JPH09231961A - 非水二次電池 - Google Patents

非水二次電池

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JPH09231961A
JPH09231961A JP8055374A JP5537496A JPH09231961A JP H09231961 A JPH09231961 A JP H09231961A JP 8055374 A JP8055374 A JP 8055374A JP 5537496 A JP5537496 A JP 5537496A JP H09231961 A JPH09231961 A JP H09231961A
Authority
JP
Japan
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negative electrode
boiling point
secondary battery
organic solvent
group
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP8055374A
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English (en)
Inventor
Tadahiko Kubota
忠彦 窪田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09231961A publication Critical patent/JPH09231961A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解液漏れが少なく、充放電サイクル特性が
更に改良された非水二次電池を提供する。 【解決手段】 リチウム含有遷移金属化合物である正極
活物質、導電剤及び結着剤を含有する正極混合物を含有
する層を有するシート状正極、リチウムイオンを吸蔵・
放出可能な負極材料、導電剤及び結着剤を含有する負極
混合物を含有する層を有するシート状負極、及びリチウ
ム塩を含む非水電解質よりなる非水二次電池において、
該負極シートが、負極混合物を沸点が120℃未満の低
沸点有機溶剤と沸点が120℃以上の高沸点有機溶剤と
の混合溶剤中に分散させてなる分散液を集電体上に塗
布、乾燥することにより得られたものであることを特徴
とする非水二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウムイオンの
吸蔵(挿入)・放出反応を利用した非水系二次電池に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話、ビデオカメラやノート
型パーソナルコンピュータ等の電子機器の電源として高
電気容量の二次電池、特にリチウムイオンの吸蔵(挿
入)・放出反応を利用した非水系二次電池の需要が高ま
ってきている。そしてこれらの電子機器は、その機能向
上と共に二次電池の更なる高電気容量化が望まれてい
る。一般に電池の高電気容量化に対しては、電池容器内
になるべく多くの活物質(電気化学反応に関与可能な物
質)を充填することが有効であるとされている。しか
し、リチウムイオンの吸蔵・放出反応を利用した電池で
は、充放電に伴う活物質の膨張、収縮などの変動がある
ため、その充填量を増やすことは必ずしも好ましくな
い。即ち、活物質の充填量の増加により、その膨張量も
大きくなり電池内部の圧力が高まり、保存時の電解液漏
れや充放電サイクル寿命の低下等が生じ易くなるなどの
弊害が伴うからである。このため活物質としては出来る
だけリチウムイオンの吸蔵能力が高く、高電気容量のも
のを使用することが望まれる。
【0003】上記のようなリチウム電池の電極(正、負
極)は、電極材料(正極活物質、あるいは負極材料)の
それぞれに、導電剤、結着剤などを混合した電極混合物
(以下、合剤という場合がある)を溶媒中に分散させて
調製した分散液を両極のそれぞれの集電体上に塗設した
後、圧縮成型し、帯状のシートとして調製される。ここ
で用いられる溶媒としては、従来から、水、あるいは有
機溶剤が使用されている。例えば、特開平5−1184
19号公報には、その実施例に有機溶剤としてN−メチ
ルピロリドンが使用された例が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、電極シー
トを作成する際に用いる溶媒の電池の性能、特に前述し
た電解液漏れや充放電サイクル寿命に及ぼす影響につい
て検討した。その結果、通常溶媒は、その電極の膜(集
電体上の塗膜)の物理的性質、充放電特性(特に、充放
電サイクル性能)などによって水、あるいは有機溶剤が
選択されるが、リチウムイオンの吸蔵・放出反応を利用
した電池では、従来から用いられている溶媒では電解液
漏れや充放電サイクル寿命の変動が生じ易いことが判明
した。特に、例えば特開平6−275268号、あるい
は同6−338325号公報に記載の非水二次電池のよ
うに、リチウムイオンの吸蔵能力の高いSn酸化物を負
極材料として用いた場合には、その影響が大きいことも
判明した。
【0005】従って、本発明の目的は、電解液漏れが少
なく、充放電サイクル特性が更に改良された非水二次電
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者の研究の結果、
リチウムイオンの吸蔵・放出反応を利用した電池では、
負極シートの塗布液(電極混合物の分散液)の調製に際
して溶媒として低沸点溶剤と高沸点溶剤との混合有機溶
剤を用いることが有効であることを見出した。特に前述
したリチウムイオンの吸蔵能力の高いSn酸化物を負極
材料として用いた電池においては、効果的に電解液漏れ
が抑制され、かつ充放電サイクル性能をも改良されるこ
とが判明した。このような効果が得られる理由は明らか
ではないが、本発明に従い、負極シートの塗布液の調製
に際して低沸点溶剤と高沸点溶剤との混合有機溶剤を用
いることで、塗布液の高い分散安定性(極性の高いもの
と低いものの併用、沸点の調整等により)や乾燥速度の
制御による塗膜の安定化などが達成されるために、形成
された塗膜に物理的な強度が付与されるためと推測され
る。また、負極材料として特に前記Sn酸化物を用いた
場合には、このSn酸化物は、非晶質であるためにリチ
ウムイオンを吸蔵できるサイト(部位)が多く、このた
め吸蔵量に伴った体積膨張もあり、電池内部の圧力が上
昇したり、またこのようにリチウムイオンの吸蔵・放出
が容易である反面、充放電の繰り返しにより構造崩壊も
生じ易くなると推測されるが、塗膜に物理的な強度を持
たせることでこれらの現象が抑制されると推測される。
【0007】本発明は、リチウム含有遷移金属化合物で
ある正極活物質、導電剤及び結着剤を含有する正極混合
物を含有する層を有するシート状正極、リチウムイオン
を吸蔵・放出可能な負極材料、導電剤及び結着剤を含有
する負極混合物を含有する層を有するシート状負極、及
びリチウム塩を含む非水電解質よりなる非水二次電池に
