JPH09230354A - ポリアミド系液晶配向処理剤 - Google Patents

ポリアミド系液晶配向処理剤

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JPH09230354A
JPH09230354A JP5855796A JP5855796A JPH09230354A JP H09230354 A JPH09230354 A JP H09230354A JP 5855796 A JP5855796 A JP 5855796A JP 5855796 A JP5855796 A JP 5855796A JP H09230354 A JPH09230354 A JP H09230354A
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JP
Japan
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liquid crystal
polyamide
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alkyl group
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Pending
Application number
JP5855796A
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English (en)
Inventor
Yutaka Nagase
裕 長瀬
Eiichi Akiyama
映一 秋山
Yuriko Takamura
百合子 高村
Hideyuki Isogai
英之 磯貝
Hiroyoshi Tai
裕善 袋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Chemical Corp
Sagami Chemical Research Institute
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
Sagami Chemical Research Institute
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶分子を基板に対して高められた傾斜配向
角に、特に垂直に配向せしめることが可能な液晶配向膜
材料を提供する。 【解決手段】 繰り返し単位が下記一般式(I)〔式
(I)中、Aはジカルボン酸を構成する2価の有機基、
Xは一般式(II)または(III) で表される置換基であ
り、上記式(II)または(III) 中、Y1 は酸素原子、ま
たは−CH2 O−、−C(=O)O−もしくは−OC
(=O)−で表される2価の有機基、R1 は炭素数8〜
22のアルキル基または含フッ素アルキル基、Y2 は−
(CH2n −、−O(CH2n −、−CH2 O(C
2n −、−C(=O)O(CH2n−もしくは−
OC(=O)(CH2n −(nは2〜6の整数)で表
される2価の有機基、R2 〜R6 は同一または異なって
も良く炭素数1〜6のアルキル基、mは1以上の整数で
ある。〕で表わされ、重量平均分子量が1000以上で
あるポリアミドよりなる液晶配向処理剤。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な液晶配向処理
剤に関するものであり、更に詳しくは、側鎖に長鎖アル
キル基、長鎖含フッ素アルキル基またはシロキサン鎖な
どの疎水性置換基を有するポリアミドからなり、液晶分
子を基板に対して高められた傾斜配向角に、特に垂直に
配向せしめることが可能な液晶配向処理剤に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年の液晶ディスプレイは所謂ツイステ
ッドネマティック(TN),スーパーツイステッドネマ
ティック(STN),更には溥膜トランジスタ(TF
T)方式等が代表的な表示方式となっており、現在テレ
ビ、ワードプロセッサー、パーソナルコンピューター用
をはじめとするディスプレイとして広く用いられてきて
いる。
【0003】一般に、この様な液晶ディスプレイにおけ
る液晶分子の配向は、基板上に形成された液晶配向膜の
性質に強く依存する事が知られている。即ち、液晶分子
を基板面に対してほぼ水平又は垂直に配向させたり、或
いは基板面に対してある角度を持たせた傾斜配向を得る
ためには、それぞれに適した液晶配向処理剤を選択する
ことが必要である。更に上記の表示方式を含めた液晶デ
ィスプレイの今後の発展に於いて、垂直配向を含む高い
傾斜配向を用いることが表示性能を改善する上で益々重
要となってきている。特に、垂直配向方式は液晶ディス
プレイのコントラスト、明るさ等の視認性を向上させる
上で有力な配向方法と見られている。
【0004】従来、垂直配向を含む高い傾斜配向角で液
晶分子を配向させる配向処理方法としては、長鎖のアル
キル基或いは含フッ素アルキル基等を有する低分子の表
面処理剤で基板表面を処理する方法、或いは酸化珪素等
を基板表面に蒸着する方法などが代表的な方法であっ
た。また近年、長鎖アルキル基等を有するポリイミド樹
脂を配向膜として用いる方法なども提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、長鎖アルキル
基等を有するシランカップリング剤等に代表される、低
分子の表面処理剤で基板面を処理する方法は、液晶分子
を一時的には高い傾斜配向角或いは垂直配向させること
