電極体を電池缶に収納するととも
に、電解質と非水溶媒よりなる非水電解液を電池缶内に
注入し、電池缶を密閉することで構成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記非水電
解液電池では、放電反応時に、負極が収縮すると同時に
正極が膨張するといった現象が見られる。このとき正極
の体積増加は、負極の体積減少を上回るため、渦巻型電
極体全体を見ると、放電前の体積に比べて放電後の体積
の方が大きくなる。
【0008】一方、電池缶内は、渦巻型電極体で全ての
空間が占められているのではなく、製造上の都合から渦
巻型電極体の内側と外側は空間が空いた状態になってい
る。すなわち、渦巻型電極体は、通常、割りの入ったピ
ンでセパレータを挟み取り、その回りに正極および負極
を巻き取ることで作製される。そして、中心からピンを
抜き取った後、渦巻型電極体は電池缶内に挿入される。
したがって、電池缶内では、渦巻型電極体の中心部は中
空となっている。
【0009】また、この渦巻型電極体を電池缶内に挿入
するためには、渦巻型電極体外周面と電池缶内壁との間
に多少のクリアランスが必要である。しかし、電池の容
量は、電池缶内に収容される正極、負極の体積によって
決定するので、渦巻型電極体の最大外径を無闇に小さく
するのは好ましくない。また、最大外径を小さくし過ぎ
ると、未放電電池を落下させた場合、その衝撃でリード
が剥がれるといった不良が起こり易くなる。これらの兼
ね合いから、適正なクリアランスを持たせるべく、例え
ば直径13.8mm、高さ50.0mmの単3サイズの
電池の場合、電池缶内径が13.3mmであり、これに
対して97%程度、すなわち12.9mm程度の外径で
渦巻型電極体は作製される。
【0010】以上のように、電池缶内には、渦巻型電極
体の巻芯部である内側と、渦巻型電極体の外周面と電池
缶内壁との間に空間が空いている。したがって、渦巻型
電極体の正極は、放電過程では、これらの空間に対して
体積膨張することになる。
【0011】ここで、このような空間に対して正極が体
積膨張する場合、巻芯部近傍の正極には縮み方向の力が
加わり電極にしわが生じたかたちになる。一方、外周側
の正極には伸び方向の力が加わり、この力が大きい場合
には正極活物質層および正極集電体がそれに耐えきれ
ず、ついには切断されるといったことが生じる。
【0012】放電の途中で、外周側の正極が完全に切断
されてしまうと、この切断された正極は放電反応に寄与
することができなくなり、急激な反応面積の減少のため
放電容量がその分減少する。電池の放電カーブを見る
と、正極が切断された時点で、放電電圧が一段下がった
値になる。FeS2を正極活物質として用いる非水電解
液電池を電子機器の電池として実用化するには、この正
極切断による放電不良を防止することが必要である。
【0013】ここで、このような正極切断による放電不
良を防止する方法としては、渦巻型電極体の最大外径を
電池缶の内径に近づけることで、電極体の体積膨張が進
行しないうちに当該電極体の外周面が電池缶内壁に当た
るようにすることが考えられる。しかし、電極体の缶挿
入不良を防止するためには、電極体の外周面と電池缶内
壁との間に多少のクリアランスを有することが必要であ
る。このことを考慮すると、渦巻型電極体の最大外径を
電池缶の内径に近づけることには限度がある。
【0014】また、放電不良を防止するもう一つの方法
としては、正極自体を伸びに耐えられるような材料によ
って構成する方法が考えられる。
【0015】正極の集電体には、アルミニウム箔が汎用
されているが、アルミニウム箔の常温加工品は、引っ張
り強度(試験片に対して引っ張り試験を行ったときに、
この試験片が破断に到るまでの強度)は大きいが、破断
伸び(試験片が破断に到るまでに伸びた長さと、もとの
長さの百分比)は小さい。
【0016】このようなアルミニウム箔を焼きなますこ
とにより軟化させると、破断伸びを大きくすることがで
きる。アルミニウム箔の熱処理による軟化は、100℃
〜150℃程度から始まり、300℃程度まで破断伸び
が直線的に大きくなる。このように熱処理によって破断
伸びを大きくしたアルミニウム箔を集電体として用いる
と、上述の正極切断による放電不良が起こり難くなる。
【0017】しかし、アルミニウム箔を熱処理すると破
断伸びは大きくなるが、逆に引っ張り強度が小さくな
る。
【0018】アルミニウム箔の破断伸びが大き過ぎ、し
かも引っ張り強度が小さくなると、アルミニウム箔の両
面に正極活物質を保持させる工程において不都合が生じ
る。すなわち、正極活物質となるFeS2は、通常、導
電材、結着剤及び分散剤とともに混合されることで正極