おいて、該負極シートが、負極混合物を沸点が120℃
未満の低沸点有機溶剤と沸点が120℃以上の高沸点有
機溶剤との混合溶剤中に分散させてなる分散液を集電体
上に塗布、乾燥することにより得られたものであること
を特徴とする非水二次電池にある。
【0008】本発明の好ましい態様は以下の通りであ
る。 (1)低沸点有機溶剤と高沸点有機溶剤との混合体積比
が、低沸点溶剤/高沸点溶剤=0.1/99.9〜90
/10(更に好ましくは、0.1/99.9〜50/5
0、特に0.1/99.9〜10/90)である。 (2)低沸点有機溶剤と高沸点有機溶剤との沸点の差
が、50℃以上(好ましくは、80℃以上、特に100
℃以上、200℃以下)である。 (3)低沸点有機溶剤が、アセトン、メチルエチルケト
ン、トルエン、メタノール、エタノール、1−プロパノ
ール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノ
ール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、及びア
セトニロリルから選ばれるものである。 (4)高沸点有機溶剤が、メチルセロソルブ、メチルセ
ロソルブアセテート、N−メチルピロリドン、シクロヘ
キサン、酢酸ブチル、及びキシレンから選ばれるもので
ある。 (5)低沸点有機溶剤と高沸点有機溶剤との混合物が、
メチルエチルケトンとN−メチルピロリドンとの混合物
である。
【0009】(6)負極材料が、金属又は半金属元素の
酸化物である。 (7)負極材料が、金属または半金元素の酸化物であ
り、これらのものが周期律表第13族から第15族の金
属、又は半金属元素の酸化物である。 (8)負極材料が、下記一般式(I)で示される複合酸
化物である。 SnM1 at (I) (式中、M1 はAl、B、P、Si、Ge、周期律表第
1族元素、第2族元素、第3族元素、及びハロゲン元素
から選ばれる二種以上の元素を表し、a、及びtはそれ
ぞれ0.2≦a≦2、及び1≦t≦6の範囲の数を表
す。) (9)負極材料が、下記一般式(IV)で示される複合酸
化物である。 SnM3 c4 dt (IV) (式中、M3 は、Al、B、P、及びGeから選ばれる
少なくとも1種の元素を表し、M4 は、周期律表第1族
元素、第2族元素、第3族元素、及びハロゲン元素から
選ばれる少なくとも1種の元素を表し、c、d、及びt
はそれぞれ0.2≦c≦2、0.01≦d≦1、及び1
≦t≦6の範囲の数を表わし、そして0.2<c+d<
2を表す。)
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の非水二次電池で用いられ
る正極活物質は、リチウムイオンを吸蔵・放出できる化
合物であればよい。特に、リチウム含有遷移金属酸化物
やリチウム含有遷移金属カルコゲナイドなどのリチウム
含有遷移金属化合物から選ばれる。特にリチウム含有遷
移金属酸化物が好ましい。本発明で用いられる好ましい
遷移金属としては、例えば、Ti、V、Cr、Mn、F
e、Co、Ni、Cu、Nb、Mo、Wを挙げることが
できる。これらの遷移金属を含む化合物としては、二酸
化マンガン、五酸化バナジウム、酸化鉄、酸化モリブデ
ン、硫化モリブデン、酸化コバルト、硫化鉄、及び硫化
チタンが好ましい。これらの化合物は、単独で用いても
良いし、あるいは二種以上を併用しても良い。
【0011】本発明で用いられる正極活物質は、例え
ば、リチウム化合物と遷移金属化合物とを用いて得るこ
とができるが、この際、一般にCa2+のようにイオン伝
導性を高める化合物、あるいは、P、B、Siを含むよ
うな非晶質網目形成剤(例えば、P25 、Li3 PO
4 、H3 BO3 、B23 、SiO2 など)を含有させ
ることができる。また、Na、K、Mgなどのアルカリ
金属イオンおよび/またはSi、Sn、Al、Ga、G
e、Ce、In、Biなどを含む化合物を含有させるこ
ともできる。
【0012】本発明で用いられる好ましい正極活物質の
具体例は、特開昭61ー5262号、特開昭63ー29
9056号、特開平1ー294364号、特公平4ー3
0146号、特開平4ー328258号、及び特開平5
ー54889号の各公報、あるいは米国特許第4302
518号、同第5153081号、及び同第52407
94号の各明細書に記載されている。その代表的な化合
物を以下に示すが、本発明で用いる正極活物質はこれら
に限定されるものではない。
【0013】Lix CoO2 、Lix NiO2 、Lix
Coa Ni1-a2 、Lix Cob1-bz 、Lix
Cob Fe1-bz 、Lix Mn24 、、Lix Mn
2、Lix Mn23 、Lix Mnb Co2-bz
Lix Mnb Ni2-bz 、Lix Mnb2-bz
Lix Mnb Fe1-bz 、Lix Coc1-c
2(ここでx=0.02〜1.2、a=0.1〜0.
9、b=0.8〜0.98、c=0.85〜0.99、
z=1.5〜5)。
【0014】本発明で用いる正極活物質は、放電、ある
いは充電時に膨張、収縮する負極活物質の挙動に対応さ
せて収縮、膨張するものを使用することが好ましい。あ
るいはまた放電、あるいは充電時に収縮、膨張する負極
活物質の挙動に対応させて膨張、収縮するものを使用す
ることも好ましい。放電時(リチウムイオン挿入時)に
膨張し、充電時(リチウムイオン放出時)に収縮する正
極活物質の好ましい例としては、スピネル型リチウム含
有マンガン酸化物を挙げることができる。その具体例と
しては、Li2-x Mn24 (0≦x≦2)を挙げるこ
とができる。更に好ましくはLi1-x Mn24 (0≦
x≦1)である。また放電時(リチウムイオン挿入時)
に収縮し、充電時(リチウムイオン放出時)に膨張する
正極活物質の好ましい例としては、リチウム含有コバル
ト酸化物を挙げることができる。この具体例としては、
Li1-x CoO2 (0≦x≦1)を挙げることができ
る。
【0015】本発明で用いる正極活物質は、リチウム化
合物と遷移金属化合物を混合、焼成する方法や溶液反応
法により合成することができるが、特に焼成法で製造す
ることが好ましい。正極活物質を焼成によって得る場
合、焼成温度としては500〜1500℃であることが
好ましく、更に好ましくは700〜1200℃であり、
特に好ましくは750〜1000℃である。焼成時間と
しては4〜30時間が好ましく、更に好ましくは6〜2
0時間であり、特に好ましくは6〜15時間である。な
お、焼成の為の詳細は、例えば、特開平6ー60867
号公報の段落[0035]、あるいは特開平7ー145
79号公報に記載されており、これらの焼成方法を用い
ることができる。焼成によって得られた正極活物質は、
水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、有機溶剤にて洗浄
した後使用してもよい。更に、遷移金属酸化物に化学的
にリチウムイオンを挿入する方法としては、リチウム金
属、リチウム合金やブチルリチウムと遷移金属酸化物と
反応させることにより合成する方法を挙げることができ