は可能であるが、一般にその配向の安定性が乏しく、特
に加熱などにより配向状態が変化しやすく、実用上信頼
性に乏しいことが問題である。また酸化珪素等を蒸着す
る方法は、配向性能及びその安定性は優れているが、工
業的な生産を行う上で生産効率が悪く、実用性の面で必
ずしも満足される方法とは言えない。また更に長鎖のア
ルキル基等を含むポリイミド系樹脂を用いる方法では、
高い傾斜配向角更には垂直配向が可能であり、且つ工業
的な生産性、配向の安定性等において比較的良好な性能
を有することが知られている。
【0006】しかしながらこの場合、一般にはポリイミ
ド前駆体溶液を基板上に塗布したのち、加熱焼成により
脱水イミド化させて使用するため、高い焼成温度が必要
とされ、特にカラー液晶表示等、ポリイミド膜形成時の
焼成温度に制約がある場合にはその使用が限定される問
題がある。即ち、従来から膜形成に際して、より低温で
の加熱焼成により、安定した垂直配向乃至は高い傾斜配
向角を与える液晶配向処理剤が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点を解決するため剛直な主鎖骨格を有し、かつ優れた
表面特性を併せ持つ高分子材料を探索すべく鋭意検討を
加えた。その結果、側鎖に長鎖アルキル基、長鎖含フッ
素アルキル基またはシロキサン鎖などの疎水性置換基を
有するポリアミドが、液晶分子を基板に対して高められ
た傾斜配向角に、特に垂直に配向せしめることが可能で
あり、しかも熱的に安定な配向をもたらすことを見出
し、本発明に到達した。
【0008】即ち、本発明は、繰り返し単位が下記一般
式(I)
【化4】 〔式(I)中、Aはジカルボン酸を構成する2価の有機
基、Xは、下記一般式(II)
【化5】 または下記一般式(III )
【化6】 で表される置換基であり、上記式(II)または(III )
中、Y1 は酸素原子、または−CH2 O−、−C(=
O)O−もしくは−OC(=O)−で表される2価の有
機基、R1 は炭素数8〜22のアルキル基または含フッ
素アルキル基、Y2は−(CH2n −、−O(CH
2n −、−CH2 O(CH2n −、−C(=O)O
(CH2n −もしくは−OC(=O)(CH2n
(nは2〜6の整数)で表される2価の有機基、R2
6 は同一または異なっても良く炭素数1〜6のアルキ
ル基、mは1以上の整数である。〕で表わされ、重量平
均分子量が1000以上であるポリアミドよりなる液晶
配向処理剤に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】前記一般式(II)中R1 で表され
るアルキル基としては、オクチル基、ノニル基、ウンデ
シル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラ
デシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデ
シル基、オクタデシル基、エイコサニル基及びドコサニ
ル基等の直鎖状アルキル基、1−エチルヘキシル基、2
−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、1−メチ
ルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプ
チル基、1−メチルオクチル基、2−メチルオクチル
基、2−エチルオクチル基、1−メチルデシル基、2−
メチルデシル基、3−メチルデシル基、1−メチルドデ
シル基、1−メチルテトラデシル基、1−メチルヘキサ
デシル基、1−メチルオクタデシル基、1−メチルエイ
コサニル基及び2−エチルエイコサニル基等の分岐状ア
ルキル基を例示することができる。
【0010】また、同じくR1 で表される含フッ素アル
キル基としては、上記アルキル基の水素原子が1個以上
フッ素原子で置換されたものが挙げられるが、特に好ま
しいものとしては、ペルフルオロオクチル基、ペルフル
オロノニル基、ペルフルオロウンデシル基、ペルフルオ
ロデシル基、ペルフルオロドデシル基、ペルフルオロト
リデシル基、ペルフルオロテトラデシル基、ペルフルオ
ロペンタデシル基、ペルフルオロヘキサデシル基、ペル
フルオロヘプタデシル基、ペルフルオロオクタデシル
基、ペルフルオロエイコサニル基、ペルフルオロドコサ
ニル基、1H,1H−ペンタデカフルオロオクチル基、
1H, 1H−ヘプタデカフルオロノニル基、1H, 1H
−ノナデカフルオロデシル基、1H, 1H−ヘンイコサ
フルオロウンデシル基、1H, 1H−トリコサフルオロ
ドデシル基、1H, 1H−ペンタコサフルオロトリデシ
ル基、1H, 1H, 2H, 2H−トリデカフルオロオク
チル基、1H, 1H, 2H, 2H−ヘプタデカフルオロ
デシル基、1H, 1H, 2H, 2H−ヘンイコサフルオ
ロドデシル基及び1H, 1H, 2H, 2H−ペンタコサ
フルオロテトラデシル基等を例示することができる。な
お、上記のアルキル基および含フッ素アルキル基は繰り
返し単位ごとに任意に異なっても良い。
【0011】また、前記一般式(III )中R2 〜R6
表わされるアルキル基としては、メチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル
基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の直鎖状
または分岐状の低級アルキル基が挙げられる。しかしな
がら、合成の容易さおよび本発明の液晶配向処理剤とし
ての特性を生かすためには、上記の置換基のうちメチル