合剤スラリーとされ、正極はこの正極合剤スラリーを集
電体の両面に塗布することで作成される。この工程で
は、集電体を、ある程度のテンションをかけながら走行
させる必要があるので、集電体となるアルミニウム箔の
伸びが大き過ぎ、且つ引っ張り強度が小さいと、この工
程で集電体が蛇行したり切断されてしまっうといったト
ラブルが発生し、生産性の低下を招くことになる。
【0019】また、このような熱処理の他、アルミニウ
ム箔の破断伸びを大きくする方法としては、箔の厚さを
厚くする方法もある。この場合、アルミニウム箔の引っ
張り強度を損なうことなく、破断伸びを付与することが
できる。
【0020】しかし、渦巻型電極体において、集電体の
厚さを厚くすると、当然電極体全体の体積が集電体が薄
い場合よりも大きくなる。したがって、所定の体積の電
池缶に収容するためには、電極の長さを短くして巻回数
を少なくすることが必要である。しかし、渦巻型電極体
の構造はそもそも反応面積を大きくするために採られる
構造であり、この巻回数が少なくなると反応面積が小さ
くなり、電池の負荷特性が悪化する。このことを考慮す
ると、電極の厚みは0.2mm程度に抑えることが必要
である。
【0021】このように正極切断による放電不良を防止
するには各種方法が考えられるが、それと同時に電極体
の缶挿入不良、正極作製工程不良、電極体の反応面積の
減少を生じてしまう。これらの不都合を回避しながら放
電不良を防止するには、さらなる検討が必要である。
【0022】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、電極体の缶挿入不良、正
極作製工程不良、電極体の反応面積の減少を回避しなが
ら正極切断による放電不良が防止できる、1.5V系の
非水電解液電池を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の非水電解液電池は、FeS2がアルミニ
ウム製正極集電体の両面に保持されてなる正極と、負極
とがセパレータを介して積層、巻回されることで構成さ
れる渦巻型電極体が、円筒状の電池缶内に収納されてな
る非水電解液電池であって、正極集電体の破断伸びが
1.3%〜3.1%であり、渦巻型電極体の外径が電池
缶内径の97%以上であることを特徴とするものであ
る。
【0024】なお、ここで言う破断伸びとは、引っ張り
試験を行ったときに試験片が破断に到るまでに伸びた長
さと、引っ張り試験を行う前の試験片の長さの百分比で
ある。
【0025】正極集電体の破断伸びが1.3%〜3.1
%であると、放電過程で正極合剤層が体積膨張し、これ
によって正極集電体に伸び方向に力が加わったときに、
正極集電体が正極合剤層の体積膨張に見合って十分に伸
びることができ、切断されることがない。さらに、正極
作製工程において、集電体を走行させたときに、集電体
が伸びて蛇行したり、切断されるといったことが防止さ
れる。
【0026】したがって、正極作製工程不良を回避しな
がら正極切断による放電不良が防止される。
【0027】また、この作用によって正極切断が防止さ
れるので、電極体外周面と電池缶内壁との間には、電極
体の缶挿入不良を防止できるに足る十分なクリアランス
を確保することができる。但し、このクリアランスを大
きくとり過ぎると、電池容量が不足したり、未放電電池
を落下させた場合にその衝撃でリードが剥がれるといっ
た不良が起こり易くなるので、本発明では、渦巻型電極
体の外径を電池缶内径の97%以上に規制する。渦巻型
電極体の外径を電池缶内径の97%以上に規制すると、
電極の充填率が十分に高くなり、大きな放電容量が得ら
れる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の非水電解液電池の
実施の形態を説明する。
【0029】この実施の形態の非水電解液電池は、Fe
2を正極活物質とする正極と、金属リチウム箔等より
なる負極をセパレータを介して積層し、巻回することで
構成される渦巻型電極体が、非水電解液とともに、円筒
状の電池缶内に収納されて構成されている。
【0030】上記正極は、正極活物質となるFeS
2と、導電剤、結着剤及び分散剤を混合することで調整
される正極合剤スラリーを集電体の両面に塗布、乾燥す
ることで正極合剤層を形成し、圧縮成形することで形成
される。
【0031】ここで、この実施の形態の電池では、正極
集電体として破断伸びが1.3%〜3.1%のものを使
用する。なお、ここで言う破断伸びとは、引っ張り試験
を行ったときに試験片が破断に到るまでに伸びた長さ
と、引っ張り試験を行う前の試験片の長さの百分比であ
る。この破断伸びは以下のような条件で測定される。