る。
【0016】本発明で用いる正極活物質の平均粒子サイ
ズは特に限定されないが、0.1〜50μmが好まし
い。特に、粒径が0.5〜30μmの粒子の体積が95
%以上であることが好ましい。また粒径3μm以下の粒
子群の占める体積が全体積の18%以下であり、かつ粒
径15μm以上、25μm以下の粒子群の占める体積
が、全体積の18%以下であることが更に好ましい。比
表面積は、特に限定されないが、BET法で0.01〜
50m2 /gの範囲にあることが好ましく、特に0.2
2 /g〜1m2 /gの範囲にあることが好ましい。ま
た正極活物質5gを蒸留水100mLに溶かした時の上
澄み液のpHは7以上、12以下が好ましい。
【0017】正極シートの層構成としては、隣接する塗
布層(一般に、合剤層という)が異なる正極活物質を含
有する態様であれば何層あっても良いが、製造コストや
製造適性の観点から二層乃至三層構成が好ましい。
【0018】本発明で用いる負極材料としては、リチウ
ムイオンを吸蔵・放出できる化合物であればよい。好ま
しい例としては、無機酸化物、無機カルコゲニド(カル
コゲン化合物)、金属錯体、有機高分子化合物を挙げる
ことができる。これらは単独、あるいは組み合わせて用
いることができる。
【0019】上記酸化物叉はカルコゲニドを形成する元
素としては、遷移金属叉は周期律表13族から15族の
金属又は半金属元素が好ましい。
【0020】遷移金属化合物(酸化物叉はカルコゲニ
ド)としては、特にV、Ti、Fe、Mn、Co、N
i、Zn、W、Moの単独あるいはそれらの2種以上の
組み合わせからなる酸化物、叉はカルコゲニドが好まし
い。更に好ましい化合物として、特開平6−44972
号公報に記載のLip Coq1-qr (ここでp=
0.1〜2.5、q=0〜1、z=1.3〜4.5)を
挙げる事が出来る。
【0021】遷移金属以外の金属、又は半金属の化合物
(酸化物叉はカルコゲニド)としては、周期律表第13
族〜15族の元素、即ち、Al、Ga、Si、Sn、G
e、Pb、Sb、Biの単独あるいはそれらの2種以上
の組み合わせからなる酸化物、又はカルコゲニドを挙げ
ることができる。これらの好ましい例としては、Al2
3 、Ga23 、SiO、SiO2 、GeO、GeO
2 、SnO、SnO2 、SnSiO3 、PbO、PbO
2 、Pb23 、Pb24 、Pb34 、Sb2
3 、Sb24 、Sb25 、Bi23 、Bi2
4 、Bi25 、SnSiO3 、GeS、GeS2 、S
nS、SnS2 、PbS、PbS2 、Sb23 、Sb
25 、SnSiS3 を挙げることができる。これら
は、酸化リチウムとの複合酸化物、例えばLi2 GeO
3、Li2 SnO2 を形成してもよい。
【0022】上記の酸化物、カルコゲニドは、電池組み
込み時に主として非晶質であることが好ましい。ここで
言う主として非晶質とはCuKα線を用いたX線回折法
で2θ値で20°から40°に頂点を有するブロードな
散乱帯を有する物であり、結晶性の回折線を有してもよ
い。好ましくは2θ値で40°以上70°以下に見られ
る結晶性の回折線の内最も強い強度が、2θ値で20°
以上40°以下に見られるブロードな散乱帯の頂点の回
折線強度の500倍以下であることが好ましく、さらに
好ましくは100倍以下であり、特に好ましくは5倍以
下であり、最も好ましくは 結晶性の回折線を有さない
ことである。
【0023】上記の酸化物、カルコゲニドは、遷移金
属、周期律表13から15族元素からなる複合化合物で
あり、B、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、S
n、Pb、P、As、Sb、Biの中の2種以上の元素
を主体とする複合カルコゲン化合物、複合酸化物が好ま
しい。更に好ましくは複合酸化物である。特に好ましい
のは、B、Al、Si、Ge、Sn、Pの中の2種以上
の元素を主体とする複合酸化物である。これらの複合カ
ルコゲニド、複合酸化物は、主として非晶質構造を修飾
するために周期律表の1族から3族の元素又はハロゲン
元素を含んでいてもよい。また更に遷移金属を含んでい
てもよい。
【0024】上記の負極材料の中では、錫を主体とする
非晶質の複合酸化物が好ましく、次の一般式(I)また
は(II)で表される。 SnM1 at (I) 式中、M1 はAl、B、P、Si、Ge、周期律表第1
族元素、第2族元素、第3族元素、及びハロゲン元素か
ら選ばれる2種以上の元素を表わす。aは、0.2≦a
≦2の範囲の数を、tは1≦t≦6の範囲の数をそれぞ
れ表す。
【0025】Snx1-x1 at (II) 式中、Tは遷移金属元素(例えば、V、Ti、Fe、M
n、Co、Ni、Zn、W、又はMo)を表す。xは
0.1≦x≦0.9の範囲の数を表す。M1 、a、tは
一般式(I)と同じである。
【0026】一般式(I)の化合物の中では、次の一般
式(III)で表わされる化合物がより好ましい。 SnM2 bt (III) 式中、M2 はAl、B、P、Ge、周期律表第1族元
素、第2族元素、第3族元素、及びハロゲン元素から選
ばれる2種以上の元素を表わす。bは0.2≦b≦2の
範囲の数を、tは1≦t≦6の範囲の数をそれぞれ表
す。
【0027】一般式(III)の化合物の中では、次の一般
式(IV)で表わされる化合物が更に好ましい。 SnM3 c4 dt (IV) 式中、M3 はAl、B、P、及びGeから選ばれる少な
くとも1種の元素を表わし、M4 は、周期律表第1族元
素、第2族元素、第3族元素、及びハロゲン元素から選
ばれる少なくとも1種の元素を表わす。cは0.2≦c
≦2の範囲の数を、dは0.01≦d≦1の範囲の数
を、そしてtは1≦t≦6の範囲の数をそれぞれ表す。
また0.2<c+d<2である。
【0028】本発明で用いる非晶質複合酸化物は、焼成
法、溶液法のいずれの方法を利用しても得ることができ
るが、中でも焼成法を利用することがより好ましい。焼
成法を利用する場合、一般式(I)を構成する元素の酸
化物あるいは化合物をよく混合した後、焼成することに
より得ることができる。
【0029】焼成条件は、以下の通りであることが好ま
しい。即ち、昇温速度は、毎分5℃以上、200℃以
下、焼成温度は500℃以上、1500℃以下、焼成時
間は1時間以上、100時間以下、そして下降温速度は
毎分2℃以上、107 ℃以下である。ここで昇温速度と
は、「焼成温度(℃表示)の50%」から「焼成温度
(℃表示)の80%」に達するまでの温度上昇の平均速
度を意味し、降温速度とは「焼成温度(℃表示)の80
%」から「焼成温度(℃表示)の50%」に達するまで
の温度降下の平均速度を意味する。降温は焼成炉中で冷
却してもよく、また焼成炉外に取り出して、例えば水中
に投入して冷却してもよい。またセラミックスプロセッ
シング(技報堂出版1987年)217頁に記載のgu
n法、Hammer−Anvil法、slap法、ガス
アトマイズ法、プラズマスプレー法、遠心急冷法、me
lt drag法などの超急冷法を用いることもでき
る。またニューガラスハンドブック(丸善1991年)