基が最も好ましい。
【0012】繰り返し単位が前記一般式(I)で表わさ
れる本発明に用いられるポリアミドは、例えば、以下に
示す合成方法により合成することができる。即ち、下記
一般式(IV)
【化7】 (式中、Y1 およびR1 は前記定義と同様である。)で
表されるジアミン化合物、または下記一般式(V)
【化8】 (式中、Y2 、R2 〜R6 およびmは前記定義と同様で
ある。)で表わされるジアミノフェニル末端を有するポ
リシロキサン化合物と、下記一般式(VI)
【化9】 (式中、Aは前記定義と同様である。)で表わされるジ
カルボン酸またはその誘導体とを等モル量仕込み、有機
溶媒中で通常の方法により重縮合反応を行なうことによ
り合成することができる。
【0013】前記一般式(VI)で表わされるジカルボン
酸およびその誘導体の具体例としては、テレフタル酸、
イソフタル酸、2, 6−ナフタレンジカルボン酸、1,
6−ナフタレンジカルボン酸、2, 6ー アントラセンジ
カルボン酸、1, 6ー アントラセンジカルボン酸、4,
4' − ビフェニルジカルボン酸、シュウ酸、フマル
酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ア
ジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、1, 9−ノナンジカルボン酸、1, 10−デ
カンジカルボン酸等のジカルボン酸およびこれらの酸ハ
ロゲン化物、酸無水物並びにアルキルエステル化物等が
挙げられ、またそれらの二種以上の混合物を使用するこ
ともできる。
【0014】上記の重縮合反応は縮合剤の存在下好適に
進行するが、ここで用いられる縮合剤としては、モノマ
ーとしてジカルボン酸を用いる場合には、(PhO)3
P、(PhO)PCl2 、PhPOCl2 、(C3
73 P(O)O、POCl3、SOCl2 /Et
3 N、Ph3 P/C2 Cl6 、SiCl4 、Me2 Si
Cl2 等を、モノマーとしてジカルボン酸ハロゲン化物
を用いる場合には、トリエチルアミン、ピリジン、N,
N−ジメチルアニリン等を例示することができる。ま
た、この反応は有機溶媒中で行うことが好ましく、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、クロロホル
ム、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどが好適
に用いられる。この縮合反応における反応温度は、通常
室温から200℃程度の温度範囲が好ましい。一方、モ
ノマーとして上記のジカルボン酸無水物またはアルキル
エステル化物を用いる場合には、一般に上記の縮合剤お
よび溶媒を用いずに、ジアミン化合物と混合し真空下、
加熱溶融することにより好適に重縮合反応が進行する。
【0015】以上述べたような製造方法により得られ
る、繰り返し単位が前記一般式(I)で表わされるポリ
アミドの数平均分子量は1000以上であることが、ポ
リマーの特性を生かす上で好ましい。分子量は、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー、浸透圧法、光散乱
法、粘度法等の公知の方法により測定される。
【0016】前記一般式(IV)で表わされるジアミン化
合物の製造方法に関しては、例えば、特開平1−180
860号、特開平3−281631号、特開平6−13
6122号等に記載されている。即ち、下記一般式(VI
I )
【化10】 (式中、Y3 は水酸基、ハロゲン原子、ヒドロキシメチ
ル基、ハロメチル基、カルボキシル基またはハロカルボ
ニル基である。)で表されるジニトロベンゼン誘導体
と、R1 OHまたはR1 Z(式中、R1 は前記定義と同
様であり、Zはハロゲン原子である。)で表されるアル
コール化合物またはハロアルカン化合物との縮合反応を
行い、下記一般式(VIII)
【化11】 (式中、Y1 およびR1 は前記定義と同様である。)で
表されるジニトロ化合物を合成し、次に該ジニトロ化合
物のニトロ基を還元してジアミノ基に変換することによ
り、前記一般式(IV)で表わされるジアミン化合物を製
造する事ができる。
【0017】一方、前記一般式(V)で表わされるジア
ミノフェニル末端を有するポリシロキサン化合物の製造
方法に関しては、例えば、特開平1−185327号、
特開平3−281631号等に記載されている。即ち、
下記一般式(IX)
【化12】 (式中、Y4 は単結合、酸素原子、または−CH2
−、−C(=O)O−もしくは−OC(=O)−で表さ
れる2価の有機基、pは0〜4の整数である。)で表わ
されるアルケニル基を有するジニトロベンゼン誘導体
と、下記一般式(X)
【化13】 (式中、R2 〜R6 およびmは前記定義と同様であ
る。)で表わされるヒドロシリル末端を有するポリシロ
キサン化合物とをヒドロシリル化触媒存在下反応させる
ことにより、下記一般式(XI)
【化14】 (式中、Y2 、R2 〜R6 およびmは前記定義と同様で
ある。)で表わされるジニトロフェニル末端を有するポ
リシロキサン化合物を合成し、さらに前記一般式(X
I)で表わされる化合物のニトロ基を還元してジアミノ
基に変換することにより、前記一般式(V)で表わされ
るジアミノフェニル末端を有するポリシロキサン化合物
を合成することができる。
【0018】ここで用いられるヒドロシリル化触媒とし
ては、白金、白金炭素、塩化白金酸、白金−ジビニルテ
トラメチルジシロキサン錯体、ジシクロペンタジエニル
プラチナムジクロリドおよびPt(PhCN)2 Cl2