【0032】測定装置:島津オートグラフ AGS−5
0B型 ロードセル:50kgf 試験片幅:5mm 試験片長さ:50mm テストスピード:1m/分 正極集電体の破断伸びが1.3%以上であると、放電過
程で正極合剤層が体積膨張し、これによって正極集電体
に伸び方向に力が加わったときに、正極集電体がこの正
極合剤層の体積膨張に見合って十分に伸びることがで
き、切断されることがない。したがって、正極切断によ
る放電不良が防止される。
【0033】また、正極集電体の破断伸びが3.1%以
下に抑えられていると、正極合剤スラリーの塗布工程、
正極合剤層の圧縮成形工程で、集電体を走行させたとき
に、集電体が伸びて走行不良が生じるといったことが回
避される。
【0034】したがって、正極作製工程不良を回避しな
がら正極切断による放電不良が防止される。
【0035】この正極集電体としては、例えばアルミニ
ウム箔が用いられる。アルミニウム箔の破断伸びは、熱
処理や箔の厚さによって制御することができる。
【0036】アルミニウム箔を熱処理する場合、熱処理
温度が高い程破断伸びは増大し、引っ張り強度は減少す
る。したがって、この熱処理の温度は、破断伸びが上述
の範囲内となり、且つ引っ張り強度があまり小さくなら
ないように設定するのが望ましい。なお、アルミニウム
箔は、通常、200〜300℃程度の熱処理によって破
断伸びが1.3〜3.1%の範囲内になる。この程度の
温度範囲であれば、正極作製工程でかかるテンションに
十分に耐えられる程度の引っ張り強度を確保することが
できる。
【0037】また、アルミニウム箔の厚さを制御する場
合、箔の厚さが厚い程破断伸びは増大するが、箔の厚さ
があまり厚くなると、所定の電池缶内に電極体を収納す
るために電極の巻回数を少なくしなければならず、反応
面積の減少を招く。したがって、このような反応面積へ
の影響を考慮して、箔の厚さを制御するのが望ましい。
【0038】このような正極と、リチウム箔よりなる負
極をセパレータを介して積層し、巻回することで構成さ
れる渦巻型電極体は、円筒状の電池缶に収納される。
【0039】ここで、この渦巻型電極体を電池缶内に円
滑に挿入するには、渦巻型電極体の外周面と電池缶の内
壁の間に多少のクリアランスを設けることが必要であ
る。しかし、このクリアランスが大き過ぎると電極充填
率が低くなり、放電容量が小さくなったり、未放電電池
を落下させた場合にその衝撃でリードが剥がれるといっ
た不良が起こり易くなる。したがって、この実施の形態
の電池では、渦巻型電極体の最大外径を、電池缶の内径
の97%以上に設定する。
【0040】電池缶内には、このような渦巻型電極体が
収容されるとともに、非水電解液が注入される。
【0041】非水電解液は、非水溶媒にリチウムを含む
電解質を溶解して調製されるものであり、この種の非水
電解液電池で通常用いられているものがいずれも使用可
能である。
【0042】非水溶媒としては、プロピレンカーボネー
ト、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等のエ
ステル類や、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
置換テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ピラン及びそ
の誘導体、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン等のエ
ーテル類や、3−メチル−2−オキサゾリジノン等の3
置換−2−オキサゾリジノン類や、スルホラン、メチル
スルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル等が挙
げられ、これらを単独もしくは2種類以上混合して使用
される。
【0043】また、電解質塩としては、LiPF6、L
iClO4、LiAsF6、LiBF4、LiB(C
654、CH3SO3Li、CF3SO3Li、LiN
(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiCl、
LiBr等が挙げられる。
【0044】
【実施例】本発明の具体的な実施例について実験結果に
基づいて説明する。
【0045】作製した電池の構造 後述の各実施例において作製した非水電解液電池の構造
を図1に示す。
【0046】この非水電解液電池は、図1に示すよう
に、負極1と、正極集電体3に正極活物質を塗布してな
る正極2とを、セパレータ4を介して巻回し、この巻回
体の上下に絶縁板12を載置した状態で電池缶5内に収
納してなるものである。