172頁に記載の単ローラー法、双ローラ法を用いて冷
却してもよい。焼成中に溶融する材料の場合には、焼成
中に原料を供給しつつ焼成物を連続的に取り出してもよ
い。焼成中に溶融する材料の場合には融液を攪拌するこ
とが好ましい。
【0030】焼成ガス雰囲気は好ましくは酸素含有率が
5体積%以下の雰囲気であり、さらに好ましくは不活性
ガス雰囲気である。不活性ガスとしては例えば窒素、ア
ルゴン、ヘリウム、クリプトン、キセノン等が挙げられ
る。最も好ましい不活性ガスは純アルゴンである。
【0031】本発明で用いられる負極材料は、その平均
粒子サイズは0.1〜60μmであることが好ましい。
更に詳しくは、平均粒径が0.7〜25μmであり、か
つ全体積の60%以上が0.5〜30μmであることが
好ましい。また、本発明で用いられる負極材料の粒径1
μm以下の粒子群の占める体積は全体積の30%以下で
あり、かつ粒径20μm以上の粒子群の占める体積は全
体積の25%以下であることが好ましい。使用する負極
材料の粒径は、負極シートの片面の塗布層(合剤層)の
厚さを越えないものであることはいうまでもない。な
お、ここで平均粒径とは一次粒子のメジアン径のことで
あり、レーザー回折式の粒度分布測定装置により測定さ
れる。
【0032】所定の粒子サイズにするには、従来から良
く知られた粉砕機や分級機が用いられる。例えば、乳
鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、衛星ボ
ールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミルや
篩などが用いられる。粉砕時には水、あるいはメタノー
ル等の有機溶媒を共存させた湿式粉砕も必要に応じて行
うことが出来る。所望の粒径とするためには分級を行う
ことが好ましい。分級方法としては特に限定はなく、
篩、風力分級機などを必要に応じて用いることができ
る。分級は乾式、湿式ともに用いることができる。
【0033】本発明の負極材料の例を以下に示すが、本
発明においては、これらのものに限定されるものではな
い。 SnAl0.40.50.50.13.65、SnAl0.4
0.50.5 Na0.23.7 、SnAl0.40.30.5
Rb0.23.4 、SnAl0.40.50.5Cs0.1
3.65、SnAl0.40.50.50.1 Ge
0.053.85、SnAl0. 40.50.50.1 Mg0.1
Ge0.023.83、 SnAl0.40.40.43. 2 、S
nAl0.30.50.22.7 、SnAl0.30.5
0.22.7 、SnAl0.40.50.3 Ba0.08Mg
0.083.26、SnAl0.40.40.4 Ba
0.083.28、SnAl0.40.50.53.6 、SnA
0.40.50.5 Mg0.13.7
【0034】SnAl0.50.40.5 Mg0.10.2
3.65、SnB0.50.5 Li0.1Mg0.10.2
3.05、SnB0.50.50.1 Mg0.10.23.05
SnB0.50.50.05Mg0.050.13.03、SnB
0.50.50.05Mg0.10. 23.03、SnAl0.4
0.50.5 Cs0.1 Mg0.10.23.65、SnB0.
50.5 Cs0.05Mg0.050.13.03、SnB0.5
0.5 Mg0.10.13. 05、SnB0.50.5 Mg0.1
0.23 、SnB0.50.5 Mg0.10.063.07
SnB0.50.5 Mg0.10.143.03、SnPBa
0.083.58、SnPK0.13.55、SnPK0.05Mg
0.053.58、SnPCs0.13.55、SnPBa0.08
0.083.54、SnPK0.1 Mg0.10.23.55、Sn
PK0.05Mg0. 050.13.53、SnPCs0.1 Mg
0.10.23.55、SnPCs0.05Mg0. 050.1
3.53
【0035】Sn1.1 Al0.40.20.6 Ba0.08
0.083.54、Sn1.1 Al0.40.20.6 Li0.1
0.1 Ba0.10.13.65、Sn1.1 Al0.40.4
0.4 Ba0.083.34、Sn1.1 Al0.4 PCs0.05
4.23、Sn1.1 Al0.4 PK0.054.23、Sn1.2 Al
0.50.30.4 Cs0.23.5 、Sn1.2 Al0.4
0. 20.6 Ba0.083.68、Sn1.2 Al0.40.2
0.6 Ba0.080.083.64、Sn1.2 Al0.40.2
0.6 Mg0.04Ba0.043.68、Sn1.2 Al0.40.3
0.5 Ba0.083.58、Sn1.3 Al0.30.30.4
Na0.23.3 、Sn1.3 Al0.20.40.4 Ca
0.23.4 、Sn1.3 Al0.40.40.4 Ba0.2
3.6 、Sn1.4 Al0.4 PK0.24.6 、Sn1.4 Al
0.2 Ba0.1 PK0.24.45、Sn1.4 Al0.2 Ba
0.2 PK0.24.6 、Sn1.4 Al0.4 Ba0.2 PK
0.2 Ba0.10.24.9 、Sn1.4 Al0.4 PK0.3
4.65、Sn1.5 Al0.2 PK0.24.4 、Sn1.5
0.4 PK0.14.65、Sn1.5 Al0.4 PCs0.05
4.63、Sn1.5 Al0.4 PCs0.05Mg0.10.2
4.63
【0036】SnSi0.5 Al0.10.20.1 Ca
0.43.1 、SnSi0.4 Al0.20. 42.7 、Sn
Si0.5 Al0.20.10.1 Mg0.12.8 、SnS
0.6 Al0.20.22.8 、SnSi0.5 Al0.3
0.40.23.55、SnSi0.5Al0.30.40.5
4.30、SnSi0.6 Al0.10.10.33.25、S
nSi0.6 Al0.10.10.1 Ba0.22.95、Sn
Si0.6 Al0.10.10.1 Ca0.22.95、SnS
0.6 Al0.40.2 Mg0.13.2 、SnSi0. 6
0.10.30.13.05、SnSi0.6 Al0.2 Mg
0.22.7 、SnSi0.6 Al0.2 Ca0.22.7 、S
nSi0.6 Al0.20.23 、SnSi0. 60.2
0.23 、SnSi0.8 Al0.22.9 、SnSi0.8
Al0.30. 20.23.85、SnSi0.80.2
2.9 、SnSi0.8 Ba0.22.8 、SnSi0.8 Mg
0.22.8 、SnSi0.8 Ca0.22.8 、SnSi
0.80.23.1
【0037】Sn0.9 Mn0.30.40.4 Ca0.1
0.12.95、Sn0.9 Fe0.30. 40.4 Ca0.1
Rb0.12.95、Sn0.8 Pb0.2 Ca0.10.9
3.35、Sn0.3 Ge0.7 Ba0.10.93.35、Sn
0.9 Mn0.1 Mg0.10.93.35、Sn0.2 Mn0.8
Mg0.10.93.35、Sn0.7 Pb0.3 Ca0.1
0.93.35、Sn0.2 Ge0.8 Ba0.10.93.35
【0038】上記焼成により得られた化合物の化学式
は、測定方法として誘導結合プラズマ(ICP)発光分
光分析法、簡便法として、焼成前後の粉体の重量差から
算出する方法を利用して確認することができる。
【0039】本発明の負極材料へのリチウム挿入量は、
そのリチウムの析出電位に近似するまででよいが、例え
ば、負極材料当たり50〜700モル%が好ましく、特
に、100〜600モル%が好ましい。その放出量は挿
入量に対して多いほど好ましい。リチウムの挿入方法
は、電気化学的、化学的、熱的方法が好ましい。電気化
学的方法としては、正極活物質に含まれるリチウムを電
気化学的に挿入する方法やリチウムあるいはその合金か
ら直接電気化学的に挿入する方法が利用できる。化学的
方法としては、リチウムとの混合、接触あるいは、有機
金属、例えば、ブチルリチウム等と反応させる方法が利
用できる。電気化学的方法、化学的方法が特に好まし
い。
【0040】本発明で用いる負極材料には各種元素を含
ませることができる。例えば、ランタノイド系金属(H
f、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg)
や、電子伝導性をあげる各種化合物(例えば、Sb、I
n、Nbの化合物)をドーパントとして含んでいても良
い。添加する化合物の量は上限で5モル%までが好まし
い。
【0041】本発明で用いられる正極活物質あるいは負
極材料の表面を、用いられる正極活物質や負極材料と異
なる化学式を持つ酸化物で被覆することができる。この
表面酸化物は、酸性にもアルカリ性にも溶解する化合物
を含む酸化物が好ましい。更に電子伝導性の高い金属酸
化物が好ましい。例えば、PbO2 、Fe23 、Sn
2 、In23 、ZnO、あるいはこれらの酸化物に
ドーパントとして、例えば、酸化物では原子価の異なる
金属、ハロゲン元素などを含ませることが好ましい。特
に好ましくは、SiO2 、SnO2 、Fe23 、Zn
O、PbO2 である。
【0042】表面処理された金属酸化物の量は、該正極