などの白金系触媒を用いるのが最も一般的であるが、そ
の他にもパラジウムやロジウムを含む金属錯体が使用可
能である。例えば、(Ph3 P)4 Pd、(Ph3 P)
2 PdCl2 、PhCN)2 PdCl2 、(Ph3 P)
3 RhCl、(Ph2 PH)2 RhCl、(Ph3 P)
2 (CO)RhCl、[(C253 P]2 (CO)
RhClなどを触媒として用いることができる。用いる
触媒の量は、前記一般式(IX)で表わされるアルケニル
基を有するジニトロベンゼン誘導体に対して通常1/1
00〜1/10000当量程度で充分である。
【0019】前記一般式(VIII)で表わされるジニトロ
化合物および前記一般式(XI)で表わされるジニトロフ
ェニル末端を有するポリシロキサン化合物から、前記一
般式(IV)で表わされるジアミン化合物および前記一般
式(V)表わされるジアミノフェニル末端を有するポリ
シロキサン化合物へそれぞれ導く還元反応は、水素ガス
雰囲気下ニッケル、白金、パラジウム、ロジウムなどの
金属を触媒とした接触還元を行なうことにより容易に進
行する。また、その他にも、ジボラン、水素化ホウ素リ
チウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウム
リチウム、水素化アルミニウムナトリウム、水素化ジア
ルコキシアルミニウムナトリウム、水素化ジエチルアル
ミニウムナトリウム等通常用いられる還元剤と反応させ
ることにより目的とするジアミン誘導体を合成すること
も可能である。また、塩化亜鉛存在下、トリクロロシラ
ン、トリ−n−プロピルシラン、トリエチルシラン等の
ヒドロシラン化合物と反応させても目的物を得ることが
できる。
【0020】本発明に用いられるポリアミドは、主鎖が
剛直な高分子からなり、側鎖に長鎖アルキル基、長鎖含
フッ素アルキル基またはシロキサン鎖などの疎水性置換
基を有しており、該ポリアミドを液晶配向処理剤として
用いることにより、液晶分子を基板に対して高められた
傾斜配向角に、特に垂直に配向せしめることが可能とな
る。
【0021】該ポリアミドを液晶配向処理剤として使用
するに際しては、上記縮合反応で得られたポリアミド樹
脂溶液をそのまま使用する事もできる。また得られたポ
リアミド溶液から一旦ポリアミドを単離したのち、適当
な溶媒に再溶解させて使用することもできる。再溶解さ
せる溶媒は、得られたポリアミドを溶解させるものであ
れば特に限定されないが、その例としてはN,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N
−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチ
ロラクトン及びテトラヒドロフラン等が挙げられる。
【0022】また、基板への塗布性を改善する目的か
ら、単独ではこのポリアミドを溶解させない溶媒であっ
ても溶解性を損なわない範囲であれば上記溶媒に加えて
もよい。その例としてはブチルセロソルブ、エチルセロ
ソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エ
チルカルビトールアセテート、エチレングリコール、ト
ルエン及びキシレン等が挙げられる。また更に、基板へ
の密着性を上げる目的から、シランカップリング剤等の
添加剤を適宜使用する事もできる。
【0023】この様にして得られたポリアミド溶液をス
ピンコート、印刷法等により基板上に塗布し、加熱によ
り溶媒を蒸発させることによって基板上にポリアミド膜
を形成することが出来る。この際の温度は溶媒が蒸発す
ればよく、通常は80〜200℃の温度で十分である。
この場合のポリアミド膜の膜厚は特に限定されるもので
はないが、一般には液晶表示素子用の配向処理剤として
は100〜3000Åが適当である。
【0024】液晶分子を単に垂直に配向させる場合に
は、上記のようにポリアミド膜を形成した二枚の基板の
膜面を対向させ、その間に液晶を狭持することにより垂
直配向を得ることができる。また目的により、形成され
た膜表面をラビング処理して使用することもできる。こ
の場合、液晶分子をラビング方向に沿って、高い傾斜配
向角で配向させることが可能である。
【0025】
【実施例】以下、実施例および参考例により本発明をさ
らに詳しく説明する。ただし、本発明がこれらに限定さ
れるものではないことはもちろんである。 参考例1
【化15】 3, 5−ジニトロベンジルクロリド5. 0g(23mmo
l)、1H, 1H, 2H, 2H−ヘプタデカフルオロ−
1−デカノール16. 0g(35mmol)および硫酸水素
テトラ−n−ブチルアンモニウム1.1g(3. 1mmo
l)をテトラヒドロフラン50mlに溶解し、水酸化ナ
トリウム2. 4g(60mmol)を水4mlに溶解した溶
液を加え、室温にて一晩撹拌した。反応液をジエチルエ
ーテルにて抽出し有機相を分取した後、無水硫酸ナトリ
ウムにて乾燥した。溶媒を減圧除去して粗生成物を得、
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。そ
の結果、上記構造式(1)で表わされる1H, 1H, 2
H, 2H−ヘプタデカフルオロ−1−デシル3, 5−ジ
ニトロベンジルエーテル13. 3g(収率; 90%)を
黄色油状物として得た。なお、生成物が上記の構造であ
ることは以下に示す 1H−NMRおよびIRスペクトル
から確認した。1 H−NMRδ(CDCl3 , ppm ); 2. 60(m,
2H), 3. 95(t,2H, J=13. 0Hz),
4. 74(s,2H), 8. 53(d, 2H, J=2.