【0047】前記電池缶5には電池蓋7が封口ガスケッ
ト6を介してかしめることによって取り付けられ、それ
ぞれ負極リード10及び正極リード11を介して負極1
あるいは正極2と電気的に接続され、電池の負極あるい
は正極として機能するように構成されている。
【0048】そして、本実施例の電池では、前記正極リ
ード11は、所定の長さで切り込みが入れられた安全弁
装置8に溶接されて取り付けられ、このアルミニウム製
の安全弁装置8及び感熱電流遮断素子(PTC素子)9
を介して電池蓋7との電気的接続が図られている。
【0049】このような構成を有する電池においては、
電池温度が上昇し、臨界温度(例えば、120℃前後)
に達すると感熱電流遮断素子9の抵抗が10万倍以上に
急激に増大する。また、電池内部の圧力上昇によって、
圧力開放弁8の切り込みが開裂し、この開裂した切り込
みから内圧が開放される。その結果、正極リード11と
電池蓋7との間で電流が遮断される。
【0050】実施例1 まず、正極を次のようにして作成した。
【0051】目開き44μmのメッシュで全量メッシュ
パスしたFeS2の粉末を正極活物質とし、この正極活
物質91重量部、導電材となるグラファイト6重量部、
結着材となるポリフッ化ビニリデン(PVDF)3重量
部を混合することで正極合剤を調製し、これをN−メチ
ル−2−ピロリドンに分散させることで正極合剤スラリ
ーとした。
【0052】次に、集電体となる厚み0.02mmの高
純度アルミニウム箔(純度99.85%以上)に、20
0℃の温度で熱処理を行った。この熱処理が施されたア
ルミニウム箔の破断伸び、引っ張り強度を測定したとこ
ろ、破断伸びが1.3%、引っ張り強度が160N/m
2であった。
【0053】このアルミニウム箔の両面に、先の工程で
調製した正極合剤スラリーを均一に塗布、乾燥させるこ
とで正極合剤層を形成し、圧縮成形することで帯状の正
極2を作製した。そして、この正極端部に集電をとるた
めのアルミニウム製の正極リード(厚さ0.1mm、幅
3mm)11を溶接した。
【0054】次に、金属リチウム箔のロールから切り取
って負極1を作製し、この負極端部に集電をとるための
ニッケル製の負極リード(厚さ0.1mm、幅4mm)
10を溶接した。
【0055】このようにして作製された帯状の正極2と
負極1を、セパレータ4となる厚さ25μmの微孔性ポ
リプロピレンフィルムを介して積層した。そして、この
セパレータ4の端部を巻取り用ピンで挟み取って巻取
り、さらに、セパレータ4とその両側の正極2及び負極
1を巻取ることで渦巻型電極体を作製した。なお、この
渦巻型電極体の最大外径は13.1mmであった。
【0056】次に、内径13.3mmのニッケルメッキ
が施された鉄製電池缶5の底部に絶縁板12を挿入し、
上記渦巻型電極体を収納した。そして、負極1に溶接し
た負極リード10の端部を電池缶5の底部に溶接し、正
極集電体に溶接した正極リード11の端部を安全弁装置
8に溶接した。
【0057】そして、プロピレンカーボネートとジメト
キシエタンとを等容量で混合した混合溶媒中にLiCF
3SO3を0.7モル/リットルなる割合で溶解して非水
電解液を調製し、この非水電解液を電池缶5の中に注入
し、渦巻型電極体に含浸させた。
【0058】続いて、安全弁装置8の上に、感熱電流遮
断素子9と電池蓋7とを重ね、これらで電池缶5の開放
されている上側を閉蓋するようにした。そして、アスフ
ァルトを塗布した絶縁封口ガスケット6を介して電池缶
5をかしめることで、安全弁装置8,感熱電流遮断素子
9及び電池蓋7を固定し、直径13.8mm、高さ5
0.0mmの円筒型非水電解液電池を作成した。
【0059】実施例2〜実施例7 正極集電体となるアルミニウム箔の厚さ、熱処理条件及
び渦巻型電極体の外径を表1に示すように変えたこと以
外は実施例1と同様にして非水電解径液電池を作成し
た。アルミニウム箔の破断伸び、引っ張り強度は表1に
示す通りである。
【0060】比較例1〜比較例4 正極集電体となるアルミニウム箔の厚さ、熱処理条件及
び渦巻型電極体の外径を表1に示すように変えたこと以
外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作成した。
アルミニウム箔の破断伸び、引っ張り強度は表1に示す
通りであり、破断伸びが所定範囲(1.3%〜3.1
%)から外れたものになっている。
【0061】なお、アルミニウム箔の破断伸び、引っ張
り強度は以下の条件で測定した。
【0062】 測定装置:島津オートグラフ AGS−50B型ロード
セル:50kgf 試験片幅:5mm 試験片長さ:50mm テストスピード:1m/分 以上のようにしてそれぞれ100本の電池を作成し、製