活物質あるいは負極材料当たり、0.1〜10重量%が
好ましい。また、0.2〜5重量%が特に好ましく、
0.3〜3重量%が最も好ましい。
【0043】また正極活物質や負極材料の表面を改質す
ることができる。改質は、例えば金属酸化物の表面のエ
ステル化剤による処理、キレ−ト化剤による処理、導電
性高分子、ポリエチレンオキサイドなどによる処理法を
利用して行うことができる。更に負極材料の表面は、例
えば、イオン導電性ポリマ−やポリアセチレン層を設け
ることができる。正極活物質や負極材料を得るには、水
洗などの精製工程を設けても良い。
【0044】本発明の非水系二次電池は、例えば、添付
の図1に示す構成のものが代表例として挙げることがで
きる。図1は、一般的な円筒型の非水系二次電池の縦断
面模式図を示すのである。図に示されるように、電池
は、電池缶4に、正極シート1、負極シート2、及び両
シートを分離するセパレータ3が、ガスケット6を介し
て電池蓋5によって密閉状態で収納されたものである。
また電池には、安全弁7が設けられており、電池缶内に
は電解液(記載なし)が注入されている。
【0045】本発明の非水二次電池を構成する正極シー
トは、正極混合物(正極合剤)を従来から用いられてい
る溶媒(水、あるいは有機溶剤)を用いて分散液を調製
し、これを集電体上に塗設して作ることが出来る。また
本発明の非水二次電池を構成する負極シートは、負極混
合物(負極合剤)を後述するように溶媒として特定の混
合有機溶剤を用いて分散液を調製し、これを集電体上に
塗設して作ることが出来る。なお、正極シートの調製に
際しては、負極シートで用いる混合有機溶剤を用いるこ
ともできる。
【0046】正極、負極シートは、前述した正極活物質
あるいは負極材料を含む塗布層(合剤層)の他に、集電
体と合剤層の密着性や導電性の改良等の目的で導入する
下塗り層や、合剤層の機械的保護や化学的保護の目的で
導入する保護層などを有してもよい。
【0047】上記正極合剤、あるいは負極合剤には、前
記の正極活物質、あるいは負極材料の他に、導電剤及び
結着剤が含まれる。更にその他に、それぞれに分散剤、
フィラー、イオン導電剤、圧力増強剤や各種添加剤を含
有させることもできる。下塗り層や保護層は、結着剤や
導電剤粒子、導電性を持たない粒子などを含有させるこ
とができる。以下にこれらの成分について説明する。
【0048】導電剤は、構成された電池において、化学
変化を起こさない電子伝導性材料であれば何でもよい。
導電剤としては、通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒
鉛、土状黒鉛など)、人工黒鉛などのグラファイト類;
アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネル
ブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サー
マルブラック等のカ−ボンブラック類;炭素繊維、金属
繊維などの導電性繊維類;銅、ニッケル、アルミニウ
ム、銀などの金属粉類;酸化亜鉛、チタン酸カリウムな
どの導電性ウィスカー類;酸化チタンなどの導電性金属
酸化物あるいはポリフェニレン誘導体などの有機導電性
材料などを挙げることができる。これらは単独又はこれ
らの混合物として使用することができる。これらの導電
剤のなかで、アセチレンブラック、グラファイトとアセ
チレンブラックの併用が特に好ましい。導電剤の添加量
は、特に限定されないが、1〜50重量%が好ましく、
特に1〜30重量%が好ましい。カーボンやグラファイ
トでは、2〜15重量%が特に好ましい。
【0049】結着剤としては、多糖類、熱可塑性樹脂及
びゴム弾性を有するポリマーを一種またはこれらの混合
物として用いることができる。好ましい例としては、で
んぷん、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロー
ス、ジアセチルセルロース、ポリビニルクロリド、ポリ
ビニルピロリドン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ
弗化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、
スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム、ポリブ
タジエン、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、テトラ
フルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体
(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロア
ルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ふっ化ビニ
リデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ふっ化ビ
ニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチ
レン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹
脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTF
E)、ふっ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共
重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合
体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体
(ECTFE)、ふっ化ビニリデン−ヘキサフルオロプ
ロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ふっ化ビ
ニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラ
フルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸エス
テル−無水マレイン酸共重合体を挙げることができる。
なお、多糖類のようにリチウムと反応するような官能基
を含む化合物を用いるときは、例えば、イソシアネート
基のような化合物を添加してその官能基を失活させるこ
とが好ましい。
【0050】本発明に於いて好ましい結着剤は、分解温
度が300℃以上のポリマーである。例えば、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)、ポリふっ化ビニリデン(PVDF)、テ
トラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重
合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ふっ化
ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ふっ
化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、
エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE
樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTF
E)、ふっ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共
重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合
体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体
(ECTFE)、ふっ化ビニリデン−ヘキサフルオロプ
ロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ふっ化ビ
ニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラ
フルオロエチレン共重合体、エチレン−エチルアクリレ
ート−無水マレイン酸共重合体を挙げる事ができる。結
着剤の添加量は、特に限定されないが、1〜50重量%
が好ましく、特に2〜30重量%が好ましい。合剤中に
おける結着剤の分布は、均一でも、不均一でもよい。
【0051】フィラーは、構成された電池において、化
学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いるこ
とができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなど
のオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用
いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、3
0重量%を限度として用いることが好ましい。
【0052】イオン導電剤は、無機及び有機の固体電解
質として知られている物を用いることができ、詳細は電
解液の項に記載されている。圧力増強剤は、後述の内圧
を上げる化合物であり、炭酸塩が代表例である。
【0053】なお、正極や負極の合剤には電解液あるい
は電解質を含ませることができる。例えば、イオン導電
性ポリマーやニトロメタン、電解液を含ませる方法が知
られている。
【0054】負極シートへの塗布液の調製に用いる溶媒
としては、低沸点有機溶剤と高沸点有機溶剤との混合物
が用いられる。ここで、低沸点溶剤とは、一気圧におけ
る沸点が120℃未満の有機溶剤を意味し、また高沸点
溶剤とは一気圧における沸点が120℃以上の有機溶剤
を意味する。低沸点溶剤の例としては、アセトン、メチ
ルエチルケトン、トルエン、メタノール、エタノール、
1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノー
ル、2−ブタノール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プ
ロピル、及びアセトニロリルを挙げることができる。高
沸点溶剤の例としては、メチルセロソルブ、メチルセロ
ソルブアセテート、N−メチルピロリドン、シクロヘキ
サン、酢酸ブチル、及びキシレンを挙げることができ
る。本発明では、低沸点溶剤と高沸点溶剤との混合使用
量は、体積比で低沸点溶剤/高沸点溶剤=0.1/9
9.9〜90/10が好ましく、更に好ましくは0.1
/99.9〜50/50であり、特に好ましくは0.1
/99.9〜10/90である。また、本発明におい
て、用いる低沸点溶剤と高沸点溶剤との沸点の差は、5
0℃以上あることが好ましい。更に好ましくは、80℃
以上、特に100℃以上、200℃以下であることが好
ましい。本発明においては、特に低沸点溶剤と高沸点溶
剤との混合溶剤として、メチルエチルケトンとN−メチ
ルピロリドンを用いることが好ましい。
【0055】本発明の電池に用いられる正極シート、及
び負極シートは、上記正極合剤、負極合剤からなる分散
液をそれぞれ集電体上に塗設した後、乾燥、圧縮して作
成される。集電体は、構成された電池において化学変化
を起こさない電子伝導体であれば何でもよい。例えば、
正極には、材料としてステンレス鋼、ニッケル、アルミ
ニウム、チタン、炭素などの他に、アルミニウムやステ
ンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは
銀を処理させたものが用いられる。特に、アルミニウム
あるいはアルミニウム合金が好ましい。負極には、材料
としてステンレス鋼、ニッケル、銅、チタン、アルミニ
ウム、炭素などの他に、銅やステンレス鋼の表面にカー
ボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたもの、
Al−Cd合金などが用いられる。特に、銅あるいは銅
合金が好ましい。これらの材料の表面は酸化処理がされ
ていても良い。また、表面処理により集電体表面には凹
凸を付けることが望ましい。形状は、フォイルの他、フ
ィルム、シート、ネット、パンチされたもの、ラス体、
多孔質体、発泡体、繊維群の成形体などが用いられる。
厚みは、特に限定されないが、1〜500μmのものが
用いられる。
【0056】集電体上への正極合剤、負極合剤からなる
分散液の塗布方法は、一般的な方法を用いることができ
る。例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、
ブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、カーテ
ン法、グラビア法、バー法、ディップ法及びスクイーズ
法を挙げることができる。そのなかでもブレード法、ナ
イフ法及びエクストルージョン法が好ましい。塗布は、
0.1〜100m/分の速度で実施されることが好まし
い。この際、合剤分散液の溶液物性、乾燥性に合わせ
て、上記塗布方法を選定することにより、良好な塗布層
の表面状態を得ることができる。塗布は、片面ずつ逐時
でも両面同時でもよい。また、塗布は連続でも間欠でも
ストライプでもよい。その塗布層の厚み、長さや巾は、
電池の大きさにより決められるが、片面の塗布層の厚み
は、ドライ後の圧縮された状態で、通常1〜2000μ
mである。
【0057】シートの乾燥又は脱水方法としては、一般
に採用されている方法を利用することができる。特に、
熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び低湿風を単
独あるいは組み合わせて用いることが好ましい。温度は
80〜350℃の範囲が好ましく、特に100〜250
℃の範囲が好ましい。含水量は、電池全体で2000p
pm以下であることが好ましく、正極合剤、負極合剤層
や電解質ではそれぞれ500ppm以下にすることが充
放電サイクル性の点で好ましい。
【0058】シートのプレス法は、一般に採用されてい
る方法を用いることができるが、特に金型プレス法やカ
レンダープレス法が好ましい。プレス圧は、特に限定さ
れないが、0.2〜3t/cm2 が好ましい。カレンダ
ープレス法のプレス速度は、0.1〜50m/分が好ま
しい。プレス温度は、室温〜200℃が好ましい。正極
シートに対する負極シートとの幅の比率は、0.9〜
1.1が好ましい。特に、0.95〜1.0が好まし
い。正極活物質と負極材料の含有量比は、化合物種類や
合剤処方により異なるため、限定できないが、容量、サ
イクル性、安全性の観点で最適な値に設定される。
【0059】電解液は、一般に、溶媒と、その溶媒に溶
解する電解質であるリチウム塩(アニオンとリチウムカ
チオン)とから構成されている。溶媒としては、プロピ
レンカ−ボネ−ト、エチレンカーボネ−ト、ブチレンカ
ーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネ
ート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクト
ン、ギ酸メチル、酢酸メチル、1,2−ジメトキシエタ
ン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラ
ン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホ
ルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、ア
セトニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リ
ン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン
誘導体、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノ
ン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラ
ン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン
などの非プロトン性有機溶媒を挙げることができる。溶
媒は、上記の内の一種または二種以上を混合して使用す
ることができる。
【0060】リチウム塩のアニオンとしては、例えば、
ClO4 -、BF4 -、PF6 -、CF3SO3 -、CF3 CO2
-、AsF6 -、SbF6 -、(CF3 SO22- 、B
10Cl10 2-、(1,2−ジメトキシエタン)2 Cl
4 -、低級脂肪族カルボン酸イオン、AlCl4-、Cl
- 、Br- 、I- 、クロロボラン化合物のアニオン、四
フェニルホウ酸イオンを挙げることができる。これらの
一種または二種以上を使用することができる。
【0061】本発明では電解液には、環状カーボネート
(例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート)及び/または非環状カーボネート(例えば、ジエ
チルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチ
ルカーボ)を含ませることが好ましい。また本発明で
は、エチレンカーボネートと、その他に、プロピレンカ
−ボネ−ト、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルカー
ボネートあるいはジエチルカーボネートを適宜混合した
溶媒に、電解質としてLiCF3 SO3 、LiClO
4 、LiBF4 および/あるいはLiPF6 を含有させ
た電解液が好ましい。それらの電解質の中では、LiP
6 を電解質として含ませることが特に好ましい。
【0062】これら電解質を電池内に添加する量は、特
に限定されないが、正極活物質や負極材料の量や電池の