0Hz), 8. 97(t,1H, J=2. 0Hz ) IRν(neat, cm-1); 3110, 2850, 289
0, 1640, 1600, 1540(−NO2 ), 14
70, 1340(−NO2 ), 1220(C−F), 1
140(C−O−C), 1000, 875, 805, 7
20
【0026】次に、5%パラジウムカーボン粉末(日本
エンゲルハルト社製)1. 0g(0. 47mmol)をエタ
ノール20mlに懸濁し、15分間水素を通じて触媒を
活性化した。その後、上記の方法で得られた化合物
(1)5. 0g(11mmol)をエタノール20mlおよ
びTHF5mlに溶解した溶液を加え、一晩水素を通じ
ながら還元反応を行なった。触媒を濾去した後、溶媒を
減圧留去して粗生成物を得、シリカゲルカラムクロマト
グラフィーにて精製した。その結果、上記構造式(2)
で表わされる1H, 1H, 2H, 2H−ヘプタデカフル
オロ−1−デシル3, 5−ジアミノベンジルエーテル
3. 3g(収率; 78%)を淡黄色油状物として得た。
なお、生成物が上記の構造であることは以下に示す 1
−NMR、IRスペクトルから確認した。1 H−NMRδ(CDCl3 , ppm ); 2. 48(m,2
H), 3. 57(bs,4H), 3. 79(t,2H,
J=13. 4Hz ), 4. 11(s,2H), 6. 01
(t,1H, J=2. 1Hz ), 6. 13(d, 2H,
J=2. 1Hz ) IRν(neat, cm-1); 3370(−NH2 ), 32
10, 2940, 2880, 1600, 1478, 13
70(−NH2 ), 1220(C−F), 1150, 1
125(C−O−C), 1025, 1000, 980,
960, 935,830
【0027】参考例2
【化16】 60%水素化ナトリウム7. 3g(180mmol)をアル
ゴン雰囲気下ヘキサンで洗浄し、無水テトラヒドロフラ
ン100mlに分散させた後、ドデシルアルコール3
0. 0g(160mmol)を加え50℃で7時間攪拌し
た。次に、反応液を0℃に冷却し、3, 5−ジニトロベ
ンジルクロリド15. 0g(69. 3mmol)を無水テト
ラヒドロフラン150mlに溶解した溶液を加えた。さ
らに室温で一晩攪拌し、水を加えジクロロメタンで抽出
した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減
圧留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製
した。その結果、上記構造式(3)で表わされるドデシ
ル3, 5−ジニトロベンジルエーテル7. 31g(収
率; 28. 8%)を白色固体として得た。なお、生成物
が上記の構造であることは以下に示す 1H−NMRおよ
びIRスペクトルから確認した。1 H−NMRδ(CDCl3 , ppm ); 0. 88(t,
3H, J=6. 9Hz ), 1. 26(m,18H),
1. 68(m,2H), 3. 59(t,2H, J=6.
6Hz ), 4. 69(s,2H), 8. 54(d, 2
H, J=2. 1Hz ), 8. 96(t,1H, J=2.
1Hz ) IRν(KBr,cm-1); 3100, 2920, 28
50, 1820, 1620, 1530(−NO2 ), 1
480, 1465, 1350(−NO2 ), 1320,
1140, 1120, 1075, 1025, 990, 8
80, 805, 720
【0028】次に、5%パラジウムカーボン粉末(日本
エンゲルハルト社製)1. 20g(0. 56mmol)をエ
タノール80mlに懸濁し、15分間水素を通じて触媒
を活性化した。その後、上記の方法で得られた化合物
(3)6. 51g(17. 8mmol)をエタノール20m
lに溶解した溶液を加え、一晩水素を通じながら還元反
応を行なった。触媒を濾去した後、溶媒を減圧留去して
粗生成物を得、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに
て精製した。その結果、上記構造式(4)で表わされる
ドデシル3, 5−ジアミノベンジルエーテル4. 12g
(収率; 76%)を白色固体として得た。なお、生成物
が上記の構造であることは以下に示す 1H−NMR、I
Rスペクトルから確認した。1 H−NMRδ(CDCl3 , ppm ); 0. 88(t,
3H, J=6. 8Hz ), 1. 28(m,18H),
1. 60(m,2H), 3. 43(t,2H, J=6.
8Hz), 3. 54(bs, 4H),4. 32(s,2
H), 5. 95(t,1H, J=2. 1Hz), 6. 1
0(d, 1H, J=2. 1Hz) IRν(KBr,cm-1); 3400(−NH2 ), 3
200, 2950, 2890, 2850, 1600, 1
460, 1360(−NH2 ), 1190, 1100,
1090, 810
【0029】参考例3
【化17】 3, 5−ジニトロベンジルアルコール20. 0g(10
1mmol)、3−ブロモプロペン22ml(254mmol)
および硫酸水素テトラ−n −ブチルアンモニウム2. 0
g(5. 89mmol)をテトラヒドロフラン100mlに
溶解し、水酸化ナトリウム8. 0g(200mmol)を水
16mlに溶解した溶液を加え、室温にて一晩撹拌し
た。反応液をジエチルエーテルにて抽出し有機相を分取
した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧
除去して粗生成物を得、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにて精製した。その結果、上記構造式(5)で表
わされるアリル3, 5ー ジニトロベンジルエーテル1
9. 1g(収率; 80%)を黄色油状物として得た。な
お、生成物が上記の構造であることは以下に示す 1H−
NMRおよびIRスペクトルから確認した。1 H−NMRδ(CDCl3 ,ppm ); 4. 17(d,
2H, J=6. 5Hz), 4. 71(s,2H), 5.