造工程で不良が発生した電池の数を調べた。
【0063】また、作成した電池のうち50本につい
て、放電電流600mAで放電を行い、得られた放電カ
ーブから放電性の良否を評価した。なお、図2に、良品
と不良品の典型的な放電カーブを示す。このように良品
では段差のない放電カーブが得られるが、不良品では、
放電の途中で放電電位が急激に低下し、放電カーブに図
中矢印で示すような段差が見受けられる。この段差は、
正極に切断が生じたことを示すものである。
【0064】これらの評価結果を、正極集電体の破断伸
び、引っ張り強度及び渦巻型電極体の外径と併せて表1
に示す。なお、表1において、缶挿入不良数とは、渦巻
型電極体を電池缶内に挿入する工程で生じた電池の不良
数であり、電極不良数とは正極合剤スラリーの塗布工程
や圧縮成形工程で生じた電池の不良数であり、放電不良
数とは放電カーブに段差が見受けられた電池の数であ
る。
【0065】
【表1】
【0066】表1からわかるように、正極集電体として
破断伸び1.3%〜3.1%のアルミニウム箔を用いた
実施例1〜実施例7では、缶挿入不良数、電極不良数、
放電不良数がいずれも0本に抑えられている。これらの
電池について解体調査を行ったところ、渦巻型電極体は
缶いっぱいに膨張しているがアルミニウム箔の切断は認
められなかった。
【0067】これに対して、破断伸びが1.0%のアル
ミニウム箔を用いた比較例1では、10本の電池に放電
不良が生じる。この放電不良が生じた電池について解体
調査を行ったところ、いずれの電池も正極合剤層とアル
ミニウム箔が切断されていた。
【0068】また、破断伸びが1.0%のアルミニウム
箔を用いるとともに電極体の最大外径を他の電池よりも
大きくした比較例4では、放電不良数は抑えられるもの
の、電極体の最大外径が大きいことから電極体を電池缶
に挿入する際に不良が発生する。
【0069】さらに、破断伸びが3.1%を越えるアル
ミニウム箔を用いた比較例2,比較例3では、破断伸び
が大きく、また引っ張り強度が小さいことから、正極合
剤の塗布工程や圧縮成形工程で不良が発生する。
【0070】このことから、正極集電体として、破断伸
びが1.3〜3.1%のアルミニウム箔を用いると、電
極体の缶挿入不良、正極作製工程不良を抑えながら、正
極切断による放電不良が防止されるようになることがわ
かった。
【0071】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の非水電解液電池は、FeS2が正極集電体の両面に
保持されてなる正極と負極をセパレータを介して積層
し、巻回することで構成される渦巻型電極体が、円筒状
の電池缶内に収納されて構成され、上記渦巻型電極体の
外径を電池缶内径の97%以上とし、正極集電体の破断
伸びを1.3%〜3.1%の範囲に規制するので、1.
5Vの電池電圧が得られるとともに高いエネルギー密度
が得られ、しかも電極体の缶挿入不良、正極作製工程不
良、電極体の反応面積の減少を抑えながら、放電過程で
の正極切断による放電不良が防止できる。
【0072】したがって、この非水電解液電池は、アル
カリ乾電池やマンガン乾電池と互換がとれ、また、小
型、軽量化が図れるとともに、高い信頼性が得られ、高
性能なポータブル電子機器の供給電源として好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した非水電解液電池の一構成例を
示す縦断面図である。
【図2】良品と不良品の放電カーブを示す特性図であ
る。
【符号の説明】
1 負極 2 正極 3 正極集電体 4 セパレータ 5 電池缶

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 FeS2が正極集電体の両面に保持され
    てなる正極と負極とが、セパレータを介して積層、巻回
    されることで構成される渦巻型電極体が、円筒状の電池
    缶内に収納されてなる非水電解液電池において、 正極集電体の破断伸びが1.3%〜3.1%であり、渦
    巻型電極体の外径が電池缶内径の97%以上であること
    を特徴とする非水電解液電池。
  2. 【請求項2】 正極集電体が、アルミニウムよりなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の非水電解液電池。
  3. 【請求項3】 負極が、金属リチウム箔よりなることを
    特徴とする請求項1記載の非水電解液電池。
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