サイズによって必要量用いることができる。電解質の濃
度は、特に限定されないが、電解液1リットル当たり
0.2〜3モルが好ましい。
【0063】電解液には、次の様な固体電解質が含有さ
れていても良い。固体電解質は、無機固体電解質と有機
固体電解質に分けられる。無機固体電解質としては、L
iの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩などがよく知られ
ている。中でも、Li3 N、LiI、Li5 NI2 、L
3 N・LiI・LiOH、Li4 SiO4 、Li4
iO4 ・LiI・LiOH、x Li3 PO4 ・(1-x)Li
4SiO4 、Li2 SiS3 、硫化リン化合物などが有
効である。
【0064】有機固体電解質としては、例えば、ポリエ
チレンオキサイド誘導体か該誘導体を含むポリマー、ポ
リプロピレンオキサイド誘導体あるいは該誘導体を含む
ポリマー、イオン解離基を含むポリマー、イオン解離基
を含むポリマーと上記非プロトン性電解液の混合物、リ
ン酸エステルポリマー、非プロトン性極性溶媒を含有さ
せた高分子マトリックス材料が有効である。更に、ポリ
アクリロニトリルを電解液に添加する方法もある。ま
た、無機と有機固体電解質を併用する方法も知られてい
る。
【0065】電解液には、放電や充放電特性を改良する
目的で、以下のような化合物を添加しても良い。ピリジ
ン、トリエチルホスファイト、トリエタノールアミン、
環状エーテル、エチレンジアミン、n−グライム、ヘキ
サリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、硫黄、キ
ノンイミン染料、N−置換オキサゾリジノンとN, N’
−置換イミダリジノン、エチレングリコールジアルキル
エーテル、第四級アンモニウム塩、ポリエチレングリコ
−ル、ピロール、2−メトキシエタノール、AlCl
3 、導電性ポリマー電極活物質のモノマー、トリエチレ
ンホスホルアミド、トリアルキルホスフィン、モルホリ
ン、カルボニル基を持つアリール化合物、12−クラウ
ンー4のようなクラウンエーテル類、ヘキサメチルホス
ホリックトリアミドと4−アルキルモルホリン、二環性
の三級アミン、オイル、四級ホスホニウム塩、三級スル
ホニウム塩を挙げることができる。
【0066】電解液を不燃性にするために含ハロゲン溶
媒、例えば、四塩化炭素、三弗化塩化エチレンを電解液
に含ませることができる。また、高温保存に適性をもた
せるために電解液に炭酸ガスを含ませることもできる。
【0067】セパレータとしては、大きなイオン透過度
を持ち、所定の機械的強度を持ち、絶縁性の微多孔性薄
膜が用いられる。また、80℃以上で孔を閉塞し、抵抗
をあげる機能を持つことが好ましい。耐有機溶剤性と疎
水性からポリプレピレンおよび/またはポリエチレンな
どのオレフィン系ポリマーあるいはガラス繊維などから
つくられたシートや不織布が用いられる。セパレータの
孔径は、一般に電池用セパレータとして用いられる範囲
が用いられる。例えば、0.01〜10μmが用いられ
る。セパレターの厚みは、一般に電池用セパレータの範
囲で用いられる。例えば、5〜300μmが用いられ
る。セパレータの製造は、ポリマーの合成後、孔の作り
方としては、乾式、延伸法でも溶液、溶媒除去法あるい
はそれらの組み合わせでもよい。
【0068】本発明の電池は例えば以下のようにして作
ることができる。尚、電池の形状はシート、シリンダ、
偏平、角などいずれにも適用できる。まず、前記の正
極、負極シートとセパレータを介して重ね合わせた後、
それらのシートを巻いたり、折ったりして缶に挿入す
る。缶とシートを電気的に接続した後、電解液を注入
し、封口板を用いて電池缶を形成する。このとき、安全
弁を封口板として用いることができる。安全弁の他、従
来から知られている種々の安全素子を備えつけても良
い。例えば、過電流防止素子として、ヒューズ、バイメ
タル、PTC素子などが用いられる。また、安全弁のほ
かに電池缶の内圧上昇の対策として、電池缶に切込を入
れる方法、ガスケット亀裂方法あるいは封口板亀裂方法
あるいはリード板との切断方法を利用することができ
る。また、充電器に過充電や過放電対策を組み込んだ保
護回路を具備させるか、あるいは、独立に接続させても
よい。また、過充電対策として、電池内圧の上昇により
電流を遮断する方式を具備することができる。このと
き、内圧を上げる化合物を合剤の中あるいは電解質の中
に含ませることができる。内圧を上げる化合物として
は、Li2 CO3 、LiHCO3 、Na2 CO3 、Na
HCO3 、CaCO3 、MgCO3 などの炭酸塩などが
あげられる。
【0069】缶やリード板は、電気伝導性をもつ金属や
合金を用いることができる。例えば、鉄、ニッケル、チ
タン、クロム、モリブデン、銅、アルミニウムなどの金
属あるいはそれらの合金が用いられる。キャップ、缶、
シート、リード板の溶接法は、公知の方法(例、直流又
は交流の電気溶接、レーザ溶接、超音波溶接)を用いる
ことができる。封口用シール剤は、アスファルトなどの
従来から知られている化合物や混合物を用いることがで
きる。
【0070】本発明の非水二次電池は、様々な用途があ
る。例えば、電子機器に搭載する場合、カラーノートパ
ーソナルコンピュータ、白黒ノート型パーソナルコンピ
ュータ、サブノート型パーソナルコンピュータペン入力
パーソナルコンピュータ、ポケット(パームトップ)パ
ーソナルコンピュータ、ノート型ワードプロセッサ、ポ
ケット型ワードプロセッサ、電子ブックプレーヤ、携帯
電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディー
ターミナル、携帯ファクシミリ、携帯コピー、携帯プリ
ンタ、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テ
レビ、ハンディークリーナ、ポータブルCD、ミニディ
スク、電気シェーバ、電子翻訳機、自動車電話、トラン
シーバ、電動工具、電子手帳、電卓、メモリーカード、
テープレコーダ、ラジオ、バックアップ電源、メモリー
カードなどが挙げられる。その他民生用として、自動
車、電動車両、モータ、照明器具、玩具、ゲーム機器、
ロードコンディショナ、アイロン、時計、ストロボ、カ
メラ、医療機器(ペースメーカ、補聴器、肩もみ機な
ど)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用とし
て用いることもできる。また、他の二次電池や太陽電池
あるいは一次電池と組み合わせることもできる。
【0071】本発明の電池においては、上記の化学材料
や電池構成部品の好ましいものを組み合わせて構成する
ことが好ましい。即ち、正極活物質として、Lix Co
2、Lix Mn24 (ここで0≦x≦1)を含み、
導電剤としてアセチレンブラックも共に含む。正極集電
体はステンレス鋼かアルミニウム製で、ネット、シー
ト、箔、ラスなどの形状をしている。負極材料として
は、リチウム金属、リチウム合金(Li−Al)、炭素
質化合物、酸化物(LiCoVO4 、SnO2 、Sn
O、SiO、GeO2 、GeO、SnSiO3 、SnS
0.3 Al0.10.20.33.2 )、硫化物(TiS
2、SnS2 、SnS、GeS2 、GeS)などを含む
少なくとも1種の化合物を用いることが好ましい。負極
集電体はステンレス鋼か銅製で、ネット、シート、箔、
ラスなどの形状をしている。正極活物質あるいは負極材
料とともに用いる電極形成材料としては、電子伝導剤と
してアセチレンブラック、黒鉛などの炭素材料を混合し
てもよい。結着剤はポリフッ化ビニリデン、ポリフルオ
ロエチレンなどの含フッ素熱可塑性化合物、アクリル酸
を含むポリマー、スチレンブタジエンゴム、エチレンプ
ロピレンターポリマーなどのエラストマーを単独あるい
は混合して用いることができる。電解液を構成する溶媒
としては、エチレンカーボネート、さらに、ジエチルカ
ーボネート、ジメチルカルボネートなどの環状、非環状
カーボネートあるいは酢酸エチルなどのエステル化合物
の組合せ、支持電解質として、LiPF6 を含み、さら
に、LiBF4 、LiCF3 SO3 などのリチウム塩を
混合して用いることが好ましい。セパレータとして、ポ
リプロピレンあるいはポリエチレンの単独またはそれら
の組合せが好ましい。電池の形態は、シリンダ、偏平、
角型のいづれでもよい。電池には、誤動作にも安全を確
保できる手段(例、内圧開放型安全弁、電流遮断型安全
弁、高温で抵抗を上げるセパレータ)を備えることが好
ましい。
【0072】
【実施例】以下に、具体例を挙げて本発明を更に詳しく
説明するが、発明の主旨を越えない限り、本発明は実施
例に限定されるものではない。
【0073】[実施例1] (負極シートの作成)負極活物質として、SnB0.2
0.50.1 Mg0.1 Ge0.12.8 を86重量部、導電
剤としてアセチレンブラック3重量部とグラファイト6
重量部の割合で混合し、さらに結着剤としてエチルアク
リレート−アクリル酸コポリマー(AR201、三井デ