35(m,2H), 6. 00(m,1H), 8.5 4
(d, 2H, J=2. 0Hz), 8. 94(t,1H,
J=2. 0Hz ) IRν(neat, cm-1); 3110, 2880, 163
0, 1600, 1540, 1470, 1345(−NO
2 ), 1265, 1225, 1120(C−O−C),
1075, 990, 910, 810, 758, 725
【0030】参考例4,5
【化18】 参考例3で得られた化合物(5)2. 00g(8. 40
mmol)およびペンタメチルジシロキサン2. 46ml
(12. 6mmol)をアルゴン雰囲気下無水テトラヒドロ
フラン10mlに溶解し、白金−ジビニルテトラメチル
ジシロキサン錯体の2wt.%キシレン溶液を0. 08
ml加えた。この溶液を60℃で18時間攪拌した後、
溶媒を減圧留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィー
にて精製した。その結果、上記構造式(6)で表わされ
る3−(3, 5−ジニトロベンジルオキシ)プロピルペ
ンタメチルジシロキサン3. 10g(収率; 9 5%)
を淡黄色液体として得た。なお、生成物が上記の構造で
あることは以下に示す 1H−NMR、IRスペクトルか
ら確認した。1 H−NMRδ(CDCl3 , ppm ); 0. 06(s,
15H), 0. 55(m,2H), 1. 70(m,2
H), 3. 55(t,2H, J=6. 8Hz), 4. 6
8(s,2H), 8. 58(d, 2H, J=2. 0H
z), 8. 94(t,1H, J=2. 0Hz) IRν(neat, cm-1); 3110, 2960, 287
5, 1595, 1545(−NO2 ), 1395(−N
2 ), 1255(Si−C), 1120, 1060
(SiOSi), 840, 730
【0031】次に、5%パラジウムカーボン粉末(日本
エンゲルハルト社製)0. 29g(0. 14mmol)をエ
タノール20mlに懸濁し、上記の方法で得られた化合
物(6)2. 63g(6. 81mmol)を加え、一晩水素
を通じながら還元反応を行なった。触媒を濾去した後、
溶媒を減圧留去して粗生成物を得、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィーにて精製した。その結果、上記構造式
(8)で表わされる3−(3, 5−ジアミノベンジルオ
キシ)プロピルペンタメチルジシロキサン1.44g
(収率; 65%)を淡褐色液体として得た。なお、生成
物が上記の構造であることは以下に示す 1H−NMR、
IRスペクトルから確認した。1 H−NMRδ(CDCl3 , ppm ); 0. 05(s,
15H), 0. 50(m,2H), 1. 60(m,2
H), 3. 40(t,2H, J=7. 0Hz), 3. 5
3(bs, 4H), 4. 32(s,2H), 5. 94
(t,1H, J=2.0Hz), 6. 10(d, 2H,
J=2. 0Hz ) IRν(neat, cm-1); 3425(−NH2 ), 33
55, 3220, 2960, 2860, 1600, 14
75, 1370(−NH2 ), 1255(Si−C),
1190, 1060(SiOSi), 840, 775,
755, 685
【0032】上記の反応において、ペンタメチルジシロ
キサンの代わりに片末端ヒドロポリジメチルシロキサン
(平均重合度バーm=7. 8、Makromol. Chem., Vol.1
93,p.1509-1519 (1992)記載の方法により製造)を化
合物(5)に対してほぼ等モル量(5. 00g)用い、
上記と同様な反応および精製を行い、ジニトロ化合物
(7)(5. 60g)およびジアミン化合物(9)
(4. 60g)が淡黄色粘性液体としてそれぞれ得られ
た。化合物(7)および(9)の 1H−NMR、IRス
ペクトルを以下に示す。なお、 1H−NMRスペクトル
のピーク強度比から算出した化合物(7)および(9)
のシロキサン成分の平均重合度バーmはそれぞれ8. 0
および8. 1 であった。 化合物(7):1 H−NMRδ(CDCl3 , ppm ); 0. 08(s,
(6m+9)H), 0.89(m,2H), 1. 71
(m,2H), 3. 56(t,2H, J=6. 8H
z), 4. 69(s,2H), 8. 46(d, 2H, J
=2. 0Hz), 8. 90(t,1H, J=2. 0H
z) IRν(neat, cm-1); 2980, 1550(−NO
2 ), 1345(−NO2 ), 1260(Si−C),
1100−1000(SiOSi), 800 化合物(9):1 H−NMRδ(CDCl3 , ppm ); 0. 10(s,
(6m+9)H), 0.89(m,2H), 1. 63
(m,2H), 3. 43(t,2H, J=7. 0H
z), 3. 58(bs, 4H), 4. 35(s,2
H), 5. 98(t,1H,J=2. 0Hz), 6. 1
3(d, 2H, J=2. 0Hz) IRν(neat, cm-1); 3370(−NH2 ), 29
50, 2860, 1600, 1530, 1470, 13
50(−NH2 ), 1260(Si−C), 1190,
1100−1000(SiOSi), 8 40
【0033】実施例1〜4:ポリアミドの合成
【化19】 参考例1,2および4で得られたジアミン化合物
(2)、(4)、(8)および(9)と、テレフタル酸
ジクロリドとをそれぞれ表1に記載の量秤量し、無水テ
トラヒドロフランに溶解した溶液(モノマー濃度;約
0. 1mol/l )にトリエチルアミンをモノマーに対して
約3等量加え、アルゴンガス雰囲気下室温にて一晩撹拌
し重縮合反応を行なった。次に、反応溶液を過剰のメタ
ノールに注ぎポリマーを沈澱せしめた後、得られたポリ
マーを瀘別し乾燥させた。その結果、上記(PA−1)
〜(PA−4)で表わされる構造のポリアミドがそれぞ
れ下記表1に記載の収量で得られた。得られたポリアミ
ドのIRスペクトルを以下に示す。また、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィーによりポリスチレン換算値
としての数平均分子量および重量平均分子量を測定し
た。結果を下記表1にまとめて示す。 (PA−1)のIRスペクトル(KBr,cm-1);3
350(−NH), 2950, 2830, 1660, 1
610, 1550, 1450, 1425, 1280, 1
200(C−F), 1150, 1120, 1100, 1
020, 860, 800, 710, 680, 660 (PA−2)のIRスペクトル(KBr,cm-1);3
300(−NH), 2950, 2890, 2850, 1
660, 1600, 1550, 1460, 1420, 1
120, 1090, 1020, 860, 810, 72
0, 680 (PA−3)のIRスペクトル(KBr,cm-1);3
300(−NH), 2950, 2960, 2850, 1
660, 1610, 1545, 1500, 1445, 1
420, 1360, 1320, 1250(Si−C),
1180, 1050(SiOSi), 840, 800,
720, 680 (PA−4)のIRスペクトル(KBr,cm-1);3
450(−NH), 2960, 1655, 1615, 1
550, 1500, 1450, 1425, 1260(S
i−C), 1180, 1100−1000(SiOS
i), 840, 800, 680
【0034】
【表1】
【0035】実施例5 実施例1で得られたポリアミド(PA−1)0. 6gを
NMP10gに溶解し、透明電極付きガラス基板に塗布
した後、180℃で乾燥させてポリアミド塗膜を形成さ
せた。この塗膜付き基板2枚を50μmのスペーサーを
挟んで互いに塗膜面を対向させて組み立て、液晶(メル
ク社製:ZLI-2293)を注入してセルを作製した。このセ
ルを偏光顕微鏡クロスニコル中で観察したところ均一な
暗視野であった。ステージ上でセルを回転させたが、明
暗の変化はなかった。このセルのコノスコープ像を観察
したところ、視野の中心付近に明瞭なアイソジャイアー
が観測され、液晶は基板面に対し垂直に配向している事
が分かった。次に、このセルを95℃に加熱して液晶を
等方相化させた後、徐冷してネマティック相に戻した。
熱処理前後でセルのアイソジャイアーに変化は見られな
かった。
【0036】実施例6 実施例2で得られたポリアミド(PA−2)0. 6gを
NMP10gに溶解し、実施例1と同様にしてセルを作
製し、偏光顕微鏡観察したところ、視野の中心付近に明
瞭なアイソジャイアーが観測され、液晶は基板面に対し
垂直に配向していることが分かった。次に、このセルを
95℃に加熱して液晶を等方相化させた後、徐冷してネ
マティック相に戻した。熱処理前後でセルのアイソジャ
イアーに変化は見られなかった。
【0037】実施例7 実施例4で得られたポリアミド(PA−4)0. 6gを
NMP10gに溶解し、実施例1と同様にしてセルを作
製し、偏光顕微鏡観察したところ、視野の中心付近に明
瞭なアイソジャイアーが観測され、液晶は基板面に対し
垂直に配向していることが分かった。次に、このセルを
95℃に加熱して液晶を等方相化させた後、徐冷してネ
マティック相に戻した。熱処理前後でセルのアイソジャ
イアーに変化は見られなかった。
【0038】実施例8 実施例1で得られたポリアミド(PA−1)0. 6gを
NMP10gに溶解し、二枚の透明電極付きガラス基板
に塗布した後、180℃で乾燥させてポリアミド塗膜を
形成させた。この塗膜表面を一定方向にラビング処理し
たのち、50μmのスペーサーを挟んで塗膜面を対向さ
せラビング方向を反平行にして組み立てた。これに液晶
(メルク社製:ZLI-2293)を注入して液晶セルを作製し
た。このセルを偏光顕微鏡クロスニコル中で観察したと
ころ均一な配向状態であり、セルをクロスニコル中で回
転させたところ明暗が見られた。このセルについて、結
晶回転法により傾斜配向角を測定したところ、15゜以
上の高い値を示した。
【0039】実施例9 実施例2で得られたポリアミド(PA−2)0. 6gを
NMP10gに溶解し、二枚の透明電極付きガラス基板
に塗布した後、180℃で乾燥させてポリアミド塗膜を
形成させた。この塗膜表面を一定方向にラビング処理し
たのち、50μmのスペーサーを挟んで塗膜面を対向さ
せラビング方向を反平行にして組み立てた。これに液晶