ュポンケミカル(株)製)を5重量部を加え、N−メチ
ルピロリドン(沸点:202℃)とメチルエチルケトン
(沸点:79.6℃)を体積比で9/1で混合した溶剤
を媒体として混練して分散液を得た。該分散液を厚さ1
0μmの銅箔の両面にエクストルージョン式塗布機を使
って塗設し、乾燥後カレンダプレス機により圧縮成形し
て帯状の負極シート(2)を作成した。
【0074】(正極シートの作成)正極活物質として、
LiCoO2 を87重量部、導電剤としてアセチレンブ
ラック3重量部とグラファイト6重量部の割合で混合
し、さらに結着剤としてNipoLXl820B(日本
ゼオン(株)製)3重量部とカルボキシメチルセルロー
ス1重量部を加え、水を媒体として混練して正極合剤の
分散液を得た。該分散液を厚さ20μmのアルミニウム
箔の両面にエクストルージョン式塗布機を使って塗設
し、乾燥後カレンダプレス機により圧縮成形して帯状の
正極シート(1)を作成した。
【0075】(電池1の作成)(添付の図1を参照) 上記負極シート(2)及び正極シート(1)のそれぞれ
の端部にニッケル及びアルミニウム製のリード板をそれ
ぞれ溶接した後、露点−40℃以下の乾燥空気中で23
0℃で1時間熱処理した。熱処理は遠赤外線ヒーターを
用いて行った。熱処理済みの正極シート(1)、微多孔
性ポリエチレン/ポリプロピレンフィルム製セパレータ
(3)、熱処理済みの負極シート(2)及びセパレータ
(3)の順で積層し、これを渦巻状に巻回した。この巻
回体を負極端子を兼ねる、ニッケルめっきを施した鉄製
の有底円筒型電池缶(4)に収納した。さらに、電解質
として1mol/リットルLiPF6 (エチレンカーボ
ネートとジエチルカーボネートの2対8重量比混合液)
を電池缶内に注入した。正極端子を有する電池蓋(5)
をガスケット(6)を介してかしめて円筒型電池を作成
した。なお、正極端子(5)正極シート(1)と、電池
缶(4)は負極シートと予めリード端子により接続し
た。なお、(7)は安全弁である。以上の工程により、
本発明に従う電池1を作成した。
【0076】[比較例1] (負極シートの作成)実施例1において、負極シートを
作成する際に、溶媒としてN−メチルピロリドンとメチ
ルエチルケトンの混合液の代わりに、N−メチルピロリ
ドンのみを使用した以外は、同様にして負極シートを作
成した。得られた負極シートを用いた以外は、実施例1
と同様にして比較用の電池2を作成した。
【0077】[比較例2] (負極シートの作成)実施例1において、負極シートを
作成する際に、結着剤としてエチルアクリレート−アク
リル酸コポリマー(AR201、三井デュポンケミカル
(株)製)5重量部の代わりに、ポリふっ化ビニリデン
4重量部及びカルボキシメチルセルロース1重量部を使
用し、また溶媒としてN−メチルピロリドンとメチルエ
チルケトンの混合液の代わりに、水を使用した以外は、
同様にして負極シートを作成した。得られた負極シート
を用いた以外は、実施例1と同様にして比較用の電池3
を作成した。
【0078】(電池としての評価)得られた電池1〜3
について、以下のように性能(電解液漏れ、充放電サイ
クル性)を評価した。 (1)電解液漏れの評価 上記の電池1〜3をそれぞれ100本づつ作成し、完成
した電池について室温、1mA/cm2 で4.2Vまで
充電し、その後2.8Vまで放電する操作を三回繰り返
し、最後に充電した。この充電状態の電池を60℃で1
ヶ月保存し、保存後の電解液漏れ状況を観察した。電池
100本中、電解液漏れが生じた電池の本数を調べた。
【0079】(2)充放電サイクル性の評価 各電池について5mA/cm2 で4.2Vまで充電し、
5mA/cm2 で2.8Vまで放電する操作を繰り返
し、充放電サイクル性を調べた。第1回目の放電容量を
初期容量とし、初期の容量に対して80%の容量になっ
た時のサイクル数を充放電サイクル寿命として評価し
た。結果を以下の表1に示す。
【0080】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 電解液漏れが生じた 電池番号 電池の数(100本中) 充放電サイクル性能 ──────────────────────────────────── 1(実施例1) 0 610 2(比較例1) 3 550 3(比較例2) 5 490 ────────────────────────────────────
【0081】表1の結果から、本発明のように負極シー
トを作成する際に、その塗布液の分散助剤として低沸点
溶剤と高沸点溶剤からなる混合溶剤を使用することによ
り、高容量化を達成する負極材料を用いた場合でも電解
液漏れを防止でき、また充放電サイクル性能も向上する
ことが明らかである。
【0082】
【発明の効果】本発明に従う非水系二次電池により、電
解液漏れが防止され、また優れた充放電サイクル特性を
得ることができる。特に、負極材料としてリチウムイオ
ンの吸蔵能力の高い、高電気容量化が達成できるSn酸
化物を使用した系においても電解液漏れや充放電サイク
ル特性の低下などの弊害を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な円筒型電池の縦断面模式図を示す。
【符号の説明】
1 正極シート 2 負極シート 3 セパレータ 4 電池缶 5 電池蓋 6 ガスケット 7 安全弁

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウム含有遷移金属化合物である正極
    活物質、導電剤及び結着剤を含有する正極混合物を含有
    する層を有するシート状正極、リチウムイオンを吸蔵・
    放出可能な負極材料、導電剤及び結着剤を含有する負極
    混合物を含有する層を有するシート状負極、及びリチウ
    ム塩を含む非水電解質よりなる非水二次電池において、
    該負極シートが、負極混合物を沸点が120℃未満の低
    沸点有機溶剤と沸点が120℃以上の高沸点有機溶剤と
    の混合溶剤中に分散させてなる分散液を集電体上に塗
    布、乾燥することにより得られたものであることを特徴
    とする非水二次電池。
  2. 【請求項2】 低沸点有機溶剤と高沸点有機溶剤との混
    合体積比が、低沸点溶剤/高沸点溶剤=0.1/99.
    9〜90/10である請求項1に記載の非水二次電池。
  3. 【請求項3】 低沸点有機溶剤と高沸点有機溶剤との沸
    点の差が、50℃以上である請求項1に記載の非水二次
    電池。
  4. 【請求項4】 低沸点有機溶剤が、アセトン、メチルエ
    チルケトン、トルエン、メタノール、エタノール、1−
    プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2
    −ブタノール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピ
    ル、及びアセトニロリルから選ばれる少なくとも一種の
    溶剤である請求項1に記載の非水二次電池。
  5. 【請求項5】 高沸点有機溶剤が、メチルセロソルブ、
    メチルセロソルブアセテート、N−メチルピロリドン、
    シクロヘキサン、酢酸ブチル、及びキシレンから選ばれ
    る少なくとも一種の溶剤である請求項1に記載の非水二
    次電池。
  6. 【請求項6】 低沸点有機溶剤と高沸点有機溶剤との混
    合溶剤が、メチルエチルケトンとN−メチルピロリドン
    からなるものである請求項1に記載の非水二次電池。
  7. 【請求項7】 負極材料が、金属又は半金属元素の酸化
    物である請求項1に記載の非水二次電池。
  8. 【請求項8】 負極材料が、金属又は半金属元素の酸化
    物であり、これらのものが周期律表第13族から第15
    族の金属、又は半金属元素の酸化物を含む請求項1に記
    載の非水二次電池。
  9. 【請求項9】 負極材料が、下記一般式(I)で示され
    る複合酸化物である請求項1に記載の非水二次電池。 SnM1 at (I) (式中、M1 はAl、B、P、Si、Ge、周期律表第
    1族元素、第2族元素、第3族元素、及びハロゲン元素
    から選ばれる二種以上の元素を表し、a、及びtはそれ
    ぞれ0.2≦a≦2、及び1≦t≦6の範囲の数を表
    す。)
  10. 【請求項10】 負極材料が、下記一般式(IV)で示さ
    れる複合酸化物である請求項1に記載の非水二次電池。 SnM3 c4 dt (IV) (式中、M3 は、Al、B、P、及びGeから選ばれる
    少なくとも1種の元素を表し、M4 は、周期律表第1族
    元素、第2族元素、第3族元素、及びハロゲン元素から
    選ばれる少なくとも1種の元素を表し、c、d、及びt
    はそれぞれ0.2≦c≦2、0.01≦d≦1、及び1
    ≦t≦6の範囲の数を表わし、そして0.2<c+d<
    2を表す。)
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