(メルク社製:ZLI-2293)を注入して液晶セルを作製し
た。このセルを偏光顕微鏡クロスニコル中で観察したと
ころ均一な配向状態であり、セルをクロスニコル中で回
転させたところ明暗が見られた。このセルについて、結
晶回転法により傾斜配向角を測定したところ、15゜以
上の高い値を示した。
【0040】実施例10 実施例3で得られたポリアミド(PA−3)0. 15g
をDMAC1. 5gに溶解し、二枚の透明電極付きガラ
ス基板に塗布した後、160℃で乾燥させてポリアミド
塗膜を形成させた。この塗膜表面を一定方向にラビング
処理したのち、50μmのスペーサーを挟んで塗膜面を
対向させラビング方向を反平行にして組み立てた。これ
に液晶(メルク社製:ZLI-2293)を注入して液晶セルを
作製した。このセルを偏光顕微鏡クロスニコル中で観察
したところ均一な配向状態であり、セルをクロスニコル
中で回転させたところ明暗が見られた。このセルについ
て、結晶回転法により傾斜配向角を測定したところ、1
5゜以上の高い値を示した。
【0041】実施例11 実施例4で得られたポリアミド(PA−4)0. 6gを
NMP10gに溶解し、二枚の透明電極付きガラス基板
に塗布した後、180℃で乾燥させてポリアミド塗膜を
形成させた。この塗膜表面を一定方向にラビング処理し
たのち、50μmのスペーサーを挟んで塗膜面を対向さ
せラビング方向を反平行にして組み立てた。これに液晶
(メルク社製:ZLI-2293)を注入して液晶セルを作製し
た。このセルを偏光顕微鏡クロスニコル中で観察したと
ころ均一な配向状態であり、セルをクロスニコル中で回
転させたところ明暗が見られた。このセルについて、結
晶回転法により傾斜配向角を測定したところ、15゜以
上の高い値を示した。
【0042】
【発明の効果】本発明の液晶配向処理剤を用いることに
より、液晶分子を基板に対して高められた傾斜配向角
に、特に垂直に配向せしめることができ、しかも熱的に
安定な配向をもたらすので、垂直配向を含む高い傾斜配
向角を有する液晶ディスプレイを容易に製造することが
可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯貝 英之 千葉県船橋市坪井町722番地1 日産化学 工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 袋 裕善 千葉県船橋市坪井町722番地1 日産化学 工業株式会社中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繰り返し単位が、下記一般式(I) 【化1】 〔式(I)中、Aはジカルボン酸を構成する2価の有機
    基、Xは、下記一般式(II) 【化2】 または下記一般式(III ) 【化3】 で表される置換基であり、上記式(II)または(III )
    中、Y1 は酸素原子、または−CH2 O−、−C(=
    O)O−もしくは−OC(=O)−で表される2価の有
    機基、R1 は炭素数8〜22のアルキル基または含フッ
    素アルキル基、Y2は−(CH2n −、−O(CH
    2n −、−CH2 O(CH2n −、−C(=O)O
    (CH2n −もしくは−OC(=O)(CH2n
    (nは2〜6の整数)で表される2価の有機基、R2
    6 は同一または異なっても良く炭素数1〜6のアルキ
    ル基、mは1以上の整数である。〕で表わされ、重量平
    均分子量が1000以上であるポリアミドよりなる液晶
    配向処理剤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000043833A1 (fr) * 1999-01-22 2000-07-27 Hitachi, Ltd. Element d'afficheur a cristaux liquides
US6338808B1 (en) * 1999-03-31 2002-01-15 Fuji Photo Film Co., Ltd. Liquid crystal composition comprising liquid crystal molecules and alignment promoter
US6485798B1 (en) 1999-03-16 2002-11-26 Fuji Photo Film Co., Ltd. Optical compensatory sheet comprising substrate and optically anisotropic layer
WO2011052257A1 (ja) 2009-10-30 2011-05-05 シャープ株式会社 液晶表示素子

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US6338808B1 (en) * 1999-03-31 2002-01-15 Fuji Photo Film Co., Ltd. Liquid crystal composition comprising liquid crystal molecules and alignment promoter
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